コンビニエンスストア

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京都府京都市内、河原町のセブン-イレブンの店内

コンビニエンスストア: convenience store)は、年中無休で長時間の営業を行い、小規模な店舗において主に食品、日用雑貨類など多数の品種を扱う小売店である。

略称は「コンビニ」「CVS」など。

もともとアメリカ合衆国で誕生した業態であり、その後日本で独自の発展を遂げ、POSシステムなどのコンビニエンスストアのシステムは日本から世界に拡大した[1][2]

多くの場合、大手資本がチェーン店舗として展開している。

目次

アメリカ合衆国のコンビニエンスストア[編集]

歴史[編集]

コンビニエンスストアはアメリカ合衆国発祥の業態である。

1927年テキサス州の氷販売店「サウスランド・アイス社」で経営を委任されていた「j.j.グリーン」は、の需要が高まる夏季には「週7日・1日16時間」と営業時間を延長し、客に喜ばれていた[3]。さらに客からパン牛乳なども取り扱ってほしいとの要望があり、これらも扱うようになったことでコンビニエンスストアの原型となった[3]

1939年にはオハイオ州牛乳販売業を営んでいた「J.J.ローソン」が、「ローソンミルク社」を設立し、牛乳のほかに日用品等も販売する小型店「ローソン」をアメリカ合衆国北東部にチェーン展開した[3][4]

店舗形態[編集]

アメリカ合衆国では、ガスステーションに併設されている形態の店舗が多い。また、日本のコンビニでは販売されていないエンジンオイルや洗車用品などのカー用品も販売され、さらには自動車整備に携わえるスタッフとピットを擁してエンジンオイルの交換の他、パンク修理など自動車の簡単な修繕すら行う店舗もある。これは、広大な国土ゆえ特に長距離を移動する車が人家のない地域で立ち往生することは、場合によっては生死に直接関わるためである。最低限の生活必需品や少々の休息がとれる軽食・ドリンク類、などの多種多様な商品が用意されている。ampmやmini-martなどがある。

ニューヨーク市シカゴ市などの地下鉄バス網が整備された大都市中心部ではグロサリー(食料雑貨屋)が主流で、扱い商品は日本のコンビニに相当するが、日用雑貨、生鮮食品(主に果物)が多く陳列されている。これらは日本で見られるようなチェーンストアではなく独立した店舗である場合が多いため、営業時間・商品内容や規模は店舗毎に相違があり、飲料菓子雑貨雑誌などのみを揃えた小規模なものから食肉野菜惣菜調味料類(ビールのみ)などさまざまなものを取り扱う大型グロセリーまである。また口語でコンビニエンスストアという名称を使用することはあまりなく、単に「グロサリーストア (grocery store)」が主流、または深夜まで営業する店を「ナイトアウル (Night Owl)」(直訳は夜のフクロウ)と呼ぶこともある。

日本のコンビニエンスストア[編集]

日本経済産業省の商業統計での業態分類としての「コンビニエンスストア」の定義は、「飲食料品を扱い、売り場面積30平方メートル以上250平方メートル未満、営業時間が1日で14時間以上のセルフサービス販売店」を指す。

日本経済新聞の2014年度の調査では、国内市場が初めて10兆円を超える規模に成長し、トップシェアの「セブン-イレブン・ジャパン」と、「ファミリーマート」と「ローソン」の上位3社だけで約8割のシェアに達したことが明らかになった[5]

そもそもコンビニに代表される都市型小売店の意義は「スペースを売る」点にあった。都市の多くの小さな住宅では日用品を備蓄するスペースが少なく、必要になるたびに店で買い足す方法が合っていた。次にコンビニは共働き世帯や単身者が激増し始めた1980年代に、深夜でも利用できる備蓄庫として消費者の支持を得て「時間を売る」機能の提供を始め、24時間営業はブランド価値の源泉となる。何の変哲もない小売店が、大手コンビニの看板を掲げることで、大きなブランド価値を得て売上を大きく伸ばせると期待された。コンビニ普及期では都心の家賃が高く、長時間営業による時間当たりの家賃の低下が見込め、人余りの時代も手伝い、人材確保も容易でとりあえず開けておく方が有利であった。ところが、2013年以降は一転人出不足が深刻となり、人件費の高騰による赤字時間帯の増加に加え、若者人口の減少、高齢化もあり客数が減少する。このため、24時間営業の死守が困難なフランチャイズ店が続出するに至り、加盟店と本部との軋轢が生じる事態が生じるようになる[6]

店舗の経営形態[編集]

店舗の経営形態には、フランチャイズ・チェーン方式(FC方式)、ボランタリー・チェーン方式、チェーン等に属さない独立経営のコンビニエンスストアなどがある。

フランチャイズ店舗[編集]

店舗経営者(フランチャイジー)の多くは個人である。複数店舗を経営する場合には法人化することが多い。他方で、主にビルや運輸関係(バスターミナル倉庫業など)の施設を所有する既存の会社法人が、サイドビジネスの一環として自社が保有する建物内や遊休地などに店舗を設置して運営することも見られる。

個人経営の場合、多くは経営者夫妻での加盟を求められるため、夫が店舗オーナー・妻が店長マネジャーという肩書きになるが[要出典]、複数店舗を運営する場合には店舗毎に店長職を社員として雇用することが見られる(いわゆる「雇われ店長」)。既存の会社法人が店舗を運営する場合、オーナーは置かず専任の店長として社員を配置することが多い[要出典]。いずれにしても、これ以外の従業員はほとんどがアルバイト・パートなどの非正規雇用の形態で就労する。これらの場合、従業員は店舗を運営する経営者や法人によって募集・雇用・解雇が行われ、賃金が支払われる。

フランチャイズ・チェーンであるため当然であるが、フランチャイズ店舗はチェーン本部(フランチャイザー)とはフランチャイズ契約を締結し、これに基づいて商標の使用が許可され、店舗運営の指導を受け、商品の供給を受ける関係になる。店舗用地を借りている場合にもフランチャイズ店舗のオーナーが自身で事業用定期借地権を締結し、本部側は紹介・仲介程度の関与であり、ほとんどの場合、本部とフランチャイズ店舗の間に資本・人材・雇用の直接的な関係はない。

「FC店」という表記を用いる場合もある。この場合、基本的にはこのフランチャイズ店舗を指す[誰によって?]

フランチャイザー直営店舗[編集]

コンビニエンスストアの店舗の一部には、チェーン本部や地区事務所など、フランチャイザーが自ら経営する直営店舗が存在する。ただし、基本的にはフランチャイズ店舗がコンビニチェーンの規模拡大の中核を担っており、直営店舗はチェーン全体を見渡した場合には少数派である。

働く上では、直営店舗は本部の店であるためフランチャイズ店舗に比べるとSVの巡回回数も多く、厳しい指導がなされる。また新商品導入に関しても直営店はフランチャイズ加盟店の見本であるという名目で、一部の新商品は「送り込み」などといって強制的に納品されることもある。ただし、人事面に関しては、直営店で働くスタッフも給与計算上は時給制の本部社員として扱われ、人件費も全額本部負担であるため、フランチャイズ店舗に比べれば福利厚生は充実している。

日本の大手チェーンの場合、本部や地区事務所による直営店舗には、以下のようなものが見られる。

  1. 地区事務所などの拠点に併設されている店舗
  2. ドミナント・経営戦略・地域戦略・収益性などの観点から、チェーン本部・地区事務所自身が出店・運営している店舗
  3. 店舗運営上における何らかの大きな新機軸が含まれているなど、実験的要素が強い、あるいは新業態型の店舗運営ノウハウの収集を目的の一つとして設置された店舗[† 1]
  4. 店舗テナント契約によって、店舗運営についてフランチャイザー直営で行う事を指定されている店舗(大型複合商業施設内や公的機関の庁舎内などに設置されている店舗によく見られる)
  5. 大規模イベントの開催などに伴う期間限定営業の臨時店舗
  6. FCオーナーの引退・撤退・経営破綻、もしくは病気事故突然死などにより運営が継続不可能となった店舗
  7. FCオーナーの重大な契約違反行為[† 2]や、逮捕・失踪などを理由に強制的に契約解除され、直営化された店舗

この中でも、主に1と2に該当する店舗は、通常の営業の中でフランチャイザー社員やFCオーナー・店長候補者の実践的な研修・教育の場、新機軸を伴うサービスやプライベートブランド・デリカ類の試作商品の先行テストの場などとしても使用されている。

他方、特に6や7のケースでは、他の経営者に経営が委譲されるか店舗閉鎖(閉店)の処理が完了するまでの一時的措置であることが多い。だが、実際には大半のケースで事態の発生を理由に短期間ないし即時に店舗閉鎖の措置が取られる[† 3]。実際に本部が一時的な直営化を行ってでも維持するのは、ドミナントや地域戦略、他チェーンの展開への対抗などの観点から必要な立地に所在しているなど、本部側が維持を必要とする店舗に限られている[† 4]。他方で、不祥事や契約トラブルを理由としてチェーン本部が契約に基づいて強制的に店舗閉鎖の処置を取った店舗などでは、コンビニチェーンのイメージ保護やマスコミ対策などの目的から、チェーン本部が店舗建物を賃貸していた地主から建物上屋を買い取るなどした上で、店舗閉鎖後ごく短期間で店舗の施設一切を破却・撤去し、跡形もなく更地化する場合もある。

また、地域単位での初出店の場合などには、当初はフランチャイザーが直営店舗としてオープンさせ、経営が安定した頃合を見て店舗オーナー候補者を募るなどしてフランチャイズ店舗へと転換する手法が取られることもある[† 5]

立地場所[編集]

立地場所として、当初は市街地を中心に店舗展開したが、現在では都市周辺の住宅地や、郊外地方幹線道路沿いへのロードサイド店舗としての様態を持つ店舗が目立つ。コンビニが市街地から発祥した理由としては、当時の大規模小売店舗法による規制や不動産バブルによって、既存市街地に新規の商業床(立地条件)を確保することが困難となった大手百貨店が、新業態として小さい店舗を始めたということが言われている。

市街地では徒歩5 - 10分程度の近距離に同一チェーンの別店舗が複数あるなど、同一地域内に特定チェーンの店舗が林立していることも多いが、これはチェーン本部による「ドミナント戦略」と呼ばれる販売戦略に基づく出店戦術である。特に各店舗毎の商品在庫数が少ないことから、商品を配送する場合に、各店舗が離れすぎていると、配送の時間とコストが掛かり過ぎて非効率となるため、地域ごとにベンダーと呼ばれる配送センターを設置して、その周辺にを描くように多くの店舗を出店することにより高効率の配送ルートを確立して配送コストを削減している。また、他チェーンに先んじて集中的な出店を行うことで、他チェーンによる展開と競合の余地を狭め、その地域のシェアを独占することもチェーン本部にとっては大きな目的となる。

また、一時期は東京都内の中でも、丸の内、大手町、虎ノ門、新宿駅前、池袋駅前、大阪梅田といった都心、副都心の大規模繁華街、オフィス街にはほとんど店舗は存在せず、住宅地特有の業態となっていたが、1980年代末からam/pmが積極的に出店。その後しばらくして他社も追随し、2000年ごろには都心におけるコンビニは当たり前の光景となった。

配送センターは共同配送化が進められており、かつて[いつ?]の一般的な商店では問屋ごとに店舗への配送が行われていたものを、共同配送センターで各問屋からの商品をある程度ひとまとめにして店舗に配送することで、1店舗あたりの配送回数の削減を実現している。各店舗は概ね日に2 - 5回程度(チェーンによって異なる)の商品配達を受けている。

