オーシャンズ12
オーシャンズ12 | |
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Ocean's Twelve | |
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監督 | スティーブン・ソダーバーグ |
脚本 | ジョージ・ノルフィ |
製作 | ジェリー・ワイントローブ |
製作総指揮 |
ブルース・バーマン スーザン・イーキンス ジョン・ハーディ |
出演者 |
ジョージ・クルーニー ブラッド・ピット マット・デイモン キャサリン・ゼタ=ジョーンズ アンディ・ガルシア ドン・チードル バーニー・マック ジュリア・ロバーツ ヴァンサン・カッセル |
音楽 | デヴィッド・ホームズ |
撮影 | ピーター・アンドリュース |
編集 | スティーヴン・ミリオン |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
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上映時間 | 125分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $110,000,000[1] |
興行収入 |
$362,744,280[1] ![]() $125,544,280[1] ![]() ![]() 36億円[2] ![]() |
前作 | オーシャンズ11 |
次作 | オーシャンズ13 |
『オーシャンズ12』(オーシャンズ・トゥエルブ、原題: Ocean's Twelve)は、2004年のアメリカ映画。2001年に公開された『オーシャンズ11』の続編。出演はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ヴァンサン・カッセル。
目次
ストーリー[編集]
ダニー・オーシャンとその仲間たちが、テリー・ベネディクトのカジノから1億6千万ドル(およそ200億円)の大金を盗み出すことに成功してから数年後。オーシャンは、テスとの再婚を果たして幸福な生活を送り、またラスティはホテル業界に参入するなど、各々が自由気ままな生活を送っていた。
しかし、そんなメンバー1人1人の面前に突如ベネディクトが現れる。ベネディクトは、2週間以内に盗んだ1億6千万ドルに利子を付けて返すよう迫る。オーシャンたちは使ってしまった金や利子の分を埋めるため、再び全員で仕事をすることを決意するが、前回のカジノ強盗によりアメリカ本土では動きづらくなっていた。そこで舞台をヨーロッパに移す。
アムステルダム(オランダ)にやってきたオーシャンたちは、ホテル・ピューリツァーを根城に綿密な計画を立て、数々の盗みを遂行していくが、オーシャンたちが盗む前に必ず獲物があるはずの場所に黒い狐の置物が置かれ獲物は既に奪われた後。困ったオーシャンたちは、かつてヨーロッパでその名を知られた往年の大泥棒ギャスパー・ルマークを訪ねると、彼の弟子である“ナイト・フォックス”が関わっているという。
やってきたオーシャンを前に「世界一の泥棒」を自負するナイト・フォックスことフランソワ・トゥルアーは、オーシャンたちの情報をベネディクトに渡したのは自分だといい、自分との勝負に勝てば、金も全て立てかえてやるとオーシャンを挑発する。
そしてオーシャンズは、テスを交えた12人で、ローマの美術館で展示される「ファベルジェの卵」を巡ってナイト・フォックスと対決するが、ユーロポール(オランダ)の敏腕捜査官イザベル・ラヒリが現れる。
イザベルはかつて、ラスティの恋人だった。
解説[編集]
ダニー・オーシャンと彼が率いる11人の仲間たちが、フランスの大泥棒「ナイト・フォックス」と対決する。今作は舞台をヨーロッパに移し、アムステルダムのホテル・ピューリツァー、カッテンカビネット、コーヒーショップ(オランダではソフトドラッグを扱う店のこと)やハーグの市庁舎、モンテカルロ、コモ湖、ローマのパンテオンやコンドッティ通り、シチリア島のカステッランマーレ・デル・ゴルフォなどが登場する。
シンプルなストーリー展開の強盗劇であった前作とは趣が異なり、本作のストーリーは複雑である。隠語、さり気なく置かれたキーワードなど、2度目以降の鑑賞で理解を深められるような要素も少なからず盛り込まれている。
