名探偵コナン ベイカー街の亡霊

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名探偵コナン ベイカー街の亡霊
Detective Conan
The Phantom of Baker Street
監督 こだま兼嗣
脚本 野沢尚
原作 青山剛昌
出演者 高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
山口勝平
林原めぐみ
茶風林
緒方賢一
田中秀幸
岩居由希子
高木渉
大谷育江
音楽 大野克夫
主題歌 B'zEverlasting
撮影 野村隆
編集 岡田輝満
制作会社 トムス・エンタテインメント
製作会社 小学館
よみうりテレビ
日本テレビ
小学館プロダクション
東宝
トムス・エンタテインメント
配給 東宝
公開 日本の旗 2002年4月20日
台湾の旗 2002年8月17日
イタリアの旗 2005年12月30日
大韓民国の旗 2008年5月1日
上映時間 107分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 34.0億円[1]
前作 名探偵コナン 天国へのカウントダウン
次作 名探偵コナン 迷宮の十字路
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名探偵コナン ベイカー街の亡霊』(めいたんていコナン ベイカーストリートのぼうれい、原題:Case Closed: The Phantom of Baker Street)は、2002年4月20日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第6作目にあたる。上映時間は107分。興行収入は34億円[1]

キャッチコピーは「待ってろ…絶対、また逢えっから…」「夢か幻か!?歴史の迷宮に隠された真実をつかめ!」。

概要[編集]

沿革[編集]

『名探偵コナン』劇場版シリーズ第6作として製作された本作は脚本を前作『天国へのカウントダウン』までの古内一成から江戸川乱歩賞を受賞した小説家野沢尚が担当[注 1]。きっかけは野沢の子供たちがコナンファンだったことで、自身もファンだったことからコナンストーリーを書きたいと諏訪、吉岡両プロデューサーにお願いした事だった。両プロデューサーも新しいチャレンジとして起用を決定し、この旨をこだま兼嗣監督らスタッフに報告。東京国際映画祭でのインタビューの際、こだま兼嗣監督は「野沢への依頼は、長年劇場版を続けていくうえでのマンネリ化を防ぐためだった」と語っている[2]

今作の特徴は全22作の中でストーリー作りも野沢がやっていた事、彼自身も作家だった故に独自のコナンワールドを作ろうとまず当初の案では『オリエント急行殺人事件』の列車ものだったが書くのが大変だったため、別案としてコナンのルーツである19世紀末ロンドンに歴史の光と闇として存在した、シャーロック・ホームズ切り裂きジャックを大きなテーマにする物語を制作。そのため「コナン海外へ」というキャンペーンものがはれたと諏訪プロデューサーは語る。[注 2]。そのため、コナンたちを海外に行かせるため、仮想体感ゲーム機「コクーン」というアイディアが生まれた。それゆえ阿笠博士の発明品が使えないことからほかの参加者協力し合って危機をくぐりぬけるようになる。それ以外にも、『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように最初から犯人が明らかになっており、犯行の過程が描かれている倒叙形式が劇場版シリーズで初めて採用された。そしてもう一つ、今までの映画ではコナンと蘭のラブシーンは必ず必中だったが、今回、野沢は父と子の愛情をテーマに切り替え、クライマックスに当初の案の列車を取り入れてコナンに「もうだめだ」と言わせるジュプナイルストーリーを作り上げた。完成後、野沢は次は新一、蘭、灰原の三角関係をテーマに描きたかったが、2004年6月28日に自殺、これが最初で最後のアニメ映画となった[3][4]

青山剛昌の本作ではストーリー作りを野沢に任せていたが、灰原がゲームオーバーで消える前にコナンにいうセリフやホームズがコナンの前に突然現れて助言するシーン、助かるものとして当初の案ではミルクだったがそれをワインに変えた。そしてラストのコナンと優作が感情で話し合うシーンを加える[5]。また「新一が好きだといったホームズの言葉が、蘭に自己犠牲を決意させる」という展開は野沢による脚本には存在せず、映画スタッフによって追加されたものである[6][要ページ番号]。これらの追加を青山は野沢に伝える際、緊張して伝えるに努力したという。その影響下小学館漫画賞授賞式の際もこのことが脳裏に働いてうまく喋れなかったという。

