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「鎌倉殿の13人」の版間の差分

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2022年7月18日 (月) 02:19時点における版

大河ドラマ > 鎌倉殿の13人
鎌倉殿の13人
THE 13 LORDS OF THE SHOGUN
ジャンル テレビドラマ
脚本 三谷幸喜
演出 吉田照幸
末永創
保坂慶太
安藤大佑
中泉慧
出演者 小栗旬
(以下五十音順)
青木崇高
秋元才加
浅野和之
阿南健治
新垣結衣
市川猿之助
市川染五郎
市原隼人
江口のりこ
大泉洋
岡本信人
尾上松也
梶原善
片岡愛之助
金子大地
草笛光子
國村隼
栗原英雄
小池栄子
小泉孝太郎
小林隆
坂口健太郎
迫田孝也
佐藤浩市
佐藤二朗
佐藤B作
杉本哲太
鈴木京香
菅田将暉
瀬戸康史
高岸宏行
竹財輝之助
田中泯
坪倉由幸
中川大志
中村獅童
新納慎也
西田敏行
野添義弘
坂東彌十郎
堀田真由
堀内敬子
松平健
南沙良
宮澤エマ
宮沢りえ
八嶋智人
山本耕史
横田栄司
ナレーター 長澤まさみ
音楽 エバン・コール
時代設定 平安時代末期 - 鎌倉時代前期
製作
制作統括 清水拓哉
尾崎裕和
プロデューサー 大越大士
吉岡和彦
川口俊介
結城崇史(VFX・DX担当)
制作 日本放送協会
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2022年1月9日 -
放送時間日曜 20:00 - 20:45
放送枠大河ドラマ
放送分45分
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
番組年表
前作青天を衝け
次作どうする家康
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鎌倉殿の13人』(かまくらどのの13にん)は、2022年令和4年)1月9日から放送されているNHK大河ドラマ第61作[* 1]。脚本は大河ドラマ3回目となる三谷幸喜

平安末から鎌倉前期を舞台に[* 2]、歴史書『吾妻鏡』をベースとした[注釈 1]源平合戦鎌倉幕府が誕生する過程で繰り広げられる権力の座を巡る駆け引きを、その勝利者で北条得宗家の祖となった北条義時主人公として展開する[* 1]ユーモアを交えたホームドラマのような描写とともに[* 4]、徹底して無情で陰惨な粛清劇が描かれる[* 5]。タイトルの「13人」とは、源頼朝の死後に発足した集団指導体制である「十三人の合議制」を構成した御家人を指している[* 6][注釈 2]

制作

2020年(令和2年)1月8日に制作発表が行われ、過去に大河ドラマ『新選組!』『真田丸』を手がけた三谷が脚本を担当し、小栗旬が主演することが発表された[* 1]。小栗は大河ドラマ初主演。発表の際に三谷は2019年および2020年の作品に関し、出演者の不祥事による放送期間中の降板・代役立て・再撮影が続いたことに触れた[* 8]

同年11月16日から11月20日にかけて、主要な登場人物と出演者の発表が行われ[* 9][* 10][* 11][* 12][* 13]、ドラマの公式Twitterには閣僚発表会見を模した形で三谷が出演者を発表する動画が配信された。このうち、伊東祐親役で発表されていた辻萬長は、2021年(令和3年)7月16日に病気療養のため辞退し、代役を浅野和之が務めることが発表された[* 14][注釈 3]

11月21日には考証を担当する専門家チームの陣容も発表されたが[* 16]、このうち呉座勇一は自身のTwitter上への不適切投稿を理由に、2021年3月23日に降板した[* 17][* 18]

本作では、Netflixなどが導入している「リスペクト・トレーニング」というスタッフ・演者向けのハラスメント防止講習が新たに取り入れられた[* 19]

2021年7月20日、番組ロゴが発表された[* 20]

放送開始日は2022年1月9日で、初回は15分拡大[* 21]新型コロナウイルスの影響で前々作『麒麟がくる』の終了が2月にずれこみ、前作『青天を衝け』の開始が遅れたが、本作から通常サイクルに戻る[* 21]

出演者の発表方法は毎回手法を変えている。第二次発表は三谷が似顔絵を描いて説明する方法を取り、第三次・第四次では登場人物のセリフを先に公開してから発表した。第五次・第六次では出演者の宣材写真を背景にして発表し、特に第五次については出演者の音声コメントが公開され、出演者自身が音声にて配役を発表した[* 22][* 23]。第七次では語りを担当する長澤まさみが発表を担った[* 24]

第10回では一瞬ながらスタッフが映り込んでしまうミスがあり、後日番組公式ツイッターにて謝罪するとともに、土曜日の再放送では該当箇所を修正して放送した[* 25]

あらすじ

第1回 - 第26回

平安時代末期、都では平家が隆盛を極めており、伊豆でも平家方の豪族伊東家が権勢を誇っていた。小豪族・北条家の次男・北条義時は、兄・北条宗時源氏の流人・源頼朝を奉じて反平家の挙兵を行おうとしていることを知る。頼朝は伊東祐親の娘・八重と通じて千鶴丸を儲けるが、祐親によって追われ北条館に逃げ込んでいた。頼朝の真意を掴みきれない義時であったが、宗時や頼朝に一目惚れし正室となった姉・政子らによって、北条家は反平家の戦いに組み込まれていく。

治承4年(1180年)、以仁王の挙兵が失敗に終わり、伊豆でも平家の勢力が強化される。危機が迫ったと考えた頼朝は、北条家の主・北条時政らとともに挙兵する。初戦では山木兼隆堤信遠を討ち取り勝利を収めたものの、石橋山の戦いでは相模の大豪族・大庭景親らに惨敗し、落ち延びる。その最中、宗時は義時に真の志を告げるが、伊東家の下人・善児の手によって命を落とす。安房に逃れた頼朝らは、房総の豪族を味方につけ勢力を拡大する。義時は上総の大豪族・上総広常を説得し、頼朝側の味方にする功をあげる。

頼朝の勢力拡大に伴い、平家方に付いていた伊東家は敗退、八重の再婚相手・江間次郎も混乱の中で殺害される。大軍を率いた頼朝は鎌倉に入り御所を築き、鎌倉殿を名乗る。義時らは祐親と八重の兄伊東祐清の免罪のため尽力するが、頼朝は祐親の命で殺害された千鶴丸の怨念が嫡男誕生を阻むと信じ、伊東親子を暗殺する。また頼朝の不貞によって起きた亀の前事件に激高した時政は、妻のりくとともに一時期伊豆に戻ってしまうなど、次第に頼朝と坂東武士たちとのずれが明らかとなっていく。

やがてそれは坂東勢の謀反計画に発展し、事前に察知した義時は、頼朝側近らと対策し、広常に協力を頼み食い止める。だが頼朝は、無実である広常を見せしめとして殺害し、坂東勢を恐怖で支配する。また、敵対者とみなした木曽義仲を弟の源義経源範頼らに命じて討ち取り、人質として鎌倉に送られていた義仲の子、源義高らを粛清する。義時はそのような中、頼朝の意向を忠実に実行する側近へと変化していきながら、一途に思い続けてきた八重と結ばれ、ふたりの間にはのちに北条泰時となる男児が誕生する。

一方、頼朝の異母弟・源義経の天才的な戦の才能もあって源氏は一ノ谷の戦い、屋島の戦いと勝ち進み、壇ノ浦の戦いで平家はついに滅亡する。だがその後、源氏兄弟の分断を謀る後白河法皇と頼朝の間で義経は板挟みになり、鎌倉への帰還を許されず、相互不信が募ってゆく。ついには義経は討伐の対象となり、庇護者の藤原秀衡が治める奥州平泉へ戻るも、秀衡はまもなく死去する。義時は頼朝の命で平泉を訪れ、謀反の意思がない義経に彼の愛妾・静御前の身に起きた悲劇を伝えて挑発、奥州藤原氏の新当主藤原泰衡を義経追討に導くなど、関係者を言葉巧みに操る。義経は泰衡の兵を前に、正室のと娘、従者弁慶を道連れにし、義時に遺言を託して死去する。頼朝は続けて泰衡を追討し、奥州藤原氏は滅亡する。

政治的面で手を汚し続ける義時の家庭生活は平穏であったが、ある日八重が事故で他界する。最愛の人を失い沈む義時は政治に距離を置こうとするが、頼朝上洛を機に再び政務へ復帰し、征夷大将軍への任官、次代鎌倉殿となる万寿源頼家)の披露目を兼ねての富士の巻狩りと、重要な事案への対応を行う。巻狩りの最中に頼朝暗殺未遂が発生すると、義時は機転を利かせて事件を収束させる。しかし、頼朝は自身の死期が近いことを悟り、自身の暗殺計画に関わっているとして弟の範頼を幽閉し、後に粛清した。さらに、娘である大姫の入内を画策するが、大姫が亡くなったことで計画は頓挫する。そんな中で頼朝が落馬の後に死去すると、御家人一同は次の権力の座を巡って混乱する。

第27回 -

登場人物

各登場人物の歴史的事項については当該記事を参照のこと。

劇中では人名の呼称を「北条義時(ほうじょう よしとき)」のように「苗字 + + 名前」としている場合がある[注釈 4]

★印は13人の合議制を構成する御家人を示す。

北条家

北条義時とその妻子

北条義時(ほうじょう よしとき)★
演:小栗旬
本編の主人公
伊豆豪族・北条時政の次男。母は伊東祐親の先妻の娘[1]通称仮名)は小四郎(こしろう)。北条領に隣接する江間(えま)郷を拝領すると江間小四郎義時を名乗る。
北条家の財政など事務作業に長け、戦を嫌い政にも関心が無かったが、源頼朝が北条館に逃げ込んだことから状況が一変する。当初は頼朝を警戒し、政子が頼朝と恋仲になることも反対していたが、頼朝から平家打倒の決意を聞いて以降は頼朝を信頼するようになる。
実直な性格により頼朝から信頼され、頼朝が本音を話す唯一の人物となる。頼朝の挙兵時には、木簡に記載されている米の量から兵数を割り出して頼朝に挙兵を決意させたり、味方になる者たちを集めたりと事務方で活躍する。山木館の襲撃を経て石橋山の戦いで敗北すると、援軍を要請するため父・時政と武田信義のもとへ向かう。その後、頼朝らと合流して安房へ向かうが、そこで兄・宗時が亡くなったことを知り、「坂東武者の世の頂点に北条が立つ」という宗時の遺志を引き継ぐことを決意する。
頼朝軍再起のため、和田義盛と共に上総広常のもとへ向かうと、味方に引き入れることに成功する。また、再び時政と信義のもとへ向かって説得に成功する他、御家人たちと頼朝の間を取り持つようになる。それらの功績もあり、頼朝からは「5人目の弟」と評される。
鎌倉に御所が完成すると、頼朝から御家人に対する恩賞の差配を任される。また、これまでの軍功を認められ、江間の領地を拝領する。祖父・祐親が捕まると、政子と共に助命嘆願を行う。しかし、義時らの説得を受け入れ一度は許したはずの頼朝が景時に命じて祐親と祐清を殺すと、頼朝の真の恐ろしさを知る。亀の前事件では、激怒した政子に亀の居場所を教えてしまい、義村に頼んで亀を避難させる。また、義経に亀の屋敷の警護を頼むが、このことが事態を大事にしてしまう。その後、頼朝の態度に激怒した時政は伊豆へ帰るが、自身は鎌倉に残る。頼朝に木曽義仲の動向を探るよう命じられると、範頼や義村と木曽へ向かい、義仲から人質として義高を託される。
初恋の人である八重については、長く思い続けるが全く相手にされず、頼朝の勧めによる求婚も一度は拒否される。しかし、その後も江間に住まわせた八重に土産持参でたびたび会いに行き、最終的には彼女が笑顔でいること以外何も求めない境地に達する一途な想いを貫き夫婦となる。
御家人たちが頼朝に対して謀反を企てると、大江広元の提案を受け、広常に謀反へ加担して御家人たちを抑えるよう頼み、自身は万寿を連れ去ろうとした義盛を説得して謀反計画を阻止する。その後、頼朝が広常を誅殺しようとすると、広常の命運は尽きていると助けることを断念し、義村から「少しずつ頼朝に似てきた」と言われる。同じ年、長男・金剛が誕生する。
頼朝が義仲討伐に乗り出すと、範頼が総大将を務める本軍に加わり、義仲を討つと一ノ谷の戦いにも参戦する。戦勝報告のため一度鎌倉に戻ると、頼朝から義高を討つよう命じられるが、政子らと協力して義高を伊豆山権現へ逃がす手配をする。しかし、義高からの信用を得られず、政子と引き離した後に殺すつもりだと誤解されてしまい、結果として義高は藤内光澄に討たれる。その後、北条家を守るために腹をくくり、頼朝の命で光澄を殺す。また、謀反の罪で一条忠頼を成敗する。
範頼軍に加わって再び出陣すると、長門において船団集めに苦戦し、兵糧不足に苦しめられる。その際、平家と敵対する豊後の緒方氏を味方につけるよう義村に提案する。その後、読み通り緒方氏が味方となると、九州へ渡って葦屋浦の戦いで武功を立てる。この勝利により、平家軍の退路を塞ぐことに成功する。壇ノ浦の戦いでは範頼軍に属し、平家の滅亡を見届ける。
八重(やえ)
演:新垣結衣
義時の最初の妻。伊東祐親と後妻の娘[2]であり、義時の叔母に当たる。源頼朝の先妻。江間次郎の元妻。
一途で頑固なところがあり、いかなる境遇にあっても頼朝を想い続け、義時に想われていることにはなかなか気付かない。
父・祐親が京の大番役のため留守の間、流人だった頼朝と通じ千鶴丸を産むが、別離のうえ江間次郎に嫁がされる。頼朝の挙兵の際には、敵対する伊東家側にいながらも頼朝側にも通じ、挙兵当日に山木兼隆が館にいることを伝えるなど奔走する。千鶴丸については、祐親から出家させたと聞かされていたが、伊豆山権現を訪れた際に亡くなっていたことを知らされる。その後、頼朝に情報していることがばれ、祐親によって館に閉じ込められる。
頼朝軍が伊東の館を包囲すると義時に助けられ、捕らえられた祐親や祐清と共に義兄・三浦義澄に保護される。その後、頼朝への思いが断ち切れず、鎌倉の大倉御所に勤めて頼朝の役に立ちたいと願うが、頼朝と亀との情事を目の当たりにして体調を崩す。また、義時との縁談が持ち上がると、きっぱりと断る。
頼朝によって祐親と祐清が殺されると、義時が領主となった江間郷に移される。江間の地に頼朝が訪ねてくると、伊東親子の殺害や亀の前事件を経て、それでも自分に接触してこようとする頼朝に愛想を尽かし完全に拒絶する。その後、義時の自分に対する一途で真っ直ぐな想いを受け入れ、夫婦となる[注釈 5]
のちに金剛を産むと、西国遠征のため留守にする三浦義村の娘・初を(当初は義村から半ば押し付けられるような形であったが)預かり育てる。それがきっかけで、度重なる戦災により増える孤児(みなしご)たちの世話をすることに生きがいを見出す。また彼らに加えて、心を閉ざす頼朝と政子の娘・大姫や、父を失った甥の一万・箱王兄弟[注釈 6](のちの曽我十郎・五郎兄弟)も預かり面倒を見る。義時が不在の日、川遊びで中州に取り残された鶴丸を助けた直後に流され帰らぬ人となる。
比奈(ひな)
演:堀田真由
義時の2人目の妻。比企尼の孫娘。比企能員の姪。
北条頼時(ほうじょう よりとき)
(金剛 → 北条頼時)
演:坂口健太郎(幼少期:松澤禾蘭森優理斗
義時と八重の息子。通称は太郎(たろう)。幼名は金剛(こんごう)。のちの北条泰時(ほうじょう やすとき)。
金剛」とは仏法の守り神(護法善神)のことであり、源氏を守る意味を込めて頼朝により命名される。

