神通川

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神通川
神通川 2006年7月4日撮影
神通川
水系 一級水系 神通川
種別 一級河川
延長 120 km
水源の標高 1,626 m
平均流量 163.6 /s
(神通大橋観測所 2002年)
流域面積 2,720 km²
水源 川上岳
河口・合流先 富山湾(富山県富山市)
流域 岐阜県富山県
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筏橋からみた宮川(神通川)と中橋
神通川の河川敷に建設された富山空港

神通川(じんずうがわ、じんづうがわ、じんつうがわ[1])は、岐阜県および富山県を流れる一級河川で、神通川水系の本流。岐阜県内では宮川(みやがわ)とも称する。

地理[編集]

岐阜県高山市の川上岳(かおれだけ)に源を発し、飛騨高地の中を北に流れる。富山県境付近の神通峡あたりで高原川を合わせ、富山市笹津付近で富山平野に出る。平野部では直線的に北流し、富山湾に注ぐ。

上・中流部は急流で、支流の高原川の水源地域が多雨地帯であるため、昔から水害の生じやすい川として知られている。

河口周辺は富山県指定の「神通川河口鳥獣保護区」として鳥獣保護区に指定されている。

富山県のいわゆる「七大河川」の一つで、これは東から黒部川片貝川早月川常願寺川,神通川,庄川小矢部川である。

流域の自治体[編集]

  • 岐阜県
高山市飛騨市
  • 富山県
富山市南砺市

歴史[編集]

万葉集』に「売比川(婦負川)」「鵜坂川」の名があり、神通川の古名と見られている(鵜坂川は井田川のこととする説もある)。神通川という名前は神通力に由来するという説があるが、確実なものではない。

かつての神通川は、富山の街の中を東に大きく蛇行していた。戦国時代には神通川のすぐ脇に富山城が築城され天然の堀として利用された。しかし蛇行部分でたびたび水害が発生していたため、明治時代に、蛇行部分を短絡する分流路を作り、一定量を超える洪水は、新たに造った分流路(馳越線)に流れるようにした。しかし、洪水の度に、馳越線の方が本流のようになり、本来の本流には水が流れないようになってきた。そこで、馳越線を改めて本流とした。旧来の本流は松川と名を改め、水が流れなくなった部分には1930年から建設が始まった富岩運河から出た大量の土砂で埋立て川幅を狭め、埋立地に県庁、市役所などの施設が建設された。

文化作品[編集]

新田次郎イタイイタイ病を扱った『神通川』という小説がある。常願寺川と神通川をつなぐいたち川 (富山市)は富山に住んでいたことがある作家宮本輝の小説『螢川』の舞台となっている(1987年に映画化)。

公害[編集]

高度成長期、主に大正時代から昭和40年代にかけて神通川流域でイタイイタイ病が問題化した。これは、岐阜県神岡鉱山三井金属鉱業株式会社管理)から出された廃液中のカドミウムを原因とする公害病であった。

「ビタミンD不足説」と「カドミウム原因説」に意見が分かれたが、婦中町(現富山市)にある萩野病院(当時)の院長である萩野昇が神通川流域のカドミウムが原因だと突き止めた。

主な支流[編集]

河川施設一覧[編集]

一次
支川名
(本川)
二次
支川名
三次
支川名
ダム名 堤高
(m)
総貯水
容量
(千m³)
型式 事業者 備考
神通川 宮川防災ダム 29.0 1,628 アース 岐阜県
神通川 角川ダム 21.5 879 重力 関西電力
神通川 坂上ダム 23.5 1,839 重力 関西電力
神通川 打保ダム 25.5 4,524 重力 関西電力
神通川 神一ダム 45.0 5,742 重力 北陸電力
神通川 神二ダム 40.0 8,663 重力 北陸電力
神通川 神三ダム 15.5 1,455 重力 北陸電力
大八賀川 大島ダム 53.1 4,720 重力 岐阜県 建設中
小八賀川 深谷ダム 27.3 300 ロックフィル 岐阜県
荒城川 丹生川ダム 69.5 6,200 重力 岐阜県 建設中
小鳥川 下小鳥ダム 119.0 123,037 ロックフィル 関西電力
高原川 浅井田ダム 21.1 340 重力 北陸電力
高原川 新猪谷ダム 56.0 1,608 重力 北陸電力
高原川 双六川 双六ダム 19.0 重力 富山共同自家発電
高原川 山田川 山田防災ダム 32.3 1,246 アース 岐阜県
熊野川 熊野川ダム 89.0 9,100 重力 富山県企業局
井田川 猿越ダム 29.6 重力 富山県企業局
井田川 中山ダム 24.0 111 重力 富山県企業局
井田川 室牧ダム 80.5 17,000 アーチ 富山県企業局
井田川 八尾ダム 21.0 300 重力 富山県企業局
井田川 大足谷川 仁歩水槽ダム 19.9 111 重力 富山県企業局
井田川 野積川 原山ダム 18.5 35 アース
井田川 久婦須川 久婦須第二ダム 18.6 132 重力 北陸電力
井田川 久婦須川 久婦須川ダム 95.0 10,000 重力 富山県企業局
井田川 山田川 菅沼ダム 22.0 524 重力 富山県企業局
井田川 山田川 若土ダム 26.0 242 アーチ 富山県企業局
井田川 山田川 湯谷川 湯谷川ダム 63.7 1,636 ロックフィル 富山県企業局
井田川 山田川 辺呂川 藤ヶ池 18.2 615 アース 富山県企業局

並行する交通[編集]

鉄道[編集]

道路[編集]

  • 国道41号 - 高山市・宮峠 - 富山市市街地。ただし、飛騨市内で宮川(神通川)は大きく西に蛇行するのに対し、国道41号は数河峠を越え高原川に沿うルートを通ってショートカットする。
  • 国道360号国道471号国道472号) - 国道41号がショートカットする区間で宮川に並行する。

主な橋梁[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 国土地理院地図管理部『標準地名集(自然地名)』増補改定版(1981年3月)では「じんずうがわ」とする。小学館. “じんずうがわ【神通川】”. デジタル大辞泉. NTTレゾナント. 2014年6月4日閲覧。ただし、国土交通省北陸地方整備局神通川水系砂防事務所はウェブサイトの名称を「じんづうさぼう」としている。じんづうさぼう”. 神通川水系砂防事務所. 2014年6月4日閲覧。編:国立天文台理科年表 平成24年』602頁「日本のおもな河川」(国土交通省水管理・国土保全局資料による)では「じんつうがわ」とする。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]