翔ぶが如く (NHK大河ドラマ)

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大河ドラマ > 翔ぶが如く (NHK大河ドラマ)
翔ぶが如く
ジャンル ドラマ
原作 司馬遼太郎翔ぶが如く
脚本 小山内美江子
演出 平山武之 他
出演者 西田敏行
鹿賀丈史
(以下五十音順)
新井康弘
有森也実
石田えり
石丸謙二郎
大橋吾郎
緒形直人
小倉久寛
賀来千香子
角野卓造
蟹江敬三
加山雄三
樹木希林
北村和夫
草野大悟
神山繁
小林稔侍
斎藤洋介
佐藤浩市
佐野史郎
杉本哲太
高橋英樹
田中健
田中裕子
堤真一
内藤剛志
林隆三
富司純子
益岡徹
三木のり平
三田村邦彦
隆大介
竜雷太
ナレーター 草野大悟(第1部)
田中裕子(第2部)
オープニング 一柳慧
製作
製作総指揮 吉村文孝 他
制作 日本放送協会
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1990年1月7日-12月9日
放送時間日曜20:00-20:45
放送枠大河ドラマ
放送分45分
回数全48
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翔ぶが如く』(とぶがごとく)は、NHK1990年1月7日から12月9日に放送された28作目の大河ドラマ。原作は司馬遼太郎の同名小説『翔ぶが如く』。西田敏行が演じる西郷隆盛鹿賀丈史が演じる大久保利通が主役。大河ドラマ初の2部構成作品(第1部29話、第2部19話の全48話)。

概要[編集]

原作は1970年代に執筆された、征韓論争から西南戦争までを描いた長編作品である。そのため原作では隆盛・利通の若年時代は描かれておらず、これを直接的に原作としたのは第2部「明治編」のみといえる。第1部「幕末編」は原作の挿話と、同じく幕末維新期を描いた司馬の『竜馬がゆく』『花神』『歳月』『最後の将軍』などの長編小説や『きつね馬』『酔って候』などの短編小説をもとに書かれた、脚本家・小山内美江子のオリジナルストーリーである。また、原作では川路利良も中心人物の一人であり、ドラマでも主要人物ではあるが、幕末期の活躍は描かれておらず、明治期となる第2部でも原作程踏み込んだ描かれ方はされていない。

原作では隆盛・利通をはじめ多くの薩摩人は無口な人物として描かれ、沈黙に耐えられる薩摩人の器量を他藩出身者と比較して描写しているが、脚本を担当した小山内は「無口だとドラマにならない」と泣く泣く台詞を継ぎ足し、「議を言うな」という台詞を時折入れて「余計なおしゃべりをしない」ことを示唆させたという。原作者の司馬もその点に関しては寛容であり、対談で小山内の苦労をねぎらった。

第1部、第2部を通じてナレーションは全て鹿児島弁であり(第1部のナレーションを担当した草野大悟は鹿児島県で育った)、分かりにくい言葉には字幕がついた。薩摩出身者は全編通して鹿児島弁である(島津斉彬は江戸育ちなので共通語)。また、第一部では坂本龍馬は土佐弁、長州出身の桂小五郎も長州弁である。もっとも、劇中のナレーションや台詞に使われている鹿児島弁は、標準語に影響されやや洗練されたもの(「唐芋標準語」。特にナレーションはイントネーションのみ)であり、実際の鹿児島弁は他地方の者にはより難解で複雑なものである。しかし第2部に入ると、薩摩出身者以外の新政府関係者はみな共通語になり、桂(木戸孝允)たち長州系の人物もほぼ共通語で話すようになった。

オープニング映像は第1部・第2部で異なる。第1部では噴煙を上げる桜島周辺の空撮、第2部では大海原を背景に、第1部時の隆盛(西田)・大久保(鹿賀)の写真や当時の記録写真が流れていく。現代音楽の作曲家である一柳慧が音楽を担当し、オープニングテーマ曲は幕末から明治初期の混沌を表している。

最終話でいとが桜島を眺めるラストシーンでは航空撮影が行われ、(本放送時点での)現代の鹿児島の風景が映された。

隆盛を演じた西田は当時有名だった肖像画でよく見られる隆盛に近づこうと、メイクや表情など撮影時の努力だけでなく実際にクランクイン前から体重を増やして撮影に挑んだという逸話がある[注釈 1]。身長については、6を優に超えていた隆盛に対し、カメラアングルを工夫することで大柄な印象を操作した。また、西田は福島県出身であり、子供の頃に近所の老人たちから薩長は怖かったといった話を聞いていたという。なお、西田は2013年の大河ドラマ『八重の桜』で会津藩士・西郷頼母を演じることとなるが、この頼母も隆盛もルーツを辿れば同じ三河西郷氏に繋がる遠縁である。

『翔ぶが如く』という題は、「泣こよっかひっ翔べ」(泣くぐらいなら飛んでしまえ=まずは行動してみなさい)の言葉に象徴される薩摩隼人の行動力を、司馬がイメージして原作に付けたものである。題字も司馬の揮毫による。

平均視聴率は23.2%、最高視聴率は29.3%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)[1]

完全版のDVDが発売されており、過去にはNHKオンデマンドで本編放送回の配信が行われていた。

あらすじ[編集]

時は幕末薩摩国鹿児島城下の下加治屋町で兄弟の如く育った西郷吉之助(隆盛)と大久保一蔵(利通)。2人は島津斉彬の庇護の下で頭角を現し、ある時は互いに手を取り合い、そしてある時は異なるやり方で薩摩藩を動かしていき、やがて2人の活躍は維新回天の大偉業を成し遂げるに至る。

2人は新政府参議にそろって就任するが、封建体制から近代中央集権体制への一大転換は国内に大きな矛盾を生み出しつつあった。それは禄を失った士族たちの存在であり、いまだ武士道精神から自己を抜け出せないでいる隆盛にとって、こうした士族たちの存在は対岸の火事ではなかった。一方の利通は、合理主義家として数々の洋化政策を打ち出していく。互いに相容れない2人のイデオロギーは、いわゆる「征韓論」をもって衝突する。やがて征韓論は白紙撤回され、2人は袂を分かつ。

そして時代のうねりは、2人を維新後最大の内乱・西南戦争へと駆り立てていく。しかし、それは2人が偽りでない真の友情を全うするためには避けて通れない道であった。

登場人物[編集]

主人公[編集]

