ロード・ウォリアーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。111.99.46.96 (会話) による 2016年3月28日 (月) 03:41個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎影響下のタッグチーム)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ザ・ロード・ウォリアーズThe Road Warriors)は、アメリカ合衆国プロレスラーであるロード・ウォリアー・ホークロード・ウォリアー・アニマルによって結成されたプロレスタッグチームのユニット名(日本では、各々ホーク・ウォリアーアニマル・ウォリアーと呼称された)。

同様のタッグチームでリージョン・オブ・ドゥームLegion of DoomまたはLOD2000)のユニット名でも活動した。入場テーマ曲はブラック・サバスの『IRON MAN』。

概要

それぞれ「クラッシャー・フォン・ヘイグ」「ザ・ロード・ウォリアー」のリングネームでデビューしていたマイク・ヘグストランドジョー・ロウリネイティスが、1983年NWAジョージア地区(ジム・バーネット主宰のジョージア・チャンピオンシップ・レスリング)のレスラー兼ブッカーだったオレイ・アンダーソンのブッキングでタッグを結成。マネージャーにはプロレスラーを引退したポール・エラリングが就く。当初はエラリングが率いていたバズ・ソイヤージェイク・ロバーツキングコング・バンディザ・スポイラーアーン・アンダーソンヒール軍団「リージョン・オブ・ドゥーム」の一員としてデビューした。

タッグ結成を機に、ヘグストランドはロード・ウォリアー・ホーク、ロウリネイティスはロード・ウォリアー・アニマルとリングネームを改め、タッグのチーム名は1981年に公開された映画『Mad Max 2: The Road Warrior』の世界観からザ・ロード・ウォリアーズと名付けられ、外見のイメージも同映画に登場する荒くれ者を踏襲。初来日時には「シカゴ用心棒をしていた」「貧困の時代にはネズミを食べていた」などと宣伝された。

結成当初のコスチュームはサングラスにレザーのベストや制帽を身に付けた暴走族スタイルだったが、後に両者とも顔にペイントを施し、頭髪をアニマルは「モヒカン刈り」、ホークはそれと対を成すように「逆モヒカン刈り」にした。これはホークの顔が優しすぎるのをカバーするためだったという。入場時は巨大な棘の付いたアメリカンフットボールのプロテクターをコスチュームに、サードロープの下から滑り込むようにリングインし、コールも受けずにそのまま暴れ回る試合が多かった。しかし、ファイトスタイル自体はあまり凶器攻撃などは行わない正統なもので、ヒールのポジションにありながら、次第にファンの支持を獲得。今までにない、ヒールとベビーフェイスを融合させた新しいスタイルの確立に成功する。試合は常に秒殺勝利であり(彼らの試合時間は(3を180のように)秒単位で実況されていた)、そのインパクトと存在感から圧倒的な人気を獲得するようになった。

1983年にジョージア地区でデビュー後、NWAナショナル・タッグ王座を通算3回獲得。1984年からはAWAに移籍、当初はジョージア時代と同様にヒールのポジションだったが、人気が高まりベビーフェイスに転向。その後はジム・クロケット・プロモーションズを経てWCWのリングにも上がり、日本には全日本プロレス新日本プロレスSWSに来日。WWF(現・WWE)に参戦した際は、NWAジョージア時代のユニット名であるリージョン・オブ・ドゥームを名乗った(当時、WWFには同じく「ウォリアー」をリングネームとするアルティメット・ウォリアーが大スターとして活躍していたため、ビンス・マクマホンがチーム名の変更を要請したという)[1]。その後のアメリカプロレス界の激変を受け、NWA、AWA、WWFの三大メジャー団体の世界タッグ王座を制覇した史上唯一のタッグチームとなった。

アニマルの途中欠場や解散・再結成の紆余曲折を経て、いずれのリングでも大活躍したが2003年にホークが急死したため、事実上の解散となった。その後アニマルは、2005年ハイデンライクをパートナーに新生リージョン・オブ・ドゥーム(LOD2005)を結成、WWEタッグ王座を獲得している。

