名探偵コナン 水平線上の陰謀

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名探偵コナン 水平線上の陰謀ストラテジー
Detective Conan
Strategy Above the Depths
監督 山本泰一郎
脚本 古内一成
原作 青山剛昌
出演者 高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
山口勝平
林原めぐみ
茶風林
緒方賢一
岩居由希子
高木渉
大谷育江
音楽 大野克夫
主題歌 ZARD
夏を待つセイル(帆)のように
撮影 野村隆
編集 岡田輝満
制作会社 トムス・エンタテインメント
製作会社 小学館
よみうりテレビ
日本テレビ
小学館プロダクション
東宝
トムス・エンタテインメント
配給 東宝
公開 日本の旗 2005年4月9日
中華民国の旗 2005年7月29日
上映時間 107分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 日本の旗 21.5億円[1][2][3][4][5][6][7]
世界の旗 $20,768,817[8]
前作 名探偵コナン 銀翼の奇術師
次作 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
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名探偵コナン 水平線上の陰謀』(めいたんていコナン すいへいせんじょうのストラテジー)は、2005年4月9日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第9作目にあたる劇場版アニメである。上映時間は107分。興行収入は約21億5000万円[1][2][3][4][5][6][7]キャッチコピーは「忘れはしねぇよ、オマエのことだけは…」「オマエを、絶対に守る」。タイトルの「ストラテジー(Strategy)」は、通常は「戦略」の意である[注 1]

概要

海を舞台にした作品は第2作『14番目の標的』以来だが、本作では一部のシーンや回想を除き、終始、豪華客船の船上だけでストーリーが展開していく。

通常の劇場版では主人公・江戸川コナンの推理を中心に展開されコナンにより犯人を追い詰めていくのが基本だが、本作ではコナンがミスリードに引っかかり、普段は道化役で推理は的外れになることが多い毛利小五郎が、劇場版で初めてほぼ単独[注 2]で犯人を追い詰める展開となっている。これは小五郎の声を演じていた神谷明の長年の夢であったという。監督の山本泰一郎は公式パンフレットのインタビューで、小五郎を活躍させるというのは原作者の青山剛昌が考えたアイデアによるものである、と語っている。またアクションも取り入れられており、映画の後半は主に小五郎にフォーカスを当てた作品となっている。

本作ではコナンが推理する際、阿笠博士の口パクで披露しており、劇場版で阿笠博士の探偵役は2022年現在、本作のみである。

また、劇場版恒例である工藤新一と毛利蘭の過去のエピソードは、映画シリーズでは初となる小学生時代のエピソードが披露されている。小学生時代の新一はコナン役の高山みなみが演じるため、山口勝平が演じる工藤新一の出番は極めて少なく、冒頭の解説を除けば台詞は一言だけであった。

貨物船が氷山と衝突するなど、タイタニック号と共通する場面が多く、意図的に挿入されているシーンも見受けられる(灰原哀が日下ひろなりの書くシナリオでタイタニックの名前を挙げている)。エンディングの演出もジェームズ・キャメロン監督の映画『タイタニック』を元にしている。また、本作は海上保安庁クルーザー社の協力を得て制作された。

本作では原作・テレビアニメから初登場となるキャラクターは存在しないが、佐藤美和子が第7作『迷宮の十字路』以来2年ぶり、千葉刑事が第6作『ベイカー街の亡霊』以来3年ぶりに登場している。また、トメさんも第5作『天国へのカウントダウン』以来4年ぶりの登場となったが、担当声優の中嶋聡彦2017年9月8日に死去したため、中嶋の演じるトメさんが劇場版に登場するのは本作が最後となった。終盤では小五郎のイメージのみで台詞は無いが、妃英理が前作『銀翼の奇術師』に引き続き登場している。

