HELLSING

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。PMmgwwmgmtwp'g (会話 | 投稿記録) による 2022年11月25日 (金) 10:45個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (微修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

HELLSING

アニメ版HELLSINGのロゴ
ジャンル 青年漫画ダーク・ファンタジー
バトルアクション
漫画
作者 平野耕太
出版社 少年画報社
その他の出版社
アメリカ合衆国の旗カナダの旗イギリスの旗 ダークホースコミックス
オーストラリアの旗ニュージーランドの旗 Madman Entertainment
大韓民国の旗 Joeun Sesang
中華民国の旗 香港の旗 東立出版社
シンガポールの旗 Chuang Yi
インドネシアの旗 Level Comics
フランスの旗 Tonkam
イタリアの旗 J-POP Manga
ドイツの旗 Planet Manga
スペインの旗 Norma
ポーランドの旗 J.P. Fantastica
タイ王国の旗 Siam Inter Comic
ノルウェーの旗デンマークの旗 Mangismo
リトアニアの旗 Obuolys
スウェーデンの旗 Egmont Kärnan AB
ハンガリーの旗 Mangafan
ブラジルの旗 Editora JBC
フィンランドの旗 Egmont Kustannus
アルゼンチンの旗 Editorial Ivrea
掲載誌 ヤングキングアワーズ
発表期間 1998年 - 2009年
巻数 全10巻
話数 全89話+特別収録3話
漫画:THE DAWN(外伝)
作者 平野耕太
出版社 少年画報社
掲載誌 ヤングキングアワーズ増刊号
話数 全6話(未完)
アニメ
原作 平野耕太
総監督 飯田馬之介
監督 浦田保則
シリーズ構成 小中千昭
脚本 小中千昭、ほそのゆうじ
キャラクターデザイン 村田俊治
メカニックデザイン 河野悦隆
音楽 石井妥師
アニメーション制作 GONZO/Digimation
製作 Hellsing製作委員会
放送局 フジテレビ系列
放送期間 2001年10月11日 - 2002年1月17日
話数 全13話
OVA
原作 平野耕太
監督 ところともかず(#1 - #4)
田中洋之(#5 - #7)
松村やすひろ(#8、#10)
鈴木健一(#9 - #10)
シリーズ構成 黒田洋介
脚本 黒田洋介(#1、#3、#6、#7)
倉田英之(#2、#4、#5、#8 - #10)
キャラクターデザイン 中森良治
メカニックデザイン 天神英貴
音楽 松尾早人
アニメーション制作 サテライト(#1 - #4)
マッドハウス(#5 - #7)
グラフィニカ(#8 - #10)
製作 WILD GEESE
発表期間 2006年2月10日 - 2012年12月26日
話数 全10巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

HELLSING』(ヘルシング)は、平野耕太による日本漫画作品。

概要

本作は少年画報社の『ヤングキングアワーズ』誌に27号(1997年5月2日発売)から2008年11月号まで連載されていた。2009年3月時点で累計発行部数は400万部を突破している[1]

主に20世紀末のイギリスを舞台とし、大英帝国の王立国教騎士団、通称「ヘルシング機関」と、これに所属するインテグラ、アーカード、セラスの3人を主軸に展開する吸血鬼と吸血鬼ハンター[注 1]との戦いを描いたバトルアクション漫画である。「平野節」と呼ばれる作者独特の過激な台詞回しが大きな特徴。また、1944年のワルシャワを描いた外伝『THE DAWN』がある。

題名の「ヘルシング」はブラム・ストーカーの恐怖小説『吸血鬼ドラキュラ』の登場人物ヴァン・ヘルシング教授に由来し、主人公の1人であるインテグラがヘルシング教授の子孫であるとされている。ただし、ヘルシング教授の名前の綴りは“Helsing”である。

作者本人の過去の作品からの登場人物(名前、外見問わず)の流用が多く、また、ナチスの残党やイスカリオテ機関などの設定の原型も同様に見られる。

2001年ゴンゾ・ディジメーションによってテレビアニメ化され、その後は2005年サテライトによってOVA化される。

米国では、2003年から英訳単行本7巻が刊行され、2006年には大手出版業界関係とNBCの協力で行われる「クィル賞」の「読者が選ぶベスト本」ベスト・グラフィックノベル部門に『NARUTO -ナルト-』と並んでノミネートされた(受賞は『NARUTO -ナルト-』)。また、日本でも2006年「日本のメディア芸術100選・マンガ部門」で22位に選ばれている。

Guardians of Order社より2002年8月30日にテレビアニメ版の解説書が2巻、2004年6月7日d20システムを採用したTRPG版Hellsingが発売された。

ブランドMARS SIXTEENより平野描き下ろし絵を使った公式Tシャツシリーズが6種類販売(2009年8月時点)されている[2]

2021年3月、ハリウッドでの実写映画化が報じられた[3]

本編外の作品

快楽天版

本編連載前に『COMIC快楽天』1996年10月号に掲載された読切漫画で、題は本編同様『HELLSING』。ストーリーもほぼ第1話に沿っているが、連載版との相違点としてアーカードが白木の杭を放つライフルを所持している、非処女でも吸血鬼になるといった設定の違いなどが存在する。単行本未収録。

『THE DAWN』

『ヤングキングアワーズ増刊号 ヤングキングアワーズプラス』に掲載されていた外伝漫画。
掲載誌の休刊により第6話までの未完となっており、単行本にも未収録。『ヤングキングアワーズ』2012年2月号の付録として、雑誌連載された全話を収録した冊子が付属された。

あらすじ

20世紀末。英国では不可解な吸血鬼事件が頻発し、ヘルシング家当主インテグラ率いる王立国教騎士団・通称「ヘルシング機関」は、絶大な力を持つ吸血鬼でありながら吸血鬼を狩るアーカードと、新たに吸血鬼となった婦警セラスを使役し、対処にあたっていた。しかし、暗躍する謎の敵組織により、ヘルシング機関本部が強襲されるなど多大な被害を受ける。一方、プロテスタントである英国とは犬猿の仲であるヴァチカンおよびその直属「イスカリオテ機関」もまたカトリック教徒が多い英国アイルランド北部での吸血鬼事件に介入し、ヘルシング機関はアーカードに匹敵しうる対化物の切り札アンデルセン神父と戦闘を繰り広げる。紆余曲折を経てヘルシング機関はイスカリオテ機関と協力関係を持ち、事件の黒幕が南米に逃れたナチス残党による組織「ミレニアム」だと知る。

