関西電力
関西電力本店がある関電ビルディング(奥の高層ビル)。手前のビルはダイビル本館(旧大阪ビルヂング:解体済み)。 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
大証1部(廃止) 9503
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略称 | 関電、KEPCO |
本社所在地 |
日本 〒530-8270 大阪府大阪市北区中之島三丁目6番16号 |
設立 | 1951年5月1日 |
業種 | 電気・ガス業 |
法人番号 | 3120001059632 |
事業内容 | 電気事業、電気機械器具の製造・販売、熱供給事業他 |
代表者 |
取締役会長 森詳介 取締役社長 八木誠 |
資本金 |
4893億2000万円 (2011年3月31日現在) |
売上高 |
連結 2兆7697億円 単体 2兆4759億円 |
営業利益 |
連結 2738億円 単体 2251億円 |
純利益 |
連結 1231億円 単体 1033億円 |
純資産 |
連結 1兆8324億円 単体 1兆4948億円 |
総資産 |
連結 7兆3101億円 単体 6兆4575億円 |
従業員数 |
連結 3万2418人、単体 2万277人 (2011年3月31日時点) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 大阪市 8.92%、日本生命 4.57%、日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)3.84%、神戸市 2.91%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)2.46%(2011年9月30日現在) |
主要子会社 | きんでん、ケイ・オプティコム |
関係する人物 | 福澤桃介、太田垣士郎、芦原義重 |
外部リンク | http://www.kepco.co.jp/ |
特記事項:指標は2011年3月期、資産額は2011年3月31日時点。 |
関西電力株式会社(かんさいでんりょく)は、近畿地方2府4県(京都府、大阪府、滋賀県、兵庫県(赤穂市福浦を除く)、奈良県、和歌山県)および福井県(三方郡美浜町以西)、三重県(熊野市[1]以南)、さらには岐阜県不破郡関ケ原町の一部を営業区域とする電力会社。
略称として関電(かんでん)や、KEPCO(Kansai Electric Power Co., Inc.=ケプコ)[2]が使われる。
概要
1951年5月1日、松永安左エ門(電気事業再編成審議会委員長)のGHQへの説得による、国会決議より効力が強いGHQポツダム政令を元に、戦時における企業統廃合などによって発足した関西配電と日本発送電を再編する形で設立された(このため、現在も一部の年配者には関西電力を「関配(カンパイ)」と呼ぶ人もいる)。後述のとおり、戦前まで近畿地方を拠点に全国展開していた大同電力、宇治川電気、日本電力、東邦電力の流れを組み、資産を継承している関係上[3]、近畿地方以外の発電所などの設備を多く持つ。
発電能力と比べ、実際の発電は原子力による比重が約55%となっている(他社からの買電、融通、揚水発電を除いた発電量における、設備別比重)。
その一方、富山県の黒部川流域などに、最大出力30万kw超の大型の水力発電所も所有する。
沿革
- 1887年10月 - 神戸電燈設立(翌年9月10日に事業開始、近畿地方における最初の電気事業者)。
- 1888年2月5日 - 大阪電燈設立(翌年5月20日に事業開始)。
- 1888年4月6日 - 京都電燈設立(翌年7月に事業開始)。
- 1906年10月25日 - 宇治川電気設立。
- 1913年5月 - 神戸電燈、神戸電気鉄道(現在の神戸電鉄とは別法人)と合併し神戸電気設立。
- 1919年12月 - 日本電力設立。
- 1921年2月 - 大同電力設立。
