mora

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mora(モーラ)は、ソニー・ミュージックエンタテインメントグループレーベルゲートが運営する日本音楽配信サービスサイト。

概要[編集]

名称の由来は「音楽を網羅(もうら)する」である。

SME傘下のレコード会社所属アーティストの楽曲が、iTunes Storeで配信開始する前は、ここだけで購入することができたため、macOSiOSには閉ざされていたため、iPhoneiPadでは利用不可能だった(2012年2月22日に洋楽が、同年11月7日に邦楽がiTunes Storeで配信開始)。

試聴にMicrosoft SilverlightMicrosoft Edgeを始めとした最新のウェブブラウザに対応していない、開発終了予定のプラグイン)が必要であり、一部の閲覧環境から試聴ができない。

2012年9月まで(OpenMG時代)[編集]

2004年3月の開始当初から2012年9月までは、ソニーOpenMG Xを採用した「レーベルゲートMQ」方式を使用し、楽曲フォーマットはATRAC3 / ATRAC3plus、ビットレートは132kbpsが中心であった。このOpenMG XとATRACフォーマットによる楽曲ファイルの利用には制約が多く、x-アプリ(以前のSonicStage等も含む)などの専用ソフトウェアをインストールしたWindows PCとソニーのウォークマン(2007年以降の海外向け機種(型番の頭がNWZ-)及び国内向けの一部機種(型番の頭がNWD-)を除く)を中心とした一部の機器(詳しくはATRAC Audio Deviceを参照)の組み合わせでしか利用できなかった。2012年3月29日をもってサービスを終了したmora winについてもほぼ同様で、Microsoft Windows PCと対応する携帯電話/スマートフォン数機種でしか利用できなかった。

ただし、AAC採用の動きは数年前から見られ、2010年4月からAndroidスマートフォン専用サービス「mora touch」を開始した際は、AAC 128kbpsを採用していた[1]。2012年10月のリニューアルでmoraと統合された。

2012年10月以降(全面DRMフリー化)[編集]

2012年10月1日にリニューアルし、デジタル著作権管理(DRM)なしのAAC-LC(MP4) 320kbpsを新たに採用した[2]。2012年10月1日現在の楽曲数は約150万曲となっており、2012年9月以前に提供されていた楽曲(約300万曲)の一部が提供されていない。これはAAC化による(レコードレーベル側の)音源の再準備が必要なためで、現在残りの楽曲についてもAAC方式による置き換えが順次開始されており、2012年内には2012年9月以前と、ほぼ同等の楽曲数になる予定。なお、2012年9月以前に購入したATRAC形式の楽曲をAACで再ダウンロードすることはできない。

従来、購入及びダウンロードには(ATRAC形式及びOpenMGによるDRMを扱える)x-アプリなどの対応ソフトウェアが必要であったが、リニューアルでウェブブラウザ及びMedia Goから購入できるようになり、それによりMicrosoft Windows以外のOSやスマートフォンPSPPS Vitaにも対応した。また、DRMフリー化によりDRM非対応だった一部のウォークマン(型番の頭がNWD-の機種)への転送も可能となった。

反面、リニューアルと同時に従来のウォークマン向けソフトウェア全て(x-アプリ3.0以前、SonicStage全バージョン、CONNECT Player等)でのサービス提供が終了した[3][4]。今後ウォークマン向けソフトウェアは同日にリリースされたx-アプリ4.0(以降も含む)のみが対応することとなる。

ただし、AACに付加されているメタデータが原因で、iPhoneiPod touchなどのiOS機器については、転送はできるものの再生できない問題が生じており、iTunesで再エンコードするなど一手間加える必要があった[5]。2012年12月にリリースされた「moraダウンローダー」(ウェブブラウザからの購入・ダウンロード向けサポートソフト)でダウンロードを行うとこの問題は発生しない。

沿革[編集]