情報収集のためブラジルへ派遣されたアーカードはミレニアムの構成員や協力者らに襲われるも、逆に彼らの正体が先の大戦末期にヘルシング機関が潰した「少佐」と呼ばれる男の部隊であると判明。すべての準備が整った少佐は英国王室の会議で、英国に対する宣戦布告を行い、配下の者達に「第二次ゼーレヴェ(あしか)作戦」の開始を宣言する。一方、その場にいながら少佐から無視されたイスカリオテ機関は、英国とミレニアムを共に潰そうと画策し、英国を再征服(レコンキスタ)するために機関長マクスウェルを最高指揮官とする第九次空中機動十字軍を結成する。

陽動作戦によってアーカードを英国から引き剥がすことに成功したミレニアムは、帝都ロンドンへの奇襲に成功する。さらにヘルシング機関へ強襲をかけ、ほぼ戦力を無効化するが、真の吸血鬼として覚醒したセラスによって強襲部隊は壊滅させられてしまう。その間隙を縫って、イスカリオテ機関は地獄と化したロンドンに侵攻をかけ、ミレニアム、ロンドン市民問わず、殲滅を敢行する。ミレニアムと十字軍の軍隊が対峙し、ロンドンにおける英国の戦力が事実上インテグラとセラスの2人だけという絶望的状況の中、帰還したアーカードは死の河こと「拘束制御術式 零号」を解放する。アーカードの内にある数百万の亡者達が放出された結果、瞬く間にミレニアムと十字軍の地上部隊は壊滅し、戦況は逆転する。

混乱の中でマクスウェルは死亡し、アンデルセンは十字軍の失敗を宣言すると、単身でアーカードに挑む。自ら茨の化物となってアーカードを追い詰めるも、アンデルセンは敗北し亡くなる。そこに若返ったインテグラの老執事ウォルターが現れ、ミレニアムに寝返ったことを明かした上でアーカードへ挑む。インテグラは信頼していたウォルターへの決別を宣言すると、セラスを従え、少佐が待ち構える飛行艇へ乗り込む。

アーカードとウォルターの戦いは、ウォルターが善戦するものの、無理に吸血鬼化した身体が限界を迎え、アーカードが追い込む形となる。アーカードは血の河を自らの体内に戻し始めるが、この瞬間を狙って全ての策を講じていた少佐により切り札であるシュレディンガーの血を混ぜられ、アーカードは自己を認識できなくなり消滅する。強化ガラスを隔てて対峙するインテグラに対し、少佐は勝利の余韻に浸る。強敵・大尉を討ち果たしたセラスの合流により強化ガラスが破られ、負傷した少佐はサイボーグであることが判明する。少佐は「人間」の定義について語り、人として化物であるアーカードを倒したことを誇るが、インテグラはそれを否定する。一騎討ちの果てに、少佐は満足な笑みを浮かべて絶命し、インテグラはアーカードの帰還を予言する。

30年後。アーカードは未だ帰還しない中、年相応に老けたインテグラは、変わらず女傑としてヘルシング機関を率いていた。ある夜、就寝中のインテグラを何者かが襲い、彼女が応戦しセラスが駆けつける。そこにいたのは、復活したアーカードであった。アーカードは30年間、自分の中の命を殺し尽くし、自己を認識できるようになって復活したのだった。インテグラは指先を切って血をアーカードに与え、2人は軽く挨拶を交わした。

登場人物

ヘルシング機関(大英帝国王立国教騎士団)

大英帝国英国国教会を反キリストの化物から護るための組織。その長はヘルシング家の当主が務めるため、通称「ヘルシング機関」と呼ばれる。ロンドン郊外にあるヘルシング家の屋敷を本部とする。

吸血鬼アーカードや執事ウォルターなどが吸血鬼退治に当たるが、一般戦闘員も多く抱えている。しかし、物語序盤のヴァレンタイン兄弟による本部襲撃で、人員は数名を残してほとんどが死亡する。その後、ベルナドット率いる傭兵部隊を充ててカバーしている。