冒頭の解説では、コナンと関わりのある黒ずくめの組織のメンバーでは、ジンウォッカ以外に初めてベルモットの姿が描かれている。コナン以外では少年探偵団の説明が中心になっているため、コナンと共に少年探偵団(灰原除く)が説明役に加わっている。また、「小さくなっても頭脳は同じ、迷宮入りなしの名探偵」の映像は第15作『沈黙の15分』と第17作『絶海の探偵』から第19作『業火の向日葵』 及びテレビスペシャル『江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』まで流用されることになる。

本作では蘭が空手の関東大会で優勝したことが園子の口から語られており、第14作『天空の難破船』での継承描写を経て、2011年に原作でも公式設定となった。そのため、本作は原作の時系列では2012年2月18日放送の第646話『幽霊ホテルの推理対決(前編)』(原作73巻File.6「截拳道(ジークンドー)」)以後のエピソードとして位置づけられることとなった。ただし、蘭から新一への優勝報告は本作では電話でだが、原作及びテレビアニメではメールで行われ、それを園子が蘭へ問う点、および白鳥警部は原作およびテレビアニメでは蘭の関東大会優勝の前に小林澄子と両想いになるエピソードが描かれたのに対し[9]、本作ではまだ佐藤刑事に想いを寄せている様子が描かれている点は異なっている。また、高木刑事の発言から前作『銀翼の奇術師』よりも後の出来事である事が示唆されている。

今までの作品のエピローグはほのぼのとしたギャグシーンで終わっていたが、本作では穏やかな雰囲気を漂わせた温かなシーンで締められている。阿笠・灰原・少年探偵団が台詞付きでにエピローグに登場するのは本作が初となった[注 3]

本作は、パンフレットとは別にオフィシャルガイドブック(解説本)も同時に発売されている(単独での解説本は本作のみ)。

2005年4月2日からは、公開記念特番「水平線上のコナン小五郎」が各局で随時放送された。

近年のシリーズ同様、本作も小説版が小学館ジュニア文庫から2014年8月6日に発売されている[10]

劇場版シリーズの定番となっているエンディング後の次回作の予告は、今作でも放映された。エピローグ終了後に、2006年の製作が決定した旨の字幕予告が流れ、コナン役の高山みなみの「10周年記念超大作、劇場版名探偵コナン、乞うご期待!」という声が流れた。のちに次回作は、レギュラーメンバーが勢揃いするオールスター10周年記念作品『探偵たちの鎮魂歌』であることが発表された。

ストーリー

15年前、北大西洋の海上で貨物船第一八代丸」が氷山に激突して沈没する事故が発生し、沖田船長と三等航海士の2人が死亡した。そして半月前、八代造船の船舶設計士・八代英人が別荘に通じる道を車で運転中心臓発作を起こし、車ごと崖下に転落して死亡した。この時を越えた一見関係なさそうな2つの事件は、豪華客船の乗員乗客全てを巻き込む巨大な陰謀の序章に過ぎなかった。

園子の計らいで八代グループの豪華客船「アフロディーテ」の処女航海に招待されたコナン達は、大いにクルーズを楽しんでいた。ひょんなことから、船内でかくれんぼをすることになった一行だが、かくれんぼの最中に園子が何者かによって拉致・監禁されてしまう。幸いにも園子はコナンの推理によって無事に助け出されたが、今度は八代商船の社長・八代貴江が何者かに刺殺され、八代グループ会長で貴江の父である八代延太郎も行方不明になってしまう。目暮警部らが到着して捜査が始まるが、容疑者は乗員乗客を合わせて総勢600名に上り、捜査の難航は必至だった。

一方、佐藤刑事らは八代英人の事故死に不審を抱き、再捜査をしていた。彼女は運転席のシートベルトの金具に残っている不審な痕跡に注目する。

捜査を続けるコナンたちは、延太郎がマリーナのハッチから海に突き落とされた可能性が高いことを突き止める。それからほどなくして、海上保安庁によって海に漂う延太郎の遺体が発見された。一方で、小五郎はコナンとも警察とも別に独自の捜査を展開していた。事件の真相をつかんだコナンは、ウェルカムパーティーの席で阿笠博士の声を借りて推理ショーを展開し、アリバイトリックを崩してシナリオライターの日下ひろなりが犯人である証拠を提示する。日下は第一八代丸沈没事故で犠牲となった三等航海士の息子で、第一八代丸沈没事故が八代親子や八代英人、第一八代丸の副船長だったアフロディーテ号船長の海藤が保険金詐取と沖田の排斥を目的に仕組んだ事故であることを知り、復讐するべくアフロディーテ号に取材と称して乗り込んでいたのだった。