- 1923年10月1日 - 大阪市、大阪電燈を買収し電気事業を市営化。大阪市電気局(現在の大阪市交通局)が設立される。
- 1925年6月 - 東邦電力設立。
- 1926年12月 - 昭和電力設立。
- 1939年4月1日 - 日本発送電設立。これ以降、日本電力や昭和電力などの電力会社および大阪市電気局などの公営電気事業の統廃合が行われる。
- 1942年4月1日 - 関西配電設立。
- 1951年5月1日 - 関西配電および日本発送電を廃止し、関西電力発足。
- 1951年9月3日 - 5か所の水力発電所を中部・北陸両電力に5月1日付で帰属することを決定(小坂・竹原川・瀬戸を中部、牧・東町を北陸)。
- 1955年 - 石炭火力発電所、姫路第一発電所1号機が運転開始(のちに石油を経てLNGに転換)。
- 1956年 - 石炭火力発電所、多奈川発電所1号機が運転開始(のちに石油に転換)。
- 1959年 - 石炭火力発電所、大阪発電所1号機が運転開始(のちに石油専焼を経て石油・LNG混焼に転換)。
- 1961年1月15日 - 黒部川第四発電所が運転開始。
- 1963年1月 - 日本初の大容量石油専焼火力発電所、尼崎第三発電所1号機が運転開始。
- 1963年10月 - 石油火力発電所、春日出発電所(新)1号機が運転開始(旧設備は1961年に廃止)。
- 1963年10月 - 石油火力発電所、姫路第二発電所1号機が運転開始(のちにLNGに転換)。
- 1964年7月 - 石炭・重油混焼火力発電所、尼崎東発電所1号機が運転開始。
- 1964年8月 - 関電トンネルトロリーバス開業(日本の電力会社で唯一の直営の鉄軌道事業者)
- 1964年12月 - 石油火力発電所、堺港発電所1号機が運転開始(のちに石油・LNG混焼に転換)。
- 1969年7月 - 石油火力発電所、三宝発電所1号機が運転開始(運営は関連会社である堺共同火力株式会社に委託)。
- 1970年5月 - 石油火力発電所、海南発電所1号機が運転開始。
- 1970年11月28日 - 電力会社では初の原子力発電所、美浜発電所1号機が運転開始。
- 1971年 - 石油火力発電所、高砂発電所1号機が運転開始。
- 1974年9月 - 尼崎第一発電所(石炭火力)廃止。
- 1974年11月14日 - 高浜発電所(原発)1号機が運転開始。
- 1976年3月 - 尼崎第二発電所(石炭火力)廃止。
- 1977年7月 - 石油火力発電所、多奈川第二発電所1号機が運転開始。
- 1979年3月27日 - 大飯発電所(原発)1号機が運転開始。
- 1982年9月 - 石油火力発電所、相生発電所1号機が運転開始。
- 1984年9月 - 石油火力発電所、御坊発電所1号機が運転開始。
- 1987年9月 - 石油火力発電所、赤穂発電所1号機が運転開始。
- 1989年8月 - 石油火力発電所、宮津エネルギー研究所1号機が運転開始。
- 1990年11月 - 関西電力初の新設LNG専焼火力発電所、南港発電所1号機が運転開始。
- 1995年4月 - 日本初の多軸再熱型コンバインドサイクル発電方式を採用した姫路第一発電所5号機が運転開始(コンバインドサイクル発電としても関西電力初)。
- 1998年- 奥多々良木発電所増設工事完了、最大出力193.2万kWの日本最大の揚水発電所となる。
- 2000年5月17日 - 岩谷産業との合弁企業「エル・エナジー」を設立。ガス事業への参入を開始する。
- 2001年 - 春日出発電所、多奈川発電所、尼崎第三発電所(いずれも石油火力)、尼崎東発電所(石炭・重油混焼火力)を廃止。
- 2003年 - 珠洲原子力発電所計画凍結。
- 2003年3月 - 三宝発電所(石油火力)廃止。堺共同火力解散。
- 2003年12月 - 大阪発電所(石油・LNG混焼火力)廃止。
- 2004年8月 - 関西電力としては30年ぶりとなる石炭火力発電所、舞鶴発電所1号機が運転開始。
- 2005年 - 日置川原子力発電所電源開発促進重要地点の指定より除外。