北条義時の両親とその縁者

北条時政(ほうじょう ときまさ)★
演:坂東彌十郎
義時の父。通称は四郎(しろう)。りくからは「しい様」と呼ばれている。
無骨な田舎侍であり、家族思いで武芸に長けるが、交渉下手で相手の口車に乗せられやすい。娘婿である源頼朝を宗時や義時ほど信用しているわけではなく、度々反論や足を引くような行為をしてしまう。義兄弟でもある三浦義澄とは悪友である。
伊東祐親の娘で義時らの生母である先妻、後妻・鶴(つる)[注釈 7]とも相次いで死別し、大番役のため京入りしていた時に見初めた公家の娘・りくを3人目の妻とする。
息子である宗時から伊東の館から逃げ出した頼朝を北条の館で匿っていることを告げられるとすぐに追い出そうとするが、頼朝と対面すると態度を変え、3日間だけ匿うことにする。また、頼朝が館にいることがばれて伊東祐親に館を包囲されると、武士として一度決めたら命に変えても守り抜くと頼朝の引き渡しを拒んだ。
その後、娘である政子が頼朝と結婚して大姫を産むと、姑として頼朝の挙兵に協力する。序盤は堤信遠を討ち取り勝利するが、石橋山の戦いでは大庭景親の挑発に乗って兵を突撃させてしまい、頼朝軍敗走の原因を作る。その後、頼朝から命じられて義時と共に武田信義のもとへ援軍要請に向かうが、信義の口車に乗せられ一度は頼朝を裏切って武田側に寝返ろうとする。また、三浦義村と合流した際には、頼朝の到着を待たずに安房へ逃げてしまう。
安房で宗時が亡くなったことを知らされると涙を流し、義時に兄の思いを継ぐよう語りかける。その後、頼朝の命で再び甲斐へ向かうが途中で道草をし、信義を連れてくることに成功するが、信義に出し抜かれて頼朝から激怒される。
富士川の戦いでは、頼朝に蔑ろにされていると不満を持つ御家人たちの思いを受け頼朝のもとへ向かうが、逆に頼朝と共に信義の酒宴に参加してしまう。そのことを三浦義澄に咎められると殴り合いの喧嘩となるが、そのことで水鳥の群れが羽ばたき、それが結果的に源氏軍の勝利へと繋がる。また、勝利した勢いで京に攻め上ろうとする頼朝に対して、坂東武者にとっては所領と一族が最も大切であることを説き、出陣を思いとどまらせる。
亀の前事件では、全く反省しないどころか開き直り、りくと政子に不遜な態度をとった頼朝に激怒する。その後、鎌倉の暮らしは性に合わないと伊豆へ帰るが、上総広常粛清が行われると、北条家に謀叛の疑いがかからぬよう頼朝のもとへ帰還する。また、北条が生き残る手立ては、これまで以上に源氏に取り入り付き従う以外にないと決意を新たにする。頼朝から義高や光澄を殺すよう命じられて悩む義時に対しても、北条家のために覚悟を決めるよう諭す。
義仲並びに平家追討に際しては、留守居役を命じられる。義経が宗盛を護送して鎌倉へやってくると、頼朝の命で義経を腰越に留め置き、義経に代わって宗盛を鎌倉まで護送する。その際、宗盛から腰越状を託される。
りく
演:宮沢りえ
時政の後妻。義時の継母。
公家の娘としての誇りが強く、義時ではなく自分が産んだ男子こそが北条家の跡継ぎに相応しいと思っている。
京入りしていた時政に見初められ、のちに伊豆に下向して妻となる。常に京に帰りたがっており、夫・時政の活躍がその最善の手段であると考え鼓舞する。
頼朝が挙兵すると、政子らとともに寺女として伊豆山権現社に匿われる。その際、寺の僧たちや立ち寄った村の男とすぐに親しくなることから、実衣に「男だったら誰でも良い」と言われる。
政子たちと共に鎌倉へ入ると、時政に対する処遇や、自身の血を引いていない政子との差が開くことに不満を抱くようになる。頼朝が亀と逢瀬を重ねていることを知ると、頼朝と政子の関係をこじれさせるため、あえて政子にそのことをほのめかし、「後妻(うわなり)打ち」を耳打ちする。しかし、亀の前事件で兄である宗親が頼朝から恥辱を受けると、政子とともに浮気をした頼朝に詰め入り、時政とともに伊豆へ帰る。その際、頼朝が謝罪するまで鎌倉に戻らないよう時政にくぎを刺す。しかし、上総広常粛清が行われると、謀叛の疑いがかからぬよう頼朝のもとへ帰還した時政に従い、鎌倉へ戻る。政子に対しては、京で平家のような大きな力を持つため、頼朝との子を多く作り、男が生まれれば跡取りにし、女が生まれれば公家に嫁がせるようアドバイスする。また、自分は北条の跡取りを産むことを宣言する。
牧宗親(まき むねちか)
演:山崎一
りくの兄。義時の義理の伯父。
京の公家で、御台所となった政子に教育を施すため、りくの要請で鎌倉へ下向する。
頼朝を懲らしめるためにりくが提案した「後妻打ち」を引き受ける。亀の屋敷を少しだけ壊すつもりだったが、屋敷を警備していた源義経らに手伝わせたところ、派手に破壊したうえに火をかけられたため大事となってしまう。激怒した頼朝によって、義経を煽動した罰として(もとどり)を切られる恥辱を受ける。

北条義時の兄弟姉妹

北条宗時(ほうじょう むねとき)
演:片岡愛之助
義時の同母兄。時政の嫡男。通称は三郎(さぶろう)。
大の平家嫌いで、源氏を担いで坂東の地から平家を追い出し、坂東武者の世を作るという野望を持つ。正しいと思ったことにはひたすら突き進む一方、根回しが足りず事あるごとに義時に事後処理を丸投げする。
伊東館から逃れた頼朝を家族に内緒で匿い、平家の世に不満を持つ坂東の豪族を巻き込んで頼朝とともに挙兵する。初戦では堤信遠らを討ち取るものの、続く石橋山の戦いでは大庭景親ら平家方の軍勢に大敗する。なんとか戦場から脱出すると、頼朝が北条館に残した観音像を取りに行くため義時らと別れる。鎧を取り換えるために戻る工藤茂光とともに伊豆の所領へ向かうが、目前にて伊東祐親の下人・善児の手に掛かり、茂光と共に非業の死を遂げる。
別れの際、義時だけに「坂東武者の世の頂点に北条が立つ」という真の野望を語っており、宗時の遺志は義時に引き継がれることになる。
政子(まさこ)
義時の同母姉。時政の長女。源頼朝とその関係者を参照。
実衣(みい)
義時の同母妹。時政の次女。源頼朝と源義経の兄弟を参照。
ちえ
義時の異母妹。時政の三女。畠山家を参照。
あき
義時の異母妹。時政の四女。稲毛家を参照。
北条時連(ほうじょう ときつら)
演:瀬戸康史
義時の異母弟。時政の三男(末子)。通称は五郎(ごろう)。のちの北条時房(ほうじょう ときふさ)。

北条家の家人・従者

曽我十郎(そが じゅうろう) / 曽我五郎(そが ごろう)
時政の家人。伊東家とその関係者を参照。
鶴丸(つるまる)
演:きづき(少年期:佐藤遙灯
金剛の従者。
常陸百姓の子だったが飢饉で両親を失い、孤児として八田知家を通じて義時に預けられる。他の子供たちとともに義時の屋敷で八重に育てられるが、川遊びで流されたところを助けた八重が亡くなり心を閉ざす。孤児であることをからかわれるいじめに遭い、金剛がそれをかばって喧嘩をした際には、自ら事情を義時に申し出る。
成長後は従者として金剛(頼時、泰時)に仕える。
くま
演:田中なずな
りくの侍女。

源氏

源頼朝とその関係者

源頼朝(みなもと の よりとも)
演:大泉洋(少年期:生駒星汰[* 26]
源氏の棟梁。のちに鎌倉幕府初代将軍
河内源氏嫡流源義朝の三男。かつての官職右兵衛権佐(うひょうえのごんのすけ)にちなんで「佐殿(すけどの)」、鎌倉入り後は「鎌倉殿(かまくらどの)」と称される。上総広常からは「武衛(ぶえい)」と呼ばれている。
政略眼に長け、平家を追討して「あるべき世」に戻すために挙兵するが、坂東武者との意識の違いがトラブルを招くことも多い。猜疑心が強く、他人に本心を見せないが、義時には本心を明かす。度々訪れる命の危機を何度も回避する運の良さから、周りからは「天に守られている」と評されており、本人もそれを自覚している。女癖が悪く、八重、政子、亀、比奈を次々に気に入る。自身も女好きであることは認めており、息子・頼家にせつの他に好きな女性がいることを相談されると、「女好きは我が嫡男の証である」と頼家を褒める。特に最初の妻である八重への思いは強く、政子と結婚した後も何度か会いに行く。また、義時と八重の仲をとりもつが、八重が義時と結婚して幸せそうに暮らしていることを聞くと、義時に向かってわざと八重と過ごした日々の話をする。八重が川で流されると聞いた際には、御家人たちを総動員して捜索にあたらせる。
父・義朝が平治の乱で敗れると、清盛によって伊豆に流される。平家打倒の宿願のために監視役である伊東を後ろ盾にしようと考え、祐親が京の大番役で留守にしている間、その娘である八重と関係を持つ。その後、八重との間に千鶴丸をもうけるが、そのことに激怒した祐親に追われることとなり、祐清と宗時の手によって北条の館に匿われる。そこで政子と知り合うと、今度は北条家を後ろ盾にしようと政子に近づく。また、戦を嫌い政にも関心のない義時を気に入り、義時にのみ挙兵する意思があることを明かす。その後、政子と結婚し、大姫をもうける。
三善康信からの書状や後白河法皇の院宣などといった様々な要因が重なり、宗時や義時、政子に説得されたことで挙兵すると、山木を討ち取り、伊豆において最初の政治行為を行う。その勢いで父・義朝が本拠とした鎌倉へ向かおうとするが、石橋山の戦いで大庭軍と伊東軍の挟み撃ちにあい大敗する。洞窟に身を隠した際には敵に見つかりそうになるが、雷によって危機を脱し、その様子を見た景時にも見逃される。その後、再起を図るために土肥実平が手配した船で義時らと共に安房へと渡る。
安房で三浦軍と合流すると、一同を集めて再び立ち上がることを宣言する。安房を進軍した際に立ち寄った村で亀を気に入ると、関係を持つ。しかし、亀の夫が妻を取り戻しに来たことで長狭常伴の襲撃を免れ、またしても危機を脱する。また、この強運により、上総広常を味方に引き入れることにも成功する。広常が遅れて参陣してきた際には、棟梁としての威厳を見せつけて広常を感心させる。
千葉常胤や広常などの豪族を味方に引き入れて武蔵に入ると、畠山重忠といった降伏してきた者たちを許して味方に引き入れる。また、全成に占わせて大倉に御所を建てることを決定する。鎌倉に入ると政子と再会し、鶴岡八幡宮を建て、その以降で坂東をまとめ上げる計画を立てていることを話す。
平家の追討軍が迫ると、自ら軍を率いて武田信義と合流する。信義とは互いに牽制し合うが、策略によって信義に出し抜かれてしまう。水鳥の羽音に驚いた平家軍が敗走すると追撃を命じるが、坂東武者たちの反対にあって断念する。これにより、自分は流人時代から今まで一人だと傷心するが、そこに弟の義経が現れため、感激のあまり涙を流す。その後、常陸に出陣して平家と通じる佐竹氏を討伐する。
鎌倉の御所に入ると、家人たちを集めて所領を与え、主従の契りを交わして関東に独自政権を作る。これを機に「鎌倉殿」と呼ばれるようになる。また、自分に男子が生まれなかった場合は、武人の才を見込んで義経に後を継がせようとも考える。同じ頃、父の敵である清盛が病死すると、その報を聞いて兄弟や御家人たちの前にも関わらず喜びを露わにする。
政子が第二子を身籠ると三浦に預けていた祐親を許すが、「嫡男が生まれるには千鶴丸を成仏させなければならない」という全成の占い結果を聞き、景時に命じて祐親と祐清を殺す。その後、無事に嫡男である万寿が誕生すると、北条家だけに力が集中しないよう比企能員の妻である道を乳母とする。
亀との関係は鎌倉入り後も続いており、自身が与えた亀の屋敷で政子の懐妊中も逢瀬を重ねる。しかし、このことが政子の知るところとなり、亀の前事件が起こる。その際、自身は反省することなく牧宗親の髻を切ったため、時政から激怒される。このような一連の出来事により、御家人たちからの信用を失う。
同じ源氏一族である木曽義仲が勢力を拡大していることに危機感を覚えると、弟・範頼らを使者として信濃へ遣わし、平家との繋がりがないという証として、義仲に人質を要求する。義仲が人質として嫡男・義高を鎌倉に下向させると、義高を大姫の許嫁とする。義仲が入京すると、鎌倉から後白河法皇に根回しをするが失敗する。しかし、義仲が京を離れて西国へ向かうと、京に莫大な引き出物を送って後白河法皇に接近する。これにより、流罪を解かれて従五位下に復帰する。また、東海道・東山道の軍事支配権も認められる。義仲討伐の宣旨を得ると、御家人の反発にあい、自身も奥州藤原氏に備えて鎌倉を離れることができないことから、先鋒隊として義経を出陣させる。
御家人たちの間で謀反の計画があることを知ると、大江広元と謀って謀反の罪を広常にかぶせ、景時に誅殺させる。これを機に、御家人たちを恐怖政治で統治すると、後白河法皇から自身に対する追討の院宣が出されたため、範頼を総大将として本軍を出陣させる。範頼・義経軍が義仲を討つと、義時の忠誠心を試すために義高を討つよう命じる。その後、大姫や政子の必死の説得を受け、御家人たちに義高を殺さぬよう命じるが時すでに遅く、義高は藤内光澄に討ち取られる。その後、謀反を企てたとして信義の嫡男・一条忠頼を殺す。これにより、武田家の力を削ぐことに成功する。
屋島の戦いで義経が勝ったという報告を受けると、義経が鎌倉殿の座を狙うのではないかと危機感を覚え、総大将を景時とするよう命じる。その後、壇ノ浦の戦いで平家が滅びたという報告を聞くと、御家人たちの前では安徳天皇と三種の神器を奪還できなかった義経への不満を口にするが、政子の前では義経を褒め、二人で涙を流して喜びを分かち合う。
八重(やえ)
頼朝の前妻。北条義時とその妻子を参照。
政子(まさこ)
演:小池栄子
頼朝の後妻。北条時政の長女。義時の同母姉。
負けん気が強い一方、雅やかさに目がない。為政者の妻となったことで何気なく発した言葉の重みと影響力に戸惑うことがある。
北条館に逃げ込んだ頼朝に膳を運んだ際、この人は何かを成す人だと感じて一目惚れする。頼朝の先妻・八重に対しては、頼朝との結婚にあたって挨拶に行き、諦めるように申し出る。その後、頼朝の妻となり、大姫をもうける。
頼朝が挙兵に躊躇すると、義時らと共に頼朝を説得し、頼朝に挙兵を決意させる。挙兵後は伊豆山権現社に寺女として匿われるが気丈に振る舞い、頼朝が鎌倉に入ると合流して御台所となる。御台所の威厳を見せるため、頼朝のことが諦めきれない八重の希望を受け入れ、大倉御所の侍女とする。その後、比企の館で嫡男の万寿を出産する。
侍女頭・亀が頼朝の愛妾であることを知ると激怒し、りくに入れ知恵された「後妻打ち」をしかける。りくがわざと亀のことを教えてきたことには気づいており、りくを懲らしめようと後妻打ちの提案を受け入れたが、事態が想像以上に大きくなってしまったことに驚く。その後、亀とは和解する。その際、身を引くことにした亀から御台所に対する忠告を受ける。
義時が八重と結ばれると、弟夫妻の充実した結婚生活を喜ぶ。頼朝が義仲の嫡男・義高を大姫の許嫁にしようとすると反対するが、一目義高を見ると気に入る。その後、頼朝と義仲の対立が決定的となると、大姫のために義高を守ることを決意する。頼朝に対する謀反が起こり、頼朝と御家人との間で溝が深まると、御家人の不平不満に耳を傾けるようになる。
義仲が討たれ、義高が頼朝によって幽閉されると、義時や実衣らと協力して義高を御所から逃がし、伊豆山権現へ匿ってもらえるよう手配する。また、義高の逃亡が露見すると、大姫と共に頼朝を説得し、義高を殺さないことを誓う起請文を書かせる。しかし、時すでに遅く、義高は藤内光澄に討ち取られる。怒りに任せて言った一言で後に光澄が処刑されると、御台所である自分の発言は重く、もう昔の自分には戻れないことに改めて気付く。その後、心の傷ついた大姫を八重に預ける。平家が滅亡すると、頼朝と涙を流して喜びを分かち合う。
(かめ)
演:江口のりこ
頼朝の愛妾。安房の漁師の娘[4]
頼朝の寵愛を受けるが出自に劣ることもあり、武家の娘である頼朝の先妻・八重や後妻・政子に対抗心を燃やす。
安房では漁師の夫・権三がいたが、頼朝にはそれを知らせず召し出される。鎌倉入り後は政子の侍女頭を務める一方、内緒で頼朝と逢瀬を重ねる。素性を隠して侍女となった八重には、頼朝の寝室へ膳を運ばせ寵愛を見せつけて牽制などするが、その一方で他の有力男性にも粉をかけている。
頼朝の隠れ家として屋敷を与えられるが政子の知るところとなり、「後妻打ち」として屋敷を燃やされる。直前に三浦義村によって難を逃れ、一時的に上総広常の屋敷に匿われる。
のちに新たな家を与えられ、政子の来訪を受ける。政子に頼朝から身を引くことを約束する一方、坂東の女から憧れられる御台所として恥ずかしくない教養を身につけるよう忠告する。
千鶴丸(せんつるまる)
演:太田恵晴
頼朝と八重の息子。
祖父・伊東祐親が京の大番役のため留守の間、流人だった頼朝と祐親の娘・八重が密かに通じ生まれた子である。頼朝が祐親の追手から逃れたため八重とともに館にいたが、平清盛に知られるのを恐れた祐親の命により、善児に川遊びとして連れ出され水に沈められる。
亡骸は伊豆山権現社で丁重に葬られる。八重には「出家」と伝えられており、のちに伊豆山権現社で悲しみの対面をすることになる。
大姫(おおひめ)
演:南沙良(幼少期:難波ありさ落井実結子
頼朝と政子の長女。
北条館で生まれる。間もなく頼朝が挙兵すると、政子らとともに伊豆山権現社に匿われ、のちに鎌倉入りする。
人質として鎌倉入りした木曽義仲の嫡男・源義高とは相思相愛で許嫁となる。義仲が討たれ義高の命が危うくなると、頼朝の前で喉元に短刀を突きつけ義高の助命を懇願するが、叶わず心を閉ざす。のちに笑顔を取り戻すものの、源氏物語の登場人物・(あおい)を名乗り、「元気になるおまじない」と称して虚空蔵菩薩如意宝珠)の真言を唱えるなど、「スピリチュアル女子」的な言動をするようになる[* 27]
その後も義高への想いを引きずり、一条高能との婚礼を断るが、自身の中にある義高の面影が薄れていることに不安を感じ、和田義盛のもとで暮らす巴御前に相談する。巴御前に「面影が薄らいだということは、冠者殿が前へ進めとおっしゃっている」と励まされたことで前に進むことを決め、父や母のために後鳥羽天皇へ嫁ぐことを決意する。しかし丹後局と対面した際に激しく叱責されたことで体調を崩し、義高の名を口にしながら20歳の若さでこの世を去る。
三幡(さんまん)
演:太田結乃東あさ美
頼朝と政子の次女。源頼家の妹。千幡の姉。
姉である大姫が亡くなったことで、入内計画を引き継ぐことになる。
千幡(せんまん)
演:吉川魁理土橋蓮水戸部巧芽
頼朝と政子の次男。のちの源実朝(みなもと の さねとも)。

