ニジマス

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ニジマス
Oncorhynchus mykiss.jpg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: サケ目 Salmoniformes
: サケ科 Salmonidae
: タイヘイヨウサケ属
Oncorhynchus
: ニジマス O. mykiss
学名
Oncorhynchus mykiss
Walbaum, 1792
和名
ニジマス虹鱒
レインボートラウト
英名
Rainbow trout

ニジマス虹鱒、学名:Oncorhynchus mykiss、英名:Rainbow trout)は、サケ目サケ科に属する淡水魚。食用魚であり、釣りの対象にもなる。

形態[編集]

成魚の体長は一般的に約40 cm前後であるが、大型のものは60〜120cmにまで成長することもある[1]

体全体にはっきりした黒点があり、エラから尾びれにかけての体側部に赤から赤紫色の模様があるのが色彩上の特徴である。

繁殖期のオスに現れる婚姻色として、非常に見事な色の光沢が発色し、それが英名及びその直訳である標準和名の由来となっている。仏語ではトリュイット・アルカンシエル (truite arc-en-ciel)。

生態[編集]

分布[編集]

ニジマスの基種とその亜種の天然分布域は、カムチャツカ半島から北アメリカ大陸西岸(太平洋岸)のアラスカカナダアメリカ、およびメキシコ北西部の一部である。

生息環境[編集]

夏でも水温が摂氏12度以下の冷たい水、特に流れが速く、酸素を多く含む川に生息する。冷水の湖などにも生息するが、サケ科としては比較的高温の22℃程度の水温でも生息可能である。熱帯地域にも移入されているが、これは標高1200メートル以上の高地である。

食性[編集]

肉食性で、水生昆虫貝類甲殻類、水中を流下、水面に落下してくる小昆虫、他の魚のや小魚などを捕食する。飼育下で餌付けされた個体は各種配合飼料、乾燥オキアミ、トウモロコシといった死餌も食べる。

遡河回遊性[編集]

本種は基本的には一生を淡水で過ごす河川残留型の魚であるが降海する個体もいる。

ニジマスは海水適応が可能な種として知られている。なかには汽水域や海に下る個体もいて、他のサケ類のように海を回遊し、河川への遡上を行う。降海型の個体は、特に大きく成長しやすく、全長1.2m、体重25キログラム程度の記録もある。頭部上面が黒っぽくなる事から、日本ではテツ、英語ではスチールヘッド (Steelhead) などと呼ばれる。この個体が産地周辺の川を遡上することがある。テツは知床半島周辺の海で捕獲(漁獲)される場合があるが、回遊範囲など海洋での生態は十分に解明されていない。

ライフサイクル[編集]

繁殖時期については、生息域の水温で大きく幅がある。秋の高水温は産卵を遅らせるが比較的温暖な地域では秋から冬にかけて繁殖行動が行われる[2][3]が、低水温な地域(例えば、摩周湖では6月に産卵)では春から初夏にかけて繁殖行動が行われる[3]。また、希に養殖環境下では年2回産卵を行う個体も存在する[3]。生まれてから2から4年目の間に成熟する例が多く、他のサケ属の魚(シロザケなど)とは違い、成熟後は1回の繁殖行動では死なず、数年にわたって繁殖行動を行なう。自然繁殖が成立する条件として、仔魚の浮上時期の増水が小規模、短期間、低頻度などの条件が整う必要がある[4]

亜種および近縁種[編集]

ニジマスの亜種および近縁種は、北アメリカ大陸の西岸(太平洋岸)にある河川、ならびに湖沼にその多くが生息している。

亜種[編集]

カルフォルニア・ゴールデントラウトの成魚
カルフォルニア・ゴールデントラウト (California Golden trout, Oncorhynchus mykiss aguabonita)
天然種は、シエラネバダ山脈カーン川英語版水系の最上流域のみに棲息する。以前はボルケーノクリーク・ゴールデントラウトとも呼ばれ、独立した別種と見なされていたが、近年になってニジマスの亜種と考えられる様になった[5]
リトル・カーン・ゴールデントラウト (Little Kern golden trout, Oncorhynchus mykiss Whitei)
天然種は、カーン・リバー水系支流のリトル・カーン・リバーのみに棲息する[6]
カーンリバー・レインボートラウト (Kern River rainbow trout, Oncorhynchus mykiss Gilberti)
天然種は、カーン・リバー水系ノースフォーク本流の上流域、および同上流域の支流のみに棲息する。以前はギルバーティ・レインボートラウトとも呼ばれ、同じ水系のゴールデントラウトとニジマスの天然中間種と考えられている。また近年の遺伝子解析により、ゴールデントラウトの別タイプ(注意:亜種ではない)とも提唱される様になった[7]