シリーズ開始当初から音響監督を務めてきた小林克良が参加した最後の劇場版になった。

2018年現在、江戸川コナン(工藤新一)の父親である工藤優作が本編に登場した唯一の作品でもある[注 3][注 4]

第3作『世紀末の魔術師』以降、高木刑事が毎回登場していたが、本作には登場しなかった。また、鈴木園子は序盤のみの登場でストーリーに直接絡まなかったほか、ゲーム世界が舞台という設定ゆえに阿笠博士のメカは使いものにならず、オープニングでも紹介されなかった。

アメリカ合衆国ではファニメーションによる英語吹き替え版が制作された。

2006年に公式サイトで行われた劇場版シリーズのリクエスト企画では第3位を獲得したほか、原作者の青山剛昌は自身の母の一番好きな映画である旨をコメントしている。さらに、2016年に開催された歴代映画19作品の人気投票では第2位を獲得した[7]

製作状況[編集]

セル画で制作された最後の劇場版でもあり、次作『迷宮の十字路』以降はデジタルで制作されている。また、本作以降は東京キー局の日本テレビも劇場版シリーズの制作に参加している。

興行成績[編集]

脚本家を変え、今までの方向転換となったシリーズ最大の異色作の本作は収入は34億円を記録し初めて30億を超え、2002年度の邦画第2位を記録。諏訪プロデューサーは金字塔だと語っている[4]。この記録は第13作『漆黒の追跡者』の35億円に更新されるまで破られなかった。

テレビ放送[編集]

2003年4月7日にコナン春の映画スペシャルとして放送され、15年後の2018年2月9日に『金曜ロードSHOW!』枠でオープニングやエンディングなどをカットした再編集版がテレビ放送された[8]。なお、株式会社ビビアンのニュースサイト「ciatr」(シアター)によれば、現実世界ではありえない「死」を迎える仲間たちの描写への賛否両論がインターネット上で挙がったほか、バーチャルリアリティMMORPGが広く知られるようになった時代での放送という理由も重なり、それらを題材として劇場公開当時とほぼ同時期に発表された小説『ソードアート・オンライン』との共通点を挙げる声も見られたという[9]

ストーリー[編集]

江戸川コナン(工藤新一)たちは彼の父・優作がシナリオを提供した仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれた。そのパーティーには日本の未来を担うことになる、警察官僚政治家の二世・三世が勢ぞろいしていた。そんな最中、殺人事件が発生し、コナンは被害者ダイイング・メッセージから、事件の手がかりがゲームの中にあると考え、コクーンに乗り込む。ところが、ゲームのスタート直後にシステムが人工頭脳「ノアズ・アーク」によって占拠され、コナンたちを含む子供たち50人は人質に取られてしまう。

「日本という国のリセット」を企てるノアズ・アークは、プレイヤーである子供たち50人が全員ゲームオーバーになればプレイヤー全員のを破壊する、つまり彼らを死亡させると宣告する。プレイヤー全員がゲームオーバーになると現実の世界に戻れなくなるが、たった1人でもゴールに辿り着けば子供たちの勝ちとなる。そこで覚悟を決めたコナンたちは、5つのステージの中から「オールドタイム・ロンドン」を選択し、19世紀末に実在した殺人鬼のジャック・ザ・リッパーを追いかける命がけのゲームに挑戦する。オールドタイム・ロンドンのステージでは、傷を負ったり警官に捕まったりするとゲームオーバーになってしまう。

一方、現実の会場では優作たちが殺人事件の捜査に乗り出していた。ゲームの世界と現実の世界、次元を隔てた2つの世界でコナンと優作が事件解決に挑むことになる。

登場人物[編集]

