武蔵 MUSASHI

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武蔵 MUSASHI
ジャンル ドラマ
放送時間 日曜20:00-20:45(45分)
放送期間 2003年1月5日-12月7日(全49回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 日本放送協会
製作総指揮 一井久司 他
演出 尾崎充信 他
原作 吉川英治
脚本 鎌田敏夫
出演者 市川新之助
堤真一
米倉涼子
内山理名
かたせ梨乃
高嶋政伸
仲間由紀恵
寺島しのぶ
小泉今日子
阿部寛
榎木孝明
中村雅俊
寺田農
北村和夫
中村勘九郎
西田敏行
夏八木勲
西郷輝彦
ビートたけし
松岡昌宏
宮沢りえ
宇津井健
津川雅彦
若尾文子
江守徹
中村玉緒
中井貴一
渡瀬恒彦
藤田まこと
オープニング エンニオ・モリコーネ
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武蔵 MUSASHI』(むさし)は、NHK2003年1月5日から12月7日にかけて放送された大河ドラマ。大河ドラマシリーズ初の地上デジタル放送でもある[注釈 1]

NHKテレビ放送開始50周年、大河ドラマ40周年記念作品。

概要[編集]

吉川英治の小説の大河ドラマ化は1991年の『太平記』以来で、4作目である。主演の七代目市川新之助は、1994年の『花の乱』出演以来。武蔵の幼馴染・本位田又八には堤真一、幼馴染で恋人のお通役には米倉涼子、宿敵・佐々木小次郎にはTOKIOメンバーの松岡昌宏、小次郎の恋人・琴役は仲間由紀恵が序盤で同じく恋人であった八重役と兼ねて二役を演じ、琴の死後に小次郎の恋人となるお篠は宮沢りえが演じた。後半の宿敵・柳生宗矩は中井貴一が演じた。また脚本には鎌田敏夫が起用され、音楽にエンニオ・モリコーネを迎えた。大河ドラマ初出演になるビートたけしの演技が話題を呼んだが、一方で視聴率は前半以降は低迷した。平均視聴率16.7%、最高視聴率24.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)[1]

史実に基いているとはいえ、女性がレイプされるシーン[2]や濡れ場が露骨に描かれたり、虐殺シーンがあったりと、大河ドラマとしては異色の演出が見られた。

第14話において、上半身裸(映されたのは背中のみ)の吉野太夫が、武蔵に対して「抱いてください」と言うシーンが放送されたが、これらの性的な表現を問題視した吉野太夫ゆかりの京都・嶋原の財団法人「角屋保存会」が、「文化人であった太夫への誤解を生む」としてNHKに対し抗議を行った[3]。それ以前にはNHKはしばしば嶋原を番組で取り上げることがあったが、この一件以降は無くなっている。

原作は巌流島の決闘で終結しているが、本作では巌流島以降の武蔵が描かれ、キリシタンの村を作り武蔵を敵視する柳生宗矩から守り抜こうとするエピソードもある。

中盤の山場となる巌流島の回では、ラジコンのヘリコプターによる空撮に加え、映画『マトリックス』で注目された視覚効果「バレットタイムデジタルスチルカメラを30台使用)」で撮影されたシーンもあった。しかし巌流島の決闘以降、一度放映された場面を回想シーンとして構成された回も数話あった。

また、武蔵とは何の絡みもない、淀殿を中心とした豊臣家を描いた場面が挿入されたり、大坂城が落城する際には柳生宗矩との対戦以外、戦場で何もしない武蔵が描かれた。なお、総集編では「宮本武蔵」の定番エピソードである宍戸梅軒との対決が収録されておらず、お通の行動も大幅に変更されている。また、藤田まこと演じる柳生石舟斎の登場シーンがカットされている(その正確な理由は不明だが、製作スタッフと藤田との間にトラブルが起こっていたことが、藤田の著書によって公表されており、以後2010年に亡くなるまで、藤田はNHKのドラマに出演しなかった)。

本作の放映に先駆けて、前年2002年の『NHK紅白歌合戦』では市川新之助が審査員として参加した。そのほかにも松岡昌宏、胤舜役の浜田学、阿厳役の武藤敬司がそれぞれの役の衣装で登場した。