カルフォルニア・ゴールデントラウトやリトル・カーン・ゴールデントラウトは、などの地質構造の変化や氷河などによって氷河期末期に河川の下流域から隔離され、高山地帯の河川の最上流域(源流域)に陸封された完全な淡水型のマスである。これらゴールデントラウトの自然分布域上流は、現在ゴールデントラウト自然保護区英語版としてアメリカ合衆国森林局英語版により管理、および保護されている。

なお、上記の天然生息域以外のシエラネバダ山脈の河川や山上湖、および他州の高山地帯の一部河川や山上湖には、ゴールデントラウトに良く似た姿や色合いの個体が棲息している。これらは、過去の受精卵(発眼卵)や稚魚の移植によるゴールデントラウトの個体群の子孫であるが、移植時の個体群が既にニジマスとの雑種であった事が後に判明している。また、現時点でのこれら個体群のほぼ全てが、同様な方法で過去に移植、又は放流されたニジマスとの交雑化が更に進行した個体群と考えられている[8]

近縁種[編集]

ニジマスの天然分布域の北には、近縁種のカットスロートトラウト (Cutthroat Trout, Oncorhynchus clarki) が概ねロッキー山脈までの内陸部の河川上流部、ならびに湖沼に生息する。ニジマス同様、河川・湖沼残留型(陸封型)と降海型があるが分類上別種である。

人間との関わり[編集]

日本の個体群[編集]

日本での歴史は関沢明清により1877年(明治10年)にアメリカ合衆国カリフォルニア州から移入されたのが最初とされている[9]。これ以後、各地の渓流や湧水地帯で養殖、放流が盛んに行なわれた。その個体の一部が、北海道知床半島摩周湖幌内川[10]などのような一部の地域[11]で自然状態で定着した外来種となっている。カリフォルニアからの複数回の移入により原産地の遺伝的多様性を受け継いでいる[12]

交雑種など[編集]

淡水でも容易に人工繁殖することから、有用食用魚としての養殖研究の歴史が長い。特に、他のサケ・マス類との交雑種が研究され、食味向上や高成長率、耐病性向上により養殖効率をあげるための研究がされ、一部は商品化され流通している。

その手法は、1.変異個体の系統選別育種、2.異種交配、3.染色体操作[13]などである。これらの方法は、サクラマス養殖などにも応用されている。

系統選別育種は、一定の特徴を持った個体を選別し系代飼育することで系統固定する手法である。現在の異種交配は、不妊化により養殖魚が場外流出し在来魚種に与える影響を軽減する目的で、ホルモン処理による全メス化と後述の倍数体個体との交配を併用する方法がとられている。ニジマスにおける染色体操作とは、受精初期の未分化卵を通常の自然界ではあり得ない圧力や温度環境下(例:26℃20分間)に受精卵を置くことで、減数分裂を抑制し倍数体個体を作出する方法である。これらの技法により不妊化魚(生殖能力がない事から生殖の為のエネルギー消費がなく短期間で大きく成長する)三倍体個体の作出[14]や採卵後の性転換技術がニジマスだけでなく、ヤマメ、イワナ等でも確立されている[15]。三倍体雄魚は性成熟するが三倍体雌魚は性成熟しないとされるため、成長が早く年間を通じ食味の変化が少ない。また、作出された種や系統は登録商標として登録されている場合が多い。