メインキャラクター[編集]

江戸川 コナン(えどがわ コナン)
声 - 高山みなみ
本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一。黒の組織APTX4869という薬を飲まされ、小学生の姿になっている。推理だけではなく運動能力にも優れ、特にサッカーに関しては並の高校生を超えた天才的な実力の持ち主。
毛利 蘭(もうり らん)
声 - 山崎和佳奈
本作のヒロインで、新一の幼馴染かつガールフレンド。コナンのお姉さん的な存在で、コナンを弟のようにかわいがっている。都大会で優勝するほどの空手の達人。
毛利 小五郎(もうり こごろう)
声 - 神谷明
蘭の父親で私立探偵。江戸川コナンの保護者。元・警視庁捜査一課強行犯係の刑事で「毛利探偵事務所」を経営する。コナンのおかげで世間では「眠りの小五郎」として名を馳せている。
工藤 新一(くどう しんいち)
声 - 山口勝平
コナンの本来の姿で高校生探偵。世間では「蘭と遊園地に行ったあと行方不明になった」ということになっている。
灰原 哀(はいばら あい)
声- 林原めぐみ
本来の姿は宮野志保。元は黒の組織の一員かつAPTX4869の開発者であるが、姉を殺されたために自ら薬を飲み、小学生の姿になって脱走した。コナンの正体を新一と知る主な協力者。
目暮 十三(めぐれ じゅうぞう)
声 - 茶風林
警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部
阿笠 博士(あがさ ひろし)
声 - 緒方賢一
工藤家の隣人で発明家。少年探偵団の保護者的存在。コナンの正体を新一と知る主な協力者。本作でも、自慢の科学力を発揮してマシーンの調整等を外部から行うなどの協力をする。ただし、ゲーム世界に入ってしまったコナン達には彼が普段与えているメカは使いものにならなかった。
工藤 優作(くどう ゆうさく)
声 - 田中秀幸
コナン(新一)の父親で世界に名を響かせる推理小説家。現在はロサンゼルスを拠点に活躍中。コナンを上回る推理力の持ち主で、その正体を新一と知る主な協力者。
吉田 歩美(よしだ あゆみ)、小嶋 元太(こじま げんた)、円谷 光彦(つぶらや みつひこ)
声 - 岩居由希子(歩美)、高木渉(元太)、大谷育江(光彦)
少年探偵団の3人。
鈴木 園子(すずき そのこ)
声 - 松井菜桜子
蘭の同級生で親友。鈴木財閥の令嬢で、蘭や新一とは幼馴染でもある。本作は序盤のみの登場で、ストーリーには直接絡まない。
白鳥 任三郎(しらとり にんざぶろう)
声 - 塩沢兼人
警視庁捜査一課のキャリア組警部。
千葉刑事(ちばけいじ)
声 - 千葉一伸
警視庁捜査一課の刑事で巡査部長
工藤 有希子(くどう ゆきこ)
声 - 島本須美[注 5]
コナン(新一)の母親で元は数々の賞を受賞した天才女優。変装の名人でもある。現在は夫の優作と共にロサンゼルスで暮らしている。コナンの正体を新一と知る主な協力者。
本作ではオープニングの紹介に登場し、一言のみ言葉を発している。また、本編では優作の台詞に名前のみ登場する。

オリジナルキャラクター[編集]

