ベルサイユのばら

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ベルサイユのばら
ジャンル 少女ロマンスフランス革命
漫画
作者 池田理代子
出版社 集英社
掲載誌 マーガレット
レーベル マーガレットコミックス
発売日 1981年11月2日
発表期間 1972年 - 1973年
巻数 旧版単行本全10巻[1]
新エピソード=2巻[1]
外伝 - 上・下巻
集英社漫画文庫全10巻
コンビニ版全6巻
コンビニ版全4巻
愛蔵版全2巻+外伝全1巻
文庫版全5巻+外伝全1巻
完全版全9巻+外伝全2巻
完全復刻版全10巻
Kids全7巻
その他 不定期掲載
アニメ
原作 池田理代子
総監督 長浜忠夫(第1話 - 第13話)
出崎統(第19話 - 第40話)
脚本 篠崎好山田正弘、杉江慧子
キャラクターデザイン 荒木伸吾姫野美智
音楽 馬飼野康二
アニメーション制作 東京ムービー新社
放送局 日本テレビ系列
放送期間 1979年10月10日 - 1980年9月3日
話数 全40話+総集編1話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

ベルサイユのばら』は、池田理代子による漫画作品。通称「ベルばら」。フランス革命前から革命前期を舞台に、男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネットらの人生を描く、史実を基にしたフィクション作品。ベルサイユとはヴェルサイユ宮殿のこと。

この項目では、集英社マーガレットコミックス第1巻から第10巻までを「本編」、第10巻の『外伝』を「黒衣」、第11巻以降の『新エピソード』を「新」、中央公論社の『外伝』を「外伝」、『ベルばらKids』を「Kids」と記述する。

目次

概要[編集]

1972年21号から1973年まで『週刊マーガレット』(集英社)にて連載。フランス・ブルボン朝後期、ルイ15世末期からフランス革命でのアントワネット処刑までを描いている。前半はオスカルとアントワネットの2人を中心に描き、中盤以降はオスカルを主人公として、フランス革命に至る悲劇を描いた。

宝塚歌劇団による舞台化の大成功が作品のヒットに拍車をかけ、テレビアニメ劇場版アニメなどが制作されて社会現象化した。2010年現在も新作劇場版アニメの制作が進行しており、パイロットフィルムが公開されている。

オーストリア作家シュテファン・ツヴァイク[2]小説『マリー・アントワネット』に感銘を受けた池田が、同小説を(史実部分の多くは訳文から)参考にして描いた作品。作中で描かれたオスカルのフランス衛兵隊ベルサイユ常駐部隊長時代の軍服は、フランス革命期のものではなく、より豪華絢爛なナポレオン帝政期のものを基にしたとされている[3]

新書版・文庫版・愛蔵版など多くの単行本が発売され、現在は2005年から2006年にかけて刊行された完全版コミックスが発売中。

2014年8月25日に集英社から40年ぶりに新エピソードの単行本が発売される[4][1]。『新エピソード』ではアンドレ編を15ページ加筆[5]。更に2014年7月1日にマーガレットコミックス1 - 10巻を復刻発売した[5]

あらすじ[編集]

1755年、ヨーロッパの3つの違った国々に、やがてフランスベルサイユで宿命的な出会いを持つことになる3人の人間が生まれた。

1770年春。オーストリア帝国・ハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネットは14歳でフランスのブルボン家に嫁いできた。王太子妃を護衛するのは近衛士官オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェは由緒ある将軍家の末娘でありながら、後継ぎとして剣も学問も修め、軍人として育てられた男装の麗人だった。異国の宮廷で孤独を深めるアントワネットはパリ・オペラ座の仮面舞踏会でスウェーデンの貴公子フェルゼン伯爵と知り合い、アントワネットだけでなくオスカルも恋に落ちる。3人は共に18歳。運命の出会いの夜だった。

国王ルイ15世が死去して孫のルイ16世が即位した。アントワネットは遂にフランスの王妃となった。自己の栄達ばかりを願う人々に囲まれ、おしゃれで遊び好きな王妃の浪費ぶりは国家の財政難に拍車をかけてしまう。重税と貧困に喘ぐフランス民衆の非難の目はオーストリア生まれの王妃に向けられ、折からのフェルゼンとの不倫の噂は一層その憎悪を煽りたてた。そこには幾分かの憶測と国王の力を弱めようとする貴族の悪意を真に受けた誤解も含まれていたが、憎悪を膨らませる民衆の眼には王妃が元凶だとしか映らなかった。道ならぬ恋に苦しむ2人を見守るオスカルもまた秘めたる愛に耐えていたが、オスカルはそんな自身に身分ゆえに想いを口にすることすら出来ずに恋い焦がれるアンドレの想いに微塵も気づいていなかった。

宮廷中の貴婦人の憧れの的であるオスカルの初めての恋、王妃の恋人フェルゼンに対する片恋は叶うことはなかった。彼女の悲しみをそっと見守るオスカルの乳母の孫アンドレ・グランディエ。オスカルとは幼い時から兄弟以上に魂を寄せ合い、青春のすべてを分かち合って生きてきた。そして、いつしかアンドレはオスカルを深く愛するようになっていた。しかし、自身の普通の貴族令嬢としての幸福を諦めて男性として生きることと王妃だけを想うフェルゼンに対する片恋の苦悩しか見えないオスカルは、近すぎるアンドレの想いに気づくことが出来なかった。その頃、貴族の屋敷を襲う「黒い騎士」と名乗る盗賊を捕えたオスカルは、その男から民衆の不満の高まりを思い知らされる。それと相前後してコンティ大公妃の舞踏会で外国の伯爵夫人と称して自身と踊った貴婦人がオスカルだと気づいたフェルゼンと決別し、また、近すぎて視界にも入れずにいた不覚ゆえにアンドレの気も狂わんばかりの自身に対する恋心を知るのだった。

黒い騎士ベルナールの訴えでパリ民衆の悲惨な状態を知ったこともあり、オスカルは王宮守護の近衛隊を辞めて衛兵隊を志願した。貧困と貴族の間にすら存在する格差ゆえに荒んだ部下と格闘の末に心を開かせて部隊を掌握した頃、ジャルジェ将軍は結婚話を持ちかける。求婚者は財産目当ての堕落した貴族と思いきや、元部下のジェローデルだった。彼は最初からオスカルを女性として見つめていたのだと告げる。当初は父に反発しジェローデルを突っぱねるオスカル、恐れていた身分の壁の向こうでオスカルが誰かのものになってしまうと動揺するアンドレ。実は娘に男性としての人生を強いたことを悔いる父の親心だと母に諭され、自身のものにならないのならと無理心中を図ったアンドレも自身の過失から死刑にされかけてオスカルに救われ、彼女を守るという誓いを思い出してオスカルの毒殺を思い留まる。それを察したオスカルはジェローデルの想いに応えられないと「アンドレが不幸になれば、私も不幸になる。」とアンドレを愛しているかは自身でも理解できないながらも求婚を断る理由を真摯に告げ、それに納得したジェローデルは愛する人の不幸は我が身の不幸と潔く身を引くのだった。1789年5月5日。僧侶・貴族・平民からなる三部会が開かれた。国王・貴族と平民議員の対立は激化し、革命の色を帯びるのだった。7月13日、衛兵隊にパリ出動命令が下った。オスカルは暴徒に襲われた際に思わず「私のアンドレ」と口走って初めて長年影のように添い愛し続けてくれたアンドレを自身も愛していることを悟り、漸く彼の想いを受け入れる。出動前夜、永遠の愛を誓い2人は結ばれた。

フランス人民は自由・平等・友愛を旗印に雄々しく立ち上がり、革命の焔は燎原の火のように全土に燃え広がる。オスカルと衛兵隊は民衆側につき、国王軍と闘う決心をする。激しい戦闘のさなか、アンドレが倒れた。そして1789年7月14日、バスティーユ陥落。民衆の勝利の歓声のなかでオスカルは静かに息絶えた。革命軍は、ベルサイユから国王一家をパリに移し監禁した。幽閉された王妃アントワネットの元に駆けつけ、アントワネットを愛するがゆえに国王一家の救出に奔走するフェルゼンだったが、運命の歯車を止めることは叶わず、ルイ16世に続きアントワネットもまた処刑された。失意の内にフェルゼンは祖国スウェーデンに帰り着くも愛する女性を奪った民衆を憎んで弾圧するようになり、1810年、自身の罪の日と呪うヴァレンヌ失敗の日に民衆により惨殺されたのだった。

革命の嵐の中で一瞬の生を悔いなく生きた恋人たちの物語。

登場人物[編集]

本編[編集]

メインキャラクター[編集]

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
本編のヒロインにして、3人の主人公の1人。後継の男児を求める父親の期待に反して女児ばかり5人の後に生を受けるが、あまりの元気の良い泣き声に父レニエにより後継として育てられた男装の麗人。女性ゆえに王太子妃付きの近衛士官に選ばれ、フランスとオーストリアの同盟が結ばれて輿入れしたアントワネットを護衛することになった。冷静沈着に見えて父親譲りの沸騰しやすい性格であり、黒い騎士事件の際はアンドレの髪を切って黒い騎士の偽者を演じることを彼に強制して好き勝手に飛び跳ねている髪とは違うと拒絶されて「これでも毎朝苦労してセットしている。」と激怒して自身の髪は密かな悩みの種である。最初からアントワネットに忠誠を誓い尽くしているように見えるが、初期はデュ・バリー夫人との諍いを面白がって見物したりしていた。価値観が少々普通と異なっており、出世のために取り入ったり賄賂の授受をする貴族を堕落だと蔑む一方で、アントワネットが(ルイ15世の娘達であるアデライードら)3人の(義理の)叔母に唆され、フランスとオーストリアの同盟の決裂を招きかねない争いを繰り広げる様は、母親が巻き込まれるまで対岸の火事だった。だが、彼女が嫁いで2年後、新春の挨拶でようやくデュ・バリー夫人へ声をかけた件では「王太子妃が娼婦に敗れた」と屈辱に震え泣き崩れる彼女の姿に誠心誠意仕えてゆくことを決意する。しかし、民衆の苦しみを目の当たりにして近衛隊を辞し、フランス衛兵隊に移った。その際、大貴族で苦労知らずの生い立ちゆえに見えなかった現実をアランらに突きつけられる。しばらくして、自身が労咳を患っていることに気づく。革命勃発を機に一市民として衛兵隊を率いて民衆側につき、参戦したバスティーユ襲撃で銃撃により、要塞の陥落を見届けて戦死した。アニメ版では陥落の1時間前に絶命。
原作・アニメ版双方においてフェルゼンに心奪われ、失恋後に強姦されかけるまでアンドレは完全に恋愛対象としては視界になかった。フェルゼンの存在と、幼い頃から友人として対等な関係を求めたアンドレがあまりに近すぎたことで自身の心に宿るアンドレに対する感情を見誤っていた。原作では幼い頃の姿がよく描かれるが、当時は自身より背が低かったジェローデルをチビだと言ったり性格はお世辞にも良いとは言えなかった。好き嫌いが激しすぎて嫌いな相手の話をする際、唾を吐き捨てるという名門貴族の令嬢に相応しからぬ下品な行為が多々ある。激しやすい性情ゆえに「首飾り事件」の裁判では、ジャンヌのレズ発言で攻撃されカッとなってぶった斬ってやると剣を抜きかけ、傍聴席からジャンヌに反論しようとして裁判員に厳しく叱責される一幕を演じた。
アンドレ・グランディエ
ジャルジェ家の馬丁。オスカルの従卒かつ幼馴染。ジャルジェ家の領地の村で育つが、父親はだいぶ前に死んだらしく母子家庭だった模様。母親が死んで唯一の肉親の祖母に引き取られたとのことである。身分の別なく育ったことでオスカルとはタメ口だが、分不相応の特別扱いを気にする祖母にたしなめられることが多い。身分違いの恋に苦しみ、ジェローデルの求婚によりオスカルが奪われると戦々恐々とする日々にのた打ち回り、大貴族であるジャルジェ家では単に貴族の身分を得ただけでは結婚は不可能[6]だという現実が見えなくなる程に貴族の身分を欲した。しかし、貴族との結婚自体が許されない第三身分の平民ではあるが、歴代の王室守護を自負する大貴族の邸宅で何不自由なく育ったこともあり、貧困とは無縁で身分だけしか頭にないことで貴族でも平民より貧しい生活を余儀なくされるアランの怒りを買う。
黒い騎士との戦いで左眼を鞭で打たれ、医師から「指示があるまで包帯を外してはいけない」と言われていたにも関わらず、病身の身でありながらパレ・ロワイヤルへと向かいオスカルを救出するも左眼を完全に失明し、残った左眼にその分の負担がかかったことで[7]徐々にかすみがちになりオスカルを守るべく衛兵隊に入隊し、アランら隊員に「めっかち!」と罵声を浴びる。三部会あたりで完全に盲目になってしまい、失明の事実を祖母や恋敵アランに覚られる。三部会を巡る騒動でレニエに殺されかけたオスカルを救った際、愛していると告げられ相思相愛の仲になる。オスカルとともに革命で民衆側につき戦うが、オスカルを庇って戦死した。
当初はオスカルの伴侶を誰にするかは定まっておらず、候補としても設定されていなかったため、その他大勢の1人として描かれて地味だった。心はオスカル一筋だが、18歳の時にパレ・ロワイヤル界隈の娼婦と経験済み。
アニメ版では、序盤はルイ15世の死を前に居ても立っても居られないオスカルの心情が理解できないのかと声に出してジェローデルを蔑んでおり、従僕としての身分や立場を少々顧みなくなっている。しかし、徐々に従僕としてわきまえた言動に変化する。原作とは異なり、オスカルと相思相愛になったのと夫婦の契りを交わしたのは衛兵隊B中隊に出動命令が下った直後であり、民衆の時間稼ぎの搖動として死闘を繰り広げた帰路、敵兵に見つかりオスカルが射殺するもその敵兵の撃った流れ弾に心臓を貫かれて死亡した。
マリー・アントワネット
ルイ16世の王妃。3人の主人公の1人。美しく誇り高く、人を惹き付ける天性の魅力を持つ。オスカルを親友のように思い何でも打ち明け頼りにしている。王妃の公務や世継ぎ誕生を望む周囲の重圧から逃れようと自由で贅沢な生活を送り、フェルゼンとの仲をオスカルに諫められても彼女が女心を理解できていなかったこともあり、愛する以前に恋すらも知らずに嫁いだ政略結婚の苦しさを訴えた。その一方で、ポリニャック夫人だけでなく自身が好意を抱く相手を妄信する癖があり、デュ・バリー夫人との対立の件がオーストリアの母マリア・テレジアの耳に入ったことには全然気づかずにカウニッツの訓令文を聞き流した際、メルシー伯がテレジアに報告したことに気づかずに不思議に思っていた。周囲を心配させるも王女誕生後は落ち着き、漸く本来の気高さに目覚めるも自身が民衆の言葉に最後まで目を向けずにいたため、また王家の人間は神より統治する使命を授かったという考え(王権神授説)に固執し、守るべき国民を神聖なる使命を汚す暴徒と看做して武力で潰そうとしたことも彼らの怒りの火に油を注ぎ牙を向けられてしまう。しかも兄ルイ・ジョゼフのお見舞いに連れて行って欲しいとねだるルイ・シャルルやマリー・テレーズと共に2人の王弟プロヴァンス伯とアルトア伯の話を偶然立ち聞きしてしまい、ルイ・ジョゼフの死を待ち望み彼が死んでもシャルルがいるとしてもフェルゼンとの不義の子だとの陰口にその場を後にし「なぜ…わたくしにはただ一つの恋もゆるされないの…?」と部屋で泣き崩れていた。既に守るべき国民を敵だと考えていたが、平民だけでなく王侯貴族の中にも敵が潜んでいたこと[8]にショックを受けつつ我が子の正統性を守るべく戦うことを決意した。革命勃発後、ベルサイユから脱出しようとヴァレンヌ逃亡を企てるも革命軍に捕まってしまい、パリへ強制送還された直後、逃亡生活の恐怖で美しかったブロンドの髪が「老婆のような白髪[9]に変わってしまう。後に一家でテュイルリー宮殿からタンプル塔へ移され、コンシェルジュリー牢獄に投獄されたのち、断頭台で処刑された。
史実では2男2女の4子を授かるが、本作では1歳に満たずに夭逝した第2王女マリー・ソフィー・ベアトリスのことは描かれなかった。王侯貴族の中で長年敵対関係にあったオーストリア皇女がルイ16世の妃になったことに反発して憎悪を抱く者により悪評をビラという形でばら撒かれて民衆には浪費家の悪妻だと誤解されていたが、実際には王家が使える宮廷費は国家予算の約6%であり、自身が使える金額はその一部だった。プチ・トリアノンでの生活も外部の想像とは異なっていた。また有名な「パンがなければ」発言も別人の言葉だったが、彼女が発言したことだと思い込んだ民衆の思い違いで憎悪が深まった。
オーストリア皇女時代のドイツ語名は「マリア・アントーニア」だが、本作では読者の混乱を避けるために最初から「マリー・アントワネット」に統一されている[10]。ジャルジェ夫妻のなれそめの話で名前の1つが父フランツ1世の故国の名であることが語られた。
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
スウェーデン貴族。3人の主人公の1人。容姿端麗で思慮深く知性的な青年。オスカルとは親友。アントワネットを庇ってオスカルが負傷するまで彼女が女性だと知らなかった[11]。長年彼女の自身に対する恋心に気づかなかったが、オスカルがフェルゼンへの慕情を思い切るために素性を伏せて出席した夜会で踊ったことをきっかけに彼女の心情を知り、決別することになる。自身との醜聞に曝されるアントワネットのことを思い悩み、アメリカ独立戦争に身を投じて彼女のもとを去るが、帰国後は一層彼女の支えとなるべく努める。フランス革命が勃発すると家族の猛反対も同行したじいやの異国の実権を失った国王一家に尽くす必要はないとの反対も振り切って、約束された母国での将来を捨てて革命の嵐が吹き荒れるフランスに向かった。ヴァレンヌ逃亡の際に全力で準備等をして国王一家を救おうとするが、結局はアントワネットを失う[12]。その後、故郷のスウェーデンに帰国するも心冷たい支配者に成り果ててしまい、1810年、自身を憎悪する暴徒らに虐殺される。
史実では、グスタフ4世アドルフ失脚後に摂政を経て王位に就いたカール13世に世継ぎが無かったためスウェーデン王太子に指名されたノルウェー副王でデンマーク王家オルデンブルク家の分家アウグステンブルク家カール・アウグストが1810年に事故死した直後から、王位を狙ったフェルゼンによる暗殺だというデマが広がり、カール13世すら疑念を捨てきれずにいたため、同年6月20日に近衛連隊にすら見殺しにされた挙げ句に虐殺された。死後も衣服を剥ぎ取られるという辱めを受け、遺体は側溝に投げ捨てられて放置された。
ロザリー・ラ・モリエール
オスカルがパリの下町で出会った娘であり、彼女を強く慕っている。後にオスカルにとっても実の妹以上の存在となった。母の敵を討つためベルサイユにやってきた彼女をオスカルが引き取り、ジャルジェ家で貴婦人としての教育を受けた。実はポリニャック夫人の生き別れの娘であり、育ての母を馬車で轢き殺したのが実の母であったことを知り懊悩する。「首飾り事件」の際、ポリニャック夫人の脅しにオスカルの身を案じてポリニャック家に去るも、ポリニャック夫人にとっては亡き妹シャルロットの身代わりでしかないことを悟り、下町に戻り暮らしていたところ、黒い騎士を追って負傷したオスカルと再会し、ジャルジェ家へ戻る。黒い騎士ことベルナールの看病をするうちに心通わせるようになり、回復したベルナールと共にジャルジェ家を去った。アントワネットが裁判のためにコンシェルジュリー牢獄に収監された際、彼女が処刑される当日まで身の回りの世話をしていた。原作ではアントワネット処刑の日にリボンを、アニメでは化粧紙で作ったバラを贈られ「このバラにオスカルの好きな色をつけて下さいな。」と頼まれた。
栄光のナポレオン-エロイカ』でもオスカルに対する慕情は強く、一生分の片恋をオスカルに対して抱いたことで結婚はしないだろうアランを心配する夫ベルナールの目の前で「オスカル様はあたしのよー!」と叫んで呆れられた。お人好しは変わらず、生活は楽とは言えないのに同居人を置いたりした。しかし、その同居人は王党派を隠してフーシェに情報を流すスパイだったため、知らずに夫の仕事に深刻な妨害を与える原因になり、ナポレオン暗殺を実行するも失敗してベルナールと友人のアランを失い、亡命したスウェーデンでしばらくは寝込む程に衝撃を受けるが、ナポレオンに対する憎悪に囚われた息子フランソワに個人的憎悪を抱いてはいけないと諭し民主共和制の尊さを説くのだった。
モデルは、平民の靴職人の娘でコンシェルジュリーでアントワネットに仕えた文盲[13]女中「マリー・ロザリー・ドゥラモルリエール(Marie-Rosalie Delamorlière)」である。革命当時に教会や聖職者が弾圧された宗教事情ゆえに聖母マリアを想起させるファーストネーム「マリー」と貴族の姓の前に付く「ド」と同じ響きの「ドゥラモルリエール」の「ドゥ」を隠して「ロザリー・ラモルリエール(Rosalie Lamorlière)」」と名乗っていた。生涯独身だったが、一人娘がいた。後年、当時を振り返り手記を残した。アントワネットが処刑される日、彼女の髪を切り白いリボンを渡された。