2000年代頃よりいわゆる「サテライト店舗」も多数登場するようになった。これは、店舗面積や営業時間などに柔軟性を持たせたもので、従来店の出店基準より、店舗商圏の購買力が低いために出店することが事実上できなかった小規模土地でも出店できるようにしたもの[7]で、この特権を生かし、公共施設の病院大学庁舎内などへの出店が増えている。病院内初出店は2000年8月10日 - 恵寿総合病院内にローソン、庁舎内の初出店は2002年9月18日 - 大阪府警本部庁舎内にファミリーマート、2004年11月22日 - 福岡市役所内にローソン、2005年1月25日 - 東京都庁舎内にセブン-イレブンが開店している。また、高等学校中学校内初出店は2006年4月11日 - 栃木県宇都宮市宇都宮短期大学附属高等学校・中学校キャンパス内にファミリーマート(営業時間は7時45分 - 8時25分、12時20分 - 13時10分と、食事時間のみ、近隣店のサテライト店舗扱い)が購買部として進出している。神奈川県伊勢原市の産業能率大学湘南キャンパスにもファミリーマートが出店している。また、ヤマザキショップは以前から山崎製パンの直営ミニコンビニであったが、2013年7月デイリーヤマザキの運営が子会社から山崎製パンの直営になった際、事実上デイリーヤマザキのサテライト店舗となった。

またこのサテライト店舗の実現により、鉄道系売店も、大手コンビニと事実上のエリアフランチャイズとして業務提携を結ぶ事例も多くあり、

2000年代以降、高速道路サービスエリアパーキングエリアへの出店が活発化している(首都高速6号三郷線八潮パーキングエリアなど)。

なお、建築基準法により、第一種低層住居専用地域工業専用地域には建設できない。

設備[編集]

建物[編集]

コンビニエンスストア店舗の建設過程

店舗の構造としては、独立した建築物の場合には平屋で、現在は軽量鉄筋プレハブ工法による簡易建築が主流であるが、木造FP工法もファミリーマートなど一部チェーンで用いられている。コンビニ業界初期に見られた酒屋などの既存店の転業による店舗には、既存の木造軸組工法の建物を改装したものも見られる。建物部材についてはチェーン毎に共通化された特徴が見られ、本部サイドによる計画的な大量一括調達により部材のコストダウンが図られると同時に、共通の部材による外観デザインや外壁はそのチェーンを示す意匠的な特徴となっている。ただし、設置場所が景観条例などの対象区域である場合には、これに添った特殊な外観の店舗デザインが用いられることもある。

ビル・マンション・商業施設などへ出店する場合は1階(地上階)への設置が基本であり、飲食店金融機関で多く見られる様な空中店舗地下店舗はビル・官公庁や複合施設内での事例はあるものの、大都市圏でも少数で例外の範疇である。その他、新築分譲マンションショールームなどとして建てられた独立した比較的小規模な建築物が、当初の用途での利用終了後に貸店舗に転用され、テナントとしてコンビニエンスストアが入居するケースなども見られる。

店舗は道路(正面)や駐車場の方向側の一面の側壁が大きく開かれ、足元近くから天井高さまでガラス張りになっており、4-8面程度並べた大型ガラスに面して雑誌の棚が配置されている構造・外観が一般的である。これは防犯上とマーケティング上の理由によるもので、店舗内に常時(立ち読みの)客が店外から見える状態を維持することで、他の客の誘引効果を図り、また強盗などを抑止する効果を兼ね、客が店内に入りやすい心理的作用をもたらしている。

商品を必要に応じて随時配送する事により、店舗側には余剰在庫を基本的に置かないことも店舗の設計・運用における大きな特徴で、商品や業務用具をストックしておくバックヤードを最小限度に設計でき、店舗スペースを有効活用できる。このことは、同時に建物のダウンサイジングを可能とし、建設費・光熱費などの圧縮や、店内の隅々まで店員の目が行き届きやすくなるなどといった商品管理・防犯、従来の雑貨店では出店不可能であった都心部のビルなどのより狭小なスペースへの出店を可能にするなど、様々な副次的なメリットを生み出した。商品種類が非常に多岐に渡るため、それらを余すことなく店頭展示するためにも、バックヤード側から商品補充が可能なウォークイン式冷蔵庫や、商品の後入れ先出しを容易にする可動構造の陳列棚、緻密な商品レイアウトなどの、様々な工夫が徹底されている。また、チェーンを問わず事務所も最小限度の広さに店舗運営に必要なストアコンピューターや事務机などが所狭しと並べられている店舗もある。

チェーンの名称を入れた内照式の看板であるファサードサインを店舗上部に掲げていることが一般的である。セブン-イレブンなどの一部店舗では、正面のガラス窓にシャッターが設置されており、台風などの災害[9]暴動発生時など近隣での非常事態発生時や、閉店時、設備の点検・改修時[† 8]などには必要に応じて一時的に閉めることが可能である。また、出入り口は内外両方向に引く観音開きが多く、自動ドアを導入している店舗は初期投資やメンテナンスコストの都合などから比較的少なかったが、後に新規開店した店舗ではバリアフリー推進の観点から、以前は自動ドアの店舗がなかったコンビニチェーンの店舗でも導入するケースが増えている。同様に、現在の店舗にはバリアフリー対応型トイレを設置している店舗も多い。また、大学病院総合病院などの大型医療機関が近隣にある店舗を中心にオストメイト対応トイレを持つものも見られる。

チェーンによっても割合は異なるが、全体的に見た場合、敷地や店舗建物は賃借されるケースが主流である。小売とは全く別業種の企業が、自社所有のたとえば市街地の工場跡や旧本社跡などの有休地を利用したサイドビジネスとして不動産賃貸業を手掛けることも多い。店舗オーナーが敷地や建物のオーナーを兼ねるケースは、元々が酒屋日用品店として土地を自前で所有していた既存店舗転業型の店舗を例外とすれば少ない。ただし、稀にではあるが、経営効率改善を目指したり貸主側の事情などから、コンビニ店舗のオーナーが賃借していた土地建物を買収することが見られる。

オーナーが当初から土地建物を自己所有している場合、建物の設計全般についてはオーナーの意向が反映されることが多く、店舗建物についても重量鉄筋を用いたよりしっかりとした造りであったり、オーナーの住宅が横や上部に併設された住居兼店舗となっていることも少なくない。

店舗閉鎖後の建物[編集]

解体されるコンビニエンスストア店舗(旧・ローソン鹿屋今坂町店、2013年10月撮影)
解体後はセブン-イレブンの駐車場敷地となった

コンビニエンスストアが営業を終了し、閉鎖(完全閉店)して立ち退いた後の店舗建物については、撤去される場合とそのまま残されて転用される場合があり、多くは建物所有者の意向や建物の状態、築年数、減価償却、そして利用用途など幾つもの要素が勘案されて決まってくる。

上述の通り日本のコンビニエンスストアの店舗建物には軽量鉄筋プレハブの簡易建築が多いが、コンビニチェーンのフランチャイズ契約は2000年代前半までは15年、現在でも10年程度が基本であり、建物の減価償却・建築基準法耐震基準などの観点からも、標準的なコンビニエンスストアの営業期間を超える長期間の使用を前提とした耐久力への配慮がなされている。

コンビニエンスストアが店舗を閉鎖して退去した後の建物が再利用される、あるいは中古不動産として売却されるケースは都市部・郊外部のいずれであっても枚挙に暇がなく、貸店舗として賃貸される場合だけをとっても、飲食店理髪店英会話教室クリーニング店レンタルショップコインランドリーを始め実に数多くの業種の店舗や、企業・政治家事務所など多種多様なものがテナントとして入っている。そのため、他業種でもコンビニ店舗跡の利用が多い業種では、機器類についてコンビニ店舗跡の利用を前提として作られていることがあり、たとえばコインランドリーの大型の洗濯機衣類乾燥機は、コンビニエンスストアの両開きドアを外すことなく内部に搬入して組み立てられる仕様で設計されている。また、その後の入居者も必要最小限度の改装だけで済ませ、建物の外観についてはコンビニエンスストア当時の様態を残したまま使用することも多く、外壁部材の特徴などからその建物がかつてどこのコンビニチェーンの店舗であったか容易に判別できることも多い。また、コンビニ店舗閉店後、別のコンビニが入るケース[† 9]もある。

一方で、コンビニエンスストアの退去後、貸店舗としての後継テナントが決まらぬまま、テナント募集中の空き状態が延々と続く店舗も見られる。

ビルテナントの店舗の場合には原状回復が行われた後に新たなテナント入居希望者を募るのが基本で、退去後にはコンビニエンスストア時代の痕跡を全くとどめないことも多い。

ただ、いずれにしてもコンビニエンスストアの店舗は各チェーン毎の個性が強い上、現在では大半のフランチャイズチェーンで機器・什器類が各社専用仕様品のリースであり店舗が閉鎖されると即時撤去・返却され、店内は“もぬけの殻”になるため、後継テナントがどの様な業種や小売店でもコンビニエンスストアからの居抜き出店は皆無に等しい。コンビニエンスストアの店舗跡に競合チェーンのコンビニエンスストアが新規出店することもあるが、特に大手チェーンでは、独立した建物の場合、一旦完全に更地に戻してから、あらためて自チェーンの仕様で新規に店舗建物を設置する手法が一般的である。

他方で、コンビニエンスストアの閉店・退去後に間を置かず建物が破却・撤去されることも多い。これは築年数や跡地利用の関係から撤去が決まることが多いが、他にも簡易建築の建物が大半であるだけに、建設時の施工不良の見落とし、店舗営業中の度重なる改造やメンテナンスの手抜かりなどが要因となって建物が一旦状態不良となってしまうとその補修費との釣り合いが取れないなどといった点が理由である。

交通量の多い幹線道路の沿道では、コンビニエンスストアの建設・開店・閉鎖が幾度と無く繰り返されている。既存店が建物・駐車場の拡張のため同じ街道沿いの近隣地に移転することも多い。また、店舗閉鎖後に残された多くの建物が残存し貸店舗として供されており、大都市圏の主要な国道県道バイパス道路では少なからず、長い年月の経過の末に数キロ程度の区間に様々な業種で営業中の店舗・空き店舗を含めて何軒もの“現役コンビニ”と“コンビニ跡”の建物が乱立する状態になっている。

ゴミ箱[編集]

郊外店を中心に、店舗敷地内および店内にゴミ箱が設置されている。一部には設置されていないこともある。店にもよるが、店頭で商品を購入しなくても無料かつ匿名でゴミを捨てることができ、ゴミの量や質等は客の善意に任されている。

トイレ[編集]

顧客の利便性向上を目的にトイレが設置されている。店にもよるが、店頭で商品を購入しなくても無料かつ匿名で利用することができる。2000年代以降は、洋式の自動水洗トイレが多いが、設置されていないことが多い。

イートイン[編集]

イートインの例(ファミリーマート)

ミニストップが全店に展開しているイートインであるが、ファミリーマートが追随し、その後セブン-イレブンローソン(以上日本コンビニ大手3社)、セイコーマートも追随している[10]。簡易な椅子や机等を用意し、客が店で買った商品等を飲食することができる。大手3社の中ではファミリーマートが先行しており、スターバックスに似たような雰囲気で、デザイン性の高いものとなっている。高齢者が新聞を読んだり弁当等の食事に使用するほか、学生が自主学習に利用するなど、若年層の利用率も高い。大手3社ともイートインを拡大していく方向ではあるが、駅前立地など狭小な店舗の場合は物理的に展開できない場合もある。また、店舗によっては安全確保のため深夜はイートインを封鎖していることもある。しかし、不必要に長居したり、深夜時間帯の利用を拒否することに対して理不尽なクレームをつけたり、利用を拒否しているのに無断で使用する、ど、これもまたコンビニの抱える問題の一つとして挙げられている。