ATRACOpenMGデジタル著作権管理技術)を併用したレーベルゲート方式を策定。bitmusicや@music(エイベックス)など同陣営の音楽配信サイトでの再生ソフトにあたる「レーベルゲートプレーヤー」の無償ダウンロードとインフラ供給を開始。配信サイトは各レコード会社毎に独立していた。
  • 2001年 - レーベルゲートプレーヤーの改良版として「Madison Player」の無償ダウンロード開始。
  • 2002年8月 - Net MDに対応したATRACplus・OpenMG Xの組み合わせによるレーベルゲートMQ方式が発表され、対応ソフトとしてMAGIQLIPの無償ダウンロード開始。EMD購入楽曲のNet MD機器への転送が可能となる。
  • 2003年 - SMEJがコピーコントロールCDとしてレーベルゲートCDを採用した新譜CDソフト(『明日への扉』など)をリリース開始。
  • 2004年3月31日 - レーベルゲートが運営主体となるEMDサイト「mora」を開始。
それまでレコード会社毎に独立していたEMDサイトが、iTunes Storeに倣う形でポータルサイトのように集約されることになる。
  • 2004年10月20日 - Windows Media Player対応の配信サービス「MusicDrop」開始(2006年9月に「mora win」となり、2012年3月サービス終了)。
  • 2004年11月17日 - MAGIQLIP2の後継として、SonicStage 2.3 for Moraの無償ダウンロードを開始。なお、当時はSonicStage 2.X単体の無償ダウンロードは行われていなかった(VAIO、ATRAC再生に対応したウォークマン・サウンドゲートCLIEのハンドルソフトであった。)。MAGIQLIPに保存されている購入楽曲は同一PCにインストールしてあるSonicStageへのエクスポートが可能である。
  • 2005年2月24日 - Yahoo! JAPANが「Yahoo! ミュージックダウンロード」にてmoraからの楽曲提供によるATRAC3配信開始
  • 2005年12月14日 - オリコンが「ORICON STYLE」にてmoraからの楽曲提供によるATRAC3plus配信開始(2006年11月30日終了)
  • 2006年3月15日 - ATRAC3plus 256kbpsで配信開始。[6]
  • 2006年9月26日 - Windows Media Player向けの配信サービス「MusicDrop」を「mora win」に名称変更
  • 2006年10月26日 - HMV Japanが「HMV DIGITAL」(2010年2月サービス終了)にてmoraからの楽曲提供によるATRAC3配信開始
  • 2007年10月2日 - Windows Media Player向けの配信サービスを「mora win Type1 Music Store」に名称変更
  • 2010年4月1日 - Xperia発売と同時に、同端末で音楽のダウンロード用のアプリケーション「mora touch」を提供開始
  • 2012年3月29日 - 「mora win」のサービス終了。
  • 2012年9月30日 - 翌日の全面リニューアルを機にATRAC3/レーベルゲートMQ方式の配信ならびに「mora touch」がサービス終了。これに伴い「x-アプリ」3.0以前、「SonicStage」全バージョン、「CONNECT Player」全バージョン、「LISMO Port」4.4以前での提供を終了。
  • 2012年10月1日 - 「WALKMAN公式ミュージックストア」と銘打ち全面リニューアルAAC-LC 320Kbps、DRMフリーで配信開始。同時にブラウザ版、スマートフォン用アプリケーションで提供開始。
  • 2012年12月21日 - ウェブブラウザからの購入、ダウンロード、ファイル管理をサポートするアプリ「moraダウンローダー」を提供開始。
  • 2013年1月24日 - Windows 8Windows RT向けストアアプリ「mora ~"WALKMAN"公式ミュージックストア~」を提供開始。
  • 2013年10月17日 - FLAC形式で44.1~192kHz/24bit、DRMフリーのハイレゾ音源が配信開始。同時に「Media Go[7]」から購入・ダウンロードが、ウォークマン F880シリーズでmoraアプリ内からハイレゾ音源が購入・ダウンロードできるようになる。
  • 2013年12月5日 - ウォークマン ZX1でmoraアプリ内からハイレゾ音源が購入・ダウンロードできるようになる。
  • 2013年12月26日 - サムスン電子製及びLG製スマートフォンの一部機種でmoraアプリ内からハイレゾ音源が購入・ダウンロードできるようになる。
  • 2014年4月21日 - x-アプリのバージョンアップに伴い、x-アプリ内からハイレゾ音源が購入・ダウンロードできるようになる。これにより、パソコンでハイレゾ音源がダウンロードできないのはmoraダウンローダーのみとなる。
  • 2014年5月20日 - ソニーモバイル製スマートフォンの一部機種でmoraアプリ内からハイレゾ音源が購入・ダウンロードできるようになる。
  • 2014年7月3日 - iPhoneiPadなどのiOS端末のウェブブラウザから購入できるようになる。またiOS用ダウンローダー兼プレーヤーアプリの「moraプレーヤー」も提供開始。
  • 2015年1月9日 - DSD形式で2.8MHz~5.6MHz/1bit、DRMフリーのハイレゾリューションオーディオ音源が配信開始。しかし当日中に、DSD楽曲が再生可能な機器・プレーヤーにおいて一部再生されないものが見つかり、音楽配信を1月21日まで中断[8][9]
  • 2015年2月5日 - moraダウンローダーがハイレゾリューションオーディオ音源に対応。
  • 2015年10月22日 - Media Goでダウンロードした際の拡張子を変更(.mp4 → .m4a / .m4v)。
  • 2015年11月12日 - moraダウンローダーがmacOSに対応。
  • 2016年6月30日 - Windowsストアアプリでのサービスを終了。