西郷隆盛(さいごう たかもり)
(西郷吉之助→西郷隆盛)
演:西田敏行
本作の主人公。通称は吉之助(きちのすけ)。官職は陸軍大将参議近衛都督
島津斉彬に見出され、安政の大獄による失脚、島流しと復活、禁門の変長州藩などとの対立、坂本竜馬の仲介での薩長同盟などを経て大久保利通とともに討幕を成功に導いた。
天性の将器の持ち主で、早くから若手藩士たちのリーダー的存在だった。情義に篤く胆力と行動力に富み、次第に比類なきカリスマ性を帯びるようになる。人の好き嫌いの激しいところがあり、主君斉彬を神の如く崇拝する一方でその弟の久光とは折り合いが悪い。また、自分を慕う若者たちを可愛がりすぎる面もあり、こうした面が後年の悲劇に繋がっていく。
質素な生活を好み、明治政府の高官になってからも質素に暮らしていた。趣味は狩猟で愛犬家であり、西南戦争にも愛犬を連れていた。また引退したら猟師になりたいと思っていた。
明治新政府の中で一時は廃藩置県の断行などに力を尽くすも、征韓論争で盟友・利通と対立して下野し薩摩に戻った。隆盛本人は、新政府が各地の不平士族の暴発を抑えることが出来ず、その隙にロシアが日本を侵略すると考えており、その際に政府軍と共に日本を守るために薩摩軍が蹶起するべきだと考えていた。
しかし、私学校生徒の暴発によって利通率いる新政府との対立が決定的となり、全てを諦めた隆盛は西南戦争を引き起こすことで、薩摩の不平士族と私学校生徒を抱きかかえたまま心中する決意をする。度重なる激戦により、徴兵が主体の政府軍が薩摩士族による西郷軍を打ち負かすようになったのを見て、自分たち士族がいなくても日本を守れると安堵していた。最後は政府軍に死を覚悟した突撃を行い、被弾した隆盛は自刃することになる。
大久保利通(おおくぼ としみち)
(大久保正助→大久保一蔵→大久保利通)
演:鹿賀丈史
本作のもう一人の主人公。通称は正助(しょうすけ)、のちに一蔵(いちぞう)と改める。官職は参議大蔵卿内務卿
隆盛とは幼馴染で、共に藩の改革を目指す志士集団「精忠組」を結成する。斉彬の死後、その弟である久光に接近し藩内で頭角を現すと共に失脚した隆盛の復権に尽力する。隆盛が復帰すると共に倒幕運動を進めた。
冷静沈着で知略に長け、官僚としても高い実務能力を有する。有為な人材であれば出身藩にこだわらず登用する度量も持つが、江藤新平への過酷な措置にも見られるように逆らう者には容赦しない非情な一面も持つ。自分の信念を貫くためなら手段を選ばず誤解される事も怖れないが、それゆえに敵も多く後の凶事の一因ともなっていく。盟友隆盛への友情は最後まで持ち続けた。
維新後は髭を蓄えるようになるが、隆盛からは「一蔵どんに髭は似合わん」と言われてしまう。また隆盛と違って洋館に住み西洋風の生活を営むが、これは明治政府高官としての体面を保つためであった。
明治新政府でも隆盛と共に新国家建設を進めるが次第に目指す道に齟齬を来し、征韓論を巡って決別する。利通も内務省を設立し、地方制度や警察機構の整備を進めたほか、殖産興業政策を推し進め日本近代化の礎を築いた。一方で、不平士族の武装蜂起に対しては厳罰をもって対処した。しかし西南戦争の終結後、東京紀尾井坂において不平士族に暗殺される。


西郷家と関係者[編集]

西郷いと(さいごう いと)
(岩山いと→西郷いと)
演:田中裕子
隆盛の後妻。旧姓は岩山(いわやま)。
本作のメインヒロイン。物言いはおっとりとしているが気丈な性格。愛加那の子である菊次郎と菊子を引き取り我が子同様に育てるなど度量も広い。千絵の事も匿い、彼女が八郎太の子を身籠っている事に気付き出産するまで面倒をみた。
若い頃は尊王攘夷運動を叫ぶ女性としての一面も描かれた。
愛加那(あいかな)
(於戸間金→愛加那)
演:石田えり
吉之助(隆盛)が奄美大島で迎えた島妻。幼名は於戸間金(おとまかね)。
島妻の掟で奄美の外に出る事ができないため、自身が産んだ子である菊次郎と菊子を鹿児島の本妻いとに託す。
西郷従道(さいごう つぐみち)
(西郷信吾→西郷従道)
演:緒形直人(幼年〜少年期:根本卓哉高橋守星孝行
隆盛の弟。通称は信吾(しんご)。また、「つぐみち」は「じゅうどう」とも呼ばれている。
兄隆盛の事は敬愛しているが桐野ら側近グループとは気が合わず、結果的に兄と距離を置く事になってしまう。利通の事も尊敬していたため利通派に属する事となる。
西南戦争では新政府側として、兄弟と敵味方に分かれる。また、利通が暗殺された際はいち早く現場に駆け付け、利通の遺体を自ら大久保家へ運んだ。
のち元老海軍大臣内務大臣貴族院議員を歴任。
大山巌(おおやま いわお)
(大山弥助→大山巌)
演:坂上忍
西郷兄弟の従弟。通称は弥助(やすけ)。砲術を学び、その専門家として活躍する。
従兄隆盛の事は敬愛しているが従道と同様に桐野ら側近グループとは気が合わず、結果的に隆盛と距離を置く事になってしまう。
西南戦争では新政府側として、隆盛や小兵衛と敵味方に分かれる。城山総攻撃の際には砲兵部隊を率いて西郷軍を攻撃、「二度と鹿児島には戻らない」という腹をくくった上での攻撃であった。
のち陸軍元帥
川口雪篷(かわぐち せっぽう)
(川口量次郎→川口雪篷)
演:竜雷太
絵師陽明学者。能書家
吉之助が2度目の島流しで流された沖永良部島で出会う。吉之助と気が合い、彼が薩摩の家を留守中、食客後見役となる。維新後も西郷家に寄宿し、実質的な執事としていとを支えた。
西郷清(さいごう きよ)
(得能清→西郷清)
演:国生さゆり
従道の妻。旧姓は得能(とくのう)。
西郷吉二郎(さいごう きちじろう)
演:村田雄浩
隆盛の弟。西郷家の家督を継いだものの国事に奔走して家を留守にしがちな兄隆盛に代わって西郷家の家長を代行していたが、自分も薩摩藩士として役に立ちたいという気持ちを持ち続けていた。戊辰戦争では北越戦線に参加、戦死する。その死は隆盛を大いに嘆かせた。
永田熊吉(ながた くまきち)
演:車だん吉
隆盛の下男・従僕。常に隆盛と行動を共にし、側近く仕えている。西南戦争にも従軍し、右脚切断の重傷を負った菊次郎を背負って従道の陣営に投降した。その後は西郷家に戻り、城山総攻撃の直前に政府軍の包囲網を掻い潜って城山に潜入、いとが用意した着替えの着物を隆盛に届ける。
西郷小兵衛(さいごう こへえ)
演:金山一彦(幼年〜少年期:武田佑介岩下謙人
隆盛の末弟。常に長兄隆盛の傍らにあり公職には就かなかった。一時期東京において勉強をしていたが、隆盛の帰郷に従って自身も帰郷する。
西南戦争においては薩軍幹部となり、高瀬の戦いで戦死する。
椎原権兵衛(しいはら ごんべえ)
演:森三平太
西郷家親戚・家事手伝い。
西郷菊次郎(さいごう きくじろう)
演:六浦誠(幼年期:若菜大輔
隆盛と愛加那の子。のち京都市長
妹の菊子と共にいとに引き取られ鹿児島で育つ。のち父隆盛の命でアメリカに留学した。
西南戦争に従軍し右脚を失う重傷を負うが、熊吉に助けられて政府軍に投降、叔父従道に保護される。
市来琴(いちぎ こと)
(西郷琴→市来琴)
演:酒井法子
隆盛の妹。市来六左衛門正之丞に嫁ぐ。
西郷きみ(さいごう きみ)
演:大路三千緒
隆盛の祖母。夫、息子夫妻に先立たれるという悲運に遭遇するが、その後孫の隆盛が斉彬に抜擢された事を喜ぶ。
西郷園(さいごう その)
演:星野博美
吉二郎の後妻。
西郷俊(さいごう とし)
(伊集院俊→西郷俊)
演:南果歩
隆盛の最初の妻。子宝に恵まれず、西郷家を去った。
西郷吉兵衛(さいごう きちべえ)
演:坂上二郎
隆盛の父。
赤山靭負の最期を隆盛に伝える。龍右衛門の看病をするうちに自分も病に倒れ、その後を追うように病没。
西郷まさ(さいごう まさ)
演:冨士真奈美
隆盛の母。
吉兵衛が亡くなると、後を追うように亡くなる。
西郷龍右衛門(さいごう りゅうえもん)
演:浜村純
隆盛の祖父。
西郷寅太郎(さいごう とらたろう)
演:安田恭平浅尾和憲
隆盛といとの子。嫡男。
西郷松(さいごう まつ)
演:長谷川真弓
小兵衛の妻。
西郷菊子(さいごう きくこ)
(菊草→菊子)
演:茅野佐智恵
隆盛と愛加那の子。後いとに引き取られ鹿児島で育てられる。
西郷スマ(さいごう スマ)
演:奥田圭子
吉二郎の先妻。
西郷美津(さいごう みつ)
演:八木沢一恵広瀬珠美
吉二郎の長女。生母はスマ。
西郷勇袈裟(さいごう ゆうげさ)
演:早津翔太長谷川歩
吉二郎の長男。
西郷午次郎(さいごう うまじろう)
演:高橋壱岐
隆盛といとの子。寅太郎の弟。
西郷たか(さいごう たか)
演:近藤絵麻
隆盛の妹。幼くして病死。
西郷やす(さいごう やす)
演:田京恵
隆盛の妹。大山巌の兄の大山彦八に嫁ぐ。