アーカード
声 - 中田譲治[4]
本作の主人公[5]。ヘルシング家当主インテグラに従者として使役され、吸血鬼でありながら吸血鬼狩りを行っており[5]、「化物に対する鬼札(ジョーカー)」と形容される。『吸血鬼ドラキュラ』に登場したドラキュラ伯爵その人であり、かつてはワラキア公国の君主であったことも描写される(ドラキュラ伯爵のモデルはワラキア公国の君主ヴラド・ツェペシュと一般に知られているが、ヴラド自身であるかは作中では明言されていない)。
普段の容姿は細身の長身で黒の長髪という青年の姿で、赤いロングコートを羽織り、サングラスを掛けていることが多い。性格は傲岸不遜かつ傍若無人でインテグラにも平然と軽口を叩く。その戦闘能力は後述するように圧倒的であり、戦い自体を楽しみ、相手を小馬鹿にするような言動をしたり、いたぶるように殺すことも多い。また、戦闘の余波で無関係の人間が巻き込まれることのみならず、事情を知らずに黒幕に操られているだけの人間であっても自分に挑んできた場合には平然と惨殺する。しかし、人間という存在そのものを侮蔑してはおらず、特に「諦めない存在」としての価値を高く見ており、むしろ化物である自分を人間であることに耐えられなかった弱い存在だと自嘲する。このため、人として自らと対峙したアンデルセンを宿敵として高く評価し、その彼が茨の化物となることを選んだ際にはショックと同時に自分のようになるなと懇願する。また、姿は意味のないものとして普段の姿を変えることもあり、特に『THE DAWN』や本編終盤では少女の姿をとっている[注 2]。また、「死の河」開放時には精悍な中年男性の姿にもなっている。
吸血鬼として並外れた身体能力を持ち、さらに本物の吸血鬼として異常な回復力や使い魔の使役といった特殊能力を持つ。通常時でも圧倒的な戦闘能力を持つが、それすらも普段は拘束制御術式「クロムウェル」と呼ばれる封印で力を制限された状態であり、敵の強さに応じて部分的に術式の解放を行う(1から3号まである)。また、直接的には白い拳銃「.454カスール カスタムオートマチック」と黒い拳銃「ジャッカル」の2丁拳銃で戦い、必要に応じて肉弾戦でも戦う。本来の吸血鬼として血を飲んだ相手を自らの内に取り込むという能力を持ち、これによってかつて自身が血を飲んだ(取り込んだ)相手に成り代わることもできる。これ自体が命のストックとなり、首を切られてもストックを消費することで復活できる。このため、正攻法でアーカードを殺すには彼が今までに吸った数十万、数百万ともつかない数の命を全て殺し、その上で心臓を潰す必要がある。また、「クロムウェル」の零号を解放することで「死の河」とも呼ばれる今までに吸った命の全てを亡者の群れとして解放することも可能であるが、その場合は本体の命は1つとなるリスクが存在する。
名前のアーカード(Arucard[6]ドラキュラ(Dracula)の逆綴りと一字違い。テレビアニメ版ではインコグニートとの邂逅の際彼の「誰でもない」という名に対し「アーカードという名前もアナグラム」と返している。
インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング
声 - 榊原良子(幼少時:水橋かおり
アーカードの主人。略称「インテグラ・ヘルシング」。年齢は20代半ば[7]。ヘルシング家当主にして大英帝国王立国教騎士団局長、および円卓会議の一員。
長い金髪、褐色肌の眼鏡をかけた女性。よく葉巻を咥えている。物語の前半では非常時などに焦りや弱さを覗かせることがあり、少佐に「戦争処女(アマチュア)」と揶揄されたが、基本的に強靭かつ冷静沈着な性格で、最終的な決断は全て自らの意志で下した。
最初のアンデルセンとの対峙や第二次ゼーレヴェ作戦下では武器としてを使った。アンデルセンの一撃を受け止めたり、吸血鬼の首を切り落としたりと、腕は相当に立つようである。
10年前に父、アーサーの遺言で家を継ぐが、それを良く思わない叔父、リチャードによって命を狙われる。ヘルシング邸地下に追い詰められた際、リチャードに撃たれたが、飛び散ったインテグラの血がアーカードの封印を解くことになり、彼の主人となると同時に叔父を殺し、名実ともにヘルシング家の当主となる。
第二次ゼーレヴェ作戦においては、その身柄を狙う武装神父隊にふてぶてしい態度で真正面から臨み、その態度を面白がったアンデルセンに護衛されながらヘルシング機関本部へと向かう。アーカード到着、およびアンデルセンの死亡後には、少佐の招きを受けて、セラスと共にミレニアムの旗艦「デウス・エクス・マキナ」に乗り込む。少佐との一騎討ちでは左目を銃撃され負傷するも、これを打ち倒す。
2030年には負傷した左目に眼帯を付けているが、ヘルシング家当主としては健在。相変わらず処女であり後継者はおらず、一家が国の一機関を統括するのは時代遅れだとして自分の死後はヘルシング機関を通常の国家機関とする意思を示している。
セラス・ヴィクトリア
声 - 折笠富美子
アーカードの眷族の女吸血鬼で、本作におけるもう一人の主人公[5]。元々は警察官で通称「婦警」。年齢は20歳前後[8]。金髪で胸が大きいのが特徴。後述のチェダース村事件の際にアーカードに血を吸われて吸血鬼化、ヘルシング機関員となる[5]
アーカードを「マスター」と呼び、基本的にアーカードの従者のような立場にいる。戦闘に関しては専用武器「ハルコンネン」、第二次ゼーレヴェ作戦下では「ハルコンネンII」を用いるが、警察官時代の組み手や吸血鬼としての基礎能力による格闘戦なども行う。
性格はどこか気弱で、吸血鬼であることに対しての気後れや戸惑いなどが見られる。そのためたとえ輸血用の血液であっても血を飲むことを拒否し、アーカードの行動にも付いていけないことがある。対して激昂すると並の吸血鬼やグールなど敵にならないような戦闘力や残虐性を発揮する。その素質はアーカードはもちろん、なぜかミレニアムのリーダー「少佐」も気付いていた。アーカードに「おっかなびっくり夕方を歩く奴」と言われるように、作中では人と吸血鬼の間を漂うような存在となっている。また、作品のコメディリリーフ的な役割も果たしている。
