神道政治連盟

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神道政治連盟(しんとうせいじれんめい)は、日本の国民運動団体[1]。略称名は神政連[1]神社界を母体として1969年(昭和44年)に結成された神社本庁の関係団体である[2]。 現在の会長は、長曽我部延昭(伊豫豆比古命神社宮司)。

神道政治連盟国会議員懇談会(しんとうせいじれんめいこっかいぎいんこんだんかい)」についても述べるが、この組織は超党派議員による連盟組織であり、神道政治連盟と同一団体ではない[要出典]

概要[編集]

神社界を中心に構成される政治団体で「日本歴史文化伝統を後世に伝えること」を活動目的としている[1]。全国47各都道府県ごとに都道府県本部を持ち、東京都渋谷区代々木1-1-2に中央本部を置く。所在地は神社本庁と同一である。英語名は「Shinto Association of Spiritual Leadership」である。

昭和44年11月の神道政治連盟規約第四条によれば、連盟は事業として綱領の実現にむけて、政治に関する諸問題の研究調査並びに啓蒙普及・機関紙及び諸印刷物の発行・講演会の開催・選挙を通じて議員を国会その他に送ることを行う[3])。具体的な活動として各種フォーラム、「意」や「つばさ」などの冊子を発行している。会員は綱領に賛同し会費を納める満20歳以上の者及び法人から構成される。また神道政治連盟の趣旨に賛同する日本の国会議員からなる議員連盟として「神道政治連盟国会議員懇談会」が存在する(後述)。

1966年(昭和41年)の神社審議会の答申の後[4]1968年(昭和43年)の「神道政治連盟(仮称)準備委員会規則案」では神職の議員を参議院に送り込むことが謳われたが、1970年(昭和45年)の推薦の基準では「当分の間独自の候補を立てず、従来の神社関係議員を中心に推薦応援する」とされ、既存政党の議員や候補者を推薦する傾向にあった[4][5]

憲法の制定[1]靖国神社での国家儀礼の確立[1]道徳宗教教育の推進[6]夫婦別姓制度の危険性主張[7]皇室の尊厳護持[8]などの運動をしている。

国民の祝日には玄関に日本の国旗を掲げることを推奨しており、連盟のウェブサイトでは国旗の掲げ方などをイラスト付きで解説している[9]

綱領[編集]

神道政治連盟結成時の綱領は以下の5項目である[4]

  • 神道の精神を以て、日本国国政の基礎を確立せんことを期す。
  • 神意を奉じて経済繁栄、社会公共福祉の発展をはかり、安国の建設を期す。
  • 日本国固有の文化伝統を護持し、海外文化との交流を盛んにし、雄渾なる日本文化の創造発展につとめ、もつて健全なる国民教育の確立を期す。
  • 世界列国との友好親善を深めると共に、時代の幣風を一洗し、自主独立の民族意識の昂揚を期す。
  • 建国の精神を以て、無秩序なる社会的混乱の克服を期す。

選挙応援[編集]

国政選挙(主に参議院議員通常選挙)において神道政治連盟はこれまで複数の候補者を推薦・応援してきた。

2005年(平成17年)の推薦者の基準として以下を挙げた[4][10]

神道政治連盟は下記の候補者を国会議員選挙で推薦・応援した。

日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』は、神道政治連盟について「宗教界右派とされる」とした上で、自民党候補の推薦等に動きを見せていることを報じている[15]

批判[編集]

組織[編集]

  • 事務局長の湯澤豊は元靖国神社宮司の湯澤貞の子[17]
  • 神道政治連盟会長の長曽我部延昭は、日本会議の代表委員[18]

関係団体[編集]

神道政治連盟国会議員懇談会[編集]

神道政治連盟国会議員懇談会は、神道政治連盟の理念に賛同を示す超党派の日本の国会議員により構成される議員連盟であり、自民党を中心に283名が参加している(2016年(平成28年)2月12日現在)[19][20]1970年|(昭和45年)5月の「神道政治連盟国会議員懇談会規約」によれば、懇談会は「神道政治連盟の趣旨に賛同する国会議員をもって組織」するとされる[21]。自身の宗教信仰について問われることはなく、神道の布教は目的としていない。現在の会長は安倍晋三[20]第3次安倍内閣では、閣僚20人のうち公明党所属以外の19人が神道政治連盟議員懇談会の会員だとされる[22]