ジャルジェ家[編集]

レニエ・ド・ジャルジェ(fr
オスカルの父。ジャルジェ伯爵家当主で、フランス王家に忠誠を捧げる将軍。後継となる男児を欲していたが、女児が最期まで続いて男の子のように元気の良い泣き声に末娘オスカルを後継として厳しく育てる。しかし、後年はその選択を父親として後悔していた。革命の激化によりオスカルの身を案じて結婚させようと考えていた矢先、ジェローデルの求婚を喜び広く花婿を募集した。しかし、結局は断念。オスカルが革命側に付いたのに対し、娘と共に革命側について戦ったアランに国内に留まるのは危険だと忠告されても最後まで王室に忠誠を尽くした。オスカルが民衆と共に歩むことを選んだように、王室に対する忠誠を貫くことが自身の選んだ道だと告げた。議場からの平民議員の排除を命じられたジェローデルら近衛連隊を阻止という反逆行為を犯したオスカルを成敗しようとした際、他の貴族が全員平民に与してもジャルジェ家は王室に不滅の忠誠を尽くすのだと告げた筋金入りの王党派である。物語終盤、フェルゼンと共にアントワネットをコンシェルジュリー牢獄から脱出・逃亡させようとするもマリー・テレーズルイ・シャルルを置いて自分自身だけが逃げれば母親として地獄の苦しみを味わい幸福にはなれないと拒否され、逆に国外に脱出するよう命じられた。青年時代、ルイ15世の密使として訪れたロレーヌ公国で灼熱の恋を経て妻ジョルジェットを娶った。意外にも激情家であり、当初は貧乏貴族の娘なぞをと許さなかった主君ルイ15世に背いてもジョルジェットを求めたほどだった。その激しさは末娘に受け継がれてしまう。
身分ゆえにアンドレがオスカルを愛していることを知った時は貴族の婚姻は国王の許可が必要だと激怒するが、内心、アンドレを息子のように大切に思っている。オスカルを士官学校に入れた時も、近衛隊に入隊させた時も、オスカルが勝手にフランス衛兵隊に移った時も断じて末娘を単独で行動させることはなくアンドレに護衛を命じていた。オスカルを深く愛しているが、アンドレのことも息子のように慈しんでおり、ばあやの存在が重いがゆえにアンドレが死ねば生きてはいないばあやのことを計算に入れてのオスカルの命を救おうとしたアンドレの知能犯ぶりに呆れていた。
モデルは、王党派の軍人「フランソワ・オーギュスタン・オーギュスト・レーニエ・シュバリエ・ド・ジャルジェ(フランス語では正確に発音すると「ジャルジャイュ」)[14]」である。マリー=アンヌ・ルイーズ・ブルセ・ド・ラ・セーニュ(Marie-Anne Louise Bourcet de la Saigne)と結婚して2人の子供を設けるが、妻は1786年に病死。その翌年、カンパン夫人と同じくアントワネットの部屋付き第一侍女を務める未亡人ルイーズ・ド・ラボルド(Louise Marguerite Émilie Henriette Quetpée de Laborde)再婚した。史実では、コンシェルジュリー牢獄に救出作戦を告げにアントワネットに面会したのは別人だった。オスカルの父と同様に、王室に忠誠を誓い尽くした。
ジャルジェ伯夫人
オスカルの母。物静かで心優しい貴婦人。ファーストネームは「ジョルジェット」であり、ロレーヌ公国の貧乏ながらルイ13世の宮廷画家を務めたジョルジュ・ド・ラ・トゥール曾孫であることが明かされるも旧姓は不明。
アントワネットの首席侍女になったことでデュ・バリー夫人の怒りを買い罠に嵌められるが、オスカルが現れたことで難を逃れた。フランス衛兵隊の部下と共に革命側に走った末娘オスカルが戦死したため、その悲しみから立ち直ることが出来ずに亡くなった。女性だと自覚しても父の意思に従って男性・軍人として生きるオスカルの心の拠り所であり、男性として生きろと命じながら結婚をと言い出した父親に反発するオスカルに嵐に飛び込もうとする愛娘を温かな家庭を持たせて女性としての幸福を与えたいとの親心を説き、後継の男児に恵まれずにオスカルに男性としての人生を強いたことを夫が後悔していることを告げた。
ばあや
オスカルの乳母。アンドレの母方の祖母で本名は「マロン・グラッセ・モンブラン」だが、オスカルの肖像画を描いた画家がプロポーズしようとした際に呼んだ以外は呼ばれることの無かった。口やかましく心配性だが、心からオスカルを愛している。主人であるジャルジェ将軍が、オスカルを男として育てる方針に真っ先に反対した。そのため、ポリニャック伯夫人の刺客に襲われてオスカルが重傷を負った際、ジャルジェ将軍を睨みつけて非難するも泣き出し、慌てたジャルジェ将軍に酒でも飲もうと宥められ台所に連れて行かれた。
ジェローデルがオスカルにプロポーズしてジャルジェ将軍が乗り気だった結婚騒動の際、原作とアニメ版では反応が異なっており、原作では今更とオスカルに齎された縁談を嫌がり、アニメ版では大切なお嬢様に女性としての幸福が訪れたと喜んでいた。また、ジェローデルを迎えての晩餐会の準備中、オスカルを殺して自殺しようとして仕事をさぼったアンドレに文句を並べつつ「可哀想に、馬鹿な子だよ。」と呟き孫がお嬢様に恋心を抱いていることを察しており、その直後、アンドレの失明にも気づく。フランス革命直前、病に倒れた。オスカルとアンドレの造反と戦死の報に沈むジャルジェ家に画家の先生(後述)がプロポーズしようと訪れるが、既に息を引き取っていた。画家を愛していたか否かは特に描写は無かった。
オスカルに何かあれば本人の自業自得でもアンドレにヤキを入れるが、唯一残された肉親である孫息子を深く愛しており、アンドレが死ねば生きてはいない。オスカルが謀反人としてジャルジェ将軍に成敗されかけた際にアンドレが彼女の代わりに自分自身を殺して欲しいとオスカルの命乞いをするが、アンドレを殺せば祖母が生きてはいない程に愛していることを熟知してこその捨て身の作戦だと察していたジャルジェ将軍は苦笑した。事実、アンドレとオスカルが相次いで戦死した直後、画家がプロポーズに訪れた際、既に息絶えて眠るように横たわっていた。アニメでは、画家との喧嘩も恋愛模様も無いことに変更された。
コミックス第11巻に収録されたエピソード1ではオスカルとアンドレの戦死後、アンドレが貰ったリボンを元の持ち主の幼馴染クリスティーヌに返しに行った。本編でオスカル戦死直後に亡くなったとしか映らない描写だったが、実は病死するまでに数日の間があったという設定だった。しかし、非常にわかりにくかったため、読者の混乱を招いた。
ラソンヌ先生
ジャルジェ家の主治医。アニメ版のオリジナル・キャラ。代々医師してジャルジェ家の世話になっている世襲医。「医師」という役名で第8話では落馬したオスカルの、第18話ではポリニャック一味に襲撃されたオスカルの診療にあたっている。個人名初出ではアンドレの眼の治療やオスカルの胸の病の診療にあたる。オスカルが3歳の時に熱を出した時検診に預かったとオスカルの診察時に回顧しており、それが真実(余命)を彼女に宣告するきっかけとなった。失明するのは時間の問題だということをアンドレは隠していたが、口止めはしていなかったのでオスカルに知られてしまう。

王家の人々[編集]

ルイ16世
フランス国王。アントワネットの夫。祖父ルイ15世の崩御により即位。趣味は読書と鍛冶と狩猟。小太りでおとなしく優柔不断だが、真面目で家庭的な優しい性格で、国民からも慕われていた。しかし、ヴァレンヌ事件をきっかけに国民の信頼を失って処刑される。タンプル塔へ移される直前、フェルゼンから再び逃亡計画を持ちかけられるものの、国民はおろか国外へ逃亡した貴族達からも見放された事から、「もはや私は 世界中から見捨てられてしまった…」とつぶやいていた。
あまりにも美しくて魅力的な妻に愛していると告げることは出来ず、王妃としての義務を果たした彼女がフェルゼンと恋仲になっても[15]責めることなど出来ないと痛む心を隠し、アントワネットが「フェルゼンに帰国命令を出しましょう」と告げるも彼の人柄を知っていたので思い留まらせた。
本作の参考となったツヴァイクの小説『マリー・アントワネット』では背が低く小太りとなっているが、史実では長身で背はオスカルと同じ高さであり筋肉質だった。更には、アントワネットとの間に王子・王女が誕生するまで7年の歳月が経ったのは結婚当時は未成熟の子供であり、不能で包茎手術を受けたという事実は無かった。
ルイ15世
フランス国王。ルイ16世の祖父。国民のことは省みず、宮殿で贅沢な毎日を送っている。愛らしいアントワネットが孫嫁となり満足するが、彼女と愛妾デュ・バリー夫人の対立に頭を痛める。後に天然痘を患い崩御する。深夜、埋葬のためにサン・ドニ教会に棺が運ばれたが、その棺を守るのはオスカルを含めた近衛兵40名と小姓36名だけだった。度重なる戦争につぎ込んだ軍事費が原因で財政は逼迫しており、アントワネットに憎悪の矛先が向く原因の1人である。
アデライード内親王ヴィクトワール内親王ソフィー内親王
ルイ15世の4女、5女、6女。ルイ16世の叔母でもある。娼婦で父ルイ15世の愛妾デュ・バリー伯夫人を毛嫌いし、アントワネットにデュ・バリー伯夫人を無視するよう唆す。オスカル曰く「オールドミスの叔母君たち」。舞踏会でアントワネットがデュ・バリー伯夫人に声をかけようとするのを阻止するため、アデライードが寸前でアントワネットを連れ出した。ルイ15世の死去により、王女としての栄光は終わった。フランスとオーストリアの同盟の破綻による戦争の危機より、自分達のデュ・バリー伯夫人に対する憎悪を優先させた。
オルレアン公フィリップ
フランスの王族。居城のパレ・ロワイヤルを平民の文化人たちに解放しており、黒い騎士の根城にもなっていた。
史実では、王妃マリー・アントワネットを盛んに中傷し、その政敵であったことでも知られており、王位を狙ってイメージ戦略でアントワネットの評判を悪くし、「首飾り事件」を攻撃材料として利用した。王政復古を狙うデュムーリエ将軍によるオルレアン公擁立の陰謀が破綻し、嫡男ルイ・フィリップが革命政府に叛旗を翻したデュムーリエと共にオーストリア軍に投降したため、ジロンド派によって共和制転覆の嫌疑をかけられ、財産没収の上に逮捕された。無実を訴えるも有罪とされ、ルイ16世が処刑された同じ年の1793年11月6日の夕刻、断頭台の露と消えた。自身が王位に就くことはなかったが、ルイ14世の庶系のパンティエーヴル公爵ルイ・ジャン・マリーの娘ルイーズ・マリーとの間に生を受けた嫡男ルイ=フィリップが国民の怒りを買って英国に追放されるまで七月王政ルイ・フィリップ1世として王位に就く。続編『栄光のナポレオン-エロイカ』の中盤で甥のアンギアン公が登場するが、冤罪事件で処刑されてしまう。
1回きりしか出番のなかった原作とは異なり、アニメ版ではアントワネットのフランス入り阻止を企むなど、王位を狙って様々な策謀を巡らす。初期は露骨に野心剥き出しで高圧的な命令口調だったが、黒い騎士事件の折は物静かな紳士的な丁寧口調で巨悪らしさを醸し出していた。
アルトア伯[16]
ルイ16世の下の弟。原作のみ。ルイ・ジョゼフがまだムードン城で静養して存命中の頃から、早く死ねばいいと言い放っており、甥に対する情愛の欠片も見当たらない。
プロヴァンス伯[17]
ルイ16世のすぐ下の弟。原作のみ。作中で「ロシアに亡命した王弟殿下」と言われる人。第2王子ルイ・シャルルはフェルゼンとの間の不義の子に違いないとアルトア伯と陰口を叩き合った。
エリザベス内親王
ルイ16世の妹。原作のみ登場。アントワネットの輿入れ直後、ノアイユ伯夫人がフランス宮廷のしきたりを説明した際に名前と姿が出ただけであり、兄夫婦のそばにいても作中で殆ど描かれることはなかった。革命の嵐が吹き荒れる中、ヴァレンヌ逃亡で突如登場してルイ16世処刑まで描かれた。王弟でありながら敬愛する長兄を見捨てて亡命したばかりか各国にフランスへの攻撃を唆した次兄のプロヴァンス伯と三兄のアルトア伯を憎悪[18]し絶叫してアントワネットに王家の誇りを忘れないでと諭された。
史実上の名は「エリザベート・フィリッピーヌ・ド・フランス」。長兄と次兄の夭逝により長子となった3番目の兄ルイ・オーギュスト(ルイ16世)に常に忠実であり、「天上のプリンセス」と呼ばれた人格者の誉れも高い女性。縁談を断り、国王である兄のそばに留まった。革命勃発後も兄国王一家と行動を共にする。処刑直前のアントワネットが手紙を送ろうとした相手である。アントワネットの死を知らないまま、自身もまたギロチンの露と消えた。コミックス第11巻に収録されたエピソード3で、姪であるマリー・テレーズが捕虜交換によりオーストリアに引き取られる前年、兄夫婦の刑死の翌年に処刑されたことが語られた。その回想の中でマリー・テレーズは「エリザベート叔母さま」と呼んでおり、史実通りの名前に変更されている。
マリー・テレーズ
フランス王女。アントワネットの長女。長年、子に恵まれなかったルイ16世とアントワネットの待望の第1子。
史実では2男2女の4人のうち、夭折した妹マリー・ソフィー・ベアトリスを除く3人の中で唯一革命後まで生き残るが、革命の悲劇により女性としての魅力を欠如した大柄で赤ら顔の厳格な女性に成長し、流転の人生を送った。1775年、アルトア伯シャルル(復古王政のブルボン朝最後のフランス国王シャルル10世)の長男アングレーム公ルイ・アントワーヌと結婚し、相思相愛の夫婦だったが子供は出来なかったため、彼女の死によりルイ16世とアントワネットの血統は絶えてしまう。
ルイ・ジョゼフ
王太子(モンセニュール)ドーファン)。アントワネットの長男。病弱だが聡明な少年で、オスカルに憧れている。脊椎カリエスのため僅か7歳で死去。亡くなる直前、オスカルと遠駆けに行った先でオスカルに愛を告白し、キスしていた[19]葬儀の際、財務大臣が「国庫は空っぽで葬儀費用が無い」と打ち明け、ルイ16世は銀の食器を売り払って葬儀費用を捻出したが、もはや王室には一国の王太子である彼の葬式を出す費用すらなく「これまでの贅沢の報いだというの!?」とアントワネットは愕然とする。
史実では数名の乳母の1人であるジュヌヴィエーヴ・ポワトリンヌから「結核」を移されてしまう。その後、結核菌が血管に入り込んで血流により運ばれて脊椎に転移したため、三部会会期中に「脊椎カリエス」により8歳の誕生日を迎えることなく7歳の半ばで死亡した。
ルイ・シャルル
アントワネットの次男。ノルマンディー公。兄の死後、王太子となる。父王の処刑後、アントワネットと引き離される。作中では市民と陽気に歌ったり楽しそうに笑いながら母や姉のことを忘れていってしまうが、史実では劣悪な環境に置かれて矯激派のエベールにより後見人兼教育係として指名された文盲の靴屋アントワーヌ・シモンに「再教育」という名目で虐待され、わずか10歳で不幸な死を遂げた。
マリア・テレジア
アントワネットの母。オーストリア女帝。フランスとの戦争終結のために末娘のアントワネットをフランス王太子妃として送り出すが、彼女の性情を熟知していたので取り返しのつかない過ちを犯したのではと別れ際まで内心迷いを捨てきれなかった。アントワネットの未来を案じており、彼女が次第に贅沢三昧の日々を送るようになった挙げ句、小トリアノン宮に取り巻きだけを連れて閉じこもったことを知ったショックで病に倒れ、長男のヨーゼフ皇帝や臣下の見守る中で亡くなった。
作中では子供全員にとって愛情深き母親だったかのように描かれているが、外交に貢献できないと判断した病弱な次女マリア・アンナには愛情を抱けず酷薄だった。その一方で、4女マリア・クリスティーナを偏愛して恋愛結婚を反対していた夫フランツの死後、彼女にだけは恋愛結婚を許した。作中にある通りに死の間際までアントワネットを案じていた。原作では寝込んだ末に、アニメ版ではいつもの女帝としての装いで玉座に坐して亡くなった。

