Billboard Japan Hot 100

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Billboard Japan Hot 100(ビルボード・ジャパン・ホット・ワンハンドレッド、ビルボード・ジャパン・ホット・ひゃく)は、Billboard JAPANによって発表される日本音楽チャート[1]。米国の週刊音楽雑誌『ビルボード』の刊行会社より独占ライセンスを得て阪神コンテンツリンクが集計しており、週単位で楽曲の総合チャートを公表している[2][3]

構成チャート[編集]

CDの売上枚数のみでランキングを作成するオリコンとは異なり、多様な音楽の視聴スタイルを反映した複合チャートが特徴である。Billboard JAPANチャートは楽曲の「購入」と「接触」というコンセプトの元で作成されており、またビルボードジャパンでは「社会への浸透度を計る」ことをチャートの理念として掲げている[4]

2017年10月時点のJapan Hot100チャート構成要素は次の7つである[5][6]

  • CDセールス - サウンドスキャンジャパンが提供する、リアルストア・コンビニ・Eコマース約53,000店舗でのパッケージ実売データを元にした、タイトル単位(初回盤等複数のバージョンがある場合はすべてを合算)の日本国内の推定売上枚数
  • ラジオ・エアプレイ - プランテックが提供する、日本全国32局のAM・FMラジオ局における楽曲のオンエア回数にエリア別の人口と平均聴取率を加味したもの
  • デジタル・ダウンロード - GfKジャパンが提供する、日本国内主要音楽ダウンロードサイト(iTunesamazonGoogle Play Musicmoramu-moレコチョク)での販売実績と、ニールセンが提供するその他音楽レーベルのiTunesでの販売実績による推計値
  • ストリーミング - GfKジャパンが提供する、日本国内の主要なオンデマンド型音楽聴き放題サービス(Apple MusicAWAGoogle Play MusicKKBOXLINE MUSIC、Rakuten Music、レコチョク)での再生回数と、シンクパワーが提供する歌詞表示サービス「プチリリ」を使用する日本国内のラジオ型ストリーミングサービスを主とする複数のプロバイダを集計対象とした同ストリーミングサービスの全再生回数の推定を合算
  • 動画再生回数 - ニールセンが提供する日本国内におけるYouTubeでの音楽動画再生回数と株式会社GYAOが提供するGyaO!での音楽動画再生回数を合算
  • Twitter - SNS、ネット上での楽曲動向をフォローする指標。NTTデータが提供する、アーティスト名と楽曲名のツイート回数の集計
  • ルックアップ - CDレンタルや個人間のCD貸し借りをフォローする指標。GracenoteによるCDDBの楽曲情報にアクセスし、パソコン上に実際にCDが読み込まれた回数の集計

上記各指標をチャートポイント化し集計された、複合チャートであるJapan Hot 100はBillboard Japanの公式サイトで毎週水曜日の午後3時(JST)に更新されるが、表示される更新日は“次の週の月曜日の日付け”である。米国Billboard公式サイトでは毎週木曜日に発表される。

歴史[編集]

「Billboard Japan Hot 100」チャートは2008年2月に正式にローンチされた。ローンチ後から2010年11月までのBillboard JAPANのHot 100の算出方法は、

  • セールス - サウンドスキャンジャパン[7]が提供する、タイトル単位(初回盤等複数のバージョンがある場合はすべてを合算)の推定売上枚数
  • エアプレイ - 株式会社プランテックが提供する、全国33局のAM・FMラジオ局における楽曲の放送回数にエリア別の人口と平均聴取率を加味したもの

この2つを元にしていた。本家アメリカのBillboard Hot 100とは違い、デジタル・ダウンロードは集計対象外であった。

2010年12月6日付から算出方法が変更され、CDセールスにおけるECサイトでの推定売上枚数とiTunes Store Japanでのデジタル・ダウンロードの売上件数が集計対象に追加された[8]。これにより算出割合が、従来はエアプレイ:セールス=約70:30だったのが、改訂後はエアプレイ:セールス:iTunes=約69:21(リアルストア:Eコマース=約76:24):10となる[9]

2013年12月9日付からはこの3つに加え、NTTデータが提供するTwitterでの楽曲名、アーティスト名の両方を含むツイート回数と、GracenoteによるCDDBの情報提供(Look Up)回数の2つのデータを加味したチャートとなった。これにより、前者はソーシャルメディアにおける個人から発信される情報を反映でき、後者はパッケージ販売・利用が依然多い日本において、楽曲情報の提供回数からレンタルの利用や個人間での貸し借りなど、セル以外による日本特有のパッケージ利用動向を補完できるとしている[10]