駐車場[編集]

昭和期のコンビニ業界初期の酒屋など既存店舗からの転換店では、店舗に付属する駐車スペースが1-2台分しかなく、来客用ではなく業務用車やオーナーの自家用車の駐車スペースという店舗は郊外部でも珍しいものではなかった。しかし、モータリゼーションが進展した21世紀の日本では、地域による差はあるがあらゆる場面で自動車の存在が必要不可欠になっていることが多く、小売店にもそれに対応した設備が求められる。

郊外部の主要街道沿いや新興市街地で最近新設されたコンビニエンスストアの場合、ほとんどの店舗が客の自家用車での来店を前提にした典型的なロードサイド店舗としての形態を持ち、普通乗用車で10-20台が駐車できる駐車場空間を保有することが事実上の条件となっており、単純な買い物の一時的な駐車だけではなく、休憩したり短時間の仮眠を取るなど、ドライブインのようにも利用される。特に立地条件次第では、目的地周辺に早めに到着して納品の指定時間を待つトラックの待機場所としても利用される。コンビニ本部側では、ピーク時に駐車場が満車になることはビジネスチャンスの逸走の要因でありチェーンのイメージにも良くないこととしており、郊外部では新規開店後しばらく経ってから駐車場が拡張される場合もある。縁石が長く、出入りが難しいといった“狭さ”が店舗経営や近隣他店との競合で不利に働く要因となる場合には、移転することもある。ただし、同一敷地内に飲食店書店カー用品店などが立地している場合や、サービスエリア道の駅などにテナントとして入居している店舗では、駐車場は同一敷地内の他の施設や店舗と共同使用のものとして利用され、実質的に数十台から百台以上が同時に駐車可能になる。電気自動車が充電できる駐車場も存在する。

自動車用駐車設備についてはこのように充実が図られている一方で、自転車オートバイ向けの駐輪スペースは、土地に余裕のある郊外部でも重視されていない。そのため、駐車場の片隅や店舗建物前面の間のスペースを利用して駐輪する形になる。中型や大型のオートバイについては、乗用車用の駐車スペースをそのまま利用することを前提としていることも多い。

駐車場を持つ店舗では、夜間の敷地内での事故防止や車両へのいたずら・車上狙い不法投棄などの犯罪を防止する観点から、駐車場全体を照らせる最低限の夜間照明設備が設けられている。また、駐車場内の片隅や店舗建物脇に郵便ポストを設置している店舗も多く見られる[† 10]。また、道路に面した位置にコンビニチェーンのロゴマークたばこなどの取扱やATMの設置を示す合成樹脂製の自立型の電照式看板が設置されている。

郊外部では、来客用の駐車場とは別に数台分の従業員用駐車場を用意している店舗もある。自動車通勤を全面的に許可することで、従業員を確保する狙いがある。また、そのような店舗では、深夜・早朝シフトの勤務にあたり、自動車で通勤できること(公共交通機関の終電後・始発前であるため)を採用条件にしていることもある。

他方、大都市圏の市街地や繁華街の他、郊外部の都市でも駅前広場などでは店舗用地の広さ・区画・地価・立地条件などの問題から駐車場の用地確保が困難であることが多く、そのような店舗では、郊外部・農村部とは逆に「駐車場が無い」という理由で全時間帯にわたりアルバイト・パートの自動車通勤は不許可という所も多い。

駐車場の問題点[編集]

駐車時では物損事故や人身事故が発生することがあり、駐車場を持つ店舗は基本的に「駐車場での事件事故には責任を負わない」という旨の注意書きを記した看板を掲げている。運転操作を誤った車両が店舗に飛び込む物損事故も多々発生している。近年はこれを防止する鉄製の柵が設置されることが多い。

酒類販売を行っているコンビニ店舗で購入した酒を飲んだ後に運転した者が逮捕されるなど、飲酒運転の誘因の1つとなっているケースがある[11][12][13]

駐車場の収容能力の小さいコンビニ店舗では、ピーク時などに周辺の道路などへの来客や配送車の違法駐車が頻発し問題になることがある。都市部の駐車場のない店舗の一部では、毎日の配送車や宅配便の集配車のために駐車スペースを店舗から比較的近い場所に確保するなどの対処を行なっている。

営業時間[編集]

「セブン-イレブン」の名前の由来が「午前7時から午後11時(= 23時)まで」であるとおり、コンビニエンスストアの草創期に於いては、「早朝から深夜まで開いている」ことが特長の一つであった。しかし生活様式の変化と、商品配送・店内メンテナンスの都合などから、今日では都心・郊外問わず、ビル・鉄道駅・施設内設置などの一部店舗や一部の地域を例外として、原則として年中無休24時間営業であることをチェーン本部が事実上義務のようにしているチェーンが多い。

都市工学的な側面から見た場合、コンビニエンスストアは無視できない要素となっており、単なる消費者の利便性だけでなく、この24時間営業を続ける種類の、また誰でも出入りできて防犯体制が充実しているという側面から、コンビニの明るさによる周辺地域の治安維持の効果や、常に人がいるため緊急時に助けを求めることのできる避難場所としての役割が存在する[14]

日本フランチャイズチェーン協会の2006年に発表した資料[15]によれば、2005年10月からの半年未満で、全国36,622店のコンビニエンスストアで約5,300件の駆け込み事例があったという。なお日本フランチャイズチェーン協会では加盟店舗にセーフティステーション活動(通称「SS活動」[16])を2005年から行っている。

しかし現在では、ファミリーマートが原則24時間営業を見直す動きを見せたことがある。24時間営業を見直す理由としては、主に以下の要素が挙げられている。

  • 郊外地域など一部の店舗では深夜開店のコストメリットが(防犯面も含め)低いこと
  • 店舗経営者は24時間眠ることができず、従業員の万が一のトラブルに備えなければならないこと
  • 環境意識の高まりから深夜に煌々と灯りを点していることへの是非が問われていること
  • 深夜業(22時 - 翌朝5時)の場合、割増賃金(時給の25%増し)も上乗せしなければならない
  • 本部側にとっても人件費抑制のために割高になる深夜帯の配送に携わる労働力を削減すること[† 11]

2008年に朝日新聞が実施したアンケート結果によると、地球温暖化防止のため我慢できるものとして「コンビニ店等の深夜営業」をあげた人が83%いた[17]

こうした流れを受けて、京都市埼玉県神奈川県では、コンビニの深夜営業を規制している。一方で、「(環境保護の観点でいえば)コンビニの深夜営業そのもので出る二酸化炭素の排出量は微々たるものである。コンビニ以外の他の地域は深夜営業が規制されないのはおかしい」という指摘もある[18]。また、鷲巣力が2008年に跡見学園女子大学の学生に対して行ったアンケート調査(有効回答=165)では、7割の学生が24時間営業を「やめないでよい」・「やめないでほしい」と肯定的に答えた[19]

いわゆる駅ナカや駅前にある鉄道(キヨスク参照)、ないしは航空・バスターミナル内での大手コンビニからのフランチャイジーを受けて営業するものや、学校・大企業のオフィス・工場の敷地内などで営業する物に関しては必ずしも24時間営業とはならず、交通関係ではその日の始発から最終便の時間に合わせて営業するもの、オフィス・学校内ではそのテナントの敷地内の通常の営業・開校日時に合わせて営業[† 12]が行われるものが多い。

セブン-イレブン・ジャパン本部が、人手不足で深夜勤務が続いているので5時間限りの営業時間短縮を伝えた群馬県の男性オーナーに対し「重大な背信行為に当たり、厳重に警告する」とする文書を送っていたことがわかった。文書はセブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長名で2019年7月5日付[20]

セブン-イレブン・ジャパンが、人手不足から自主的に営業時間短縮した東大阪南上小阪店(大阪府東大阪市)のオーナー、松本実敏氏(57)に、24時間営業見直しを認める契約を提案したことが分かった。松本氏は永松文彦社長からの直接の説明を提案の受け入れの条件とした[21]

ファミリーマートは2019年7月26日、時間短縮の営業について全国の加盟店にアンケートした。直営店を除く14,848店を対象に実施し、14,572店が回答。時短営業を検討したいと答えたのは48.3%の7,106店。既に時短営業しているが2.9%の427店だった。2019年12月以降に今後の方向性を示す。コンビニ大手の時短営業を巡っては、セブン-イレブン・ジャパンやローソンでも実験を進めている。経済産業省は、24時間営業を含むコンビニのあり方を考えようと、2019年8月から大手8社のオーナーに勤務状況などをアンケートする[22]。時短を始めた実験店舗で販売額が落ち込んでいない例もあり、売り上げ維持に24時間営業は不可欠だとコンビニ業界で長く語られてきた「神話」は揺らいでいる。

業界では深夜営業をやめれば昼間の売り上げが減ると信じられてきたが、ファミマの実験結果は割れている。東京都内で時短を毎日行っている3店舗では、住宅地の店舗で前年同月よりも売り上げが激減したものの、駅前とオフィス街の各店舗は時短の影響がほぼみられなかった。秋田県と長崎県の店舗では、同じ幹線道路沿いの立地でも影響はまちまちで、現時点で傾向を読み取るのは難しい。1日3回配送するケースが多く、うち1便は深夜帯になる。閉店時間も商品を受け取るアルバイトを配置したため人件費の削減につながらない例があった。エリアが丸ごと時短すれば配送体制を見直すことも可能だが、オーナーの意向がまとまらなければ難しい。時短店の場合、深夜帯に行っている品出しを朝の開店前に行う必要が出てくるので人集めが難しくなるのであれば時短に踏み切れない。セブン-イレブンは2019年7月22日時点で116店が時短に取り組み、さらに230店が実験参加を希望している。店ごとの個別事情に応じて時短を認めているローソンは51店が時短営業の契約を選択し、他に約80店から相談を受けているという。

公正取引委員会は、加盟店から24時間営業の見直し要請を受けた本部が一方的に拒否すれば「独禁法違反の可能性を排除できない」との見解を示している[23]。公正取引委員会の杉本和行委員長は2019年9月25日の記者会見で、大手コンビニエンスストアの本部と加盟店オーナーに対する実態調査を開始すると明らかにした。24時間営業の強要やオーナー支援制度の不履行などに強い立場の本部がオーナーに不当な運営を強いたり、説明が不十分だったりするなど独禁法が禁じる「優越的立場の乱用」の事例があるかを確認する。

公取委のコンビニ調査は、2011年の前回調査を公表して以来となる。群馬県のセブン-イレブン加盟店のオーナーは2019年7月、本部がオーナー不在時に営業代行する「おーなー・ヘルプ制度」の内規を無断で変更し、契約時に約束していたはずの利用を制限したと申告した。2019年9月には、おでんなどの商品の無断発注や24時間営業の強要、消費期限が迫った商品を値引きする「見切り販売」への圧力が横行しているとして、5都府県のセブン-イレブン加盟店オーナーが公取委に一斉に訴え出た[24]。セブン-イレブン・ジャパンが2019年7月に実施した全国加盟店アンケートの結果で、約2200店が深夜の営業時間短縮を希望したことが分かった。回答店舗の約15%でセブン本部は回答を精査し、時短事件の参加の可否を判断する。今後深夜休業を検討するかもしれない店舗も半数を超えた。アンケートは全国の約21000店のうち約14000店の店舗オーナーが回答。深夜休業を「今後検討するかもしれない」が約7500店、「検討するつもりはない」が約4600店だった[25]