だが日下は、機関室に仕掛けておいた爆弾を爆発させ、その混乱に乗じて逃走を図る。しかしコナンと少年探偵団の追跡により、無事に日下の逃亡は阻止された。その後「おーい!!大丈夫かー?おーい!!」と高木刑事の声が聞こえ、目暮たちがやってきて「駄目じゃないか君たち!!相手は殺人事件の容疑者なんだぞ!!もし、物事があったらどうするんだ!!」とコナン達を厳しく叱ってコナン達は謝った。

しかし、彼らの目の前のアフロディーテ号では日下が仕掛けた爆弾が次々と爆発したため、船腹に穴が開いて浸水し始める。アフロディーテ号の沈没は最早避けられないものとなり、乗員・乗客が避難していく中、忘れ物に気付いた蘭は取りに戻るが、忘れ物を見つけた場所に取り残されてしまった。さらに、事件は解決しているかと思われたが、その裏には真犯人による更なる陰謀が隠されていた。アフロディーテ号に残った小五郎は真犯人と対峙し、自ら暴いたアリバイトリックに納得がいかず、アフロディーテ号に仕掛けられた爆弾が多すぎることに疑問を抱いていたコナンも真犯人に気付き船に向かうことにする。

真犯人はアフロディーテ号設計グループ副リーダーで八代英人の部下であった秋吉美波子だった。美波子は実は沖田の娘であり、日下から取材を受けた際に執拗に八代親子のことを聞かれたことで疑問を抱き、日下が取材の途中で席を外した隙に彼のパソコンを覗いて真の目的を知り、後日酒に酔った英人から事件の真相を聞き出したことで、父親の復讐を決意。杜撰だった日下の復讐計画を利用し、英人の車にスタングレネードを仕掛けて自動車事故を誘発させること[注 4]で日下よりも先に英人を殺害し、日下が計画を修正するよう仕向けると、それを逆に利用することで日下を犯人に仕立て上げつつ自らの手で復讐を実行していった。日下は事件において誰も殺害していなかったが、パソコンの中で沖田のことを「船と運命を共にした時代錯誤の男」と非難していたこともあって犯人に仕立て上げられたのである。アフロディーテ号に日下と別に追加で爆弾を仕掛けたのも美波子であり、最後に残った海藤を水中銃で殺害しようとするが、真相に辿り着いていた小五郎によって使えなくされていた。

小五郎は本性を現した美波子に肉弾戦を挑まれるが、女とは戦わない主義であるとして反撃せず、ボコボコにされながらもコナンのアシストもあり、最後は一本背負い投げで美波子を制圧した。美波子を救命ボートまで連れて行ったコナンと小五郎だが、そこで蘭の姿が見えないことを園子に聞き、蘭を見つけ出すべく再び船に戻る。そして1人残されていた蘭を無事見つけ出したコナンと小五郎の元に、海上保安庁ヘリコプターがやってくる。これにて一件落着かと思いきや、一同が引き上げられ始めた直後に突風でヘリコプターがあおられ、今度はコナンが船に取り残されてしまった。しかし蘭と少年探偵団のおかげでコナンは脱出に成功する。