登場人物とキャスト[編集]
前作の人物欄も参照のこと。
オーシャンとその仲間[編集]
- ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
- 主人公。前作でテスとよりを戻し結婚。イーストヘイブン(コネチカット州)で幸せな生活を送っていたが、2度目の結婚の3周年の記念日にベネディクトの訪問を受ける。
- テス・オーシャン(ジュリア・ロバーツ)
- オーシャンと再婚し、現在は専業主婦。泥棒稼業を批判しているが、オーシャンズの人手不足を補うために計画に参加することとなる。計画参加のためハリウッド女優"ジュリア・ロバーツ"に成り済ます事となる(演じてる本人が本人の偽物に成り済ますという異色の演出であった)。
- ラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)
- オーシャンの右腕であり、計画の直接的な実行役。前作のカジノ強盗の報酬を元手にウェスト・ハリウッド(ロサンゼルス)でホテル経営に乗り出すが、経営は火の車。その挙句にベネディクトの訪問を受け、前作からの愛車だった1963年型フォード ファルコン フューチュラ コンバーチブルが爆破される。
- バージル・モロイ(ケイシー・アフレック)
- 双子のモロイ兄弟の兄。前作と変わらず弟との仲は悪いが何故かいつも一緒にいて、仕事は基本的に弟と一緒。プロボ (ユタ州)で結婚式を挙げ、ハネムーンでフロリダのディズニーワールドへ出発しようとしていた矢先、ベネディクトの訪問を受ける。
- ターク・モロイ(スコット・カーン)
- 双子のモロイ兄弟の弟。前作と変わらず兄との仲は悪いが何故かいつも一緒にいて、仕事は基本的に兄と一緒。
- イエン(シャオボー・チン)
- 軽業師。前作のカジノ強盗の報酬でマイアミ(フロリダ州)に豪邸を購入し自由に過ごしていたが、手を付けた事業は失敗し美人モデルとの関係もうまくいかず散々な状況。
- フランク・キャットン(バーニー・マック)
- イカサマディーラー。極端な手フェチ・爪フェチ・ネイルサロン好きが高じ、イースト・オレンジ(ニュージャージー州)でネイルサロンを経営。カジノ強盗後しばらくはラスティと行動を共にしていたため、オーシャンズの中で唯一、ラスティとイザベルの関係を知っている。
- バシャー・ター(ドン・チードル)
- 爆発物・兵器の専門家。ラッパーに転職し、ロンドンでレコーディング中、ベネディクトの訪問を受ける。
- ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)
- スリ。前作のカジノ強盗で自信が付き、報酬を元手に地元シカゴ(イリノイ州)でオーシャンズのような自前の窃盗団を作ろうとしているが上手くいっていない。今回の計画では自ら進んで参加したが、オーシャンズを「組織」として捉えているため、少し浮いてしまっている。一人前に扱ってほしいが適わず、凄腕の詐欺師である両親にもからかわれているらしい。意外とモラルが高い。
- ソール・ブルーム(カール・ライナー)
- 往年の詐欺師。ニューヨークの高級リゾート地イースト・ハンプトンで隠遁生活を送っていた。今回は計画に参加することを拒否し、「金は全部使って死ぬ」と言い残して一旦はオーシャンズを離れる。後にジュリアの主治医『サイモン・レオポルド』に成り済ましピンチヒッターとして復帰する。
- リヴィングストン・デル(エディ・ジェイミソン)
- 電気・通信の専門家。ニューオーリンズ(ルイジアナ州)のナイトクラブでお笑い芸人になったがスベってばかりいる。親と同居。強盗の分け前には手を付けていないが、利子が払えないために計画に参加する。
- ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)
- ラスベガスでホテル経営に精を出す実業家で資産家。前作のカジノ強盗後には株式投資で資産を増やす。同業者としてラスティを案じている。
- コールドウェル夫人(チェリー・ジョーンズ)
- ライナスの母親で伝説の泥棒ボビー・コールドウェルの妻。FBI捜査官『モリー・スター』に成り済まして。オーシャンたちを国外へ撤収させる仕上げを行う。本名は不明。
ヨーロッパ[編集]
- フランソワ・トゥルアー(ヴァンサン・カッセル)