大久保家[編集]

大久保満寿(おおくぼ ます)
演:賀来千香子
利通の妻。国事に奔走する夫を支え鹿児島で家を守ってきたが、維新後利通の勧めで上京する。
いとをはじめ西郷家の人々とは家族ぐるみの付き合いをしてきたため、城山総攻撃の報を知った際は我が事のように悲しんだ。
利通の暗殺直後は気丈に振る舞っていたが、やがて夫の後を追うように亡くなる。
大久保利世(おおくぼ としよ)
演:北村和夫
利通の父。お由羅騒動に連座して喜界島へ流刑に処される。5年後許されて鹿児島に戻る。
大久保福(おおくぼ ふく)
演:八木昌子
利通の母。夫の利世が流刑となり嫡男利通が失職したため家計は火の車となるが、親交のある西郷家からの援助を受けながらなんとかやり繰りする。
大久保きち(おおくぼ きち)
演:吉川十和子
利通の妹。
大久保彦之進(おおくぼ ひこのしん)
(彦熊→彦之進)
演:石井浩司 (俳優)(幼年期:長沢佑樹、少年期:藤原亮
利通の長男。父の死後家督を継ぎ侯爵となる。
大久保伸熊(おおくぼ のぶくま)
演:三浦竜也(幼年期:大西良和
利通の子。のちの内大臣牧野伸顕
大久保三熊
 演:中島安名
利通の子。のちの内務官僚大久保利武
大久保すま(おおくぼ すま)
演:矢沢美紀
利通の妹。
大久保みね(おおくぼ みね)
演:桂川冬子
利通の妹。

薩摩の人々[編集]

島津家一門[編集]