貴族[編集]

ポリニャック伯夫人
ジュール・ド・ポリニャック伯爵の妻。アントワネットから寵愛されている貴婦人。ファーストーム「マルティーヌ・ガブリエル」を長らく明かされなかったが、アンドレが調べていてロザリーの実母だと判明した。言葉巧みに親族の昇進をねだったり、賭博を勧めて大金を巻き上げたりと優しげに見えて強欲で野心家。邪魔者であるオスカルの殺害も何度か図っている。舞踏会で再会した時はロザリーが少女時代にサン・レミー男爵に孕まされて産んだ我が子だとは気づかなかったが、後に娘だと知り自身が馬車で轢き殺した女性こそ、ロザリーを引き取り育ててくれた恩人ニコールであったことを悟る。
ジャンヌが起こした「首飾り事件」でロザリーを脅してポリニャック家へ引き取るが、徐々にアントワネットの寵愛を失って危機感を抱きロザリーをド・ギーシュ公の元へ嫁がせようとし、当のロザリーに出て行かれてしまう。フランス革命が本格化してきた頃、一族でフランスから亡命した。
アニメ版では、ロザリーを出産した15歳当時は「マルティーヌ・ガブリエル」だったが、結婚してファーストネームは「シャロン」に変えた。
シャルロット・ド・ポリニャック
ポリニャック伯夫人の娘。11歳。ロザリーの異父妹。母の権力を背景に、舞踏会では高飛車な態度で振舞う。オスカルに想いを寄せており、母の決めたド・ギーシュ公爵との結婚を嫌悪して「今度産まれてくる時は貴族じゃない家の子になるわ」と思いつつ投身自殺[20]する。アニメ版では塔の上から飛び降りた投身自殺は同じだが、ド・ギーシュ公爵に言い寄られたことで発狂してしまっていた。
原作では、当初ロザリーを見下していたが、後に結婚で落ち込む自分を慰めてくれたことで「姉のようだ」と親しみを感じるも最期まで実の姉妹だと知ることはなかった。アニメ版では数回言葉を交わしただけで、和解することはなかった。ロザリーも彼女の死を前にして「悲しくなんかない。血が繋がっている赤の他人がいてもいい」と発言。しかし、直後に脇目も振らず号泣し、「私の妹が死んでしまった」と嘆き悲しんでいる。
原作では登場はしないが弟妹がいる。物語前半で、「ポリニャック伯夫人が出産のため宮廷を下がっている」(オスカル談)と言う場面がある。
ド・ギーシュ公爵
フルネームは「ローラン・ド・ギーシュ」。会計検査庁長官で、国王の信頼も厚い。ボナージュ地方のほぼ全域を領有している大貴族。43歳。若い娘が好みで、ポリニャック伯夫人から提示された僅か11歳のシャルロットとの結婚に乗り気でいた。シャルロットの自殺後は彼女の姉ロザリーとの結婚を心待ちにしていたが逃げられる。
本人が登場するのはアニメ版のみで、原作では名前のみ。シャルロットに強引に言い寄り、手に口づけたことが彼女を発狂させ、自殺に追いやった。
ド・ゲネメ公爵
フルネームは「アンリ・サルバドール・ド・ゲメネ」。フランスの大貴族。オルレアン公の派閥で、王族限定の晩餐会にも列席する。尊大で高慢、身分の低い者を虫けら呼ばわりし、笑いながら騙し討ちをする残忍な卑劣漢。
ピエール坊やを銃殺した件を国王夫妻との晩餐会でオスカルから暴露され、あわや決闘寸前になるが、アントワネットに止められ、内心ホッとしていた。アニメ版では暴露されたことに激昂したために決闘が決まり、オルレアン公と結託して不利な条件に持ち込んでオスカルを射殺しようとしたが、寸前でオスカルに悟られて銃弾を防がれた揚句、右手を撃ち抜かれた。また、ピストルの腕前は非常に高く、フランスの射撃大会で二位の成績を持つほどでもあった。
ド・ゲメネ公という人物は実在するが、人物造形は『二都物語』のエブレモンド侯爵がモデル。
ド・ローネー侯爵
7月14日当時、バスティーユ牢獄の指揮・警備をしていた。
牢獄内の大砲をパリ中心部へと向け、市民との対決姿勢を表した。オスカル率いる衛兵隊と戦闘を続けるも、衛兵隊と市民の圧倒的な戦力に押され、降伏の白旗を掲げた後。パリ市長フレッセルと共に処刑され、首は落とされてパリ市中で晒される。
ノアイユ伯夫人(en
フランス王室に嫁いだアントワネットの教育係。アントワネットからは「エチケット夫人」と呼ばれたこともある。やや口やかましい面があるが、アントワネットを心から心配している。ほぼ全ての貴婦人達を網羅しているため、オスカルやアンドレからも頼られる時がある。
メルシー伯(en
アントワネットを心配したマリア・テレジアが派遣した駐仏オーストリア大使。アントワネットの教育係でもある。耳の痛い小言ばかり言うが、アントワネットを心配してのことであり、真の忠誠心をもって仕えている。登場しなくなるが、姿が見えないだけでマリー・テレーズが「メルシー伯が怖い顔をして」と母アントワネットに訴えていることから周囲にいる様子が窺えた。後にベルギーに亡命する。
カウニッツ
オーストリアの総理大臣。ヨーロッパの平和のためにアントワネットのフランスへの輿入れを提案した。女帝の意を挺し、フランス宮廷の公式寵姫であるデュバリー夫人に対する態度を改めるようアントワネットに訓令を出した。アントワネットが呼んだ渾名は「カウニッツのがりがりじじぃ」。
ソフィア・フォン・フェルゼン(en
フェルゼンの妹。原作のみ登場。オスカルに魅了されるが、兄に「あの方は長生きできないタイプだ」と印象を漏らす。新エピソードでは、ジェローデルと同志的な感情を共有し、オスカルが生涯に1度だけ女性としてドレスを纏ってフェルゼンと踊った際、その貴婦人がオスカルだと見破った。
カロンヌ
ネッケルの後任の大蔵大臣。財政が危うくなったので貴族からも税金をと提案するが、貴族議会全員一致で罷免された。腹いせに王室の財政赤字を書類に認め、彼が街頭演説する形で市井に暴露した。これがバスティーユ襲撃のきっかけとなる。
ロメニー・ド・ブリエンヌ
大蔵大臣。財政困難と破産を回避すべく倹約政策により宮廷に勤めていた小姓・給仕係・僕童・衛兵軽騎兵を免職・解雇させたが、歴代の国王と貴族の浪費と贅沢により積み重ねた赤字は小手先の政策では埋めることの不可能なものになっていた。
リアンクール公(en
ルイ16世の側近。公爵。原作のみ登場。深夜にベルサイユ宮へと現れ、兵士の制止を振り切りルイ16世の寝所へ行きバスティーユ襲撃を報告する時、暴動かと訝る国王に「いいえ陛下、革命にございます…!」と言上した。
フルネームは「フランソワ・アレクサンドル・フレデリク・ド・ラ・ロシュフーコー=リアンクール」。フランス有数の名門貴族リアンクール家の当主デスティザック公フランソワ・アルマン・ド・ラ・ロシュフコーの嫡男として生を受けた。1783年、亡くなった父の官職を継承して国王ルイ16世に取り立てられて側近の1人になり、「王室衣裳寮長官」に就任したがゆえに国王の寝室に入る資格を与えられ、就寝中のルイ16世の元に馳せ参じてバスティーユ襲撃を報告した。
フェルゼンの父
フェルゼン家の当主。スウェーデンの陸軍元帥にして王室顧問官を務める。長男であるハンス・アクセルを修業に出した当時[21]とは異なり、革命の嵐のただ中に飛び込むも同然の長男のフランス行きに猛反対するが、それがハンスに届くことはなかった。
ロングショットながら姿が1コマだけ描かれた。
ファビアン・フォン・フェルゼン
フェルゼンの弟。フェルゼンが家族の反対を押し切って革命の動乱に揺れるフランスを赴いた際、死を覚悟していた兄からフェルゼン家を託された。アニメ版ではソフィアばかりではなく、スウェーデンから革命の動乱に揺れるフランスを目指そうとするフェルゼンを止めた家族の姿は描かれなかった。
トゥルゼル夫人
兄の死後に王太子になったアントワネットの次男ルイ・シャルルの教育係の女官。ポリニャック夫人がアントワネットら王家を見捨てて亡命したため、新たに王太子の教育係に任命された。ヴァレンヌ逃亡にも同行した。
ラ・ファイエット侯
物語後半、三部会で平民議員が議場から排除されそうになる場面で登場。ロベスピエールたちを庇い、議場(fr球戯場の誓いも参照)に向かって来る近衛兵を立ち退かせようと、他の青年貴族達と共に近衛兵の前に立ちはだかった。
フランス革命が本格化した頃、バスティーユ牢獄陥落で武装した平民達を正式に兵隊として採用。その後、国民衛兵司令官として革命派に付くが、その後の政争などを経て将軍職を辞任。
ドルーブレゼ侯(fr
三部会の進行役である儀典長(fr)を務める。議場入口で点呼をとりながら議員たちを入場させる中、故意に平民議員を正面から入場させず、彼らに裏口から入場するよう示唆、治安を与るオスカルやロベスピエールたち平民議員と対峙する。
オノレ・ガブリエル・ド・ミラボー伯爵
第1巻から登場。オスカル曰く「酒や女に溺れていた、放蕩児」だったが、後に革命派となり三部会ではプロバンス州の平民議員として当選しロベスピエールを支持した。フランス革命が本格化した1791年4月、密かに革命を裏切りフランス王室側についていたが、急死した。
ディアンヌ・ド・ソワソン
アランの妹。愛らしく清楚で、衛兵隊のアイドル。元は「ディオンヌ」だった。以前、オスカルが着任する前の隊長に司令官室へ無理矢理引っ張り込まれ乱暴されそうになったが、兄アランが顎を砕いて返り討ちにした。そのため、アランは少尉兵卒に降格処分[22]になった。
名ばかりの貴族ということと貧しさを理由に婚約者に捨てられ、首を吊る。エピソード4「アラン編」でアランは元婚約者を射殺しようとしたのを断念した際、兄の心の中で助けてくれたことに感謝していた。

軍関係者[編集]

アラン・ド・ソワソン
フランス第一連隊ことフランス衛兵隊所属ベルサイユ常駐B中隊の班長。男尊女卑の塊で、妹を守るためとはいえ先代の隊長を殴って降格されて規則[23]により元の階級には戻れず、自暴自棄で反抗を繰り返す。紆余曲折の末に、オスカルに一生分の片想いと上官としての敬愛を抱く。アニメ版ではアンドレの飲み友達として登場し、同年代の友人としてアンドレを支えた。バスティーユ襲撃の後、海辺の郷里に戻り農夫になって畑を耕しながら母と妹の墓を守っている。劇的な描写が好きな作者はこの農夫アランが不服だったことから、『栄光のナポレオン-エロイカ』にも登場し、ベルナールと共にナポレオンを暗殺に失敗して射殺された。
ヴィクトール・クレマン・ド・ジェローデル
近衛隊でのオスカルの副官。ジェローデル伯爵家の次男。アニメ版では第1話から登場しており、階級は大尉だった。オスカルがフランス衛兵隊に去った後、彼女の推挙により近衛連隊長を拝命。後日、オスカルが去ったことで初めて彼女を女性として見ることしか出来ず、愛していることに気づいてジャルジェ将軍にオスカルとの結婚を願い出た。しかし、アンドレが不幸になれば自身もまた不幸になると語ったオスカルの心情を聞かされて納得し「貴方が不幸になるなら自身もまた不幸になる。」と告げて潔く身を引く。自身の容姿や家柄に自信を持ち気障な男性だが、オスカルの女性としての密かな葛藤をも見抜いている。洗練された貴公子であり、身分・家柄も良くオスカルの夫候補に相応しいものだった。アニメ版ではオスカルがほだされて口づけをしそうになったり求婚を断る理由と身を引くシーンは描かれず、ジャルジェ将軍に舞踏会でのことを告げて縁談は終わっている。新エピソードが収録された『ベルサイユのばら』第11巻では第3巻の初登場時のジェローデルが再び掲載されているが、その他大勢の一隊長として登場しているので編集者から「新エピソードでここまで出世するとは作者や誰もが予想できなかっただろう」と述べている[24]
元々は名前が無く、「ヴィクトールクレマン」とはアニメで命名されたものであり、新エピソードでは「フローリアン・F」という名が設定された。
ブイエ将軍
王党派軍人。陸軍参謀総長→陸軍総司令官。貴族としての階級は侯爵。フランス衛兵隊異動後のオスカルの上司。原作ではジャルジェ将軍とは仲が悪い。アニメ版では古い友人であり第一話から同僚として登場しており、オスカルの結婚話の時には彼女のために盛大に舞踏会を開く程の仲だった。三部会議場でのオスカルの大逆によりジャルジェ将軍を庇いきれなくなる。オスカルに平民議員や市民への発砲を命じる。
原作と史実ではヴァレンヌ事件にあっては国王一家救出に失敗した。フェルゼンの危惧を一笑に付すも的中してしまい、最初の場所で民家に近い場所に兵士を配置して不審がられて撤退を余儀なくされ、次では待ちくたびれた兵士が酔っぱらって騒ぎを起こした上で国王一家は来ないと勝手に決めつけて去ってしまう。更には、連絡将校として2人の息子が国王一行の元に赴いたが、権限が無いにも関わらず警鐘を鳴らしたジャコバン派のドルーエの起こした騒ぎに仰天して計画が発覚したと勘違いして逃げ去ってしまう。辿り着いた頃には既に国王一家がドルーエらの手に落ちており、「まごまごしていては こちらが危ない」と退却ラッパを鳴らし、ベルギーの国境都市でフェルゼンに事の次第を打ち明けた。
ショワズィエ・ラ・ボーム大佐
ブイエ将軍の腹心。陸軍大佐。アニメ版のみ登場。ブイエ将軍の命により、三部会議場オテル・デ・ムニュ入場の指揮案内(原作ではドルーブレゼ侯爵)を務める。
ダグー大佐
フランス衛兵隊でのオスカルの副官。
貴族であるため、「もはや 貴族以外の何者にもなれません…」と告げ、オスカルらとは袂を分かつことになる。アニメ版では作中の1年前に妻を胸の病で亡くしており、オスカルが同症状を患っていることに唯一気づいて自邸での休養を勧る。オスカルとB中隊が革命で民衆側につくべく出動する際には「勝手に休暇を取るので報告は明日以降になる」と告げた。そのため、ただの堅物だと思い込んでいたアランらB中隊の隊員達の心に深い感動を与えた。
ラサール・ドレッセル
フランス衛兵隊B中隊隊員。軍から支給された剣(アニメ版では制式銃)を売ったことが発覚して憲兵隊に逮捕される。オスカルは平民兵士や民衆がいかに困窮しているかを知る。アニメではその後、隊長オスカルがスペイン王室より来賓したアルデロス公御一家を護衛した功績を持ち出してブイエ将軍に直談判、ラサールは憲兵隊から釈放される。革命派と合流後は、仲間を殺された怒りと悲しみから逆上して敵部隊に突進し、蜂の巣にされた。
ランベスク公
王妃の信厚き王党派軍人。他の連隊同様、市民の暴動を鎮圧すべく地方駐屯よりパリに上る。ドイツ人騎兵連隊を率いて、チュイルリー広場を占拠する。民衆の挑発に乗った兵の発砲から暴動に発展する。陸軍を除隊したオスカルたち元B中隊と応戦した。
ナポレオン・ボナパルト
栄光のナポレオン-エロイカ』の主人公。原作のみ。本作品登場時はラ・フェール砲兵連隊付き少尉。本来、オスカルと出会った時は砲兵連隊はオーソンに駐屯中のため、その場にいるのは不自然だった。
その風貌から、「あれは帝王の目だ…の目だ…!」と、オスカルも畏怖していた。物語終盤登場。アントワネットやロベスピエールたちの処刑を経て、フランス皇帝に上り詰めている。