こうして乗員・乗客は全員無事に救出され、アフロディーテ号は大きな渦に巻き込まれながら海に沈んでいった。

登場人物

レギュラーキャラクター

江戸川 コナン(えどがわ コナン)
- 高山みなみ
本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、黒ずくめの組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている。推理以外にも「超高校生級」と言われるほどのサッカーの実力を持つ。
船内で起きた一連の事件の捜査を独自に行うが、犯人のミスリードに引っかかってしまう。
毛利 蘭(もうり らん)
声 - 山崎和佳奈
本作のヒロイン。新一の幼馴染かつガールフレンド[注 5]。空手の達人で、これまでの都大会に続き関東大会も優勝したことが判明する。
かくれんぼの最中に甲板でサッカーの練習をするコナンに新一の面影を重ねる。かくれんぼで隠れるのが異常に上手い事も判り、園子によれば「子供の頃から天井にへばりついたり、池の中に潜ったり、まるで忍者」との事。
毛利 小五郎(もうり こごろう)
声 - 神谷明
本作のキーパーソン。蘭の父親で「眠りの小五郎」の異名で有名な私立探偵。コナンの保護者。元警視庁捜査一課強行犯係の刑事。
普段はお調子者な性格が災いして的外れな推理が多いが、今回は真剣に捜査に臨み、コナン以上の優れた推理力を発揮して真相を突きとめ、ほぼ単独で犯人を追い詰めている。
工藤 新一(くどう しんいち)
声 - 山口勝平/ 高山みなみ(幼少時代)
コナンの本来の姿で高校生探偵。
新一としての登場は幼少期の回想と終盤でコナンの声と姿が重なる演出のみ。蘭とかくれんぼをしていた時の蘭に対する複雑な心境が描かれる。
灰原 哀(はいばら あい)
声 - 林原めぐみ
元黒の組織の一員かつAPTX4869の開発者で、コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。
船内でかくれんぼをする際に園子と共にオニをやることになる。
コナンがモーターボートで日下を追いかけようとした時、助手席に座った。
阿笠 博士(あがさ ひろし)
声 - 緒方賢一
コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人で、発明家。
劇場版としては初めてコナンの変声機に自身の声に合わせて口パクによる推理を披露する。
吉田 歩美(よしだ あゆみ)、小嶋 元太(こじま げんた)、円谷 光彦(つぶらや みつひこ)
声 - 岩居由希子(歩美)、高木渉(元太)、大谷育江(光彦)
少年探偵団の3人。
逃走した日下をコナンと共にモーターボートで追いかけた。
アフロディーテ号に乗船する前に浜で拾った貝がらで作ったブレスレットを、空手の関東大会で優勝した蘭に金メダルとして贈った[注 6]。このアイテムが良くも悪くも中盤から終盤に掛けて大きく影響を及ぼす。
鈴木 園子(すずき そのこ)
声 - 松井菜桜子
蘭の同級生で親友。鈴木財閥の令嬢で、蘭や新一とは幼馴染でもある。
船内でかくれんぼの最中に何者かに襲われ、霊安室に監禁されてしまう。
目暮 十三(めぐれ じゅうぞう)
声 - 茶風林
警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部
小五郎の要請を受け、捜査のために白鳥と高木と共にアフロディーテ号に乗船する。
白鳥 任三郎(しらとり にんざぶろう)
声 - 井上和彦
警視庁捜査一課のキャリア組警部。
行く先々で事件に巻き込まれる小五郎に「次は宇宙ですか?ロケットにでも乗って」と冗談を言い放つ。
佐藤 美和子(さとう みわこ)
声 - 湯屋敦子
警視庁捜査一課の刑事で警部補格闘技に長けていて洞察力も鋭い。高木刑事と交際中。
千葉刑事と共に八代英仁の事故死について再調査を行っており、アフロディーテ号には乗船していない。
高木 渉(たかぎ わたる)
声 - 高木渉
警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。佐藤刑事と両想いの恋愛関係。
行く先々で事件に巻き込まれる小五郎を「空でも海でも事件だらけ」と評する。
千葉刑事(ちばけいじ)
声 - 千葉一伸
警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。
トメさん
声 - 中嶋聡彦
警視庁鑑識課の鑑識官。