2015年6月8日付からはさらに、ニールセンによる国際標準レコーディングコード(ISRC)が登録されたYouTubeにアップロードされている動画の国内における再生回数と、シンクパワーが運営する歌詞表示サービス「プチリリ」による歌詞表示回数を加味する。これにより前者はオフィシャル動画やオリジナル音源を含んだユーザーによる動画を合わせたYouTube上での動画による音楽の接触度合いが反映され、後者はSpotifyなどのストリーミングサービスで利用される楽曲の再生に合わせてリアルタイムで歌詞が追跡表示される仕組みを活用し、そこから歌詞の表示回数によって今後のマーケット拡大が見込まれているストリーミングの数を推定した形で集計される[11]。Hot 100とアニメソング総合、アルバム総合の3チャートにおいては、複数のデータの関連性を調べることができるチャート解析サービスCHART insightも開始される[12]

2016年1月よりGyaO!の日本国内における楽曲動画再生回数がJapan Hot 100の構成要素としてチャートに組み込まれることが発表された[13]。更に2016年2月10日からは、ビルボード・ジャパンのパートナーにGfKジャパンが加わったことが発表された。これにより、これまでダウンロードはiTunesのみの集計であったものが同日以降は「シェア8割以上を占める全国の主要音楽ダウンロードサイト(iTunes、moramu-moレコチョク他)の販売実績」がフォローされると案内されている[14]

Billboard JAPANは、2016年12月7日公表の2016年12月12日付のチャートよりチャート・リニューアルを発表。新たに日本国内の定額制音楽配信サービスApple Music、AWA、LINE MUSICのストリーミング実回数が、GfKジャパンの集計の元、Japan Hot 100チャートに組み込まれることが発表された。あわせて、Japan Hot 100の総合チャートポイントを可視化し、同週より一般ユーザーがBillboard JAPAN公式サイト上で確認できるようになることも発表されている[6]。さらに2017年2月13日付チャートからはGoogle Play Musicでのダウンロード購入とストリーミング再生のそれぞれの数値[15]、2017年4月17日付チャートからはKKBOXでのストリーミング再生数[16]も加算されるようになった。

チャートの限界[編集]

Billboard Japan Hot 100チャートでは、チャート創成期より毎週のように激しく1位が入れ替わる展開が続いている。この点について、音楽評論家の柴那典は「CDのセールスランキングって、毎週のように1位が変わるんですよ。僕らはそれが当たり前であると約20年間思ってきましたが、それはCDだからであって、曲の人気ランキングが毎週変わるという現状がそもそもおかしいと再認識すべきなのかもしれない」とコメントし、売上ではなく「曲の人気度」を測るJapan Hot 100チャートにおいて毎週順位が入れ替わっている現状はおかしいのではないかと問題提起している[17]

Billboard Japan Hot 100チャートは、CDやダウンロードにおける曲の「所有」、ラジオや動画再生回数、ツイート数等からなる曲への「接触」という2つの観点を複合し発表されている。一方で、Japan Hot 100チャートにおいてはCDなどのパッケージ購入「所有」のチャート全体における構成比重が高く設定されすぎているのではないかという問題点も指摘されている[18]。2017年9月11日付のJapan Hot 100チャートのルックアップ(=PCによるCD読み取り回数)部門では、週間CDセールス5万枚弱を記録したPerfumeIf you wanna」が、週間で100万枚以上CDを売り上げているAKB48「#好きなんだ」や、同じ週にPerfumeを上回るCDセールスを記録したBTOB「Brand new days」を上回る現象(「Brand new days」はルックアップ部門圏外)が発生している[18]。音楽ライターの荻原梓は、「CDプレーヤーに直接入れて聴かれているのでは?という指摘は一応成立する」と前置きした上で、「実際にはほとんど聴かれていないCDが購入されている現状なのにも関わらず、音楽の「所有」を示す数値に重きが置かれているのは、いささかもどかしい気分ではないだろうか」と指摘し、聴かれていないCDに対しても「所有」比重を高く設定しているビルボードジャパンの姿勢に対し、問題提起している[18]

メディアにおける扱い[編集]

2016年11月現在、『ZIP!』や『めざましテレビ』、『王様のブランチ』、『ミュージックステーション』といったテレビ番組がJapan Hot 100を「ビルボードランキング」「ビルボード音楽ランキング」といった名称のもと、チャートソースとして番組内のランキングコーナーなどで発表している。また、『COUNT DOWN TV』でも、2017年4月9日放送分より同番組のオリジナルランキングにも情報提供している。『毎日新聞』は、2017年3月28日より紙面に掲載する音楽チャートをオリコン調べの「CDシングルチャート」から「Billboard Japan Hot 100」へ変更している[19]

ラジオ番組では『HITS ONE powered by Billboard JAPAN』がi-dio(TS ONE)で、『HITS ONE PREMIUM powered by Billboard JAPAN』がTOKYO FMおよびJFN系で放送されているほか、『Billboard Japan Hot 100 COUNTDOWN』が2017年10月よりニッポン放送で放送される[20]

記録[編集]