利用方法[編集]

リニューアル前[編集]

x-アプリ等の対応ソフトをダウンロードの上で、moraサイト上で決済した後で楽曲のダウンロードが可能となっていた。また、楽曲毎にウォークマン等への転送回数やCD作成回数が異なっていた。

リニューアル後[編集]

リニューアル後のmoraで配信されているコンテンツは「ミュージック」「ビデオ」「ハイレゾ」に大別される。いずれもDRMは施されていない。

ミュージック
AAC-LC 320kbps
ビデオ
H.264 SD画質 オーディオビットレート:128kbps。ミュージックビデオが中心。
ハイレゾ
FLAC 44.1~192kHz/24bit
DSD 2.8MHz~5.6MHz/1bit
いずれもサンプリング周波数は商品によって異なる。
ダウンロード方法 適する利用方法 拡張子 ファイルパス
ミュージック ビデオ ハイレゾ
Media Go
(Ver. 2.5a以降)
ハイレゾ音源を利用する場合
2013年秋以降に発売されたウォークマンを利用している場合
Xperia等のスマートフォンを利用している場合
タブレット端末を利用している場合
PSPを利用している場合[10]
MTP/MSC転送に対応する機器を利用している場合
.m4a .m4v .flac
.dsf
.dsdiff
各アプリの既定フォルダ
/アーティスト名/アルバム名
/番号と曲名.拡張子
(Media GoはVer. 2.7以降)
x-アプリ
(Ver. 4.0以降)
ハイレゾ音源を利用する場合(Ver. 6.0以降)
USB-DACやビットパーフェクト再生(ASIO/WASAPI)を利用する場合(同上)
2013年以前に発売されたウォークマンを利用している場合
LISMO Port、旧SonicStageを利用している場合
2012年9月以前に購入したDRM付楽曲を利用している場合
.mp4
moraダウンローダー iTunesiOS端末を利用する場合
ブラウザからダウンロードする場合
OS Xでダウンロードする場合
.m4a .m4v
ブラウザ ダウンロード
/番号と数字.拡張子
Androidアプリ Android端末を利用している場合。Google Playからのダウンロードが必要。
ハイレゾは対応機種が限られる。
拡張子は、Android搭載ウォークマンの場合は上段、それ以外のAndroid端末の場合は下段。
.mp4 ダウンロード
/mora/番号と数字.拡張子
.m4a .m4v