幼い頃、警察官だった父親の命を狙った2人組の犯罪者に自宅を襲撃され、目の前で両親を殺された上、自身も瀕死の重傷を負う。孤独な幼少時代を過ごした後、周りの反対を押し切って警察官となる。その後、吸血鬼の牧師が起こしたチェダース村事件に警官隊の一員として派遣されて瀕死の重傷を負うが、(処女であるため)血を吸われて吸血鬼になるかそのまま死ぬかの選択肢がアーカードによって与えられ、吸血鬼になることを選択した。表向きはチェダース村事件で行方不明ということになっている。
第二次ゼーレヴェ作戦ではベルナドットと共にヘルシング機関の防衛任務を負い、ゾーリンの部隊を迎え撃つ。ゾーリンとの戦いでは左腕を切り落とされ、目を潰されるなどの瀕死の重傷を負うが、ベルナドットの遺言に従って彼の血を吸い、アーカードの眷属に相応しい吸血鬼として覚醒。ゾーリンを難なく倒しアンデルセンも感嘆するほどの存在となる。また切られた腕は不定形の黒い霧のような物に変えられるようになり(最終回では「影」と呼ばれている)、翼に変形して空を飛ぶなどの能力も得る。そして、インテグラと共に旗艦「デウス・エクス・マキナ」に乗り込み、自分の中のベルナドットと協力しながら大尉を倒した。
2030年には不在のアーカードに代わって、かつての彼の様な位置にいる。切り落とされた腕は再生していないが、通常の腕と同じ状態を保てるようで不自由ではなさそうである。また、その影をヘルシング機関本部に張り巡らし、訪問中のイスカリオテ機関のメンバーを監視していた。
ウォルター・C(クム)・ドルネーズ
声 - 清川元夢(青年時:浪川大輔 / 少年時:朴璐美
69歳。先代ヘルシング卿の頃よりヘルシング家に仕える老執事。現在でこそ老成しているが、若い頃は口が悪く凶暴で、他人の煙草を奪って吸うといった悪行を行っていた。
「死神」の異名を持ち、かつてはヘルシングの先兵として吸血鬼狩りを行っていた。得物は極細の鋼線であり、これを自在に操ることであらゆる物を切断し、時には編み込むことで銃撃すら防ぐとしても活用する。55年前の若き日にはアーカードと共にナチスの吸血鬼研究機関を壊滅させており、その際に現在のミレニアムの原型となる少佐の部隊と交戦している。
ヴァレンタイン兄弟がヘルシング機関本部を強襲した際は、セラスと共にヤン率いる武装したグールの集団を一掃する活躍を見せる。
第二次ゼーレヴェ作戦では大英帝国安全保障特別指導部本営の裏切り者を一掃し、インテグラを護衛してヘルシング機関本部へ向かう。その途中で因縁深い大尉と対面し、インテグラを逃がして自らはその場に留まった。その後、経緯は不明だが、アーカードと闘いたいという理由でミレニアム側に寝返り、余命幾許も無いというリスクを負ってまで、かなり無茶な吸血鬼化の施術を受ける。吸血鬼化し若返った後は、高層ビルを切り倒し、由美江を瞬殺するなど、老いていた時とは比べ物にならない実力を発揮し、アーカードとも互角に渡り合う。しかし、倒す寸前まで追い詰めながらも、無茶な施術のせいで身体維持に問題が発生し始めたことに加え、アーカードが再び血を吸い多くの命を取り込み始めたため、己の手でアーカードを滅ぼす機会を永遠に失う。
アーカード消滅後、彼を自分で殺すことができずに放心状態だったところをハインケルに狙撃される。一時、そのまま殺されることを受け入れようとしたが、裏切り者なりの最後のけじめと幕引きのために旗艦「デウス・エクス・マキナ」に向かう。そこで逃亡しようとしていた博士を殺すと、アーカードを倒せなかったことを悔やみつつ、インテグラへの別れの言葉を呟き、燃え尽きる飛行船と運命を共にする。
いつからヘルシング機関を裏切っていたかについては詳細は不明だが、インテグラが叔父に襲われアーカードと契約した時分、本来ならインテグラをいつでも護れる位置に居ながらも何故かその時は居なかったと、ウォルターを知っている者たちから疑問視されていた。
ピップ・ベルナドット
声 - 平田広明(少年時代:五十嵐裕美
年齢は20代後半。ヴァレンタイン兄弟の襲撃によって壊滅状態となったヘルシング機関の兵の補充のために雇われた傭兵部隊「ワイルドギース」の隊長。左眼の眼帯と三つ編みにした長い髪がトレードマークのフランス人。
10代前から傭兵を家業としている家の出で、父親も傭兵として戦死している。幼少期に、家柄が原因で学校でいじめられていることを祖父に訴えたこともあった。
一見軽いノリの青年だが、傭兵としては優秀。危険な状況下でも洒落っ気を忘れず、部下たちからも慕われている。また、兵士としての矜持も強く、略奪と殺戮を重ねてきたミレニアムを軍隊と認めず「せいぜい人殺しの集団」と評している。主な武器はAK-74コルトSAAなどの銃器
ブラジル戦では混乱の最中、単独で敵司令部を壊滅させ、さらにアーカードの次の動きを読んでヘリの奪取を実施する。続く第二次ゼーレヴェ作戦下では、ヘルシング機関本部の防衛任務を負い、卓越した指揮で敵吸血鬼部隊に大打撃を与えるものの、ゾーリンの幻術によって一転、窮地に陥る。
その後、ゾーリンとセラスの戦いの際にセラスを庇い致命傷を負う。最期はセラスとキスを交わし、「俺を喰え」と告げて息を引き取った。セラスが真の吸血鬼となった後はセラスの命と同化した状態となり、対大尉戦ではセラスに助言したり鼓舞したりし、最後に大尉に致命打となる「銀の差し歯」を撃ち込んだ。
2030年の時点でもセラスの影として活動しており、館の全域を覆っていた影に気付いた間久部に悪態をつく。
原型となったのは『COYOTE』の主人公、ピップ・ボルナードだが、そちらでは眼帯は無く、アンデルセンと同じ銃剣を愛用武器としている。
アーサー・ヘルシング
声 - 大塚周夫(青年時:浪川大輔
インテグラの実父。先代ヘルシング機関当主。本編では故人。インテグラの回想にわずかに登場し、死の間際に弟が家の簒奪を目論むことを憂慮して、間接的にアーカードの解放を彼女に遺言として残す。アイランズ卿とはオックスフォード大学の同窓生で盟友。
外伝『THE DAWN』においては1944年当時のヘルシング家当主の青年として登場し、ワルシャワへアーカードと若き日のウォルターらを派遣する。大酒飲みの女好きという破天荒な性格をしており、ナチスの人工吸血鬼計画を憂慮するアイランズを振り回す。

