ロックンロール・エクスプレス

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ザ・ロックンロール・エクスプレスThe Rock 'n' Roll Express)は、プロレスラーリッキー・モートンロバート・ギブソンによって結成されたプロレスタッグチームである。1980年代を絶頂期に活躍したアイドル系タッグチームの代表的存在であり、ティーンエイジャーの少女たちから熱狂的な人気を獲得した[1]

後進のタッグチームにも多大な影響を与え、ショーン・マイケルズマーティ・ジャネッティのザ・ロッカーズをはじめ、数々のフォロワーやイミテーションを生み出した。

メンバー[編集]

両選手ともレスラーとしては小柄で軽量だったものの、機動力を活かした空中技と合体攻撃を武器に、大型のタッグチームとも好勝負を繰り広げた。なお、モートンとリッキー・フジ1997年FMWニュー・ロックンロール・エクスプレスを、ギブソンとマーティ・ジャネッティ2004年IWAジャパンロックン・ロッカーズを一時的に結成しており、モートンの従兄弟のトッド・モートンも含め、彼らがサブメンバーとしてカウントされる場合もある。

来歴[編集]

ミッドサウス時代[編集]

1983年、当時テネシー州メンフィスCWAにてアイドル人気を博していたファビュラス・ワンズスティーブ・カーン&スタン・レーン)に次ぐ第2のチームとして、CWAブッカーのジェリー・ローラーの発案によって結成された[2]。モートンとギブソンは1970年代末からCWAで活動しており、結成以前の1981年にはトミー・リッチ&ビル・ダンディーからCWA世界タッグ王座を奪取したこともある[2][3]

本格的なタッグ結成にあたり、チーム名はリッキー&ロバートの頭文字 "R&R" と音楽の"Rock & Roll" のダブルミーニングからロックンロール・エクスプレスと名付けられ、グラム・メタル系のコスチュームと空中戦主体のスピーディーな試合スタイルをセールスポイントに売り出された。CWAではランディ・サベージラニー・ポッフォの兄弟チームやジミー・ハート率いるブルーズ・ブラザーズ(ポークチョップ・キャッシュ&トロイ・グラハム)などと抗争、AWA南部タッグ王座も2回獲得したが[4]、先達のファビュラス・ワンズが健在だったこともあり、大きな活躍を果たすには至らなかった。

1984年、ミッドサウス地区の団体間における選手トレードにより、ビル・ワットの主宰するルイジアナのMSWAに移籍。同じくCWAからトレードされたボビー・イートンデニス・コンドリーミッドナイト・エクスプレスとのミッドサウス・タッグ王座を巡る抗争劇が人気を呼び[5]、新世代のタッグチームとして注目を集めることになる。MSWAではテッド・デビアススティーブ・ウィリアムスヘラクレス・ヘルナンデスの大型ユニットともミッドサウス・タッグ王座を争った[6][7]

ジム・クロケット・プロモーションズ[編集]

1985年下期より、ジム・クロケット・ジュニアの運営するNWAミッドアトランティック地区(ジム・クロケット・プロモーションズ)に移籍。7月9日のノースカロライナ州シェルビーにおけるデビュー戦でイワン・コロフ&クラッシャー・クルスチェフを破り、参戦早々にNWA世界タッグ王座を獲得[8][9]。以降、同地区のタッグマッチ戦線においてロード・ウォリアーズと並ぶベビーフェイス陣営の要となる。主に男性層の人気を集めていたウォリアーズに対し、女性や子供の観客からの絶大な支持に支えられ[1]1986年には専門誌『プロレスリング・イラストレーテッド』の "Tag Team of the Year" を受賞するなど[2]1980年代を代表するデュオとして成功を掴んだ。

年間最大のイベントである『スターケード』には1985年の第3回大会から3年連続で出場し、ザ・ラシアンズ(イワン&ニキタ・コロフ)、ミネソタ・レッキング・クルーオレイ&アーン・アンダーソン)、そして因縁のミッドナイト・エクスプレスと激闘を展開[2]リック・フレアー率いるフォー・ホースメンとも抗争し、それぞれフレアーのNWA世界ヘビー級王座に挑戦している[10]。また、1987年4月に開催されたタッグチーム・トーナメント『クロケット・カップ』では、日本から遠征してきたジャイアント馬場高木功のチームと準々決勝で対戦[2]。翌1988年5月には、全日本プロレスの『スーパーパワー・シリーズ』前半戦に特別参加し、初来日が実現した。

末期AWA〜初期WCW[編集]

1988年にジム・クロケット・プロモーションズを離脱し、フリーランサーとなって末期のAWAに出場。ナスティ・ボーイズブライアン・ノッブス&ジェリー・サッグス)やバッド・カンパニー(ポール・ダイヤモンド&パット・タナカ)と対戦した[11]1989年2月12日には、カンザスシティWWAが全日本プロレスと合同で開催したイベント "International Bash" に参加、ブリティッシュ・ブルドッグスダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミス)とのドリームマッチが行われた[12]

その後は古巣のCWAを経て1990年テッド・ターナーのクロケット・プロ買収により発足した初期のWCWに登場。ファビュラス・フリーバーズマイケル・ヘイズ&ジミー・ガービン)やドゥーム(ブッチ・リード&ロン・シモンズ)と対戦したが、当時のWCWはリックスコットスタイナー・ブラザーズなど新しいベビーフェイスのチームが台頭しており、ロックンロール・エクスプレスはミッドカードに降格。ギブソンは一時戦線を離脱し、モートンはトミー・リッチダスティン・ローデスと新コンビを組むが、1991年6月よりヒールに転向し、女性マネージャーのアレキサンドラ・ヨーク率いるヨーク・ファウンデーションに加入[13]。復帰したギブソンとの因縁の対決をスタートさせた。

