黄そば

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黄そば(きぃそば)とは、主として近畿地方における中華麺の一呼称。また、それを用いた和風麺料理のこと。

概要[編集]

近畿および中国・四国地方の一部などでは、油処理をしない状態のゆで中華麺が流通しており、市場スーパーなどで一般に販売されているほか、学生食堂社員食堂大衆食堂などでよく利用されている。本来はラーメン焼きそばなどに使用する目的ではあるが、この麺にうどんそばに用いられる和風だしをかけて供されることも珍しくなかった。こうした料理は、俗に「黄そば」と呼ばれている。

背景[編集]

かつて、近畿圏の大衆食堂では、うどんだしを流用して麺と具材のみを変えたものを「中華そば」として供していたという経緯がある。また、高校の学食などにおいても、コスト的な理由から麺の仕入れをうどんと中華麺の二種に絞り、中華麺にうどんのつゆをかけたものを「そば」として販売することがあった。ただし、現在ではあまり提供する店はなく、ごく一部で細々と生き残っている状態である。

特徴[編集]

具材や薬味はうどん・そばに準じ、油揚げ天ぷらなどが用いられることが多い。

姫路駅の「えきそば」のように名物料理として知られるものから、品書きには載っていないが頼めば食べられる裏メニューとして存在するケースまでさまざまである。近年では、梅田阪神百貨店のスナックパークに「えきそば」が登場したり、京阪駅構内の麺座や、近鉄駅構内の上六庵阿倍野庵など、懐古的に復活している例もみられる。

基本的にはゆでめんを使用する学食や大衆食堂、立ち食いうどんなどで供される料理であり、一般のそば・うどん店で食べられるというわけではない。ただし、少数ではあるが自家製麺の店などでは生麺を茹でて使用している例もある。

食堂や立ち食い店では、うどん、蕎麦、黄そばの三種から麺を選べることもある。この場合、日本蕎麦は「和そば」あるいは「黒そば」と呼んで区別されるのが通例である。

「生蕎麦」とはアクセントで区別されるが、関西以外の地域の出身者には混同されることもある。

近畿地方で販売されているゆで中華麺は、柔らかくコシのない、やや細めのストレート麺が一般的である。

異称[編集]

「黄そば」という名称は用いないが、「和風中華」「きつねラーメン」などと称して、中華麺を和風のスープで食べるメニューを掲げる店は日本各地に点在している。

叉焼などをのせた和風中華そばは一般に黄そばとは呼ばれないが、中華風のスープに和風の具材をトッピングしたものを「中華風黄そば」としてメニューに載せている店もある。

「きつね」や「たぬき」に倣って「おばけ」「いたち」など独自の呼称を用いる店もある。

京都市周辺では「キーシマ」(「シマ」はそばを意味する符牒)とも呼ばれる。

高知県香南市には「中日そば(ちゅうにちそば)」という名称で類似の料理がある。

関連項目[編集]