ローソンは2019年10月9日店舗スタッフの働き方改革の一環として、2020年1月1日を全国約100店舗を一斉休業させると発表した。実証実験との位置付けで、元日の来店の少ない店舗に参加を呼び掛ける。検証結果を基に2021年以降元日営業の在り方について方向性を決める。ローソンは加盟店に対し24時間営業を求めない契約を認めており、2019年10月1日時点で98店舗が時短営業に移行していることも明らかにした。2019年10月21日セブン-イレブン・ジャパンはフランチャイズ加盟店の時短営業を本格的に実施すると発表。時短営業の実験を行っている230店舗のうち8店舗で11月1日から移行し、順次拡大する。ファミリーマートが2019年10月21日時点で632店舗が時短営業実験を開始している。ローソンは24時間営業を求めない契約を認めており2019年10月1日時点で98店舗が時短営業を行っている[26]

2019年11月1日セブン-イレブン・ジャパンはフランチャイズ加盟店向けに深夜休業に関するガイドラインを配布。特定の時期、例えば正月やお盆などは認めないが、休業時間午後11時から翌日7時までの最大8時間で深夜休業を決め曜日別に時間を変えなければ原則として365日間続けるよう明記。24時間営業をやまると本部に支払うロイヤリティーの減額幅は縮小する[27]

セブン-イレブン・ジャパンが休暇を取得する店舗オーナーの業務を本部社員に代行させる「オーナー・ヘルプ制度」を巡り、オーナーの申請を一部除外して本部社員の対応率を100%と算定、公表していたことが2019年11月3日わかった[28]。2019年11月5日経済産業省が発表したコンビニの加盟店オーナーを対象とするアンケートによると、週1日しか休めないと答えた割合が85%に上った。他のコンビニやドラッグストアとの競合で売り上げ減少を訴える声も目立った。同時に実施した従業員へのアンケートでも64%が人手不足を挙げ、コンビニの24時間営業を巡る厳しい実態や、成長を支えてきた出店戦略のひずみが改めて浮き彫りとなった。コンビニの運営指針を話し合う検討委員会で明らかにした。調査は郵送やインターネット上で2019年8月中に実施し、オーナー3645人、従業員500人から回答を得た。オーナーへの調査で週休日数を聞いたところ、1日未満が66%、1日が19%。24時間営業についても「深夜営業は売上が低く、人件費も高くなる」として時短を求める意見が目立った[29]

ファミリーマートが、24時間営業を原則とするフランチャイズ加盟店との契約を改定し、営業時間の短縮を原則認める方針であることを2019年11月14日正式発表。対象はほぼ全店で、2020年3月にも契約を改定する。休業時間は午後11時から午前7時までの間で、本部との合意が無くても加盟店の判断で実施でき2020年1月以降に時短営業の詳細を示した指針を策定。一方、24時間営業を続ける店舗の支援金を月額10万円から12万円に増額する方針。時短営業は、毎日実施する場合と日曜深夜のみの2パターンを用意。時間帯など協議した上で決める。2020年2月までに本部社員の1割にあたる約800人の希望退職を募る[30]

商品面[編集]

販売[編集]

コンビニエンスストアの場合、店舗スペースに比較して食品日用品雑誌を主体にしているものの取り扱う品種数は非常に多岐に渡り、小売店として汎用性が高いのが特徴である。その一方で都市部の店舗では鮮魚精肉といった生鮮食品は取り扱わないか、かなり限定的である。野菜果物サラダ漬物デザートなど惣菜としての場合を除いて単品として扱われることは少ない。雑誌に関しては、日本のコンビニでは、エロ本を取り扱っている店舗が多い。18禁コーナーの仕切りがなく、誰でも通る場所に陳列されているケースが多い[31][32]

商品の価格は基本的にメーカー希望小売価格ないし、数パーセント程度値引いた価格(オープン価格の場合適宜設定される)で販売される(雑誌や書籍の場合は全て定価での販売となる)。

食品・デリカ類については、賞味期限消費期限)が迫っても値引きで販売することを認めておらず、売れ残りは店舗側の負担で廃棄[† 13]され、チェーン・店舗によっては飼料化・肥料化・再食品化されているケースもある[33][34][35]。ただし、生鮮やデリカではない菓子類は賞味期限接近の他、商品入換などを理由に値引き販売されることも少なくない。

店頭においては、後述するようにPOSシステムを活用して、1個でも多くの商品を無駄を少なく販売することと、また売り切れることなく顧客の手に確実に届けることが同時に要求される。そのため、オーナーは、毎日の時間毎の販売量の管理以外にも、近隣の祭礼イベントなど状況に応じて後述するように仕入量を随時変化させ、店頭で業務に携わる従業員の人数も適宜調整するべく、様々なノウハウを蓄積してゆく必要がある。

企画[編集]

コンビニ本部は商品のサプライヤーに対する新商品の提案なども行っており、これらの市場調査は各店舗の販売データを基に本部の主導によって行われている。

このためメーカーではコンビニ側の提案を積極的に受け入れた製品を開発することで自社製品を売り込み、コンビニ店頭に置いて貰うことで、その売れ行きを占う方向性も生まれた。たとえば、先に挙げた500mlペットボトル飲料市場では、コンビニ各社が提供する売れ筋情報の結果で、メーカーの商品企画開発部門が一喜一憂することも多く、このような場面はテレビの経済番組などでもメーカーとコンビニ業界の関係を題材としたトピックなどで多く取り上げられてきた。また、700円購入ごとにくじ引きができたり、「一番くじ」と呼ばれるキャラクターグッズのくじ引き、特定商品の組み合わせで有名アニメやアイドルのクリアファイルをプレゼントなど、メーカーとコンビニ本部のタイアップによるチェーン限定のキャンペーンも数多く行われている。

並行して、コンビニ本部は多くの商品でプライベートブランド(PB)での独自商品の企画・供給・販売も手掛けている。この場合、一部では既存商品にコンビニのロゴを追加したコンビニ向け独自パッケージの製品で、名義上の製造者自体はコンビニ本部ではなくそのメーカーというものも存在する。スーパーマーケットを親会社や系列会社に持つチェーンでは、これらと共通のPB商品が販売されることも多い。いずにれしても、大型化した小売業の世界では巨大な販売網を背景にした大量発注・大量販売による規模の経済の効果を利用して、PB商品の価格を同種製品よりも若干安価に設定しその価格力で販売するのが常道となっている。顕著な例としてはスナック菓子が挙げられ、一部チェーンではオリジナルのPB商品だけで店舗の什器を1つないし2つ占めてしまうほどの規模になる。

発注・仕入[編集]

チェーンによって対応は多少異なるが、商品仕入については、基本的に本部の指定業者からの指定商品のみに限られる。仕入代金の決済は本部が代行する。

商品の発注は締切時刻までに本部にデータを送信すれば全て電子的に処理され、地域・物品や発注タイミングにもよるが概ね当日の夜、翌日、遅くても翌々日の朝には納品される。毎日納品されるものもあれば週3回程度納品されるものなどがある。デリカ類・パンなどは1日に複数回納品される。以前は納入業者がそれぞれ納品をしていたが、環境問題への配慮や効率化などから共同配送や温度管理の異なる商品の混載が進み、納品するトラックの便数は減少する傾向にある。なお、納品に使用されるトラックは2トントラックや3トントラックの部分冷凍機能を持つ冷蔵車が中心で、コンビニ向け仕様の有蓋荷台が使用されている。なお、食品以外については同サイズの一般的な有蓋車も使用される。また、雑誌類・新聞類は大半が専門業者によって配送されており、車両については運送業者・地域などで差異が見られる。公営競技予想紙などではバイク便が用いられる地域もある。

情報システム面ではPOSシステムを利用し、季節・天候・地域性・性別・年齢層・流行などからなる売れ行き情報などを管理・分析する事で売れ行き商品を的確に把握し、限られた店舗内で最大売上を挙げられるよう仕入の効率化を追求している。特に500ml入りペットボトル飲料に関しては、様々なメーカーより多種多様な新規製品が発売・投入されるが、それらを限られた店舗内に取り揃えることは不可能であるため、POSデータによる分析で長くても1か月以内に売れ筋か廃れる商品かを判定され、商品入れ替えが激しく行われている。これにより市場で生き残る清涼飲料水は0.1%程度である[36]

コンビニの各店舗にはフランチャイザーから担当社員が定期的に巡回しており、また、POSシステムの情報機能なども活用して需要予測などの情報提供や仕入の指導を行うが、どの商品を・どれだけ・いつ仕入れるかなど、仕入の判断は各店舗のオーナーの権限と責任とされている。実際現場では、士気の向上を理由にアルバイト従業員に仕入れの判断をさせていることも多い。その判断が正しければ店舗の売上増となるが、需要を読み違えれば品切れとなり売上が伸びなくなったり、あるいは仕入量が多過ぎて商品が期限切れとなると、後述するように商品ロスはその店舗・経営者が被ることになる。

一般的に店舗が独自で仕入・販売を行う場合には、所定の手続と本部の事前承認が必要となっており、極めて限定的なものになっている。

なお、一部の店舗が独自に仕入れて取り扱うことがある商品の例としては、以下の様なものが挙げられる。

また、地域での祭礼イベントの開催時には、来店客数の一時的な増加を見込んで、過去のPOSデータなどを参照してデリカ類・ドリンク類の仕入量を一定期間のみ大幅に増加させるなど、状況に応じて臨時の対応が必要になる。

セブン-イレブン・ジャパン本部の社員が、店舗オーナーに無断でおでんなどを発注したのは独禁法違反に当たるなどとして、宮城、千葉、東京、京都、大阪の5都府県のオーナー5人が、2019年9月11日、公正取引委員会に一斉に申告した[37]。 セブン-イレブン・ジャパンでコンビニ店舗を担当する本部社員が店のオーナーに無断で商品を発注していた問題で、少なくとも2008年には同社の複数の経営幹部が無断発注事案を把握していたことが、2019年11月18日、同社の内部文書で分かった[38]。 セブン-イレブン・ジャパンは、2019年11月26日、本部社員が加盟店に無断で商品を発注する問題が発覚したことを受け、電話通報窓口を設置して全店調査することを明らかにした。外部機関を委託した2019年11月27日から約1か月間、過去の事案も含め店舗から情報提供を呼びかけ、通報があれば事実関係を調べる。結果を公表するかは未定。同社は2019年11月15日、無断発注で本部社員2人を今年懲戒処分したと公表しており、再発防止に向けた姿勢を示した。本部社員が無断発注できないシステムを構築し、オーナーが独立した事業者である点などを社員教育で周知徹底する[39]

企画商品[編集]

コンビニチェーン本部では、売上促進と更なる利益獲得の一策として、季節や時節のイベントに応じた特別企画を投入したり、数百円から数千円の価格設定の季節商品の予約販売などを実施している。

具体的には、正月おせち料理バレンタインデーチョコレート恵方巻土用の丑の日うな重蒲焼弁当)、クリスマスクリスマスケーキなどが代表的なものであり、チェーン本部はデリカ製造会社や大手食品メーカーなどとタイアップして季節毎の恒例行事として企画を立ち上げ、店頭でのPOPや店員による宣伝・勧誘を強化することで予約を集め、大量生産・大量販売を行っている。その他にも、節分恵方巻などのように、元々は限られた地域の風習であったものがコンビニの企画商品を端緒として毎年恒例の商業的イベントと化してゆき、食品スーパーなどもこれに便乗する形で全国に広められていったものもある。

この種の企画商品の多くでは、多くのケースで最初に店舗毎への割り当て量が決められ、その計画生産量に沿って材料などを調達している。

また、ディズニーサンリオなどのキャラクター商品や、テレビ番組テレビアニメ映画漫画雑誌などとタイアップ契約を結んで企画した商品を、コンビニチェーンが自社限定の数量限定商品として企画し、販売することも多い。