- 怪盗「ナイト・フォックス」。別名モレッティ。表向きはいくつもの事業を成功させているフランス人の大富豪。母親はイタリアの貴族で、その爵位を引き継ぎ、コモ湖(イタリア)の大豪邸に暮らす。金と暇を持て余して裏稼業にも手を出しており、数々の盗みに成功している有名な大泥棒。1990年代前半から1996年までに、ジュネーブ銀行、デンマーク国庫、イタリア銀行(Banca d'Italia)、AMCアムロ、ブリュッセルとアントウェルペンのダイヤ取引所で強盗。1997年に絵画に転向し、テート・ギャラリー(ロンドン)、ルーブル美術館(パリ)、プラド美術館(マドリード)。2002年にはモロッコ王の豪華クルーザーを盗んだ。自分を「世界一の泥棒」と自負するが、前作でオーシャンにベネディクトがカモだと薦めた保険会社の人間が「オーシャンこそ最高の泥棒」と言い師匠のギャスパーが否定しなかったため、オーシャンをライバル視し、ベネディクトにオーシャンたちの情報を渡すという裏世界の掟を破って彼らを勝負に引き込む。
- イザベル・ラヒリ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
- ユーロポール(欧州刑事警察機構)捜査官。ラスティの元恋人。ナイト・フォックスや彼の師匠を追っているが、ヨーロッパにやってきたオーシャンズの存在と、その思惑に気付きいち早く彼らを追う。優秀な捜査官であるが、ラスティとの過去の関係から行き過ぎた行為に及ぶこともある。家は貧しい母子家庭だった。
- マツイ(ロビー・コルトレーン)
- オーシャンたちにヨーロッパの仕事を紹介する男。
- ローマン・ネーゲル(エディー・イザード)
- オーシャン達の旧友の技術屋。3Dホログラム技術でファベルジェの卵を再現する。軽薄な人物でラスティの携帯を盗んで通話してきたイザベルにうっかり計画を口にしてしまう。女好き。
- ヴァン・デ・ヴァウダー(ヘンリー・ツェニー)
- 宝石商の大富豪。オーシャン達の最初のターゲット。表向きは変人で通っているらしいが家のセキュリティをクローズドシステムで厳重にガードしている外出恐怖症(Agoraphobia)で、10年以上家に出てこない。
- ギャスパー・ルマーク(アルバート・フィニー)非クレジット
- かつてヨーロッパで名を馳せた大泥棒だが、現在は全く活動せず。1988年にポルトガルで死去したことになっているが、表舞台では生死すら不明。トゥルアーを後継者として自身の技術を教え込む。オーシャンやラスティとも面識があり、自分の不手際が今回の件をもたらしたとして彼らに助言を与える。
その他の人物[編集]
- テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
- ラスベガスの3大カジノのオーナー。ナイト・フォックスの情報によりオーシャンズの居場所を割り出し、メンバー一人一人のもとを訪れながら、前作で盗まれた金とそれに高額の利子を付けて返すようにお礼参りをする(ただし、前作の損害はすべて保険で補償されている)。
- ブルース・ウィリス(本人)
- 本人役によるカメオ出演。私的にヨーロッパを訪れている。
- ブルーザー(スコット・L・シュワルツ)
- 前作で計画のために一役買ったオーシャンの親友。本作ではフランクの保釈人として一役買う。
- 音楽プロデューサー(ジャレッド・ハリス)
- バシャーの楽曲制作をしているプロデューサー、歌詞に禁止用語が使われすぎていて曲として成り立たないことに悩んでいる。
- ベネディクトの手下の双子(デヴィッド・ソルタグ&ラリー・ソルタグ)
- ベネディクトが汚い仕事を行う際に雇う巨漢の双子。今回はベネディクトと常に同行してオーシャンたち一人一人にお礼参りを行う。
関連項目[編集]
その他[編集]
- カメオ出演で本人役で出ているブルース・ウィリスだが、前作の段階で当初ダニー・オーシャン役といわれていた。
- 今回の撮影は3週間と短期であった上、スケジュール都合によりマット・デイモンが途中参加となった。そのため、最初イメージが湧かない時にはブラッド・ピットが状況説明をしながら撮影を進めたと言われる。
- テレビ朝日の情報番組『SmaSTATION!!』にて前作(『オーシャンズ11』)を観ていない稲垣吾郎が「前作よりも面白くなかった」と映画評論した(後に稲垣は前作を観ていないと自分で暴露した。)。