島津斉彬(しまづ なりあきら)
演:加山雄三[注釈 2]
薩摩藩第11代藩主。武家官位修理大夫薩摩守(さつまのかみ)。諸大名随一の開明的な人物で、国内や海外の情勢にも精通している。江戸で生まれ育っているので薩摩弁は使わない。吉之助や正助の才能を誰よりも早く認める。その蘭癖西洋かぶれ)を父・斉興に疎まれ、なかなか家督を継げずにいたが、お由羅騒動の混乱を経て藩主に就任。開明思想に基づいた藩政改革を行い、西郷ら有為の人材を登用する。西洋列強の脅威から日本を守るために幕政改革を志向し、幕府に発言力を高めるために養女とした篤姫に一橋慶喜を将軍継嗣として推挙するように命じ、将軍御台所として大奥に送り込んだ。
しかし、大奥の水戸嫌いは予想を上回るほどに根深く、工作は思うように進まなかった。外様の大藩・薩摩藩主という立場から表立った行動を控えてきた斉彬は、遂に「慶喜を将軍継嗣とすべし」という旨の建白書を幕府に提出する。南紀派の井伊直弼が大老に推されると、対抗して越前藩主・松平慶永を推挙した。一橋派の敗北が決定的になると、洋式装備を有する軍を率いて幕政改革を促すための上洛を計画するが、演習の検分中に病に倒れ、弟・三郎久光に後を託して亡くなった。
島津久光(しまづ ひさみつ)
(島津三郎→島津久光)
演:高橋英樹
斉彬の異母弟。旧名は三郎(さぶろう)。武家官位は大隅守、明治政府では左大臣。藩主茂久の実父として薩摩藩の実権を握り、「国父様」と称される。
学問を好む一方で槍術の稽古にも精を出すなど文武両道に秀でているが、一方で頑固で融通の効かない保守主義者でもあり、隆盛からは密かに「地五郎(薩摩弁で「田舎者」という意味)」と蔑まれている。
斉彬を慕い、死後は亡き兄の方針を引き継ぎ、正助の才能も認めて幕政改革に乗り出すものの次第に傲慢になり、隆盛や利通たちと対立する。だが、武士道精神を重んじるところもあり、西南戦争での隆盛の死を知った際には深く嘆く。
島津斉興(しまづ なりおき)
演:江見俊太郎
薩摩藩第10代藩主。武家官位は大隅守。お由羅を寵愛して斉彬を疎み、藩政に混乱を生じさせる。幕府の命で強制的に隠居させられ、藩主の座を斉彬に譲る。斉彬の急逝後は再び藩の実権を握り、斉彬の方針をことごとく否定する。
由羅(ゆら)
演:草笛光子
斉興の側室・久光の母。江戸生まれなので薩摩弁は使わない。
斉彬より息子の久光を次の藩主にしようと企み、斉彬を呪詛するなど斉彬一派の破滅を図り御家騒動を巻き起こす。
喜久(きく)
演:田中好子
斉彬の側室。斉彬に寵愛されており、嫡男虎寿丸を産む。我が子、夫に先立たれる。
島津忠義(しまづ ただよし)
(島津茂久→島津忠義)
演:川名康浩(少年期:藤原秀樹
久光の長男・薩摩藩第12代藩主。旧名は茂久(もちひさ)。武家官位修理大夫
藩政の主導権は父久光に握られ、主体性を発揮しなかった。明治期には公爵となる。
島津安芸(しまづ あき)
演:瀬下和久
篤姫の実父。
島津久徳(しまづ ひさのり)
演:名和宏
家老。斉興の側近。
島津久宝(しまづ ひさたか)
演:村松克巳
家老。
島津下総(しまづ しもうさ)
演:阿部六郎
島津虎寿丸(しまづ とらじゅまる)
演:伊藤俊
斉彬の嫡男。生母は喜久。近衛家の姫との婚約がまとまっていたが幼くして病没する。


上級藩士[編集]

小松帯刀(こまつ たてわき)
演:大橋吾郎
家老。隆盛ら精忠組をはじめとする若者たちの最大の理解者。隆盛・利通と共に薩摩藩の中心人物として明治維新を成し遂げるが、病気のため急逝した。
調所笑左衛門(ずしょ しょうざえもん)
演:高品格
家老。
斉興寄りの先鋒だったが、琉球と密輸入をしていたことが斉彬によって発覚し服毒自殺する。

下級藩士[編集]

村田新八(むらた しんぱち)
演:益岡徹
精忠組志士。幕末は隆盛の用心棒的存在でもあった。維新後は宮内大丞を務め、岩倉使節団の一員として諸外国で見聞を広めて帰国するが、隆盛と利通が袂を別れたと知り愕然となる。利通の考えを是としつつも隆盛への恩義から鹿児島へ帰郷。最後まで西南戦争にも反対するが勢いを止められないと痛感し、隆盛と運命を共にする覚悟を決める。戦争中は山高帽にフロックコートといういでたちで陣頭指揮を取る。城山で隆盛の最期を見届け、後を追って自刃する。
音楽好きで、手風琴を好んで演奏していた。
大山綱良(おおやま つなよし)
(大山格之助→大山綱良)
演:蟹江敬三
精忠組志士。通称は格之助(かくのすけ)。
剣の達人で寺田屋事件では怒涛の斬り合いを見せた。鳥羽・伏見の戦いの折りには利通と共に「御所警備」の名目で宮中の公家たちを監視した。
維新後は鹿児島県の大参事で県令を務める。未だ「殿様」として振る舞い続ける久光と隆盛との間を取り持つパイプ役を務めていた。一方では利通率いる明治政府には楯突き鹿児島県を一種の独立国家状態にしてしまい、利通を大いに悩ませた。
西南戦争の直後、鹿児島に進入した政府軍に逮捕され、長崎で処刑された。
海江田信義(かいえだ のぶよし)
(有村俊斎→海江田信義)
演:佐野史郎
精忠組志士。旧名は有村俊斎(ありむら しゅんさい)
単純且つ粗暴な性格だが根は涙もろい。維新後も久光に仕え続けるが、西南戦争ののちは貴族院議員枢密顧問官などを歴任。
海老原穆(えびはら ぼく)
演:草野大悟
元薩摩藩士。熱烈な隆盛支持者。維新後は上京して言論界に身を投じ、ジャーナリストの立場から隆盛を支援していく。集思社という結社を興し、『評論新聞』という新聞を通じて新政府を激しく攻撃、弾圧を受ける。しかしその気骨は宿敵である利通からも認められており、西南戦争の終結後に利通から隆盛の伝記を書くように依頼される。その際、刺客が命を狙っている事を利通に警告した。
吉井友実(よしい ともざね)
(吉井幸輔→吉井友実)
演:福田勝洋
精忠組志士。通称は幸輔(こうすけ)。維新後は宮内少輔。のち枢密顧問官
永山弥一郎(ながやま やいちろう)
演:遠藤憲一
元薩摩藩士。維新後は陸軍少佐を務め、利通の考えを是としつつも政府の千島樺太交換条約が自分の考えと異なったことから鹿児島へ帰郷。最後まで出兵には反対だったが隆盛の意志に従い止む無く参加した。
伊地知正治(いじち まさはる)
演:安藤一夫
精忠組志士。維新後は宮中顧問官
有馬新七(ありま しんしち)
演:内藤剛志
精忠組志士。過激な尊王攘夷思想の持ち主で、後に寺田屋事件で死亡する。
森山新蔵(もりやま しんぞう)
演:東野英心
精忠組志士。商家出身の武士。商人上がりとして他の藩士からは軽蔑されていたが、それゆえにかえって精忠組志士としての気概を強く持っている。経済的には豊かであるため、主に資金面で貢献する。
息子の新五左衛門が寺田屋事件で死んだことを知るや自害してしまう。
関勇助(せき ゆうすけ)
演:坂口芳貞
赤山靭負(あかやま ゆきえ)
演:西岡徳馬
島津家の分家、日置島津家の重臣。斉彬の支持者であり、お由羅暗殺の疑いをかけられて切腹させられる。
森山新五左衛門(もりやま しんござえもん)
演:小川晃廣
精忠組志士。新蔵の息子。寺田屋事件で死去する。
樺山三円(かばやま さんえん)
演:吉岡祐一
谷村愛之助(たにむら あいのすけ)
演:潮哲也
土持政照(つちもち まさてる)
演:光石研
沖永良部島の住人。西郷に師事。ドラマ内では取り上げられなかったが、妻は、利通の異母妹。
伊藤才蔵(いとう さいぞう)
演:草見潤平
左右田宗之進(そうだ むねのしん)
演:鶴田忍
中山尚之助
演:深水三章
久光の側近だが、立身出世のために吉之助や一蔵など周囲の者たちを次々と讒言し、最後は久光に降格させられる。
伊集院兼寛(いじゅういん かねひろ)
演:内田慎一
隆盛の先妻・俊の兄。
伊集院ヨシ
演:喜多道枝
俊の母。
高崎温恭
演:江角英明
のちの歌人・高崎正風の父。お由羅騒動で切腹させられる。
田中謙助(たなか けんすけ)
演:新みのる