オリジナルキャラクター

日下 ひろなり(くさか ひろなり)
声 - 山寺宏一
シナリオライター。26歳。
アフロディーテ号の乗船客。レストランでコナン一行と無理やり同席した。髪を赤茶色に染め、サングラスを着用している。
豪華客船を舞台にしたドラマの企画書を構想中で、取材相手の秋吉美波子とは顔見知りの仲。だが、真の目的は八代親子に対する復讐で、テープレコーダーを利用したトリックで二人を殺害する計画を立てていた。だが、コナンに犯行を暴かれモーターボートで逃走を図るも、追跡してきたコナンのキック力増強シューズと時計型麻酔銃の連続攻撃で逮捕された。
秋吉 美波子(あきよし みなこ)
声 - 榊原良子
八代商船設計士。32歳。
知性的な美女で妃英理と瓜二つの容姿をしている。そのため、いつも美女には鼻の下を伸ばす小五郎が顔を引きつらせていた。この設計グループのサブリーダーを務めており、アフロディーテ号という名称も自らが考案した。
事情聴取では重要参考人の日下と連絡を取り合っていたと証言して、そのアリバイを証明している。
クールな性格だが、コナンのために紙ナプキンで船を作る優しい一面も覗かせている。
英理と容姿が似ているのは彼女の初期設定を意図的に活用したためである。

アフロディーテ号

海藤 渡(かいどう わたる)
声 - 中田浩二
アフロディーテ号の船長。56歳。
船の最高責任者で、クルーズに関するすべてを取り仕切る。15年前に沈没した第一八代丸では副船長を務めていた。
辻本 夏帆(つじもと なつほ)
声 - 西村ちなみ
アフロディーテ号のパーサー。25歳。
八代親子のお世話係で、乗船中のスケジュール管理も任されている。また、ウェルカムパーティーの司会も兼任している。
岬 直也(みさき なおや)
声 - 太田真一郎
アフロディーテ号のチーフパーサー。36歳。
捜査本部として設けられた会議室に同席する。その席で、コナンが怪しいと睨んだ乗船客に関する情報提供をした。
伊沢 洋介(いざわ ようすけ)
声 - 大川透
アフロディーテ号の一等航海士。39歳。
アフロディーテ号が転覆する事態に直面したことから、体面を気にして戸惑う海藤船長に退船命令を出すよう要請した。
水久保 仁(みずくぼ じん)
声 - 井原啓介
アフロディーテ号の船医。52歳。
コーヒーを呑んで体を温めていた園子を診察して、安静にしていれば回復すると語り、お見舞いに来た一同を安心させた。
磯崎 滋(いそざき しげる)
声 - 大川透
レストラン・マネージャー。41歳。
レストラン&カフェの総責任者であり、乗船客には政財界を筆頭にVIPクラスが多く乗船するため超一流の対応を行う。
汐見 勝彦(しおみ かつひこ)
声 - 遊佐浩二
アフロディーテ号の料理長。38歳。
園子を探すため厨房に入ってきたコナン達を注意する。捜索に付き添うも、閉じこめられていた園子を発見して驚いていた。

八代グループ

八代 延太郎(やしろ えんたろう)
声 - 岡部政明
八代グループ会長。78歳。
VIPを招待して、自らもアフロディーテ号に乗船した。犯人から脅迫状が送られてきたのを警戒して、鉄扇を護身用に所持していた。
八代 貴江(やしろ たかえ)
声 - なし[注 7]
八代客船の社長で、八代延太郎の娘。51歳。
小五郎がデレデレするほどの若々しさを保っているなど、50代とは思えないプロポーションをしている。
八代 英人(やしろ ひでと)
声 - なし
八代造船の設計士で、八代貴江の夫(婿養子)。49歳。
アフロディーテ号処女航海の半月前に自動車を運転中、心臓発作を起こして崖から転落し亡くなった。

乗船客

新見 謙介(にいみ けんすけ)
声 - 有本欽隆
元首相。妻と共にアフロディーテ号に乗船している。
目暮警部らの事情聴取にも応じており、事件の早急な解決を願っていた。
女性客
声 - 鳳芳野鈴木麻里子
アフロディーテ号に乗船している女性客。
救命ボートに乗り込んだのは良かったが、人が多すぎて窮屈だと文句を言ってしまい夫に注意される。