これまで元号制定化、国旗国歌法昭和の日制定、選択的夫婦別姓制度導入の阻止などの活動を行ってきた[23][20]

活動[編集]

質疑応答[編集]

  • 1996年(平成8年)の法制審議会で、中村敦夫は、神道政治連盟国会議員懇談の加盟議員が、その懇談会の意向に沿って選択的夫婦別姓制度の導入に関する法案の賛否の立場を決めていると主張し、憲法違反ではないかと質問した[26]。それに対し、国務大臣の臼井日出男は、「一般論として申し上げるならば、そうした各宗教団体と宗教団体のカウンターパートである議連、必ずしも考え方が一緒であるということではない、それぞれお互いの意見を交換しながらより理解を深めていく、こういう形になろうかと思います。」と回答した[26]

所属議員[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e 神政連とは?、神道政治連盟公式サイト
  2. ^ a b 関係団体一覧、神社本庁公式サイト
  3. ^ 神道政治連盟『神政連十五年史』神道政治連盟、昭和59年、153-154
  4. ^ a b c d 塚田穂高 2015, pp. 36-49.
  5. ^ 塚田穂高, 2015, pp.36-49 によれば 神道政治連盟『神政連十年史』神道政治連盟、昭和54年、130ページ、4-5ページ、131-132ページ に記載
  6. ^ http://www.sinseiren.org/torikumukadai/kyouiku_katei/kyouikukukihonhou/kyouiku_kyouikukihonhou.htm
  7. ^ http://www.sinseiren.org/torikumukadai/kyouiku_katei/nihonnokenpou/kyouiku_nihonnokenpou.htm
  8. ^ http://www.sinseiren.org/torikumukadai/koushitu_1.htm
  9. ^ 国旗の揚げ方
  10. ^ 塚田穂高, 2015, pp.36-49 によれば「第20回参議院通常選挙における候補者の推薦について」神道政治連盟編『神政連三十五年史』、2005年、153ページ に記載
  11. ^ a b c d e f 塚田穂高 2015, pp. 44-49.
  12. ^ a b c d e f g 塚田穂高 2015, pp. 68-69.
  13. ^ 2007年8月15日付朝日新聞
  14. ^ 「(日本会議研究)参院選編:上 神社界、改憲に向け奔走」朝日新聞、2016年8月5日。(2016年8月5日閲覧)
  15. ^ 「教団は下請けか」ぐるみ選挙 内部からも批判 日本宗平協「信者の自由侵害」。しんぶん赤旗、2010年6月27日
  16. ^ 「森首相「神の国」発言 憲法理念に逆行」毎日新聞2000年5月17日
  17. ^ 「Back to the future: Shinto’s growing influence in politics」、Japan Times、2013年11月23日。
  18. ^ 役員名簿 « 日本会議 平成28年2月20日
  19. ^ 神道政治連盟国会議員懇談会議員リスト
  20. ^ a b c 「トップは安倍晋三 神道政治連盟の結束」、週刊ダイヤモンド、2016年4月16日。
  21. ^ 神道政治連盟『神政連十五年史』神道政治連盟、昭和59年、161-162
  22. ^ 安保強行で支持率低下、安倍内閣をウラで操る「日本会議」「神道政治連盟」の目的とは?」、NONEY VOICE, 2015年7月14日
  23. ^ 「戦後の神社・神道 歴史と課題」神社本庁総合研究所監修、神社新報社[要ページ番号]
  24. ^ “天皇会見に批判相次ぐ=自民”. 時事通信社. (2009年12月14日). http://jp.wsj.com/layout/set/article/content/view/full/11824 2016年5月14日閲覧。 
  25. ^ “超党派の議員懇、尖閣問題巡り内閣総辞職求める”. 読売新聞. (2009年9月27日). http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100927-OYT1T01195.htm 2010年9月28日閲覧。 [リンク切れ]
  26. ^ a b 第147回国会 法務委員会 第17号議事録

参考文献[編集]

関連項目[編集]


外部リンク[編集]