革命派[編集]

ベルナール・シャトレ
ル・ヴュー・コルドリエ紙の新聞記者。カミーユ・デムーランがモデル。1760年生まれ。生い立ち[25]から貴族を憎み、オスカルを「王妃の犬」と罵声を浴びせた。その後、義賊「黒い騎士」として貴族から盗みを働く。オスカルに捕えられるが、平民の実態を知ったオスカルは窃盗を止めることを条件にロザリーを託し街へと帰される。アニメ版ではロザリーはジャルジェ邸には戻らなかったため、静養先として彼女の家に向かい、ロザリーが養母を亡くした時のこともあって次第に惹かれ合うという設定に変更された。
アランと同じく『栄光のナポレオン-エロイカ』にも登場し、そこではロザリーとの夫婦円満ぶりが描かれている。アランと共にナポレオン暗殺を実行しようとして失敗、壮絶な最期を遂げた。
「首飾り事件」でも裁かれるべきは真相や物事の善悪よりもアントワネットの悪事だと信じる人間の1人であり、生い立ちによる王侯貴族に対する闇雲な憎悪と「王侯貴族は悪」という価値観を持ち続けたため、ナポレオンが皇帝に就く直前にフーシェタレイランによって濡れ衣を着せられ裁判を受けられずに処刑されたアンギアン公の冤罪事件による暗殺を気の毒がるロザリーを不思議がり、ただ共和国にとって危険度の低い貴族が死んだという認識だった。
マクシミリアン・ド・ロベスピエール
オスカルが領地のアラスで出会った弁護士。平民だが、代々、姓の前に「ド」を付けている。ルイ16世即位の時には総代としてルイ・ル・グラン学院で祝辞を述べる。後にアルトア州選出議員となり三部会で再会する。ある大雨の日に開催された三部会で、平民議員は正面玄関を通らせてもらえず、ドルー・ブレゼ候から「裏口へまわってもらう」と言われ、「彼らはれっきとした国民の代表なんだぞ!!」と抗議するオスカルを窘め、自分達で今の体制を変えるという情熱をオスカルに語った。
原作では貧しい平民の味方で、情熱的な革命家という造形だが、アニメ版では革命の気運が高まるに連れて過激化し、手段を選ばなくなるなど、後の恐怖政治を暗示させている。
6歳の時に母を失い、父親から3人の弟妹と共に捨てられてしまった過去をベルナールが熱く語った。
ルイ・アントワーヌ・レオン・フロレル・ド・サン・ジュスト
ベルナールの遠縁に当たる青年。雨の中で見かけたオスカルは「男装の麗人」だと見間違えるが、れっきとした男性。エロ小説(本人曰く芸術)「オルガン」を出版したことがきっかけで警察に追われる身だったが、アランら救出のための演説をベルナールに依頼すべく訪れたオスカルを自身を逮捕に来たと勘違いして射殺しようとして返り討ちに遭った。ピカルディー州選出議員を経てロベスピエールの側近となる。物語終盤、議場でルイ16世の刑を巡り討論になった際、彼の死刑を決定付けるスピーチをした。
アニメ版では過激で行動的なテロリストとして描かれ、ベルナールの縁戚という設定は削除された。
エベール[26]
パリの市議会議員。原作のみ登場。ジャコバン派の中でも矯激派と呼ばれる急進左派で極左勢力「エベール派」の主要メンバー。アントワネット裁判の際、ルイ・シャルルとの近親相姦があったという虚偽の事件を仕立て上げてアントワネットを陥れようとしたが、聴衆の女性達から反感をくらい、サン・ジュストにその後の運命を暗示するような発言をされている。
ジャン=バプティスト・ドルーエ(en
ジャコバンクラブに加入する革命家。原作のみ登場。1763年生まれ。元近衛兵にして共和主義者。宿駅長を務めるサン・ムヌー(en)で国王一家の正体を見破り、先回りをしたヴァレンヌで捕らえ、パリへ帰還させる。
史実では、サン・ムヌーで武装して集まった国民衛兵隊300名との衝突を恐れて解散を命じた竜騎兵部隊の指揮官ダンドワン大尉や竜騎兵が馬車の中の従僕や侍女に恭しく挨拶するのを、夕涼みに出ていたドルーエは目撃し怪訝に思った。
バイイ
三部会開催から登場。のちのパリ市長。ジュー・ド・ポームでは、自分達を議場から締め出した王家に対し決して諦めず憲法制定まで闘い抜くことを平民議員たちと誓い合う。アニメ版ではその役割をロベスピエールに変更された。

首飾り事件関係者[編集]

ジャンヌ・バロア
ロザリーの異母姉。但し、ロザリーとは異なり自分達が異母姉妹であることは知らないままだった。旧王朝バロア王朝の庶末裔、サン・レミー男爵[27]の落胤。自身の美貌と血筋に相応しい生活を手に入れるためには手段を選ばない。貴族の養女となり、巷に「アントワネットの親友」という噂を流して真に受けたローアン大司教を利用して様々な犯罪行為に手を染めた末に「首飾り事件」を起こす。高等法院で有罪となり、「V」(泥棒の意)の焼き鏝を両肩に捺された上(fr)、終身禁錮刑の判決を受け、サルペトリエール監獄(en)に投獄されたが、何者かの幇助で脱獄し、サベルヌ修道院に身を隠しながら「ジャンヌ・バロア回想録」なる暴露本数巻を捏造して出版、王室を強烈に批判する。
最後はニコラスと共にサベルヌの屋敷に篭城。ベルトレー火薬を仕掛けて抵抗するが、アンドレに倒されはずみでニコラスを刺殺してしまい、バルコニーへ逃げるも転落死した。史実の死に方になぞらえた最期だった。
アニメ版では素性を隠したオルレアン公の助けで脱獄し、その指示で暴露本の出版活動を行ったが、出版が一段落すると始末のため居場所を密告された。オルレアン公のことは当初から信用しておらず、隠れ家を包囲されてもう逃げられないと察しており、オスカルを絞殺しようとしたニコラスをナイフで刺して予め仕掛けておいた火薬に繋がる導火線に火をつけ、お互いに納得の上で心中した。史実では誰が脱獄させたかは謎である。
ニコラス・ド・ラ・モット大尉(en
ブーレンビリエ家に出入りする平民の軍人[28]で、ジャンヌに惚れ結婚。ローアンの推薦で近衛士官となる。ジャンヌが悪事を計画する度に彼女の大胆さに驚くが、半ば楽しんで加担する。
首飾り事件」で、宝石商のべメールから騙し取ったダイヤモンドの首飾りを売りさばきにすぐにイギリスへ渡り、事件発覚後は逃亡中につき不在のまま指名手配され、終身漕役刑[29]の判決を受けた。
最後はジャンヌと共に、サベルヌの屋敷に篭城。抵抗するが、アンドレの反撃で倒されたジャンヌの持っていた剣が刺さる事故により死亡した。アニメ版では納得づくの心中にされた。
ルイ・ド・ローアン大司教
教会の高位職にある僧侶。オーストリア大使の経歴があり、放蕩癖と女遊びの激しさ[30]から女帝マリア・テレジアと王妃アントワネットに嫌われていた。アントワネットの高貴な美しさに恋心を抱いているが、相変わらずの放蕩癖で嫌われている。ブーレンビリエ侯爵夫人の知人であった縁から、王妃の親友を名乗るジャンヌに付け込まれ、虚言に惑わされて首飾り購入の保証人となり、「首飾り事件」に巻き込まれる。事件発覚後、首飾りの代金全額支払いを申し出るも、ローアンを嫌悪するアントワネットに拒絶され逮捕される。裁判開始までバスティーユ牢獄で留置された。法廷でジャンヌに濡れ衣を着せられるが、判決で無罪を言い渡された。行状を知らない民衆より熱狂的に支持された。
裁判では無実でもルイ16世により国外追放処分となった。因みに、姪シャルロットの夫で『栄光のナポレオン-エロイカ』にて冤罪事件の犠牲になったアンギアン公ルイ・アントワーヌは、ルイ16世の従兄オルレアン公の妹ルイーズ・マリー・テレーズ・バティルドを母とするオルレアン公の甥。
ブーレンビリエ侯爵夫人
「バロア王朝の末裔の孤児」という言葉を鵜呑みにし、ジャンヌを屋敷に引き取り貴婦人としての教育を受けさせる。宮廷への出入りは認められていなかった[31]
実在の人物だが、「ジャルジェ夫人の友人、ジャンヌの野望と証拠隠滅のために殺害された」部分はフィクション。
レトー・ド・ヴィレット(en
他人の筆跡を真似るのが得意な詐欺師。ジャンヌと共謀し、ブーレンビリエ侯爵夫人の遺言書や王妃のローアン充てラブレターを作成した。判決で、鞭打ち50回の上で35年間の国外追放を言い渡された。
ニコル・ド・オリバ
パリ下町の娼婦。アントワネットに瓜二つの容姿をジャンヌに利用され、「首飾り事件」に関与させられる。アニメ版では盲目の少女で当初は利用したジャンヌだったが、口封じに殺そうとして娼婦に似つかわしくない純粋さに殺せなかった。裁判のため証人として出廷したところ、あまりにも瓜二つなため、パリ高等法院の裁判長(声 - 加藤精三)や傍聴人を驚かせた。判決では、無罪を言い渡された。
モデルは、後に偽名「ニコル・ドリヴァ男爵夫人」を称する娼婦マリー・ニコル・ルゲイ・デシニー。
ベメール
王室に出入りする宝石商。ルイ15世の在位中、デュ・バリー夫人に贈るダイヤモンドの首飾りの注文を受けたが、急逝したため引き取り手がなくなり、しかも値段が160万リーブル(約192億円(連載当時))という高額なため、どこの国の王室も相手にしてくれず、「分割払いでもけっこうですから…」とアントワネットに勧めるが、「ダイヤはいっぱいもっていますし」と断られた。
そこで、「王妃と親しい」というジャンヌに、ダイヤの買取りを勧めて欲しいと依頼。ローアン大司教を保証人にするが、ジャンヌに騙し取られてしまう。後日、騙し取られたとは知らずにアントワネットに請求の手紙を送るが、何も知らないアントワネットはその手紙を燃やしてしまう。支払いが滞っていることにたまりかねてベルサイユに行き、カンパン夫人(en)に事の次第を訴えたため、事件が発覚した。ジャンヌの「アントワネットの親友」というデマを真に受けた1人である。

その他[編集]

デュ・バリー伯夫人
ルイ15世の愛妾。下町で娼婦をしていたが、当時の情夫に金を出させて名門のデュ・バリー伯爵と形だけの結婚をして伯爵夫人となった翌日に伯爵を毒殺した。その後、宮廷に出入りするようになり、美貌と肉体を武器に国王の寵姫の座を手に入れた。アントワネットと対立し、一時はアントワネットを屈服させるほどの権勢を誇っていたが、ルイ15世の危篤に伴い、司祭の命により宮廷から追放される。アニメ版では追放時にオスカルに対して、生い立ちを話して聞かせている。史実とは異なり、権力をかさにした横暴な振る舞いはフィクションである。
アントワネットを窮地に陥れる「首飾り事件」の首飾りは、ルイ15世が彼女のために発注した品である。
ニコール・ラ・モリエール
ジャンヌの母、ロザリーの養母。バロア家の女中をしていた時、最後の当主サン・レミー男爵の娘ジャンヌを出産し、数年後に当時15歳の貴族の令嬢だったポリニャック伯夫人の娘ロザリーを引き取っている。本来なら恋敵であるはずのポリニャック伯夫人のことを思い遣った。
当主の死後は下町へ転居。過労とジャンヌの出奔による心労から床に伏す。ポリニャック夫人の馬車に轢かれ、ロザリーに自分の実の娘ではないこと、貴族である彼女の実母の名を言い残して死亡する。原作ではジャンヌと同じ黒髪だったが、アニメ版ではロザリーに実の親子だと信じる要因の1つとしてブロンドに変更された。
なお、ファーストネーム「ニコール」はアニメ版で命名されたものであり、原作ではロザリーもポリニャック伯夫人も「ラ・モリエール」としか呼んでいない。
ピエール
パリの下町に住む子供でロザリーとは近所同士。貧しさの余りド・ゲネメ公爵の馬車から金を盗んだことから、許すふりをした公爵に背後から騙し討ちで銃殺された。
じい
フェルゼンが幼い頃から仕えている。彼がフランス革命直前のパリへ旅立つ時にも随行し、国王一家がオーストリアへ亡命する際の手配を手伝った。
最終回では、フェルゼンがアントワネットを処刑から救い出そうとしたのを必死になって制止した。それを振り払えぬほどに、その存在はフェルゼンにとって重かった。フェルゼンのアントワネットに対する愛に起因するフランス国王一家救出作戦を手伝ってはいたが、スウェーデン人のフェルゼンが実権を失ったフランス国王のためなんぞにと不満を溜め込んでおり、大切な坊ちゃまの心情を肝心な点で理解できなかった。
ビジェ・ルブラン夫人
アントワネットのお抱え画家。妊娠中もアントワネットの肖像画を描き続け、アントワネットに心配された。原作のみ登場。史実ではマリー・テレーズ王女誕生後に作中の出来事があったため、まだ妊娠・出産を未経験だった頃のアントワネットとのやり取りはフィクション。
ローズ・ベルタン嬢(en
アントワネットの御用達ドレスメーカー。流行の最先端を作り出していた。「首飾り事件」後、経費削減のために解雇されたという部分はフィクション。
ガマン先生(fr
ルイ16世の趣味である錠前作りの師匠。名前は原作のみ登場。
ベルナール・シャトレの母
回想シーンに登場。ベルナール曰く「平民の貧しい商家の娘」だったが、妻子ある貴族に見初められ権力ずくで囲われた。パリに屋敷を与えられてベルナールを産むが、ベルナールが5歳の頃、自身を囲っていた貴族に新たな愛人が出来たことからベルナール共々に屋敷を追われて路頭に迷い、涙ながらにベルナールを抱きかかえてセーヌ川に身を投げて入水心中し、幼いベルナールを遺し亡くなった。
画家の先生
小太りの肖像画画家。白馬にまたがるオスカルを描く。ばあや(マロン・グラッセ)に恋をしていた。ばあや曰く「ド近眼やまあらし」である。アニメ版では痩身でアルマンという名でばあやに対する恋情は無かったことに変更された。
ジャック・ネッケル
大蔵大臣。スイスの銀行家で平民出身。財政危機に及び、三部会を開催することによる王政改革を提案する。しかし、特権階級に課税する案が仇となり、アントワネットに罷免された。アニメ版では彼の失脚がロベスピエールたちの扇動に利用される。娘のスタール夫人は、『栄光のナポレオン』に登場する。
ソース
ヴァレンヌの市長。粗野で攻撃的なドルーエとは正反対に恭しく接し、何とか穏便にと心を砕いた。もはや、国王一行の安全が定かではないと察し、すぐに戻るしかないと申し訳なさそうにルイ16世に促した。
史実では、ドルーエにより「ひきとめないと反逆罪だ。」と脅迫されたヴァレンヌの町長の勧めで食料品店「ソース」の2階に部屋に、24時間の逃避行で疲れていた国王一行が一休みしたことに基づく。

外伝 黒衣の伯爵夫人[編集]

「黒い騎士」騒動の頃のエピソードとして、実際の事件をモチーフに描かれている。文庫版の5巻と完全版の8巻に収録。

姉のオルタンスの住む城へ休養に出かけたオスカル・アンドレ・ロザリー。城に着いた彼らを待っていたのは、オルタンスとその娘のル・ルー、そして人々を脅かしている「吸血鬼」の噂だった…。

「黒衣の伯爵夫人」登場キャラクター[編集]

オルタンス・ド・ラ・ローランシー
オスカルの一番上の姉[32]で、ル・ルーの母親。立派に成長した妹を誇らしく思っている。また、ませた娘には手を焼いている。裁縫が下手らしい。
ローランシー伯
オルタンスの夫。ル・ルーの父。オスカルからは「義兄上」と呼ばれている。3コマだけの登場。髭が特徴。
ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
オルタンスの一人娘で、オスカルの姪。6歳。妙に大人を食ったところがある。爆発したような天然パーマをツインテールにしており、愛嬌がある。オルタンスが作ったル・ルー人形を常に持っており、事件解決にも役立てて見せた。ロザリーに懐き、仲良くなる。当人はいずれ美人になると思っているが、アンドレにしてみれば、「無理だろう」とのこと。
後述の『Kids』では誕生日が3月24日。モデルも存在している事も判明している[33]
エリザベート・ド・モンテクレール
モンテクレール城に住む美貌の伯爵夫人。時計技師に無理やり人殺し人形を作らせ、その人形で大勢の少女を殺害。その血で沐浴することで、自らの若さと美を保てると信じていた。エリザベート・バートリがモデル。
リオネル
モンテクレール城に住む美しい青年。モンテクレール伯爵夫人の甥という触れ込みだが、その正体は精巧なぜんまい仕掛けの人形で、鉄の身体の上に人間そっくりの皮膚が被せてある。胸飾りの宝石を押すと動き出し、ゆっくりと両手を広げまっすぐに犠牲者に近づき、恐ろしい力で拘束し、胸部から突き出す刃で殺害する。背中の真ん中を押すと停止する。
カロリーヌ・ド・ルフェビュール
貴族の娘。オスカルに付き添うロザリーに嫉妬し、彼女に意地悪を仕掛けるが、モンテクレール伯爵夫人により殺害される。
アンリ・ジョベール
フランス一の腕を持つといわれた時計技師。モンテクレール伯爵夫人により脅迫され、リオネルを無理やり作らされた後、オスカルらに救出されるまで目を潰され地下牢に幽閉されていた。

ベルサイユのばら 外伝[編集]

雑誌『月刊Jam』(中央公論社刊)にて1984年6月号 - 1985年4月号まで連載された。全4話。但し、原稿所在不明につき復刻しており、SOTRY4「悪魔のくすり 後編」は雑誌未掲載。