源頼家とその関係者

源頼家(みなもと の よりいえ)
(万寿 → 源頼家)
演:金子大地(幼少期:丸山蒼來田代瑞希藤原響鳥越壮真
頼朝と政子の嫡男。幼名は万寿(まんじゅ)。
乳母の比企館で生まれる。体が弱く、生後しばらくは何度も生死を彷徨う。
頼朝への謀反計画の際には、義盛によって連れ去られそうになるが、義時の説得や重忠の機転によって難を逃れる。
つつじ
演:北香那
頼家の正妻賀茂重長の娘。母は頼朝の叔父・鎮西八郎為朝の娘。
せつ
演:山谷花純
頼家の側女(そばめ)。比企能員と道の娘。
一幡(いちまん)
演:佐野仁音
頼家とせつの息子。

源義経とその関係者

源義経(みなもと の よしつね)
演:菅田将暉
頼朝の異母弟。源義朝の九男。通称は九郎(くろう)。静御前や弁慶からは「御曹司(おんぞうし)」と呼ばれている。
源氏としての誇りが強く、馬引きを断るなど坂東武者と同列に扱われるのを嫌う。戦に勝つためにはあらゆる手を使い、斬新な戦術を繰り出すが、時には卑怯な手段も厭わない。一方で母性愛に飢えており、義姉・政子に甘える一面もある。また、政子に元気な子が生まれるよう願ったり、義仲追討に出陣する際にはその息子である義高にセミの抜け殻を渡したりするなど優しい一面もある。平宗盛を京へ護送した際には、自分の境遇と重ね合わせ、罪人であるにも関わらず宗時と息子・清宗の対面を許す。
幼いころに父・義朝が平治の乱で敗れたため、京の鞍馬寺に預けられる[5]。のちに寺を出て、奥州の覇者・藤原秀衡の庇護を受ける[5]。頼朝が鎌倉入りするころに参上し、頼朝を感動させている。
しかし、兄である義円に嘘の情報を吹き込んで陥れたり、亀の前事件の際には亀の館を破壊したりと、度々問題を起こして頼朝らを悩ませる。また、謹慎中の身であるにも関わらず、義時に頼んで信濃行きの使者に入れてもらうが、出立の前夜に能員に紹介された里と一夜を共にしてしまい、使者の役目を放棄するという失態を犯す。
その一方で戦の才能は突出しており、金砂城の戦いの際には活躍こそできなかったが皆が驚く奇策を立て、平家および木曽義仲の討伐(西国遠征)に際しては先発隊の大将を務める。宇治川の戦いでは寡兵の偽情報を流して義仲を破る。一ノ谷の戦いでは、後白河法皇と謀って平家軍を油断させ、さらに平家本陣の背後にある鉢伏山から奇襲して勝利を治め、「鵯越の逆落とし」として言い伝えられる。その功により、後白河法皇から検非違使に任じられる。その後、屋島の戦いでも嵐の中の奇襲で勝利し、壇ノ浦の戦いでは禁じ手だった船頭を狙い撃ちして平家を滅ぼす。しかし、追い詰められた平家の女性たちが安徳天皇と三種の神器を道連れに入水し、神器の宝剣が紛失するという事態を引き起こしてしまう。平家が滅亡したことで戦う相手がいなくなると、自身を「戦場でしか役に立たない」と卑下する。
京へ戻ると後白河法皇からは不手際を不問とされるが、頼朝からは景時の讒言によって不信感を持たれる。頼朝に自身の口で弁明しようとするが、検非違使に任じられていては鎌倉へ帰ることができないため、後白河法皇に検非違使の返上を申し入れるが拒否される。法皇からは、罪人・宗盛を鎌倉に輸送する名目で鎌倉へ向かうことを許されるが、このことが頼朝に不信感を募らせる。さらに、頼朝の命で鎌倉近郊の腰越で留め置かれると詫び状をしたためるが、これが平宗盛の代筆であったため、頼朝との溝はさらに深まる。その後、頼朝が推挙した伊予に任じられても検非違使を返官しなかったこと、鎌倉で行われる父・義朝の供養へ出席しなかったことで、頼朝との対立は決定的となる。京の宿舎が土佐坊昌俊に襲われると、源行家に頼朝の仕業であるとそそのかされ頼朝追討の挙兵をするが、兵が集まらず、法皇からも見捨てられる。
その後は、奥州藤原氏のもとへ逃れて衣川のほとりので妻子と静かに暮らしていたが、秀衡が亡くなると義時から圧力を受けた嫡男・藤原泰衡に館を攻められる。その最中、義時を館へ呼び寄せ、鎌倉への攻撃の策を披露して景時に伝えるよう頼む。のちに首は鎌倉へ届けられ、頼朝と無言の再会をすることになる。
(さと)
演:三浦透子
義経の正妻。比企尼の孫娘。比企能員の姪。
源氏との繋がりを強めるため、能員により白羽の矢が立てられる。信濃行き前日に源範頼とともに比企館に招かれた義経に見初められ、一夜を共にする。義経の西国遠征中に夫婦となるが、京にて愛妾・静御前の存在を知り、宿所を土佐坊昌俊に襲撃させる。その際に、静御前は殺しても義経は傷つけないよう何度も言い含めている。
頼朝と義経の関係が悪化すると、義経と同様に鎌倉へ入ることが許されなくなる。義経が挙兵に失敗し頼朝から追われる身となると、ともに奥州藤原氏のもとへ逃れる。義経との間に女児(演:泉谷星奈[* 28])を儲ける。義経への不満を漏らし、京の襲撃の真相を告白したところを激昂した義経に刺殺される。
静御前(しずかごぜん)
演:石橋静河
義経の愛妾。都随一の白拍子。義経からは「(しずか)」と呼ばれている。
一ノ谷の戦いで勝利して検非違使に任官される義経の前祝いとして、後白河法皇の命で舞を披露したことをきっかけに知り合う。里の知らぬ間に逢瀬を重ね、義経の子を身籠る。
義経が挙兵に失敗し頼朝から追われる身となると、義経と別れ吉野へ逃れるが、北条時政に捕らえられ鎌倉へ移送される。はじめは素性を隠していたが、里の叔母・道に挑発されて名を明かす。のちに鶴岡八幡宮で舞を披露する際に義経を慕う詩を歌い、政子に「女の覚悟」と言わしめる。
のちに男児を産むが、頼朝の命で由比ヶ浜に沈められたことで鎌倉から姿を消す。その後の消息は不明だが、平泉を訪れた義時は義経に、青墓宿で静御前に似た人を見かけた噂を伝えている。
弁慶(べんけい)
演:佳久創
義経の従者。元は比叡山延暦寺の僧[6]。義経からは「武蔵坊(むさしぼう)」と呼ばれている。
常に義経に付き従っているが、気まぐれな義経に振り回されることも多い。亀の前事件の際には、義経に命じられて亀の前の館を破壊している。義仲並びに平家追討の際にも義経に従い、宇治川の戦い、一ノ谷の戦い、壇ノ浦の戦いにも参戦する。
義経が平泉へ逃れた際にも最後まで仕えており、泰衡の軍勢が迫った際には着物の下に木の鎧を着込み、一人きりで果敢に戦う。

源頼朝と源義経の兄弟

源範頼(みなもと の のりより)
演:迫田孝也
源義朝の六男。頼朝の異母弟。義経の異母兄。母は遊女であり、義経から母の出自を揶揄されたこともあった。「蒲冠者殿(かばのかじゃどの)」「蒲殿(かばどの)」と呼ばれる。
遠江蒲御厨に生まれ[7]、平治の乱後に貴族官人藤原範季に引き取られている[7]。頼朝の元へは義経や全成に遅れて参上する。
生真面目な性格で、頼朝に愛人がいることを実衣から聞いた際には、頼朝を諌めるよう時政に伝える。頼朝から義仲の動向を探るために信濃へ向かうよう命じられた際には、出立前夜に能員から常を紹介されるが、信濃行きに支障が出るからと断っている。また、剣の腕も立ち、頼朝に反発する御家人たちが攻めてきた際には政子や万寿を守り、実衣から「意外と出来る」と評される[注釈 8]
源氏と坂東武者の間を取り持ち、頼朝を愚直に補佐する。平家および木曽義仲の討伐に際しては本軍の総大将を務め、義経の戦略を全面的に支持する。義仲追討では勢多に進軍した後、北陸に逃亡をはかった義仲を近江で待ち構えて討ち取る。一ノ谷の戦いでは義経の策に乗り、生田口を正面から攻めて平知盛軍と激戦を繰り広げる。その後、長門において船団集めと兵糧不足に苦戦するが、豊後の水軍を味方につけると九州へ渡って筑前へ攻め込み、平家軍の退路を遮断する。壇ノ浦の戦いでは陸地に布陣し、平家の退路を塞ぐ。平家軍が三種の神器とともに入水すると、それを懸命に探す。頼朝の上洛に際しては、不満を持つ坂東武者をまとめ上げており、坂東武者からの信頼も厚い。
富士の巻狩りにおいて頼朝が暗殺されたという情報が鎌倉にもたらされると、比企能員に説得され、鎌倉を守るために次の鎌倉殿になることを決意する。しかし、それが鎌倉に戻った頼朝の耳に入り、謀反の疑いをかけられる。範頼は比企ではなく全て自分の責任であるとし、頼朝に対して身の潔白を証明しようと起請文をしたためるが、御家人に等しい立場にありながら「源」という姓を使用していることを大江広元に咎められたことで弁明する気力を失う。
その後、比企尼の助命嘆願によって一度は命を助けられ、修善寺に預けられて穏やかな日々を過ごす。しかし、頼朝に大姫を呪い殺したとの疑いをかけられ、梶原景時の命を受けた善児によって誅殺される。
常(つね)
演:渡邉梨香子[* 29]
範頼の妻[要出典]。比企尼の孫娘。能員の姪。
源氏との繋がりを強めるため、里とともに能員により白羽の矢が立てられる。信濃行き前日に比企館を訪れた範頼にあてがわれるが、一度は断られる。
阿野全成(あの ぜんじょう)
演:新納慎也
源義朝の七男。頼朝の異母弟。源義経の同母兄。「醍醐禅師(だいごぜんじ)」と称する[注釈 9]
平治の乱後、京の醍醐寺に預けられ出家する。剛毅な性格から「悪禅師」と呼ばれたこともある[8]。石橋山の戦いの後、伊豆山権現に匿われていた政子らのもとに仁田忠常とともに現れ、鎌倉入りした頼朝らと合流する。
陰陽の術に長け[* 30]、占いを得意としている。政子の鎌倉入りの日や新御所の建設場所、嫡男の誕生に関する吉凶などを占い頼朝を補佐する。自身の占いについて半分は当たらないと言っているが、庚寅に屋移しすると親子の縁が薄く主は不慮の死を遂げること、千鶴丸が成仏せず万寿の寿命が短いことなどは当てている。
実衣とは鎌倉入り後に相思相愛となり、やがて夫婦となる。夫婦仲は良く、頼朝に愛人がいると実衣に教えた際には、自身は妾を持たないと告げる。
頼朝から藤原秀衡に対する調伏を任されると文覚と対立する。また、頼朝への謀反計画の際には義村に捕らえられそうになるが、事前に察知して逃げ延びる。大姫の許嫁である義高が頼朝に殺されそうになると、頼朝に扮して見張りを遠ざけ、義高の脱出を手助けする。
実衣(みい)
演:宮澤エマ
全成の妻。北条時政の次女。義時の同母妹。千幡(源実朝)の乳母。
周りに翻弄される家族を興味津々に観察する一方、口が軽く内緒事が苦手なため秘密をすぐに話してしまう。夫・全成から、政子の懐妊中に頼朝が亀の前と逢瀬を重ねていることを聞くと、範頼にそのことを話し、亀の前事件のきっかけを作る。また、正直者であるが故に、場の空気を乱す発言をすることもある。姉弟たちからはなぜか重要な話を教えてもらえず、事後報告されることが多い。
大姫の許嫁である義高が頼朝に殺されそうになると、政子や義時と協力して御所からの脱出を手助けする。
義円(ぎえん)
演:成河
源義朝の八男。頼朝の異母弟。義経の同母兄。幼名は乙若(おとわか)。
孫子の兵法に通じ弓矢の名手だけでなく、和歌にも精通している。
平治の乱後、近江園城寺に預けられ出家する。のちに後白河法皇の皇子・円恵法親王判官を務める[6]
兄弟では最後に頼朝の元へ参上する。頼朝から平家との戦を前に何をすべきかと問われると、孫氏の教えを説いて頼朝から感心される。また、紀貫之の詠んだ歌を披露し、政子からも頼りにされる。
鎌倉に叔父である行家が訪ねてくると、京で世話をしてもらった恩から平家討伐の誘いを断りきれず、弟・義経に相談する。しかし、義経にそそのかされ、頼朝への手紙を義経に託し行家と共に西上する。その後、頼朝に認めてもらおうと功を焦ってしまい、墨俣川の戦いにおいて平盛綱に討ち取られる[6]

