『女芸人No.1決定戦 THE W 』(おんなげいにんナンバーワンけっていせん ザ・ダブリュー)は、日本テレビ放送網 が主催・運営する日本のお笑いコンテスト大会。最も面白い女性 お笑い芸人 を決めるコンテストであり、大会名にある「W 」は、「WOMAN(女性)」と、「WARAI(笑い)」のそれぞれの頭文字を意味している[2] 。
『M-1グランプリ 』(朝日放送テレビ 制作、テレビ朝日 制作協力)や『R-1ぐらんぷり 』(関西テレビ ・フジテレビ 共同制作)、『キングオブコント 』(TBSテレビ 制作)及び過去にコンテストとして実施された『THE MANZAI 』(フジテレビ 制作)に次ぐ吉本興業 主催のお笑い王座決定戦で、史上初の女性芸人日本一を決めるお笑いコンテストである。
出場資格は女性のみでプロアマ、芸歴、芸種、人数を問わず上記の大会は出場条件は大会にそった形式(例:M-1は漫才、R-1はピン芸など)があるがTHE Wは参加条件が女性だけでネタの条件は特に無い。こういったことから本大会は「何でもありの、異種格闘技戦」とも謳われている[3] [4] 。
日本テレビ制作のお笑いコンテストは2010年に『S-1バトル 』、2013年に『ワラチャン! 』が開催されるもいずれも1回で終了したため[注釈 1] 、常設のお笑いコンテストをテレビ東京 と共に持っていなかったが、同局制作の『世界の果てまでイッテQ! 』での森三中 やイモトアヤコ など女芸人の活躍を受けこの大会が新設された[注釈 2] 。なお、女性芸人が他局のコンテストで優勝した事例は2002年 の第1回『R-1ぐらんぷり 』のだいたひかる が唯一となっており、「1番面白い女性芸人を決める大会」をという女性芸人からの要望を受けて本大会が誕生したとされている[6] 。2018年には第2回大会が開催され、日本テレビ制作で複数開催されたお笑いコンテストもこれが初めてである。
本大会のメインロゴ は、大岩Larry正志 が手掛けている[7] 。
参加規定 [ 編集 ]
上記の通り出場条件は女性のみで、男性及び男女コンビは出場できないがメンバーが女性の場合のみピン芸人扱いで出場可能。また通常活動しているものとは異なる即席コンビ・グループでも出場可。
プロアマ不問そして所属事務所・芸歴・人数・芸種・芸風も制限がないが、コントで参加する場合エントリーの際にコントの内容と使用する楽曲を記入しなければならない。
小道具、大道具、音響の使用が認められている(Aマッソ が2020年の第4回大会でプロジェクションマッピング を用いた映像漫才を披露した[8] ように、事実上漫才 についてもこれらの使用が認められている。よって本大会ではM-1グランプリ では不可とされる漫才が見られる場合がある)。
第3回(2019年 )からは、1人が「コンビとピン」「グループとコンビ」のように2エントリーまで併願が可能になった(ただし同じピン芸人、同じコンビが異なるキャラクターで2エントリーするなどということは不可)。また、1回戦の予選会場(東京、大阪)に行くのが困難な遠方の人や舞台慣れしていないアマチュア出場者に配慮して「動画エントリー」が新設された[9] [10] (動画審査は1回戦のみ、2回戦以降は会場審査へ)。
エントリー料は1組2000円。第3回から新設された動画審査へのエントリーにも、2000円を指定の口座に払い込むこととなっている[10] 。なお1回戦が全て動画審査になった第4回(2020年 )は、1回戦出場のエントリー料は不要、2回戦以降の出場者のみ支払いを義務付けている[11] 。
優勝と副賞 [ 編集 ]
(第2回まで)日テレ100%券(日本テレビ系レギュラー番組の中から視聴率合計100%分の番組に出演出来る[12] )
(第3回)日テレ系指定10番組[注釈 4] +任意1番組出演権[13]
(第4回)日テレ系指定14番組[注釈 7] 出演権[14]