「黒衣の伯爵夫人」同様、「黒い騎士」騒動の起こった頃のエピソードとして書かれている。「黒衣の伯爵夫人」にも登場したオスカルの姪・ル・ルーを主人公に据えた、コメディ色の強いシリーズである。中央公論社より、愛蔵版・文庫版(全1巻)が刊行されている他、完全版の9巻にも収録されている。

中央公論社作品
「序章」「ル・ルーと、いっしょに来た人形」前後編、「ジャルジェ将軍の息子あらわる!?」前後編、「トルコの海賊と修道女」前中後編、「悪魔のくすり」前後編

外伝登場キャラクター[編集]

本編・「黒衣の伯爵夫人」に登場したキャラクターは、追加点のみを述べる。

ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
外伝の主人公。オスカルの長姉オルタンスの一人娘。おしゃべりで好奇心旺盛であり、迷子になるのに好奇心の命じるままに行動するため、オスカルら周囲の頭痛の種となっている。非常に勘がよく、機転がきくためオスカルや周囲の人間のピンチを何度も救う。STORY3で初恋を経験するが、相手が男装した人身売買を行う修道院の院長であったことを知り、失恋に終わる。また、オスカルとアンドレ、それぞれの恋情にも気づいている。相変わらず、ル・ルー人形を手放さずに持ち歩いており、内部に色々な道具(おもちゃのピストル、栓抜き、爆薬、ナイフ、鋲、パラシュートなど)を隠し持つ。貴族の娘だが、身分を気にしないところがあり、平民の娘とも仲良くなる。
STORY1で母オルタンスがケチでスプリングの悪い馬車だとお尻が痛くて退屈だからと走っている馬車の窓から飛び降り、迷子になってデュフレ伯爵と遭遇してしまう。
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
ル・ルーから見れば叔母に当たる。ル・ルーからは「おねえちゃま」と呼ばれている。作者の絵柄の変化により、より男性的な体つきになっている。STORY2では、突然現れた弟を前に自身の存在意義について揺れることになる。まだフェルゼンに恋をしていた頃であり、アンドレの気持ちには気づいていない。STORY2でモーリスを半ば異母弟だと思って父親に疑念を抱いており、刺繍入りのチョッキが届くと完全に弟だと思い込んでしまう。
アンドレ・グランディエ
外伝では、ほぼル・ルーの遊び相手兼おもちゃと化している。だが、完全ないじられ役ということもなく、オスカルやル・ルーを守る場面も多い。また、馬の世話をするなど本編ではあまり描かれなかった使用人としての姿が見られることもある。オスカルのイジメる対象兼八つ当たりの相手にされたり、三枚目キャラの低い扱い。また、余計な一言を言ってしまい、祖母の怒りを買って顔面キックを受ける。
STORY1で子供の頃、見知っていた彫金師が貴族に成りすましてデュフレ夫妻の屋敷にいたことに気づく。また、STORY3で儚い望みを抱いてしつこく頑張っているとル・ルーに言われてショックを受ける。
ロザリー・ラ・モリエール
本編より一層、おっとりした部分・天然ボケな部分が強調されている。ル・ルーの来訪の報せに周囲の人間が嫌な顔をする中、ばあやと一緒に喜んだ人。単純で騙されやすいため、STORY4でエベーラの評判を真に受けてしまう。
ばあや(マロン・グラッセ・モンブラン)
最後のSTORY4では腰痛のおかげで事件に巻き込まれかける。また、STORY2でジャルジェ将軍の隠し子疑惑の際には真っ先に失神し、夫人から心配されている。ジャルジェ将軍の身の潔白を信じようとせず、愛人と隠し子を作っていたと決めつけて非難の目を向けた。
アンドレに対するヤキは健在。
レニエ・ド・ジャルジェ
オスカルの父、ル・ルーの祖父。近衛隊の総司令官。貴族としての階級は伯爵。粋と浮気で名高いフランス男性の風上にも置けない堅物と陰口を叩かれ、妻共々に平民の夫婦みたいだと言われる。
思わぬ隠し子疑惑の濡れ衣を着せられてばあやと使用人ばかりかオスカルにまで疑われ、苦しい立場に立たされる。孫に真剣を振り回して「冗談の通じない、軍人あがりの年寄り」とまで言われている。
ジャルジェ伯夫人
オスカルの母、ル・ルーの祖母。結婚して数十年経っても夫だけを愛しており、恋人も作らずに夫しか眼中に無いのは不道徳と非難され、貴族の夫人にあるまじき生き方と他の貴婦人方に呆れられている。
友人達から不謹慎と言われる程の貞淑な良妻賢母。迷い込んできたモーリスが浮気相手の子供かもしれない中、同情し屋敷に住まわせた。
オルタンス・ド・ラ・ローランシー
行儀見習いの為に娘のル・ルーを母に預ける。オスカルの一番上の姉。
マリー・アントワネット
外伝全般に登場する。宝石を狙われたり、ミイラ化した女性の手首の話を聞いて不快な思いをする。ル・ルーに会いたがっていたが、オスカルに寿命が縮む存在だと言われ、背筋を震わせた。STORY4では怪しげな祈祷師を警戒し、オスカルに相談するなど王妃らしい態度を示すが、エベーラの正体を知らず信仰している貴族からは嫌悪されてしまう。

STORY1 ル・ルーと、いっしょに来た人形[編集]

デュフレ伯爵、デュフレ伯爵夫人
先祖代々泥棒を生業とする泥棒貴族「デュフレ一族」。お金に困っているクレアモン伯爵に莫大な謝礼金で「姪を宮廷に上がらせたい」と持ちかけ、マドレーヌを潜入させた。王妃の宝石を精巧な模造品とすり替えて本物を人形に隠して渡すようにマドレーヌに命じた。オスカルにより正体と目的を暴かれて逃亡するが、今まで盗んだ宝石類を返却した。
マドレーヌ
デュフレ伯爵夫妻の姪。アントワネットの侍女。衣裳係。伯母夫婦共々に泥棒一族の一員。ローズ・ベルタン嬢のお店でお針子をやっていたが、窃盗のために王妃に接近すべくクレアモン伯爵の養女になり、ドレスに合わせて宝石を選ぶセンスの良さを売り込んで衣裳係になった。デュフレ伯爵夫妻と共に逃亡した。
クレアモン伯爵
借金に苦しむ貴族。デュフレ一味に利用されてしまう。
カンパン夫人
女官長。STORY1でオスカルに指摘されて払い下げた装飾品が模造品にすり替えられていたことを知って青ざめる。
ローズ・ベルタン嬢
衣装デザイナー。

STORY2 ジャルジェ将軍の息子あらわる!?[編集]

モーリス
ジャルジェ伯夫人の誕生日にジャルジェ将軍の息子だと名乗り、ジャルジェ家に入り込んだ少年。すぐにジャルジェ将軍がペンダントに入れた父親の肖像画とは別人であり、亡き母フローラからジャルジェ将軍が父親だとに言われていたものの人違いに気づくが、その事実を話そうとはせずにジャルジェ将軍の立場を危うくしてしまう。こっそりと出て行こうとするもオスカルに引き留められたため、ジャルジェ将軍とは親子では無いという重要な事実を話さないまま過ごしジャルジェ将軍の立場は益々危うくなるばかりだった。ジャルジェ家を訪れたビュゾー大佐が肖像画と同一人物であることで父親だと気づくが、母親の遺言に引きずられて沈黙していた。
フローラ
モーリスの母親。生前、夕方になると1つ先の通りの老婆ミルザに預けて働きに出ていた。10年以上も昔にビュゾー大佐と愛し合い、彼の両親に結婚を反対されて仕方なく囲われる境遇にいた。ビュゾー大佐を「レニエ・ド・ジャルジェ」だと信じたまま亡くなった。ビュゾー大佐が借りた馬の持ち主がついでに届けたチョッキを死の前日に刺繍しており、死に際に仕事のために息子を預けていたミルザに託したのだった。
ビュゾー大佐
モーリスの実父。妻と息子・娘がいる。但し、妻とは不仲である。フローラの気を引きたい一心でジャルジェ将軍の名を騙ったことがジャルジェ将軍に多大なる迷惑をかけてしまい、最終的にモーリスがジャルジェ家に来たことの原因を知った被害者のジャルジェ将軍の雷が落ちる。6年前、借りた馬を骨折させて死なせたこともジャルジェ将軍に押しつけてしまった。
10年以上前、両親に結婚を反対されてフローラと駆け落ちの約束をするも怖気づいて裏切ってしまい、傷ついたフローラが姿を消してしまったため、両親に定められた女性と結婚して息子と娘が生まれて幸福に暮らしていた。しかし、仕事先の地方で場末の酒場で働くやつれ切ったフローラと再会し、かと言って家族と波風を立てたくなくてフローラのためにパリに一軒の家を買い与えて彼女を愛人という形で囲い、息子モーリスが生まれた。まだ赤ちゃんのモーリスが高熱を出したので医師の元に連れて行くが、医師にフローラとの関係を感づかれることを恐れて家族の元に逃げ帰ってしまう。2週間後、フローラとモーリスは姿を消してしまい、6年を経てモーリスとは再会するもフローラは亡くなって永遠に会えないままだった。ル・ルーに馬の弁償をしてくれると助言された持ち主が訪ねたことで、行方不明の息子に再会することが出来たのだった。

STORY3 トルコの海賊と修道女[編集]

シャンタル
ル・ルーが出会った平民の娘。孤児だったが、貴族の私生児だと言われて修道院に送られる。貴族に対して好感は持っていなかったが、素直で幼いル・ルーとは友人になる。感が鋭く修道院の悪事に気づくも逆に捕まり、ル・ルーと協力して脱出を計る。近所にベルナールが住んでおり、彼の思想である「自由」の大切さをル・ルーに語って聞かせた。
シモーヌ
シャンタルの友人。男物のシャツを20枚も洗わなきゃならないと愚痴を言っていた矢先、彼女と一緒に、河を流れて来たトランクに入った女性の手首を発見してしまう。
ヴィレール夫人
お節介焼きの貴婦人。娘を修道院に入れて徳高き大公女の元で行儀作法や道徳心を習い、教育を受けさせるのは伝統的な当たり前のやり方だと主張する。そうして家柄や財産のつり合いの取れた男性と結婚し、夫の後ろ盾で社交界にデビューすることこそが女性にとってこれ以上の安全な幸福はないと語る。事件解決後、再び迷子のル・ルーを助けてジャルジェ家に送り届けることになる。
ベアトリス
サン・マルガリータ修道院の院長。王家の血を引く女性。身寄りの無い孤児や私生児を探し出して修道院に入れてこき使い、親が見つかったと騙してトルコの海賊に宝石と引き換えに売り渡していた。20年以上前、ジェノアの貧しい貴公子であるブオナソルテ男爵と恋に落ちるが、身分が違いすぎて引き裂かれて修道院に入れられてしまう。貧しい男爵が全力で手に入れて結婚の贈り物にするつもりだった金と真珠をあしらった見事な細工の大粒のエメラルドの指輪を取り戻そうと悪事に手を染め、美術品を隠した部屋がル・ルーが火薬の爆破で騒動を起こしてオスカルとアンドレの行動を助けたが、火事に気づいて美術品を守ろうとして全身に重度の火傷を負って顔は化け物のような有様になり、法の裁きは免れるも植物のように寝たきりになってしまう。
ブオナソルテ男爵夫人
ベアトリスの恋人だったブオナソルテ男爵の妻。ベアトリスと取引していたトルコの海賊に奪われそうになったエメラルドの指輪を握り締めたまま殺されて手首を切断されてしまう。特殊な皮製のトランクに入っていた手首は、ミイラ化して干からびながらも指輪を握り締めていた。

STORY4 悪魔のくすり[編集]

エベーラ
女祈禱師。その正体は、催眠術と麻薬で真偽を確かめずに頭から信じてしまう人々を騙す詐欺師。法外に高価な薬と怪しげなお告げで強盗事件や殺人を引き起こす人間を出し、逮捕されかけるも催眠術で焼身自殺したと見せかけて逃亡。深夜、復讐すべくジャルジェ家に入り込んでオスカルを追い詰めるが、ル・ルーの発砲で催眠術が破られ、射殺された。ル・ルーに「おばさん」と言われ、憤慨していた。結果的に、妄信する貴族の中に王妃に対する憎悪を植え付けてしまう。
デュヴビェ
エベーラの薬を分析して麻薬だと暴いた医師。

新エピソード[編集]

概要[編集]

本編と連動した追加エピソード作品である。単行本はカラーページを完全収録した『新・エピソード』とマーガレット本誌で掲載された「ベルばらFan Room」の2部構成となっている。

11巻、『アンドレ』編は宝塚上演のために作成した作品[34]。『フェルゼン』編はかつて池田が「描いてみたい」とインタビューで公言していた作品[35]で、新エピソードにおいて実現した。話数カウントは「エピソード○」である。

12巻ではカラーページに表紙イラスト以外に雑誌『SPUR』の特別企画「オスカル モードを着る」のイラストも掲載。「ベルばらFan Room」はSPとして「当時のフランスとオーストリアの関係」「高貴な人の結婚事情」を『新』に沿った逸話を掲載している。

エピソード[編集]

エピソード1『アンドレ』編、エピソード2『ジェローデル』編、エピソード3『フェルゼン』編、エピソード4『アラン』編
エピソード5『ジェローデル再び!』編(前後編)、エピソード6『オスカルの出生の秘密が』(前後編)
エピソード7『オスカル』編(前後編)[36]、エピソード8『アントワネット』編(前後編)[37]

新エピソード登場キャラクター[編集]

エピソード主人公[編集]