海上保安庁

救助隊員
声 - 山野井仁
乗船客を救出に向かった海上保安庁所属の特殊救難隊員。
強風でバランスを崩して、コナンが船体にぶつかりそうになったのを身を挺して守った。

船内放送

アナウンス
声 - 深川史麻
アフロディーテ号の女性アナウンス。
船外から海水が流れ込んで沈没は免れないことから、乗船客を避難させるため船内放送で指示を出していた。

スタッフ

テレビ放送

回数 番組名(放送枠名) 放送形態 放送日 放送時間(JST 放送分数 平均世帯視聴率 備考
1 通常拡大枠 2006年4月3日 19:00-21:15 135分 探偵たちの鎮魂歌』の公開を記念して放送。
2 本編ノーカット 2013年3月30日 12:54-15:05 131分 絶海の探偵』の宣伝を兼ね、ytvの全日帯ローカル枠で放送。

音楽

主題歌

ZARD夏を待つセイル(帆)のように
作詞 - 坂井泉水 / 作曲 - 大野愛果 / 編曲 - 葉山たけし
曲の歌詞は監督の指示もあったため、映画に忠実になっている。また、本作の公開に合わせて、「小五郎さんへのメッセージ」という名目でビデオによるテレビ出演を行った。

挿入歌

想い出たち〜想い出〜
歌 - 高山みなみ / 作詞 - 及川眠子 / 作曲・編曲 - 大野克夫

サウンドトラック

名探偵コナン 水平線上の陰謀
大野克夫サウンドトラック
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル ユニバーサルミュージック
プロデュース 大野克夫バンド
大野克夫 アルバム 年表
名探偵コナン 銀翼の奇術師
(2004年)
名探偵コナン 水平線上の陰謀
(2005年)
名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
(2006年)
EANコード
EAN 4988005386304
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収録曲

  1. 15年前・第一八代丸
  2. 沈没、そして15年後の事件
  3. アフロディーテ号
  4. 名探偵コナン メイン・テーマ (水平線上ヴァージョン)
  5. アフロディーテ・ビッグバンド
  6. 蘭の優勝祝い
  7. 阿笠クイズ '05
  8. 小五郎有頂天 ~ コナンたちは
  9. 園子と哀の異色コンビ
  10. かくれんぼ
  11. ゆったり気分
  12. Lover Man
  13. 暗躍
  14. 気配 ~ オヤジのカタキ
  15. 危機 ~ パニック
  16. 焦り (ASERI)
  17. 現場検証 '05
  18. 捜査会議 '05 ~ 追っかけ
  19. 冷静な白鳥刑事
  20. コナンの忍び捜査
  21. 想い出 (水平線上ヴァージョン)
  22. コナンの作戦失敗
  23. 波間に…? ~ メッセージ
  24. ウェルカム・パーティー
  25. 小五郎迷推理
  26. 真打ち登場 ~ 推理
  27. ヤツを追え!
  28. モーターボート・バトル
  29. 名探偵コナン メイン・テーマ (水平線上アドリブ・ヴァージョン)
  30. ストラテジーのテーマ
  31. 浮上する新たな疑問
  32. 果物ナイフが!?
  33. 真実に挑むコナン
  34. 15年目の真実
  35. 名探偵・毛利小五郎の推理
  36. アクション
  37. 急げ! コナン
  38. 救出
  39. 平和への祈り
  40. 想い出たち ~想い出~ (水平線上ヴァージョン) [BONUS TRACK]

映像ソフト化

  • DVD - 2005年12月14日発売[11](廉価版・2011年1月28日発売[12]
  • BD - 2011年1月28日発売[13](廉価版・2018年12月7日発売[14]。)