ヒロキ・サワダ (Hiroki Sawada)
声 - 折笠愛
マサチューセッツ工科大学に在籍する天才少年。10歳。
日本の束縛された教育に壁を感じ、母と共にアメリカへ留学していた。母を亡くしてからはトマス・シンドラーの養子となり、人工頭脳「ノアズ・アーク」やDNA探査プログラムを発明したため、アメリカでも注目を浴びるほどの有名人となった。厳しい監視体制が敷かれ、友人と遊ぶことすら許されておらず、部屋には監視カメラまで設置されていた。そんな環境に耐えきれず、2年前に「ノアズ・アーク」を一般の電話回線に逃がし、自身はマンションの屋上から投身自殺してしまった。
ノアズ・アーク (Noah's Ark)
声 - 折笠愛
2年前にヒロキ・サワダが制作した人工頭脳。名前は旧約聖書ノアの方舟に由来している。1年で人間の5年分を成長するようになっていることから、現在の年齢はヒロキと同じ10歳に相当する。
ヒロキによって電話回線から逃がされて成長した結果、ヒロキが抱いていた「日本は個性を認めない」という考えを受け継ぎ、年相応の無邪気な性格ならではの日本のリセットを計画する。米花シティーホールで披露された「コクーン」のコンピュータに侵入した後、参加していた日本の二世・三世を人質に取り、ゲームを続けるよう命令した。

オールド・タイム・ロンドンの参加者[編集]

諸星 秀樹(もろぼし ひでき)
声 - 緒方恵美
諸星登志夫の孫。小学6年生。12歳。コナンの事を「メガネ」と呼ぶ。
生意気で尊大な性格の少年で、パーティー会場でサッカーのミニゲームをするなどマナーやモラルも持ち合わせておらず[注 6]、小五郎や樫村たち大人にまで食って掛かる。電脳世界でも、コナンの指示に従わずに無断で拳銃を持ち出し、騒動の原因を作ってしまう。コナンの推理を聞き、モラン大佐のイカサマを暴露しながら拳銃で挑発したことから乱闘に発展するが、自分のせいで菊川や少年探偵団の3人がゲームオーバーになってしまったことを反省してコナンたちと協力する。最終ステージでは、チャリング・クロス駅発の豪華列車でのジャック・ザ・リッパーとの対決を彼らと協力して乗り越え、コナン以外で唯一生き残るが、ゲームクリア後には意外な正体が明らかになる。
滝沢 進也(たきざわ しんや)
声 - 高乃麗
与党政治家の息子。小学6年生。11歳。
諸星秀樹らと同様、マナーやモラルを持ち合わせていない傲慢で生意気な性格。しかし、諸星よりは素直なようで、彼が拳銃を取り出したのを制止していた。モラン大佐との対決後は改心して、コナン達と協力するようになる。ホームズ関連の知識には疎いが、100年前のサッカーボールに興味を示すなど、年相応に探求心は強い様子。アイリーン・アドラーを救うために江守と共にゲームオーバーとなったが、彼女からお礼を言われて二人で感動を分かち合い笑顔を見せている。そして、諸星に後を託して消えていった。
江守 晃(えもり あきら)
声 - 愛河里花子
江守哲之助の孫。小学6年生。11歳。
諸星らと同様マナーやモラルを持ち合わせていない生意気な性格だが根は臆病。肥満体型だが機敏に動き、モラン大佐の手下を倒してピースサインをしたり、アイリーン・アドラーを守ったりと意外な活躍を見せる。また、100年前のサッカーボールに興味を抱くなど子供らしい一面も見せる。彼も、コナン達と行動を共にする間に人を助ける優しさを覚えていき、モリアティー教授の陰謀からアドラーを守りゲームオーバーになってしまう。滝沢同様、消える直前にアドラーから助けてもらったお礼を言われ赤面していた。
菊川 清一郎(きくかわ せいいちろう)
声 - 斎賀みつき
有名狂言師の息子。小学6年生。11歳。
諸星らと同じく性格は生意気だが、臆病で諸星に頼りっぱなし。また、親が狂言師のため、女性の言葉遣いで喋り動きも女性的。ロンドン橋で休んでるときに急に橋が崩れ始めて落ちそうになるが、コナンと蘭に寸前のところで助けられる。その借りを返すためにモラン大佐の手下の攻撃からコナンを守り、借りを返したと言ってゲームオーバーになった。諸星達も菊川が消えたショックで、自分勝手な行動から菊川や少年探偵団がゲームオーバーになったことを悔やむ気持ちを芽生えさせた。

現実世界[編集]