なお、紀行のコーナーのタイトルは『〜紀行』というタイトルでなく、『武蔵伝説の旅』である。

登場人物[編集]

武蔵及び武蔵関係[編集]

  • 新免武蔵→宮本武蔵 - 増田貴久七代目 市川新之助
    もともとは荒れたところがあり、素行にも問題があった。しかし、柳生石舟斎をはじめとする多くの人たちと出会うことにより成長してゆく。
  • 本位田又八 - 内山眞人堤真一
    武蔵の親友。武士であったが、武蔵と比べるとどこか頼りないところがあった。その後、佐々木小次郎の名前をかたったり、遊興にふけったりしたこともあった。
    武士としては成功できず、武蔵に対しコンプレックスに近い感情を抱いていたが、その後は商売を始め、それに生きがいを感じるなど、人間的に成長していく。また、商人としてやっていく中でようやく武蔵の心情が理解できるようになった。しかし、鉄砲の販売にかかわったことが、自らの死を早める原因となった。
  • お杉 - 中村玉緒
    又八の母。又八を溺愛しており、それゆえに武蔵に対して冷たい態度をとることが多かった。しかし巌流島の戦いの後、備前に戻った武蔵・お通に誘われ、武蔵たちと共に開墾を始め村づくりに参加する。
  • 権六 - 谷啓
    お杉の弟。又八の叔父。お杉の旅に付き合わされるが、武蔵とお通に敵対感情は持っていない。
  • お通 - 桜井真琴→米倉涼子(一部吹き替え:高橋ユミ
    又八の許婚で、武蔵の幼馴染み。村を出奔した武蔵を追いかける旅に出るがすれ違いが続き、諸国をさまよう。旅の道中では何度も大きな危険に遭っており、浪人たちに捕らわれかけたり、あかねや絃三に催眠術をかけられて気を失って倒れたり、祇園藤次の一味に捕らわれて身も心も弄れたりしている。紆余曲折の末、故郷も友人も何もかも失った彼女は大坂の陣後、自分と同じく天涯孤独の武蔵と生きていくことを決意する。晩年の武蔵が「五輪書」を執筆している頃には亡くなっており、仏壇にお通の位牌が置かれている。
  • ルシア - 高橋惠子
    お通の母。
  • 朱実 - 内山理名
    母・お甲の手により遊女にさせられたりするが、次第に又八に惹かれるようになり母の手から離れ江戸へ向かう又八についていく。次々と新しい商売に手を出そうとする又八に振り回されながらも又八に対する愛情を深め、彼の子供を宿すことになる。
  • お甲 - かたせ梨乃
    朱実の母。
  • 新免無二斎 - ビートたけし
    又八の叔父にあたる本位田家の当主を殺したことで村人たちから白眼視され、村を追われた。元々人間不信気味なところがあり、自分の妻子に対しても愛情を注ぐことはなかった。武蔵の記憶では父は自分を圧倒する強さと怖さを持った人物だったが、細川家の使者として現れた父はまるで別人のような哀れな姿に成り果てており、武蔵は強い衝撃を受けた。
  • お吟 - 菊池麻衣子
    武蔵の姉。
  • 本位田外記之助 - 伊藤紘
    又八の叔父。本位田家の当主。
  • 城太郎 - 三浦春馬
    武蔵の最初の弟子。
  • 青木丹左衛門 - 伊藤敏八
    城太郎の父。
  • たみ - 洞口依子
    城太郎の母。
  • 沢庵 - 渡瀬恒彦
    武蔵の成長を見守っている僧。武蔵の心の師。

小次郎関係[編集]

  • 佐々木小次郎 - 大高力也松岡昌宏
    武蔵同様、諸国を回り剣術修行をする旅を続けていて、ついに自分の技・燕返しを完成。巌流島で武蔵と闘い、壮絶な死を遂げる。後に武蔵は剣術家としての実力は自分を上回っていたことを認めている。
  • お篠 - 宮沢りえ
    小次郎の恋人。奇妙な縁で小次郎と運命を共にする。
  • 八重 - 仲間由紀恵
    小次郎の許嫁だったが、師の命で父親を小次郎に討たれ、小次郎の目の前で自害する。
  • 琴 - 仲間由紀恵
八重に瓜二つの容姿を持つ。小次郎に唇を奪われ、恋に落ちる。小次郎と共に旅に出るが、小次郎の雇い主に犯されてしまい、心をとざしてしまう。そして小次郎と浪人の戦いで顔に刀の傷を受け、小次郎との仲に亀裂が入ってしまう。
  • 原田休雪 - 遠藤憲一
    黒脛巾組としてお篠を追っていたが、やがてお篠と相思相愛の関係になる。役目を放棄し、組からも逃れたために伊達側の人間に殺害される。
  • 鐘巻自斎 - 津嘉山正種
  • 茨木屋又右衛門 - 磯部勉
    琴の元夫。