- 2006年 - 高砂発電所(石油火力)廃止。久美浜原子力発電所の建設計画を中止。
- 2009年4月1日 - 関西電力初の1,500℃級MACCを採用した堺港発電所1号機が運転開始(旧設備は2006年3月に廃止)。
- 2010年10月5日 - 電力会社では初の大規模太陽光発電所、堺太陽光発電所(第1区画)が運転開始。
発電施設
合計 164箇所、3,486.5万kW
- 総出力には長期計画停止中、定期点検中の号機を含む。廃止された号機、建設中の号機は含まない。
水力発電所
148箇所、818万kW(23.5%) - 近畿地方各府県(大阪府を除く)、富山県、福井県、長野県、岐阜県に発電所を有する。
- 主な水力発電所(10万kW以上の発電所)
発電所名 | 水系名 | 方式 | 総出力 | 所在地 |
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読書発電所 | 木曽川 | ダム水路式 | 11.71万kW | 長野県木曽郡南木曽町 |
丸山発電所 | ダム水路式 | 12.5万kW | 岐阜県加茂郡八百津町 | |
木曽発電所 | ダム水路式 | 11.6万kW | 長野県木曽郡木曽町 | |
下小鳥発電所 | 神通川 | ダム水路式 | 14.2万kW | 岐阜県飛騨市 |
黒部第三発電所 | 黒部川 | ダム水路式 | 10.7万kW | 富山県黒部市 |
黒部第四発電所 | ダム水路式 | 33.5万kW | 富山県黒部市 | |
音沢発電所 | ダム水路式 | 12.4万kW | 富山県黒部市 | |
奥吉野発電所 | 新宮川 | ダム式(揚水式) | 120.6万kW | 奈良県吉野郡十津川村 |
喜撰山発電所 | 淀川 | ダム式(揚水式) | 46.6万kW | 京都府宇治市 |
大河内発電所 | 市川 | ダム式(揚水式) | 128万kW | 兵庫県神崎郡神河町 |
奥多々良木発電所 | 円山川 | ダム式(揚水式) | 193.2万kW | 兵庫県朝来市 |
- 他の水力発電所については、電力会社管理ダム#関西電力を、管理する発電用ダム一覧については日本の発電用ダム一覧#関西電力を参照のこと。
火力発電所
12箇所、1,690.7万kW(関連会社経営の発電所を除く)[4](48.5%)
発電所名 | 使用燃料 | 総出力 | 所在地 | 備考 |
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宮津エネルギー研究所 | 重油、原油 | 75万kW | 京都府宮津市 | 1・2号機とも長期計画停止中。 |
舞鶴発電所 | 石炭、木質バイオマス | 180万kW | 京都府舞鶴市 | |
南港発電所 | LNG | 180万kW | 大阪府大阪市住之江区 | |
堺港発電所 | LNG | 200万kW | 大阪府堺市西区 | CC方式採用。旧設備は全廃。 |
多奈川第二発電所 | 重油、原油 | 120万kW | 大阪府泉南郡岬町 | 1・2号機とも長期計画停止中。 |
関西国際空港エネルギーセンター | 都市ガス、灯油 | 4万kW | 大阪府泉南郡田尻町 | ガスタービン発電方式。 |
姫路第一発電所 | LNG | 144.2万kW | 兵庫県姫路市飾磨区 | 5・6号機はCC方式採用。1~4号機は廃止。小型電源建設中(6.54万kW)。 |
姫路第二発電所 | LNG | 165万kW | 兵庫県姫路市飾磨区 | CC方式採用の新1~新6号機(291.9万kW)建設中。旧1~旧3号機は廃止。 |
相生発電所 | 重油、原油 | 112.5万kW | 兵庫県相生市 | |
赤穂発電所 | 重油、原油 | 120万kW | 兵庫県赤穂市 | |
海南発電所 | 重油、原油 | 210万kW | 和歌山県海南市 | 2号機は長期計画停止中。 |
御坊発電所 | 重油、原油 | 180万kW | 和歌山県御坊市 |