新聞・書籍[編集]

雑誌売場(コミック雑誌

新聞、書籍(雑誌含む)は定価による販売である。手数料は約2割。これらは指定再販商品であり値引き販売をすることはできない。また売れ残った場合は返品できるので売れ残りによる店舗側のリスクはないが、返品期限[40]を過ぎた場合は継続して販売するか廃棄するかの選択になり、廃棄する場合は店のリスクとなる。新聞については新聞特殊指定も参照のこと。

コンビニエンスストアにおけるタバコ商品群

酒・たばこ[編集]

酒は店舗ごとに自由に価格を設定できる。 たばこは定価による販売であるが、近年は「缶コーヒーがもらえる」「もれなく当たる」などといった実質値引きが常態化している。またたばこメーカーが指定する什器を店舗に設置するとたばこメーカーから店舗経営者に報奨金が入る。

いずれも20歳未満は法律で購入が禁止されており、大手チェーンではコンビニだけの独特な方法をとらないと購入ができない。

例えばPOSレジから「身分証明書の提示をお願いすることがあります」などとアナウンスが流れたり、「あなたは20歳以上ですか? はい」というボタンにタッチしないと酒たばこが買えないようなシステムになっている。

未成年者喫煙禁止法では2016年現在、買った者は没収のみの処分だが、20歳未満と知りながら売った店と売った店員は処罰される。したがって、20歳未満に見えなかった場合は無罪になる[41]

宅配便の集荷[編集]

宅配便を受け付けている店舗では、1日1 - 2回ほど、業者が来店し宅配便の集荷が行われる。荷物は原則として店舗バックルームに保管される。メジャーやはかり・伝票や各種シール類は店舗に備え付けてあり、着払いの利用もできる。

運賃や最短到着日時は大手チェーンの場合は、郵便番号や電話番号を入力するとレジに自動で表示される。発払いの場合は、代金をレジで支払う。冷蔵・冷凍サービスや速達サービスは利用できない。また1日数回の集荷を原則としているため、最大24時間荷物は店舗に滞留されることになる。コンビニ店員をはさむため、渡し忘れ等の人的ミスがあった場合、指定日時に配達できなくなる。このような理由から、慎重な取り扱いを必要とする荷物・急ぎ・指定日時厳守で配達してほしい場合は直接宅配便のセンター(営業所)に持ち込んだほうが確実である。

一部商品における定価販売見直し[編集]

以前からセイコーマートなどでは値引きを行っていたが、コンビニ業界全体では例外的な存在であった。しかし、2005年9月3日、国内最大手のセブン-イレブンコカ・コーラなど清涼飲料水7品目についてメーカー希望小売価格から15%の値下げに踏み切った。同社は同月よりイトーヨーカドーなどとセブン&アイ・ホールディングスを設立し、巨大小売グループの共同仕入れによる大量購入を背景とした価格交渉力の強化によって納入価格引下げをメーカーに要求した。同日より、イオングループミニストップもコカ・コーラなど5品目につき15%の対抗値下げを実施した。

さらにセブン-イレブンは、2006年には調味料30品目を値下げ、2009年4月14日には洗剤歯磨き粉などの日用品31品目を平均15%値下げした[42]

これまで、24時間営業の利便性を武器に原則定価販売を堅持してきたコンビニ業界が値下げ販売に踏み切ることになった背景としては、SHOP99に代表される低価格の24時間スーパーや既存スーパーの深夜営業の拡大による競争激化、消費者の低価格・節約・もったいないを重んずる志向、スーパー・ドラッグストアなどとの価格差縮小による需要拡大の狙い、が挙げられている。

生鮮コンビニ[編集]

近年、SHOP99が先駆けとなり生鮮食品の販売、廉価均一販売をセールスポイントにしたコンビニエンスストアが増加している。

生鮮コンビニ」の項目を参照。

経費面[編集]

資産・負債[編集]

本部にて各種決済が代行されるため、売上金は基本的に全額本部に入金される。これは本部の管理であり、万が一にも本部が経営破綻した場合、返還される保証は基本的にない。

開店時に本部に預託する保証金は以前ほど必要なくなっている[43]。店舗や設備が店舗経営者の所有でないケースでは、店舗側で管理している資産は商品が主になる。なお、開業時には本部から商品代金を借り受けることができるので、少ない手持ち資金でも開業できるが、夫婦の身元審査を通過しなければならない。夫婦のどちらかに破産歴があるなどの場合は法人化すれば会社と代表者1名のみの審査で済む。

最低保証制度[編集]

コンビニチェーンの多くでは、高額なロイヤリティの為に一日平均の売上が35万円を下回ると、赤字経営となる(チャージ率が50%で利益率35%の場合)。30万円を下回ると閉店対象になりうる。その不安定な状態からオーナーを保護するため、前年比で売上が下がった店舗等を対象に、最低保証制度が用意されている。

金額は各社異なるが、年間1,800万円前後である。チャージは本部が負担する。仮にある月の売上が10万円、次の月が20万円だったとしても、利益が最低保証より下回ることはない。逆に40万円で安定した場合、追加支払をしなければならない場合もある。 オーナー総収入とも呼ばれるが、決してオーナーの手取額ではない。なお、最低保証店舗を恒久的に存続させると本部の経営に影響が出るため、次回契約更新時に本部から閉店や移転を促されるケースもある。

ロイヤリティー[編集]

店舗経営者から本部に支払われるものはロイヤリティーのみが原則で、本部は商品提供(仕入代行)、会計代行、店舗什器(じゅうき)、POSシステム・レジスター端末などの機器の提供(レンタル)、各種システムの構築、企画、宣伝、店舗運営指導などを受け持つ。ロイヤリティーはいくつかの名目(店舗数など)で減額されるが、粗利(あらり)の50%と、かなり高額である。粗利とは売上額からその名目上の仕入原価を除いたものであり、利益とは異なる。ファーストフードなど店内調理品の場合は本来の原価よりかなり低い額が原価として設定される。

ロイヤリティーの率はチェーンによって違いがあり、店舗物件の所有形態、導入機器の違いなどによって率はさらに大きく異なる。店舗経営者が店舗や内装を所有する場合は大手チェーンの場合で粗利の35%ないし45%であり、特別に低い条件でも30%程度である。リース機材が多いチェーンでは機材レンタル費などの形ではあっても実質的に本部に払う金額がより高くなることも見られる。

近年は新規開業者の多くは店舗などを所有していない場合が普通だが、この場合ロイヤリティーの率も高くなり、50%を大きく超えることが多い。このようにコンビニエンスストアの場合、粗利の大きな部分がロイヤリティーとして支払われるので、単純な売上のみで店舗の経営状態は判断できない。フランチャイズ・ビジネスが日本にあまり定着していない時代において、共同経営にも似たこのロイヤリティー率は「共存共栄」という言葉で説明されていた。

2009年、セブンイレブンは、公正取引委員会から本部担当者が期限前の値引きを行う「見切り販売」を不当に制限したとして独占禁止法違反(優越的地位の乱用)で排除措置命令を受け、廃棄ロス原価のうち15%を本部が負担する支援策を発表した[44]

営業費[編集]

営業費については、人件費以外では固定的な費用が多くを占めており、店舗側の単独の努力で削減できるものはないに等しい。コーヒードーナツなど新たな商材の販売に伴い関連費用[† 16]が増加している。

人件費は各種サービスの取扱拡大、最低賃金の改定などの理由で、従業員教育にかなりの時間と手間が必要になってきており、上昇傾向にある。

なお、ファミリーマートでは24時間営業する店舗に奨励金を支払ったり[45]、セブン・イレブンやローソンでは水道光熱費の一部の費用[46][47]を支払ったりするなど、一部の費用は本部が負担する場合もある。

商品ロス[編集]

冷蔵ショーケースが空いた状態

コンビニでは消費期限のある程度前に「販売期限」が設定され、販売期限の経過した商品は、ロスとして廃棄処理しなければならない。

大手チェーンの弁当・おにぎり・パンなどは、販売期限情報をバーコードに含んでおり、販売期限を超過した場合レジが通らないシステムになっている。

しかし、人件費高騰等への対策から、昨今の風潮を反映して商品ロスを減らすことを重視する経営者が増えており、時間帯によっては弁当類が全品品切れとなるような店舗も増えつつある。

売れ残ったまま消費期限を迎える商品については、特に値下げ等による見切り販売は行わず、原則として全て廃棄対象とすることが多い。これは本部と店舗とのFC契約において通常「見切り販売はFC契約解除、もしくは次回契約更新時の契約拒否事由に当たる」との条項が含まれていることが理由である。しかし消費者サイドからは「まだ食べられる食品を捨ててしまうのはもったいない」との意見や「店舗側による自由な販売を本部側が制限するのは、独占禁止法で禁止された『優越的地位の濫用』に当たる」との意見が以前からあり、2009年2月にはセブン-イレブンに対し公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行い[48]、同年6月には同社に対し排除措置命令を出すに至った[49]。これを受けてコンビニ店舗の中に一部見切り販売を始める動きも出てきている[50][51]。 ファミリーマートは食品ロス削減として2019年4月に恵方巻、うなぎ弁当、クリスマスケーキの完全予約制を打ち出し、土用丑の日のうなぎ弁当を完全予約制で販売したところ、予約と店頭販売を組み合わせた2018年と比べ、店舗の利益が平均で約7割増えたと2019年8月15日明らかにした。販売額は約2割減少したが、廃棄費用が大幅に減り利益を押し上げた[52]。 セブン-イレブン・ジャパンは2019年10月30日、販売期限の迫ったおにぎりやサンドイッチなどの購入者に税抜き価格5%のポイント還元する食品ロス削減策を四国4県と北海道の計約1360店舗で開始し、12月31日まで実施して効果を検証して2020年春の全国展開を目指す[53]。 ファミリーマートは、2019年11月14日売れ残った商品の廃棄費用の本部負担比率を高めるなど加盟店支援に年間約100億円を投じると表明した[54]

損耗[編集]

POSデータ(販売時点情報管理)により集計された理論上の在庫と実際の在庫の差は損耗となる。損耗の発生する主な要因は品物の誤計数、レジの誤入力、万引きによる盗難である。消費期限切れによる廃棄や不良品の交換はPOSで集計されるので損耗には含まれない。

無人化[編集]

ローソンは2019年8月22日、深夜の売り場に店員を配置しない省力化店舗の実験を、横浜市内の1店で23日に始めると発表。利用客はQRコードや顔認証で入店しセルフレジで決済し、午前0時から5時まで無人化[55]。ファミリーマートも省力化店舗の実験を始めており沢田貴司社長は「前向きに検討していく」と語る。セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹会長は「お年寄りが来たらおはようとあいさつするなど、コンビニは今後ますます会話の場が要求される。無人店舗はコンビニにそぐわないかなと思う」と慎重な姿勢を見せている[56]。 ローソンの竹増貞信社長は、2019年11月12日、2020年をめどにレジを設置しない実験店舗をオープンさせる方針を表明した。省人化によるオーナーの負担軽減が目的。レジの代わりにスマートフォンや顔認証システムを活用して決済する。客対応のため少人数の定員は一を想定する。レジを置かない仕組みを「ローソン・ゴー」と命名する予定。2020年は1店舗のオープンを目指す。並行して、店での品出しの自動化や調理作業を担うロボットの開発も進めるという[57]

チェーン本部による従業員への「指導」[編集]

コンビニエンスストア・チェーンにおいては、店舗の内装や品揃え・在庫状況に加え、接客態度や店内の清掃状況などといった雰囲気に含まれる事柄までを含めて、「コンビニエンスストア」という商品の範疇として扱う。また基本的には同一社のチェーン店ならば全国どこの店舗であっても同様の商品やサービスが同様の手順で購入・利用できるようにシステムが設定され、またその様に接客対応できる事が要求される。