柳生一族[編集]

新免武蔵と勝負をし、圧倒的な実力差を見せる。

宝蔵院一門[編集]

吉岡一門[編集]

大山軍学所[編集]

その他武蔵のライバル[編集]

  • 宍戸梅軒 - 吉田栄作
    武蔵が倒した盗賊・辻風典馬の兄。ひょんなことで鎖鎌の術を教わろうとかつに近づいてきた男が、弟を殺した仇である上に吉岡一門を倒した武芸者とわかり対決を挑む。武芸者としての野心に燃えていたが、妻子持ちの生活になったことでその気持ちが揺らぎ始めていた。
  • かつ - 水野美紀
    梅軒の妻。とても美しいため、浪人に襲われたが、夫に教わった鎖鎌で圧倒したという。夫の遺言によって、夫を殺した武蔵に伴われ息子と共に生まれ故郷に戻ることになったが、途中で祇園藤次の襲撃を受けることになり、武蔵と共闘する。その中でお互い愛にも似た感情を抱くようになるが、最後は武蔵と別れた。
  • 夢想権之助 - 大柴邦彦
    農民の出身であるが息子の出世を望む母に押され、不本意ながら数々の武芸者たちと勝負をさせられ続けた。母を喜ばせたい一心で武蔵に対決を挑み、自身の立場を明かした上でわざと負けてくれるよう頼む。あえて権之助の攻撃をうけて倒れた(と本人は思ったが、実際には母親の気迫ある一言に圧倒された武蔵に隙ができたからであった)武蔵に対する申し訳なさから、自分は仕官はせず百姓の仕事を続けたいと母に懇願する。武蔵の人柄に感銘を受けた権之助は後に、備前で村を作っている武蔵の噂を聞きつけ、開墾の手助けをするために武蔵の元へ駆けつける。柳生一門との戦いで負傷し、故郷に帰った。
  • たか - 左時枝
    権之助の母。
  • 辻風典馬 - 永澤俊矢
  • 三木軍兵衛 - 草見潤平
  • 小野忠明 - 林邦史朗

豊臣家関係[編集]

徳川家関係[編集]

真田家関係[編集]

細川家関係[編集]

その他の大名・武将[編集]

本阿弥光悦関係[編集]

豪商[編集]

その他[編集]

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

平均視聴率 16.7%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)[1]