私学校党[編集]

桐野利秋(きりの としあき)
演:杉本哲太
元陸軍少将。旧名は中村半次郎(なかむら はんじろう)。「人斬り半次郎」の異名を取る剣の達人。
豪放磊落な気性である一方、身だしなみには気を使う洒落者。熱烈な隆盛の支持者で、隆盛からも可愛がられている。
西南戦争では西郷軍の実質的な総司令官として采配を振う。城山の決戦では最後まで戦い抜き、壮烈な戦死を遂げる。
篠原国幹(しのはら くにもと)
演:西田静志郎
元陸軍少将。保守的な人物で、作中では隆盛の弟の従道や大警視の川路にも喧嘩を売るような口調で接した。西南戦争では西郷軍の最高幹部でありながら最前線で陣頭指揮を取り、政府軍に狙撃され戦死。
別府晋介(べっぷ しんすけ)
演:黒田隆哉
元陸軍少佐。隆盛の自決の際、隆盛を介錯した。
野村忍介(のむら にんすけ)
演:宮崎達也
鹿児島県警察署長。桐野ら過激派には頭を悩まし、出兵にも当初は反対だった。のちに南日本新聞の前身である鹿児島新聞社や鹿児島学校を設立する。
池上四郎(いけのうえ しろう)
演:横溝貴之
元陸軍少佐。冷静沈着な人柄で「張子房」の異名を取った。

江戸幕府[編集]

徳川家[編集]

徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)
(一橋慶喜→徳川慶喜)
演:三田村邦彦
江戸幕府第15代将軍。元は御三卿一橋家当主で、一橋慶喜(ひとつばし よしのぶ)と呼ばれた。
英邁な人物、と斉彬をはじめとする「一橋派」の大名たちから次期将軍と期待される。しかし徳川家の権力の維持しか頭になく、政治状況の急激な変化に対応できず、江戸幕府は慶喜の代で幕を閉じる。
徳川家茂(とくがわ いえもち)
演:若菜孝史(幼年期:三宅喜章、少年期:小林正則
江戸幕府第14代将軍。前名は慶福(よしとみ)で将軍就任前は紀州藩主。家定の従弟にあたる。
南紀派に擁立されて将軍に就任するもまだ若年だったため、前半は井伊直弼に、後半は一橋慶喜に幕政の実権を委ねていた。病弱であり世継ぎの無いままに病没する。
徳川家慶(とくがわ いえよし)
演:加藤治
第12代将軍。嫡男家定を不安視し、慶喜に期待をかけていた。
徳川家定(とくがわ いえさだ)
演:上杉祥三
江戸幕府第13代将軍。父家慶の死後将軍となる。精神と身体の両面が状態が不安定で世継ぎを期待できず「一橋派」の台頭を招くが、慶喜の事は嫌っていた。自分専用の七輪で豆を煎り、その煎り豆を家臣に食べさせるのが趣味。

幕閣・幕臣[編集]

勝海舟(かつ かいしゅう)
(勝海舟→勝安芳)
演:林隆三
江戸幕府陸軍総裁。坂本龍馬の師匠で、隆盛と会見し江戸城を明け渡す。本作では第二部には直接登場しないが、隆盛が下野した時の大久保の後任案の人事として「参議兼海軍卿・勝安芳」と記されている。のちに枢密顧問官も歴任する。
阿部正弘(あべ まさひろ)
演:若林豪
老中。武家官位は伊勢守。斉彬の盟友で、彼と同様に日本を取り巻く情勢を憂慮し改革の必要性を痛感する。
井伊直弼(いい なおすけ)
演:神山繁
大老。武家官位は掃部頭彦根藩主。強権を振い、安政の大獄で一橋派や尊攘派志士を弾圧するが、桜田門外の変で暗殺される。
板倉勝静(いたくら かつきよ)
演:津村鷹志
老中。慶喜の側近として活動する。
堀田正睦(ほった まさよし)
演:井上孝雄
老中。
阿部正外(あべ まさとう)
演:山本寛
老中。
青山忠良(あおやま ただよし)
演:小林勝也
老中。
松平忠固(まつだいら ただかた)
演:岸本功
老中。
牧野忠雅(まきの ただまさ)
演:小寺大介
老中。
太田資始(おおた すけはる)
演:ト字たかお
老中。
間部詮勝(まなべ あきかつ)
演:石坂重二
老中。
水野忠精(みずの ただきよ)
演:大林丈史
老中。
川路聖謨(かわじ としあきら)
演:伏見哲夫
勘定奉行。
岩瀬忠震(いわせ ただなり)
演:酒井郷博
外国奉行。

大奥[編集]

天璋院(てんしょういん)
(敬子→篤姫→天璋院)
演:富司純子
島津斉彬養女。徳川家定正室。
元は島津安芸の娘で名は敬子(すみこ)。才気煥発な性格を斉彬に気に入られ、養女となり名を篤姫(あつひめ)と改める。その後、近衛家を経て家定の妻となる。
幾島(いくしま)
演:樹木希林
篤姫の側近。元々は近衛家に仕える老女だったが、篤姫養育のため尽くす。
和宮(かずのみや)
演:鈴木京香
徳川家茂正室。
本寿院(ほんじゅいん)
演:新橋耐子
徳川家定生母。

長州藩[編集]

木戸孝允(きど たかよし)
(桂小五郎→木戸孝允)
演:田中健
長州藩士。利通と対照的な潔癖過ぎる理論派。旧名は桂小五郎(かつら こごろう)。維新後は長州閥の領袖となる。
明治新政府樹立後、政務に関わることを避けることの多い隆盛のことで利通を責める場面もある。自身も体調が思わしくなく、次第に政務の第一線から退いていく。
西南戦争の最中に病死。戦局の行方、弟分の伊藤博文を最後まで案じていた。
大村益次郎(おおむら ますじろう)
演:平田満
長州藩士。軍略の天才。吉之助のことをあまり快く思っていない。明治維新を成し遂げるが、明治2年に不平を抱く士族たちに襲撃されて命を落とす。
木戸松子(きど まつこ)
(幾松→木戸松子)
演:景山仁美
孝允の妻。元は京都の芸妓で、当時の名は幾松(いくまつ)。