そのため、チェーン本部では、各フランチャイズ店にPOSシステムで集計された売れ筋情報(データマイニング)を配慮した品揃えを求めたり、接客対応のマニュアル化や、店舗設備の効率化を推し量った上での内装の決定を行ったりしている。また、各フランチャイズ店を定期的に見回り、本部の方針を伝えたり、本部への意見を聴取したり、あるいは仕入れ・販売・接客技術の指導を行う専門の社員(スーパーバイザー)が存在する。

大手チェーンの場合、店舗の雰囲気や商品陳列、店内設備の状況も本部によるチェックと指導の対象となる。実際、店内における売り場の配置はもとより、1つの什器の中での商品陳列順さえ本部側が権限を握っており、新商品の発売予定がある毎に店側にペーパー配布などの形で指示がされる。それ以外にも、季節ごとにペーパー配布などの形で棚替えと呼ばれる作業を行わなければならない。さらにチェーンによっては、店頭のPOP広告の掲示方法、トイレの臭気、店舗フロアの床(蛍光灯LED)の光沢度駐車場雑草舗装塗装の状態など数多くの項目で事細かな基準が設けられており、本部社員や本部指定の外注業者によってメンテナンスや定期的な機械計測が行われ、本部からの「指導」という形でフランチャイズ店舗のオーナーに修繕や交換などが指示される場合もある。

服装に関するマニュアルの例[編集]

過度な染髪ヒゲピアスイヤリングネックレスマニキュアつけ爪指輪時計香水ブレスレットヒールサンダルマスクが禁止という一般正社員と比べても厳しい規定となっており、ほぼコンビニ各社で共通となっている。

店長や本部社員、客からクレームが入った場合、初回は注意や改善指導程度であるが、何回も繰り返されると解雇となる場合もある。

清掃に関するマニュアルの例[編集]

  • 駐車場吸い殻ゴミ雑草がないか。近隣まで清掃されているか。
  • 灰皿公衆電話は清潔か。のぼり旗に汚れや色褪せはないか。傘立ては出しっ放しになっていないか。
  • 店頭にガム跡がないか。軒下に蜘蛛がないか。
  • ガラス面に指紋やテープ跡がないか。店頭・店内マットに汚れはないか。ステッカーやポスターに劣化はないか。各種ポスターはライン下に貼られているか。
  • ゴミはあふれていないか。犬走りは清掃されているか。
  • 床にガム跡はないか。カウンター内の床も清掃されているか。
  • トイレ床面・壁面・便器・換気扇・手洗いに汚れはないか。
  • 棚板に汚れはないか。霜取りはできているか。
  • 液晶画面に汚れはないか。
  • カウンター上が整理されているか。
  • フライヤーや換気扇に汚れはないか。
  • エアコンのフィルターに汚れはないか。

接客に関するマニュアルの例[編集]

  • 「新商品いかがですか」など、おすすめ商品の声かけができている。
  • 身だしなみのチェックポイントは、いつも達成している。
  • お客様入店時には、いつもはっきり聞こえる声で、笑顔で明るく挨拶している。
  • 通路でお客様とすれ違う時はいつも会釈をし、はっきり聞こえる声で、笑顔で明るく挨拶している。
  • レジ接客時には、いつもはっきり聞こえる声で、笑顔で明るく挨拶している。
  • レジ接客時には、いつもアイコンタクトができている。
  • 会計の最初と最後の挨拶時には、30度以上のお辞儀をいつもしている(ファミリーマート)。
  • 会計終了後(退店時)に、いつもはっきり聞こえる声で、笑顔で明るく挨拶している。
  • 商品のレジ登録前に「ポイントカードはお持ちですか」と声かけしている。
  • ポイントを保有しているお客様に「ポイントはご利用になりますか」と声かけしている。
  • ポイントカードは、スリット後すぐにお返ししている。
  • 温かいものと冷たいもの、濡れると困るもの、食品と日用品は分けて袋詰めしている。
  • お釣りを、両手で丁寧に渡している。
  • レシートは、全てのお客様に渡している。
  • お客様にレジ袋や商品を両手で丁寧に渡している。
  • 会計待ちのお客様に対し、迅速なレジ誘導と丁寧な声かけをしている。
  • お客様が店内にいる状況で、おしゃべり(雑談)をしていない。
  • 「少々、お待ち下さいませ」「お待たせ致しました」など、丁寧な言葉遣いで応対している。
  • 売り場に出た時は、前だし・顔出しを積極的にしている。
  • オープンケース(米飯・調理麺・サラダ)が品薄の時は、前だし・中央寄せをしている。
  • フライドフード什器に汚れがあれば、すぐに清掃している。
  • フライドフードの先入れ先出しを実施し、販売期限内の商品を陳列している。
  • ゴミ箱のゴミ回収は、率先して実施している。または、指示を出している。
  • 売り場、店頭にゴミが落ちていた場合は、拾っている。

フランチャイズ店の販売データ・経理情報も各店舗に設置されているPOSシステムとストアコンピュータを通じてチェーン本部に集約されており、経営に不慣れなオーナーをサポートすることもある。この中には融資業務を含める所もあり、各店舗には地域担当者が巡回して経営状況を逐次チェックしている。

歴史[編集]

日本初のコンビニエンスストアがどれであるかは、関連資料が少ないことやコンビニエンスストアの定義も当時は曖昧である[58]ことなどから諸説あるため、ここでは有力な事例を複数表記している。全体像として、明らかに増加傾向にある店舗数の統計は、1988年で35000に迫る勢いであったが、基準の変更により1991年に25000手前まで絞り込まれている。

現況[編集]

再編[編集]

コンビニ誕生以降、競争激化による合併や倒産などの要素にてチェーン店の再編が度々行われており、1990年代にはサンチェーンがローソンへ統合、デイリーストアサンエブリーデイリーヤマザキへ統合、2000年代には、都市部などで飽和状態になっていること[65]などが起因して、ローソンによるSHOP99の子会社化、HOT SPARココストア変更(広島地区の一部店舗を除く)[† 17]、などが行われている。

コンビニの情報収集分析力やスケールメリットを活かした展開を行える部分に商社側は魅力を感じており[66][65]、コンビニ側も商社の持つ企業・人材・商材ネットワークを活かして新商品開発や異業種との提携を行いやすくなる利点[66][65][67]、とお互いにメリットがあることから近年商社とコンビニの関係が深まっており、三菱商事がローソンやイオンと、伊藤忠商事ファミリーマートサークルKサンクスと、それぞれ取引関係にある。また、それに関連して商社主導の再編も一部で予測されている[65][66]

キャッシュレス化・電子マネー推進の流れ[編集]

チェーンや店舗、地域によって異なるものの、レジ会計での支払いの方法には一般的な現金の他、各種料金収納代行やタバコなど一部商品を除いてクレジットカードプリペイドカードデビットカード電子マネー[† 18]が使用できるようになっている。2012年7月現在では、100円ショップ型やボランタリー・チェーン型以外の広域展開チェーンのほぼ全てで自社運営か他社運営かは別にして何らかの電子マネーによる代金決済のシステムが導入されている。

オペレーション面でも、レジの違算が発生しない事、預り金やお釣りの受け渡しが発生せず決済をスムーズに完了できる事、高齢者や幼少者でも簡単に扱える事はメリットであり、これらが駅ナカコンビニの進出に寄与した。

防犯面からも、電子マネーの導入は上述の通り取り扱い金額の高額化が進む中、店舗内・レジ内に存在する現金を減らし、犯罪に遭った際の被害額を低減する役割、客にとっても深夜に財布を持たず電子マネーだけを持って来店できることで、やはり強盗や恐喝に遭った場合の被害規模を低減する効果が期待されており、このこともあってとりわけ電子マネーについてはコンビニエンスストアが積極的に推進役を担っている。しかし、コンビニで買い物をするために事前に行う電子マネーのチャージや、無数の分野に拡大した料金収納代行サービスなどが影響して、結局は店舗内の現金が増加傾向にあるという問題点も抱え込み、特に料金収納代行では、時に客が数十万円からそれ以上の大きな金額の支払いを持ち込むことがあり、大量の払込用紙と高額の現金を前に店員やオーナーが長時間のレジ対応に追われるなどといったことも珍しくなくなっている。

また、WebMoneyNET CASHなどに代表されるオンラインゲームamazonなどのインターネットショッピングなどに用いられる仮想マネー型電子マネーPOSAカードの販売も幅広く取り扱っており、とりわけリアルタイムでゲームプレイが進行するものが多いMMORPGのプレイヤーなどにとっては365日24時間いつでも課金用の電子マネーが現金で店頭購入可能なコンビニエンスストアの存在は必要不可欠のものになっている。2000年代後半以降、電子マネーや仮想マネー型電子マネーの導入への動きはコンビニのみならずさまざまな業界で急激に進展しており、また電子マネーの運営会社側から見ても、コンビニへの導入やコンビニでの販売の拡大が普及はもとよりサービスの成否そのものの鍵を握るほどにコンビニの存在は大きなものになっている。しかし、仮想マネー型電子マネーの販売では、払込受領書・店舗控など3-5枚のレシートやチケットが出される上、取り扱い手順が完全には統一されておらず事業者によって微妙に異なる場合がある。また、家電量販店のように、取り扱っている商品の性質上、各社が競うように複数の電子マネーの取り扱いを急速かつ並行的に導入した。2016年、これら仮想マネー型電子マネーを使った詐欺が前年比28倍となり、行政は警戒を呼びかけている[68]

店舗形態の多様化[編集]

コンビニチェーンの一部では、店舗の形態や機能を多様化させる試みが行われている[69]

例えば、ファミリーマートはCD・DVDレンタル大手TSUTAYAと一体化した店舗を2010年12月に初めて出した。また、イオン大宮店の有料遊技場「ファンタジーキッズーナ」の中には、座席を多数設置したミニストップが出店している。

コンビニ業界黎明期には個人経営の薬局が転換した薬局兼営コンビニエンスストアが若干数存在していたが、これとは別に近年大手薬局・ドラッグストアチェーンとの複合店舗化の試みも行われており、ローソンは「マツモトキヨシ」と共同で企画した店舗を千葉県内に、ファミリーマートは「ドラッグコスコ」と共同で企画した店舗を長野県松本市内にオープンさせている。

北海道江別市のローソンでは、市内にあるCD・DVDレンタル大手TSUTAYAの商品を回収するポストが設置されていた(2005年3月現在)。

長野県松本市のファミリーマート桐追分店では、市内にあるTSUTAYA4店舗の返却商品を回収するポストが設置されている(2014年12月現在)。

広島県神石郡神石高原町では、2011年夏、官民が共同で運営する全国初のコンビニエンスストアがオープン。出店したのはローソンで、「道の駅」の一角にて営業[70]

問題点[編集]

防犯対策[編集]

コンビニでは防犯対策が問題となる。商店の強盗事件のうち77.9%はコンビニエンスストアというデータもある[71]

コンビニエンスストアにはさまざまな防犯対策が施されている。

  • 防犯カメラによって、客は必ず撮影される
  • 2010年代以降の新店では、フルHD画質で16画面同時録画できるシステムもあり、ほぼ死角は存在しない
  • 深夜時間帯はレジを1台体制にする。深夜の1万円札使用を禁止したり、1万円札は金庫に回収したりする
  • 深夜時間帯のスタッフ2名以上の配置
  • ALSOKSECOM等、24時間警備システムの設置
  • お客様トラブルの積極的な警備会社への通報
  • 非常時に光と音で周囲に異常を知らせる赤色灯の設置
  • コンビニで最高額商品といわれるPOSAカードは、レジでスキャンしないと有効にならないため、万引きをしても意味がない
  • コンビニで次に高額商品といわれる充電器SDカードは、レジから見えやすい位置に配置したりダミーカメラを設置し、心理的に万引きを食い止める