木曽義仲とその関係者

木曽義仲(きそ よしなか)
演:青木崇高
信濃源氏の棟梁。
義を重んじるため無意味な戦を嫌っており、同じ源氏である頼朝とは戦を避けようとする。無骨な田舎侍であるため、牛車の降り方がわからないなど都のしきたりには無知である。
叔父である行家が訪ねてくると、これを庇護する。頼朝の使者である範頼が信濃へやってくると、平家と通じていない証として人質を差し出すよう要求される。義時から人質は行家ではどうかと提案されるが、自分を頼ってきた者を差し出せば誠に反するとして、嫡男・義高を鎌倉へ人質に出す。のちに倶利伽羅峠で平家方を破り(倶利伽羅峠の戦い)、勢いに乗じて京に入り後白河法皇と謁見する。法皇から平家が持ち去った三種の神器を奪還するよう院旨を受けるが、その意味が理解できずに公家たちを呆れさせてしまう。また、都に攻め上った際に加わった兵たちが京で略奪行為を行ったため、民衆たちからの評判も落としてしまう。
頼朝が鎌倉から動かないため、法皇から単独で平家を滅ぼすよう命じられる。備中で平家軍相手に苦戦している中、法皇から頼朝へ信濃を含む東山道の支配権を任されたのを知り、抗議のため都に戻ったことで法皇から謀反の疑いをかけられる。院御所を襲撃して法皇を幽閉し(法住寺合戦)、源範頼・義経兄弟を大将とする討伐軍を迎え撃つが、兵を少なく偽る義経の計略にかかり宇治川の戦いで敗れる。誰もいない院御所[注釈 10]にて最後の上奏を行い、近江に逃れようとするも国境で範頼軍に行く手を阻まれ、死に場所を探している最中に額を矢で射抜かれる。
最期まで頼朝のことを信じており、嫡男・義高へ頼朝に反旗を翻さないよう諭す手紙を巴御前に託している。
源義高(みなもと の よしたか)
演:市川染五郎
義仲の嫡男。「清水冠者(しみずのかじゃ)」「冠者殿(かじゃどの)」と呼ばれる。
眉目秀麗かつ清廉潔白であり、父・義仲を尊敬している。の抜け殻を大量に集める趣味がある。
頼朝への不戦の証として、大姫の許嫁は表向きの人質として鎌倉へ送られる。幼い大姫だけでなく、婚約に反対していた政子にも気に入られ、気さくな人柄から坂東武者とも打ち解ける。一方で、頼朝失脚を目論む反頼朝派からの新たな棟梁への誘いは断り、頼朝の嫡男である万寿が義盛に連れ去られそうになると万寿を守る。
のちに義仲が討たれると、その立場を頼朝から危険視され幽閉される。盟約を反故にした頼朝と彼を止めなかった義時を恨み自ら自身の処刑を望むが、義仲からの文で改心し、逃亡を決意する。政子らの手筈で伊豆山権現社へと逃亡することになるが、義時らを信じきれないため途中の名越の寺を単身抜け出し、故郷・信濃へ向かおうとしていたところを藤内光澄に見つかり討たれる。
巴御前(ともえごぜん)
義仲の愛妾三浦家とその関係者を参照。
今井兼平(いまい かねひら)
演:町田悠宇
義仲の家人。巴の兄[* 31]。母は義仲の乳母[* 31]
宇治川の戦いで敗れても最期まで義仲に従う。
海野幸氏(うんの ゆきうじ)
演:加部亜門
義高の従者。
人質として鎌倉入りする義高に同行する。義高が幽閉されると、志願して義高を逃がすための替え玉となる。

その他の源氏

武田信義(たけだ のぶよし)
演:八嶋智人
甲斐源氏の棟梁。
源氏の棟梁をめぐって源頼朝や木曽義仲への対抗心を顕わにし、互いに牽制しあっている。
頼朝と時を同じくして平家討伐の兵を挙げる。頼朝の使者である時政と義時が援軍を要請するために訪ねてくると一度は断り、逆に時政を懐柔しようとする。しかし、平家の大軍が京を出発したことを知ると、真っ先に戦うことになるのは甲斐の武田だと気づき、再び使者としてやってきた時政に援軍の要請を承諾する旨を伝える。
富士川の戦いに先立って、駿河の目代・橘遠茂を討ち取るなど功績を挙げる(鉢田の戦い)。頼朝軍と合流すると、頼朝を出し抜くために酒宴を開き、頼朝を酔わせる。その後、両軍で決めた合戦の期日を破って勝手に出陣する。しかし、平家軍は水鳥の羽音に驚いて勝手に敗走する。
木曽義仲が勢力を拡大すると、頼朝に対抗するために娘を義仲の嫡男・義高に嫁がせようとするが失敗する[注釈 11]。すると、自身の兵は動かさず義仲を追い落とすため、鎌倉を訪ねて頼朝に義仲を討たせようとする。
一ノ谷の戦いでは後詰めとして頼朝軍に貢献するが、後白河法皇からの恩賞が一向に出ないため鎌倉に赴く。その際、幽閉中の義高に接触し、打倒頼朝を掲げともに立とうと誘うが、義高には拒否される。
謀反を企てたとして嫡男・一条忠頼が誅殺されると、頼朝に忠誠を誓う起請文を書かされるが、これは甲斐源氏が御家人と同等の立場に転落することを意味しており、義時には鎌倉方の面々の異常性を訴え、恨み節を吐露する。
一条忠頼(いちじょう ただより)
演:前原滉
信義の嫡男。
父とともに、幽閉されている義高の元を訪れ味方になるように唆すが断られる。2度目の接触で義高の逃亡が発覚し、義高が討ち取られる原因となる。のちに鎌倉御所に参上したところ、義高を煽り謀反を企てたとする咎により頼朝の面前で仁田忠常に誅殺される。
源行家(みなもと の ゆきいえ)
演:杉本哲太
頼朝や義仲らの叔父。頼朝の祖父・源為義の十男[9]。通称は十郎(じゅうろう)。
プライドが高く、頼朝の家人になることを嫌う。また、自身の野望達成のために甥である頼朝・義仲・義経らを利用するが、味方とした者は争いに必ず敗れる「死神」のような人物である[注釈 12]
平治の乱では兄・義朝とともに戦うが敗れ、熊野へ逃れている[9]。のちに八条院より蔵人を任じられ行家と改名する。
以仁王による平家討伐の令旨を携えて全国を行脚し、頼朝ら源氏一門に決起を迫る。
源頼政が自害すると逃亡して姿を消し、頼朝が勢力を拡大すると再び頼朝のもとを訪れて平家追討を促す。義時から飢饉を理由に出兵を断られると、尾張で平家軍と戦うために1万の兵を借してほしいと頼むが、それも拒否される。そのため、頼朝の兄弟たちに声をかけ、義円と共に尾張へ向かう。しかし、墨俣川の戦いで惨敗し、甥・義円を戦死させてしまう。
その後、再度鎌倉を訪れて頼朝に所領を要求し、無下に断られると義仲の食客となる。のちに義仲とともに平家軍を蹴散らし京へ入るが、義仲と後白河法皇との仲が険悪となるにつれ距離を置き始め、後白河法皇に接近する。義仲の立場が危うくなると密かにそのもとを去る。
平家滅亡後、頼朝との仲が険悪となった義経に近付き、頼朝が義経を襲わせたと嘘の情報を流して頼朝討伐の挙兵をそそのかすが、分が悪くなると義経の元を去る。のちに鎌倉方に捕らえられ首をはねられる[注釈 12]
源頼政(みなもと の よりまさ)
演:品川徹
摂津源氏の長老。公卿。伊豆の知行国主[* 32]
源氏では初の従三位に叙せられ公卿昇進を果たすとともに、平清盛とも良好な関係を築いている[* 32]
以仁王の挙兵に際して平家側として討伐軍を率いるが、王に呼応しており寝返る。激怒した清盛が差し向けた追討軍に敗れ、宇治平等院にて戦死する。

坂東武者・御家人

伊東家とその関係者

伊東祐親(いとう すけちか)
演:浅野和之
伊豆東海岸の豪族・伊東家の惣領。北条義時の母方の祖父。娘が北条時政・三浦義澄・工藤祐経(のちに土肥遠平[10])に嫁いでおり、娘婿や孫たちからは「爺様(じさま)」と呼ばれている。
一族思いだが、敵対すると血を分けた身内でも容赦はしない。平家と敵対するのを何よりも恐れる。
平治の乱で敗れた流人・源頼朝を領内で監視していたが、京の大番役で留守の間に娘・八重が頼朝と関係を持ち、外孫である千鶴丸を産んだため激怒する。平清盛に知られるのを恐れ、雑色・善児ら刺客を放ち千鶴を暗殺するものの、頼朝には娘婿・北条時政の領内へ逃げられる。頼朝の処遇は大庭景親の仲裁で北条家への引き渡しを認めるものの、頼朝の挙兵に北条家が追随したため親族同士で敵対することになる。
石橋山の戦いでは、頼朝軍を大庭軍と挟み撃ちにして敗走させるなどはじめは優勢だったが、次第に追い詰められる。伊東館を攻められると自害しようとするが、外孫・義時に説得されて投降し、三浦家に預けられる。頼朝からの恩赦により死罪は免れ、その礼のために鎌倉の大倉御所へ出立しようとした矢先、梶原景時の下人に転じていた善児に暗殺される。
八重(やえ)
祐親の娘。北条義時とその妻子を参照。
河津祐泰(かわづ すけやす)
演:山口祥行
祐親の長男。八重の長兄。
河津郷を本拠とする[* 33]。祐親らとともに北条館から戻るところを工藤祐経に襲われる。祐泰はその後、祐経に誤って殺される。
伊東祐清(いとう すけきよ)
演:竹財輝之助
祐親の次男。八重の次兄。通称は九郎(くろう)。
妹思いの性格であり、祐親が激怒し源頼朝を追討を命じた際は、八重が悲しむ姿を見たくないと、北条宗時と協力して内密に頼朝を北条館へ逃がしている[11]。しかし、父の命には逆らえず、善児に命じて千鶴丸を殺害している。
頼朝が挙兵すると、親戚である北条家や親友の宗時と敵対することに苦悩する。宗時が討たれた際には、その首に手を合わせている。伊東家が劣勢になると、援軍を呼ぶため鯉名から舟で脱出しようとするが、頼朝方に捕らえられる。その後、義時と三浦義村に八重の危機を伝える。
祐親と同様、三浦に預けられ死罪を免れるが、善児に暗殺される。
工藤祐経(くどう すけつね)
演:坪倉由幸
伊豆の豪族。
元は伊東家の嫡流。幼少期にが他界したため、義理の叔父である祐親が後見役となっている[12]。のちに祐親の娘と結婚したが、祐親に所領を奪われ妻と離縁させられる。
頼朝が北条館に逃げ込んだ際には家人となり、見張り役としてあてがわれる。頼朝の密命による祐親襲撃に失敗し[注釈 13]たが、その後も頼朝には目をかけられており、祐親が亡くなると旧領を取り戻している[注釈 14]。江間館を訪れ義時と八重に再会するが、八重に怪訝な顔をされる。また、曽我兄弟には父の敵として憎まれており、石を投げつけられている。
源義高の鎌倉脱出に加担し、大倉御所にて一条忠頼の粛清にも立ち会うと、「鎌倉は恐ろしい。ここは私の住むところではない。」と義時に告げて去る。
しかし、その後も頼朝に引き立てられ、静御前が鶴岡八幡宮で舞を舞った際には鼓を打っている。
巻狩りの計画についての話し合いの際には、富士山麓で行うことを提案し、巻狩りの最中には頼朝の願いに応えるため比奈の居所を義時に尋ねる。比奈のもとへ出かけた頼朝の代わりに寝所で寝ていたところを、やってきた五郎に頼朝と勘違いされて殺される。
曽我十郎(そが じゅうろう)
(一万 → 曽我十郎)
演:田邊和也(少年期:大藤瑛史
祐泰の長男。時政の家人。幼名は一万(いちまん)。祐成(すけなり)[注釈 15]
幼少期は弟とともに戦災孤児として八重に世話をされており、義時と八重のもとを訪れた祐経に対し、弟と共に「人殺し」と罵倒し石を投げつける。
御家人にしてもらおうと、北条時政とともに頼朝のもとへ訪れるが断られたため、源氏だけが隆盛を極める現状に不満を持ち、頼朝を討つため弟と立ち上がる。同じく頼朝に不満を持つ岡崎義実と結託し、比企能員にも協力を仰ぐ。また、単なる仇討ちであると北条時政を騙して北条方の兵を借りるが、その中に居合わせた仁田忠常に進行方向を怪しまれると、弟を先に行かせて忠常と対峙し、討ち取られる。
曽我五郎(そが ごろう)
(箱王 → 曽我五郎)
演:田中俊介(少年期:加賀谷光輝
祐泰の次男。時政の家人。幼名は箱王(はこおう)。諱は時致(ときむね)[注釈 15]
時政を烏帽子親として元服、家人となる。血気盛んで、話すときに唾を飛ばしてしまう性分である。兄と共に頼朝を討つため立ち上がるが、頼朝と間違えて祐経を殺してしまい、その後捕らえられる。景時に頼朝存命を告げられ、その後頼朝と対面する。頼朝の前で、あくまで狙ったのは頼朝であると強く主張したが、実際に殺した祐経は父の仇でもあったため、義時の提案を飲んだ頼朝によってこれを仇討ちと看做され、斬罪に処される。
江間次郎(えま じろう)
演:芹澤興人
祐親の家人。八重の再婚相手。
北条領とは狩野川の対岸に位置する江間郷を所領とし[13]、北条館を望む小高い丘の上に館を構える。寡黙かつ物静かであり、祐親に従順である。
主の娘である八重と夫婦になるが夫と思われることはなく、別れてもなお頼朝を想う八重の言動にしばしば振り回される。伊東館を攻められたら八重を殺すよう祐親から命を受けていたが、悩んだ末に背き館から逃がそうとする。しかし、同じ命を受けていた善児に刺し殺される。