スモーキー・マウンテン・レスリング[編集]

WCW離脱後の1992年ジム・コルネットが設立したテネシー州ノックスビルのスモーキー・マウンテン・レスリング(SMW)にてチームを再結成。スタン・レーントム・プリチャードのヘブンリー・ボディーズとSMWタッグ王座を巡る抗争を繰り広げた。1993年11月24日には、当時SMWと提携していたWWFの『サバイバー・シリーズ』にゲスト出場し、第2期ヘブンリー・ボディーズ(プリチャード&ジミー・デル・レイ)と王座戦を行っている。SMWタッグ王座には1994年末まで10回に渡って戴冠しており[14]、挑戦者チームには後にECWで活躍するニュー・ジャックとムスタファ・サイードのギャングスターズや、アル・スノーユナボムのダイナミック・デュオなどがいた。

また、1995年はSMWでの活動と並行して、CWAの後継団体であるUSWAにも参戦。4月11日に行われた復活版NWA世界タッグ王座の争奪トーナメントにおいて、決勝でディック・マードック&ランディ・ローズを破りチャンピオンチームとなっている[15]

WWF〜解散[編集]

1996年はWCWに復帰したがジョバーのポジションに甘んじ、1998年1月よりWWFに登場。当時WWFのブッカーを担当していたジム・コルネットの「NWA対WWF」というアングルのもと、ジェフ・ジャレットバリー・ウインダムとヒールのユニットを結成、NWA世界タッグ王座の防衛戦も行った[16]

このアングルは不発に終わり、フェイスターンしてボンバスティック・ボブ&ボーディシャス・バートのニュー・ミッドナイト・エクスプレスと抗争するも観客の反応は鈍く、6月にWWFを離脱。その後はWCWへの単発出場を経てコンビを一旦解消し、以降はフリーランスのシングル・プレイヤーとして各々活動した。

リユニオン[編集]

2000年代に入ってモートンとギブソンはロックンロール・エクスプレスを再結成しており、2003年にはTNAに登場。2004年からは本格的にリユニオン・ツアーを開始し、各地のインディー団体に出場している。2008年6月7日にジョージア州アトランタで行われた "NWA Anniversary Show" ではロックンロール・エクスプレス対ミッドナイト・エクスプレス(w / ジム・コルネット)という1980年代の黄金カードが再現された[17]

それぞれセミリタイアの状態ながら近年も精力的にリングに上がっており、2010年4月には、かつて主戦場としていたクロケット・プロのブランドネームと同名義のインディー団体 "Mid-Atlantic Championship Wrestling" において、バフ・バグウェル&リッキー・ネルソンからタッグ王座を奪取している[2]

合体攻撃[編集]

獲得タイトル[編集]

CWA / USWA
  • AWA南部タッグ王座:2回
  • CWAタッグ王座:1回
  • CWA世界タッグ王座:1回
  • USWA世界タッグ王座:2回
MSWA
  • ミッドサウス・タッグ王座:3回
ジム・クロケット・プロモーションズ
スモーキー・マウンテン・レスリング
  • SMWタッグ王座:10回
その他

etc.

脚注[編集]

  1. ^ a b リック・フレアー、キース・エリオット・グリーンバーグ共著『リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン』P225-226(2004年、エンターブレインISBN 4757721536
  2. ^ a b c d e f Tag Team Profiles: Rock 'n' Roll Express”. Online World of Wrestling. 2010年9月13日閲覧。
  3. ^ Ricky Morton & Robert Gibson The Early Years”. The Official Rock and Roll Express Fan Website. 2010年9月13日閲覧。
  4. ^ AWA Southern Tag Team Title History”. Wrestling-Titles.com. 2010年9月13日閲覧。
  5. ^ Jim Cornette Biography”. Jim Cornette.com. 2010年9月13日閲覧。
  6. ^ Mid-South Tag Team Title History”. Wrestling-Titles.com. 2010年9月13日閲覧。
  7. ^ Rock 'n' Roll Express 1984”. The Official Rock and Roll Express Fan Website. 2010年9月13日閲覧。
  8. ^ Rock 'n' Roll Express 1985”. The Official Rock and Roll Express Fan Website. 2010年9月13日閲覧。
  9. ^ Mat Memories: Shelby City Park action once aired from Boston to LA”. The Star Online: April 2, 2009. 2010年9月13日閲覧。
  10. ^ The Records of NWA World Heavyweight Championship Matches 1986”. Wrestling-Titles.com. 2010年9月13日閲覧。
  11. ^ Rock 'n' Roll Express 1988”. The Official Rock and Roll Express Fan Website. 2010年9月13日閲覧。
  12. ^ Rock 'n' Roll Express vs. British Bulldogs”. Live Strongstyle. 2012年2月12日閲覧。
  13. ^ Rock 'n' Roll Express 1991”. The Official Rock and Roll Express Fan Website. 2010年9月13日閲覧。
  14. ^ Smoky Mountain Wrestling Tag Team Title History”. Wrestling-Titles.com. 2010年9月13日閲覧。
  15. ^ Revived NWA World Tag Team Title History”. Wrestling-Titles.com. 2010年9月13日閲覧。
  16. ^ Rock 'n' Roll Express 1994-98”. The Official Rock and Roll Express Fan Website. 2010年9月13日閲覧。
  17. ^ NWA 60th Anniversary Show: June 7, 2008”. Cagematch.de. 2010年9月13日閲覧。

外部リンク[編集]