冠番組(第2回大会から)
歴代優勝者 [ 編集 ]
大会期間の最終日が決勝戦開催日。
視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。
出演者・審査員 [ 編集 ]
司会者 [ 編集 ]
サポーター [ 編集 ]
第1回、第2回は「ブレイクサポーター」 、第3回以降は「大会サポーター」 。
招待ゲスト [ 編集 ]
第1回のみ、ゲストも審査に参加。太字は最終決戦で優勝組に投票したゲスト。
副音声・裏実況ルーム [ 編集 ]
審査員 [ 編集 ]
決勝までの道のり [ 編集 ]
1回戦は東京 ・大阪 ・名古屋 ・福岡 ・札幌 ・沖縄 で、2回戦は東京と大阪で、準決勝は東京のみで開催される。ネタ制限時間は、1回戦が2分、2回戦以降は4分。
決勝戦の模様は日本テレビ系列で生放送された。出場組が事前にくじで抽選順を決め自ら1stステージのネタ順を選んでいる(第1回・第2回は同時に1vs1の相手を選んだ)。勝者5組(第3回は2組)が最終決戦に進みもう1ネタする。採点は全て投票制で行う。第1回大会では、ゲスト・一般問わず審査員の1票の重みは同じであり、審査はゲストはスタジオ内、一般は別室で行った。第2回大会では、ゲストは審査を行わず一般審査員のみとなった。
第3回は初めて、芸人を中心としたプロの審査員が起用された。審査は6人の審査員(1人1票ずつ)とデータ放送 のdボタン による「国民投票」(視聴者投票、dボタン投票による得票数が多かった方に1票)によって行われる[30] 。プロの審査員を起用した理由については「勝っても負けても、その理由が知りたい。お笑いのプロの方が審査してアドバイスが聞けると、納得するし次につながる」といった芸人からの意見があったことからだったと言う[31] 。そして視聴者投票についても人気投票と化するのを防ぐために、チャンネルを変えずに対戦する2組両方のネタを観た視聴者だけに投票権がある、つまり片方だけ観て投票してもカウントされないというシステムとした[31] 。
シード権についての規定
第1回大会(2017年)においては、主催者が定める過去のお笑いコンテスト(M-1グランプリ 、R-1ぐらんぷり 、キングオブコント 、ABC漫才・落語新人コンクール→ABCお笑い新人グランプリ [32] →ABCお笑いグランプリ 、歌ネタ王決定戦 [注釈 11] )の決勝進出者はシード 権が与えられて1回戦は免除となり2回戦からの登場となった。これについて本大会事務局は「第1回なので過去のこの大会の実績がないため、このようなルールを特別に設定した」としている[32] 。なお、第2回大会(2018年)は前回(2017年)大会の準決勝以上進出者のみシード権が与えられ1回戦免除[34] 、第3回大会は過去の準決勝以上進出者は全てシードで1回戦免除となった[10] が、第4回大会のシード権は直近の2大会(第2回=2018年、第3回=2019年)それぞれでの準決勝以上進出者のみとなった(準決勝進出経験が第1回=2017年のみの出場者はシード権無しとなる)[11] 。
各地方予選 [ 編集 ]
2017年の第1回大会においては、名古屋・福岡・札幌・沖縄の各予選(10月22日 実施)についてはエントリー数が少なかったため、観客を入れず、審査員の前で直接ネタ見せという形式となった。また当日は台風21号 の影響で集合時間に会場に来られないことも考えられたために、動画審査も行う措置も合わせて執られた[35] 。なお、当日の合格者は各会場から必ず出すというわけではなく、全会場一括で審査が行われた(そのため、第1回においては札幌予選の出場者は全組1回戦敗退となった)[36] 。
