ビッグ・ベン

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エリザベス・タワー
(通称:ビッグ・ベン)
Clock Tower - Palace of Westminster, London - September 2006-2.jpg
情報
旧名称 クロックタワー
用途 時計台
階数 11階
高さ 96.3m
着工 1843年
竣工 1859年4月10日
座標 北緯51度30分2.2秒 西経0度7分28.6秒 / 北緯51.500611度 西経0.124611度 / 51.500611; -0.124611座標: 北緯51度30分2.2秒 西経0度7分28.6秒 / 北緯51.500611度 西経0.124611度 / 51.500611; -0.124611
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ビッグ・ベン: Big Ben)は、イギリスの首都ロンドンにあるウェストミンスター宮殿英国国会議事堂)に付属する時計台の大時鐘の愛称。現在では、転じて時計台全体・大時計そのものの名称として使われている。1859年5月31日に作られた。作られた当時は、世界一正確な時計でもあった(1日の誤差1秒以内)。

時計台[編集]

1834年に焼失したウェストミンスター宮殿の再建には、チャールズ・バリーの設計したゴシック復興様式のものが採用された。そして、宮殿の設計責任者であるバリーは併設する時計台の設計をオーガスタス・ピュージンに依頼した。そのため時計台は初期のピュージンによる設計を髣髴とさせるものとなっている。

時計台の高さは96.3m。下部の61mは煉瓦造、残りの高さは鋳鉄の尖塔からなっている。時計の文字盤は地上55mに位置している。

地下鉄ジュビリー線の延伸などで地盤状態が建設時とは変化し、大時計はわずかに北西へ傾いている。傾斜度は約1/250、文字盤の位置でおよそ220mmほどである。また、の影響で一年かけて東西方向に数mmぶれる。

大時計[編集]

大時計の文字盤はピュージンによって設計された。直径7mの鉄枠に324個の乳白ガラスがステンドグラスのようにはめこまれ、文字盤の周囲には金めっきが施されている。それぞれの文字盤の下には金文字のラテン語で『DOMINE SALVAM FAC REGINAM NOSTRAM VICTORIAM PRIMAM(主よ、我らが女王ヴィクトリアに御加護を)』と刻まれている。

構造[編集]

ビッグ・ベンの時計を設計したのは、枢密院議員でアマチュア時計学者のエドマンド・ベケット・デニスン英語版と、王室天文官ジョージ・ビドル・エアリーである。機械部分は1854年には完成していたが、時計台の完成は1859年4月10日だったため、その間に改良を受けることになった。仕組みとしては通常の振り子時計だが、デニスンの考案した、画期的な二重三脚重力式脱進機英語版を採用している点が違う[1]。この脱進機によって振り子と時計構造をうまく分離させることが可能となり、それまでにない正確さが得られることになった[注 1]

振り子は風の影響を受けないよう時計部屋の真下にあり、振り子自体は長さ3.9m、重さ300kg。2秒ごとに時を刻む。動力源は、塔の内部に吊り下げられた3個の錘で、週に3回係員が巻き上げを行う。この錘にかかる重力で時計を動かし、鐘を鳴らしている。機械部分全体で重さ5tになる。

大時鐘[編集]

ビッグ・ベンは、ウェストミンスター大時計の時計台で最も大きなにつけられている愛称である。1856年8月6日に鋳造された初代の鐘は時計台が完成する前にすでにウェストミンスター宮殿の庭まで運ばれていたが、運用前に修復できないほどのひびが入り、代わりの鐘が再鋳造されることとなった。新しい鐘の重さは13.5t、高さ2.2m、直径2.9m。

この鐘が初めて鳴らされたのは1859年7月11日である。しかしその9月、運用開始からわずか2か月で鐘の舌によるひびが入ってしまった。その後3年間は四半時鐘(15分鐘)のうちで最低音の鐘が時鐘を鳴らした。修繕ではより軽い舌を取り付け、ひびが広がらないようにひびの縁に四角い穴を開けた。さらに新しい舌が損傷のあった箇所を叩かないよう鐘の向きは1/8回転された。これが現在の大時鐘であり、以来このひびが鐘に独特の音色を与えている。

2009年7月11日には、初めて鐘を鳴らしてから150周年を迎え、壁に150周年の文字と鐘の絵がライトアップで描かれた。

鐘の音[編集]

毎日奏でられるビッグ・ベンの鐘のメロディは、四つの音で奏でられる日本の学校で採用されている終業チャイムのメロディの基となったとされる。正式な曲名はウェストミンスターの鐘という。

このメロディは、イギリス議会による公式サイトよりダウンロードできる。

名称[編集]

「ビッグ・ベン」という名称は、工事責任者で国会議員のベンジャミン・ホール卿[2]の名にちなんで命名されたという説の他、当時のヘビーウェイト級のボクシングチャンピオンの名前から来ているという説など、その由来には複数の説がある。

2012年6月26日、庶民院(イギリス議会下院)の委員会において、英国女王エリザベス2世の在位60周年を機にビッグ・ベンがある時計塔の名称を「クロック・タワー[注 2]」から「エリザベス・タワー[注 3]」に改称することが了承された[3]

メンテナンス[編集]

毎年夏時間と冬時間を切り替える際に時計を止めて、部品の補修・交換、鐘の調律などを行う。

2017年8月21日に開始される補修では2022年まで鐘の稼動を停止する。当初は2021年に終了する予定だったが、新型コロナウイルス感染症が流行した影響で2022年の第2四半期に完了する予定となっている[4]

ブレグジットに伴う計画[編集]

イギリスの欧州連合離脱(ブレグジット)に合わせて改修中のビッグ・ベンの鐘を鳴らそうという動きが一部のイギリス下院議員により検討され、当初の離脱予定日であった2019年3月29日にビッグ・ベンを鳴らす許可が議会に提出されたが、ジョン・バーコウ下院議長により却下され頓挫した。その後EU離脱は延期され、同年11月にバーコウが下院議長を退任し、12月の総選挙を経て2020年1月31日の離脱が決定的となったことを期に再び計画が動き出した[5]

しかし、鐘を鳴らすには50万ポンド(約7200万円)もの予算が必要となることから実現のハードルは高く、計画の支持者らによって25万ポンド以上もの寄附金が集まったともされたが、結局は鐘は鳴らさず、首相官邸の外壁にビッグ・ベンの時計を映し出し、EU離脱をカウントダウンで迎える計画に変更された[6]英国時間の2020年1月31日午後11時、イギリスは欧州連合から離脱し、首相官邸の外壁に映し出されていたカウントダウンの時計が「00:00」となった瞬間にビッグ・ベンの映像が映し出され、録音された鐘の音が11回鳴らされた[7]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後にこの「二重三脚重力式脱進機」は、時計台の時計の標準的な機構となっている。ただし一般向けの時計には、ほとんど採用されなかった。
  2. ^ : Clock Tower
  3. ^ : Elizabeth Tower

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]