全日本仏教会

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全日本仏教会
Flag of Buddhism.svg
略称 全仏(ぜんぶつ)
設立年 (前身)1900年
種類 公益財団法人
法人番号 8010405010453
ウェブサイト http://www.jbf.ne.jp/

公益財団法人 全日本仏教会(こうえきざいだんほうじん ぜんにほんぶっきょうかい)は、日本の仏教諸宗派(2012年4月現在59宗派)によって合同で設立された伝統仏教を代表する財団法人。略称は「全仏」(ぜんぶつ)。「ぜんふつ」は誤読。仏旗および法輪をシンボルとして掲げる[1]

会長職は各派の管長が2年交代で務める。2015年12月現在の会長は真言宗豊山派管長の加藤精一。2016年4月からは真言宗智山派管長の小峰一允が就任する[2]

概要[編集]

明治33年(1900年)に設立された国家の宗教統制に反対して結成された「仏教懇話会」に淵源を持ち、昭和32年に友松円諦が中心となって再組織化し、財団法人全日本仏教会と改称。平成24年(2012年)4月に公益財団法人となる。

その結成の経緯から基本姿勢はハト派リベラルであり、革新政党や過激派といった党派活動にビラ配りや街頭デモへの参加といった形で積極的に参加する僧侶も多く、更には保守政党との繋がりも一定の形で保たれている為、一部で日教組自治労部落解放同盟同様のロビー、圧力団体であるという指摘が存在する。しかし税制面での優遇維持や寺院、墓地経営の基盤確保といった商業的主張や「歌謡曲の歌詞や小説の世界観、人物の台詞などでの仏教の教義面で違和感を覚える箇所への『苦言』」といった本団体の性質上どうしても避けられない主張などを除いては、世論形成過程、福祉行政や人権政策等といった地方行政への露骨な介入、強引な影響力行使は少なく、一定の不偏不党の体勢が保たれているといわれる。

政治的な主張としては、内閣総理大臣8月15日に合わせた靖国神社参拝への強い反対表明、戦時中の政府による宗教統制に反対した僧侶・在家信徒(この中には熱心な『大東亜戦争の主戦論者』だった者も少なくない)への活字や放送を通じた顕彰などを行っているが、これらについては信仰の本分から逸脱した宗教の政治介入・言論介入として、一般のみならず(内部的な反発も含め)宗教サイドからも反発を受けることがある。

その名称から、医師会弁護士会と同様、日本の仏教諸宗派・寺院全てが加盟しているという誤解を受けがちだが、実際には全仏に加盟していない宗派・単立本山寺院も存在する。日本に存在する寺院など約75000[3]の内、大半の70000を超える寺院が参加[4]しているとされる。日本の伝統仏教界を代表する巨大組織である。

町田発言[編集]

1979年(昭和54年)に世界宗教者平和会議で、全日本仏教会理事長の町田宗夫(曹洞宗宗務総長当時)が「日本には部落差別はない」と発言(町田発言)した事がきっかけで、宗教界に対する強い糾弾が行われ、これが引き金となり、2年後の1981年に同和問題にとりくむ宗教教団連帯会議(同宗連)が結成された[5]。1985年に、天台宗延暦寺において同宗連の第九回同和研修会が行われ前述の町田宗夫が基調講演を行った事を全国仏教会の機関誌「全仏」が伝えている[6]。これによれば、部落解放同盟による糾弾会は5回行われ、それによって「自らの真摯な懺悔を根幹として、同和問題への取り組みへの姿勢を切々と語った」「同和問題の解決こそが我々宗教者の真の使命」と述べた。

組織[編集]

組織図[編集]

公式ホームページで確認できる組織図は以下の通り。巨大組織であるが故に複雑な構造となっている。なお、団体では「機構図」と呼んでいる[7]

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
会長
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
副会長
 
WFB日本センター
 
 
評議員会
 
評議員選定委員会
 
 
 
 
 
 
宗派代議員会議
 
 
 
理事会
 
監事
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
都道府県仏教会
仏教団体代議員会議
 
 
 
 
 
 
 
 
 
総務財政審議会
社会人権審議会
国際交流審議会
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
事務総局
関西支部
 
 
宗教教育推進委員会
 

事務総局[編集]

  • 総務部
  • 財務部
  • 広報文化部
  • 社会人権部
  • 国際部
  • 関西支局

諮問委員会[編集]

  • 総務財政審議会
  • 社会人権審議会
  • 国際交流審議会

加盟団体[編集]

計105団体(平成24年12月10日現在)

諸問題[編集]

イオンとの軋轢[編集]

イオン2010年平成22年)、イオンクレジットサービスが手がける葬儀紹介サービスにて「布施の価格目安」を打ち出したところ、全日本仏教会が「戒名や布施に定価はない。企業による宗教行為への介入だ」と反発した。

しかし8宗派、全国約600の寺院の協力が得られることになった。今後、これが『定価』として一人歩きしてしまうことも懸念されているが、消費者の立場からすれば「明瞭な布施価格の明示」は、ありがたいとの声もある[8][9]

宗派・寺院の協力が得られた背景として、イオンの葬儀サービスは決して低額ではなく、むしろ多くの寺院・僧侶にとっては、イオンを経由した方が寺院収入の増加につながるという背景がある[10]

僧侶派遣についての軋轢[編集]

Amazon.co.jpでは、2015年(平成27年)12月から、葬儀会社紹介サイトである「みんれび」が提供する、法事の僧侶派遣サービス「お坊さん便」を掲載するようになったが、これに対して、全日本仏教会が、宗教行為を商品化しているなどとして、アメリカ合衆国Amazon.comに対し、ウェブサイトの掲載中止を申し入れることになった[11]

宗教行為の商品化によって、宗教法人への租税優遇の根拠が揺らぎかねないと、仏教会側が懸念していることが背景にある[12]。2016年(平成28年)4月、アマゾンから「お坊さん便の中止に応じない」との回答があったと報じられた[13]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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外部リンク[編集]