2018年の第2回大会では、福岡1回戦はエントリーが26組集まったことから、観客を入れての開催となった[37] 。なお、名古屋・札幌・沖縄の各予選については、前年同様エントリー数が少なかったという都合上、指定された会場で観客無しでネタを収録した上で、3会場一括での審査となった[38] [39] 。
2019年の第3回大会では、上記のように遠方の出場希望者などのために動画エントリーが新設されたため[9] 、東京・大阪両会場以外の1回戦の会場審査は無くなった[10] 。なお、動画審査合格者も2回戦以降は会場審査に合流して出場する。2020年の第4回大会でも、1回戦全てが映像審査となったことから、東京・大阪以外での会場は設けられていない[11] 。
審査方法 [ 編集 ]
予選審査
予選は放送作家と日本テレビスタッフからなる数名の審査員が各100点満点で採点し、合計得点の高い順に合格となる。なお、合格者数は日によって異なる。第4回(2020年)は1回戦は新型コロナウイルス の影響で映像審査のみ[40] 、2回戦以降は通常通り会場での審査となった[11] 。
決勝審査
第1回(2017年)・第2回(2018年)- 決勝進出した10組が「ファーストステージ」で1対1の対戦形式(計5戦)でネタを披露して、得点が高かった方の5組が「最終決戦」に進出。2本目のネタを披露して、一番得点が高かった芸人が優勝する[15] 。
第3回(2019年)から - 決勝進出した10組によるブロックトーナメント。ファーストステージでは5組ずつAブロックとBブロックに分かれ、1組ネタを終えるごとに暫定の1位を決め、最終的に勝ち残った両ブロック1組ずつが最終決戦に進出。2本目のネタを披露して、一番票数が多かった芸人が優勝する[26] 。
決勝戦のリザーバー制度 [ 編集 ]
決勝戦の出場予定者が諸事情で決勝戦に出場できなくなった場合、準決勝を次点で敗退した出場者が繰り上がりで決勝に出場できる制度。過去に2組この制度が適用されて決勝進出を果たしている[注釈 12] 。
過去のリザーバー適用例
決勝戦結果 [ 編集 ]
2017年 [ 編集 ]
決勝進出者 [ 編集 ]
1stステージ [ 編集 ]
太字 が各試合の勝者
ネタ順
名前
得票数
ヒロミ
生瀬
新川
吉田
若槻
柴田
第1試合
先攻
はなしょー
116
後攻
ニッチェ
285
○
○
○
○
○
○
第2試合
先攻
アジアン
300
○
○
○
○
後攻
紺野ぶるま
101
○
○
第3試合
先攻
中村涼子
190
○
○
○
○
後攻
牧野ステテコ
211
○
○
第4試合
先攻
まとばゆう
286
○
○
○
○
○
後攻
押しだしましょう子
115
○
第5試合
先攻
どんぐりパワーズ
56
後攻
ゆりやんレトリィバァ
345
○
○
○
○
○
○
最終決戦 [ 編集 ]
ネタ順
名前
得票数
ヒロミ
生瀬
新川
吉田
若槻
柴田
1番
ニッチェ
33
○
2番
アジアン
47
○
3番
牧野ステテコ
89
4番
まとばゆう
31
5番
ゆりやんレトリィバァ
201
○
○
○
○
2018年 [ 編集 ]
決勝進出者 [ 編集 ]
1stステージ [ 編集 ]
太字 が各試合の勝者
ネタ順
名前
得票数
第1試合
先攻
ゆりやんレトリィバァ
111
後攻
あぁ〜しらき
290
第2試合
先攻
吉住
192
後攻
ニッチェ
209
第3試合
先攻
根菜キャバレー
92
後攻
合わせみそ
309
第4試合
先攻
横澤夏子
233
後攻
紺野ぶるま
168
第5試合
先攻
阿佐ヶ谷姉妹
217
後攻
紅しょうが
184
最終決戦 [ 編集 ]
ネタ順
名前
得票数
1番
阿佐ヶ谷姉妹
184
2番
あぁ〜しらき
31
3番
ニッチェ
37
4番
合わせみそ
35
5番
横澤夏子
114
2019年 [ 編集 ]
決勝進出者 [ 編集 ]
成績
名前
所属事務所
決勝出場回数
シード
キャッチフレーズ
ブロック
優勝
3時のヒロイン
吉本興業 東京[注釈 19]