放送回 放送日 サブタイトル 演出
第1回 1月5日 俺は強い! 尾崎充信
第2回 1月12日 お前を守る!
第3回 1月19日 弱さを知れ!
第4回 1月26日 倒してみせる! 木村隆文
第5回 2月2日 一から出直せ!
第6回 2月9日 決闘! 般若坂 尾崎充信
第7回 2月16日 秘剣! 燕返し
第8回 2月23日 いざ! 柳生の剣 木村隆文
第9回 3月2日 おのれを知れ!
第10回 3月9日 宮本武蔵参上! 野田雄介
第11回 3月16日 修羅の道へ!
第12回 3月23日 俺は死なない! 尾崎充信
第13回 3月30日 一乗寺の決闘!
第14回 4月6日 美は美なり!
第15回 4月13日 響け! 笛の音 木村隆文
第16回 4月20日 伊達の刺客!
第17回 4月27日 おのれの道! 尾崎充信
第18回 5月4日 女心 揺れる! 梛川善郎
第19回 5月11日 風雲の江戸!
第20回 5月18日 家康暗殺! 尾崎充信
第21回 5月25日 必殺の鎖鎌!
第22回 6月1日 対決! 宍戸梅軒 木村隆文
第23回 6月8日 夫の仇!
第24回 6月15日 蘇る! 戦いの日々 尾崎充信
第25回 6月22日 お通の涙 後藤高久
第26回 6月29日 柳生の誘い
第27回 7月6日 再会! 武蔵とお通 尾崎充信
第28回 7月13日 つかのまの愛 木村隆文
第29回 7月20日 小次郎動く! 尾崎充信
第30回 7月27日 石舟斎の遺訓 野田雄介
第31回 8月3日 お通、いずこに 木村隆文
第32回 8月10日 武蔵の決意 櫻井賢
第33回 8月17日 父との再会 野田雄介
第34回 8月24日 対決! 夢想流 尾崎充信
第35回 8月31日 武蔵、小倉へ! 木村隆文
第36回 9月7日 武蔵と小次郎
第37回 9月14日 巌流島への道 尾崎充信
第38回 9月21日 決闘! 巌流島
第39回 9月28日 武蔵帰還 木村隆文
第40回 10月5日 信じる心 大原拓
第41回 10月12日 又八 危うし! 梛川善郎
第42回 10月19日 武蔵と幸村 尾崎充信
第43回 10月26日 武蔵村の危機 梛川善郎
第44回 11月2日 お杉逝く! 尾崎充信
第45回 11月9日 冬の陣開戦! 梛川善郎
第46回 11月16日 宿敵! 柳生宗矩 大原拓
第47回 11月23日 涙の別離 櫻井賢
第48回 11月30日 柳生を倒せ! 木村隆文
最終回 12月7日 武蔵よ永遠に! 尾崎充信

総集編[編集]

12月28日一括放送。

  • 第一部「俺は強い!」(19:20–20:45)
  • 第二部「決闘!巌流島」(21:00–22:25)

著作権訴訟[編集]

第1回の山場となる夜盗襲撃シーンは、茨城県にロケセット「伊吹山の庄屋の家」を製作した力の入った撮影であったが、黒澤明監督の映画『七人の侍』(1954年)に類似している部分があった。放映後に週刊誌などからも指摘され、イメージダウンになっている。黒澤プロ側はオマージュとしては解せず、放送終了後の2004年1月に、NHKと脚本家に対し、著作権翻案権)侵害などを理由に訴訟を起こしたが、2004年東京地方裁判所により請求は棄却された。2005年に知的財産高等裁判所も一審を支持。同年、最高裁も上告を棄却した[4]

その影響もあり本作は、2000年代に放送された大河ドラマで唯一、DVDなどのソフト化が全くされておらず、NHKアーカイブスでも視聴できない。

2011年9月書道作家である上坂祥元[5]が、同作品並びに『龍馬伝』のタイトルロゴが自らの構図と酷似し、著作権侵害しているなどとして、NHKを相手取り、約1,100万円の損害賠償を求める訴訟京都地裁に起こした[6]。ただし、京都地裁・大阪高等裁判所とも創作性を認めず、原告の訴えを退けている[7]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 最終話(第45話)のみ。ただし、再放送を含むと第44話が先。

出典[編集]

  1. ^ a b ビデオリサーチ NHK大河ドラマ 過去の視聴率データ
  2. ^ お通が凌虐を受けそうになるシーンが複数回に放映されている他、祇園藤次の一味に捕らわれ拘束された際、性の道具として弄ばれていることを示すお甲の台詞がある。他にも、琴が小次郎の雇い主から無理矢理胸を揉まれて抵抗できず、その後犯されたことを示唆するシーン、朱実がお甲に売られて吉岡清十郎に暴行を受けるシーンや大阪城落城時に半裸の町娘が雑兵に押し倒されたりさらわれるシーンも放映された。
  3. ^ 劇場空間キョウト、第3部「いま、花街で」(5)太夫 - 第14話の一件に関して
  4. ^ 『大河ドラマの50年』鈴木嘉一 中央公論新書2011年
  5. ^ 大河ドラマ題字、著作権侵害にあたらず 京都地裁判決 朝日新聞 2012年3月12日付けのアーカイブ
  6. ^ NHKを著作権侵害で提訴 「龍馬伝」などの題字で書道作家 産経新聞 2011年9月22日(左記オリジナルURLの2011.9.23時点のアーカイブ
  7. ^ 龍馬伝の題字「創作性ない」 書道家の著作権侵害せず 大阪高裁判決 (社)日本新聞協会 2012年9月26日


外部リンク[編集]

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