- 来日記者会見の際、(リップサービスで)ジョージ・クルーニーは「次作は日本が舞台になるでしょう」と述べていた。
- 当初はカメオ出演でピーター・フォンダがライナスの父親であるボビー・コールドウェル役で出演していた。しかしそのシーンはカットとなってしまった。
日本語吹き替え[編集]
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
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ソフト版 | 日本テレビ版 | ||
ダニー・オーシャン | ジョージ・クルーニー | 小山力也 | 磯部勉 |
ラスティ・ライアン | ブラッド・ピット | 細井治 | 堀内賢雄 |
ライナス・コールドウェル | マット・デイモン | 竹若拓磨 | 桐本拓哉 |
フランク・キャットン | バーニー・マック | 茶風林 | 銀河万丈 |
バシャー・ター | ドン・チードル | 大黒和広 | 檀臣幸 |
バージル・モロイ | ケイシー・アフレック | 落合弘治 | 村治学 |
ターク・モロイ | スコット・カーン | 木下浩之 | 古田信幸 |
イエン | シャオボー・チン | 小野塚貴志 | 樫井笙人 |
リヴィングストン・デル | エディ・ジェイミソン | 渡辺穣 | 田原アルノ |
ルーベン・ティシュコフ | エリオット・グールド | 富田耕生 | 内海賢二 |
ソール・ブルーム | カール・ライナー | 大木民夫 | 富田耕生 |
テリー・ベネディクト | アンディ・ガルシア | 内田直哉 | 大塚芳忠 |
テス・オーシャン | ジュリア・ロバーツ | 佐々木優子 | 勝生真沙子 |
フランソワ・トゥルアー | ヴァンサン・カッセル | 大塚芳忠 | 森田順平 |
イザベル・ラヒリ | キャサリン・ゼタ=ジョーンズ | 沢海陽子 | 山像かおり |
ギャスパー・ルマーク | アルバート・フィニー | 長克巳 | 稲垣隆史 |
ローマン・ネーゲル | エディー・イザード | 田中正彦 | 江川央生 |
ジョルダーノ警察署長 | 諸角憲一 | 金尾哲夫 | |
マツイ | ロビー・コルトレーン | 楠見尚己 | 登場シーンカット |
モリー・スター | チェリー・ジョーンズ | 磯辺万沙子 | 沢田敏子 |
ポール | ジェローン・ウィリアムズ | 岩崎ひろし | てらそままさき |
ブルース・ウィリス | 内田直哉 | ||
トファー・グレイス | 星野貴紀 | ||
銀行員グレック | Ed Kross | 岩田安生 | |
テレーザ | 勝田晶子 |
DVD /Blu-ray[編集]
日本ではワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントよりDVD、ブルーレイが発売。
- オーシャンズ12 特別版(DVD2枚組、2005年7月1日発売)
- オーシャンズ12 期間限定出荷版(DVD1枚組、2005年7月1日発売)
- オーシャンズ12 ブルーレイ(1枚組、2008年6月11日発売)
脚注[編集]
- ^ a b c “Ocean's Twelve (2004)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月8日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去興行収入上位作品 (興収10億円以上番組) 2005年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月8日閲覧。
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト(英語)
- オーシャンズ12 - allcinema
- オーシャンズ12 - KINENOTE
- Ocean's Twelve - オールムービー(英語)
- Ocean's Twelve - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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