大英帝国円卓会議

英国王室に忠誠を誓う政治家貴族軍人など政財界の重要人物で構成された秘密結社。アーサー王伝説円卓の騎士に倣い、12人の構成員がいる。インテグラもこのメンバーの1人。

ヒュー・アイランズ卿
声 - 水野龍司(TV版) / 堀勝之祐(OVA版)、諏訪部順一(青年時)
円卓会議議長で中心人物の老人。先代ヘルシング卿とはオックスフォードからの同窓で、アーサーと呼ぶなど仲が良かったと同時に、彼のあまりに破天荒な性格に苦労していた。なお、少佐の宣戦布告時には「邪魔をしないでくれ若造」と軽くあしらわれている(OVA版ではカットされている)。
2030年には、彼の曾孫が後を継ぎ、円卓会議の一員として登場している。
シェルビー・M・ペンウッド卿
声 - 北川勝博(TV版) / 広瀬正志(OVA版)
円卓会議の1人で、英国海軍中将。第二次ゼーレヴェ作戦では英国安全保障特別指導部本営の将軍として指揮を執る。人外の多い本作品において、最も端的に描かれた「人間」の1人である。
ヴァレンタイン兄弟による円卓会議強襲時には、弱音を吐きながらも拳銃を構え、円卓会議の一員としてヤンを迎撃する。ミレニアムのロンドン侵攻の際には自分を「無能」「臆病者」と卑下しながらも、命をかけて己の職務を全うしようとする気高さを見せる。その姿は部下たちを奮い立たせ、彼自身の退却命令すら拒否して全員が最期まで戦い抜く原動力となった。
インテグラら円卓会議の若いメンバーや一部の人間からは円卓会議の中の内通者として疑われていたが、アイランズ卿など古参のメンバーからは「裏切る前に自殺してしまう」「無能だが男の中の男」と人格を高く評価されていた。OVA版のEDでは若かりし頃の先代ヘルシング卿、アイランズ卿らと共に青春を過ごし、ミレニアムによる人体実験記録に涙を流して憤りながら、真っ先に作戦遂行の書類にサインする姿が描かれている。
第二次ゼーレヴェ作戦によってロンドンに侵攻したミレニアムを部下と共に防戦。最期は部下たちが自決していく中、各部隊に「抵抗し、義務を果たせ」と最後の命令を下し、本営内に突入してきた吸血鬼の群れを巻き込んで自爆、死亡した。
回想シーンで幼少時のインテグラと対峙した際すらも気弱な面を見せたが、それ自体が笑いを誘う、基本的にコミカルなキャラクターだった。
2030年には、彼の孫が登場。やはり祖父と同様に気弱な性格で、インテグラにヘリコプターの代金を要求され、断れずに泣いて逃げ帰った。
ロブ・ウォルシュ中将
声 - 大友龍三郎
円卓会議参議。アイランズ卿、ペンウッド卿とは共通の友人。老体だが眼光は鋭い軍人。
第二次ゼーレヴェ作戦では、女王の近衛隊としてロンドン郊外にいる。アイランズや女王と共にヘルシング機関を信じ、ミレニアムへの対抗策である核ミサイル発射計画を遅延させていた。2030年には退役大将となり、円卓会議議長に就任している。
大英帝国女王
声 - 藤田淑子
老婆として描かれている。過去にアーカードと面識があったと示唆する描写がある。

イスカリオテ機関(ヴァチカン法王庁特務局第13課)

ヴァチカン法王庁特務局第13課、通称「特務機関イスカリオテ」。作中でヴァチカンには十二使徒の名を冠した12の課が置かれていることになっており、第13課は裏切者イスカリオテのユダの名を冠するが、その活動内容ゆえに秘匿され、表向きは存在しないことにされている。

ヴァチカンの保有する唯一にして最強の戦力であり、カトリックの地上における神罰の代行者として、悪魔・化物・異教・異端の殲滅を存在目的とする。英国国教会の守護者であるヘルシング機関とは対立していたが、第二次世界大戦末期に一部のヴァチカン関系者がミレニアムと関係を持っていたことを知らせ、ミレニアムに対抗するために呉越同舟の共同戦線を張る。

ミレニアムのロンドン侵攻に乗じて英国を裏切り、第九次空中機動十字軍の召集および第九次十字軍遠征「熱狂的再征服(レコンキスタ)」を発動。英国を再びカトリック教会の支配下に置くためにロンドンを強襲する。しかし、先遣の武装神父隊(アンデルセン)の命令拒否や、アーカードの「拘束制御術式 零号」解放によって戦局が悪化し、総司令官のマクスウェルは死亡、アンデルセンにより第九次十字軍失敗が宣言される。結果、イスカリオテ機関およびヴァチカンは大半の戦力を失うこととなった