脚注

注釈

  1. ^ 「陰謀」を意味する英単語は「plot」「intrigue」「conspiracy」等である。
  2. ^ 知らなかった事実のみコナンのフォローを得ているが、推理はコナン以上に真相を突きとめていた。
  3. ^ 『天国へのカウントダウン』のエピローグでは少年探偵団は声付きで登場していたものの笑い声のみであり明確な台詞は無かった。
  4. ^ 運転席のシートベルトに運転席下部に仕掛けたスタングレネードの安全ピンと繋げた糸を括り付け、英人が別荘から車を出しシートベルトを締めたところでスタングレネードが炸裂するようにしていた。佐藤刑事が発見した運転席のシートベルトの不審な痕跡はその際に糸を括り付けた跡だった。
  5. ^ 本作公開の時点では判明していないが、後の原作やテレビアニメでは、蘭が空手の関東大会で優勝した時は、既に新一から想いを伝えられていることとなっている(原作73巻File.6『截拳道(ジークンドー)』・アニメ第646話『幽霊ホテルの推理対決(前編)』)。
  6. ^ 貝がら拾うシーンは劇中ではなし。本来は実際のメダルのように首に掛ける物を作りたかったが、長い糸が用意できなかった。
  7. ^ 一部の資料では鳳芳野と表記されているが、実際は秋吉美波子の変装のため榊原良子が演じている。

出典

  1. ^ a b 2005年(平成17年)興収10億円以上番組” (PDF). 日本映画製作者連盟. 2015年5月16日閲覧。
  2. ^ a b “名探偵コナン:劇場版新作が興収60億円突破 シリーズ最高記録を更新”. MANTANWEB (毎日新聞社). (2016年6月6日). https://mantan-web.jp/article/20160606dog00m200008000c.html 2017年5月30日閲覧。 
  3. ^ a b “劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』興行収入は、ついにシリーズ最高60億到達!?”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2016年6月6日). https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1465190280 2017年5月30日閲覧。 
  4. ^ a b “劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』が、シリーズ歴代最高興収を記録! まもなく500万人動員、65億円突破へ”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2017年5月29日). https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1496040765 2017年5月30日閲覧。 
  5. ^ a b “「劇場 名探偵コナン」シリーズ史上初 興収50億円突破で『純黒の悪夢(ナイトメア)』メガヒットに突入”. 映画/ドラマ (アニメ!アニメ!). (2016年5月9日). https://animeanime.jp/article/2016/05/09/28432.html 2017年5月30日閲覧。 
  6. ^ a b “劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢」興収60億円突破 シリーズ累計は600億円に”. アニメニュース (アニメ!アニメ!). (2016年6月6日). https://animeanime.jp/article/2016/06/06/28848.html 2017年5月30日閲覧。 
  7. ^ a b “【どこまで行く!?】『名探偵コナン から紅の恋歌』63.5億でシリーズ最高興行収入突破!”. T-SITE NEWS (TSUTAYA). (2017年5月29日). http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/35612870 2017年5月30日閲覧。 
  8. ^ Detective Conan: Strategy Above the Depths (2005)”. Box Office Mojo. 2022年7月22日閲覧。
  9. ^ 単行本67巻File.9「小林先生の恋」 - 68巻File.1「桜、満開」(アニメ583話 - 585話「小林先生の恋」 - 「時を超える桜の恋」)
  10. ^ 青山 剛昌、水稀 しま『名探偵コナン 水平線上の陰謀』小学館小学館ジュニア文庫〉、2014年8月6日。ASIN 409230773XISBN 978-4092307735OCLC 889966738全国書誌番号:22450213 
  11. ^ 名探偵コナン「水平線上の陰謀」[DVD] - Amazon.co.jp。2018年12月22日閲覧。
  12. ^ 劇場版「名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)」DVD - Musing、ビーイング。2018年12月22日閲覧。
  13. ^ 劇場版「名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)」ブルーレイディスク - Musing、ビーイング。2018年12月22日閲覧。
  14. ^ “劇場版 名探偵コナン 新価格版Blu-ray10巻”. 名探偵コナン[DVD/Blu-ray公式サイト]. https://beinggiza.com/conan/news/newpricebd.html 2020年8月11日閲覧。 

関連項目

外部リンク