保守王国

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保守王国(ほしゅおうこく)は、日本の国政選挙や地方選挙において保守勢力の候補が強い地域のことである。自民王国(じみんおうこく)とも呼ばれている。

概説[編集]

保守王国とは保守政党選挙に強い地域のことである。戦後55年体制下においては、自由民主党のような保守勢力が選挙に強く、日本社会党日本共産党が弱い地域を指していた。現在でも自民党・日本のこころ日本維新の会といった保守勢力が強く、民進党・日本共産党・社会民主党が弱いという意味合いは同じである。

特に複数の保守系議員を選出し続けている1つ単位の都道府県は保守王国と呼ばれることがある。

北関東茨城県栃木県群馬県)、北陸地方富山県石川県福井県)、岐阜県和歌山県山陰地方鳥取県島根県)、山口県愛媛県南九州熊本県宮崎県鹿児島県)が保守王国ないし自民王国と呼ばれることが多い。

自民党が惨敗した2009年第45回衆議院議員総選挙でも、福井県・鳥取県・島根県・高知県は小選挙区で自民党候補が独占(高知県に至っては全小選挙区で自民党候補が比例復活も許さないほどの大差で勝利)し、富山県・島根県は比例区で自民党の得票数が民主党を上回った。この5県と宮崎県テレビ朝日系列フルネット局がないため報道ステーションが放送されていない(ただしケーブルテレビで隣接府県のテレ朝系列局が区域外再放送されているため視聴可能)共通点があり報ステ現象と呼ぶ人[誰?]もいた。 この他青森県・群馬県・山口県・愛媛県・宮崎県でも自民党の現職候補が善戦した。

保守系候補が自民党と対立する政党(かつての新進党国民新党など)に属しているケースも多いため、55年体制の崩壊以後はその定義は曖昧と言える。保守主義を掲げ、一時は自民党と連立して与党入りした自由党 (日本 1998-2003)や、同じく保守主義寄りであった民政党出身の候補が当選し続ける選挙区も存在するが、2000年保守党分裂と与党離脱、2003年民由合併により、現在も民主党やそこから分派した勢力に属する議員の当選選挙区を「保守王国」と見做すことは少ない。これに該当する議員としては羽田孜小沢一郎、地域としては岩手県が挙げられる。ただし小沢が現在共同代表を務める「自由党 (日本 2016-)」は革新政党と見做され、小沢もその勢力内とされる。逆に一時は非自民党政権の与党の一翼を担いながらも、主義主張が保守寄りである亀井静香が当選を続ける広島6区は、一貫して保守王国と呼ばれ続けている。

更には、保守系政党所属の野党議員と自民党による戦いが続く選挙区では、選挙戦の度に当選者が入れ替わるような場所でも、何れの場合も保守系に分類される政治家である、というパターンが存在する。中には大阪府第14区のように、自民公認候補(谷畑孝)が新設の保守系野党に移籍する一方、民主公認候補(長尾敬)が離党の上自民党に入党するという選挙区もある。

政治家個人の思想信条をもって保守王国とするのか、政党の主張傾向をもっと保守王国とするのか、その定義は曖昧である。前述の大阪14区選出の谷畑は自民党入党前は日本社会党に入党していたし、兵庫県第11区第12区のように民主党に長らく党籍を置き同党から連続して当選者を出しながらも、その候補者が丸ごと自民党に鞍替えし、第48回衆議院議員総選挙にて全くの同一人物の当選ながらも自民党の議席となるという選挙区も存在する。そもそも小沢を初め、平成時代の野党議員の幾人かは自民党から当選した過去を持つし、社会党出身であっても自社さ連立政権の一翼を担った候補もいる。

第22回参議院議員通常選挙第46回衆議院議員総選挙第23回参議院議員通常選挙の三つの選挙において青森県・群馬県・富山県・石川県・福井県・鳥取県・島根県・山口県・徳島県・宮崎県は自民党が衆参すべての議席を独占し他党に所属する議員が0になった。