関連会社運営
発電所名 | 使用燃料 | 総出力 | 所在地 | 運営会社 | 備考 |
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和歌山共同発電所 | 副生ガス、重油 | 30.6万kW | 和歌山県和歌山市 | 和歌山共同火力 | CC方式採用の新1号機(14.7万kW)計画中。 |
原子力発電所
3箇所、976.8万kW[5](28%)
発電所名 | 原子炉型式 | 総出力 | 所在地 | 備考 |
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美浜発電所 | 加圧水型軽水炉 | 166.6万kW | 福井県三方郡美浜町 | 1~3号機全機定期検査中。 |
大飯発電所 | 加圧水型軽水炉 | 471万kW | 福井県大飯郡おおい町 | 1~4号機全機定期検査中。 |
高浜発電所 | 加圧水型軽水炉 | 339.2万kW | 福井県大飯郡高浜町 | 1~4号機全機定期検査中。 |
新エネルギー
1箇所、1万kW
発電所名 | 方式 | 総出力 | 所在地 |
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堺太陽光発電所 | 太陽光発電 | 1万kW | 大阪府堺市西区 |
過去および建設中止された発電施設
火力発電所
発電所名 | 使用燃料 | 総出力 | 所在地 | 備考 |
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春日出発電所 | 重油 | 31.2万kW | 大阪府大阪市此花区 | 2001年廃止。 |
大阪発電所 | 重油、LNG | 62.4万kW | 大阪府大阪市住之江区 | 2003年廃止。 |
三宝発電所 | 重油 | 15.6万kW | 大阪府堺市堺区 | 関連会社の堺共同火力が運営していたが2003年に解散、廃止。 |
多奈川発電所 | 重油 | 46.2万kW | 大阪府泉南郡岬町 | 2001年廃止。 |
尼崎第一発電所 | 石炭 | 31.8万kW | 兵庫県尼崎市 | 1974年廃止。 |
尼崎第二発電所 | 石炭 | 30万kW | 兵庫県尼崎市 | 1976年廃止。 |
尼崎第三発電所 | 原油 | 46.8万kW | 兵庫県尼崎市 | 2001年廃止。 |
尼崎東発電所 | 石炭、重油 | 31.2万kW | 兵庫県尼崎市 | 2001年廃止。 |
高砂発電所 | 重油、原油 | 90万kW | 兵庫県高砂市 | 2006年廃止。 |
原子力発電所
発電所名 | 原子炉型式 | 総出力 | 所在地 | 備考 |
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珠洲原子力発電所 | kW | 石川県珠洲市 | 2003年計画凍結。北陸電力および中部電力との共同運営が予定されていた。 | |
久美浜原子力発電所 | kW | 京都府熊野郡久美浜町(現・京丹後市久美浜町) | 2006年計画中止。 | |
日置川原子力発電所 | kW | 和歌山県西牟婁郡日置川町(現・白浜町) | 2005年、電源開発促進重要地点の指定より除外。 |
事業所
- 本店 大阪市北区(関電ビルディング)
- 原子力事業本部(旧若狭支社) 福井県三方郡美浜町
- 地域共生本部 福井市
- 大阪北支店 大阪市北区
- 大阪南支店 大阪市住之江区
- 京都支店 京都市下京区
- 神戸支店 神戸市中央区
- 姫路支店 姫路市
- 奈良支店 奈良市
- 奈良営業所 奈良市
- 高田営業所 大和高田市
- 滋賀支店 大津市
- 和歌山支店 和歌山市
- 東海支社 名古屋市東区(木曽川流域の水力発電所=旧・大同電力=を管轄)
- 北陸支社 富山市
- 東京支社 東京都千代田区
- 火力センター 大阪市北区
- 関西電力病院 大阪市福島区
- 能力開発センター 茨木市
