水月会
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略称 | 石破派 |
---|---|
前身 | 無派閥連絡会 |
設立 | 2015年(平成27年)9月28日 |
設立者 | 石破茂 |
種類 | 自由民主党の派閥 |
所在地 | 東京都千代田区永田町2-17-17 アイオス永田町705号[1] |
会員数 | 自由民主党所属国会議員 |
会長 | (空席) |
予算 |
2,232万円 (平成27年度)[1] |
ウェブサイト | http://www.suigetsukai.org/ |
特記事項 |
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水月会(すいげつかい)とは、自由民主党の派閥。水月會とも書く[1]。通称は、石破派。
歴史[編集]
安倍晋三の自民党総裁無投票再選が決まった、2015年9月8日の総裁選の翌日の9日、安倍内閣で地方創生担当大臣を務める石破茂は、自身が顧問を務める、派閥に所属しない議員でつくる「無派閥連絡会」を解散し、自身の派閥を結成する意向を表明[2]、9月28日に「水月会」として発足させた。
派閥の名称は、知人の臨済宗全生庵の住職に依頼して付けられたもので[3][4]、「水月道場に坐す」という禅語に由来しており、「水も月も無心に映すように、無私、無欲の高い境地から務めていく」、「無心で時代の要請に応える」という想いを込めたという[4][5]なお、水月とは軍陣で、水と月が相対するように、両軍が接近してにらみ合うことの意味もある。
参加メンバーについて、石破は幹事長時代には「脱派閥」を訴えていたため、党内からは言行不一致を指摘する声もあり[6]、実際に、石破の側近とされる小此木八郎国会対策委員長代理は「石破氏を首相にしたい思いはあるが、派閥のイメージは似つかわしくない」として参加しないことを表明し、同じく側近とされる浜田靖一も参加を見送るなど、一部議員の不参加も招く中[7][8]、衆参合わせて20人の議員が参加し、自民党で8番目、参加議員数では6番目の派閥となった[5]。派閥の特徴として、他の7つの派閥は自民党発足時の派閥の流れを汲む一方、水月会は、新たに無派閥の議員を中心に構成される[5]。
石破は派閥発足時の記者会見で、自身が大臣を務める安倍内閣を支えると同時に、安倍の任期2期6年の折り返しの段階から時間をかけて、「今後50年先、100年先を見据えて政策体系を構築し、行動し、国民と正面から向き合い議論し、共感と納得を得られる政策集団」を作りたいとする意向を示した上で、「私のようなものでも、仮に政権を担うのが望ましいということであれば、それを目指したい」として首相就任を目指す意欲を見せた[9][10]。
2018年9月20日に行われた自民党総裁選挙で石破が立候補したが、現職の安倍晋三に敗れた。
2019年9月11日に発足した第4次安倍第2次改造内閣での石破派からの入閣はなかった[11] 。
2020年9月14日に実施された自民党総裁選挙に石破は4度目の出馬をし、選対本部長を会長代行の山本有二が務めた[12]。結果は、内閣官房長官の菅義偉が有効投票数の534票のうちの377票を獲得し当選した。石破は、同じく両候補した政務調査会長の岸田文雄の89票に次ぐ68票で敗れた[13]。9月16日に発足した菅義偉内閣では田村憲久が厚生労働大臣で入閣した[14]。石破は4度にわたる総裁選敗北の責任を取って、10月22日、会長を辞任[15]。石破は事務総長の鴨下一郎を後任に指名したが固辞され、石破の辞任から1ヶ月が過ぎても後任や派の方向性が決まらず例会も開けない状態が続いている[16]。12月、会長職は空席のまま幹部による集団指導体制で派閥を存続させることを決めた[17]。同会所属の山本有二は退会しない形の「休会届」を提出した。[18]。12月17日、4人の世話人が鴨下一郎、後藤田正純、福山守、冨樫博之に決まる[19]。
2021年1月21日、石破茂の顧問就任[20]と事務総長を務める鴨下一郎の代表世話人就任[21]が決まる。
歴代会長[編集]
代 | 会長 | 派閥呼称 | 期間 |
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1 | 石破茂 | 石破派 | 2015年 - 2020年 |
- | 鴨下一郎 後藤田正純 福山守 冨樫博之 ※ |
2020年 - |