トマス・シンドラー (Thomas Schindler)
声 - 津嘉山正種
シンドラーカンパニー社長。52歳。IT産業界の帝王でシンドラー帝国と称されている。父親と別れ、母親を亡くしたヒロキを養子として引き取っていた。
樫村 忠彬(かしむら ただあき)
声 - 平田広明
コクーン開発の主任で、ヒロキの父親。39歳。工藤優作とは大学時代の悪友。現在は探偵と依頼人という関係でも付き合っており、ある調査を依頼していた。
江守 哲之助(えもり てつのすけ)
声 - 依田英助
財閥系銀行頭取で、江守晃の祖父。諸星副総監とシンドラーについて語り合っていた。ノアズ・アークに孫達を人質に取られ、観客席から事態を見守る。
諸星 登志夫(もろぼし としお)
声 - 堀部隆一
警視副総監で、諸星秀樹の祖父。江守頭取とブロンズ像の前でシンドラーについて語り合っていた。他人に迷惑をかけ、横柄な態度をとり続けている秀樹をそれほど厳しく注意しないなど、威厳の感じられない人物である。名前の由来は、『うる星やつら』の主人公・諸星あたるを担当した古川登志夫

オールド・タイム・ロンドン[編集]

サポートキャラクター(お助けキャラ)[編集]
シャーロック・ホームズ (Sherlock Holmes)
声 - 田中秀幸
私立探偵。『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公。
容姿や性格は工藤優作がモデル[注 7]になっている。「オールド・タイム・ロンドン」のサポートキャラだったが、ノアズ・アークにプログラムを書き換えられ、ワトスンとダートムーアに向かっていた[注 8]。自室にはゲーム攻略のヒントとなる貴重なアイテムが多く皆も感動していた。その後も、コナンに影響を与えていったが、ゲームに登場することはなかった。しかし、最終局面でブレーキが破壊されて終着駅に突進する寸前の列車を止められなくてゲームをクリアできないと苦悩するコナンの前に現れ、最後のヒントを告げる。ちなみにその時のセリフ「人生という無色の糸のなかに事件という緋色の糸が混ざっている。それを解きほぐすのが我々の使命なんじゃないかね?」は『緋色の研究』でホームズがワトソンに言った言葉である。
アイリーン・アドラー (Irene Adler)
声 - 島本須美
舞台女優。シャーロック・ホームズが生涯でたった1人愛した女性と言われている。
容姿や性格は工藤有希子がモデル[注 7]になっている。ジャック・ザ・リッパーの標的となっていることを知らされ、コナンに公演を中止するよう説得されるも、気丈に振る舞って舞台に立つと宣言する。その意志の強さに、コナンは本当に母にそっくりだと説得を諦めて、舞台の袖から見守ることにした。美しい歌声に観客が酔いしれる中、モリアーティ教授の仕掛けた爆弾で命の危機に晒されるも、無事に脱出できた。
ハドスン夫人 (Mrs. Hudson)
声 - 速見圭
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンが下宿している「ベーカー街221B」の女主人。
コナン一行に、2人はダートムーアに出掛けたことを伝える。また、ノアズ・アークに先手を打たれ動揺する一同をベイカー・ストリート・イレギュラーズと勘違いして、大活躍だったと褒め称えた。そして、一同をホームズの部屋に通し、ジャック・ザ・リッパーの事件解決に役立てられる捜査資料やアイテムの入手を手助けする。また、コナンがホームズの椅子に座り考え事をしているのを見て、ホームズも同じような恰好でよく考え事をしていると嬉しそうに語っていた。
敵キャラクター[編集]
セバスチャン・モラン大佐 (Colonel Sebastian Moran)
声 - 藤本譲
モリアーティ教授の腹心で、ロンドン第二の危険人物。トランプクラブでコナン達と対決して追い詰めるが、モリアーティ教授には逆らえず引き下がった。
ジェームズ・モリアーティ教授 (Professor James Moriarty)
声 - 小林清志
シャーロック・ホームズの宿敵。ロンドンを影から支配する犯罪界のナポレオンと評されている。幼少期のジャック・ザ・リッパーに犯罪者としての才能を見出し、英才教育を施して自身の操り人形にしていた。
ジャック・ザ・リッパー (Jack the Ripper)
声 - 速水奨
実在した連続殺人犯。通称、JTR (Jack The Ripper)。本作では貧民街に捨てられていた浮浪児で、モリアーティ教授に英才教育を施された設定になっている。身体能力にも優れており、蘭の蹴りも余裕で回避した。コナン達と、最終ステージとなったチャリング・クロス駅発の豪華列車で対決する。
ゲーム中に出会うキャラクター[編集]
謎の浮浪者
声 - 宝亀克寿
アコーディオンを弾く、ゲームデータには存在しないキャラクター。最終局面でゲームをクリアできないと諦めかけるコナンの前に再び現れた時、その正体を明かした。
ポーカー仲間
声 - 中嶋聡彦
トランプクラブで、モラン大佐のグループとポーカーをしていた口髭の男性。諸星秀樹に、モラン大佐が猿を利用してイカサマをしていたと暴露され激怒した。
シャーロック・ホームズの関係者[編集]
ジョン・H・ワトスン (John H. Watson)
声 - なし
ホームズの相棒。容姿は阿笠博士がモデル[注 7]になっている。本作では写真だけの登場で出番はなかった。
レストレード警部 (Inspector Lestrade)
声 - なし
ロンドン警視庁の警部。現場にやってきた警官がレストレード警部に連絡するよう部下に指示していたが、本作では名前だけの登場で出番はなかった。