初出場
シード
大中小のトリプルプレー
A
2位
はなしょー
ワタナベエンターテインメント
2年ぶり2回目
シード
全力コミカル少女、再び
B
1stステージ敗退
そのこ
吉本興業 東京
初出場
ノーシード
芸歴半年!謎多きピン芸人
A
にぼしいわし
スパンキープロダクション
初出場
ノーシード
地下で煮出したダシ系漫才
123☆45
フリー [注釈 20]
初出場
ノーシード
みちのくの里山ガールズ
ハルカラ
ケイダッシュステージ
初出場
シード
豹変!ウーマンライフコント
おかずクラブ
吉本興業 東京
初出場
シード
逆襲のコメディモンスター
B
阿佐ヶ谷姉妹
ASH&Dコーポレーション
2年連続2回目
シード
目指せ2連覇!おばさんの星
つぼみ大革命
吉本興業 大阪
初出場
シード
輝け!崖っぷちお笑いアイドル
紺野ぶるま
松竹芸能 東京
3年連続3回目
シード
3度目の正直!雪辱の裏女王
1stステージ [ 編集 ]
太字 が各試合の勝者
Aブロック
試合
名前
得票数
視聴者
久本
ヒロミ
田中
清水
哲夫
リンゴ
第1試合
先攻
そのこ
6
○
○
○
○
○
○
後攻
にぼしいわし
1
○
第2試合
暫定1位
そのこ
1
○
挑戦者
123☆45
6
○
○
○
○
○
○
第3試合
暫定1位
123☆45
3
○
○
○
挑戦者
ハルカラ
4
○
○
○
○
第4試合
暫定1位
ハルカラ
1
○
挑戦者
3時のヒロイン
6
○
○
○
○
○
○
Bブロック
試合
名前
得票数
視聴者
久本
ヒロミ
田中
清水
哲夫
リンゴ
第1試合
先攻
おかずクラブ
2
○
○
後攻
はなしょー
5
○
○
○
○
○
第2試合
暫定1位
はなしょー
4
○
○
○
○
挑戦者
阿佐ヶ谷姉妹
3
○
○
○
第3試合
暫定1位
はなしょー
4
○
○
○
○
挑戦者
つぼみ大革命
3
○
○
○
第4試合
暫定1位
はなしょー
7
○
○
○
○
○
○
○
挑戦者
紺野ぶるま
0
最終決戦 [ 編集 ]
ネタ順
名前
得票数
視聴者
久本
ヒロミ
田中
清水
哲夫
リンゴ
先攻
はなしょー
1
○
後攻
3時のヒロイン
6
○
○
○
○
○
○
2020年 [ 編集 ]
決勝進出者 [ 編集 ]
成績
名前
所属事務所
決勝出場回数
シード
キャッチフレーズ
ブロック
優勝
吉住
プロダクション人力舎
2年ぶり2回目
シード
恋するパラレルワールド
B
2位
紅しょうが
吉本興業 大阪
2年ぶり2回目
シード
ナニワストロングスタイル
A
1stステージ敗退
TEAM BANANA
吉本興業 東京
初出場
シード
ノンストップガールズ漫才
A
オダウエダ
吉本興業 東京
初出場
シード
立ち入り禁止の不条理空間
にぼしいわし
フリー[注釈 21]
2年連続2回目
シード
火がついた魚介系コンビ
ターリーターキー [注釈 22]
プロダクション人力舎
初出場
シード
麗しのソウルフルコント
Aマッソ
ワタナベエンターテインメント
初出場
シード
進撃のニュータイプ漫才
B
ゆりやんレトリィバァ
吉本興業 東京
2年ぶり3回目
シード
ふざけ散らしのコメディクイーン
はなしょー
ワタナベエンターテインメント
2年連続3回目
シード
汗と涙のコント劇場
ぼる塾
吉本興業 東京
初出場
ノーシード
毒入りゆるふわカルテット
1stステージ [ 編集 ]
太字 が各試合の勝者
Aブロック
試合
名前
得票数
視聴者
ヒロミ
久本
川島
田中
リンゴ
哲夫
第1試合
先攻
TEAM BANANA
4
○
○
○
○
後攻
オダウエダ
3
○
○
○
第2試合
暫定1位
TEAM BANANA
7
○
○
○
○
○
○
○
挑戦者
にぼしいわし
0
第3試合
暫定1位
TEAM BANANA
2
○
○
挑戦者
紅しょうが
5
○
○
○
○
○
第4試合