2004年6月30日、近畿2府4県で一部の営業所が再編された。近畿で大幅な再編が行われたのに対して、福井県では全く再編が実施されなかったのは、原子力発電所立地地域に対する「配慮」があるものと見られる。
発電施設に関する特記事項
関西電力は、水力発電及び原子力発電の領域において、他の電力会社と比較して特殊な点がある。
黒部川流域の電源開発
第二次世界大戦前の日本電力(後の日本発送電)は、近畿地方への配電を目的として富山県黒部川水系に多くの水力発電施設を築いた。戦後、日本発送電を解体した際、配電地主義の観点からこれらは関西電力に引き継がれており、さらに、関西電力自身の手によって黒部川第四発電所が建設された。 このような事情から、配電地域外となる同県富山市に北陸支社が置かれているほか、特に黒部川第四発電所及び黒部ダムなどのいわゆる黒四関連施設の管理のため、長野県大町市に黒四管理事務所がある。
これらの発電施設の建設のため、日本電力時代までに、現JR黒部駅から黒部川沿いに鉄道や専用軌道および歩道(日電歩道)が建設され、加えて黒四関連施設建設の際には、長野県側からの工事用道路(後に大町有料道路及び関電トンネル)も建設された。これらの鉄道・軌道・道路は、本来の発電施設の維持管理目的のほか、地元鉄道会社へ移管されたり、観光目的に活用されたりしている。 現在、関西電力では、扇沢駅から黒部ダム駅までの関電トンネルトロリーバスを鉄道事業者として運行している(ただし送電は中部電力が担当している)ほか、黒部峡谷鉄道欅平駅から先のいわゆる上部軌道を専用鉄道として運行している。 なお、下部軌道(宇奈月~欅平)は子会社の黒部峡谷鉄道が運営している。
原子力と関西電力
関西電力は、電力構成に占める原子力発電の割合が他社よりも高い。同社のCMなどでも、「関西の電気の約半分は原子力」と言うキャッチフレーズが流れていた。
同社の原子力発電所は、福井県若狭地方に集中立地している。内訳は美浜町の美浜発電所に3基、おおい町の大飯発電所と高浜町の高浜発電所に各4基の、計11基である。すべて加圧水型原子炉(PWR)が採用されている。いずれもギリギリの範囲で同社の供給エリアではあるが、同県の敦賀市以東は北陸電力の管轄である。
この地域は福島県太平洋岸と並んで原子力発電所が集中している地域であり、前述の3発電所に加え、敦賀市には日本原子力発電の敦賀発電所、日本原子力研究開発機構の有する高速増殖炉もんじゅや、新型転換炉ふげん(現在は運転停止・廃炉作業中)、株式会社原子力発電訓練センター(三菱重工業の関連会社)なども立地しており、別名「原発銀座」とも言われている。
東日本大震災の影響
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の発生により、東京電力の福島第一原子力発電所で放射能漏れ事故が発生したことを受けて同社は、管理下の原子力発電所の非常用ディーゼル発電機以外に、移動可能な電源装置を別途高台等に設置すると各マスコミに向けてアナウンスした[6]。
全需要家への節電協力要請
さらに2011年6月10日に同社は、原子力発電所の運転停止・定期点検後の再稼動延期に伴う電力の供給不足による停電を回避することを目的として、同年7月1日から9月22日の平日9時から20時までの間(お盆の期間を除く)、個人・法人の全需要家に対し、前年比15%程度の節電の協力を要請する、との報道発表を行った。そして7月1日から9月22日まで、「でんき予報」の発表(6月29日~9月22日)を含めた、同社からの節電への協力要請が実施された。特に個人の需要家に対しては、平日13時から16時までの節電を呼びかけていた。
その後も同社は、2011年12月19日から翌2012年3月23日までの期間において、平日9時から21時までの間(年末年始を除く)全需要家に対し、前年比10%程度の節電協力要請を行っていた。特に個人の需要家に対しては、平日18時から21時までの節電を呼びかけていた。なお「でんき予報」は2011年11月30日より、また「週間でんき予報」は2011年12月16日より、いずれも2012年3月23日まで発表された。