衆議院が中選挙区時代には、保守系候補が議席を独占または複数獲得している選挙区、小選挙区制以降後は小選挙区での選出議員を保守系候補が独占している選挙区、参議院選挙区については、保守系候補が議席を独占している選挙区についてより一層強調された。

一方で2012年以降は左派系政党が強かった都道府県でも自民党が強くなっている面もあり労組が強い左派系政党の地盤であった滋賀県では第23回参議院議員通常選挙第24回参議院議員通常選挙第48回衆議院議員総選挙で野党候補が全員落選しており衆議院では比例復活もできなったことから滋賀県選出の国会議員は衆参共に自民党が独占状態にある。また左派系政党が強い奈良県も同じ状態である他、福岡県では過去二回の衆院選で自民党が全選挙区で全勝しているなど大きく変動を起こしている。

主な選挙区[編集]

衆議院選挙区[編集]

小選挙区制を導入以後、自民党系候補が独占している選挙区を以下に列挙する。

選挙区 小選挙区当選者 党派
青森県第3区 大島理森 自由民主党
木村次郎 自由民主党
青森県第4区[1] 木村太郎 新進党改革クラブ→自由民主党
茨城県第4区 梶山静六 自由民主党
梶山弘志 自由民主党
栃木県第5区 茂木敏充 自由民主党
群馬県第4区 福田康夫 自由民主党
福田達夫 自由民主党
群馬県第5区 小渕恵三 自由民主党
小渕優子 自由民主党
埼玉県第11区 加藤卓二 自由民主党
小泉龍司 無所属→自由民主党→無所属→自由民主党
新井悦二 自由民主党
千葉県第11区 森英介 自由民主党
千葉県第12区 浜田靖一 自由民主党
中村正三郎 自由民主党
神奈川県第2区 菅義偉 自由民主党
神奈川県第11区 小泉純一郎 自由民主党
小泉進次郎 自由民主党
神奈川県第15区 河野太郎 自由民主党
東京都第8区 石原伸晃 自由民主党
東京都第11区 下村博文 自由民主党
東京都第17区 平沢勝栄 自由民主党
東京都第25区 石川要三 自由民主党
井上信治 自由民主党
富山県第2区 住博司 自由民主党
宮腰光寛 自由民主党
富山県第3区 綿貫民輔 自由民主党→国民新党
橘慶一郎 自由民主党
石川県第2区 森喜朗 自由民主党
佐々木紀 自由民主党
福井県第2区 牧野隆守 自由民主党
山本拓 自由民主党
高木毅 自由民主党
岐阜県第2区 棚橋泰文 自由民主党
岐阜県第4区 藤井孝男 自由民主党→たちあがれ日本太陽の党日本維新の会次世代の党
金子一義 自由民主党
金子俊平 自由民主党
三重県第5区[1] 藤波孝生 自由民主党→無所属
三ツ矢憲生 自由民主党
京都府第5区 谷垣禎一 自由民主党
本田太郎 自由民主党
大阪府第13区 西野陽 新進党→自由民主党
塩川正十郎 自由民主党
西野弘一 日本維新の会→次世代の党→無所属
宗清皇一 自由民主党
兵庫県第9区 宮本一三 新進党→自由民主党→新党日本→国民新党
西村康稔 無所属→自由民主党
和歌山県第3区 二階俊博 自由民主党→新生党→新進党→自由党保守党保守新党→自由民主党
鳥取県第1区 石破茂 無所属→自由民主党
島根県第1区 細田博之 自由民主党
島根県第2区 竹下登 自由民主党
竹下亘 自由民主党
岡山県第1区 逢沢一郎 自由民主党
岡山県第3区 平沼赳夫 自由民主党→無所属→たちあがれ日本→太陽の党→日本維新の会→次世代の党→自由民主党
阿部俊子 自由民主党
岡山県第5区 村田吉隆 自由民主党
加藤勝信 自由民主党
広島県第1区 岸田文雄 自由民主党
山口県第1区 高村正彦 自由民主党
高村正大 自由民主党
山口県第3区 河村建夫 自由民主党
山口県第4区 安倍晋三 自由民主党
香川県第3区 大野功統 自由民主党
大野敬太郎 自由民主党
愛媛県第1区 関谷勝嗣 自由民主党
塩崎恭久 自由民主党
愛媛県第2区 村上誠一郎 自由民主党
愛媛県第4区 山本公一 自由民主党
福岡県第7区 古賀誠 自由民主党
藤丸敏 自由民主党
福岡県第8区 麻生太郎 自由民主党
福岡県第11区 山本幸三 新進党→無所属→自由民主党
武田良太 無所属→自由民主党→無所属→自由民主党
佐賀県第3区[2] 保利耕輔 自由民主党→無所属→自由民主党
熊本県第3区 松岡利勝 自由民主党
坂本哲志 無所属→自由民主党
熊本県第4区 園田博之 新党さきがけ→自由民主党→たちあがれ日本→太陽の党→日本維新の会→次世代の党→太陽の党→次世代の党→自由民主党
金子恭之 無所属→無所属の会→自由民主党
宮崎県第2区 江藤隆美 自由民主党
江藤拓 自由民主党→無所属→自由民主党
宮崎県第3区 持永和見 自由民主党
古川禎久 自由民主党→無所属→自由民主党
鹿児島県第2区 園田修光 自由民主党
徳田虎雄 無所属→自由民主党→無所属→自由連合
徳田毅 無所属→自由連合→自由民主党→無所属
金子万寿夫 自由民主党
鹿児島県第4区 小里貞利 自由民主党
小里泰弘 自由民主党
森山裕 自由民主党→無所属→自由民主党
鹿児島県第5区[1] 山中貞則 自由民主党
森山裕 自由民主党→無所属→自由民主党
  1. ^ a b c 2017年の区割り変更により廃止
  2. ^ 2013年の区割り変更により廃止