暫定1位
紅しょうが
7
○
○
○
○
○
○
○
挑戦者
ターリーターキー
0
Bブロック
試合
名前
得票数
視聴者
ヒロミ
久本
川島
田中
リンゴ
哲夫
第1試合
先攻
Aマッソ
3
○
○
○
後攻
ゆりやんレトリィバァ
4
○
○
○
○
第2試合
暫定1位
ゆりやんレトリィバァ
2
○
○
挑戦者
吉住
5
○
○
○
○
○
第3試合
暫定1位
吉住
5
○
○
○
○
○
挑戦者
はなしょー
2
○
○
第4試合
暫定1位
吉住
5
○
○
○
○
○
挑戦者
ぼる塾
2
○
○
最終決戦 [ 編集 ]
ネタ順
名前
得票数
視聴者
ヒロミ
久本
川島
田中
リンゴ
哲夫
先攻
吉住
6
○
○
○
○
○
○
後攻
紅しょうが
1
○
準決勝進出者 [ 編集 ]
2017年 [ 編集 ]
2018年 [ 編集 ]
2019年 [ 編集 ]
2019年
阿佐ヶ谷姉妹
123☆45
うみのいえ
おかずクラブ
オダウエダ
かぎしっぽ
河邑ミク
ガンバレルーヤ
2020年 [ 編集 ]
2020年
河邑ミク
栗尾
黒髪サンバ [注釈 33]
根菜キャバレー
紺野ぶるま
スパイク
ターリーターキー
TEAM BANANA
大会は開催前から批判を受けた。デイリー新潮 はMTV が主催するMTV Video Music Awards で男女別の表彰が廃止されるなどしたアメリカ合衆国 で同様の大会を開催したら「女性を特別視」しているとみなされ「政治的に正しくない 」としてひと悶着あるだろうと指摘。「それと比べれば、「女芸人ナンバー1」を無邪気に開催できる日本は、実に寛容で自由な国なのである。」と皮肉 を送った[54] 。お笑い評論家・ラリー遠田 は第1回開催当時、同じ土俵で戦っていたものを性別という基準で分けることに疑問を呈し、LGBT 的な人が出てきた場合どうするのかと投げかけている[55] (一方で第3回開催当時には「この大会には好印象を持っている」とも述べている[56] )。また、社会学者の太田省一 は、M-1グランプリ の最終決戦(上位3組)に女性コンビが残ったことが今まで1度も無い[注釈 36] ことを前例にとって「THE Wのような女性限定のイベントが出来るということは、女性がまだ女性枠としてしか評価されていないことの裏返し」と解説している[5] 。
第1回大会への参加を表明していた山田邦子 は、大会にスポンサーがつき審査員に出演料が支払われるにも関わらず、出場者は参加費を払い出演料は優勝賞金のみで支払われないということに疑問を呈した。山田は一度はそれに納得したものの、自身の名前が大会の宣伝に使われたことから主催者側に不信感を募らせ、結局参加を辞退している[57] [58] 。一方、当時の山田の所属事務所・太田プロダクション は、辞退は「事務所側から本人への説明不足」が原因だったとしている[59] 。
友近 は第1回大会の出場者の少なさを嘆き「ノラちゃん もブルゾン も出ない。大御所にも2000円を払わせる。コンセプトもはっきり決まってない。本当の『Wの悲劇 』にならんように」と薬師丸ひろ子 主演の映画にかけ批判しつつ出場には前向きだった[60] が、2回戦の本番直前にコントに使う小道具をマネージャーが忘れるというアクシデントに見舞われ欠場となった[61] 。
第1回大会の決勝の放送では、観客の不自然な笑い声に批判が集まった。SNS 上では「不愉快」「うっとうしい」などの書き込みが相次ぎ、この笑い声は日本テレビ側が用意した効果音なのではないかとの声も上がった。こうした疑惑について日本テレビの広報部は「効果音の使用は一切ございません」と否定している[62] 。
