宮下隼一

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宮下 隼一(みやした じゅんいち、1956年8月12日[1] - )は、日本脚本家である。長野県出身[1]。旧筆名・宮下 潤一(読みは同じ)。主に刑事ドラマ特撮アニメーションなどの脚本を手がけている。

略歴[編集]

横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)卒業[1]。同窓に岸間信明平野靖士らがいる。元々はテレビ映画の助監督として活動していたが、石原プロモーションプロットを持ち込んだ事がきっかけで永原秀一の門下に入り、1979年に『西部警察』の第7話で脚本家としてデビューした[2][1]。その後、『特捜最前線』の後半では中心ライターとして活躍する。

同作の終了後は石原プロや東映所属のプロデューサー堀長文日笠淳と共に仕事をするようになる。また、宮下が執筆する作品では、老人や社会的弱者、不良少年などを主役に据えた作品が多いのも特徴。メタルヒーローシリーズは1990年の『特警ウインスペクター』から参加して、1992年の『特捜エクシードラフト』から1996年『ビーファイターカブト』まで5年連続でメインライターを務め[2][1]、最終作である『テツワン探偵ロボタック』まで関わった。

1984年の『キャッツ・アイ(2nd season)』においてアニメーション作品にも進出。同作とのつながりで東京ムービートムス・エンタテインメント)作品への参加が多い。

杉村升らが中心となって設立したフラグシップに参加し[2]、ゲームシナリオも手掛けるようになる。

2002年に結婚[3]

2015年に開設された東京作家大学で講師を務める[1]

作風[編集]

「人間が絶対的な存在の争いに巻き込まれる」という展開を好んでおり、メインライターを務めた『特捜エクシードラフト』では、中盤の異星人の抗争や後半の神と悪魔の対決など、それまでのレスキューポリスシリーズとは一線を画するストーリーを執筆している[1]。子供番組としては観念的な内容であることから、監督から内容について質問を受けることが多かったというが、宮下はやりきったという思いであったことを述べている[1]

フィクションがリアルな作劇一辺倒になることに異を唱えており、エンターテイメント性や救いの要素が必要であると考えている[1]

メタルヒーローシリーズで玩具開発を担当した野中剛は、宮下は人情ものが得意と評している[2]

エピソード[編集]

  • 西部劇が好きだった父の影響で幼少期から映画に親しんでいた[1]
  • 特撮作品への参加は、『特捜最前線』のプロデューサーであった阿部征司が、『仮面ライダーBLACK』のプロデューサーを務めることになった堀長文から若い人材を求められ紹介したことによる[1]。宮下は子供番組へは初参加であったが、ホラー好きであったことなどから抵抗はなかったという[1]
  • 宮下が執筆した『特警ウインスペクター』第4話は監督陣の間で誰が担当するか取り合いになったといい、宮下はそれを嬉しく思い後年のインタビューでも記憶に残ったエピソードとして挙げている[1]
  • 助監督時代に円谷プロダクションでついた監督の東條昭平は気に入らないセットを壊すなど怖い監督として印象に残っていたが、『特警ウインスペクター』で監督と脚本家という立場で再開した際は優しくて拍子抜けしたという[1]
  • 特救指令ソルブレイン』でメインライターを務めた杉村升は、宮下を次期のメインライターと想定し、本数を書かせていた[1]。宮下は自由に書けなくなるためメインライターになることを拒んでいたが、杉村が翌年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』でスーパー戦隊シリーズへ移ったため、次作『特捜エクシードラフト』でメインライターを務めた[1]
  • メタルヒーローシリーズを担当した東映プロデューサーの堀長文も、『エクシードラフト』では宮下を育てる目的もあったと述べている[2]。堀は宮下を真面目で丁寧すぎると評し、既成概念を壊すよう要求していたという[2]。堀は、後年のインタビューで大河的なストーリーへ展開していったことは失敗であったと述懐しているが[2]、制作当時は宮下を後押ししていた[1]
  • 仮面ライダー電王』などの脚本家・小林靖子が脚本家としてデビューするきっかけを担っている。彼女が『特捜エクシードラフト』のプロットを書いてテレビ朝日の「ご意見・ご感想」コーナーに送付した際[4]、普通なら単なるファンレター的産物として相手にされないところ、当番組のメインライターを務めていた宮下や、制作会社の東映でやはり同作を受け持っていた堀長文プロデューサーの目に留まり[4]、それから毎週『特捜エクシードラフト』の台本を小林に送る様になる。結果として、彼女はその後シナリオの学校で本格的に脚本の勉強をし、同じく宮下がメインを務めていた『特捜ロボ ジャンパーソン』の第40話「基地爆破5秒前」でデビューした。その後も宮下がメインを務めるメタルヒーローシリーズにサブライターとして参加し続けるが、『重甲ビーファイター』の脚本を担当していた当時「東映は新人養成学校じゃない」との上層部の意見で、それまでの作品に参加していた新人ライターの多くが一掃された。その際、宮下は同作品に参加していた扇澤延男と共に彼女をかばったという[4]

作品[編集]

テレビドラマ・特撮[編集]

映画[編集]

ビデオ映画[編集]

テレビアニメ[編集]

OVA[編集]

ゲーム[編集]

小説[編集]

舞台[編集]

  • 爪とツメ(2014年、空っぽ人間<EMPTY PERSONS>)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 宇宙船152 2016, pp. 102-103, 「特別対談 宮下隼一×野中剛
  2. ^ a b c d e f g 宇宙船147 2014, pp. 110-111, 「特別対談 堀長文×野中剛
  3. ^ 忍風戦隊ハリケンジャー 第13話”. 東映. 2012年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月23日閲覧。
  4. ^ a b c 宇宙船』Vol.121 2008夏[復活2号](ホビージャパン[要ページ番号]

参考文献[編集]