※ 4人の「世話人」による集団指導体制
現在の構成[編集]
役員[編集]
石破の会長辞任を機に、2020年12月、鴨下一郎・後藤田正純・冨樫博之・福山守の4人による世話人制を取った。
世話人 | 事務総長 | 政策委員長 | 広報委員長 |
---|---|---|---|
鴨下一郎(代表) | 鴨下一郎(兼任) | 赤沢亮正 | 平将明 |
衆議院議員[編集]
石破茂 (11回、鳥取1区) |
鴨下一郎 (9回、東京13区) |
伊藤達也 (8回、東京22区) |
田村憲久 (8回、三重1区) |
後藤田正純 (7回、徳島1区) |
古川禎久 (6回、宮崎3区) |
赤沢亮正 (5回、鳥取2区) |
平将明 (5回、東京4区) |
齋藤健 (4回、千葉7区) |
門山宏哲 (3回、千葉1区) |
神山佐市 (3回、埼玉7区) |
田所嘉徳 (3回、茨城1区) |
冨樫博之 (3回、秋田1区) |
福山守 (3回、比例四国) |
八木哲也 (3回、比例東海) |
山下貴司 (3回、岡山2区) |
(計16名)
参議院議員[編集]
舞立昇治 (2回、鳥取県・島根県) |
(計1名)
かつて所属していた人物[編集]
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ 「石破派」が旗揚げ、安倍後継へ 派閥名「水月会」、20人参加 47NEWS 2015年9月28日 記者会見時の写真より。
- ^ 石破派結成、次期総裁選へ準備 側近の小此木氏は不参加 『朝日新聞』2015年9月10日
- ^ 読売新聞『「石破派」20人以上参加へ…整合性問う声も』 2015年9月10日朝刊
- ^ a b 【「石破派」旗揚げ会見詳報(上)】 「真実を見極め、勇気と真心を持って語りたい」 産経新聞2015年9月28日
- ^ a b c 自民党:石破派「水月会」20人で正式結成 総裁選に意欲毎日新聞2015年9月28日[リンク切れ]
- ^ 「石破派」を旗揚げ 20人が参加 『産経新聞』2015年9月28日
- ^ 石破氏側近の小此木氏「石破派入らない」 『産経新聞』2015年9月9日
- ^ 「石破派」9月下旬に立ち上げ 側近の対応割れる 『日本経済新聞』2015年9月10日
- ^ 石破氏 石破派結成で「政権を目指す」 『NHKニュース』2015年9月28日
- ^ 【「石破派」旗揚げ会見詳報(中)】「人が3人いれば派閥はできる。それが人間の性」1/53/5 4/5 産経新聞2015年9月28日
- ^ “無派閥6人、石破派ゼロ 初入閣は安倍政権最多13人”. 日本経済新聞 (2019年9月11日). 2019年9月14日閲覧。
- ^ 【総裁選ドキュメント】石破氏陣営が選対事務所開き 「さわやか、晴やかな気持ち」 - 産経新聞 2020年9月3日
- ^ 自民党総裁選結果 菅氏377票 岸田氏89票 石破氏68票- NHK web 2020年9月14日
- ^ 田村厚労相は“冷や飯”石破派でも評価/新閣僚寸評- 日刊スポーツ 2020年9月17日
- ^ 石破氏、派閥会長を辞任 「総裁選最下位」受けて表明 朝日新聞 2020年10月22日
- ^ 自民・石破氏「自分が終わったと思わない限り終わらない」 産経新聞 2020年11月20日
- ^ 自民石破派の存続固まる 結束に期待、会長空席で集団指導共同通信2020年12月7日
- ^ 山本有二氏が石破派休会 退会せず「距離置き活動」共同通信2020年12月16日
- ^ 石破派存続決定、世話人が運営日経電子版 2020/12/17
- ^ 自民・石破氏 派閥顧問に就任日本経済新聞 電子版 2021/1/21
- ^ 自民・石破派 石破氏が顧問就任産経ニュース 2021.1.21
- ^ 自民石破派、世話人4人で運営 山本元農水相は「休会」時事通信2020年12月17日
- ^ “自民・若狭氏、都民ファースト応援へ=「加計学園」で政府批判”. 時事通信 (2017年5月29日). 2017年7月5日閲覧。
- ^ “「一人でも多く仲間に」石破氏が勢力拡大に意欲”. 読売新聞. (2017年9月3日) 2017年9月3日閲覧。
- ^ 自民・中西氏が石破派退会時事通信2021年2月4日
注釈[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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