三浦家とその関係者

三浦義澄(みうら よしずみ)★
演:佐藤B作
相模三浦郡の豪族[14]三浦家の惣領・三浦義明の次男[14]。妻は伊東祐親の娘。通称は次郎(じろう)。
陽気な性格だが義理堅く、敵方となった相手をも心配する。決断を迫られた際には、切れ者の嫡男・義村に常に相談する。義村に相談義兄弟でもある北条時政とは悪友で気心が知れた仲である[14]
の死により三浦家の家督を継いでいる[14]。源頼朝の挙兵に際しては北条家と同調するが、石橋山の戦いでは酒匂川の増水に阻まれ合流できず、水が引くのを待つもやむなく引き返す。しかし、平家方となった甥・畠山重忠に行く手を阻まれ戦闘となる[14]。さらに、本拠地である衣笠城が陥落し父・義明が戦死すると(衣笠城合戦)、海路で安房へ逃れる。のちに頼朝らと合流し鎌倉入りする。
平家軍を迎え撃つ富士川の戦いでは、夜更けに富士川のほとりで時政と殴り合いの喧嘩をしたことで水鳥の群れが羽ばたき、図らずも勝利へとつながる。しかし西国遠征には反対で、坂東の地盤固めを主張する。のちに頼朝の失脚を狙う謀議に巻き込まれ、三浦家の親族でもある北条家は見逃すという条件で反頼朝派に加わる。その計画が失敗した際には、義実と共に政子の前で本音を語る。平家討伐の際には、初めは後詰めを任され、後に義経軍に加わる。壇ノ浦の戦いでは、船頭を射殺した義経に驚く。
三浦義村(みうら よしむら)
演:山本耕史
義澄の嫡男。義時の従弟で盟友。通称は平六(へいろく)。
頭脳明晰な知恵者かつ冷静な判断を下せることから、義澄や義時から全幅の信頼を寄せられている。その一方で女好きで、頼朝の先妻・八重や愛妾・亀、公家の娘である時政の後妻・りくに粉をかけている。とくに頼朝の元交際相手に対しては、彼女らと付き合うことで「頼朝を超える」ことができるという、義時には理解しがたい考えを持っている。頼朝については当初から快く思っていない。
頼朝が北条の館に匿われていることを知ると、そのことを父・義澄に伝えて大庭に伊東と北条の仲裁を頼むが、義時に頼朝の首をはねて平家に渡すよう告げる。
頼朝が挙兵すると同調するが、石橋山の戦いで酒匂川が増水すると、頼朝軍を見捨てて引き返すよう父・義澄に進言する。しかし、三浦に引き返す最中で畠山軍と遭遇し戦闘になる。その後、頼朝を迎えに行くが、伊東に襲撃されて安房へと向かう。安房で頼朝たちと合流すると、頼朝の首を大庭に差し出すよう義時に告げる。頼朝が安房を進軍すると警護につき、頼朝を襲撃した長狭常伴を討ち取る。
頼朝が鎌倉に入るとそれに従い、その後も義時の良き相談相手となる。亀の前事件の際には、義時に頼まれ亀を広常の館に避難させる。また、義時が義仲のもとへ使者として向かった際にはこれに付き添う。頼朝への謀反計画には義澄の意向に従って参加し、全成を押さえる任務を任されるが失敗する。その後、義時が広常に誅殺のことを知らせようとするとこれを止める。頼朝が義高を討つよう命じると、娘・初を八重に預けたことで義時に借りがあることから、一度は義時らに協力して義高脱走の手助けをする。しかし、義時や政子に会っていたことを義澄から問い詰められると、義高を捕らえようとする。
平家討伐では、初めは後詰めを任され、範頼軍に加わる。長門において船団集めに苦戦し、兵糧不足に苦しめられると、義時から豊後の緒方氏を味方につけるよう提案され、説得の末に緒方氏を味方に引き入れることに成功する。その後、九州へ渡り、壇ノ浦の戦いにも参戦する。
(はつ)
演:遠藤みのん(嬰児期:久野楓名
義村の娘。
母は産後の肥立ち悪く、間もなく亡くなっている。
義村らが西国遠征する際は八重のもとに預けられ、金剛とともに育てられる。
和田義盛(わだ よしもり)★
演:横田栄司
義澄の甥。義村の従兄。通称は小太郎(こたろう)。
髭を蓄えた強面で弓の名手[15]だが気が短く、平家方として敵対したのち頼朝に下った畠山重忠を恨んでいる。その一方で、(つぐみ)を捕まえて「(ひよどり)」と喜んだり[注釈 16]、木曽義仲討伐の戦功報告を絵入りで文にする[注釈 17]などお茶目な面も持つ。
頼朝の挙兵では叔父・義澄らとともに戦に参加する。平家方に敵と思われていなかったにも関わらず、義村が止めるのも聞かずに先制攻撃をしかける。また、戦を避けようとしていた重忠の軍に誤って攻撃を仕掛けてしまい、のちに重忠から攻撃を受ける。安房へ逃れると頼朝に「侍大将」になりたい旨を直訴しており、義時とともに大豪族・上総広常を説得して味方にする功績を挙げる。頼朝が鎌倉へ入ると、約束通り「侍所別当」に任じられる。
その後も犬猿の仲である重忠と先陣を争い、伊東の館を重忠と二人で攻撃する。富士川の戦いや金砂城の戦いにも参加するが、頼朝の西国遠征には反対し、頼朝の失脚を狙う反頼朝派の謀議に参加する。その際、頼朝に情報を流していた景時を捕らえる。また、鶴岡八幡宮にいる万寿を連れ去る役目を任されるが、単純な性格を重忠に利用され、役目を放棄する。
義仲追討の際には、範頼が総大将を務める本軍に加わり、先発隊と合流すると範頼と共に勢多へ向かう。その後、北陸に逃れようとする義仲を近江で待ち構えるが、その際に巴御前の勇猛果敢な戦いぶりに惚れ込んで鎌倉へ連れ帰り、後に妻とする。一ノ谷の戦いでは、範頼軍に属して生田口を正面から攻める。範頼が戦勝報告のために鎌倉へ戻るとそれに従い、義高が殺されそうになると義時に頼まれ、巴御前のためにと義高を逃がすための作戦に協力する。範頼軍に属して再び鎌倉を出陣すると、長門において船団集めに苦戦し、兵糧不足に苦しめられる。その際、範頼に1度鎌倉へ引き上げようと提案する。その後、豊後の水軍が味方に着くと九州へ渡り、壇ノ浦の戦いでは陸地に布陣して平家軍の退路をふさぐ。
巴御前(ともえごぜん)
演:秋元才加
義盛の側女。元は木曽義仲の愛妾
武勇に優れる女武者。一本眉が特徴。義仲とは幼馴染であり、男女の絆を超え、一生を捧げて仕える決意を持っている。
兄・今井兼平とともに各所を転戦する。宇治川の戦いで敗れると義仲と運命を共にしようとするが断られ、義高への文を託され落ち延びる。のちに和田義盛に捕らえられ、鎌倉へ移送される。
義高へ文を渡し、死を覚悟していた義高に再び生きる決意を促す。その後も、義盛の元で暮らし、大姫が義高の話を聞こうと訪ねてきた際には、大姫を励まし未来へ進むよう促している。また、頼朝が訪れた際には、1度目は断ったが、和田義盛に懇願されて2度目の訪問で対面し、義仲を討ったことについて頼朝から謝罪された。
岡崎義実(おかざき よしざね)
演:たかお鷹
義澄の叔父。三浦義明の弟。通称は平四郎(へいしろう)。
高齢ながらも血気盛んで、坂東武者の誇りが高い。同じく老将の土肥実平や佐々木秀義、千葉常胤らと馬が合う。
頼朝の挙兵では甥・義澄らとともに戦に参加する。石橋山の戦いで息子を亡くし[注釈 18]、衣笠城が陥落すると義澄らとともに安房へ逃れる。のちに義澄らとともに鎌倉へ入ると、源義朝ゆかりの地・亀谷(かめがやつ)に新御所を建てるよう頼朝に上申するものの断られている。
頼朝の西国遠征には反対で「御家人は頼朝の駒ではない」という考えもあり、反頼朝派の謀議に参加する。その計画が失敗した際には、政子の前で本音を語り、涙を見せる。
その後、頼朝の上洛についても不満を持ち、曽我兄弟の頼朝暗殺計画にも協力する。暗殺計画が失敗すると、頼朝の挙兵にいち早く参加した功績を考慮され、死罪は免れ出家した。

比企家とその関係者

比企尼(ひきのあま)
演:草笛光子
源頼朝の乳母(めのと)武蔵比企郡の代官・比企掃部允の妻[16]長女は安達盛長、次女河越重頼三女は伊東祐清に嫁いでいる[16]
平治の乱により頼朝が伊豆へ配流となると、夫とともに武蔵の所領に下向する[16]。その後も長年にわたり頼朝に資金の援助を続けており、道から小言を言われるも意に介さない。頼朝が鎌倉へ入ると御所を訪れ再会する。
範頼が謀反の疑いをかけられた際には、孫娘が範頼の妻になっていることから助命嘆願を行い、昔と変わってしまった頼朝を叱責した。
比企能員(ひき よしかず)★
演:佐藤二朗
武蔵比企郡の豪族[17]。叔母である比企尼の養子。通称は藤四郎(とうしろう)。
飄々としているが目先の損得に流されやすいところがあり、道から苦言を呈されることもある。
頼朝の挙兵の際には静観していたが、勢いが増し鎌倉に入ると急接近する。頼朝と政子の嫡男・万寿(のちの源頼家)が産まれると、その乳母夫(めのと)となる。亀の前事件で北条時政が伊豆へ帰ると、北条家に取って代わるために源氏との繋がりを強めようとし、比企尼の孫娘である常と里を範頼と義経に接近させる。
頼朝に対する謀反の噂があることを知ると、頼朝側について御家人たちの偵察に向かうが、自身の身に危険が迫るとすぐに寝返る。さらに、義時から広常が味方であることを知らされると再び頼朝側につく。
義仲追討の際には時政と共に後詰めを任されるが、一ノ谷の戦いで源氏軍が勝利すると、次の戦に参陣させてほしいと頼朝に願い出る。その後、義経との婚姻が決まった里も連れて京へ向かい、義経軍に加わる。壇ノ浦の戦いでは、船団を射殺した義経に驚く。
道(みち)
演:堀内敬子
能員の妻。万寿(源頼家)の乳母。
世情に敏感で、勢いのあるものに乗りたがる。
平家隆盛の中、頼朝に協力しようとする義母・比企尼や夫・能員に気が気でない。頼朝の挙兵の際には呼応しないよう能員に釘を刺していたが、流れが変わると源氏に取り入るようけしかける。万寿が産まれると、その乳母となる。
比企時員(ひき ときかず)
演:成田瑛基
能員と道の息子。通称は弥四郎(やしろう)。
比企宗朝(ひき むねとも)
演:Kaito
比企の一族。通称は三郎(さぶろう)。
せつ
能員と道の娘。源頼家とその関係者を参照。
常(つね)
比企尼の孫娘。能員の姪。源頼朝と源義経の兄弟を参照。
里(さと)
比企尼の孫娘。能員の姪。源義経とその関係者を参照。
比奈(ひな)
比企尼の孫娘。能員の姪。北条義時とその妻子を参照。

安達家

安達盛長(あだち もりなが)★
演:野添義弘
頼朝の従者。は頼朝の乳母・比企尼の娘[18]。通称は藤九郎(とうくろう)。
流人時代から頼朝に仕えており、頼朝が本心を明かせる家人の一人である。時に無茶で理不尽な頼朝の命をもそつなくこなす。頼朝には常に付き従っており、頼朝が八重や亀に会いに行く際も供をする。押しに弱い面がある一方で、ならぬと思ったことには毅然と諫止することもあり、強硬な頼朝の姿勢と坂東武士との間に隙間風が生じてしまうことを常に心配している。
頼朝が挙兵する際には、山内首藤経俊を味方に引き入れようとするが断られる。石橋山の戦いでは、敗走後も頼朝に常に付き従い、安房へ渡ると千葉常胤を味方に引き入れることに成功する。頼朝が亀を気に入った際には、その素性を調べて頼朝と引き合わせる。その後、富士川の戦いや金砂城の戦いにも参戦する。これまでの功績により「軍功特に大なり」と評されると、その文言を見て嬉し泣きする。
謀反計画を立てた御家人の処罰に関しては、温情をかけるよう頼朝に進言し、義時たちが義高を逃がそうとした際には機転を利かせて脱出の手助けをする。
富士の巻狩りの際には、頼朝が比奈に会いに行こうとすると、御台所の許可が必要であると頼朝を制す。
弥九郎(やくろう)
演:渡部澪音
盛長の息子。
鶴丸が孤児であることをからかったため、金剛(北条泰時)と喧嘩になり殴られる。

梶原家とその関係者

梶原景時(かじわら かげとき)★
演:中村獅童
相模鎌倉郡の豪族[19]。通称は平三(へいぞう)。
無骨な坂東武者が多い中、冷静に状況を判断する現実主義者。和歌を詠むなどの教養も持ち合わせる、文武両道の武人。
石橋山の戦いでは平家方として戦い、大庭景親や山内首藤経俊らとともに頼朝を追い詰める。しかし、山中に隠れていた頼朝を発見した際、頼朝は天に守られていると感じて見逃す。のちに頼朝が勢いを盛り返すと、景親らと袂を分かつ。義時とは敵方の交渉役として上総広常の館で知り合い、伊豆山権現社に匿われていた政子らが鎌倉入りするための衣類を用立てしたのをきっかけに、義時の仲介で頼朝の家人となる。
以降は侍所の所司となり、頼朝の命で諜報活動を行うようになる。頼朝の失脚を狙う反頼朝派がいることを突き止めるとその会合に潜り込むが、和田義盛らに内偵を気付かれており捕まる。のちに解放されると頼朝から寝返りを疑われたため、御家人が集まる大倉御所にて広常を誅殺し、変わらぬ恭順の意を示す。その際、広常に双六を提案し、その勝敗の結果で広常を殺すかどうかを占う。この出来事により他の御家人たちとの間に溝ができる。
西国遠征の際には源範頼率いる本隊の軍奉行(いくさぶぎょう)を務める。源義経とは、鉢伏山からの奇襲や逆櫓論争など、戦術を巡って対立するものの、彼の判断には理解を示しており、一ノ谷の戦いにおける義経の戦いぶりを「八幡大菩薩の化身」と評価する。屋島の戦いでは、嵐の中船で出陣する義経を止めず、無事に屋島へ辿り着けるか否かで義経が神に選ばれた男かどうかを占う。壇ノ浦の戦いでは、頼朝から総大将に任命され、義経を戦に出すなと命じられるが、義経が大将となれるよう芝居を打つ。
平家が滅亡すると、「天に選ばれたものは二人もいらぬ」と頼朝に義経についての讒言を行い、結果、このことが義経と頼朝の対立の原因となる。義経が討ち取られた後、義経が考案した鎌倉攻撃の策の書かれた紙を義時から渡され、「この通りに攻められれば鎌倉は落ちていたであろう」と感心する。
梶原景季(かじわら かげすえ)
演:柾木玲弥
景時の嫡男。
上総広常誅殺を命じられた父を心配しながらもこれに協力し、誅殺の際には父に刀を手渡す。
善児(ぜんじ)
演:梶原善
下人百姓の出身で、元は伊東祐親の雑色。
刺客として用いられており、暗殺だけでなく、諜報活動も行う。主命を粛々と実行し、感情を表に見せることはない。
祐清に命じられて千鶴丸を溺死させる。また、頼朝が挙兵すると、祐親の命で工藤茂光と北条宗時を暗殺する。伊東の館が頼朝軍に包囲された際には、祐親から八重を殺す命を受けていたが、江間次郎を殺害した後、三浦義村と戦闘になって手傷を負う。伊東家の離散後は、畠山の館に盗みに入ったところを捕まり、梶原景時に拾われる。
景時の命により旧主である祐親・祐清父子を暗殺すると、上総広常の誅殺にも加担する。また、静御前が男子を生んだ際には、その子を由比ヶ浜に沈める。義時が奥州へ向かう際には景時の命で行動を共にし、藤原頼衡を殺害する。範頼へ大姫を呪詛した疑いがかけられた際は、景時の命で修善寺にて範頼を誅殺する。

畠山家

畠山重忠(はたけやま しげただ)
演:中川大志
武蔵の豪族。通称は次郎(じろう)。
武勇に優れ、清廉潔白な人柄から「坂東武士の鑑」と評されている。
義時や義村らと仲が良かったが、が平家との繋がりが深いこともあり、頼朝の挙兵に際しては心ならずも北条家や三浦家と敵対することになる。三浦の本拠地である衣笠城を陥落させるなど武功を挙げるが、頼朝方が優勢になると鎌倉入り前に降伏する。頼朝と坂東武者たちとの間を取り持つ義時を、陰に陽に手助けする。
頼朝に仕えた当初は、若く見た目が良いことを理由に目立つ役割に優遇され、広常らに嫉妬される。とりわけ和田義盛には強く反発されているが、御家人たちの謀反騒動の際にはそれを逆手に取った言動をとり、万寿を連れ去ろうとした義盛を制御する。
義仲追討の際には、範頼が総大将を務める本軍に加わり、先発隊と合流すると義経軍に属す。宇治川の戦いでは、先陣争いが行われている間に川を渡って武功を上げる。一ノ谷の戦いでは、義経と共に鉢伏山から奇襲を行い、源氏軍の勝利に貢献する。一度鎌倉へ戻ると、義時に頼まれて義高を逃がすための作戦に協力する。再び鎌倉を出陣すると義経軍に属し、壇ノ浦の戦いでは船頭を射殺そうとする義経を制止する。
ちえ
演:福田愛依
重忠の妻。北条時政の三女。義時の異母妹。