土佐藩[編集]

坂本竜馬(さかもと りょうま)
演:佐藤浩市
土佐脱藩浪士。勝海舟の弟子で、薩長同盟の立役者。明朗快活な気性で先見性と行動力に富んだ快男児。明治維新を目前に暗殺される。
おりょう
演:洞口依子
龍馬の妻。龍馬と共に鹿児島の西郷家を訪問する。
山内容堂(やまうち ようどう)
演:嵐圭史
前土佐藩主。心情的には佐幕派であったが、小御所会議において岩倉具視に論破され倒幕に転じる。
中岡慎太郎(なかおか しんたろう)
演:古山忠良
土佐脱藩浪士。明治維新を目前に竜馬と共に暗殺された。

朝廷[編集]

岩倉具視(いわくら ともみ)
演:小林稔侍
身分の低い公家だったが、孝明天皇に才能を見出され頭角を現す。公家離れした度胸の持ち主で、鳥羽・伏見の戦いの際他の宮中の公家たちが動揺する中で一人微笑みを浮かべながら落ち付いて座っていた。新政府設立のため、吉之助や正助に力を貸す。明治政府が成立すると右大臣に就任、能力の乏しい三条太政大臣に成り代わり、利通と共に実権を握る。
両雄対決となった明治六年の政変では、利通と謀り隆盛らの征韓論派を排除する。
三条実美(さんじょう さねとみ)
演:角野卓造
公家。早くから倒幕運動に加わり、明治新政府では首班である太政大臣に任命されるが、お人好しで決断力の乏しさが災いして明治六年の政変では、心労から板挟みとなって病に倒れてしまう。
近衛忠煕(このえ ただひろ)
演:柳生博
公家。官位は関白。篤姫を養女に迎えるなど、斉彬の政治活動に協力する。朝廷の最高位の公卿であるが気の弱い性格で、押される方へ流されてしまうタイプ。
明治天皇(めいじ てんのう)
演:岡部浩之
中川宮朝彦親王(なかがわのみや あさひこしんのう)
演:三木敏彦
中山忠能(なかやま ただやす)
演:松村彦次郎
正親町三条実愛(おおぎまちさんじょう さねなる)
演:沼田爆
大原重徳(おおはら しげとみ)
演:庄司永建
二条斉敬(にじょう なりゆき)
演:今西正男
姉小路公知(あねがこうじ きんとも)
演:石垣恵三郎

越前藩[編集]

松平春嶽(まつだいら しゅんがく)
演:磯部勉
越前藩主。一橋派の中心人物。安政の大獄で失脚するが井伊直弼の死後に復帰、政事総裁職に就任し慶喜と共に幕政を主導する。
橋本左内(はしもと さない)
演:篠井英介
越前藩士。春嶽の側近で参謀的存在だったが、安政の大獄で逮捕、処刑される。

水戸藩[編集]

徳川斉昭(とくがわ なりあき)
演:金子信雄
前水戸藩主。慶喜・慶篤の父。
藤田東湖(ふじた とうこ)
演:大山克巳
水戸藩士。攘夷派。
徳川慶篤(とくがわ よしあつ)
演:高野光平
水戸藩主。
安島帯刀(あじま たてわき)
演:平井武
水戸藩家老。

その他の大名・藩士[編集]

伊達宗城(だて むねなり)
演:北村総一朗
宇和島藩主。
松平容保(まつだいら かたもり)
演:若松武
会津藩主。京都守護職。
永岡久茂(ながおか ひさしげ)
演:坂西良太
会津藩士。海老原の門下生で八郎太の同志。新政府の政策に憤慨して海老原の下を離れ決起するも失敗(思案橋事件)、川路率いるポリス隊によって斬られる。
松平定敬(まつだいら さだあき)
演:真崎理
桑名藩主。京都所司代。松平容保の実弟。
徳川慶勝(とくがわ よしかつ)
演:板倉佳司三上真一郎
尾張藩主。
平岡円四郎(ひらおか えんしろう)
演:永田博丈
一橋家家老。
浅野長勲(あさの ながこと)
演:清水明彦
広島藩主。
平野国臣(ひらの くにおみ)
演:野崎海太郎
福岡藩士。
長野主膳(ながの しゅぜん)
演:伊藤孝雄
大老・井伊直弼の参謀。

明治政府[編集]

伊藤博文(いとう ひろぶみ)
演:小倉久寛
長州藩出身。通称は俊輔(しゅんすけ)。木戸の舎弟分で敬愛している一方で彼の口うるささに閉口してもいる。
少々調子のよいところがあるが新政府を支える利通に私淑しており、利通の死に嗚咽する。のちに初代内閣総理大臣
山縣有朋(やまがた ありとも)
演:新井康弘
陸軍大輔、後に陸軍卿に昇進。長州藩出身。
従道と共に軍制改革を推進するが、その内容が気に入らない桐野ら近衛将校に怒鳴り込まれ、従道に庇ってもらった事がある。
汚職で追放されるが、隆盛に救われる。そのため西南戦争では泣く泣く隆盛を総攻撃した。のちに元帥陸軍大将
大隈重信(おおくま しげのぶ)
演:石丸謙二郎
肥前藩出身。隆盛を阿呆と見ている。江藤新平と同様、当初は利通を敵視していたが、徐々に新政府を支える利通の姿勢を尊敬するようになり、政策に協力する。のちに自由民権運動では立憲改進党に関与し、政府でも内閣総理大臣などを歴任。また、早稲田大学を創設する。
江藤新平(えとう しんぺい)
演:隆大介
司法卿。肥前藩出身。
日本国の将来を考えているが、出身の肥前佐賀と三権分立政策にこだわるあまり、現実重視の利通らと反目していく。征韓論争では自身の手で法治国家を作る野心のために征韓派を利用しようと与するが、明治6年政変で下野。帰郷後、現地の不平士族に祭り上げられる形で佐賀の乱を引き起こすが、敗れて梟首される。
板垣退助(いたがき たいすけ)
演:斉藤洋介
土佐藩出身。
征韓派に与し、明治6年政変で下野。その後は自由民権運動の主導者となる。
大木喬任(おおき たかとう)
演:町田幸夫
肥前藩出身。明治6年政変で征韓論には反対の立場を取るが、積極的な行動はしなかった。
井上馨(いのうえ かおる)
演:長谷川初範
長州藩出身。江藤に山県同様、汚職の嫌疑を掛けられ一旦辞職する。
副島種臣(そえじま たねおみ)
演:坂部文昭
肥前藩出身。
河野敏鎌(こうの とがま)
演:内田直哉
土佐藩出身。佐賀の乱で江藤を裁く。
品川弥二郎(しながわ やじろう)
演:廣田高志
長州藩出身。
後藤象二郎(ごとう しょうじろう)
演:高橋幸兵
土佐藩出身。
山口尚芳(やまぐち なおよし)
演:大森一
肥前藩出身。