ブラウザで決済した場合、「まとめてダウンロード」が利用できる。これを利用した場合は「.mora」ファイルがダウンロードされ、このファイルを期限内に開くとmoraダウンローダーが起動して、そのアプリで実際のファイルがダウンロードされる。

決済方法[編集]

以前はSonicStageとWebブラウザでは使用できる決済方法が異なっていたが、2007年5月から、同じ方法となる。

クレジットカード決済は、1か月分の利用額を1つにまとめ、末日付け請求となる。決済を済ませてもダウンロードしなければ請求されない。各種電子マネーで決済した場合は8日以降に返金される。Edyは「Edyギフト」で返金される。なお、SonicStagex-アプリでの楽曲購入は自動的にダウンロード処理に入るため、キャンセルできない。

ハイレゾ音源購入に対応するAndroid端末[編集]

端末の仕様により、ハイレゾ音源の一部の楽曲情報が表示されない場合がある。

  • Xperia Z2シリーズは、96kHz/24bit以上のハイレゾ音源を再生する場合は別売りのUSB DACが必要[14]
  • ウォークマン・ZXシリーズ、F880シリーズおよびXperia Z3シリーズは、DSFおよびDSDIFF 2.8MHz/1bit(DSD64)のハイレゾ音源の場合、リニアPCMに変換されて再生される[15]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ “ドコモ、4型タッチ液晶Android端末「Xperia」を4月発売”. AV Watch. (2010年1月21日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100121_343726.html 2012年10月2日閲覧。 
  2. ^ “音楽配信「mora」がDRMフリー+高音質化。10月1日から -AAC 320kbpsで約150万曲配信。スマホ最適化も”. AV Watch. (2012年9月20日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120920_560314.html 2012年10月2日閲覧。 
  3. ^ “SonicStage 向けの mora サービス終了のお知らせ”. (2012年10月1日). http://www.sony.jp/support/walkman/information/info_121001.html 2012年10月2日閲覧。 
  4. ^ 現在、これらのソフト内でmoraにアクセスするとリニューアルに伴う当該ソフトでのサービス終了のお知らせとx-アプリ(4.0)のダウンロード及びブラウザ版moraへのリンクが張られた専用ページ(x-アプリ(3.0以前)/SonicStage/CONNECT Player/LISMO Port(4.4以前))へ飛ぶようになっている。
  5. ^ “DRMフリー化した「mora」で楽曲を購入を試す iPhoneでの再生には一手間“変換”が必要”. AV Watch. (2012年9月20日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20121001_563398.html 2012年10月2日閲覧。 
  6. ^ Mora、globeの最新アルバム収録曲を256kbpsで配信
  7. ^ Ver.2.5a以降。
  8. ^ “お知らせ|音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~ 【重要なお知らせ】DSD楽曲の配信について(1/9)”. mora. (2015年1月9日). http://mora.jp/help/information?312 2015年1月11日閲覧。 
  9. ^ DSDIFFのメタデータの格納方法に不備があったためとしている。
  10. ^ PS Vitaの場合、コンテンツ管理アシスタントの参照先をMedia Goの参照先に設定すれば利用可能。
  11. ^ VISAデビットカードおよびワンタイムデビットでの利用は2011年8月31日をもって停止となった。2012年6月6日の決済システムメンテナンス後から再度利用可能となっている(VISAデビットカード、ワンタイムデビットご利用再開のお知らせ[2012.06.06])。但し利用には注意点が存在する。moraヘルプ参照。
  12. ^ x-アプリのmoraブラウザはInternet Explorerを利用しているため。
  13. ^ 2014年11月に行われたOSアップデート(Android 4.4.4)で本体のみでのハイレゾ再生が可能。
  14. ^ 2014年11月に行われたOSアップデートを適用したXperia Z2 Tablet(Wi-Fiモデル)を除く。
  15. ^ ウォークマン・ZX1とF880シリーズは2014年4月以降に配信された本体ソフトウェアアップデートを適用後。ZX2は5.6MHz/1bit(DSD128)フォーマットにも対応。

外部リンク[編集]