さらにその一方で、深夜・早朝時間帯には客が少数になるため、強盗恐喝などの被害を受けるケースは多い。近年では取扱商品の高額化や銀行ATMコンビニATM)の設置店が増えたこともあり、被害を受け、その被害規模も大きくなる危険性が高まっている。このためカメラ台数の増強、オンラインによる遠隔監視が可能な防犯カメラの導入、金融機関などに見られるカラーボールの用意など、防犯設備はハードウェア面を中心に現在も研究・改良と充実を図り続けている。

この他、基本的な対策として、入店者の人相が判り難いフルフェイスヘルメット着用者の入店拒否、未成年者への酒・タバコの販売拒否店頭レジの保管金額を抑える、夜間には事務所の金庫 の開扉をシステム的に不可能にするなどの工夫が成されている。特に個人オーナーが直接店長を務める店では、店長の個人的な判断により、木刀バット特殊警棒刺又防犯スプレーなどで武装するケースまで見られ、過去にはこれらによる撃退事例も報告されている。また、国によっては拳銃などの装備も見られる。また深夜などの治安が低下する危険な時間帯も営業しているため、地元警察と連携を取る動きも見られる。

コンビニエンスストアの24時間営業が地域社会に受け入れられるにつれ、地元警察との連携は、コンビニ側の防犯体制のみならず、警察側の犯罪捜査への協力体制も含めた双方向的なものとなってきている。警察官がコンビニエンスストアを利用する場合において、従来は交代で食事などに出た警官がコンビニなどで買い物をする際に「勤務時間内にコンビニでサボっている」や「公私混同している」との風評被害を避けるため、制帽を脱いで私服の上着を着用するなどといった服装規定が定められていたが、2000年ころから急激にコンビニ強盗が増えたこともあり、2003年12月より愛知県警においては、制服のままコンビニに出入りさせることで、地域防犯の向上に役立てようという運動を始めている。その他の地域でも同様な活動が行われており、警邏中の警官が気軽に巡回中に立ち寄ることで、強盗事件などの発生の減少が期待されている。また、コンビニに立ち寄った不審な人物を店員が警察に連絡し、近隣で起きた他の事件の容疑者の検挙につながったケースも見られている。また、コンビニ強盗事件の発生時には、地域の全てのコンビニの店内・事務所や周辺で覆面車両や警察官が警戒・待機するなど、さまざまな非常の対策が取られることもある。

なお、店の損害を発生させる犯罪も増えている。以下に事例を示す。

  • 収入印紙を購入し、後に「返品したい」と言ってきて掴まされたのは偽物だった(切手類の返品はできない)[72]

またSNSの普及で、今までのような建物外・建物内の犯罪だけではなく、従業員自身が犯罪者になる例もある。これらは瞬時に広まり、全国ニュースで報道される時代となった。

  • 遊び半分でアイスケースに入ってブランドイメージを失墜させた行為。FC契約解除[73]
  • パック飲料の商品が入ったケースを靴と商品が触れる状態で踏み台にした事例[74]
  •  未成年者やアルコール依存症患者によるアルコールやタバコの購入を拒否することにより、販売を拒否に腹を立てた未成年者らから殴る・蹴るの暴行を受けたり、店の商品や備品を破壊されたり、盗まれたりする被害に繋がることもある。

また、取扱商品の高額化(携帯充電器DVDなど)や、後述するようなPOSAカード、電子マネーチャージ、各種公共料金、分割払い、通信販売代金などの料金収納代行サービスの開始・拡充もあって、店舗レジに比較的高額の現金が一時的に置かれることが増え、近年ではコンビニ強盗事件の一件あたりの被害額が、従来の2 - 3万円から10万円近くにまで跳ね上がるなどの問題が発生している。

2007年5月2日の読売新聞の記事[75]によれば、セブン-イレブンとファミリーマートで、2008年2月期に料金収納代行サービスの取扱高が、物品販売の売上高を上回る見通しであると報じている。これには、銀行など金融機関の窓口と異なり、24時間いつでも支払いができる利便性に加え、Amazon等の通信販売の増加が指摘されている。また、通信販売で購入した物品をコンビニエンスストアで受け取れるサービスを行っている販売業者もある。

これら色々な防犯面の問題は、業界体質的な問題としてコンビニ業界に決して小さからぬ影を落とす要素となっている。そのため、現在では店舗単位の対策だけではなく、業界各社のチェーン本部や地区事務所が自ら対策に乗り出し、いわゆる「リスク管理」「コンプライアンス担当」などの部署に防犯指導や反社会的勢力対応の専門の要員を配置する他、警察との連携を図ったり、警備会社に依頼して私服警備員にフランチャイズ店舗を巡回させるなどしている状況も、一部では見られるようになっている。

ただし、ATMに限って言えば、24時間営業で防犯設備も充実し、そして常時有人であるコンビニ店舗は、設置する環境としての利便性や安全面、顧客の犯罪被害からの保護など様々なメリットが働く。設置店では、売上金の送金用途などにコンビニATMを活用しており、そのため、現在では商店などの売上金の保管のための夜間金庫の役割を、コンビニATMが代替する状況も見られている。実際にセブン銀行では、設置コンビニそのものだけではなく、コンビニ店舗近隣に店を構える企業をターゲットとして、夜間金庫の機能をセブン銀行ATMで利用できるサービスを始めている[76]。これとは別に、みずほ銀行[77]三菱UFJ銀行[78]三井住友銀行[79]でも、売上入金専用のカードを自行ATMだけでなく3大コンビニATMでも使えるサービスを展開している。

コンビニで発生した主な重大事件[編集]

  • 酒類・たばこを購入しようとした客に年齢確認しようとすると「顔見れば分かるだろ!」液晶壊して逮捕[80]
  • 店長に硬貨を投げつけ、「ちゃんと拾えや!」と恫喝し、威力業務妨害で逮捕[81]
  • コンビニに助けを求め駆け込んだ交際相手を追いかけ、その後コンビニにて殺害した疑いで逮捕[82]

人手不足[編集]

アルバイト・パートの確保・補充が捗らず、人手不足に苦悩する店舗もさして珍しいものではない。店頭に従業員募集の広告ポスターが貼付されたままの状況という店舗も多い。

多数のチェーンでは店舗運営のマニュアルの中で、安定した店舗運営のためにオーナーに対して従業員を所定数確保し過度の負担が掛からないような体制を組むことなどを求めているが、実際には、オーナーが従業員に対して露骨な選別まがいのこと(容姿の端麗な人物の採用や、夕方の時間帯を女子高生のみにして男性サラリーマン受けをよくする等)をしたり、逆に従来から在籍する従業員の性格・素行的問題などが原因で新規従業員が長続きしない店舗も見られる[† 19]

FC店の従業員の過労死に関して、遺族がFC店の店主のみならずコンビニエンスストアの本社に対しても訴訟を起こしたケースもある。2012年大阪地方裁判所にファミリーマートを相手取り起こされた訴訟では、2016年12月22日付で、ファミリーマートと店主側が遺族に対し解決金計4,300万円を支払うことで和解が成立したことが判明した。直接の雇用関係にないFC店の従業員に対し本部が労災に解決金を支払うのは異例の対応とされる[83]

2017年1月には、セブン-イレブン店舗にて風邪で病欠したアルバイト従業員の女子高生に対し、代替者を見つけなかったペナルティとして、労働基準法が規定する制裁による減額を超える9,350円を違法に給与から減額していた事例[84]がツイッターで発覚し、Yahoo!ニューストップに掲載、全国報道された。この店では人を見つけないとペナルティというルールがあったという。労基法24条(全額払いの原則)、91条(制裁規定の制限)に違反する。当初セブンイレブン本部は「加盟店の問題」としていたが、事件が明るみに出るにつれ対応を転換、違法を認め加盟店に謝罪と返金を指導した。

労働基準法違反の例

  • 8時間を超過するシフトを作成している(原則として禁止)[83]
  • 6時間を超えると45分、8時間を超えると1時間の休憩をとることができるシフトになっていない。
    • 二人体制で一人がレジをやっている間、混んだ場合バックルームで休憩していてもブザーで呼び出されレジをしなければならない。
    • 休憩中、店外にでることができない(休憩は自由に利用できなければならない)。
  • 時給を1分ごとに支払わない(15分ごとに丸めているコンビニが大半)[85]
    • 朝礼があるなどと言い、15分前の出勤を強制させているにもかかわらず、給与を支払わない(セブンイレブンの一部店舗)。
    • 本来は更衣前の時間も勤務であるが、更衣後に出勤登録するよう本部が指導している(ファミリーマート等)。
  • 人手不足などと理由をつけ、休日を労基法通り与えない(最低週に1日または、4週に4日の休日が必要)[83]
  • 週168時間労働しているのに、社会保険に加入できない。
  • 研修中の場合、最低時給を下回る時給となる。
  • 22-5時以外の時給を昇給した際に、22-5時の時給を昇給しない(25%割増が必要)。
  • 給与算出システムが「時給×勤務時間」のみで、三六協定を結んでいないにもかかわらず時間外割増賃金を支払わない。
  • 勤務中に負傷をしたにもかかわらず、労基法が規定する手当を支払わない(社保に加入していない場合)。
  • 「ウチには有給制度は無い」と説明する(有休は店舗によって与えられるものではなく、国が労働者に対して与える制度である)。
  • 高校生がテスト期間で長期間の欠勤を申し入れしてきたことに対し、労働力にならないからシフトを短縮する等の報復行為。
  • レジの違算や業務中発生させた損害を、給与から天引きする。
  • 「名ばかり店長」として労基法適用対象外とさせ、1日23時間労働・休みなしで残業代もなく固定給のみとする。(「正社員#名ばかり正社員」も参照)

店員に対するノルマ・自爆営業[編集]

2017年に入りコンビニではアルバイト店員に恵方巻自爆営業を課す例が相次いだ。オーナーから予約50件 - 100件のノルマを課せられた例をはじめ、数十本程度のノルマがあったという報告が多く、ノルマを達成できない場合は自ら買い取るいわゆる「自爆営業」などの例もツイッター上に寄せられている。NHK1月26日2月2日ニュースでそうした例を取り上げ、労働組合の相談窓口には売れ残りの数万円分を給料から天引きされた例なども寄せられたと報じた。こうした例は労働基準法第24条に違反する違法行為となる。

以下のような現状から、新規でオーナーを務める人員は皆無の状態が続いており、加盟金の減額制度・複数店経営の奨励・シニア加盟制度など、各社工夫を凝らしている。

コンビニエンスストアが普及し始めた頃は、周辺に長時間営業を行う小売店が少数であるためにかなりの利益を上げていた。だが、1990年代以降は自社や他社のドミナント出店、加えてスーパーマーケットの営業時間の深夜帯への延長や24時間営業の開始もあって競争が激化している。そのため、開店だけはしたものの、短期間で閉店・閉鎖へと追い込まれる店舗も増加した。

地域とのつながり[編集]

経済産業省が2009年(平成21年)にまとめた報告書によれば、コンビニの商店会加入率は2割強にとどまっている。また、地域や商店街とのつながりを持ちたいが、本部へのロイヤルティー(経営指導料)の負担が重いほか、原則として24時間営業を行うよう指導されているため公休も取りづらいといった事情から協力は厳しいという経営者がいる一方で、店舗が存在する地域に対してあまり興味を示さない経営者もいる。このような理由から、商店街の商店の中にはコンビニに対して反発を示す者もいる[86]