第3回大会については、日刊スポーツ 芸能番記者は「過去2回大会のレベルはお世辞にも高いとは言えなかった。もし今年も同じようなレベルだったらと危ぶんでいたが、今回はそんな思いを吹き飛ばしてくれた」といった内容をコラムにて評している[63] 。また、第1回・第2回決勝戦に副音声で出演していた松本人志 は「ちゃんとしたコンテストになってきた」と感じたと、本大会の“進化”を指摘している[64] 。
その他 [ 編集 ]
第3回(2019年)でエントリー方法、審査方法など変更になった点が多かったが、その他にも「改革」が色々行われた。前述で「レベル」の評価があったのを受けるように、女性芸人全体のレベルアップを図るのを目的として、本番組のバックアップによるライブ『THE W presents 女芸人ネタ祭り』を立ち上げ、2019年から開催。多くの事務所から女性芸人が参加し、持ち時間も準決勝以上進出経験者は4分、それ以外は基本2分と大会本番同様の制限時間も設けられている。観客投票制で3位まで順位が発表され、2019年のこのライブでは3時のヒロインは1位1回を含む参加した3回全てでベスト3に入った他、準優勝のはなしょーも1回、ファイナリストのハルカラも2回それぞれ1位を獲得している。終演後にはネタについて話をする機会として出演芸人の他にTHE Wスタッフ、放送作家、その他日テレ社員も加わっての懇親会を行っている[31] 。
第3回で決勝戦のセットも大きく変更。第1回・第2回のセットについて、これまでスタジオゲスト及び審査員として3回全て出演しているヒロミ から「舞台がお客さんから離れ過ぎてるから(出場芸人が)やりにくいんじゃないか」と言われたこともあり、懇親会を通じて芸人たちの要望を聞いたり各事務所からの意見を受けた結果「劇場のようなセットが一番良い」ということで、その劇場はどれにしたらいいのかを訊いたところ、CBGKシブゲキ!! が一番挙がったことから、これを参考にしてセットを組んだという。また準決勝と決勝で客層に大きな違いを出さないように、準決勝において観客の一部は招待制とし、準決勝も決勝戦のスタジオに近い客層とすることを図った。そして決勝戦本番の緊張感の緩和を図るために控室の割り当ても変更。第1回・第2回のファーストステージは1対1対戦の形式だったことから、緊張感を保つために対戦相手とは楽屋もエレベーターも別にして、スタジオまで一切お互いを会わせないようにしていたが、もう少し和気あいあいな雰囲気の方が実力を発揮しやすいという意見があったことから、大部屋を控室として全出場者をそこに集結させることとした[31] 。
他のお笑い賞レースの決勝戦の放送時間(2020年においては、M-1グランプリ は18:34 - 22:10、R-1ぐらんぷり は19:00 - 21:00、キングオブコント は19:00 - 21:54)に比べてTHE Wは最も遅い時間まで放送されており、優勝者の会見は午後11時過ぎとなる。そのため、スポーツ紙など各新聞は締め切り時間の関係で、優勝会見の記事は翌日の新聞紙面にはさわり しか紹介できなかったり、一部地域配達分にしか掲載出来ず地域によっては掲載出来なかったりすることも多い[65] 。
スタッフ [ 編集 ]
女芸人No.1決定戦THE W 2020事務局:神夏磯秀、中澤晋弥、武藤佑樹、服部有紀子、邵東方、清原覚、田嶋大輔、上妻正純、本田太一、森本香織/吉本興業 (よしもとクリエイティブ・エージェンシー ) ビープス(神夏磯・中澤・武藤・田嶋・上妻・本田・森本→2017(第1回)-、服部→2018(第2回)-、その他→2019(第3回)-)
予選運営(第3回-):石崎由樹、奈良弥春、松山祐輝、石本夏穂、桒原典明、下瀬賢、永谷和也、井上結衣、曽根彩加、松原千尋(その他→第3回-、奈良・下瀬・永谷・井上・松原→第4回)
構成:桜井慎一 /飯塚大悟、安部裕之
ナレーター:木村昴 (第3回-)、町田浩徳 (日本テレビアナウンサー、第2回-)、奈波果林 (第4回)