2012年3月24日以降も、数値目標を掲げないものの、全需要家への節電の協力要請は引き続き行われている。
オール電化住宅の促進
東京電力福島第1原発事故以後、オール電化のテレビCMは自粛していたがオール電化住宅の販売促進は継続して行っていた。[7]
不祥事・トラブル
この節の加筆が望まれています。 |
美浜原発事故(2004年8月)
2004年8月9日に美浜発電所3号機で発生した配管破損事故。 2次冷却系のタービン発電機付近の配管破損により高温高圧の水蒸気が多量に噴出、逃げ遅れた5名が熱傷で死亡。 事故を公表せずに隠蔽していた事でマスコミが必要以上に騒ぎ立てた為に重大事故と誤解を受けがちだが、国際原子力事象評価尺度(INES)による判定はレベル1(安全上重要ではない事象であるレベル0から、後に「作業員には危険があった」ということで修正)で、他の原子力関連事故に比べると危険性は殆ど無い事故であった。
なお、1991年2月9日に美浜発電所2号機にて蒸気発生器の伝熱管が破損し非常用炉心冷却装置(ECCS)が作動する事故が起きており、INESによる判定でレベル2とされた[8]。
所得隠しの発覚
- 同社所有の遊休地の取引に絡み、大阪国税局から、2008年3月期までの2年間で約6億円の所得隠しを指摘されていたことが、2009年4月17日の各新聞報道で発覚した。同社が所有権を持たない土地について、売却損益を架空計上したと判断された模様である。申告漏れの総額は約62億円に及ぶとされ、国税当局は重加算税を含め約21億円を追徴課税した[9][10]。なお、同社はこの件に関して、一切公式サイト上でコメントをしていない。
- また、2011年にも、福井県美浜町などでの原子力発電所建設で生じた金属屑を、実勢価格よりも安い価格で地元業者に売却していたが、これについて、同国税局から「(課税対象となる)交際費である」とされ、2010年3月期までの5年間で約45億円の申告漏れを指摘された[11]。
カラス巣作り訴訟
関連会社
- アーバンサービス株式会社
- エコ・パワー株式会社
- 株式会社エネゲート
- エル・エナジー株式会社
- 株式会社エル・スエヒロフードサービス
- 大阪臨海熱供給株式会社
- 株式会社環境総合テクノス
- 株式会社関西メディカルネット
- 株式会社かんでんCSフォーラム
- かんでんEハウス株式会社
- 株式会社関電L&A
- 株式会社関電アメニックス
- 関電エネルギー開発株式会社
- 株式会社関電エネルギーソリューション
- 株式会社かんでんエルオートシステム
- 株式会社かんでんエルハート
- 株式会社かんでんエルファーム
- 株式会社かんでんエンジニアリング(旧・関西テック)
- 株式会社関電オフィスワーク
- 関電サービス株式会社
- 関電ジオレ株式会社
- 関電システムソリューションズ株式会社
- 株式会社かんでんジョイナス
- 株式会社かんでんジョイライフ
- 株式会社関電セキュリティ・オブ・ソサイエティ
- 株式会社関電パワーテック
- 関電ビルマネジメント株式会社
- 関電ファシリティマネジメント
- 関電不動産株式会社
- 関電プラント株式会社(旧・関電興業)
- 株式会社気象工学研究所
- 株式会社きんでん
- 株式会社クリアパス
- 黒部峡谷鉄道株式会社
- 株式会社ケイ・オプティコム
- 株式会社ケイ・キャット
- 株式会社原子力安全システム研究所
- 株式会社原子力エンジニアリング
- 神戸熱供給株式会社
- 堺LNG株式会社
- 株式会社テルヤ
- 日本原子力発電株式会社
- 日本電子照射サービス株式会社
- 株式会社日本ネットワークサポート
- 株式会社ニュージェック
- MID都市開発株式会社
- 越前エネライン株式会社
- ハイドロエッジ株式会社
- 甲賀エナジー株式会社
関係会社