警視庁[編集]

川路利良(かわじ としよし)
演:塩野谷正幸
大警視。薩摩藩出身。通称は正之進(しょうのしん)。正義感の強い性格だが、悪事に対して激烈な打撃を喰らわせねば気が済まぬ激しく執拗な内面も併せ持つ。隆盛・利通両者に恩義を感じているが、洋行して警察制度の導入こそが新政府ひいては国の文明開化を助ける道と考えるようになり、明治6年政変でも私事で下野した隆盛と私学校党を悪と断定し、積極的に敵対の意志を固める。隆盛の恩に報いるためにも付和雷同に流されずに警察制度を確立すべきと考え、「西郷先生は人徳の人だが、この状況下では存在そのものが悪となる」とまで思い至り、後に利通から「目的に対する思い込みが強すぎる」と評される。
中原尚雄(なかはら なおお)
演:渡辺いっけい
巡査。薩摩藩出身。川路の命を受けて密偵として鹿児島に潜入するが私学校生徒に捕えられ拷問を受ける。

陸軍[編集]

村田経芳(むらた つねよし)
演:桜金造
薩摩藩出身。村田銃の開発者であり、本作でも銃の解説をしている。
利通の留守中に大久保家を訪ね満寿相手に長々と銃談義を披露し、後から帰って来た利通を呆れさせた。
児玉源太郎(こだま げんたろう)
演:光岡湧太郎
長州藩出身。佐賀の乱や神風連の乱に政府側で関わる。後の日露戦争で陸軍の総参謀となった。
野津鎮雄(のづ しずお)
演:堀辺隆一
薩摩藩出身。
田中光顕(たなか みつあき)
(田中顕助→田中光顕)
演:宮寺陽一郎
土佐藩出身。旧名は顕助。後に官僚伯爵となった。
浅田信興(あさだ のぶおき)
演:小田島隆

市井の人々[編集]

江戸・東京[編集]

新門辰五郎(しんもん たつごろう)
演:三木のり平
江戸の町火消し「を組」の頭領。誇り高き江戸っ子で、大名火消に強い対抗意識を持つ。
将軍家慶の葬儀の警護を幕府から内々に依頼されるなど江戸の町方を代表する有力者。
徳川慶喜を主と仰ぎ、娘のお芳を側室として出している。慶喜の上洛の際は子分たちを率いて警護に当る。
隆盛とは江戸で何度か顔を合わせて親しい間柄になるが、鳥羽・伏見の戦いの後に謹慎の身となった慶喜を思い、江戸市街で偶然出会った隆盛を反目しつつも惜しみながら去っていく。
矢崎八郎太(やざき はちろうた)
演:堤真一
宮崎八郎がモデル。
青雲の志を抱いて熊本から上京した青年。目標が定まらず暗中模索の日々が続くが、師事していた江藤新平の無惨な最期を目の当たりにして新政府と対決する道を選ぶ。西南戦争が開始されると西郷軍に身を投じ政府軍と戦い、壮烈な戦死を遂げる。
芦名千絵(あしな ちえ)
演:有森也実
没落した旧旗本の娘。維新後の混乱で放浪生活を送り、以前住んでいた東京の屋敷に辿りつくと桐野ら薩摩出身の近衛兵たちが住み着いていた。これが縁となって薩摩の人々との交流が始まり、一時は女手の足りない東京の隆盛邸で住み込みの女中をしていた。やがて八郎太と恋仲となり、西南戦争が始まると彼を追って九州に渡り夫婦の契りを交わす。戦争終結後は鹿児島の西郷家に辿りついていとの庇護を受け、八郎太の遺児となる娘を出産する。隆盛のことを「御前様」、いとのことを「奥方様」と呼ぶ。
原作の小説では途中で姿を消すがドラマ版では大幅に出番が増え、第2部の実質的なメインヒロインとなった。
芦名千草(あしな ちぐさ)
演:南條玲子
千絵の姉、山城屋の愛人。山城屋の死後は自由の身となり、千絵や八郎太を支える。
十蔵(じゅうぞう)
演:奥村公延
芦名家の下男。維新後も屋敷を一人で守っていた。
山城屋和助(やましろや わすけ)
演:藤堂新二
長州出身の政商。公金横領で追い詰められて自害する。
お芳(およし)
演:水島かおり
辰五郎の娘。慶喜の側室となる。
金太(きんた)
演:段田安則
辰五郎の子分。
清次郎(せいじろう)
演:松澤一之
辰五郎の子分。
梅乃家五郎八(うめのや ごろはち)
演:桂三木助
東京の幇間。キザな優男で腕力沙汰は不得手だが、江戸っ子らしく義侠心に富む。海老原や八郎太を支援し、千草をかくまう。

京都[編集]

月照(げっしょう)
演:野村万之丞
清水寺の僧侶。熱烈な勤王思想の持ち主で、京都における政論をリードする存在だった。一橋派に与し、隆盛と親交を持つ。
斉彬急逝の際に殉死しようとする隆盛を制止し、斉彬の遺志を継ぐように説得した。
隆盛と共に京で慶喜擁立の政治工作にかかわるが安政の大獄で京を追われ、薩摩まで落ち伸び隆盛や利通らに匿われるが、再び藩の実権を握った斉興から密かに殺害するように命じられ、絶望した隆盛と共に錦江湾に身投げする。
お房(おふさ)
演:萬田久子
京の薩摩藩御用宿・鍵屋の女将。
お縫(おぬい)
演:渡辺典子
京の舞妓。

その他の日本人[編集]

ジョン万次郎(ジョンまんじろう)
演:中西良太
アメリカから帰国した漂流民。元は土佐の漁師。
斉彬の前で自らが目にしたアメリカの様子を語る。
白石正一郎(しらいし しょういちろう)
演:小林勝彦
下関の商人。
おゆう
演:未来貴子
大久保一蔵(利通)の愛人。
丸山(まるやま)
演:大塚周夫
和助(わすけ)
演:笹野高史
直兵衛(なおべえ)
演:頭師孝雄
カメ
演:飯田テル子
岡崎恭助(おかざき きょうすけ)
演:佐渡稔
坂東(ばんどう)
演:田口トモロヲ
向井(むかい)
演:直江喜一
高田露(たかだ あきら)
演:坂田祥一朗
熊本県士族で八郎太の同志。八郎太率いる熊本協同隊に参加し西南戦争では西郷軍として戦う。着流し・落とし差しといういでたちで白刃突撃を敢行する伊達男。
刺客
演:真木仁
不平士族。東京の紀尾井坂において利通を待ち伏せし襲撃、斬殺する。事を終えるとその場に刀を捨てて立ち去った。