2030年には間久部機関長の下で再編されている。

アレクサンド・アンデルセン
声 - 野沢那智(TV版) / 若本規夫(OVA版)
イスカリオテ機関に所属する神父で、ヘルシング機関におけるアーカードのような存在。人間ながらアーカードに伍する戦闘能力を持ち、「聖堂騎士(パラディン)」「銃剣(バイヨネット)」「天使の塵(エンジェルダスト)」「殺し屋」「首切り判事」「再生者(リジェネレーター)」など数多くの異名を持つ。普段は温厚な性格で孤児院に勤めているが、その本性は筋金入りの狂信者であり、反カトリック的な存在には容赦がない。作中でアーカードが唯一「宿敵」と呼び実力を認めた「人間」でもある。
生身の人間でありながら生物工学の粋を凝らした「自己再生能力(リジェネレーション)」と「回復法術(ヒーリング)」により、たとえ頭を銃で撃たれても瞬時に回復する。武器は大量の銃剣(銃に装着せずそのまま手に握る)で、単純に刀剣としての格闘以外にも投擲武器としても使用したり、鎖に爆薬と共に括りつけて攻撃する「爆導鎖」などバリエーションが豊富にある。また、聖書のページを護符のように利用し、結界を張ったり突然の出現・撤収を行ったりもする。
作中には北アイルランドでの吸血鬼事件で登場し、アーカードと初対峙する。人間であるにも関わらず、上記の驚異的な戦闘能力で彼と互角に戦い驚かせる。その後も、英国に赴いたマクスウェルの護衛役をやったり、南米でも独自に行動しており、不本意ながらアーカードの南米脱出を手助けする。
第二次ゼーレヴェ作戦では十字軍本隊に先駆け、武装神父隊を率いて英国に上陸する。マクスウェルの意図に反して、自らの裁量権でインテグラを手助けし、その後、十字軍本隊による攻撃が始まるとマクスウェルの行動を「神ではなく『神の力』に仕えている」と断じ、自らの意志をもって独自行動を取る。最終的にアーカードの「死の河」によって十字軍が壊滅する中、マクスウェルに実質的なとどめを刺し、第九次十字軍遠征失敗を宣言する。そのまま自らはアーカードと決着をつけるとして彼に挑み、「死の河」による数多の亡者の壁を突破して対峙し、アーカードから称賛を受ける。ところが、彼に勝つために人間を辞めて化物となることを既に決めており、アーカードの制止も気にせず、切り札として用意した聖遺物「エレナの聖釘」を自らの心臓に刺して茨の化物となる。熾烈な戦闘でアーカードを追い込むものの、化物では自分を倒せないとして覚悟を決めたアーカードに最終的には心臓を握り潰され敗北する。最期は涙を流すアーカードを諭して地獄での再会を約束し、孤児院の子供たちに想いを馳せながら死亡する。
『CROSS FIRE』ではどこまで同一人物かは不明だが、第3課「ヨハネ」に所属するアンダーソン(アンデルセンの英語読み)として登場している。作中に戦闘シーンはないが、ドラマCDでは第3話にて戦闘シーンが追加され、異教徒を皆殺しにしている。
原型は『ANGEL DUST』の主人公で、元殺し屋の神父アンデルセン。
エンリコ・マクスウェル
声 - 田中秀幸(TV版) / 速水奨(OVA版)、早水リサ(幼少時)
イスカリオテ機関の機関長。司教(のち大司教)。
カトリック教会の絶対性を疑わない狂信者で、慇懃無礼で傲慢な性格の少壮の男。後述の出自から上昇志向が非常に強い野心家でもある。物語前半ではヴァチカンの代表として英国と折衝を行う傍らで、かつてミレニアム(ナチス)を支援していた教会内部の背教者達の粛清も行っていた。後半はヴァチカンの現地最高指揮官としてミレニアムによるロンドン侵攻に介入し、三つ巴の戦いを繰り広げる。
その出自は妾の子として親に捨てられた孤児で、アンデルセンが勤める孤児院で幼少期を過ごす。第九次十字軍の長および大司教に昇格した際の台詞に現れるように、己を疎む全てを憎み、それらを見返すための上昇志向が非常に強い。狂信者ではあるが、同じ狂信者であるアンデルセンには、「神」ではなく「神の力」を拠り所としているに過ぎないと看破され、後述の粛清を招くこととなる。
スコットランドでの事件後に、イスカリオテ機関の長という形でロンドンを訪れるという形で作中に登場する。謝罪もなくむしろインテグラを挑発するが、最終的にはミレニアムに対抗するため情報交換および共同戦線を張ることを約束する。少佐による英国への宣戦布告の場にも臨席していたが、まったく相手にされずプライドを酷く傷つけられる。
第二次ゼーレヴェ作戦に際し、第九次十字軍の最高指揮官に任命され、同時に大司教に昇格する。最初から狙いはミレニアム討伐にかこつけた英国をカトリックの影響下に置くためのレコンキスタ(再征服)であり、ミレニアムの軍勢と相対すると同時に、ロンドンの一般市民の虐殺も敢行する。ミレニアムとの膠着状態の中で、ロンドンに帰還したアーカードにより「死の河」が解放されると、劣勢に立たされる中でも変わらず進撃命令を繰り返したが、護衛ヘリを撃破され亡者の只中へ落とされる。守りの硬化テクタイト複合強化ガラスの壁で安泰かに見えたが、先述した信仰の拠り所の違いという点でアンデルセンにガラス壁を破られ、亡者たちの手で串刺しとなって死亡するという実質的な粛清を受ける。
原型は『CROSS FIRE』に登場する同名同職のイスカリオテ機関長。ただし、容姿は長髪・眼鏡でインテグラに近いデザインだった。性格も問題児の部下に悩まされる中間管理職といった感じで描写されるが、本作にも通じる狂信者としての顔も時折見せる。
モデルとなったのはジョン・ロビンソン[9]
ハインケル・ウーフー
声 - 斎賀みつき(OVA版)
イスカリオテ機関に所属する神父。ショートカットの中性的な顔立ちの人物で作中では性別不詳(設定資料や作者インタビューでは「ふたなり」と明言されており、OVA版の声優は女性である。詳細は後述)。アンデルセンには及ばないものの2丁拳銃など銃器を武器とし、由美江とのコンビで高い戦闘力を誇る。元は単行本第1巻から第3巻にも収録された短編『CROSS FIRE』の主人公であり、本編には第4巻で姿を見せ、第6巻で本格的に登場する。
第二次ゼーレヴェ作戦に際し、先遣隊である武装神父隊のリーダー的存在として作中に本格登場する。立場上は敵であるインテグラの保護を約束したアンデルセンに戸惑いつつ、彼に従う。十字軍壊滅後は、アンデルセンに帰れと言われつつも、アーカードに挑む彼を援護し、2人の戦いを見届ける。ところがアンデルセン死亡直後に現れたウォルターに恩師アンデルセンの亡骸を踏みにじられた上に由美江を殺され、さらには大尉に頬を撃ち抜かれた上に応急医療キットを渡される(すなわち対等の敵とみなされていない)という屈辱を受ける。その後、包帯を顔に巻いた状態でアーカード戦後の放心状態のウォルターを狙撃しダメージを与えるも、とどめを刺す前に左の手足を切断され取り逃がすも一命は取り留める。
2030年には、かつてのアンデルセンのような立場となっており、ヘルシング機関本部を訪れた間久部に付き添いながら、同じくアーカードの立場にいるセラスと対峙している。外見はほとんど変化しておらず、大尉に撃たれた頬の傷は癒えていないせいでまともに喋れず、顔を包帯で粗雑に巻いて隠している。
原型は短編『CROSS FIRE』の同名の主人公。神父服を着たマニッシュな外見の女性で、容姿はほぼ同じであるなど、性別を除けば設定に大きな変更はない(明白に女性であるため胸があることも描写され、話し言葉も女性的である)。高木由美子(由美江)とコンビを組むイスカリオテ機関の殺し屋で、2人は依頼を受けると必ず任務を完遂するが、過激な行動から甚大な被害をもたらすため疫病神扱いされている。2丁拳銃を武器とする。
上記の通り『CROSS FIRE』では明白に女性、本編では性別不詳で描写されている。厳格なカトリックでは異性装が禁じられているという前提で、『ぱふ』2005年12月号の作者インタビュー記事では「ふたなり」であることを示唆しており、『HELLSING official guide book』の紹介記事では「性別:ふたなり」と表記されている。また、『HELLSING official guide book』の作者インタビューによるとOVAでは当初は制作陣に男性と思われていたらしく、杉田智和が演じる予定であった。
名前の由来は第二次世界大戦中のドイツ空軍の夜間戦闘機、ハインケルHe 219 ウーフー
高木由美子 / 由美江
声 - 甲斐田裕子(OVA版)
イスカリオテ機関に所属するシスター。黒髪で、ややウェーブが掛かった目が隠れている長髪の女性で、性格は短気で無口。武器は長尺の日本刀で「島原抜刀流」なる剣術の使い手でハインケルとコンビを組んで高い戦闘力を誇る。元は単行本第1巻から第3巻にも収録された短編『CROSS FIRE』の主人公であり、本編には第6巻から登場するが、多重人格の設定は不明確で作中には由美江しか登場しない。
第二次ゼーレヴェ作戦に際し、先遣隊である武装神父隊と共に登場する。ハインケルと同じくアンデルセンの決定に戸惑いつつ、彼に従い、彼のアーカードとの戦いも見届ける。ところが、アンデルセン死亡直後に現れたウォルターが恩師でもあるアンデルセンの亡骸を踏みにじってゴミと呼んだことに激昂、神速の抜刀で斬りかかるものの、刀ごと体を切り刻まれて即死する。
原型は短編『CROSS FIRE』の同名の主人公でハインケルとコンビを組むイスカリオテ機関の女殺し屋。おっとりした性格の「由美子」と狂戦士である「由美江」の人格を持つ多重人者で(由美子の時はメガネで温和な表情)、普段は虫も殺せない由美子の人格だが、戦闘時は由美江として覚醒する。容姿は直毛であることを除けばほぼ同じで、 長尺の日本刀を得物とし、島原抜刀流の使い手であることなども本編と同じ。
作者によれば、由美江の人格しか作中に出さなかった理由として「クロスオーバーのキャラとしてはそこまでやるとキャラが立ちすぎて煩雑になる」と回答している[10]
間久部
声 - 谷口節(OVA版)
2030年におけるイスカリオテ機関の機関長。タレ目で顔に傷がある。ヘルシング機関本部を訪れ、警備が手薄と見て今なら制圧できると進言する部下の言葉を諌め、「500年待ったのだから、あと数百年待つのは訳ない」と、「第十次十字軍」を行うべく野心を燃やしている。
原型は『進め!!聖学電脳研究部』の同名人物。