電気設備工事会社の関電工は、その名前から関西電力の関係会社と誤解されやすいが、関東地方を地盤とする東京電力系の会社(旧社名:関東電気工事)であり、関西電力グループにおいては、きんでん(旧社名:近畿電気工事)に相当する会社である。
PR施設
- エルガイアおおい(福井県大飯郡おおい町)
- EEパーク(和歌山県御坊市)
- エル・マールまいづる(京都府舞鶴市)
- 若狭たかはまエルどらんど(福井県大飯郡高浜町)
- 神戸らんぷミュージアム(兵庫県神戸市)
- 美浜原子力PRセンター(福井県三方郡美浜町)
- 大飯発電所 エル・パーク・おおい(福井県大飯郡おおい町)
- 南港発電所 エル・シティ・ナンコウ(大阪府大阪市)
- 宮津エネルギー研究所 丹後魚っ知館(京都府宮津市)
- エル・ビレッジおおかわち(兵庫県神崎郡)
- 黒部川電気記念館(富山県黒部市)
提供番組・コーナー
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴い、震災発生以降以下の番組での提供は行っていない。
加えて2011年6月10日に、原子力発電所の運転停止・定期点検後の再稼動延期に伴う電力の供給不足による停電を回避することを目的として、同年7月1日から9月22日の平日9時から20時までの間、個人・法人の全需要家に対し、前年比15%程度の節電の協力を要請したことにあわせて同年6月18日より、同社からの「節電のお願い」を伝える社告形式のCMが放映された。
その後、同年9月23日以降は、省エネルギーをテーマにした企業イメージCMが放映されていたが、同年12月19日より翌2012年3月23日まで、全需要家に対し前年比10%程度の節電協力要請を行ったことにより、再度「節電のお願い」を伝える社告形式のCMが放映された。
2012年3月24日以降は、再び省エネルギーをテーマにした企業イメージCMが放映されている。
なお福井県内では、原子力発電所での安全対策を伝えるなど独自のCMが放映されているが、東日本大震災の発生以降、関西2府4県と同様にACジャパンのCMへの差し替えが一時期行われていた。
テレビ
- 2012年5月現在(すべて提供クレジット表示なし)
- 住人十色(毎日放送、関西ローカル)
- LIFE〜夢のカタチ〜(朝日放送、関西ローカル)
- 雨上がり食楽部(関西テレビ、関西ローカル)
- グッと!地球便(読売テレビ、関西ローカル)
- かがくdeムチャミタス!(テレビ大阪制作:奈良テレビ・テレビ和歌山・びわこ放送・福井テレビの各局でも放送)
- ふれあい若狭(福井放送)
- エ・ク・ボ通信(月1回「春夏秋冬、若狭色!」)(福井テレビ)
- 過去
- キッチンぷいぷい(ちちんぷいぷい:毎日放送)
- 所さんの目がテン!(読売テレビローカルスポンサー)
- トコトンハテナ(テレビ大阪・福井テレビローカルスポンサー)
- 暮らしカルマガジン みかさつかさ(毎日放送)
- 街かどチャチャチャ!(朝日放送)
- おしゃべりブランチ(朝日放送)
- 食べて元気!ほらね(朝日放送)
- 週末の探検家〜夢羅針盤〜(朝日放送)
- トミーズのはらぺこ亭(関西テレビ、関西ローカル)
- トミーズのはらぺこキッチン 極(関西テレビ、関西ローカル)
- 西村由紀江の日曜はピアノ気分(読売テレビ、関西ローカル)
- オカンと娘(読売テレビ、関西ローカル)
- スタぴか! THOSE★AMAZING★KIDS!(読売テレビ、関西ローカル)
- Qっと!サイエンス(テレビ大阪)
- こちら海です(サンテレビ・KBS京都・テレビ和歌山・福井テレビ)
- 全国高校野球選手権大会中継(朝日放送、2006年~2009年・決勝戦を除く関西ローカル分)
ラジオ
- アーティスト・プロデュース・スーパー・エディション(FM福井ローカルスポンサー)
- 土清水縁の日曜音楽館(毎日放送)
CM出演者
企業イメージキャラクター
その他
- 黒木瞳 - オール電化キャンペーン「Ready?」シリーズに出演した。
- 小林聡美 - オール電化キャンペーン「はぴeライフ」キャンペーンのテレビCMに出演していた。