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
エピソード7の主人公。本編同様にストーリーに登場するが、途中で自身でも気づかぬ本心を暴く「姉上に似た少女」が絡む。実は、父レニエにより男性・軍人としての人生を強制されて疑いもなく生きているつもりで血を吐くような思いで諦めた願望の化身であり、真夜中の結婚式、子供を設ける等々の普通に女性として育てられたならば手にしていた筈のものを見せつけられる。最後に本編と同様に、バスティーユの戦闘で「フランス万歳」と呟きながら戦死した。
殆どのエピソードに登場するが過去と回想シーンのみの登場。エピソード2で5歳の時から剣を腰に帯びて育ったとジェローデルに語り、本来なら入隊資格は15歳のところを11歳で近衛隊に入隊しており、フランスとオーストリアの同盟の締結及び王太子ルイ・オーギュスト(ルイ16世)とオーストリア皇女マリー・アントワネットの婚姻が進められていた頃、近衛隊に正式入隊する前に15年前にポンパドゥール夫人の提案で創設されたパリの王立陸軍士官学校で将来の部下となる士官候補生と直に接して彼らが何を考え暮らしているかを学べとアンドレの護衛付きで入学した。エピソード5では最初で最後のオダリスク風(トルコ公宮)のドレスの色が公開された。エピソード6で、そのミドルネームは領地をポーランド国王スタニスワフに譲渡させたことに罪の意識を持つ父レニエがロレーヌ公フランソワの名を付けたものだった。生まれたばかりの赤ちゃんとして登場した。エピソード8ではロザリーとジャルジェ将軍の回想の中で、「首飾り事件」や黒い騎士の出現で近衛を続けることに疑問を抱き、終生の忠誠を誓うも王妃とは道を分かたれてフランス衛兵隊に移り王室に背く道を進んで戦死するに至る過程が再び描かれた。
アンドレ・グランディエ
エピソード1の主人公。ジャルジェ家の領地の村で育つも母親と死別した8歳の姿が描かれ、幼馴染クリスティーヌが涙ながらに別れを惜しむ中で「ママンが死んでしまったから、肉親はお邸勤めのおばあちゃんだけになってしまった。」と語った。父親のことには本編同様に触れていない。殆どのエピソードに登場するが過去と回想シーンのみの登場。幼馴染の少女と仲が良かったことが明らかになり、数年後、彼女と気づかぬまま再会した。彼女を見て驚いたような表現はあったが、それが幼馴染の少女だと気づいてのことなのか美しい女性を見てのことなのかはわからない。主にクリスティーヌの視点で物語は進んで、自身の心情が描かれることはなかった。エピソード7では本編同様にストーリーに登場して謎の少女に動揺して持ち場を離れるオスカルを捜したり、エピソード8で時計師ブレゲが反王室思想の持ち主マラーと交流があることをオスカルに説明した。
フローリアン・F・ド・ジェローデル
エピソード2、エピソード5の主人公。本編でオスカルを「マドモアゼル」「シルフィード」と呼んだ唯一の人物[38]。2話ではフローリアンというファーストネームで呼ばれ、オスカルの年齢が11歳の1つ差で登場する。『外伝』からジャルジュ家は6人子供を手元に育ている半面、フローリアンは10年も里親に育てられている。エピソード2の終わりに子供のころに敵対していたオスカルに対して変化があり、エピソード5以降も変わっていない。エピソード5では前述のフルネームが公開。フェルゼンのために最初で最後のドレスを着たオスカルを見て気がつかなかった反面、フェルゼンとマリー・アントワネットの橋渡し役をしていたフェルゼンの妹ソフィアを助けるために衛兵の前で口づけをしたふりをし難を逃れたが、宮廷内の噂になってしまった。以降はジェローデル視点で本編が進み、平民議員の排除をオスカルの説得で思い留まるが、命令に背いたことで官位剥奪の上で営倉入りに処された。営倉に入れられている間にバスティーユ襲撃事件が起き、愛するオスカルは戦死して自身だけ生き延びてしまったと苦しむ。それらをソフィアに語り、故国フランスに旅立って消息が絶えたところで終わっている。スウェーデンの彼女の家から去る時、今度会う時はあの時のような突然の口づけではなく普通にして宜しいかと尋ね、ソフィアは頷いて受諾している。
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
エピソード3の主人公。フランスの革命を潰すべくヨーロッパ各国の結束のため、ウィーン駐在スウェーデン大使として赴いたオーストリアの宮殿で初めて会った時のマリー・アントワネットに瓜二つのマリー・テレーズに再会する。かなり鈍感。エピソード5にも登場し、妹とジェローデルの同志的な関係を知らずにジェローデルがオスカルに求婚して断られたことを笑いながらソフィアに語った。自身のためにドレスを着たことでオスカルの片想いを知ったジェローデルに睨まれたり、アントワネット以外に目を向ければと、暗にオスカルの想いを語ったソフィアの心情にも気づかなかった。その後は本編同様に進む。エピソード7にも登場するが本編同様に進む。
アラン・ド・ソワソン
エピソード4の主人公。妹ディアンヌを裏切った元婚約者の男性を殺そうとするが、アンドレの言葉と元婚約者が乗り換えた身重の妻シュザンヌの命を賭した行動で断念した。ベルナールと同様に過去の偏見と憎悪から脱皮できていない。
ガルティエ
エピソード6の主人公の1人。オスカルの父レニエ・ド・ジャルジェ。主君ルイ15世の命により、ロレーヌ公国のクレメンス王子に交渉すべく密使として訪れた。ガルティエは偽名。ロレーヌ公国を小国と呼び、それでも美しい田園風景に国王陛下が固執するのもわかると感嘆した。写生から帰る途上のジョルジェットに惹かれてクレメンス死去で騒然となる教会で彼女に声をかけるが、交渉相手を失いオーストリアはクレメンスの弟フランソワに手を伸ばすだろうと推測する。ジョルジェットの描いたガルティエの絵を見たジョルジェット付きの小間使いリュシールからは「美しい貴公子」と評される。当初、ジョルジェットとの結婚は彼女の素性を知らなかったことでルイ15世に許されなかったが、じいを蒼白にさせてまで主君に逆らってでも彼女と結婚式を強行しようと暴走するほどの激情家だった。ロレーヌ公フランソワとオーストリア皇女マリア・テレジアの結婚を認める代わりにロレーヌ公国の統治権を譲渡せよとの主君の横槍を亡きクレメンスの代わりにロレーヌ公国を継ぐと共にマリア・テレジアの婚約者となったフランソワに伝え、それを承諾させて故国を捨てさせたことは心の深い部分に罪の意識となって刻まれていたため、最後の子供となる末娘の6女オスカルのミドルネームにフランソワと命名した。次こそは男児をと望みをかけるも呪われた女系図と呼ばれる様を証明して6人全員が女児であったため、遂に諦めると共に元気の良い末娘に男名前を付けて跡継ぎにすることに決めた。しかし、だいぶ前からジョルジェットの体にこれ以上は妊娠・出産の負担をかけることはやめるようにと主治医に警告されていたこともオスカルで子作りを打ち止めにした理由である。
エピソード2 - 4、7に登場し、エピソード2ではオスカルとアンドレも10代前半の子供ゆえに若い姿で登場し士官学校で将来の部下の心理を学べと命じた。エピソード3ではフェルゼン、エピソード4ではアランと言葉を交わしている。アランに対して、自身と娘は選ぶ道が違うと告げた。エピソード6で青年時代の恋が描かれた。エピソード7では本編同様にストーリーに登場する。エピソード8では、アントワネットの遺品を携えたロザリーの訪問を受けて当時を振り返る。アントワネットを脱出させるだけで精一杯ながらも逃亡計画を提案するが、彼女が母親であるがゆえに断られて涙ながらに諦めた際、ロザリーから王妃がブレゲの時計を望んでいることを相談されて妻の形見の時計を彼女を介して届けるのだった。
ジョルジェット
エピソード6のもう1人の主人公。後のジャルジェ夫人、オスカルの母。フルネームは不明。ロレーヌ公国の貧乏貴族の娘。ガルティエからの感想は「清楚で知的」な女性。絵を描くのが好きで母親によればラ・トゥール家の血筋ゆえとのことだが、何かにつけてのめり込みやすい性格。資産家との縁談により援助を得るか曾祖父の絵を売るかの二者択一を迫られるほどの生家の窮状を知り、強く惹かれる青年ガルティエに対する想いを諦めて資産家ウリアスに嫁ぐ決意を固める。それでもガルティエに再会して操を捧げてしまい、長女オルタンスを身籠った。貧乏貴族ゆえに当初はルイ15世は結婚を許さなかったが、曾祖父ジョルジュ・ド・ラ・トゥールがルイ13世の御世に宮廷画家としての功績を認められ貴族の称号を与えられたことが顔も覚えていない亡き父の手ほどきを受けた画家の証言で明らかになり婚前交渉によるできちゃった婚ながら正式に結婚することが出来た。まだガルティエという偽名しか知らなかった頃、もう1度会えるならば一番大切な絵筆を捨てるという誓いを神に立てたため、会えたばかりか結婚まで出来たので綺麗さっぱり絵を描くことは捨てた。『Kids』の担当編集者が「名前が定かでない」と記述[39]されていたが、『新』で命名された。
エピソード2 - 4、8に登場するが、名前やその後のことが語られる程度。オスカルの死後、1791年、末娘を失った悲しみから立ち直れずに他界したことが夫レニエの口より明らかになった。夫とのなれ初めはエピソード6に。フランス貴族ではなく、ロレーヌ出身の貧乏貴族の令嬢。エピソード8では、結婚45周年に、夫レニエが知人から安く譲られた試作品とはいえ王妃やオルレアン公が手にする時計師ブレゲの懐中時計を贈られる。
マリー・アントワネット
エピソード8の主人公。黒い騎士が暗躍を始めた頃、ジャンヌの引き起こした「首飾り事件」で彼女のデマを真に受けた民衆が自身の敗北を喜び、事実無根であるにも関わらず深く憎悪されていることを知りショックを受ける。時計師ブレゲの懐中時計に魅了され、当時で最高とされる機能を全部備えた懐中時計を作って欲しいと依頼し、ルイ16世の刑死後、残された家族と引き離されてコンシェルジュリー牢獄に移されて再会したロザリーの世話を受けながら自身の死刑判決が下るのは時間の問題だったある日、革命委員会より差し入れの希望を尋ねられ、下着と細々とした物を入れる箱の他に「ブレゲの時計を」と答える。誰のものとは知る由もなかったが、ロザリーから渡された懐中時計の時を刻む音に慰められながら死を迎えた。
殆どのエピソードに登場するが過去と回想シーンのみの登場。エピソード6で、父が母との結婚で泣く泣く手放したロレーヌ公国の名を受け継いでいることが明らかに。エピソード7では本編同様に登場する。

ジャルジェ家関連[編集]

ばあや(マロン・グラッセ・モンブラン)
エピソード1、エピソード7に登場。アンドレの祖母。アンドレ8歳と彼の死亡時に登場する。幼少期のクリスティーヌの事を覚えており、アンドレ死亡の翌日にオスカルも亡くなった時にマリー・クリスティーヌに対面してリボンを返した。病死していないことに変更されたのかと思われたが、オスカルとアンドレの戦死の報が齎されてから病死するまで数日の空白があり、その間に身体に鞭打ってクリスティーヌにリボンを返却すべく訪れた[40]のだった。アンドレが気づいていても気づかぬふりをして打ち明けたのか、気づかないながらも話を聞いてリボンの返却に赴いたのかは不明である。エピソード7では本編と同様に登場する。
ヴィクトワール他3人のオスカルの姉[41]
エピソード6に登場。
ローランシー家[編集]
ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
エピソード4に登場。ベルギーの親戚に会いに行く途中、亡命貴族狩りに遭うが、彼女が足止めをしている。『黒衣』の時に「将来はオスカルおねえちゃまみたいに綺麗になれると思う」とアンドレに述べている。幼い頃の綺麗なオスカルを知っているアンドレからは「無理だと思う」と突っ込まれていたが、新エピソード登場時にオスカル似の容姿[42]に変化している。
オルタンス・ド・ラ・ローランシー
エピソード4とエピソード6に登場。ジャルジェ家のオスカルを最後とする6姉妹の長女。ベルギーの親戚に会いに行くが市民から足止めを食らう。しかし、アランによりバスティーユ襲撃で民衆側に参戦したオスカルの姉だと明かされたことで難を逃れる。エピソード6では、両親のなれそめを母から聞かされ、自身が「できちゃった婚」で出来た子供だと知りショックを受けた。
ローランシー伯
エピソード4に登場。オルタンスの夫。ル・ルーの父。「黒衣の伯爵夫人」の時にあった髭が無くなっている。今回は4コマだけの登場。

ジェローデル家関連[編集]

ジェローデル伯
エピソード2とエピソード5に登場。フローリアンの父、アマーリアの夫。2話では士官学校へ行きたい末息子に対して「身分で地位を与える」と言うほど楽天的な人物。エピソード5では結婚することを宣言したジェローデルに対して大喜びした上に「持参金を持ってくる由緒ある令嬢か?」と言うほど、しかし、結婚相手の名前を聞いてアマーリア込みで驚愕している。
アマーリア
エピソード2とエピソード5に登場。フローリアンの母、ジェローデル伯の妻ではあるが年若き恋人がいる噂もあり、ジェローデルに対しても興味がない。エピソード5では上の息子の結婚式で恋人と出席したことで周りから茶化されり、結婚する事を宣言したジェローデルに対して大喜びした。
女性
エピソード2に登場。フローリアンに対して親身になってくれる女性。名前や立場が里親なのか侍女なのかは記載されていない。
エリカ
エピソード5に登場。フローリアンを気にしている少女。

王族関連[編集]

オルレアン公フィリップ
エピソード1に登場。自ら「フィリップ平等公(エガリア)」を名乗るが、ルイ16世亡き後は自身の出番だとマリー・クリスティーヌが青ざめるほどの野心を持っている。しかし、その野心が仇となりルイ16世が処刑された同じ年に自身もまた処刑される。
ルイ16世
エピソード2 - 5に登場。本編同様、エピソード2では王太子時でのパリ訪問。エピソード3はマリー・テレーズの会話のみ。エピソード4ではヴァレンヌ事件後にパリへ移動時にかなり小さく登場。エピソード5、エピソード7ではフランスの戴冠式時に登場する。
マリー・テレーズ
エピソード3に登場。表紙が彼女単独になっている。アントワネットの刑死により1人残されてタンプル塔に投獄されていたが、母の死の2年後に人質交換でオーストリアに引き取られ、数年後にフェルゼンと再会するも誰かはわからなかった。フェルゼンが評して曰く、出会った当時のアントワネットに瓜二つの美貌。各国を転々とし、故国フランスに帰還が叶うのは20年後のことである。幸福な結婚をするが、子供に恵まれなかったことで両親の血統は断絶してしまう。
ルイ・シャルル
エピソード3に登場。回想シーンのみの登場。父ルイ16世の死後、母アントワネットや姉マリー・テレーズと引き離されるシーンが再び描かれた。
エリザベート内親王
本編では「エリザベス内親王」とされた。エピソード3ではマリー・テレーズの回想で死が語られる中で名前を呼ばれただけだが、史実通りに「エリザベート」に変更された。マリー・テレーズがオーストリアに送られる前の年に処刑された。
フランツ2世
エピソード3に登場。オーストリア国王。マリア・テレジア亡き後の皇帝ヨーゼフ2世の弟レオポルト2世の息子で、アントワネットの甥でマリー・テレーズの従兄弟である。マリー・テレーズ解放のために人質と交換する役目を果たす。オーストリア滞在時のマリー・テレーズにドレスを贈っている。フェルゼンとの対面前に顔を出す。
グスタフ4世
エピソード3に登場。スウェーデン国王。グスタフ3世暗殺後に13歳で即位した若き国王。摂政団の一員であるグスタフ4世の叔父カール・ヨハンはフェルゼン家を良く思っていなかったが、後にフェルゼンと対面してオーストリア大使に任命する。父グスタフ3世の力であったフェルゼンに助けて欲しいと告げた。
未来は決して明るいものではなく、1809年3月、失政が原因で起こったクーデターにより幽閉され、王子グスタフ(グスタフ・フォン・ホルシュタイン=ゴットルプ)の継承権も否定されて廃太子とされ、王妃や他の子供らとも引き裂かれた。追放後、貧困の中で欧州諸国を放浪した末に精神に異常を来し、スイスのザンクト・ガレンのホテルで脳卒中で没する。
アルトア伯
エピソード4で名前だけが出ており、未だにパリに残留するジャルジェ将軍を見かけて脱出を進めた際、既に主だった貴族共々に亡命していることがアランの口より語られた。エピソード8では後に暗殺されたマラーと関係があることが語られた。
マリア・テレジア
エピソード6に登場。オーストリアの女帝。アントワネットの母。15歳の皇女時代が描かれ、周辺諸国の野心の標的にされる。幼い頃からフランツに恋しており、当時の王侯貴族としては奇跡に近い恋愛結婚で結ばれることになる。当初、婚約者とされたクレメンスは健康で利発で美しい王子と評判だったが、年が離れていてフランツに恋心を抱いていたこともあり彼の兄クレメンスとの結婚を望んではいなかった。1994年に同筆者が描いた、エカテリーナ2世からは恵まれた恋愛、王位継承、子宝などで嫉妬に近い感情を抱かれていた[43]。父カール6世の死後、勃発したオーストリア継承戦争で一歩も譲歩することなくプロイセンと断固戦う決意を固めており、オーストリア軍の脆弱さを知るフランツが条件次第では和睦を考え、交渉の場で少しでも譲歩しそうになると介入した。夫の死後、自身の死まで喪服で過ごした。
フランソワ・ステファン・ド・ロレーヌ
エピソード6に登場する。ロレーヌ公国の第2王子。アントワネットの父。陽気で親しみやすい性格で、卓越した財政の才能を有している。再従兄妹はとこ)の幼馴染マリア・テレジアとはお互いに好意を持っており、彼女にはフランツと呼ばれる。マリア・テレジアの父である父方の従伯父・神聖ローマ皇帝カール6世のお気に入りでもあった。兄クレメンスの急死と後を追うように父が亡くなったことにより、ロレーヌ公になる。フランスがマリア・テレジアとの結婚を認める代償にと、領地をルイ15世の舅に譲渡させられた。結婚後、相思相愛の恋愛結婚とはいえ妻の家臣やオーストリア国民からは添え物扱いで侮蔑され、男児誕生を望む臣民の期待に反して女児ばかりなのは夫の所為だと非難され、その他数え切れない嫌がらせを受けるという屈辱の人生を送ることになる。しかし、徐々に寛大で陽気な人柄の良さに気づいた臣民に慕われるようになり、ルイ15世に故国と引き換えに押しつけられた赤貧国家トスカーナ大公国の財政改革を行ってオーストリアを支える金庫とし、カール6世の残した借金を清算した上で戦費と国債の発行における保証人になれるほど莫大な財産を作りオーストリアを支えた。1765年8月18日の夕刻、急死した際には悲しむ人々が葬儀に参列した。自身は知らぬことながら、その名がオスカルのミドルネームに付けられた。
ルイ15世
エピソード6に登場するが、強国ゆえにロレーヌ公国がオーストリアの手に渡るのを嫌悪し、ロレーヌ公フランソワとオーストリアのマリア・テレジアの結婚を認める代わりにロレーヌ公国の統治権を自身の正妃の父であるポーランド国王に譲渡させる条件を押しつけた。ロレーヌがオーストリア・ハプスブルク家の所領になれば欧州の均衡が崩れるばかりかフランスとロレーヌの戦争にもなり、どうしても結婚したければ条件を呑めとレニエを通じて迫った。その代償としてフランソワに大公国とは名ばかりのトスカーナ大公国の君主の座を与えた。名家であるジャルジェ家の当主の妻に異国の貧乏貴族の娘などとんでもないと最初は結婚の許可を求めるレニエにジョルジェットとの結婚を許さず別の良い縁談を探そうとしたが、ルイ13世の宮廷画家を務めたラ・トゥールの曾孫だと知り結婚を許した。

貴族関連[編集]

ディアンヌ・ド・ソワソン
エピソード4に登場したアランの妹。既に他界しているが、クライマックスのキーキャラクターでもある。
男性
エピソード4に登場。本編では顔も出さなかった、ディアンヌの元婚約者。新エピソードでも名前の記述がない。ディアンヌに紹介されアランに挨拶までしたが、シュザンヌに乗り換えたとアランの逆鱗に触れた。妻に心変わりをしてディアンヌを裏切ったことは事実だが、金に目が眩んで乗り換えたというアランの言葉とは不一致の夫婦愛に満ち溢れた姿は彼の金持ちや大貴族に対する偏見に基づく想像である可能性がある。しかし、詳細は不明。
ソフィア・フォン・フェルゼン
エピソード5に登場。本編にも登場したフェルゼンの妹。旅行に来たと言っているが、実際は兄とマリー・アントワネットの橋渡し役をしていた。ドレスを着たオスカルにジャルジェ家に関連した人以外で気がついた人物である。フランス宮廷貴族から「時代遅れのドレス」と陰口を叩かれている。以降は本編同様の流れで進み、オスカルに振られたジェローデルに手紙を書いている。この時点で独身、フェルゼンから兄に倣って独身を貫くつもりかと問われた。バスティーユ襲撃後、爵位を剥奪されたジェローデルを迎え入れる。しかし、兄同様、革命の死地であるフランスへ旅立つジェローデルを見送ることになった。同士のような関係ゆえにお互いにプライドの高すぎる部分まで似ており、縋って引き留めることすら出来なかった。
ラ・ファイエット侯
エピソード5に登場。本編同様、三部会で、議場から排除されそうになった平民議員を守った。
ジョルジェットの母
エピソード6に登場。ロレーヌの貧乏貴族の未亡人。娘には内密にしていたが、援助を目的とした縁談を持ち出すほどに困窮に喘いでいた。ジョルジェットが絵を描くのは血筋と言う家系であり、邸内には祖父(ジョルジェットには曾祖父)ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの所有する絵が飾られている。娘の恋に驚くが、お詫びにとウリアスの話し相手を務める内に惹かれ合い再婚した。
メルシー伯
エピソード8でアントワネットの遺品の1つを贈る相手として名前が出た。マリア・テレジアが派遣した駐仏オーストリア大使。アントワネットの教育係でもある。本編の途中から描かれなくなるもベルサイユ宮殿にはいたことがマリー・テレーズの証言で明らかだが、アントワネットが処刑された時点ではフェルゼンと同じくベルギーに滞在している。