米花シティホール[編集]

会場スタッフ
声 - 長嶝高士
コクーン完成披露パーティーの男性スタッフ。ファンからサイン攻めにあっていた優作に、樫村忠彬が刺されていたことを慌てた様子で知らせにやってきた。
アナウンス
声 - 百々麻子
コクーンのカウントダウンをしていた女性アナウンス。シンドラーの「ゲーム・スタート」の掛け声で、コナン一行は電脳世界へと向かっていった。
清水(しみず)
声 - 村井かずさ
コクーン完成披露パーティーの中継をしていた女性レポーター。シンドラーや著名人のゲストが訪れる中、コクーンのゲーム内容を視聴者に紹介していた。
司会者
声 - 蓮池龍三
コクーン完成披露パーティーの司会者で、コクーンのシステム説明をしていた。また、特別ゲストで沖野ヨーコが来ていると発表し小五郎を喜ばせた。

警備関係者[編集]

シンドラーのSP
声 - 細井治増谷康紀
トマス・シンドラーを護衛するSP。シンドラーを「ボス」と呼び、命令には忠実に従っている。ノアズ・アークが回線から逃亡したことを慌てて報告した。

メディア関係者[編集]

女性キャスター
声 - MAI
アメリカのマサチューセッツ州で放映されているニュース番組の女性キャスター。ヒロキの生い立ちとノアズ・アークの由来について解説していた。

用語[編集]

