自民党議員会合LGBT差別冊子配布問題
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自民党議員会合LGBT差別冊子配布問題(じみんとうぎいんかいごうLGBTさべつさっしはいふもんだい)は、自由民主党議員が参加した2022年6月の「神道政治連盟国会議員懇談会」で、性的少数者に対する差別的な言説を展開する資料が配布された問題[1][2]。冊子には「同性愛は精神障害、または依存症」などと記されていた[3]。
概要[編集]
冊子が配布されたのは、2022年6月に開かれた「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合である[2]。会合には自民党の国会議員が参加した[1]。問題の冊子は「夫婦別姓 同性婚 パートナーシップ LGBT ー家族と社会に関わる諸問題ー」と題され[4]、以下のようなことが記されていた。
- 「LGBTはさまざまな面で葛藤を持っていることが多く、それが悩みとなり自殺につながることが考えられる[1]」
- 「LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではない[3]」
- 「性的少数者の性的ライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題となるから[1]」
- 「後天的な精神の障害、または依存症[1]」
- 「(同性愛者には)回復治療の効果が期待できる[1]」
反応[編集]
差別的な冊子が配布されたことを受け、7月4日に自民党本部前で抗議デモが行われた[5][6]。1000人程度が参加したと報じられている[5]。ライターの山賀沙耶は「政権与党が宗教団体の差別的な主張を容認するのは重大な問題だ」と批判した[6]。オープンリーゲイの活動家松岡宗嗣は、2021年の自民党議員による「LGBTは種の保存に背く」という発言に対する抗議デモに触れたうえで、「いつまでこんなに非論理的な考えによって、私たちは差別され続けなければならないのでしょうか」と訴えた[3]。デモ会場では、抗議のスピーチに泣いて聞き入る人々の姿もあったという[7]。
神社関係者の性的少数派当事者からも批判の声が挙がっている。ノンバイナリーの神社関係者が発起人となって当事者による意見書を作成し、「神道LGBTQ+連絡会」というアカウント名でTwitterに同書を投稿した[8]。神社本庁やその関連団体が差別や偏見を助長してきたことに、内部から声を挙げなければいけないとの思いだったという[8]。
また、当事者と支援者らでつくる「LGBT差別冊子の対応を求める有志の会」がインターネット上で署名活動を行った[5]。この署名では、差別的な内容の否定を求めており、約5万人の筆が集まった[5]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f 「「同性愛は精神障害か依存症」自民会合で差別的文書配布 「性的少数者の正当化は家庭と社会を壊す」」『東京新聞』、2022年6月30日。2023年1月25日閲覧。
- ^ a b 「LGBT差別冊子配布問題で自民党に内容否定を求める署名5万筆 当事者らが会見「現状を知って」」『東京新聞』、2022年7月25日。2023年1月25日閲覧。
- ^ a b c 「「差別は人を殺すんです」。自民議員会合の差別冊子に、LGBTQ当事者らが抗議のデモ」『HUFFPOST』、2022年7月5日。2023年1月25日閲覧。
- ^ 窪田順生 (2022年7月7日). “「同性愛は精神障害」冊子にドン引き、人権感覚が100年前の“悪い保守”の大罪”. DIAMOND online. 2023年1月25日閲覧。
- ^ a b c d 「「LGBT差別冊子」の内容否定して 自民に5万筆の抗議署名」『朝日新聞デジタル』、2022年7月25日。2023年1月25日閲覧。
- ^ a b 「自民会合でのLGBT差別冊子配布に抗議 市民らが党本部前で抗議集会」『琉球新報』、2022年7月5日。2023年1月25日閲覧。オリジナルの2022年7月5日時点におけるアーカイブ。
- ^ “「ゲイには生まれたくない。そんな社会にしないで」LGBTQ当事者が自民会合の差別冊子に訴えたこと”. HUFFPOST (2022年7月5日). 2023年1月25日閲覧。
- ^ a b 「議員ら会合でLGBTQ差別冊子、「加担怖い」 当事者の神職ら抗議」『朝日新聞デジタル』、2022年11月15日。2023年1月25日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 『#自民党はLGBT差別冊子の内容を明確に否定してください 』- change.org
- 『「同性愛は依存症」「LGBTの自殺は本人のせい」自民党議連で配布』 - 松岡宗嗣、Yahoo! JAPAN。
- 神道LGBTQ+連絡会 (@shinto_lgbtq) - Twitter