Billboard JAPANのHot 100で最初に首位を獲得した曲は、2008年3月3日付のの「Step and Go」だった[21](2016年12月現在、公式サイトでは同年1月21日付にさかのぼってチャートが発表されている。同日付の1位は宇多田ヒカルの「Stay Gold」)。同年5月5日付でレオナ・ルイスの「ブリーディング・ラヴ」が1位になり、非日本人歌手初の首位獲得となった[22]。また、2016年から2017年にかけては、星野源の「」が7週連続、通算11週間にわたって首位を記録している[23]

週間第1位獲得作品[編集]

年間第1位獲得作品[編集]

年度 アーティスト
2008年 キセキ GReeeeN
2009年 イチブトゼンブ B'z
2010年 Troublemaker
2011年 Everyday、カチューシャ AKB48
2012年 真夏のSounds good ! AKB48
2013年 恋するフォーチュンクッキー AKB48
2014年 GUTS !
2015年 R.Y.U.S.E.I. 三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE
2016年 翼はいらない AKB48
2017年 星野源

脚注[編集]

  1. ^ Billboard JAPAN Chart Guide~ビルボードジャパン・チャートの使い方”. Billboard JAPAN. 2016年4月15日閲覧。
  2. ^ Billboard Japan Hot 100 Finds Global Audience”. Billboard (2008年5月22日). 2016年4月15日閲覧。
  3. ^ 日本版ビルボードチャート始まる オンエア数も加味”. 2008年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月15日閲覧。
  4. ^ ビルボード日本版がスタート オリコンとはどこが違う?,日経トレンディネット,2008年5月1日
  5. ^ About Charts│Billboard JAPAN
  6. ^ a b ビルボードジャパンがストリーミングデータを拡充、セールス数&ポイントも一部公開へ”. Billboard Japan. 阪神コンテンツリンク (2016年12月7日). 2016年12月8日閲覧。
  7. ^ 2014年までは株式会社エス・アイ・ピーがニールセンからライセンスを受けた形で、2015年以降はエス・アイ・ピーから事業譲渡を受けた阪神コンテンツリンクが運営している。
  8. ^ ビルボード・ジャパン・チャートがECと配信チャートを追加した新集計を発表、リッスンジャパン、2010年12月1日。(2010/12/1閲覧)
  9. ^ 国内初のデジタルを含む総合楽曲チャート確立! Japan Hot100にE コマース、iTunesデータを合算 ビルボードチャートでの世界初アニメチャート、新たな洋楽楽曲チャートを提供
  10. ^ Japan Hot100にTwitterとグレースノート社のデータを合算 新たな視点を加えて国内唯一の総合楽曲チャートをリニューアル
  11. ^ ビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPAN
  12. ^ 国内唯一の複合チャート、Billboard Japan Hot 100 に新たに YouTube の再生回数を合算 チャートを解析できる「CHART insight」も新たにスタート,阪神コンテンツリンク、2015年5月29日
  13. ^ 無料映像配信サービス「GYAO!」、 音楽コンテンツの視聴データをBillboard JAPANへ提供開始,株式会社GYAO・ヤフー株式会社,2016年1月13日
  14. ^ GfKが、Billboard JAPANに国内ダウンロードデータの提供を開始,Billboard JAPAN,2016年2月10日
  15. ^ Google Play Musicの再生数がBillboard JAPANチャートに合算スタート,Billboard JAPAN,2017年2月8日
  16. ^ KKBOXの再生数がBillboard JAPANチャートに合算スタート,Billboard JAPAN,2017年4月12日
  17. ^ 2017年上半期チャートに見るJ-POPの現状とは? 有識者3人の座談会”. リアルサウンド. 2017年9月3日閲覧。
  18. ^ a b c “セールス”と“話題性”の乖離をどう捉えるか? 最新複合チャートに見る音楽シーンの現状”. リアルサウンド (2017年9月10日). 2017年9月13日閲覧。
  19. ^ 社告:チャート28日から一新 JAPAN HOT100”. 毎日新聞. 2017年9月13日閲覧。
  20. ^ 天野ひろゆき、ニッポン放送で22年ぶり単独パーソナリティー!,サンケイスポーツ,2017年9月8日
  21. ^ Billboard Japan Chartsビジネス開始のお知らせ” [Announcement of the Marketing Beginning of Billboard Japan Charts] (Japanese). Kyodo News PR Wire (2008年2月28日). 2009年12月23日閲覧。
  22. ^ Billboard Japan Year-End Press Release (PDF)” (Japanese). Billboard. Hanshin Contents Link (2009年12月12日). 2009-08-30 時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月30日閲覧。
  23. ^ 松尾模糊 (2017年4月10日). “カルテット主題歌「おとなの掟」に見るヒット曲の新たな傾向”. MusicVoice. 2017年9月3日閲覧。

外部リンク[編集]