実際の作出例は、

選抜種(変異種を選抜して品種として固定)
突然変異:(メラニン色素欠如) 通称:アルビノニジマス
アルビノ個体
1956年、長野県で初めて発見された。体色が黄色近似に変化。優性遺伝の為、アルビノの親からはアルビノの子が育つ。ペットショップや観賞魚店(熱帯魚店)などでも販売されている。養殖場では成長度合いを簡単に調べるための標識魚として利用される。
突然変異:(無斑) 通称:ホウライマス[16]
1965年、愛知県水産試験場鳳来養魚場で発見された斑紋の無い突然変異のニジマスを選択交配し、1980年代までに品種として固定した系統[17]。名前は水産試験場の名称(地名)「鳳来(ほうらい)」に由来する。
突然変異:(体色異常) 通称:コバルトマスまたはコバルトニジマス
脳下垂体中葉の異常により体色がコバルトブルーに変化。この形質は劣性遺伝する。またコバルトマスは繁殖せず病気にかかりやすい。
系統選別育種(大型ニジマス) 通称:ドナルドソン
ワシントン大学名誉教授のドナルドソン博士が、降海型のスチールヘッドと大型のニジマス選抜個体を交配し、30年以上をかけた品種改良の結果得られた系統。1m以上に育つ。「ドナルドソントラウト」、「ドナルドソンニジマス」とも呼ばれる。管理釣り場での人気が高い。
スーパーで見かける「サーモントラウト」「トラウトサーモン」「トラウト」などは、「ドナルドソン」が、カナダ・チリ・ノルウェーなどで生産されたものを指すことが多い。
青森県むつ市大畑町では2年間淡水飼育し成長がよいメスを海水で8ヶ月飼育したものを出荷している。流通名:海峡サーモン
系統選別育種 流通名:ギンヒカリ
群馬県水産試験場により選抜[18]。通常2年で成熟するニジマスの中から3年で成熟する系統を選抜育種・固定化した系統。肉質の低下が少ない。
交雑種
ホウライマス♀とイワナ♂あるいはアマゴ♂を交配した三倍体 流通名:絹姫サーモン
愛知県水産試験場により作出、父系にアマゴをもつ略称ニジアマと、父系にイワナをもつ略称ニジイワの2つのタイプがあるが、主に、ニジアマと呼ばれている種が流通している[19]
ニジマス四倍体♀とブラウントラウト偽♂を交配した三倍体 流通名:信州サーモン
長野県水産試験場により作出、ニジマスとブラウントラウト両者の良いところを受け継いだ一代雑種 (F1) で繁殖力はない。この魚は、食用のみ使用できる。そのため、釣り場への放流は禁止である。活魚での県外流通も禁止[20]し、地域ブランド化を推進している[21]
ニジマス♀とアメマス偽♂を交配した全雌三倍体 流通名:ロックトラウトロックサーモン魚沼美雪マス【商標登録】
新潟県内水面水産試験場により作出。釣り場では、引きが強くファイトがいいため、釣り人からは人気で、メディアで話題になっている魚だが、生産量が少ないため、関東の釣り場では、よく見かけるが、その他の地域の釣り場にはあまり放流されていないようだ。また、味も美味なので食用としても人気。
倍数体
倍数体 ニジマスの全雌三倍体(全雌:すべて雌)
流通名:銀河サーモン(北海道)、クイーントラウト(新潟県)、笹川マス(新潟県)、ヤシオマス(栃木県)、アルプスサーモン(長野県)

外来種問題[編集]

ニジマスが産卵床を形成する際にイワナ類の産卵床を掘り返す(ニジマスは日本の渓流魚の代表であるイワナ、オショロコマより産卵時期が遅い)事や餌の競合により在来種の生息に悪影響をあたえるため、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律において要注意外来生物に指定されている[4]

しかし、現在も公的機関の主導のもと養殖事業として日本各地に導入されており、ときには一部の釣り団体が私的に放流するケースもある[22]

北海道では1920年に支笏湖に放流されたのにはじまり、今では72の水系に定着している[23]。在来魚種への影響として知床半島の幾つかの河川では、ニジマスの侵入により生息域を奪われた在来種のオショロコマの生息が確認できなくなっている[24]ほか、良留石川では残留型サクラマスヤマメ)を駆逐し優占種となっている。

本州以南の多くの河川では放流しても定着しにくい魚という評価があり、同じ外来種のブラックバスと比べて導入について寛容的な自治体が多い。定着しない理由として、放流してもすぐに釣られること、さらに梅雨時の増水で繁殖ができなくなることが挙げられる[25]