その他[編集]

マリー・クリスティーヌ
エピソード1に登場。本名は「クリスティーヌ」。アンドレと同じ村で育った幼馴染。アンドレに自身のリボンを渡し、お返しにアンドレからドングリを貰っている。両親が亡くなって病身の弟を抱えて村を出てパリの酒場で働くも周囲に嫌がらせをされたこともあり失敗続きだったが、貴族の養女の教育を受けてオルレアン公の寵姫となった。アンドレに対する想いは恋愛感情に育っていて再会して彼だとわかったが、アンドレには気づいて貰えなかった。オルレアン公の平民の味方気取りを真に受けていた。表向きは男爵令嬢ということになっているが、王族であるオルレアン公の寵姫とはいえ平民の女性である。
マクシミリアン・ド・ロベスピエール
エピソード1とエピソード4に登場するが、エピソード2ではパレ・ロワイヤルにいる。エピソード4ではベルナールの会話に名前が出るだけ。
ベルナール・シャトレ
エピソード4とエピソード8に登場するロザリーの夫。アランの行き先を聞いても教えられず、ル・ルーのことは知らない様子だった。エピソード8では回想シーンで本編同様、黒い騎士の姿で登場。
ロザリー・シャトレ
エピソード4、エピソード7、エピソード8に登場。ベルナールの妻。革命で亡命貴族狩りが目立つ中でベルナールや市民から「ローランシー」の名前が出てル・ルーを案じる。エピソード7では本編同様に登場する。エピソード8では断頭台の露と消えたアントワネットから預かった遺品を潜伏中のジャルジェ将軍に届け、自身が黒い騎士ベルナールと結婚したことを明かしている。2人で当時を振り返るという形で物語は進行する。
シュザンヌ
エピソード4に登場。ディアンヌの元婚約者の妻。子供を身籠っている。相思相愛の仲睦まじい夫婦であり、身重の体で夫を守ろうとアランの銃口の前に飛び出し夫の盾になろうとした。
リュシール
エピソード6に登場。ジョルジェットの小間使い。
ウリアス
財産家。親子ほど年齢が離れているが、ジョルジェットを妻に欲しいと申し込んだ。ジョルジェットが幼い頃から彼女のことを知っており、老後の寂しい日々を寄り添って欲しいとジョルジェットに想いを告げた。彼女の恋を知り、密かにその幸福を祈って身を引くが、後にジョルジェットの母と再婚して義父になった。
画家
名前は不明だが、ジョルジェットの亡き父の手ほどきを受けた人物であり、その証言によりルイ13世の御世に宮廷画家を務めたジョルジェットの曾祖父のことをガルティエ(レニエ・ド・ジャルジェ)とジョルジェットに語り、2人の結婚の大きな力になった。後に、ジャルジェ家の娘達の肖像画を描く姿があった。オスカルの肖像画を描いた画家によく似ている。
女性
名前は不明。オスカルと同じ顔なのだが、オスカル自身は「姉上のような女性」と評した。アントワネットの輿入れが決まった11歳の時、父レニエにより剣の稽古でこてんぱんにやられた直後、庭に立っていた。それ以降も折につけ、オスカルの前にだけ現れる。アントワネットがフランス王太子妃として宮廷に初お目見えの時、仮面舞踏会でオスカルとアントワネットが初めてフェルゼンと出会った夜に「これから、お前の知らなった苦しみが始まるのだ。」と告げて消えた。アントワネットフェルゼンの噂が蔓延したことで一時的に帰国したフェルゼンが再びフランスの土を踏んだ際、深夜の教会から音楽が聞こえてきたので扉を開いて入った時、少女の成長した姿である女性の挙式を目撃した。しかし、この一連の不可解な出来事はオスカルにしか見聞きしておらず、アンドレは何も見ていないし聞いてもいない。我が子を抱えて馬車に乗る女性の姿をもオスカルは目撃し、生涯にただ1度だけドレスを纏いフェルゼンと踊って彼に対する片恋を諦めた夜、オスカルが躍る前にオスカルとしてフェルゼンと躍っていた。深夜、ベルサイユ宮殿の「の間」でオスカルが鏡に手を触れていたところ、鏡を通り抜けて異空間に入り込んだことで薄々は正体を察した彼女に「私はお前の諦めたモノの全てだ」と語った。
アブラアン・ブレゲ
スイス、ヌーシャテルで生を受けた天才時計師。時計の歴史を200年早めたとも云われる。スイスからやって来て、あっという間にシテ島に工房を構えた。同郷の誼(よしみ)でマラーと交流がある。貧しい市民に心を寄せており、当初はアントワネットの「永遠に動き続ける懐中時計」の注文を迷惑がっていたが、時計師としての誇りゆえに情熱を傾けて完成を目指す。
マラーに強く国外退去を勧められていたため、差し入れを尋ねてアントワネットが「ブレゲの時計を」と答えたことで踏み込んで来た革命委員会から一足違いで逃れてスイスの郷里ヌーシャテルに息子アントワーヌと共に避難した。政情が落ち着いたフランスに戻って工房を再開し、志半ばで倒れたなら遺志を継いで時計を完成させるようにと息子に言いつけていた。1802年、アントワネットが発注してから19年の歳月がかかるも懐中時計は完成し、その直後に倒れて懐中時計に「マリー・アントワネット No.160」と命名するようにとアントワーヌに告げた。1815年に「レジヨン・ドヌール勲章」を受勲、1823年に76歳で生涯を閉じた。
ジャン・ポール・マラー
エピソード8に登場し、同郷のよしみでベルゲと親しい。本業は医師。反王室思想の持ち主。貧しい市民のために作りたいのに、王侯貴族からの贅の限りを尽くした時計の注文に悩むベルゲに発明には資金が必要だと諭す。しかし、危険な情勢に傾くとアントワネットの注文した時計作りなどやめるように警告する。アルトア伯と繋がりがある。
アントワーヌ・ブレゲ
ブレゲの息子。パリで生を受けた。父親と共にスイスに避難し、工房が再開されると病身の父親を案じて支えていたが、父の死後は工房を受け継いだ。

宝塚歌劇[編集]

宝塚歌劇団で公演された演劇作品。1974年初演。

テレビアニメ[編集]

1979年10月10日から1980年9月3日まで日本テレビおよびその系列局で放送されたテレビアニメ。全40話+総集編1話。

フランスとイタリアでは、『Lady Oscar』のタイトルで放送された。

2014年5月からは、アニメ専門チャンネルのアニマックスでデジタルリマスター版の放送を開始。同年9月24日には、バンダイビジュアルから本作を収録したBlu-ray BOXが発売された。

2015年5月から、NHK BSプレミアムでデジタルリマスター版の放送を開始。

原作との相違点[編集]

原作に散見されたギャグタッチを排し、全編にわたって重厚なシリアスドラマとして構成されている。一方、ルイ15世臨終時の天然痘に冒された醜い姿や、アランの妹ディアンヌの無残な屍等、原作にあったグロテスクな表現等はソフトな表現に緩和されている。一方で第35話内に宇宙戦艦ヤマトデスラー総統とおぼしき人物が青い肌色のまま登場したり、デモのたて看板のいたずら書きなど、スタッフによる悪ふざけも垣間見られる。原作ではジャルジェ将軍と犬猿の仲とされたブイエ将軍を親友同士にする等、人物設定を原作から変更されている人物も多く、原作者である池田理代子のお気に入り人物であるアランは、年下で登場時に派手に反抗した原作の展開が、年長で大人のキャラに変更されており、さらに最終回では軍を辞めて農夫をしていた後日談になっていた設定には池田も困惑したらしく、後の作品『エロイカ』にアランを新たに軍人として登場させ、アランは農夫でなく生涯軍人だったのだとアピールをしたエピソードがある。 更には、ロベスピエールに至っては容姿も性格付けも別人になっている。オルレアン公は元々原作から容姿が変更されている上、市川治が演じた時と仁内建之が演じた時でやはり性格も変更されている。第20話からセーヌ河畔でコンサーティーナを弾く隻眼隻脚の吟遊詩人が登場するが、終盤の主人公格とも言える庶民の代弁者という位置づけだった。相思相愛になってから一夜を共にするまで幾らか間があった原作とは異なり、オスカルとアンドレが身も心も結ばれるアニメでの唯一の機会である第37話制作の際は「きれいな演出を」という制作側の意向を受け、通常1週間の打ち合わせを3週間かけた。激論の末、この回の脚本担当だった杉江慧子の推す、原作とは異なるホタルの幻想的シーンが決定された。原作の結ばれ方だと貴族の令嬢が従僕を部屋に連れ込む形で不自然であり、女性の側から告白するにはそれなりの準備と背景と気持ちが必要であるというのが、杉江の論拠である[44]。なお当初、オスカルが男性として生きていることを強調しようとするあまり、父レニエ共々に一人称を「俺」としたことは各方面から大不評だったため、一人称は「私」に変更された。

キャスト[編集]

主要人物
ジャルジェ家
王家
貴族
軍関係者
革命派
首飾り事件関係者
市井の人々
その他

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「薔薇は美しく散る
作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 馬飼野康二 / 歌 - 鈴木宏子
エンディングテーマ「愛の光と影
作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 馬飼野康二 / 歌 - 鈴木宏子 / ナレーション - 志垣太郎( - 第21話)

上記2曲を収録したEPレコードキティ・レコードから発売された。また、この2曲(フルバージョン・テレビバージョン)とBGMがCDアルバム『ベルサイユのばら 薔薇は美しく散る オリジナル・サウンドトラック&名場面音楽集』に収められている。

作中においては、馬飼野が直前に手がけた『劇場版 エースをねらえ!』のBGMが多数流用されていた。

各話リスト[編集]

話数 放送日 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出
第1話 1979年
10月10日
オスカル! バラの運命 篠崎好 小田響堂 山吉康夫
第2話 10月17日 舞え! オーストリアの蝶 今沢哲男
第3話 10月24日 ベルサイユに火花散る 山田正弘 岡崎稔
第4話 10月31日 バラと酒とたくらみと 永丘昭典
第5話 11月7日 高貴さを涙にこめて 山吉康夫
第6話 11月14日 絹のドレスとボロ服 杉江慧子 高屋敷英夫 出崎哲
第7話 11月21日 愛の手紙は誰の手で 永丘昭典
第8話 11月28日 我が心のオスカル 篠崎好 出崎哲
第9話 12月5日 陽は沈み陽は昇る 永丘昭典
第10話 12月12日 美しい悪魔ジャンヌ 山田正弘 山吉康夫
第11話 12月19日 フェルゼン北国へ去る 高屋敷英夫
第12話 12月26日 決闘の朝オスカルは…? 杉江慧子
第13話 1980年
1月9日
アラスの風よ応えて… 永丘昭典
第14話 1月16日 天使の秘密 篠崎好 関根芳久 山吉康夫
第15話 1月23日 カジノの伯爵夫人 今沢哲男
第16話 1月30日 母、その人の名は…? 山田正弘 山吉康夫
第17話 2月6日 今めぐり逢いの時 永丘昭典
第18話 2月13日 突然イカルスのように 杉江慧子 高屋敷英夫 山吉康夫
第19話 2月20日 さよなら、妹よ! さきまくら 竹内啓雄
第20話 2月27日 フェルゼン名残りの輪舞 篠崎好
第21話 3月5日 黒ばらは夜ひらく
第22話 3月12日 首飾りは不吉な輝き 山田正弘
第23話 3月19日 ずる賢くてたくましく!
第24話 3月26日 アデュウわたしの青春[45] 杉江慧子
第25話 4月2日 かた恋のメヌエット 竹内啓雄
西久保瑞穂
第26話 4月9日[46] 黒い騎士に会いたい! 篠崎好
第27話 4月16日 たとえ光を失うとも…
第28話 4月30日 アンドレ青いレモン 山田正弘
第29話 5月14日 歩き始めた人形
第30話 5月21日 お前は光俺は影 杉江慧子 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
第31話 6月4日 兵営に咲くリラの花[47]
第32話 6月18日 嵐のプレリュード 篠崎好
第33話 7月2日 たそがれに弔鐘は鳴る
第34話 7月9日 今"テニス・コートの誓い" 山田正弘
第35話 7月23日 オスカル、今、巣離れの時
第36話 7月30日 合言葉は"サヨナラ" 杉江慧子
第37話 8月6日 熱き誓いの夜に
第38話 8月20日 運命の扉の前で 篠崎好
第39話 8月27日 あの微笑はもう還らない!
第40話
(最終話)
9月3日 さようならわが愛しのオスカル 山田正弘
第41話
(総集編)
9月10日 ベルサイユのばらと女たち

幻の第24話「燃えつきたバラの肖像」[編集]

本作を遅れネットしていた一部地域では、プロ野球シーズン開幕によりキー局日本テレビで野球中継による本作の放送休止が生じた際、遅れネット局の放送に穴が空いてしまう問題から第24話で放送が打ち切られており、本来の第24話「アデュウわたしの青春」の内容とは全く異なる打ち切り用の最終回「燃えつきたバラの肖像」が放送された。資料によっては総集編とされることがあるが実際には回想シーンを除く大半が新規作画となっており、本来の3クール目に相当する内容がダイジェストで描かれている[48]

「燃えつきたバラの肖像」はその後再放送されることが無く、DVDなどのビデオソフトにも一切収録されていない。

放送局[編集]

逸話[編集]

テレビアニメ『巨人の星』の監督であり、『ベルサイユのばら』テレビアニメの12話まで総監督を担当した長浜忠夫は、『巨人の星』でも用いられた独特の「長浜調」の演出を行なった。長浜の後任となった出崎統は対照的に、「詩的で繊細な「出崎調」の演出を心がけたため、『ベルばら』はアニメファンのあいだで熱烈な支持を得るようになった」と山本はコメントしている[49]

日本テレビ系列 水曜19:00枠
前番組 番組名 次番組
NTVザ・ヒット! ピンク百発百中
(1978年10月11日 - 1979年9月26日)
ベルサイユのばら
(1979年10月10日 - 1980年9月3日)
鉄腕アトム(アニメ第2作)
(1980年10月1日 - 1981年12月23日)

劇場版アニメ[編集]

ベルサイユのばら
生命あるかぎり愛して
監督 こだま兼嗣
竹内啓雄
脚本 山田正弘
篠崎好
杉江慧子
製作 藤岡豊
出演者 戸田恵子
水島裕
富山敬
上田みゆき
音楽 馬飼野康二
主題歌 鈴木宏子
撮影 高橋宏固
編集 鶴渕允寿
配給 共同映画
公開 日本の旗 1990年5月19日
上映時間 90分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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テレビアニメ版の再編集作品で、当初はビデオ作品として1987年5月21日に発売された。マリー・アントワネット役の上田など継続している者もいるが声優を変更して新たに収録し直している。1990年公開。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督 - こだま兼嗣/竹内啓雄
  • 製作 - 藤岡豊
  • プロデューサー - 加藤俊三
  • 原作 - 池田理代子
  • 脚本 - 山田正弘/篠崎好/杉江慧子
  • 企画 - 梅谷茂/山本又一朗
  • キャラクターデザイン - 姫野美智
  • 作画監督 - 荒木伸吾
  • 撮影 - 高橋宏固
  • 音楽 - 馬飼野康二
  • 美術 - 水谷利春/窪田忠雄/川井憲
  • 録音 - 山田悦司
  • 構成 - 竹内啓雄

劇場版アニメ(21世紀版)[編集]

東京国際アニメフェア2007にて、パイロット版が上映されたが以降の進展が見られず、公開時期など詳細不明。

スタッフ[編集]

Webアニメ[編集]

チャンネル5.5』は、DLE製作によるカロリーメイトをスポンサーに名作漫画を原作無視でアニメ化する「名作マンガ コラボプロジェクト!」第4弾として配信されたFLASHアニメ。全4話。オスカルの声は、実際に宝塚歌劇でもオスカル役を演じたことのある涼風真世、マリーアントワネットの声は雨宮天が担当[50]

キャスト[編集]

  • オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ、微生物オスカル(第2話) - 涼風真世
  • マリー・アントワネット、微生物マリー・アントワネット(第2話) - 雨宮天
  • マリア・テレジア - 上野アサ
  • アンドレ・グランディエ、大臣(第1話)、ルイ16世(第1話)、微生物アンドレ(第2話)、戸倉哲博士(第2話)、田所(第2話)、鎌田(第3話)、ルイ15世(第4話)、その他 - FROGMAN
  • ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(第3話・第4話) - 杉田智和

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 配信日
#01 ベルサイユのマリモ 2014年
11月17日
#02 ベルサイユの微生物 12月2日
#03 居酒屋のばら 12月24日
#04 ベルサイユの恩人 12月26日

実写版映画[編集]

ベルサイユのばら
Lady Oscar
監督 ジャック・ドゥミ
脚本 ジャック・ドゥミ
パトリシア・ルイジアナ・ナップ
製作 山本又一朗
製作総指揮 アニエス・ヴァルダ
出演者 カトリオーナ・マッコール
パッツィ・ケンジット
音楽 ミシェル・ルグラン
撮影 ジャン・パンゼル
編集 ポール・デイヴィス
製作会社 キティ・フィルム
配給 東宝
公開 1979年3月3日
上映時間 117分
製作国 日本の旗 日本
言語 英語[51]
配給収入 9億3000万円
(1979年邦画配給収入7位)[52]
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1979年3月公開の実写映画で、タイアップは資生堂。日本語字幕は池田理代子が担当。監督にジャック・ドゥミ、音楽にミシェル・ルグランフランス政府の協力によりヴェルサイユ宮殿での撮影が特別に許可された。総制作費10億円に対して配給収入9億3000万円[52]と振るわなかった。ラストシーンでオスカルが群集にまぎれて戦いも死にもしない等、ストーリー展開は原作と大幅に異なる。佐藤忠男は『キネマ旬報』別冊で、この原作をこんなに照れくさそうに演出されたのでは日本人には楽しめないと批判している。

キャスト[編集]