ミレニアム

南米に逃れたナチス残党によって結成された組織および軍団。「ミレニアム」とは千年王国の意。「最後の大隊(ラスト・バタリオン)」と名乗ることもある。指揮官である「少佐」を除く1,000名の構成員全てが吸血鬼化した戦闘団(カンプグルッペ)であり、士官の中には「人狼(ヴェアヴォルフ)」と呼ばれる特殊能力を持った幹部もいる。規模は大尉1名、中尉3名。また、SS大隊であるが、空軍海軍の士官やSS降下猟兵の姿も見受けられる。さらに、各所にスパイやシンパもおり、単なる捨て駒から重要拠点の制圧などの作戦行動を担う者まで様々である。

その前身は、第二次世界大戦中よりヒトラーが下した命令「総統特秘666号」を遂行すべく結成され、「少佐」を筆頭に人為的な吸血鬼作成の研究を行っていた独立部隊。永遠の命を餌に一部のヴァチカン関係者との協力関係の構築も行っていた。戦時中は出来損ないのグールしか作れず、それもヘルシング機関によって潰されるが、戦後に逃れた南米で研究を完成させる。

物語初期は、南米ジャブローの本拠地、豹の巣(パンテルシャンツェ)を拠点に、使い捨ての吸血鬼たちを操り散発的に英国を襲わせてデータを集め、中盤より第二次ゼーレヴェ作戦を発動してロンドンに侵攻する。ヒトラー亡き今は正規軍と呼べるものではないが、宣戦布告をするなど、あくまで英国と対等関係での戦争行為を自負している。