稲毛家

稲毛重成(いなげ しげなり)
演:村上誠基
武蔵の豪族。
義時に「忘れないであげてください」と言われるほど北条の婿の中でも影が薄い。
あきとの夫婦仲は非常に良好で、それだけに彼女に先立たれたことをとても悲しみ、供養のために相模川に橋を掛ける。
あき
演:尾碕真花
重成の妻。北条時政の四女。義時の異母妹。
小さい頃より体が弱く、夫の重成に先立って亡くなる。

その他の坂東武者・御家人

仁田忠常(にった ただつね)
演:高岸宏行
伊豆の豪族。北条家とは所領が近い[20][21]
気が優しく笑顔を浮かべていることが多いが、剛腕で武勇に秀でる。
頼朝の挙兵に際しては北条家と同調する。宗時が届けられなかった観音像を見つけるとこれを届けたり、伊豆山権現社に匿われた政子らを鎌倉まで護衛したりする。
頼朝が義高を討つよう命じると、義時らと共に義高の逃亡を手助けする。また、一条忠頼の誅殺の際には、緊張で動くことのできない工藤祐経に代わり忠頼を斬る。
八重が事故で亡くなると、義時と共に子供たちの世話をする。富士の巻狩りの際には、時政の命で曽我兄弟の仇討ちに協力するが、彼らの言動がおかしいことに気づいて曽我十郎と戦闘になり、見事討ち取る。
工藤茂光(くどう もちみつ)
演:米本学仁
伊豆の豪族。北条家とは所領が近く、義時らと仲が良い[* 34]
非常に恰幅が良く、頼朝から太り過ぎと心配される。
石橋山の合戦の敗戦後、北条館に向かう宗時とともに鎧を取り換えるため自身の所領に戻ろうとするが、目前で善児の手に掛かって討たれる。
藤内光澄(とうない みつずみ)
演:長尾卓磨
伊豆の武士。
頼朝の命で逃亡した源義高の首級を挙げるが、政子の怒りを買う。約束された褒美を得るどころか捕縛され、状況が理解できないまま義時の立会いのもと斬首され、首は片瀬川に晒される。
大庭景親(おおば かげちか)
演:國村隼
相模の豪族。
相模の奉行」と称し、平家を後ろ盾として北条家はおろか伊東家や三浦家をも凌ぐ勢力を持つ。
平治の乱では頼朝の父・義朝に味方したが敗れ、平清盛の温情に助けられてからは平家方に与している。
伊東館を逃れ北条館に逃げ込んだ頼朝の引き渡しに端を発した伊東祐親と北条時政の小競り合いでは、両者の仲介役を務める。
頼朝が挙兵すると、石橋山の戦いで北条時政を挑発して撃破し、山内首藤経俊や梶原景時らとともに頼朝を追い詰めるが取り逃がす。のちに頼朝が力を盛り返し鎌倉へ入ると景時に見限られ、経俊とともに捕らえられる。時政や三浦義澄に対しては勝者のように饒舌となり、上総広常に対しては頼朝を生かしたことを後悔しないよう警告する。即座に広常に斬首され、首は木の枝から吊るす形で晒される。
土肥実平(どい さねひら)
演:阿南健治
相模土肥郷の豪族[22]。通称は次郎(じろう)。
湯河原の温泉郷に館を構える[22]。「みんな仲良く」が口癖で、坂東武者同士の争いを嫌う。
伊東祐親の追手から逃れた頼朝を匿ったり、頼朝の挙兵にいち早く呼応するなど頼りとされる。頼朝が石橋山の戦いで敗れ、方々を彷徨った際も頼朝の側を片時も離れず、所領で手配した小舟で真鶴岬から安房へ脱出させる。頼朝らとともに鎌倉入りすると、平家討伐を急ぐ頼朝に坂東の地固めを主張する。その後は、富士川の戦いや金砂城の戦いに従軍する。
頼朝が義仲の討伐を決めると反頼朝派の謀議に参加するが、頼朝に弓引くことにためらい、体調不良を理由に離脱する。義時に謀議について問い詰められると、謀反の計画があることをほのめかす。
義仲追討の際には、範頼が総大将を務める本軍に加わり、先発隊と合流すると義経の生き生きとした姿に感嘆する。範頼と共に勢多へ向かい、義仲軍を破って入京すると、義経と共に後白河法皇に謁見する。その後、一ノ谷の戦いにも参戦する。
山内首藤経俊(やまのうちすどう つねとし)
演:山口馬木也
相模の豪族。は頼朝の乳母[12]。通称は瀧口三郎
平治の乱でが戦死し、家督を継いでいる[12]。楽観的で自主性がなく、長いものに巻かれやすい。
祐親の追手から富士山麓に逃れた頼朝と再会する。頼朝の挙兵に参加することを約束するが、いざ挙兵するとそれを反故にして、平家方として景親らとともに頼朝に弓を引く。しかし、頼朝を取り逃したため形勢は逆転し、景親とともに捕らえられる。見苦しく弁明するが、母が頼朝に嘆願したことで放免となる。
足立遠元(あだち とおもと)★
演:大野泰広
武蔵の豪族。
文筆の才能に長け、頼朝から大倉御所の差配を任される。政子のもとへ突然現れたため、その場に居合わせた実衣から「一番得体のしれない」と評される。のちに大姫の遊び相手にもなる。
佐々木秀義(ささき ひでよし)
演:康すおん
元は近江の豪族。頼朝の祖父・源為義の娘婿。
歯がほとんど抜け、発言内容は不明瞭である。同じ老将である岡崎義実や土肥実平とは馬が合う。
平治の乱では頼朝の父である義兄・源義朝に従い戦うが敗れ、坂東へ逃れている。頼朝の挙兵には齢68歳ながら参陣し、言葉の行き違いのため頼朝らを混乱させてしまうものの、遅れて参陣した息子らとともに山木兼隆がいる山木館を襲撃する。
佐々木定綱(ささき さだつな) / 佐々木経高(ささき つねたか) / 佐々木盛綱(ささき もりつな) / 佐々木高綱(ささき たかつな)
演:木全隆浩(定綱) / 江澤大樹(経高) / 増田和也(盛綱) / 見寺剛(高綱)
秀義の息子たち。
次男・経高が山木館に火矢を射掛けたことが、4年7か月におよぶ源平合戦の始まりとなる。
安西景益(あんざい かげます)
演:猪野学
安房の豪族。
頼朝とは幼馴染であり[* 35]、石橋山の戦いで敗れて安房へ逃れた頼朝を支援する。また、頼朝が亀を気に入ると、安達盛長に亀の素性を教える。
長狭常伴(ながさ つねとも)
演:黒澤光司
安房の豪族。通称は六郎(ろくろう)。
平家方に与しており、大庭景親から情報を得て頼朝の宿舎を襲撃するが、漁師・権三らと乱闘になった隙を突かれて、三浦義村に討ち取られる。
上総広常(かずさ ひろつね)
演:佐藤浩市
上総の豪族。通称は介八郎(すけのはちろう)。「上総介(かずさのすけ)」と呼ばれることが多い。
2万騎と称される大兵力を持つ。自尊心が高く、頼朝と平家を値踏みしたうえで、頼朝の運を見定め頼朝方につくことになる。その際に頼朝の陣にあえて遅参して、頼朝の出方次第ではこれを討たんと目論むが、それを見抜いた頼朝に一喝されたことで臣従する。坂東における源氏方と平家方の力関係の差は決定的となり、鎌倉入り後に御家人の筆頭となる。
頼朝を「佐殿」と呼ぶことを嫌がり、義村に入れ知恵された義時から教えられた「佐」の唐名を「仲間」への呼びかけと誤解したまま「武衛」と呼ぶ。
金砂城の戦いでは、戦がしたいと身勝手な振る舞いをする義経を諌め、交渉の使者として金砂城へ向かうが、挑発されたことで佐竹義政を切り捨ててしまうという短気な面を見せる。
義時からは相談事を持ち掛けられるなど頼りにされており、亀の前事件の際には義時の頼みで亀を館に匿っている。また、広常も義時に心を開き、書や文字に拙いため上京を見越して練習していることを義時だけに明かしている。
上皇からの義仲討伐命令に反発する御家人たちの頼朝への武力蜂起を不発に終わらせるための計画の中で、広元から頼まれて謀叛軍の中に入り込む工作を行う。しかし、これは坂東で大きな力を持つ広常を警戒した頼朝たちの謀略であり、蜂起鎮圧後、頼朝の命を受けた景時の手で蜂起の首謀者として、他の御家人たちの面前で「誅殺」の名目で粛清される。しかし、広常に頼朝への反発心は一切なく、頼朝の大願成就と東国の泰平を願う願文が粛清後に見つかる。
死後、その膨大な所領や財産は他の御家人たちに分け与えられたことから、以降は頼朝の思惑通りに、不忠の名目で御家人が誅されれば、その家の財産が手に入るという欲と警戒と恐怖が御家人たちの間に生まれ、鎌倉殿への忠誠心と、「鎌倉」としての組織が固まることになる。
千葉常胤(ちば つねたね)
演:岡本信人
下総の豪族。上総広常の又従兄弟[23]
頼朝から頼られる坂東の重鎮[* 36]
頼朝が安房へ逃れると、齢60歳過ぎにして下総の目代を討ち取り、その首級を手土産にいち早く味方につく。その際、感激した頼朝から「父も同然」と言われる。
頼朝の鎌倉入り後は、富士川の戦いや金砂城の戦いに従軍する。義経が頼朝の馬引きを断るとこれを志願するが、見栄えを理由に断られている。
頼朝の西国遠征には反対し、反頼朝派を先導して頼朝を御所から退去させる計画を立てる。しかし、頼朝側に計画がばれて失敗。自害しようとするが義時らに説得され断念し、兵を退くことを条件に許される。
佐竹義政(さたけ よしまさ)
演:平田広明
常陸の豪族。
甲斐源氏と先祖が同じ常陸源氏でありながら、平家方に与している[* 37]
頼朝が派遣した佐竹討伐軍の一員である上総広常と金砂城の門前にて交渉するが、挑発の言葉を口にしたため斬られる。佐竹軍は金砂城に籠り徹底抗戦するが、佐竹義季が広常と内通したことで開城し降伏することになる(金砂城の戦い)。
八田知家(はった ともいえ)★
演:市原隼人
常陸の豪族。
頼朝に道路修繕を命じられ、直している。八重が孤児を世話していることを知り、義時に孤児・鶴丸を引き渡す。
巻狩りに於いてなかなか獲物を射止められない万寿(頼家)のために鹿の仕掛けを作り、かつ万寿が矢を外した時も草葉の陰からそれを射止めるなど、陰ながら頼朝政権を支える。
小山朝政(おやま ともまさ)
演:中村敦
下野の豪族。小山政光の息子。は頼朝の乳母[注釈 19]
頼朝の鎌倉入り後に家人となる。乳母子であることで優遇され、広常に嫉妬される。
結城朝光(ゆうき ともみつ)
演:高橋侃
下野の豪族。小山政光の息子、母は寒河尼。頼朝の烏帽子子。通称は七郎(しちろう)。
琵琶の名手。
小笠原長経(おがさわら ながつね)
演:西村成忠
頼家の側近。通称は弥太郎(やたろう)。
中野能成(なかの よしなり)
演:歩夢
頼家の側近。通称は五郎(ごろう)。

鎌倉の文官

三善康信(みよし やすのぶ[注釈 4])★
演:小林隆
下級公家。太政官書記。母は源頼朝の乳母[24]
忠実に仕事をこなすが少々慌てもので、早とちりすることがある。
流人となった頼朝に月に一度書状を送り、都や朝廷の情勢を伝える。以仁王の挙兵の際には、「平家が以仁王の令旨を受け取った全ての源氏を追討しようとしている」という誤った内容の書状を送り、頼朝の挙兵のきっかけを作る。平家が南都焼討ちを行うとその悲惨な光景を頼朝に伝える。
鎌倉入りした頼朝に要請され、大江広元・中原親能・藤原行政を側近に推挙する。その後、平家が都落ちした際も頼朝にこれを知らせる。義仲軍が入京すると雑兵に乱暴されそうになり、義仲に助けられる。
のちに鎌倉に下向し、仲裁が得意だという理由で問注所執事となる。
大江広元(おおえ ひろもと[注釈 4])★
演:栗原英雄
頼朝の知恵袋であり、政策を担う官僚。元は朝廷に仕える下級公家。官職は安芸(あきのすけ)[注釈 20]
頼朝の要請で三善康信の推挙により中原親能・藤原行政とともに鎌倉に下向する[25]。頭脳明晰だが冷静かつ冷徹な性格で、坂東武者とは違った立場で動向を観察、分析して頼朝を支える。
鎌倉に下向して早々、頼朝から鎌倉に足りないものは何か見極めるよう頼まれる。その後、義時は頼りになり広常は今後の憂いになるという分析結果を頼朝に伝える。
頼朝が義仲の勢力拡大を懸念すると、「義仲の真偽を確かめるために信濃へ軍勢を送り、平家との繋がりがないという証に人質を出すよう義仲に要求する」という案を考案する。その後、御家人たちが軍勢を送ることに反対すると、死者を送って義仲の本意を探るよう提案する。また、義仲が入京したことに不安がる頼朝に、後白河法皇と義仲は必ず対立するという自身の分析を伝える。
御家人たちの中で謀反計画が進行していることを知ると、「最も頼りになるものは最も恐ろしい」という考えのもと、この計画を利用して広常を排除しようと考え、義時を利用して広常をわざと謀反計画に加担させ、その罪を広常一人にかぶせて誅殺する。
公文所が設置されると、その別当となる。
中原親能(なかはら ちかよし[注釈 4])★
演:川島潤哉
頼朝を支える官僚。官職は斎院次官(さいいんのすけ)[注釈 20]
主に外交を担当し、鎌倉下向後も頼朝の使者として度々上洛する。義経の後白河法皇への拝謁のときにも同道し、義経の検非違使任官については、鎌倉殿の任官推挙が無いことを進言する。
二階堂行政(にかいどう ゆきまさ)★
(藤原行政 → 二階堂行政)
演:野仲イサオ
頼朝を支える官僚。本姓藤原行政(ふじわら の ゆきまさ)。官職は主計(かずえのじょう)[注釈 20]
政所で財務に関する仕事をこなす。口数が非常に少なく、表情も変えずに黙々と政務をこなす。八重を亡くした義時が仕事場に居座った時には「やりづらいんだよ」と正直な意見を伝えている。

平家

平家一門

平清盛(たいら の きよもり)
演:松平健[注釈 21]
平家の棟梁。武士として初めて太政大臣となり[26]、剃髪しているため「相国(へいしょうこく)」「清盛入道」と称される。法名は「浄海[注釈 22]
平治の乱に勝利した後、敵将・源義朝の長男・義平以外の子息は助命し、頼朝は伊豆へ配流、あとは寺へ入れている[26]。その後は平氏政権を樹立し、大輪田泊の交易(日宋貿易)で莫大な富を手に入れ、朝廷とのつながりで一族を要職に就かせるなど、絶大な力を誇る。
後白河法皇とは蜜月の仲だったが、鹿ケ谷の陰謀が露見したことで[26]福原に幽閉し、外孫である安徳天皇を即位させる(治承三年の政変)。
以仁王の挙兵はすぐに鎮圧し、頼朝の挙兵は気にも留めていなかったが、反乱が大規模になると次々と対応策を打つ。王の挙兵に協力した近江の園城寺や奈良の東大寺を焼き討ちにするが病に倒れ、京の六波羅にある平盛国の館で二位尼や宗盛らに看取られて65年の生涯を閉じる。臨終の際、頼朝の首を自身の墓前に供えるよう宗盛に言い遺しており、これが平家滅亡へと繋がることになる。
二位尼(にいのあま)
演:大谷恭子
清盛の妻。宗盛の母。
清盛の臨終の際には宗盛とともに立ち会っている[注釈 23]
壇ノ浦の戦いで平家軍が追い詰められると、三種の神器のひとつである宝剣を抱いて入水する。
平宗盛(たいら の むねもり)
演:小泉孝太郎
平清盛の三男[27]で後継者[* 39]の死により家督を相続する[27]
清盛が頼朝を死罪にせず伊豆へ配流にしたことを気にしている。頼朝の挙兵を侮って対応が遅れ、鎮圧どころか規模を拡大させる失態で清盛を激怒させる。清盛が死ぬと後継者として平家を守ろうとするが、源氏の大軍が京に迫ると安徳天皇と三種の神器を擁して都落ちする。その際、後白河法皇も連れて行こうとするが、逃げられてしまう。
その後、一ノ谷の戦いで義経の奇襲によって破れると四国の屋島に渡る。しかし、続く屋島の戦いでも嵐の中を上陸してきた義経軍に敗れ、壇ノ浦の戦いで遂に平家を滅亡させてしまう。自身は壇ノ浦で入水するも失敗して捕らえられる。
検非違使である義経に連れられて鎌倉に赴き、御簾越しの頼朝と対面する。その後、鎌倉内に入れない義経に対し、頼朝宛の書状の代筆を申し出る。義経の取り計らいにより、本来罪人同士で会うことのできない嫡男・清宗と対面する。
平維盛(たいら の これもり)
演:濱正悟
清盛の嫡孫[28]。清盛の嫡男・平重盛の嫡男[28]。官職は少将[注釈 24]
容姿端麗で「光源氏の再来」と称される[* 40]
頼朝追討軍の総大将として大軍を率い鎌倉へ遠征するが、富士川の戦いで水鳥の羽音に総崩れとなり惨敗する。
平知盛(たいら の とももり)
演:岩男海史
宗盛の同母弟。
一ノ谷の戦いでは主力を率い、福原の東方に陣取る源範頼軍と対峙する。
平清宗(たいら の きよむね)
演:島田裕仁
宗盛の嫡男。
壇ノ浦の戦いで父・宗盛とともに捕らえられる。義経の取り計らいにより、罪人同士で本来会うことのできない父と腰越で対面する。