カッコ内は、1980年10月8日に日本テレビの『水曜ロードショー』で放送された時の吹き替えキャスト。

スタッフ[編集]

関連項目[編集]

ドラマCD[編集]

  • ベルサイユのばら ドラマCD vol.1 -忘れ得ぬ人・オスカル- (2003年7月21日発売) GPCV-1001
  • ベルサイユのばら サウンドシアター・ドラマCD (2010年4月22日発売) BJCA-151
  • ベルサイユのばらII サウンドシアター・ドラマCD (2010年8月26日発売) MOMO-8002
  • ベルサイユのばらFIN サウンドシアター・ドラマCD (2010年12月23日発売) MOMO-8006

梅田コマ劇場ミュージカル版[編集]

昭和50年1975年)4月に、宝塚初演の成功を受け、俳優女優の出演によって制作されたミュージカル。 梅田コマ劇場(現・梅田芸術劇場)にて上演された。 大人の恋愛劇の趣きが強く、フェルゼンとアンドレをにしきのあきら(現・錦野旦)が一人二役で演じるなど独特の演出がなされたが、公演期間は2週間に満たなかった。

キャスト[編集]

ベルばらKids[編集]

2005年10月から2013年3月30日まで朝日新聞土曜日別冊朝刊『be on Saturday・エンターテインメント』に連載された池田作画の4コマ漫画とコラムから成るミニコーナー。本編から32年ぶりの漫画化である[53]。4コマ漫画はギャグテイストになっており、オスカル達が現代日本の視点で話すなど、ベルばら本編のパロディ的側面も持った独自の内容。ルイ16世が相撲好きであるなど、独自の設定も存在する。アンドレの母など、本編には登場しなかったキャラクターも登場。キャラクターは全員が3頭身だが、例外的にオスカルとアンドレとフェルゼンが通常頭身で登場したことがある。連載開始から2009年4月までは毎回2作の漫画が掲載されていたが、以降は1作のみ掲載の。2012年4月7日以降からは、赤beから青beに移動し、同時に初期からコラムに使用していた原作のイラストが削除となった[54]。単行本化され、2012年11月24日分までを収録した7巻までが発売されている。2巻では懸賞プレゼント。4巻から6巻まで初回特典が追加された。

Kids限定キャラクター[編集]

作者
漫画本編では「作者」と呼ばれているが、コラムでは池田の名前を挙げている。登場は身体の一部、本人は登場していないが漫画内で実際にあったイベントでどこに登場したのかをコラムで解説されたり、東日本大震災後の漫画では最初から最後まで登場し出展するイベントでのイラストの販売宣伝まで行っていた。

Kids独自設定[編集]

オスカル
ル・ルーが憧れる宝塚音楽学校に興味を抱き、入学試験まで受けている。が、年齢詐称で落ちてしまった。
アンドレ
オスカルと踊りたいがために、しばしば女装をしている。黒髪のロングヘアであり、なかなかの美人である。
ル・ルー
宝塚音楽学校やハンカチ王子など複数のものに憧れを寄せている。また宇宙人のような子どもと時折邂逅を果たしている。
ルイ16世
前述の通り、かなりの相撲好き。それが長じてベルサイユの一角にこっそりとマイ土俵を作ってしまったほどである。
ベルナール
花粉症持ち。また犬好きという設定。元ネタはオスカルに対して、王妃の犬めと叫んだことによるもの。
ジェローデル
かなりの猫好き。猫のために毛糸玉や炬燵を調達、果ては自宅をリフォームまでしてしまう。オスカル・アンドレ・アランからの誕生日プレゼントは、全て同じ猫のカレンダーであった。
ロベスピエール
お忍びで酒場へやってきたルイ16世の正体に全く気づかず、意気投合してしまう。
サン・ジュスト
原作の「男装の麗人」が飛躍して、完全に少女に間違われ、誕生日に大量に女物の洋服を贈られている。その後、オスカルにどうすれば男らしく見えるのかという、ややこしい相談をしていた。
デュ・バリー伯夫人、ポリニャック伯夫人、ジャンヌ
原作では同じ場面に登場することもなかったが、ベルサイユのばら三大悪女と称され、事あるごとに相まみえ、衝突する。結果的に3人とも痛い目にあうことが多い。

英訳版[編集]

1981年三友社出版が全7作の英訳版の刊行を企画し、同7月に The Rose of Versailles Vol.1、11月に The Rose of Versailles Vol.2 が発行されたが、以後、企画が頓挫しており、復刊ドットコムなどでファンから完結が待ち望まれている。訳者は、『ニッポンマンガ論 ― 日本マンガにはまったアメリカ人の熱血マンガ論』(マール社1998年)などの著者フレデリック・L. ショット

その他[編集]

  • テレビアニメ版放送開始直前の1979年9月17日に放送された『ルパン三世』第101話「ベルサイユは愛に燃えた」にオスカル(声優 - 二木てるみ)が登場する。この話はルパン三世100回記念のシナリオ公募作品であった。
  • 2000年にLAREINE(ラレーヌ)が、アニメ版の主題歌「薔薇は美しく散る」をカバー。原作者の池田理代子もコーラスで参加。初回限定盤ジャケットイラストには池田の描き下ろしLAREINEのイラストが描かれている。
  • 2004年2月4日放送の『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』(フジテレビ)にて原作の絵の一部が用いられ、オスカルとアンドレの声をテレビアニメ版の田島令子と志垣太郎があてていた。
  • ヴァレンヌ逃亡によりマリー・アントワネットが恐怖のあまり一夜で白髪になるという描写がある[55]が、マリーが一晩で白髪になったと記した文献や伝承は見られない。また一度空想科学読本シリーズで検証されたが人間が一夜で白髪になることは生物学上あり得ないという結論に達している。むしろ本作によって日本では「マリー・アントワネットは白髪になった」という誤解が根付いたのではないか[56]というテレビ番組すら放映されたことがある。
  • 連載当時にはオスカルのファンクラブも結成されていた。『ばらベルサイユ』という機関紙が発行されており、現在ではその一部を2002年発行の『ベルサイユのばら大事典』で見ることができる。機関紙を中心となって編集していたのは作中、舞踏会のシーンにプラカードを持って登場したこともあるエミリという女性。
  • 本作ではオスカルの死後、バスティーユ陥落からアントワネットの処刑までが10回の連載となっているのは、一番人気のオスカルが退場することによって人気が落ちることを懸念した編集部の意向によるものであったことを作者自身が明らかにしている[57]
  • 原作者の池田理代子はテレビアニメ版のビデオを購入はしたものの、「眼が疲れる」という理由で一度も通して見たことがない。また、人づてに聞いたアランのその後が気に入らず、後に自身の作品「エロイカ」に登場させるきっかけとなった[57]
  • 中公文庫、池田理代子『女帝エカテリーナ』では、マリア・テレジア、ルイ15世、デュ・バリー夫人が登場する。マリー・アントワネットとルイ16世は台詞のみの王太子、王太子妃として登場[43]

関連商品・作品[編集]

  • 2006年の春にタキイ種苗から「ベルサイユのばら」と名付けられたペチュニアの新品種が発売されている。また発売記念グッズにベルばらのイラストが使われた。
  • 2007年から「CRベルサイユのばら」シリーズが発売され店舗に置かれている。
  • 2008年バンダイの化粧品ブランド「Creer Beaute(クレアボーテ)」において「ベルサイユのばらシリーズ」を展開[58]。アイライナーやマスカラに続いてパックや入浴剤、2012年にはコラーゲンドリンクも発売されている。
  • 2009年、バンダイより万歩計「遊歩計 ベルサイユのバラ 〜歩いて自分革命 生まれてきてよかった!!〜」発売。
  • 2010年、大和葡萄酒から「ベルサイユのばら」オスカル・スパークリングワインが発売された。
  • 2010年11月、集英社より「ベルサイユのばらカルタ」発売。
  • 2011年10月4日よりビジュアライズからGREEにて「ベルサイユのばらif 〜幻想の日々〜」という恋愛シミュレーションゲームが提供された。同年12月20日よりmixiゲームからもサービスが提供され、こちらは翌年3月にはスマホのも対応している。オスカルの屋敷に住みこむことになる少女がプレイヤーの分身となってシナリオが進むノベルゲームで池田理代子プロダクションの監修のもと新たに書き起こした「if」の物語となっている。
  • 2011年11月、湖池屋「すっぱムーチョ」(バラ香るビネガー味・さっぱり梅味・さっぱりビネガー味)のパッケージにバラを銜えたオスカルのイラストが採用された。
  • 2011年6月10日日本郵政が発行した記念切手「アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」の 第16集に「ベルサイユのばら」が採用された[59]。1,500万枚限定。姫野美智が描き下ろしている。
  • 2012年3月16日京成バラ園芸からフランスの育種業者メイアン社が開発した「ベルサイユのばら」と名付けられたバラの新品種が発表された。同日より、同社ECサイトにて先行予約を開始ししたが、わずか1日で完売となった。5月12日に第14回国際バラとガーデニングショウ(西武ドーム)にて、一般公開された[60]
    • 2014年3月14日、「ベルサイユのばらシリーズ」として、主要キャラ(オスカル、アントワネット、アンドレ、ロザリー、フェルゼン)をイメージした新種のバラ5種を発表した[61]千葉県八千代市の京成バラ園には6品種のバラが植えられ、オスカルとマリー・アントワネットの等身大パネルが展示された「ベルばらのテラス」という区画がある。
    • 2016年4月、ベルサイユのばらシリーズの1品種であるオスカル・フランソワの香りを再現したのオーデトワレとハンドクリームが発売された[62]
  • 2012年5月、エース電研の人気パチンコCRベルサイユのばら 薔薇の運命』が発表となった[63]
  • 2012年8月、婦人下着メーカーピーチジョンがアントワネットを2012年秋のイメージキャラクターに起用。ロココ時代の女性美にオマージュを捧げた「エアボムトリニティブラ」を発売。
  • 富山産コシヒカリのパッケージに採用されている。
  • 他にもガイドブックやぬり絵、初級者向けフランス語参考書など数多くコラボレーションしている。また台湾ではアニメ全話収録・吹き替え付きのDVD-BOXが発売されている。
  • 2013年11月24日、第1回ベルサイユのばら検定が開催[64]。検定に合わせて公式問題集が発売された。[65]
  • 2014年5月、エステティックサロン「ソシエ」とタイアップ、『オスカルとアントワネットの美的生活2014』と銘打ち、“美の革命”「マリー アントワネットコース」「オスカルコース」を発売(期間限定)[1]。また特設サイトにはweb限定の漫画も掲載されている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c ただし、新エピソードの巻数は集英社マーガレットコミックス11巻表記。
  2. ^ けれん味溢れる表現に流れる傾向にある。
  3. ^ 『愛蔵版ベルサイユのばら上巻』(中央公論社、1987年)著者前書きより。
  4. ^ マーガレット2014年12号表紙より。
  5. ^ a b マーガレット2014年14号ベルばら単行本の宣伝広告よりより。
  6. ^ コミックス第11巻の「ベルばらFan Room Vol.02」にて作者が難しいだろうと語った。
  7. ^ 片目しか見えない事で、オスカルの負担にならないようにジャルジェ家の階段で、段数を読みながら歩く練習をしていた。
  8. ^ しばらくしてから開催された、三部会で自身が登壇した際。自身に対して拍手どころか喝采すらなく白眼視されている事にショックを受けるも、三部会に臨む為、亡き母に力を貸して下さいと祈っていた。
  9. ^ 現実にショックや恐怖で髪が白くなるか否かについては真偽のほどは定かではなく、元々は灰色がかった金髪に牢獄内の埃を被ったことで見誤ったという説もある。
  10. ^ 単行本9巻170頁「ベルサイユのばら 連載を終えて…」参考。
  11. ^ マロン・グラッセがオスカルの手当てをするため、部屋から出るように言われると、「男同士でも肌は見せられないというのか 王族でもないくせに」と言い放ち、怒った彼女から「よくもお嬢様(オスカル)に!!」と追い出され、その事がきっかけで彼女が女性だと知る。
  12. ^ 物語終盤、生涯独身を貫いた事が明かされている。
  13. ^ 革命当時、まだまだ識字率が低かった。無学・無教養が大半であり、子供達と引き裂かれる前にアントワネットが勉強を教えていた時に数学が理解できない牢番は暗号の通信文を子供達が書いていると勘違いした。
  14. ^ François Augustin Regnier de Jarjayes:1745年10月2日-1822年9月11日
  15. ^ 近習から渡された密告の手紙を読み、2人の仲を知ることになった。
  16. ^ エピソード8で、アンドレにより革命派のマラーとの関係が語られた。
  17. ^ アルトア伯共々に同筆者執筆の中公文庫『栄光のナポレオン-エロイカ』で各々の使者と革命派のポール・バラスが接触する。
  18. ^ 国を捨てた上に自分達が民衆に殺されることを願っている兄達に対し、「地獄へ落ちるがいい!!」と泣き叫んでいた。
  19. ^ 三部会開催初日、オスカルは亡きジョゼフを思い出し「私は フランス王妃になりそこなったぞ」とアンドレにつぶやいていた。
  20. ^ キリスト教では自殺を禁じていて、自殺した場合は教会での葬儀は断られることから、ポリニャック家では事故死ということにして葬儀を執り行った。
  21. ^ 物語序盤で、様々な国で兵法などを学び「ここフランスで最後のみがきをかけるために」フランスへとやって来た事が明かされている。
  22. ^ 本来なら銃殺刑だったが、自身の強姦未遂がバレることを恐れた前の隊長により降格処分になった。
  23. ^ 1781年に当時の陸軍大臣・ド・セギュール公により制定された、規則。4代以上続いた貴族出身でなければ、いっさいの昇進を禁ずるという法律。これは大貴族たちが高位高官の職を独占するための悪法である。この事を引き合いに出し、アランはオスカルに「貴族と言っても ピンからキリまであるんだぜ」と告げた。
  24. ^ マーガレットコミックス「ベルサイユのばら」11巻「ベルばらFan Room」より。
  25. ^ 実はさる貴族の落胤だった(※母親の項を参照)。
  26. ^ ラ・セーヌの星』にも登場し、王妃と子供達を引き裂いたりした。
  27. ^ 史実のジャック・ド・サン・レミ。
  28. ^ ジャンヌが近衛士官を推薦したローアンに対し、ニコラスを「伯爵」であると経歴詐称したため、「税金を払わずに貴族を名乗るなんて…」と真っ青になる。
  29. ^ ガレー船などの漕ぎ手になる懲役刑の一種。
  30. ^ ニコラスいわく「坊主のくせに女と見れば 見さかいない」ほどの遊び人である。
  31. ^ ジャンヌから「ベルサイユ宮殿へはいつ連れてって下さるの?」と訊かれた際、「残念ながら うちは宮廷への出入りを許されていないのよ」と明かし、ジャンヌは貴族にも(家柄が)色々あるんだと実感していた。
  32. ^ 『ベルサイユのばら大事典』では3女となっており、オスカルの姉全員の名前や3女たったり長女だったり、設定の変動が激しい。
  33. ^ 2009年5月9日朝日新聞『be』「ベルばらKids」より。解説者・石塚知子が池田に問い合わせによる、解答から。
  34. ^ マーガレット2014年18号「ベルばらFan Room」より。
  35. ^ マーガレット2014年15号「ベルばらFan Room」より。
  36. ^ マーガレット2016年1号、P86。
  37. ^ マーガレット2016年21号、P467。
  38. ^ マーガレット2014年16号「ベルばらFan Room」より。
  39. ^ 『ベルばらKids』7巻P23より。
  40. ^ 編集部に確認したところ、作者が「2人の戦死直後に死んだというわけではなく数日が空いていたので、その間の出来事だった。」ということである。
  41. ^ 『ベルサイユのばら大事典』ではマリー・アンヌ、クロティルド、オルタンス、カトリーヌ、ジョゼフィーヌとなっていた。
  42. ^ マーガレット2014年13号「ベルばらFan Room」の編集者のル・ルーの紹介の記述より。
  43. ^ a b 中公文庫、池田理代子『女帝エカテリーナ』第3巻より。
  44. ^ 「ベルサイユのばら 熱き誓いの夜に これが衝撃のシーンだ!!」、『月刊アニメージュ』1980年9月号、徳間書店
  45. ^ 一部地域では内容が全く異なる別バージョンの第24話『燃えつきたバラの肖像』を放送。
  46. ^ この回の1986年11月27日の再放送時には17.0%の最高視聴率を記録した。
  47. ^ 予告ナレーションでは「兵営に咲いたリラの花」。デジタルリマスター版では「咲く」に修正された。
  48. ^ WEBアニメスタイル 更新情報とミニニュース 編集長のヒトコト 燃えつきたバラの肖像
  49. ^ 『テレビアニメ魂』(p.178-180)
  50. ^ 涼風真世が再びオスカルに!? FROGMANによる「ベルばら」パロディーアニメが公開”. シネマトゥデイ (2014年11月17日). 2014年11月19日閲覧。
  51. ^ IMDb: Lady Oscar より
  52. ^ a b 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』 キネマ旬報社、2003年、238-239頁。ISBN 4-87376-595-1
  53. ^ ベルばらKids 1巻の帯宣伝より。
  54. ^ ただし、単行本版ではイラストが継続していた。
  55. ^ 単行本9巻65頁。
  56. ^ 19世紀に書かれた世界的に有名な児童小説である小公女において、白髪になったとの記述がすでにある。
  57. ^ a b 『ベルサイユのばら大辞典』作者インタビューより
  58. ^ クレアボーテ ベルサイユのばら
  59. ^ 日本郵便切手SHOP より
  60. ^ 千葉)オスカル、アンドレ…「ベルばら」のバラ5種誕生 asahi.com
  61. ^ 京成バラ園芸 ベルサイユのばら特設ページ
  62. ^ オリジナルフレグランス ~オスカルフランソワ~ 京成バラ園芸
  63. ^ CRベルサイユのばら 薔薇の運命
  64. ^ ベルサイユのばら検定
  65. ^ ベルサイユのばら検定公式問題集

外部リンク[編集]