従業員の素行問題[編集]

「コンビニエンスストアの店員は素行不良者が多い」と揶揄されることが多い。中でも夜勤担当店員は特に批判の的となっている。これは、オーナーや店長が主に日勤を中心に担当している店舗において多くみられる傾向である。その理由として、経営者であるオーナーや、店舗管理者である店長が不在であることで、夜勤担当店員を直接指導する機会が少なく、店員が自由気ままに好き勝手出来る環境を孕むためである。 金銭や商品を盗むといった犯罪行為の他、法的に問題が無くてもモラル的に問題のある行為として以下のような例がある。

  • 1分単位で給与が発生することを逆手に取り、毎日のように遅刻を繰り返す
  • 友人や知人が訪ねてきたら仕事を中断し、タイムカードを切らずに外出して長時間戻らない[87]
  • 部外者をレジやバックルームに招き入れる
  • 暇があればタイムカードを切らずにバックルームでサボる
  • 手癖・足癖が悪く、廃棄品撤去作業時に廃棄品をゴミ箱やカゴに投げ込んだり、作業の終わったカゴを足で蹴るように動かす
  • 商品や店舗設備を悪用して不適切な動画を撮影し、動画サイトなどに投稿する(バイトテロバカッターも参照

など。

主な取り扱い商品[編集]

おにぎり売場

日本のコンビニエンスストアチェーン一覧[編集]

各地域におけるコンビニエンスストアの現況[編集]

アジア[編集]

シンガポールのセブン-イレブン

IGDリサーチによれば、アジアの小売市場は2021年まで年平均で+6.3%成長し、その市場規模は、ヨーロッパ北アメリカ各国を合体した規模に相当する4兆8000億USD(約527兆円)に達し、その中でもコンビニは2017年から4年間の年平均成長率で最も高いのはベトナムの+37.4%で、フィリピンの+24.2%、インドネシアの+15.8%が続くと予想している。これら3か国は国内総生産(GDP)の急速な伸びに加え、外国投資を奨励する方向に法規を改正、国民の消費習慣にも変化をきたし、都市化の急速な進行、若年人口の増加、可処分所得の増加などの要因でコンビニ市場が伸びているとIGDアジア太平洋地域の責任者ニック・マイルズは分析している[88]

台湾[編集]

台湾中華民国)では日本よりやや遅く、1970年代末にコンビニがオープンした。現在10,000店のコンビニが出店しており(2016年3月)、人口比としては世界一の密度だと言われる[† 21]。たとえばセブン-イレブン2000年まで2,000店だったが、2006年末までは4,500店となり、年間400店のスピードで出店している。市街地では1km以内に10店以上のコンビニが並んで競合している。

韓国[編集]

韓国では2013年3月末現在で24,419店[89]ものコンビニが存在している。店舗数はCU(旧ファミリーマート系)、GS25、セブン-イレブンの順に多い。

中国[編集]

中国ではコンビニはまだ新興産業である状況だが、上海だけで10年間で1,000店舗以上が出店し、経営者同士の熾烈なシェア競争が盛んである。

中国チェーン店経営協会によれば、2007年の上位チェーン100社の売上は1兆2,000億元(約18兆円)に達し、店舗数も前年より約17%増加して10万5,000店を超過しており、成長基調を維持している[90]

東南アジア[編集]

東南アジアでもタイインドネシアを中心にコンビニが拡大している。インドネシアではIndomaret・AlfaMartなど、数千店舗展開クラスのチェーンが複数存在する[91]。タイでも2012年末時点で約9,400店のコンビニが存在しており、うちセブン-イレブンが6,822店を占める[92]

マレーシアでは1449店を擁するセブンイレブンがマーケットリーダーである。その他、国内にはKKスーパーマーケット、クイック、イージー、Mydinが運営するマイマートが存在する。過去にはCarrefour Expressもマレーシアでコンビニを運営していたが撤退している。

フィリピンでは、Sari-sari storeというコンビニエンスストアのローカル版とも言うべき形態の小売店が発達しており、殆んどどの街道、曲がり角、商業地域や他の公共の場にも存在する。Sari-sari storeとは別に都市部では国際的なコンビニチェーンが殆んどの街道沿いに存在する。セブンイレブンが最大手のコンビニチェーンであり、フィリピン・セブン・コーポレーション(PSC)によって経営されている。1984年ケソンに第1号店がオープンし、現在約1400店舗が存在する。他にロビンソンズ・コンビニエンスストアズ英語版が運営するミニストップ、アヤラ・コーポレーションと大手ショッピングモールを経営するRustansがフランチャイズ展開するファミリーマートが存在する。

ただし、東南アジア諸国の中には、自国の小規模な小売店舗を保護することを目的として、外資(外国資本)によるコンビニ出店に制限を加えている国もある。そこで例えばインドネシアのように、店舗内に飲食スペースを確保することにより、小売店ではなく外食業で営業許可を取得してビジネス展開を行っている外資系コンビニ店の例もある[93]

ヨーロッパ[編集]

コペンハーゲンのセブン-イレブン

ヨーロッパでは、宗教上や文化上の理由[要出典]、労働時間の規制などの理由から土日祝祭日・夜間・早朝営業の小売店自体が少なく[94]、日本で言うようなコンビニという業態自体が成立しにくい。特にドイツでは、法規制の関係で小売店の長時間営業が不可能なので、早朝や深夜あるいは日曜祝日に営業するのはガソリンスタンド併設店などの一部に限られている[† 22]。しかしながら都市部では駅や繁華街において、日本でいうところのキヨスクの延長的なものも散見される。また、セブン-イレブンがノルウェースウェーデンデンマークに少数ながらある。スウェーデンにはPressbyrånという駅の新聞スタンド発祥のコンビニチェーンも存在する。また、スパーは本部をオランダアムステルダムに置き、ヨーロッパ各国に展開している。

ニュージーランド[編集]

ニュージーランドでは「デーリー」(dairy)と呼ばれる小売店が日本のコンビニに相当するとされるが、24時間営業ではない。

モチーフとした作品[編集]

※発表年順で、コンビニエンスストアが作品のモチーフとなったもののみ。

テレビドラマ
音楽
映画
漫画
バラエティ番組
ゲーム
小説

評論家[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 具体的な例としては、健康指向型商品を中心に陳列するコンビニ店舗や、セルフ式ガソリンスタンド併設コンビニ店舗の、いずれも最初期に設置された店舗など。
  2. ^ これの主な例としては、販売期限切れ商品の販売の常習や、チェーンのイメージを中傷する著しく杜撰な店舗運営、反社会的勢力への利益供与行為などが挙げられる。
  3. ^ オーナーが業務不可能、あるいは不在になった場合、フランチャイザー社員によって店舗閉鎖手続が代行されることも見られる。
  4. ^ 優れた立地の場所だと、撤退した跡地に競合する他チェーンのコンビニ店舗が程無く出店してくる事態も当たり前に起き得るためである。
  5. ^ これと同様の手法はインターネットカフェなどの店舗展開でも用いられている。
  6. ^ 元々、ファミリーマートは西武鉄道から分派した西武流通グループ→(西武)セゾングループ(さらに具体的には西武百貨店)傘下だった。現在西武鉄道との結びつきとしては、セブン&アイ・ホールディングス(さらに具体的にはそごう・西武)傘下にあるセブン-イレブンが強い。
  7. ^ 2012年夏から2017年春までは、北部地域はローソンとの提携関係にあるポプラ、南部はファミマとフランチャイジーの関係を結んでいたが、契約満了に伴い提携終了となった。
  8. ^ 例えば電気設備の点検などでブレーカーを遮断するとレジやストアコンピュータが停止し営業ができなくなる。この場合、あらかじめ営業を一時休止する必要がある。
  9. ^ 青森県大鰐町に有った「ミニストップ」大鰐鯖石店閉店後、同じ建物に「サンクス」大鰐鯖石店が入ったケースなど。
  10. ^ ローソンなど店舗内に設置しているものも存在する。
  11. ^ ただし、深夜帯の方が人件費は高いものの、原油価格が高騰した場合などには、都市部などを中心に、渋滞や混雑した道路を低速・長時間走行する昼間の方が燃料などでより多くの物流コストを要することになる地区も存在している様である。埼玉県:コンビニ深夜営業自粛へ[リンク切れ]
  12. ^ 従って休業・休校日には営業休止となるものもある
  13. ^ 店員が売れ残りの一部を食べる場合もあるが、セブン-イレブンなどほとんどのチェーンでは内引きの誘因になるなどといった理由から禁止されている。
  14. ^ つまり、店舗所在の地域では一定の需要が確実にあるが、全国・全県レベルで見れば、本部が扱っても割に合わない商品ということである。
  15. ^ 中央競馬関連の予想紙については、販売される範囲が広範であるため、コンビニエンスストア側のシステムで用意されている。
  16. ^ 各種機器のリース料の他、POSシステムなどのアプリケーションのライセンス利用料金などが定期的に発生することがある。
  17. ^ そのココストア自体もファミリーマートに吸収合併されている。
  18. ^ 代表的なものとしてEdySuicaWAONPASMOなどがある。
  19. ^ 深夜帯の経費削減も兼ねて、オーナーが自ら夜勤の1人のみで営業する店舗も見られる。また、非常に多岐に亘る日々の業務の他、年に何度も繰り出される企画商品の販売ノルマ達成にも追われ続けて、従業員が精神的・経済的両面で大きな負担を強いられており、これは従業員の激しい入れ替わりに拍車を掛ける要因となっている状況もある。
  20. ^ ローソン=ローソンチケット、ファミリーマートのうち、旧ファミリーマート時代から営業している店舗=イープラス(旧チケットセゾン。一時提携解消時期あり 旧am/pmの店舗は過去にCNプレイガイド)、旧サークルK・サンクスの店舗=チケットぴあ、セブン-イレブン=セブンチケット=直営、チケットぴあ、CNプレイガイド(過去にイープラス)など
  21. ^ 平均2,300人に1店、なお日本では約3,300人に1店
  22. ^ ただし、2006年FIFAワールドカップドイツ大会開催期間中はその開催地に限り、一部緩和された

出典[編集]

  1. ^ 加藤直美『コンビニと日本人 なぜこの国の「文化」となったのか』祥伝社、2012年
  2. ^ 長谷川慶太郎『世界が再び日本を見倣う日』PHP研究所、2017年
  3. ^ a b c 根城泰・平木恭一『図解入門業界研究最新コンビニ業界の動向とカラクリがよーくわかる本 第3版』、38頁
  4. ^ ローソンの歴史”. ローソン. 2017年5月24日閲覧。
  5. ^ コンビニ市場規模10兆円突破 14年度本社調べ 寡占化一段と
  6. ^ 『THE21』2019年8月号「コンビニ時短」で起こる賛否両論 明治大学准教授 飯田泰之(PHP研究所)
  7. ^ サテライト店舗の展開について(2007年8月3日 ローソン)
  8. ^ “JR西日本グループとセブン-イレブン・ジャパンの駅店舗事業における業務提携について” (PDF) (プレスリリース), 西日本旅客鉄道株式会社、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社ジェイアール西日本デイリーサービスネット, (2014年3月27日), http://www.sej.co.jp/dbps_data/_material_/localhost/pdf/2011/20140414jrw.pdf 2016年9月5日閲覧。 
  9. ^ 2008琉球の変CHANGE 「環境」この一年(Web Site-ステーションQ ニュース-気象情報)[リンク切れ]琉球朝日放送 2008年12月25日)
  10. ^ http://www.sankeibiz.jp/business/news/161203/bsd1612030645006-n1.htm
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]