また、世界の侵略的外来種ワースト100日本の侵略的外来種ワースト100の双方に選定されている。こうした外来種としての問題を重要視する釣り団体の中には放流を自粛する動きもみられる[23]。さらに、外来種のニジマスではなく在来種のサケ・マス類の利用に転換し、地域の自然を見直すべきとの意見もある[22]。しかし、現状では多くの地域でニジマスの水産資源としての価値を優先し、活発に放流され続けている。このような問題は、ブラウントラウトカワマスレイクトラウトシナノユキマスといった他の外来サケ・マス類でも同様に存在する[25]

日本以外にも世界中へ移入されており、生態系に深刻な影響を与えている。アメリカでは、競争遺伝子汚染によりサケ類を駆逐している[25]

なお、日本国内の水域で自力繁殖を繰り返すという意味での定着はしにくいニジマスであるが、 釣魚、食用魚としてのニジマスは国民の間に文化的定着が完了している。ザリガニにおけるアメリカザリガニと同様、20世紀末の時点で既に単に「マス」といえばニジマスを指し、「マス釣り場」=「ニジマス釣り場」を意味するようになっている。

養殖[編集]

養殖し成長させた成魚から採卵・孵化させた稚魚を生産する完全養殖が、淡水で行われる。海面養殖されたニジマスは、サーモントラウト、トラウトサーモンとも呼ばれる。

1926年(大正15年)、長野県明科町(現在の安曇野市)で日本国内の養殖が開始された[26]1943年(昭和18年)には500トンの生産が記録されている。戦後は山形県、長野県、静岡県などで多く養殖され、1953年以降本格的にアメリカやカナダにも輸出され1971年に3,084トンまで増加した。しかし、1973年の為替変動により輸出主導から国内向けに転換し1982年に過去最高の18,200トン余りを記録したが、2004年8,800トン余りまで減少している。

受精卵は10℃で30日程度で孵化し、孵化から60日程度を経過したら餌付けを開始する。孵化から4ヶ月を経過すると3g程度まで成長する。食用魚の養殖は食味や生産性を考慮したものが必要で養殖適水温は13 - 18℃が望ましく、溶存酸素量は生育に大きな影響を与えるため、曝気用に水車を設置する場合が多い。水温が高いほど成長は早くなるが感染症の危険も高くなる。日本で最も多く需要のある大きさの23cm程度まで育てるには、孵化後1 - 2年が必要。冷凍輸出用や採卵用、遊漁用として、30 - 60cm以上まで育てられる場合もある。

2006年現在では静岡県が生産量として最も多く、続いて長野県山梨県の順に生産量が多い。静岡県では富士宮市が、市町村単位では日本一のニジマス生産量を誇っている。富士山の麓に位置し、養殖に必要な湧水が非常に豊富なことが養殖を可能にしている。また、長野県では安曇野市(前述の明科町)などで、山梨県では富士吉田市などで生産量が多いが、これらも北アルプスや富士山からの湧水が豊富な地域である。

山梨県養殖漁業協同組合は独自に策定した登録要領をクリアする養殖ニジマスを「甲斐サーモン」と名付けてブランド化している[27]。なお、「甲斐サーモン」はあくまで当該漁協の品質基準に依拠するブランド名であり、品種として一定の遺伝的特質を持つよう作出されている個体群などではない。一部の管理釣り場等でこの「甲斐サーモン」が種名や品種名であるかのように紹介されている[28]が、そうではないので注意が必要である。

現在市販されるニジマス用配合飼料は、白身魚(スケトウダラ)を主とする動物性タンパク質を約55%、小麦粉などの穀類や糟糖類を約35%、ビタミンやミネラル[29]が添加され蛋白質量は43%以上という物が主流で、給餌直前に油を添加する。飼料の粒の大きさは成長度合いに合わせ複数有り、適切な大きさの物を選択し与える。後述の赤系色素を配合した餌を与えることで、サケに似た薄紅色の身をもつニジマスが成長する。

食材[編集]

年間を通じ入手することが出来るが、春先から夏に店頭に出回ることが多い。100–140グラム程(20 - 23cm程度)のサイズは、白身で塩焼きムニエル甘露煮として食べる。カロチノイドの一種である赤系色素のアスタキサンチン蛋白質が結合したカロテノプロテインを主として構成される外殻を持つエビカニ等の甲殻類を配合した、魚粉が主体の飼料で2 - 3年程かけて2 - 3キログラムほどに育てたものは、薄紅色のサーモンピンクの身になり、刺身寿司などの生食がメインとなる。飼料にもよるが、輸入物の鮭鱒に比べて脂ののりが薄く、さっぱりとして癖が無いのが特徴となる。通常の輸入鮭鱒と比べても高価な部類に入る上に、生産量が少ない為、一般的に消費者の口に入る機会は少ない。