1・2回戦 準決勝 審査員:遠藤敬 、大塚智仁、小堂稔典、小林仁 、東雲信介、寺本覚 、野々村友紀子 、藤井直樹、堀由史 、森(野々村・堀・森→第1,2回は構成)、柳しゅうへい、善積知樹、吉原洋、和田義浩(遠藤・大塚・小堂・小林・寺本・柳→第1回-、東雲・藤井・吉原→第2回-、善積→第3回-)
美術プロデューサー:大川明子(第1回-)
美術デザイン:熊崎真知子(第1回-)、田中庸之(第2回-)
大道具:相馬勇、櫻岡諒(共に第1回-)
電飾:平ノ内厚夫(第1回-)、川井智香子(第1回)
アクリル装飾:松本健、山田隼人(共に第1回-)
小道具:伊沢英樹(第1回-)
特殊効果:内山栄一(第1回-)
持ち道具:松村楓(第4回)
メイク:奥松かつら (第1,3回-)
ロゴデザイン:大岩 Larry 正志(第2回-)
グラフィックデザイン(CG):森三平 (第1回-、第1回はCG、第2回-、グラフィックデザイン)
バーチャル:末継栄一(第1回-)、大竹栄子(第3回-)、狩野博貴(狩野→第2回-)
ECG:宮前芳恵(第1回-)、吉本江里菜(第3回-)、馬屋原彩咲(第4回)
TM:望月達史(第2回-)
TD:天内理絵(第3回-、第2回はVE)
SW:渡辺滋雄(第2回-)、佐藤裕司(第1,2,4回)
CAM:渡邊晃、矢作陽一(共に第4回)
MIX:清水秀明(第1回-)、松村美緒(第4回)
VE:塩原和益(第3回-)、橋詰聖仁(第4回)
ノンリニア編集:菅谷恵子(第3回-)
モニター:紺野智宏(第1回-)
照明:千葉雄(第2回-)
美術協力:日テレアート (第1回-)
技術協力:NiTRO (第1回-)、株式会社ヌーベルバーグ (第3回-)
協力:ジャパンテレビ 、俳優座劇場 、テルミック、ヤマモリ 、テレフィット 、アガサス、アプローズ、俳優座特効(共に第1回-)、Candee(Can→第4回)
編成:上田崇博(日本テレビ、第3回-、第1回のみ演出を担当)、亀甲博行(日本テレビ、第4回)
宣伝:村上淳一(日本テレビ、第3回-)
営業推進:滝澤真一郎(日本テレビ、第4回、第3回はプロデューサー)
WEB:棚村知佳(第4回)
配信:伊藤加寿子(第4回)、長島慎祐(第3回-)
データ放送:小菅亮子(第3回-)
編集:加納敏行(イカロス 、第1回-)
MA:安藤隆司(イカロス、第4回)
音効:小田切暁(第1回-)
TK:長坂真由美、伊村佳恵(共に第1回-)
デスク:齊藤智美(第2回-)
制作進行:小松正樹(第3回-)
AD:池上雄哉、八木彩香、河原木萌、加嶋龍一、大岩玲奈、谷口咲季、西村采恵(池上→第1回-、八木・河原木・加嶋・大岩・谷口・西村→第4回)
AP:武藤佑樹、服部有紀子、清原覚、岸加苗、内藤葵、原田このみ(武藤・服部→第2回-、清原・内藤→第3回-、岸・原田→第4回)
ディレクター:越山理志(日本テレビ)、大納啓太、黒川勝功、田中真之、尾越功(ハンター)、妹尾友祐、川口順也、大谷俊介、志和幸奈(ザ・ワークス)、三宅佑治・蔡理皓(EPOCL)(大谷・川口→第1回-、志和→第2回-、越山・田中・尾越・妹尾・三宅・蔡→第3回-、大納・黒川→第4回)
演出:吉川真一朗(日本テレビ)、井上将司、諏訪一三(ZION )、栗原利典(ザ・ワークス)、錦織信彦、渡辺剛(吉川・栗原・錦織→第1回-、諏訪・渡辺→第3回-、井上→第4回)
プロデューサー:小江翼・川口信洋・沢田健介(日本テレビ)、神夏磯秀・中澤晋弥(吉本興業)、山本玲子・城野麻衣子(ザ・ワークス)、藤田志帆、坪井理紗(EPOCL)、五十嵐久也(神夏磯・中澤・山本→第1回-、沢田・城野・坪井→第3回-、小江・川口・藤田・五十嵐→第4回、藤田→第2,3回はAP)
統轄プロデューサー:宮本誠臣(日本テレビ、第2回 - )
総合演出:宮森宏樹(日本テレビ、第3回 - )
チーフプロデューサー:東井文太 (日本テレビ、第2回 - )
制作協力:吉本興業 、THE WORKS 、EPOCL(吉本・THE→第1回-、EPOCL→第3回-)