外国人[編集]

アーネスト・サトウ
演:ゴダン・ジャンリュック
イギリスの外交官。
タウンゼント・ハリス
演:ジョー・グレイス
アメリカ合衆国駐日総領事
ヘンリー・ヒュースケン
演:アンドレ・ケイザース
ハリスの通訳。
チャールス・リチャードソン
演:ダレン・ジアー
イギリス人。久光の行列を邪魔して無礼討ちにされた。

スタッフ[編集]

放送[編集]

特記が無い限り NHKクロニクルのNHK番組表ヒストリー で確認。

通常放送時間[編集]

放送日程[編集]

  • 第1部第1回は40分繰り上げかつ40分延長。
  • 第1部第5回は20時から衆議院選挙特集「徹底インタビュー・政策を問う」を放送するため45分繰り上げ。
  • 2月18日は第39回衆議院議員総選挙開票速報のため、放送休止。
  • 第1部第10回は7時のニュースが10分延長したため、10分繰り下げ。
  • 第1部第29回は14分延長。
  • 第2部第10回は20時28分から第11回アジア大会閉会式を放送するため30分繰り上げ。
  • 第2部第11回は20時からNHKスペシャル「緊急土地改革・地価は下げられる」 ―徹底討論・あなたの選択―を放送するため45分繰り上げ。
  • 第2部第19回は11分延長。
放送回 放送日 演出 視聴率[2]
[要出典]
第1部 幕末編
第1回 1月7日 薩摩藩お家騒動 平山武之 26.9%
第2回 1月14日 新藩主お国入り 平山武之
望月良雄
25.1%
第3回 1月21日 運命の女たち 平山武之
本田幸紀
28.3%
第4回 1月28日 黒船来る 平山武之 27.7%
第5回 2月4日 江戸へ 望月良雄 26.9%
第6回 2月11日 庭方役拝命 29.3%
第7回 2月25日 篤姫お輿入れ 木田幸紀 26.3%
第8回 3月4日 異変のきざし 28.5%
第9回 3月11日 大老・井伊直弼 平山武之 25.5%
第10回 3月18日 斉彬出兵計画 25.6%
第11回 3月25日 大獄の嵐 望月良雄 27.6%
第12回 4月1日 吉之助入水 18.7%
第13回 4月8日 正助の布石 木田幸紀 16.2%
第14回 4月15日 桜田門外の変 平山武之 23.2%
第15回 4月22日 南国の女 21.0%
第16回 4月29日 吉之助帰る 望月良雄 21.5%
第17回 5月6日 同士討ち 25.8%
第18回 5月13日 公家攻略策 小松隆一 23.2%
第19回 5月20日 異人斬り 25.3%
第20回 5月27日 薩英戦争前夜 平山武之 22.7%
第21回 6月3日 慶喜の裏切り 23.3%
第22回 6月10日 燃える思い 菅康弘 23.0%
第23回 6月17日 竜馬と海舟 18.9%
第24回 6月24日 新たな契り 望月良雄 22.3%
第25回 7月1日 薩長同盟 古川法一郎 21.6%
第26回 7月8日 討幕への道 望月良雄 21.9%
第27回 7月15日 王政復古 小松隆一 21.6%
第28回 7月22日 江戸開城 望月良雄 21.5%
最終回 7月29日 維新成る 21.9%
第2部 明治編
第1回 8月5日 揺れる新政府 平山武之 23.6%
第2回 8月12日 決意の門出 19.0%
第3回 8月19日 苦難の大変革 24.0%
第4回 8月26日 いけにえの牛 20.9%
第5回 9月2日 欧米視察団出発 小松隆一 24.0%
第6回 9月9日 留守政府分裂 望月良雄 22.6%
第7回 9月16日 破裂弾中の昼寝 21.7%
第8回 9月23日 遣韓大使志願 20.5%
第9回 9月30日 大久保の決断 平山武之 22.6%
第10回 10月7日 両雄対決 17.1%
第11回 10月14日 西郷、野に下る 菅康弘 21.2%
第12回 10月21日 東京政府孤立 望月良雄 22.2%
第13回 10月28日 佐賀の乱 西谷真一 20.9%
第14回 11月4日 それぞれの薩摩 望月良雄 21.0%
第15回 11月11日 士族暴発 平山武之 22.5%
第16回 11月18日 西郷軍挙兵 24.1%
第17回 11月25日 西南戦争 木田幸紀 23.0%
第18回 12月2日 故郷・城山へ 望月良雄 24.4%
最終回 12月9日 明日への飛翔 平山武之 25.0%
平均視聴率 23.2%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)[1]

総集編[編集]

放送回 放送日 放送時間
第1部・前編 12月16日 青雲の志 19:20-21:14
第1部・後編 12月17日 維新成る 19:30-20:44
第2部・前編 12月23日 両雄対決 19:20-20:44
第2部・後編 12月24日 明日への飛翔 19:25-20:44

メディア[編集]

  • 総集編: 全4巻(VHS)、3枚組(DVD)
  • 完全版: DVD-BOX全2集、13枚、48話(DVD)

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、現在も肖像画が隆盛の実像を反映しているかは疑問視されている。
  2. ^ 斉彬役の加山は、岩倉具視の玄孫である。
  3. ^ 一部放送日時の変更あり。

出典[編集]

  1. ^ a b ビデオリサーチ NHK大河ドラマ 過去の視聴率データ
  2. ^ 「テレビ視聴率季報(関東地区)」ビデオリサーチ。

参考文献[編集]

  • 『NHK大河ドラマストーリー 翔ぶが如く 第一部幕末編』日本放送出版協会、1990年
  • 『NHK大河ドラマストーリー 翔ぶが如く 第二部明治編』日本放送出版協会、1990年

関連項目[編集]

  • 篤姫 (NHK大河ドラマ) - 幕末の薩摩を題材とした2008年の大河ドラマ。西郷(演:小澤征悦)・大久保(演:原田泰造)も重要人物として登場した。
  • 西郷どん - 大河ドラマで西郷が主人公として描かれた2作目。2018年放送。主役の西郷は鈴木亮平、準主役格の大久保は瑛太が演じた。翔ぶが如くで西郷を演じた西田はナレーター(語り)及び西郷の息子である西郷菊次郎役で、大久保を演じた鹿賀は薩摩藩の第10代藩主である島津斉興役で出演している。

外部リンク[編集]

NHK 大河ドラマ
前番組 番組名 次番組
翔ぶが如く