店頭にてサーモントラウトトラウトサーモントラウト等と表示される切身は、ノルウェー、チリ産の海面養殖されたニジマスである。これらの名前は商品名であり、魚種を示す名前ではない。国産の養殖の大型ニジマスはこれらに比べて、生産量や人件費の関係で比較的高価であり、輸入物のサーモントラウトと比較すると2–3倍の価格であることが多いようである。

また、「サナダムシがいる為に生食が出来ない」という認識は国内の養殖ニジマスに関しては誤りである。過去20年間に渡り、養殖ニジマス6,306個体を検査した結果、サナダムシは発見されていない[30][31]。サケ科魚類に寄生しているアニサキスサナダムシ日本海裂頭条虫)は鯨を終宿主とし、オキアミイカ類を中間宿主としている。サケ科魚類にこれらの寄生虫が寄生するのは、寄生虫が宿るアミやイカ類が生息する北極圏付近の遠洋を回遊中のことであるから、国内で養殖する際には寄生されない。(図式はこうである:アミやイカ → 魚 → 鯨)

地域振興[編集]

自治体などの魚[編集]

  • 静岡県漁業協同組合連合会静岡県 静岡の旬の魚14選(1月から12月までの各月の旬の魚計12種類とは別に、マグロとともに1年中を通して旬の魚として選ばれている)
  • 静岡県富士宮市は2009年6月1日にニジマスを「市の魚」に制定した[32]

釣魚[編集]

ニジマスは、釣りの対象魚としても人気がある。

渓流釣りの入門魚
ブドウ虫の代わりに使われているコハチノスツヅリガ英語版の幼虫ワックスワーム英語版
ブドウ虫の代わりに使われているアワノメイガの幼虫

管理釣り場では初心者や子供も手軽に釣りを楽しめる。管理釣り場のニジマスは肥満した個体や30センチ以上の大型のものも多いので竿パワーのあるもの(安価な万能竿など)を選びたい。浮子(ウキ)を使い、糸も太めでよい。エサ(イクラブドウ虫ブドウスカシバハチノスツヅリガ等のの幼虫)など)をつけ、ニジマスの数メートル前に落とす。アタリは明確なことが多い。アタリが来たら竿をあげる。ただし、ハリを飲み込まれることが多いので注意すべきであり、できれば針外しを用意したい。ニジマスは食いつきもよく、引きもなかなかで、味もよい。管理釣り場の場合、アユのヤナと同様に食堂が併設されている事が多いので家族そろってのレジャーに最適である。

河川での釣りは渓流釣りとなる。ウキ釣り (float fishing) ではなく、浮子の代わりに毛糸などの目印をつけたミャク釣りで行う。糸も細くし、エサもトビケラカワゲラミミズなど河川に生息する虫を使うと良い。釣法はヤマメイワナなどに準ずるが、釣り上げるのがやや容易である。そのため、渓流釣り師の間では入門魚として見られ、ヤマメ・イワナなどの前座のような扱いにされることが多い。ただし河川でもやや大型が多いことを考慮したい。

ダム湖や標高の高い山岳地帯にある火山性の湖沼、本流(上流域の下流部)には40センチを超える大物もみられる。中でも、50cmを超える大型で肉付きも良く、ダイナミックなファイトをするものは、スーパーレインボーと呼ばれ、釣り人に人気のターゲットとなっている。また、一部の湖ではレイクトローリングによって超大型を狙える。

ゲームフィッシュ
ニジマス

野生化すると小魚や、水生昆虫、落下した昆虫などへの反応もよくなり、格段に激しいファイトをするのでフライフィッシングルアーフィッシングで盛んに狙われるゲームフィッシュとなっている。なお、一般にゲームフィッシングで、基本的に魚を釣り上げても持ち帰らずに逃がすキャッチ&リリースが理念・思想のひとつとなっている。フライパターンなどを探るため、ストマックポンプという専用器具を利用し、魚を殺す事なく腹の内容物を採取し観察することもある。ただしゲームフィッシングにおいても、明らかに魚が生存不能であると判断した場合(デッドリリース)のみ、供養の意味もこめて食すことがある。

