オショロコマ

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オショロコマ
Dolly Varden trout.jpg
メスの成魚のイラスト
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: サケ目 Salmoniformes
: サケ科 Salmonidae
: イワナ属 Salvelinus
: オショロコマ S. malma
亜種 : オショロコマ S. m. malma
学名
Salvelinus malma malma
(Walbaum, 1792)
和名
オショロコマ
カラフトイワナ
英名
Dolly varden

オショロコマ Salvelinus malma は、サケ目サケ科に属するカラフトイワナとも呼ぶ。

イワナと比べると、さらに寒冷気候に適応した種である。世界では、オショロコマ(同名亜種)、ミヤベイワナ S.m.miyabeiサザンドリーヴァーデン S.m.krascheninnikova の3亜種が知られる。

本稿では、同名亜種のオショロコマ Salvelinus malma malma について述べる。

目次

分布 [編集]

北極海および北部太平洋沿岸に分布する。日本では北海道にのみ分布する。北海道では大雪山系、日高山系の山岳渓流に多く、知床半島にも分布する。自然分布の南限は、太平洋側が十勝川水系、日本海側が千走川水系とされている[1]

生態 [編集]

産卵期は10-11月である。日本に生息するオショロコマはほとんどが河川残留型であるが、一部の個体は降海し生活する。河川の最上流部に生息することが多いが、知床半島などの流れる距離の短い川では、源流から河口まで生息する。札幌市近郊にある空池では、年中湧き水が出るため、止水域であっても生息している。河川残留型は、背部に白色の斑点、体側に5~10個のパーマークと朱点があるが、北海道のほとんどの個体では朱点が見られない[1]。個体によって、腹部や鰭の赤色が濃くなる。本種の生息地の南限と言われる北海道千走川の支流では、無斑点の個体が生息する。残留型の全長は20cmほどである。河川生活での餌は主に流下する水棲昆虫や河畔樹林からの落下昆虫であるが、トビケラカゲロウの様な底性生物の摂食も可能な口骨格構造であり、アメマスなどとの餌の競合に対し柔軟に対応する。従って、アメマスがいる河川では棲み分けをする。また、本種の生息可能限界水温は20℃±と言われている。[要出典]そのため、本種はイワナの仲間のなかでも、より寒い地域に特化した種と思われる。しかし、実際個人などで本種を飼育している個体などでは生息可能限界水温を超え、25℃±でも生存しているケースもあり[要出典]、本州で生息しているイワナ(ニッコウイワナ、ヤマトイワナなど)と同じとも考えられる。体形は比較的細い体形の他のイワナ属に比べ、本種はずんぐりむっくりしており、一見ヤマメのように見える。

降海型は高緯度地域ほど出現し易く、2年から4年の河川生活の後スモルト化しパーマークが消えると降海する。朱点も淡い淡赤色となる。また、イトウの様に冬期は河川遡上し、湖や流速の緩い深み場所で越冬を行う。知床半島にも降海型個体が居ると考えられる[2]

血清タンパク質および筋肉タンパク質の分析調査の結果によれば、自然界にはオショロコマとエゾイワナの交雑型も存在している[3]

保全状態評価 [編集]

絶滅危惧II類(VU)環境省レッドリスト

Status jenv VU.png

[4]

日本国内で直ちに種の絶滅が危惧される状況ではないが、2007年版の環境省レッドリストでは、従来の準絶滅危惧から絶滅危惧II類にカテゴリが上げられた。知床半島などの生息地では外来魚ニジマスブラウントラウト)との競合、アメマスの生息域拡大による源流域まで追いやられる、一部の釣り人による乱獲や源流部の林道工事、河畔林伐採、堰堤の設置等にともなう生息環境破壊により、個体群が絶滅の危機にあるとみられる。特に、本種はもともとアメマスと同じ川で生息する際、本種がアメマスより上流に、その下流にアメマスが生息するといった棲み分けがあったが、ここ最近アメマスの勢力が広がりつつある。また、本種とアメマスとの交雑種が見つかっている。本種の分布域の北側には、ホッキョクイワナが生息するが、両者の異同には論議がある。まず、言えることは①産卵場所の違いである。本種は河川、ホッキョクイワナは湖沼。②生態や、鰓杷数が本種より亜種のミヤベイワナに近いこと。など明確な違いは限られており、本種との区切りは難しい。しかし、もともと日本国内で生息する本種を含め、イワナ属の魚は明確な河川ごとに特徴があったと言われる。イワナ属はそもそも本種とミヤベイワナの2亜種からなるグループと、アメマス、ニッコウ、ヤマト、ゴギの4型からなるイワナのグループ、その他外来種2種が日本国内で生息していると考えられているが諸説ある。本種を含めホッキョクイワナのグループはイワナのグループに比べ、生息域が広く、より正確な分類が必要なグループであるには違いない。

北海道では、河川残留型が多い事から河川間の交流がほとんどなく、河川集団毎の遺伝的多様性に比べ同一河川内集団の遺伝的多様性は低い。つまり、各河川毎に閉ざされた生殖系(繁殖集団)となっているため、増殖を目的とした放流の際は、安易に他の河川からの移植は避けるべきである[1]。近年、本州でも本種が見つかるが、これは釣堀から逃げたり、釣られず残った個体である。また、完全養殖個体のため、極端な遺伝子組み換え(イワナやカワマスなど比較的大型化する魚類との混血、近年養殖事業で盛んに行われている三倍体化など)による大型化など、北海道に生息する本種とは、すでに異なる種のようになっている。これらの個体は前記で述べたように他の魚種の血統や遺伝子操作などにより崩れた物が多いが、近年は北米産の個体を養殖して混血し本種に近い遺伝子を維持しつつ、大型化しているケースもある。そのため、元々北海道にいた個体の養殖というわけではない。そのため、本来ならば本州で産地不明の本種が釣れることは喜ばしいことではなく、生態系を崩す一歩手前の行為であると言える[要出典]

かつて、放流したベニザケの幼魚に対する害魚として駆除されたことがある[1]

参考画像 [編集]

脚注 [編集]

  1. ^ a b c d オショロコマ p.12 (PDF) さけます資源管理センターニュース
  2. ^ 前川光司:知床地方で採集した降海期の銀毛オショロコマについて魚類学雑誌 Vol. 20 (1973) No. 4 P 245-247
  3. ^ イワナ属魚類におけるタンパク質型の多型座位の検索東京農業大学農学集報 Journal of agricultural science, Tokyo Nogyo Daigaku 46(2) pp,114-123 20010929
  4. ^ 環境省生物多様性システム 絶滅危惧種情報検索 オショロコマ 旧版(準絶滅危惧)の記述、2009年1月閲覧

外部リンク [編集]