ノアズ・アーク
2年前にヒロキが完成させた人工知能
1年で人間の5歳分成長するという画期的なもので、人類史上最大の発明になるだろうと言われている。
シンドラーカンパニーが作成を全面的にバックアップしていたが、これを完成させた直後にヒロキは投身自殺をする。
そのデータをヒロキは回線上に逃がし行方不明となるも、2年後に米花シティーホールに現れコクーンのシステムを乗っ取る。
なお、「ノアズ・アーク」の名称は、旧約聖書に登場する「ノアの方舟」から取られている。
コクーン
日本のゲームメーカーとシンドラーカンパニーが共同開発した体感シミュレーションゲーム。
繭の形をしたカプセルに入って催眠状態となり、音声認識システムを持つゲームと対話しながらバーチャル・リアリティの世界を楽しむというもので、これの登場によりゲーム業界の地図が一挙に書き換えられるとまで言われている。
ゲーム中は人間の五感に働きかけ、痛みなどの感覚が全てプレイヤーに伝わるようになっている。
電気的に中枢神経に働きかけるシステムが導入されているため人体に害はないとされているが、ノアズ・アークはこのシステムを乗っ取り、ゲームをクリアできなければプレイヤーの脳に特殊な電磁波を流して破壊すると脅す。
ゲームのステージは5種類用意されている。
  • ヴァイキング
七つの海に繰り出し、数々の冒険に挑戦する。
  • パリ・ダカール・ラリー
過酷なレースに出場し、優勝を目指すレースゲーム。
  • コロセウム
古代ローマを舞台に手強いグラディエーターを倒していく。
武器や防具を選択するイメージがあったため、カスタマイズ要素のある格闘ゲームとも言える。
  • ソロモンの秘宝
トレジャーハンターとなって世界各地に隠されたソロモンの財宝を探し出す。
  • オールド・タイム・ロンドン
最終ステージにして、4つのゲームより高難度のゲーム。19世紀のロンドンを舞台に、実在した殺人鬼ジャック・ザ・リッパーの逮捕を目指す。お助けキャラクターはシャーロック・ホームズ

スタッフ[編集]

音楽[編集]

サウンドトラック[編集]

名探偵コナン ベイカー街の亡霊
大野克夫サウンドトラック
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル ポリドール
プロデュース 大野克夫バンド
大野克夫 年表
名探偵コナン 天国へのカウントダウン
2001年
名探偵コナン ベイカー街の亡霊
2002年
名探偵コナン 迷宮の十字路
2003年
EANコード
EAN 4988005298850
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収録曲[編集]

  1. プロローグ~ノアズ・アークのテーマ
  2. ヒロキの決断~出航
  3. 名探偵コナンメイン・テーマ(ベイカー街ヴァージョン)
  4. ゲームショー
  5. 二世・三世の子供達
  6. 無礼な奴ら
  7. コクーン
  8. 阿笠博士のクイズ
  9. 父への思い
  10. シンドラーのサスペンス
  11. 事件現場~コナンの推理
  12. ダイイング・メッセ-ジ
  13. ノアズ・アーク悪のテーマ
  14. ゲームの説明
  15. ゲームのコース紹介
  16. いよいよゲームステージへ
  17. ヒロキの生い立ち
  18. ジャック・ザ・リッパー?
  19. 不安な面持ち
  20. 元気をだして~時計の針が・・・
  21. ホームズの部屋
  22. ジャック・ザ・リッパーの考察
  23. モラン大佐の所へ~潜入
  24. 迫りくる悪
  25. コナン一同の危機
  26. 万事休す~コナンの賭け
  27. モリアーティ教授の元へ
  28. ジャック・ザ・リッパーの生い立ち
  29. 夜のロンドン~第二の犯行現場
  30. モリアーティの広告
  31. 美しいアイリーン・アドラー
  32. オペラ劇場が~恐怖
  33. 追跡~チャリング・クロス駅
  34. 犯人はお前だ!
  35. 犯人の正体
  36. 優作の推理
  37. 囚われの身の蘭
  38. ジャック・ザ・リッパーの因縁
  39. 追いつめられるコナン
  40. 蘭の勇気
  41. 静寂~ありがとうホームズ
  42. ヒロキのテーマ(ノアズ・アーク)
  43. 生還
  44. コナンのゲームオーバー
  45. ありがとうホームズ(Long Version)

主題歌[編集]

B'zEverlasting
作詞 - 稲葉浩志 / 作曲 - 松本孝弘 / 編曲 - 松本孝弘・稲葉浩志・池田大介徳永暁人
初めてフルバージョンでの使用となった。

映像ソフト化[編集]

関連本[編集]

出典本[編集]