伊豆の代官

堤信遠(つつみ のぶとお)
演:吉見一豊
伊豆の権守。山木兼隆の後見役
平清盛から権守に任命されたことを笠に着て、道ですれ違った北条義時を無理やり跪かせたり、国衙に参上した北条時政らを反平家に加担したと疑い恫喝するなど、横暴な振る舞いが多い。
源頼朝の挙兵の際には山木兼隆とともに標的となり、堤館に乗り込んだ時政・宗時・義時に討ち取られる。
山木兼隆(やまき かねたか)
演:木原勝利
伊豆の目代。本姓は平兼隆(たいら の かねたか)。
以仁王の挙兵の後に、清盛の義弟・平時忠が伊豆の知行国主となったことから目代に任じられる。
頼朝の挙兵では最初の標的となり、三島明神大祭当日に山木館にいたところを討ち取られる。
中原知親(なかはら ともちか[注釈 4]
演:森本武晴
伊豆の目代。下田を治める。山木兼隆の縁者。
顔が長く[* 41]、義時や宗時から「馬面」と揶揄される。
山木と堤を討ち取った坂東武者への論功行賞のため、頼朝により領地を召し上げられる。

朝廷

天皇・皇族

後白河法皇(ごしらかわほうおう)
演:西田敏行[注釈 25]
治天の君。「日本一の大天狗(ひのもといちのおおてんぐ)」と称される[* 42]
直轄軍を持たずに自らの威光を保つため、源氏と平家、源頼朝・木曽義仲・源義経を操り戦わせ翻弄する。
天皇在任時に保元の乱で兄・崇徳上皇方を破り、権力を強化する[29]二条天皇へ譲位後、院政を開始する[29]。平清盛とは蜜月の仲であったが、間を取り持っていた清盛の義妹・建春門院(演:一木香乃[* 43])が死去すると関係が悪化し[* 44]、鹿ケ谷の陰謀が発覚すると福原に幽閉される(治承三年の政変)。その頃から源頼朝の夢枕にたびたび現れ発破の言葉を掛ける。
富士川の戦いで平家軍が源氏軍に大敗すると大いに喜ぶ。その後、清盛自らが頼朝の討伐に動き出すと、頼朝の討伐が成功するための祈祷を行うと偽って文覚を呼び寄せ、清盛を呪い殺す呪詛を行うよう命じる。清盛が死んだ際には、天罰が下ったと喜ぶ。宗盛に政権を返上されると、頼朝追討の院宣を平家に与える。
義仲の軍が京に迫ると、自身と安徳天皇を連れて都を落ち伸びようとする平家から逃れるため、法住寺殿を脱出して比叡山へと向かう。義仲が入京すると京へ戻り、義仲と行家に平家追討と三種の神器の奪還を命じる。しかし、京のしきたりに無知であり、三種の神器も知らない義仲に失望する。その後、三種の神器が無い中で後鳥羽天皇を即位させる。義仲と行家に西国への出陣を命じると頼朝と接近し、頼朝を従五位下に復帰させる。さらに、東海道・東山道の軍事支配権も認める。これに怒った義仲が京へ戻ると頼朝に助けを求める。義経の軍が京に迫ると、義仲に法住寺殿を襲撃されて再び幽閉される。その後、義仲に頼朝追討の院宣を下す。
範頼・義経の軍によって義仲が討たれると解放され、入京してきた義経と対面する。その際、義仲と違い、すぐに平家討伐へ向かおうとする義経を大いに気に入る。一ノ谷の戦いの前には、義経からの要請により、宗盛に源氏軍と和議を結ぶよう要請する。その後、一ノ谷で平家軍を破った恩賞として義経を検非違使に任じ、任官の前祝いとして静御前を遣わす。
義経が壇ノ浦の戦いで平氏を滅ぼすと、安徳天皇と三種の神器を奪還できなかったことを不問に処す。また、義経が鎌倉へ帰るために検非違使を返上しようとすると、再び京へ戻ってもらうため返上は認めず、罪人である宗盛を鎌倉に護送するという名目での鎌倉行きを許す。その後、頼朝が義経を伊予守に推任すると検非違使と兼任させ、義経が義朝の追善供養に参加するために鎌倉へ帰ろうとすると、仮病を使ってこれを阻止する。これらの行為が原因となって頼朝と義経が対立すると、義経に頼朝追討の院宣を与える。しかし、義経に兵が集まらないとわかると、義経追討の院宣を頼朝に与える。これらの行為を、上洛した時政と義時に問い詰められると、全国に守護・地頭を設置することを容認する。
安徳天皇(あんとくてんのう)
演:相澤智咲(嬰児期:伊藤光之丞
後白河法皇の第七皇子・高倉天皇の第一皇子。母は清盛の娘・建礼門院[* 45]
平清盛の外孫でもあり、清盛により法皇が幽閉されると3歳で天皇に即位する。
木曽義仲が率いる討伐軍が都に迫ると、平宗盛によって三種の神器とともに都落ちする。一ノ谷、屋島へと逃れ、壇ノ浦の戦いで平家軍が追い詰められると、女官に抱かれて入水する。
後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)
(後鳥羽天皇→後鳥羽上皇)
演:尾上松也(幼少期:尾上凛、少年期:菊井りひと
後白河法皇の孫。高倉上皇の第四皇子[* 46]。安徳天皇の異母弟。
兄・安徳天皇が平家とともに都落ちすると、三種の神器が無いまま4歳で天皇に即位する[* 46]
以仁王(もちひとおう)
演:木村昴
後白河法皇の第三皇子。
清盛により法皇が幽閉されると、打倒平家と法皇の奪還を試みて諸国に挙兵の令旨を送る。しかし、清盛の知るところとなり自ら挙兵するも敗れ、奈良に逃れる途中で討たれる(以仁王の挙兵)。

朝廷の女性

丹後局(たんごのつぼね)
演:鈴木京香
後白河法皇の寵妃。
法皇の側近・平業房と結婚するが、法皇の幽閉で夫が伊豆に配流となり処刑される[30]。のちに法皇の寵愛を得て、皇女・覲子内親王を産む[30]
政治感覚に優れ、単に寵妃というだけでなく法皇の秘書的役割を果たし、権勢を持った。法皇崩御後は通親と組んで権勢を維持、後鳥羽天皇への入内についての相談にきた政子・大姫親子を恫喝するなど、朝廷の実力者としての凄みを見せつけた。

公家

平知康(たいら の ともやす)
演:矢柴俊博
後白河法皇の側近。壱岐守平朝親の子[31]
の名手で「鼓判官(つづみのほうがん)」と呼ばれる。作法しきたりに疎い田舎侍を毛嫌いしている。
京から平家を追い出した恩賞に不服で院御所に乗り込んだ木曽義仲を阻止しようとするが、渾名である「鼓判官」を揶揄され殴られる。また、義仲が法住寺殿を襲撃すると防戦の指揮を執るが大敗し(法住寺合戦)、その結果、義仲によって後白河法皇は幽閉される。
九条兼実(くじょう かねざね)
演:田中直樹
摂関家の実力者。
木曽義仲の後白河法皇への謁見の際には、義仲のその無知ぶりを嘲笑う。
頼朝・義経兄弟への対応に関して後白河法皇に振り回される。義経の検非違使と国司の兼任については「未曽有のこと」と繰り返し、義経への追討宣旨発布には「もう一度」を繰り返し、言葉の内に抵抗する。
上洛した頼朝と対面すると、自身のが後鳥羽天皇入内していることを伝え、大姫入内を画策する頼朝を牽制する。
その後、朝廷の内部に於いて、勢力を強める土御門通親と力関係が逆転し、当初予定されていた頼朝と陳和卿との対面を拒絶される。
土御門通親(つちみかど みちちか)
演:関智一
朝廷の実力者。
知謀に長けており、兼実の追い落としに成功する。後鳥羽天皇に自分の娘を入内させ、その娘が産んだ皇子を土御門天皇として即位させた。以降、後鳥羽上皇の後見役にして天皇の外祖父として絶大な権勢を振う。
一条高能(いちじょう たかよし)
演:木戸邑弥
京で勢力を伸ばす一条家の嫡男。頼朝の甥。
大姫の入内計画が一時潰えると、新たな嫁ぎ先として頼朝が定めて鎌倉に呼び寄せる。笙の音色を聴かせるも、大姫から義高が生きている体で許嫁がいると断られ、呆れて帰洛する。
通親の権勢の増大に危機感を抱き暗殺を企むが失敗に終わる。

奥州藤原氏

藤原秀衡(ふじわら の ひでひら)
演:田中泯
奥州藤原氏第3代当主。源義経からは「御館(みたち)」と呼ばれている。官職は鎮守府将軍[注釈 26]
平泉を拠点に陸奥出羽を支配して平家と並ぶ勢力を誇り、「奥州の覇者」と称される[32]。京から来た源氏の御曹司である義経を庇護、養育する[32]。平家から頼朝追討の書状、義経から援軍要請の書状が来た際には、どちらにも承知する旨の書状を出し、中立の立場を取る。
とく
演:天野眞由美
秀衡の正室。泰衡の母。
秀衡の遺言により、義理の長男である国衡の妻となる。
藤原国衡(ふじわら の くにひら)
演:平山祐介
秀衡の長男。藤原泰衡の異母兄[* 47]
弟の泰衡とは仲が悪く、度々衝突する。一方で義経には協力的であり、義経と共に農作業も行っている。
藤原泰衡(ふじわら の やすひら)
演:山本浩司
秀衡の次男で後継者[* 48]
平泉にやって来た義時の恫喝に屈し、自ら兵を率いて義経の居館を襲撃する。
藤原頼衡(ふじわら の よりひら)
演:川並淳一
秀衡の六男。泰衡の異母弟。
平泉に来た義時の動きを不審に思い、刀を抜いて真意を尋ねたところで善児に殺される。
河田次郎(かわだ じろう)
演:小林博
泰衡の家人。
主人・泰衡を裏切って殺し、頼朝にその首を献上する。しかし頼朝に主人を裏切ったことを非難され、その場で斬罪を命じられる。


文化人

僧侶

文覚(もんがく)
演:市川猿之助
神護寺
出家前は源頼朝の父・義朝とともに北面武士として院御所の護衛を務めていたとして、誰とも知れぬ髑髏を「源義朝のしゃれこうべ」と吹聴し、平家打倒を説いて回る。北条宗時を介して頼朝に迫るも追い返される。
平清盛を呪詛により呪い殺したことから後白河法皇の覚えめでたく神護寺の僧となる。また呪詛が京で評判となり、藤原秀衡の呪い殺しを依頼されて鎌倉に下ってくる。
しかし呪詛を怠って土着化するそぶりを見せると、頼朝によってその仕事は全成に取って代わられ、千葉・岡崎らの反頼朝派の謀議に加わる。その際、万寿を連れ去って頼朝に御所からの退去を迫るという計画のため、「足固めの儀式」という架空の儀式をでっち上げ、万寿や政子を鶴岡八幡宮に呼び寄せる。
義朝の菩提を弔うための勝長寿院での供養の際には、再び義朝のものと称する髑髏を持って頼朝のもとに参上する。鎌倉殿が本物と認めれば本物になるのだと力説し、頼朝はついに髑髏を父のものと認める。
文陽房覚淵(もんようぼう かくえん)
演:諏訪太朗
伊豆山権現祀る社の長。
頼朝の挙兵の際には、政子らを寺女として匿う。また、千鶴丸に会うため訪れた八重には事の顛末を伝える。
土佐坊昌俊(とさのぼう しょうしゅん)
演:村上和成
元興福寺の僧兵。里に導かれ京の義経邸を襲撃する。
住職(じゅうしょく)
演:緒方賢一
願成就院の住職。運慶の作った本尊・阿弥陀如来を見に来た時政・義時・時連(時房)を迎え入れる。

仏師・技師・医師

運慶(うんけい)
演:相島一之
大和国仏師
さっぱりとした性格で、願成就院の本尊・阿弥陀如来の製作を依頼された時政とも、依頼者と製作者という関係以上の深入りをしない。
陳和卿(ちん なけい)
演:テイ龍進
の技術者。
東大寺の再建供養式典の際、源頼朝から面会を申し入れられたが、「頼朝は平家と戦った時に多くの人の命を奪っており、罪業の深い人間であるので面会したくない」と回答して面会を辞退する。
医者(いしゃ)
演:春海四方
落馬して意識不明となった頼朝を診察する。

市井の人物

権三(ごんぞう)
演:竹内まなぶ
安房の漁師。亀の夫。
源頼朝から妻を取り返すため宿舎を襲撃するも、そこで長狭常伴と鉢合わせて乱闘となる[注釈 27]
藤平太(とうへいた)
演:大津尋葵
相模腰越の村人。
駿河へ出陣中の頼朝に会うため奥州から来た源義経一行と出会い、里芋煮を振る舞う。
のちに、鎌倉入りできず腰越に留め置かれた義経一行と再会し、返礼として荷車一杯の里芋を与えられる。
野武士(のぶし)
演:慈五郎
義経一行と獲物の野兎を巡って口論となり、義経に騙され射殺される。
小六(ころく)
演:中村大輝
摂津の狩人。
三草山の戦いに勝利して一ノ谷に進軍するため山中を偵察していた義経らに、鵯越鉢伏山周辺の案内をする。
五藤太(ごとうた)
演:藤田健彦
伊豆修善寺の村人。妻(演:山田里奈)と共に農業に勤しむ。善児が範頼を暗殺した際の巻き添えとなり、妻ともども善児に殺される。
トウ
演:高橋愛莉
伊豆修善寺の村娘。


登場予定の人物

安達景盛(あだち かげもり)
演:新名基浩[* 49]
公暁(こうぎょう)
演:寛一郎[* 23]
慈円(じえん)
演:山寺宏一[* 24]
トウ
演:山本千尋[* 24]
のえ
演:菊地凛子[* 24]
(はつ)
演:福地桃子[* 24]
平賀朝雅(ひらが ともまさ)
演:山中崇[* 24]
藤原兼子(ふじわら の かねこ)
演:シルビア・グラブ[* 24]
源実朝(みなもと の さねとも)
演:柿澤勇人[* 22]
源仲章(みなもと の なかあきら)
演:生田斗真[* 24]
ゆう
演:大部恵理子[* 50]

スタッフ

  • 書道指導:金敷駸房
  • 双六指導:伊藤拓馬
  • 蹴鞠指導:高野健次
  • 飾りひも指導:多田牧子
  • 中国語指導:凌慶成

鎌倉殿の13人紀行

放送

放送時間

  • NHK BS4K:毎週日曜 9時 - 9時45分、20時 - 20時45分
  • NHK BSプレミアム:毎週日曜 18時 - 18時45分
  • 総合テレビ:毎週日曜 20時 - 20時45分
  • (再放送)総合テレビ:毎週土曜 13時5分 - 13時50分 / BS4K:毎週日曜 8時 - 8時45分