2011年、ホークとアニマルのオリジナル・ロード・ウォリアーズで初代マネージャーのポール・エラリングと共にWWE殿堂に迎えられた。

日本での活躍

初来日は1985年3月の全日本プロレス『激闘! エキサイティング・ウォーズ』。アニマル浜口&キラー・カーンをあっと言う間に片付けてしまうという衝撃的なデビューを飾る。以降、「暴走戦士」「超怪力暴走族」の異名でマネージャーのポール・エラリングに伴い全日マットを主戦場とし、ジャンボ鶴田天龍源一郎谷津嘉章らを相手に激闘を展開。当時としては珍しい「秒殺」といえる程の短時間で勝負を決めたり、劣勢に追い込まれそうになると勝敗を度外視して暴走し、やりたい放題でリングを後にすることも珍しくなかった。ただし、アメリカでのスケジュールが多忙だったため、世界最強タッグ決定リーグ戦には一度も登場していない。全日本への来日は1989年3月まで続いた。

1996年4月には新日本プロレスに参戦。アニマルの欠場中にホークがパワー・ウォリアーとタッグチーム「ヘルレイザーズ」を結成。その後、ホーク、パワー、復帰したアニマルの3人で「トリプル・ウォリアーズ」を名乗った。

ジャイアント馬場の追悼大会となった1999年5月の全日本東京ドーム大会で全日復帰、アニマルの弟ジョニー・エースと組んで6人タッグマッチに出場し、小橋健太秋山準ハクシー組を破った。

2001年12月には、ZERO-ONE『真撃』に登場している。

みのもけんじ漫画プロレス・スターウォーズ』に登場するロード・ウォリアーズは、現実以上の怪物的なチームとして描かれた。

年表

サポートメンバー

獲得タイトル

アニマル&ホーク
ヘルレイザーズ(ホーク&パワー)
LOD2005(アニマル&ハイデンライク)

入場テーマ

影響下のタッグチーム

その活躍にあやかり、1980年代中盤から後半にかけて、ロード・ウォリアーズの影響を受けたギミックのタッグチームが各地で誕生した。

デモリッション・アックス(マスクド・スーパースターとして知られるビル・イーディー)とデモリッション・スマッシュ(クラッシャー・クルスチェフ、リポマンなどで知られるバリー・ダーソウ)のコンビ。ウォリアーズとの契約に難航していたWWFが1987年に独自にプロデュースした、WWFオリジナルのタッグユニットである。後にアックスに替わりデモリッション・クラッシュ(ブライアン・アダムス)が加入。当初はヒールとしてWWFに登場したが、マネージャーミスター・フジと仲間割れしてからはベビーフェイスに転向し、下記のパワーズ・オブ・ペインなどと抗争を展開。しかしウォリアーズがWWFに移籍してくると、再びフジと結託してヒールターンし、ウォリアーズのライバルとして抗争を繰り広げた。もともと実力者同士のギミックチェンジによって誕生したチームだけに、単なるコピー版に止まらない実績を残した。
  • パワーズ・オブ・ペイン
ザ・バーバリアン大相撲出身のコンガ・ザ・バーバリアン)とザ・ウォーロードのコンビ。元々はNWAでウォリアーズのフェイク版として本家と抗争を展開していた。上記のデモリッションのライバルとしてWWFに引き抜かれたが、本家ウォリアーズもWWFに移籍してくるとチームを解散してシングルに転向。バーバリアンはボビー・ヒーナンをマネージャーに毛皮のコスチュームをまとった野人ギミックに、ウォーロードはスリックをマネージャーに鎧を身に付けた剣闘士ギミックに変身したが、徐々にフェイドアウト。
  • アメリカン・スターシップ
コヨーテ(スコット・ホール)とイーグル(ダニー・スパイビー)のコンビ。1985年NWAミッドアトランティック地区で結成され、カンザスなどセントラル・ステーツ地区にも出場した。顔面ペイントは施さず髪型もロングであるなどビジュアル面では従来のタッグチームと変わらなかったものの、リングネームを含めチームコンセプトはウォリアーズの影響下にあった。オレイ・アンダーソンアーン・アンダーソンミネソタ・レッキング・クルーなどの名チームとも対戦したが、大きな活躍を果たすことなく解散。その後、ホールはAWA、スパイビーはWWFへ転出した。
  • ブレード・ランナーズ
ロック(ジム・ヘルウィッグ)とスティング(スティーブ・ボーデン)のコンビ。1986年にミッドサウス地区で結成されたが、キャリア不足もあって短命に終わった。チーム解散後、ヘルウィッグはフリッツ・フォン・エリックのWCWAを経てWWF、ボーデンはビル・ワットのUWFを経てNWA(WCW)に転戦し、それぞれシングルの世界王座を獲得することになる。