参議院選挙区[編集]

自民党系候補が独占している選挙区を以下に列挙する。

選挙区 当選議員 党派
秋田県選挙区(2) 石井浩郎中泉松司 自由民主党
栃木県選挙区(2) 上野通子高橋克法 自由民主党
群馬県選挙区(2) 中曽根弘文山本一太 自由民主党
富山県選挙区(2) 野上浩太郎堂故茂 自由民主党
石川県選挙区(2) 岡田直樹山田修路 自由民主党
福井県選挙区(2) 山崎正昭滝波宏文 自由民主党
滋賀県選挙区(2) 小鑓隆史二之湯武史 自由民主党
奈良県選挙区(2) 佐藤啓堀井巌 自由民主党
和歌山県選挙区(2) 鶴保庸介世耕弘成 自由民主党
岡山県選挙区(2) 小野田紀美石井正弘 自由民主党
鳥取県・島根県選挙区(3) 青木一彦舞立昇治島田三郎 自由民主党
山口県選挙区(2) 江島潔林芳正 自由民主党
徳島県・高知県選挙区(3) 中西祐介三木亨高野光二郎 自由民主党
香川県選挙区(2) 磯崎仁彦三宅伸吾 自由民主党
愛媛県選挙区(2) 山本順三井原巧 自由民主党
佐賀県選挙区(2) 福岡資麿山下雄平 自由民主党
長崎県選挙区(2) 金子原二郎古賀友一郎 自由民主党
熊本県選挙区(2) 松村祥史馬場成志 自由民主党
宮崎県選挙区(2) 松下新平長峯誠 自由民主党
鹿児島県選挙区(2) 野村哲郎尾辻秀久 自由民主党
  • 福井県選挙区、和歌山県選挙区、山口県選挙区の改選数は1947年より一貫して1。鹿児島県選挙区は1998年まで改選数2、2001年より改選数1、1998年以降自民党系候補が独占している。群馬県選挙区は2004年まで改選数2、2007年より改選数1。2016年から鳥取県選挙区と島根県選挙区は鳥取県・島根県選挙区、徳島県選挙区と高知県選挙区は徳島県・高知県選挙区

関連項目[編集]