  • 『名探偵コナン 10years シネマガイド』 小学館、2006年3月24日ISBN 4091018033
  • 『劇場版名探偵コナン全人物調書』 小学館、2007年4月18日ISBN 4091208231
  • 『名探偵コナン キャラクタービジュアルブック』 小学館、2014年9月18日ISBN 4091990363

フィルムブック[編集]

  • 『名探偵コナン ベイカー街の亡霊 上巻』 小学館、2002年10月18日ISBN 409126851X
  • 『名探偵コナン ベイカー街の亡霊 下巻』 小学館、2002年11月18日ISBN 4091268528
  • 『名探偵コナン ベイカー街の亡霊 完全版』 小学館、2006年3月17日ISBN 4091203108

絵本[編集]

  • 『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』 小学館、2002年7月ISBN 4091153852

備考[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2013年以降に時代を遡る形で順次発売されている小学館ジュニア文庫の小説版の出版は本作を飛ばす形になっており、次作『迷宮の十字路』の次の出版は前作『天国へのカウントダウン』となっている。
  2. ^ 本作は、パスポートを取得できないために日本を離れられない江戸川コナンの数少ない海外を舞台としたエピソードであるが、後に現実のロンドンを舞台としたエピソード『ホームズの黙示録』が原作でも描かれた。これ以外に『コナン』関連作品で海外を舞台にした例では、劇場版第23作『紺青の拳』、『ルパン三世』とのクロスオーバー作品のテレビスペシャル『ルパン三世VS名探偵コナン』などがある。
  3. ^ 優作の妻でコナン(新一)の母親である工藤有希子は冒頭の解説シーンのみで、本編ではゲーム内のアイリーン・アドラー役として登場する。
  4. ^ アニメ96話「追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件」の一部シーンを流用しているが、新規のセル画で制作されている。
  5. ^ クレジットでは未表記。島本は、有希子をモデルにしたアイリーン・アドラー役でメイン出演している。
  6. ^ 後にこの迷惑行為が、殺人事件の解決に繋がることになった。
  7. ^ a b c オールド・タイム・ロンドンの一部のNPCは、制作に関わった工藤優作の遊び心により、ホームズ・ワトスン・アドラーはそれぞれ工藤優作・阿笠博士・工藤有希子が容姿や性格のモデルとなっている。なお、ホームズおよびアドラーは声優も優作および有希子と同じ。
  8. ^ 映画本編中でも触れられているが、ホームズとワトスンがダートムーアに向かっているのは『バスカヴィル家の犬』での事件を調査するためである。ただし、『バスカヴィル家の犬』の舞台は1889年9月25日から10月20日までの間(1884年の5年後)と考えられることが多いが、史実である切り裂きジャック事件は1888年の8月から11月までの2ヶ月間となっている。

出典[編集]

  1. ^ a b 2002年(平成14年)興収10億円以上番組 (PDF)”. 日本映画製作者連盟. 2015年5月16日閲覧。
  2. ^ こだま兼嗣監督”. 東京国際映画祭連携企画のインタビュー. トムス・エンタテインメント. 2015年5月16日閲覧。
  3. ^ 名探偵コナン ベイカー街の亡霊 パンフレット 2002, p. 8.
  4. ^ a b 名探偵コナン 10years シネマガイド 2006, p. 150 - 151.
  5. ^ 名探偵コナン 10years シネマガイド 2006, p. 161 - 162.
  6. ^ 「インタビュー」、『キネマ旬報』上旬号、キネマ旬報社2002年4月
  7. ^ 名探偵コナン歴代映画人気投票”. 名探偵コナン公式アプリ. 名探偵コナン公式サイト. 2016年3月16日閲覧。
  8. ^ 名探偵コナン ベイカー街の亡霊”. 金曜ロードシネマクラブ. 日本テレビ放送網. 2018年2月20日閲覧。
  9. ^ “【ネタバレあり】『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』VR、人工知能の暴走の物語を徹底解説!”. ciatr (株式会社ビビアン). (2018年2月9日). https://ciatr.jp/topics/309022 2018年2月20日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]