参考文献

  • アニマル・ウォリアー、アンドリュー・ウィリアム・ライト『ロード・ウォリアーズ 破滅と絶頂』東邦出版、2011年。ISBN 4809409511 

脚注

  1. ^ 『ロード・ウォリアーズ 破滅と絶頂』、P290-291。
  2. ^ a b c NWA National Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2011年6月15日閲覧。
  3. ^ The USWA matches fought by Road Warrior Hawk in 1984”. Wrestlingdata.com. 2015年3月31日閲覧。
  4. ^ a b AWA World Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2011年6月15日閲覧。
  5. ^ a b c d e The Road Warriors”. Online World of Wrestling. 2015年3月31日閲覧。
  6. ^ AJPW 85 Gekitoh! Exciting Wars - Tag 19”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  7. ^ 『ロード・ウォリアーズ 破滅と絶頂』、P165-168。
  8. ^ NWA Battle Of The Belts”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  9. ^ AWA SuperClash”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  10. ^ 『ロード・ウォリアーズ 破滅と絶頂』、P187-188。
  11. ^ NWA Battle Of The Belts II”. Cagematch.net. 2015年4月10日閲覧。
  12. ^ NWA Jim Crockett Sr. Memorial Cup 1986”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  13. ^ Going Old School: Starrcade '86”. 411mania.com. 2011年6月15日閲覧。
  14. ^ a b NWA International Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年3月31日閲覧。
  15. ^ WWC 14th Aniversario 1987”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  16. ^ 『ロード・ウォリアーズ 破滅と絶頂』、P256-259。
  17. ^ a b c NWA World Tag Team Title [Mid-Atlantic]”. Wrestling-Titles.com. 2011年6月15日閲覧。
  18. ^ NWA Starrcade 1988 "True Gritt"”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  19. ^ SWS Wrestlefest In Tokyo Dome”. Cagematch.net. 2015年3月31日閲覧。
  20. ^ World Tag Team - The Legion of Doom: first reign”. WWE.com. 2011年6月15日閲覧。
  21. ^ a b c d WWWF/WWF/WWE World Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年3月31日閲覧。
  22. ^ 『ロード・ウォリアーズ 破滅と絶頂』、P330-332。
  23. ^ WWE Yearly Results 1997”. The History of WWE. 2015年3月31日閲覧。
  24. ^ World Tag Team - The Legion of Doom: second reign”. WWE.com. 2011年6月15日閲覧。
  25. ^ WWF WrestleMania XIV”. Cagematch.net. 2015年4月10日閲覧。
  26. ^ WWE Tag Team - Animal & Heidenreich”. WWE.com. 2011年6月15日閲覧。
  27. ^ NWA World 6-Man Tag Team Title [Mid-Atlantic]”. Wrestling-Titles.com. 2016年1月5日閲覧。
  28. ^ IWGP Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2016年1月5日閲覧。

関連項目

外部リンク