毛鉤を使った日本の伝統的なテンカラ釣りも行われており、こちらもヤマメ・イワナなどへの入門魚のような感覚で釣られている。テンカラ釣りは、もともと、漁師が、手返しよく釣るために行われた釣りである。フライフィッシングほどゲームフィッシングというイメージが定着しておらず、日本古来からの伝統芸のような雰囲気を持つが、簡単な服装で行うことができることなどから徐々に注目されてきており、テンカラ釣りの専門誌も多数発行され、普及ぶりはフライフィッシングを凌ぐ勢いである。

出典[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 井田斉 他、『小学館の図鑑NEO 魚』、小学館、2003年、p61
  2. ^ ニジマス 東京都島しょ農林水産総合センター
  3. ^ a b c 産卵後の異なる水温環境における年2回 産卵系ニジマスの成熟について 茨城県水産試験場 (PDF)
  4. ^ a b 要注意外来生物リスト:魚類(詳細) 環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室
  5. ^ Heritage and Wild Trout Program - California Department of Fish and Game
  6. ^ Heritage and Wild Trout Program - California Department of Fish and Game
  7. ^ Heritage and Wild Trout Program - California Department of Fish and Game
  8. ^ Heritage and Wild Trout Program - California Department of Fish and Game
  9. ^ 日本のサケマス養殖の歴史 - サーモンミュージアム(鮭のバーチャル博物館)
  10. ^ 北海道幌内川において自然繁殖したニジマスの採餌および繁殖生態 日本水産学会誌 Vol.59 (1993) No.11 P1837-1843
  11. ^ なお、本州でも、富山県立山連峰立山カルデラ内にある泥鰌池常願寺川水系の小口川の上流部にある祐延ダムダム湖・祐延貯水池などのようないくつかの河川・湖沼やダム湖などにおいては、過去に放流された本種が自然繁殖を繰り返し定着している例がある。
  12. ^ 高橋洋:AFLP法に基づく日本に定着したニジマスとテラピアの集団構造分析 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨
  13. ^ 北海道立水産試験場 試験研究は今 NO.183
  14. ^ ニジマス四倍体との交雑による異質三倍体の作出 長野県水産試験場研究報告 = Bulletin of Nagano Prefectural Fisheries Experimental Station (7), 1-9, 2005-03-00
  15. ^ バイテク魚の養殖 バイテク魚の養殖 特性に関する研究 (PDF) - 山梨県
  16. ^ 倍数体育種技術を用いたホウライマス(無斑ニジマス)の商品性向上に関する研究 - 東京水産大学博士学位論文
  17. ^ 愛知県水産試験場 :ホウライマス (無斑ニジマス) の養殖について 水産増殖 Vol.28 (1980-1981) No.3 P128-133
  18. ^ 群馬の最高級ニジマス ギンヒカリ
  19. ^ 絹姫サーモン - 愛知県淡水養殖漁業協同組合
  20. ^ 信州サーモン - 長野県水産試験場
  21. ^ (H23.3.24掲載) 信州サーモン〜地域ブランド化への取組み〜(長野) 関東財務局
  22. ^ a b 村上興正・鷲谷いづみ(監修) 日本生態学会(編著) 『外来種ハンドブック』 地人書館2002年9月30日ISBN 4-8052-0706-X
  23. ^ a b 北海道ブルーリスト A2 ニジマス
  24. ^ 北海道知床半島の小河川に生息するニジマスとブラウンマス (PDF) - 知床博物館研究報告
  25. ^ a b c 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著) 『決定版 日本の外来生物』 平凡社2008年4月21日ISBN 978-4-582-54241-7
  26. ^ 安曇野の水を利用した産業等- 長野県安曇野市
  27. ^ 山梨県養殖漁業協同組合[1]
  28. ^ 西武園ゆうえんちフィッシングランド[2]
  29. ^ 佐藤秀一:魚類における微量元素の利用性に関する研究 日本水産学会誌 Vol.60 (1994) No.2 P147-152
  30. ^ ニジマス基礎知識全国養鱒振興協会
  31. ^ 広報誌みなも新潟県内水面水産試験場
  32. ^ 静岡新聞「ニジマス「市の魚」に決定 富士宮」2009年5月27日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]