製作著作:日本テレビ
過去のスタッフ [ 編集 ]
女芸人No.1決定戦THE W 事務局:小倉文(第1,2回)
予選運営:谷本雅彦、須美高志、柴田春菜、辻知恵理(第3回)
1・2回戦 準決勝審査員:元祖爆笑王 、玉置高幸、宮丸直子(第1回)、スマイルメロディー
1・2回戦密着ディレクター:馬場省吾、岩﨑陽介、三原誠、山下純平、鷲見演博、竹本明香、久世恵太、伊藤篤史(第1回)
構成:田中裕作、ヒロエトオル(第1回)、永井ふわふわ/一色秋三郎(第1回は高須光聖名義)(永井・一色→第1,2回)、澤井直人 、坂田至(澤井・坂田→第3回)
ナレーター:橋本さとし (第2回)
美術デザイン:津島美樹(第1回)
電飾:渡辺須美恵(第2回)
メイク:小室あい(第2回)
グラフィックデザイン:三宅大介(第1回)
バーチャル:桾澤勇、鈴木寿晃(共に第1回)、浅田一花(第1,2回)、加藤真理(第2回)
ECG:滝澤奈美子(第1,2回)
TM:坂東秀明(第1回)
TD・SW:小林宏義(第1回)、蔦佳樹(第2回)
SW:村田陸彦(第3回)
CAM:大庭茂嗣(第1,2回)、加美山稔、海野亮(加美山・海野→第3回)
MIX:村瀬脩一(第1回)、山口直樹(第2回)、木村宏志(第3回)
VE:三山隆浩(第1回)、鈴木昭博(第1,2回)、飯島章夫(第3回)
照明:宮田千尋(第1回)
技術協力:すくらんぶる、よしもとブロードエンタテインメント (共に第2回)
協力:アフロ (写真)、株式会社スイッチ(スイッチ→第3回)
音源協力:ユニベックス株式会社(第3回)
編成企画:長田宙(日本テレビ、第1回)
編成:渡邊真誉・水田貴久・天野英明(日本テレビ、渡邊→第1,2回、水田→第2回、天野→第3回)
宣伝:中田直子・斉藤由美・石尾純(日本テレビ、中田→第1回、斉藤→第2回、石尾→第3回)、田嶋大輔(吉本興業、第1-3回)
営業推進:渡辺卓郎・堀金澄彦・鈴木信(日本テレビ、堀金→第2回、第1回はプロデューサー、渡辺→第1回、鈴木→第2,3回)
WEB:倉又広行、岩田理沙(共に第1-3回)
配信:宮原耕介(第1回)、池澤明日香(第2回)
MA:松川智美(ザ・カラーズ、第1回)、島崎敏晴・梶山恭一(イカロス、島崎→第2回、梶山→第3回)
音効:浅井孟義(第1,2回)
TK:奈良里美(第1-3回)
デスク:櫛山照美(第1回)
制作進行:増田沙織(第2回)
AD:木皿博子、石川由佳(共に第1回)、正岡夕希、酒井俊也(共に第1,2回)、福岡蓮太、小見早苗、碓井里江子、小山陽平(共に第2回)、湯浅祐市(第2,3回)、根本裕紀、窪田悠佑、松本早紀、五十嵐香織(共に第3回)
AP:小倉文、阿部里江、小黒みやこ(共に第1,2回)、森谷祥子(第2回)、邵東方、上岡恵莉華、豊田侑吏恵、梶山智未(共に第3回)
ディレクター:安池薫、田村秋男、小澤昌史(共に第1回)、安田大地、田中雄大(共に第1,2回)、前川コーファン、小山貴広、高田直、江連頼久、太田みどり、西岡伊吹(共に第2回)、大井章生(大井→日本テレビ)、益田洋平、山下貴之(共に第3回)
演出:渡辺邦宏(日本テレビ、第2回はディレクター)
プロデューサー:鈴木淳一・小林拓弘(日本テレビ)、山川好美(ZION)、大川泰(STAYTUNED)(鈴木→第1,2回、小林・山川→第1-3回、大川→第3回)
総合演出:安島隆(日本テレビ、第1,2回)
チーフプロデューサー:森實陽三 (日本テレビ、第1回)
制作協力:ROFL
パロディ番組・企画 [ 編集 ]
有吉の壁
「賞レースの壁を越えろ!男版 THE W 」(2020年12月9日放送)
「ブレイク芸人選手権」(本ネタではないキャラクターに扮してネタを披露する)の派生企画で、男性芸人たちが女性芸人になりきりネタを披露した。優勝はインポッシブル 扮する「JKボンバーズ」。
関連項目 [ 編集 ]
外部リンク [ 編集 ]