総合テレビでの放送分はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能。

放送日程

  • 初回は15分拡大。
  • 第18回は本編の放送時間を45分に拡大(「紀行」コーナーを別日時で放送)[* 51][* 52]
放送回 放送日 サブタイトル 演出 紀行 地上波視聴率
01回 01月09日 大いなる小競り合い 吉田照幸 鶴岡八幡宮神奈川県鎌倉市
史跡 北条氏邸跡静岡県伊豆の国市
17.3%[* 53]
02回 01月16日 佐殿の腹 音無神社(静岡県伊東市
蛭ヶ島公園(静岡県伊豆の国市)
14.7%[* 53]
03回 01月23日 挙兵は慎重に 末永創 総本山園城寺滋賀県大津市 16.2%[* 53]
04回 01月30日 矢のゆくえ 三嶋大社(静岡県三島市
香山寺(静岡県伊豆の国市)
15.4%[* 53]
05回 02月06日 兄との約束 吉田照幸 石橋山古戦場(神奈川県小田原市
伊豆山神社(静岡県熱海市
13.4%[* 53]
06回 02月13日 悪い知らせ 保坂慶太 しとどの窟(神奈川県湯河原町
源頼朝船出の浜(神奈川県真鶴町
13.7%[* 53]
07回 02月20日 敵か、あるいは 末永創 玉前神社千葉県一宮町
千葉神社(千葉県千葉市
14.4%[* 53]
08回 02月27日 いざ、鎌倉 吉田照幸 寿福寺(神奈川県鎌倉市) 13.7%[* 53]
09回 03月06日 決戦前夜 保坂慶太 横割八幡宮(静岡県富士市
八幡神社(静岡県清水町
14.0%[* 53]
第10回 03月13日 根拠なき自信 安藤大佑 西金砂神社茨城県常陸太田市 13.6%[* 53]
第11回 03月20日 許されざる嘘 吉田照幸 三十三間堂京都府京都市 13.5%[* 53]
第12回 03月27日 亀の前事件 末永創 正法寺埼玉県東松山市
妙本寺(神奈川県鎌倉市)
13.1%[* 53]
第13回 04月03日 幼なじみの絆 吉田照幸 豆塚神社(静岡県伊豆の国市)
最誓寺(静岡県伊東市)
12.9%[* 53]
第14回 04月10日 都の義仲 安藤大佑 俱利伽羅古戦場(富山県小矢部市
俱利伽羅神社石川県津幡町
12.1%[* 53]
第15回 04月17日 足固めの儀式 保坂慶太 十二所果樹園(神奈川県鎌倉市)
上総介塔(神奈川県横浜市
12.9%[* 53]
第16回 04月24日 伝説の幕開け 末永創 義仲寺滋賀県大津市 12.9%[* 53]
第17回 05月01日 助命と宿命 吉田照幸 清水八幡宮(埼玉県狭山市
常楽寺(神奈川県鎌倉市)
12.5%[* 53]
第18回 05月08日 壇ノ浦で舞った男 赤間神宮山口県下関市 12.7%[* 53]
第19回 05月15日 果たせぬ凱旋 安藤大佑 若宮八幡宮(京都府京都市)
吉野山奈良県吉野町
13.2%[* 53]
第20回 05月22日 帰ってきた義経 保坂慶太 高館義経堂岩手県平泉町
接待館遺跡(岩手県奥州市
12.8%[* 53]
第21回 05月29日 仏の眼差し 末永創 願成就院(静岡県伊豆の国市) 13.2%[* 53]
第22回 06月05日 義時の生きる道 中泉慧 東大寺(奈良県奈良市
法住寺(京都府京都市)
12.9%[* 53]
第23回 06月12日 狩りと獲物 吉田照幸 頼朝の井戸の森(静岡県裾野市
曽我の隠れ岩(静岡県富士宮市
13.3%[* 53]
第24回 06月19日 変わらぬ人 安藤大佑 源範頼の墓(静岡県伊豆市 12.0%[* 53]
第25回 06月26日 天が望んだ男 吉田照幸 旧相模川橋脚(神奈川県茅ヶ崎市 12.2%[* 53]
第26回 07月03日 悲しむ前に 保坂慶太 源頼朝の墓(神奈川県鎌倉市) 12.9%[* 53]
第27回 07月17日 鎌倉殿と十三人 末永創 永福寺跡(神奈川県鎌倉市)
第28回 07月24日 名刀の主
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

放送時間変更・休止

総合テレビ・再放送枠における放送休止など

再放送枠以外での再放送

  • 1月23日(日曜日)の13時05分 - 14時50分に総合テレビで初回と第2回を連続再放送。
  • 「深夜のイッキ見!」編成の一環として、2月17日(16日深夜)と18日(17日深夜)に総合テレビで第1回から第6回までを集中再放送。

これらの再放送はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能となる。

ダイジェスト

1か月分の放送をダイジェストにした「20分でわかる!『鎌倉殿の13人』」を放送。ナレーターは木村昴。放送内容は前後編に分けてNHKの公式YouTubeでも公開。

また、各回のダイジェストの初回放送時はそれまでの放送分も合わせて放送される。これらの放送はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能となる。

放送回 初回放送日 放送時間 本編回
01月ダイジェスト 02月06日(5日深夜) 01時31分 - 01時51分 01回 - 第04回
02月ダイジェスト 03月05日(4日深夜) 02時45分 - 03時05分 05回 - 第08回
03月ダイジェスト 04月03日(2日深夜) 00時10分 - 00時30分 09回 - 第12回
13-17話ダイジェスト 05月02日(1日深夜) 02時55分 - 03時16分 第13回 - 第17回

番組宣伝

関連商品

サウンドトラック

  • 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックVol.1(2022年2月9日発売、SMJ、EAN:4547366540970)

書籍

公式ガイドブック
  • NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人(NHK出版
    • 前編(2021年12月25日発売、ISBN 978-4-14-923389-5
    • 後編(2022年5月27日発売、ISBN 978-4-14-923390-1
    • 完結編(発売日未定)
  • NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 鎌倉殿の13人 北条義時とその時代(NHK出版、2021年11月30日発売、ISBN 978-4-14-911053-0
ガイドブック

DVD/BD

  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第壱集 BOX(2022年7月22日発売予定)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第弐集 BOX(2022年11月25日発売予定)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第参集 BOX(2023年1月27日発売予定)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第四集 BOX(2023年3月24日発売予定)
  • NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」総集編 (発売日未定)

ドラマ舞台地の誘致運動・反応

放映に合わせ、ゆかりの地に大河ドラマ館が開設された。

伊豆箱根鉄道では、駿豆線3000系電車3009編成(3両)に本作をPRするラッピングを施し、2022年1月9日より運行している[* 62]

脚注

注釈

  1. ^ 脚本の三谷幸喜は「これが原作のつもりで書いている」とコメントしている[* 3]
  2. ^ NHK大河ドラマにおいてタイトルにアラビア数字(算用数字)を使うのは、この作品が初めてである[* 7]
  3. ^ 辻は2021年8月18日に死去した[* 15]
  4. ^ a b c d e 苗字ではなくの場合、藤原と同じく氏と名前の間に「」を入れて読む(例:三善康信〈みよし やすのぶ〉)。劇中では「の」を入れているが、公式サイトやガイドブック等では入れない形となっている。
  5. ^ 史実では泰時生母は「阿波局」という御所の女房とされており、生没年や出自などの詳細は不詳。本作では歴史考証担当の坂井孝一による「阿波局と八重は同一人物」という仮説を採用している[3]
  6. ^ 第18回放送より。
  7. ^ 第1回放送。3人目の妻を迎える北条時政の報告に対し、北条義時が「鶴義母上(つる ははうえ)が亡くなられてまだ間もない…」と返している。
  8. ^ 第15回放送より。
  9. ^ 第7回放送。初登場時の紹介より
  10. ^ 第16回放送。後白河法皇らは院御所を脱出しておらず、裏手に隠れている。
  11. ^ 第13回放送より。
  12. ^ a b 第19回放送。ナレーションより。
  13. ^ 第2回放送より。
  14. ^ 第17回放送。工藤祐経の台詞より。
  15. ^ a b 第22回放送。曽我十郎・五郎の台詞より。
  16. ^ 第10回放送より。
  17. ^ 第16回放送より。
  18. ^ 第15回放送。岡崎義実の台詞より。
  19. ^ 第12回放送。初登場時の紹介より。
  20. ^ a b c 第12回放送。初登場時の紹介より。
  21. ^ 松平は1979年放送の大河ドラマ『草燃える』において、本作の主人公である北条義時役を演じた[26]。また、1992年放送のTBS大型時代劇スペシャル平清盛』(TBS)では本作と同役で主演を務めている[26][* 38]
  22. ^ 第10回放送。平清盛から藤原秀衡宛の手紙より。
  23. ^ 第11回放送より。
  24. ^ 第10回放送。劇中の台詞より。
  25. ^ 西田は1972年放送の大河ドラマ『新・平家物語』において、本作の主人公である北条義時役を演じている[29]
  26. ^ 第10回放送。平清盛から藤原秀衡宛の手紙の宛名より。
  27. ^ 第7回放送。警護をしていた三浦義村が亀から「(敵の大将を討つ)ついでにうちの人(権蔵)も討ち取って」とけしかけられる場面があり、以降に権三は未登場となっている。
  28. ^ 前日安倍晋三銃撃事件に伴う特設ニュースに伴う休止。

出典

書籍

  1. ^ NHK出版・前, p. 18.
  2. ^ NHK出版・前, p. 22.
  3. ^ 坂井孝一 2021, pp. 142–147, 149–153.
  4. ^ NHK出版・前, p. 44.
  5. ^ a b NHK出版・前, p. 40.
  6. ^ a b c NHK出版・前, p. 48.
  7. ^ a b NHK出版・前, p. 47.
  8. ^ NHK出版・前, p. 46.
  9. ^ a b NHK出版・前, p. 42.
  10. ^ NHK出版・前, p. 70.
  11. ^ NHK出版・前, p. 73.
  12. ^ a b c NHK出版・前, p. 74.
  13. ^ 東京ニュース通信社, p. 78.
  14. ^ a b c d e NHK出版・前, p. 56.
  15. ^ NHK出版・前, p. 58.
  16. ^ a b c NHK出版・前, p. 64.
  17. ^ NHK出版・前, p. 52.
  18. ^ NHK出版・前, p. 60.
  19. ^ NHK出版・前, p. 68.
  20. ^ NHK出版・前, p. 62.
  21. ^ 東京ニュース通信社, p. 72.
  22. ^ a b NHK出版・前, p. 59.
  23. ^ NHK出版・前, p. 61.
  24. ^ NHK出版・前, p. 104.
  25. ^ NHK出版・前, p. 107.
  26. ^ a b c d e NHK出版・前, p. 94.
  27. ^ a b NHK出版・前, p. 96.
  28. ^ a b NHK出版・前, p. 98.
  29. ^ a b c NHK出版・前, p. 100.
  30. ^ a b NHK出版・前, p. 102.
  31. ^ NHK出版・前, p. 105.
  32. ^ a b NHK出版・前, p. 90.

ウェブサイト

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  2. ^ 次期大河「鎌倉殿の13人」ゆかりの地でPR過熱 埼玉”. 産経ニュース (2021年12月16日). 2021年12月16日閲覧。
  3. ^ 『吾妻鏡』 〜第3回より〜”. 歴史. 日本放送協会 (2021年1月23日). 2022年4月23日閲覧。
  4. ^ “小栗旬インタビュー前編「ユーモアを交えた“北条家のホームドラマ”のよう」―初主演大河ドラマ『鎌倉殿の13人』開幕!”. (2022年1月8日). https://mindra.jp/navigators/post/163 2022年3月13日閲覧。 
  5. ^ 木俣冬 (2022年4月23日). “『鎌倉殿の13人』佐藤浩市、圧巻だった絶望の表情 小栗旬も多彩な表情で魅せる”. マイナビニュース. マイナビ. 2022年4月25日閲覧。
  6. ^ “三谷幸喜「最高の大河ドラマにします」 『鎌倉殿の13人』小栗旬が“ダークーヒーロー”北条義時に”. Real Sound. (2019年11月8日). https://realsound.jp/movie/2020/01/post-482520.html 2019年11月9日閲覧。 
  7. ^ “三谷幸喜氏「鎌倉殿の13人」算用数字は大河史上初”. 日刊スポーツ. (2020年1月9日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202001090000032.html 2021年10月5日閲覧。 
  8. ^ 三谷幸喜、出演者の不祥事をけん制 22年大河ドラマ脚本を担当「ぜひ、断ってください!」”. ORICON NEWS (2020年1月8日). 2021年8月24日閲覧。
  9. ^ 【第1弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」|NHKオンライン”. NHK (2020年11月13日). 2020年11月16日閲覧。
  10. ^ 【第2弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」”. NHK ドラマ. 日本放送協会 (2020年11月17日). 2020年11月17日閲覧。
  11. ^ 【第3弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年11月18日). 2020年11月18日閲覧。
  12. ^ 【第4弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年11月19日). 2020年11月19日閲覧。
  13. ^ 【第5弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年11月20日). 2020年11月20日閲覧。
  14. ^ 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」出演者交代のお知らせ”. NHKドラマトピックス. 日本放送協会 (2021年7月16日). 2022年7月30日閲覧。
  15. ^ "辻萬長さん腎盂がんで死去、77歳 7月には大河「鎌倉殿の13人」を降板". Nikkan Sports. 日刊スポーツ新聞社. 23 August 2021. 2022年1月30日閲覧
  16. ^ 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」考証チームのご紹介”. ドラマトピックス. NHK (2020年11月21日). 2020年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月5日閲覧。
  17. ^ 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 [@nhk_kamakura13] (2021年3月23日). "「鎌倉殿の13人」の時代考証を依頼していた歴史学者の呉座勇一氏より、自身のツイッター投稿の一部内容が不適切であった責任を取り、降板したいとの申し出がありました。番組制作サイドもその事実を確認し、降板していただくことにしました。". X(旧Twitter)より2021年10月5日閲覧
  18. ^ 来年NHK大河「鎌倉殿の13人」時代考証・呉座勇一氏が降板 ツイッターに不適切投稿 自ら降板申し出”. スポーツニッポン (2021年3月23日). 2021年3月23日閲覧。
  19. ^ 三谷幸喜脚本の「鎌倉殿の13人」 勝者を描く大河とは”. 朝日新聞デジタル (2021年8月1日). 2021年8月2日閲覧。
  20. ^ 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」静岡県内ロケレポート&番組ロゴ決定!”. NHKドラマトピックス. NHK (2021年7月20日). 2021年7月20日閲覧。
  21. ^ a b “NHK大河ドラマ「鎌倉殿-」放送開始日が22年1月9日 初回15分拡大”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年10月20日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202110200000478.html 2021年10月20日閲覧。 
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  25. ^ NHK「鎌倉殿の13人」まさかのミスで謝罪、再放送で修正 平安時代なのに「カメラマン」映り込む”. J-CASTニュース (2022年3月18日). 2022年6月8日閲覧。
  26. ^ 【公式】大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 [@nhk_kamakuradono13] (2021年1月18日). "#生駒星汰 #源頼朝 #鎌倉殿の13人". Instagramより2022年1月19日閲覧
  27. ^ 高堀冬彦 (2022年6月19日). “〈鎌倉殿の13人〉気鬱に悩まされ、ニ十歳で病死 父・頼朝に翻弄され続けた「大姫」の実像とは”. デイリー新潮. 新潮社. 2022年6月22日閲覧。
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参考文献

  • 『鎌倉殿の13人 前編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2021年12月25日。ISBN 978-4-14-923389-5 
  • 『鎌倉殿の13人 後編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2022年5月27日。ISBN 978-4-14-923390-1 
  • 『NHK2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」THE BOOK』94号、東京ニュース通信社、2021年12月25日。ISBN 978-4-86701-350-2 
  • 坂井孝一『鎌倉殿と執権北条氏―義時はいかに朝廷を乗り越えたか』NHK出版〈NHK出版新書〉、2021年9月10日。ISBN 978-4-14-088661-8 

関連項目

外部リンク

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