- 渡辺満里奈 - 同上
- 磯部さちよ - 同上
- 岡江久美子 - 同上
- 美山加恋 - 原子力発電シリーズ
- 小藪千豊 - 関電セキュリティ・オブ・ソサイエティ
- あんみつ姫
- おそ松くん
- うる星やつら - 今でもアニメ全話収録のビデオソフトで視聴できる。
関電グループ企業
企業CMに使用された音楽
- SAKURA「街の灯り」(オリジナルは堺正章):「2011年創立60年」編 / 「灯りの言葉」編
- 中島みゆき「糸」:黒部川第四発電所・「続く物語」編 / 原子力発電・「40年前の決意の灯り」編
- 手嶌葵によるカバーバージョン:「あなたの近くで」編
- アンジェラ・アキ「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜 」:阪神・淡路大震災メモリアル15年・「15才の君へ」編
- チューリップ「青春の影」:阪神・淡路大震災メモリアル10年・「希望の光」編
主な出資企業
関西電力が出資する主な企業は以下の通り。ここでは放送事業者を記載する(出資比率は2011年3月31日時点[12])。
- テレビ和歌山 - 5.0%
- サンテレビジョン - 0.5%
- 奈良テレビ放送 - 5.6%
- びわ湖放送 - 4.34%
- 大阪放送 - 1.8%
- エフエム京都 - 1.78%
- FM802 - 2.5%
- 関西インターメディア - 6.38%(2012年4月1日付でFM802が事業を継承)
天下り問題
- 福島第一原子力発電所事故以降、経済産業省と電力会社の天下り問題が監督官庁である経産省の原子力発電所の安全基準のチェックを甘くさせる構造として批判が集まった。
脚注
- ^ 新鹿町、磯崎町、大泊町、須野町、二木島里町、二木島町、波田須町、甫母町、遊木町を除く
- ^ 韓国電力公社も英語社名としてKEPCOという名称が使われている。
- ^ ただし、事業すべて継承しているわけではなく、東邦ガス、京福電気鉄道、ダイビルなど、同じ起源を持つ企業は他にも存在する。
- ^ 関西電力 事業所一覧 火力発電について
- ^ 関西電力 原子力発電について
- ^ 今回の東北地方太平洋沖地震を受けて
- ^ 関西電力:オール電化住宅なお促進[1]
- ^ 電気事業連合会【電気の情報広場】. “美浜発電所2号機事故”. 2011年3月29日閲覧。
- ^ 関西電力が6億円所得隠し、土地取引巡り架空の損失計上 読売新聞 2009年4月17日
- ^ 関西電力、62億円申告漏れ 大阪国税局指摘 朝日新聞 2009年4月17日
- ^ 関電、原発内工事で45億円申告漏れ…国税指摘 読売新聞 2011年9月2日
- ^ 『日本民間放送年鑑2011』 - 日本民間放送連盟編(2011年)
関連項目
- 松永安左エ門(9電力設立者)
- 電力会社管理ダム
- でんき予報 - 2011年6月29日から運用。
- 毎日放送 - かつての主要株主企業(上位10位に入っていた)の一つ
- コスモ石油 - 主要株主企業の一つ
- 阪急電鉄 - 主要株主ではないが、関係が深い企業
- 関西電力学園
- 中之島プラザ
- 山陽電気鉄道 - 旧宇治川電気の鉄道部門。現在でも子会社の関電不動産が一部の株を保有している。
- 兵庫電気軌道 - 旧宇治川電気のグループ会社。山陽電気鉄道の前身
- 京都電燈 - 京都電燈の本社は現在でも京都支店として利用されている。京福電気鉄道の前身でもある。
- 近江鉄道 - 旧宇治川電気のグループ会社
- 大阪市 - 2011年現在でも8%以上の株式を保有する筆頭株主
- 関西電気保安協会
- 今竹七郎 - 同社社章を作成したデザイナー
- 大阪ガス - 営業戦略上最大の競合企業
- 国際原子力開発 - 電力会社9社・メーカー3社・産業革新機構の出資により、2010年10月22日に設立された。
- オーディー05オムニバスチャイナトリーティ
- 関電トンネルトロリーバス - 関西電力が運行している鉄道路線。
外部リンク