少佐の意のままに動く軍隊であるが、その最終目的は判然としない(目的などの詳細は「少佐」の説明を参考)。

少佐
声 - 飛田展男(OVA版)[11]
ミレニアムのリーダー。眼鏡をかけた肥満体の男。作中では「少佐」「総統代行」「大隊指揮官」などの階級や役職名でしか呼ばれず本名は不明。かつて第二次世界大戦において、ヒトラーより人工吸血鬼製造の研究を命じられた武装親衛隊(SS)所属の責任者であり、その計画を当時のアーカードとウォルターに潰された過去を持つ。「目的のためには手段を選ばない」という『君主論』を引き合いに出した上で、「手段のために目的は選ばない」と謳うほどの戦争狂であり、実際にその目的は判然とせず、本来は手段である戦争行為自体を楽しむような言動が多い。作中では人工吸血鬼製造や、それに伴う英国襲撃などの事件を引き起こし、物語後半では英国に宣戦布告を行っての対等な戦争行為を自負したロンドン侵攻を行う。相当な策略家だが、個人の戦闘能力は無きに等しく、射撃はとてつもなく下手。また、半世紀前と外見に差異がなく、部下たちと同じ人工吸血鬼であるかのように描写されるが、実際には後述の思想により、サイボーグの身体であった。
人間を「意思の生き物」だと定義し、血液を介して他者と融合する吸血鬼の本質を憎み、これを否定する。たとえサイボーグの身体で見た目が「化物」のようであっても確固たる意思を持つ自分は「人間」だとし、逆に吸血鬼(アーカード)を「人間」に見える「化物」と呼ぶ。かつてのワルシャワでの邂逅以来、人としてアーカードを倒すことを人生の目的とし、一連の事件を引き起こす。実は大戦末期にはソ連兵に捕まってリンチされ、アーカードと同じく生身の人間から吸血鬼になれる可能性があったがこれを拒絶している。
元は上記の通り、ナチスドイツ時代の親衛隊少佐で、第二次大戦中にヒトラーより「総統特秘666号」の密命を受け人工吸血鬼製造研究を始める。ところが1944年、ワルシャワにあった吸血鬼研究機関をアーカードとウォルターに潰されてしまう(この時、「血の河」が解放され、吸血鬼の本質を知ったことが示唆される)。その後、自身もソ連兵によって瀕死の重傷を負うが大尉とドクに救助され、戦後は南米に潜伏して吸血鬼研究を完成させる。この間には同じく南米に逃れてきた上官たちを名目上は上司として遇するも組織の実権は握り続け、第二次ゼーレヴェ作戦を前に彼らを粛清し、名実共にミレニアムのリーダーとなる。
第二次ゼーレヴェ作戦ではリップヴァーンを使って陽動とし、アーカードが不在となったロンドンを強襲する。一方的な破壊と殺戮を行い、マクスウェル率いるヴァチカンの介入も楽しむ。真の狙いはアーカードに血の河を解放させ、シュレディンガーによって消滅させることであり、アーカードを倒すという悲願を達成する。最期は対面したインテグラに真意や自身の思想を明かし、彼女の左目を負傷させつつも、自身は眉間を撃ち抜かれる。そして自分が起こした戦争を「いい戦争だった」と満足げに語り微笑みを浮かべながら絶命する。
カバー裏などのオマケでは、大尉や博士と共に作中のキャラが一転してオタクとして描写され、コミケなどに参加している。最終巻ではパタリロのコスプレをする。
原型となったのは『COYOTE』に登場する悪役キャラ、モンティナ・マックス。髪型・衣装は同じだがモンティナは痩身の青年で、続編である『ANGEL DUST』ではサイボーグ化され長髪長身の美形キャラとなって再登場している。「少佐」も登場初期はさほど肥満体ではなかった。絶対的な敵役として登場するのは同じだが、無意味な蛮行がほとんどを占めたモンティナに比べると『HELLSING』の少佐は全体的にかなりまともな性格になっている[注 3]
作中では本名は明かされないが、第4巻41Pの背景の文字や第5巻表紙カバー裏側の身分証では、原型と同じ「モンティナ・マックス」となっている。
大尉
少佐の側近。ヴェアヴォルフ筆頭。襟を立てた黄色の熱帯用オーバーコートに規格帽という、ナチスドイツ時代の北アフリカ戦線風の軍服を着た軍人。長身細身の偉丈夫で、無表情でセリフを一言も発することがない。その正体は吸血鬼ではなく人狼であり、本来「ヴェアヴォルフ」という称号も彼一人のものであったという。
サーベルと見紛う程の長銃身を持つモーゼルM712(メーターモーゼル)を愛銃とし、人狼としての規格外の身体能力を有する。さらには身体を霧のような状態に変えるという術を持ち、変幻自在に姿を変えて相手の攻撃の回避などを行う。アーカードとの本格戦闘はないものの、外伝『THE DAWN』では当時のウォルターを、本編では本物の吸血鬼として覚醒したセラスを追い込む力を見せる。一方で人狼の特性として銀を苦手とする。
作中ではもっぱら少佐の側近として彼の傍らに佇むのみでセリフもないが、激しい戦闘シーンがある。第二次ゼーレヴェ作戦では、ヘルシング邸へ急行するインテグラの前に立ち塞がり、彼女とウォルターを引き剥がす。終盤では飛行艇内でセラスと一騎打ちを行い、終始優勢に立つ。しかし、セラスと、彼女の体内にいるベルナドットにより、戦時中の強奪品である銀製の差し歯を心臓に撃ち込まれて死亡する。差し歯はわざとセラスに使うよう仕向ける描写があり、また、子供のような満足した笑みを浮かべて死ぬなど、セラスからは死に場所を探していたとみなされる。
カバー裏などのオマケではカメコ(カメラマン)として描写されており、極端に長い望遠レンズのカメラで「おんぷたんゲット」などと言いながらコスプレヤーを撮影している。
原型となったキャラクターは、同作者の成人向け作品『砂漠の用心棒』のハンス・ギュンシュ(第4巻41Pの背景の文字中に名前が記載されている)。
博士(ドク)
声 - 中博史(OVA版)
吸血鬼製造研究の責任者。少佐の側近で名称の通り、軍人ではない。作中では「ドク」としか呼ばれず本名は不明。いつも血塗れの白衣と多重レンズ付の眼鏡を身につけている。吸血鬼であるかは明確ではないが、外見は外伝『THE DAWN』の登場時より老化が見られない。ポケットに無線式発火装置の起爆などを兼ねた多機能コントローラーを携帯し、ヤンの発火など部下の処分は彼が直接手を下している。少佐を怖れている節もあるが、彼に褒められるのが好きで、指揮官として心底慕っている様子を見せる。
作中ではもっぱら少佐の側近として登場するのみで、個人で目立った活躍は少ない。戦中のワルシャワ研究所では、ミナと捕虜を用いて非道な人体実験を手掛けていた。物語終盤では少佐の死と前後して、研究成果を持って飛行艇からの脱出を図るがウォルターに阻まれる。「科学者として研究成果を世界に広めなければならない」と主張するが、ウォルターからは「既存の吸血鬼を真似しただけにすぎない」と酷評され、殺害される。
シュレディンガー准尉
声 - 白石涼子(OVA版)
ヒトラーユーゲントの服装をした猫耳の少年[12]。ヴェアヴォルフの1人。
性格は正しく自由気ままな猫といった感じで、少佐にも平気で憎まれ口を叩く(少佐自身もそれを許している)。しかし、大尉にだけは弱い。
登場する度に銃で頭を吹き飛ばされているものの死ぬことは無く、何事も無かったかのように再登場する。また、一瞬にして離れた場所に出現したり、あるいはゾーリンの時のように他者の思考の中に現われたりもする。本人曰く「僕はどこにでもいて、どこにもいない」。より具体的には「彼が自分自身を認識可能な状態にある限り(どこにでも)存在できる」という能力で、ヴェアヴォルフの中でも殊更に特異な能力である。
作中ではアーカードを倒すための少佐の切り札であり、アーカードが「拘束制御術式 零号」で解放した数百万の命を自身の身体に戻す際に、自らの首を切ってその中に紛れ込み、彼の命と同化する。同化したアーカードにはシュレディンガーの能力が付与されたが、その幾百万という命の中で自身を認識することは不可能であるためにアーカードは消滅し、少佐の最終目的は達成された。
名前の由来はエルヴィン・シュレーディンガーによる思考実験「シュレーディンガーの猫」から。
ゾーリン・ブリッツ中尉
声 - 沢海陽子(OVA版)
短髪で、右半身に奇怪な紋様を刻んでおり、右目が斜視気味の女吸血鬼。死神を連想させるような大鎌を武器にし、また幻術を行使する。ヴェアヴォルフの1人。
幻覚の発動時には右半身に刻まれた刺青が蠢くような感じとなり、自身が巨大化しているように見せたり怪我を負わせたような感覚を与えたりできる。さらには相手の記憶を汲み取った幻覚を見せることもできる(但し目に頼らない吸血鬼には効果が無い)。
ロンドン夜襲にて、部隊を率いてヘルシング邸を強襲する。守備隊を殲滅し、幻術でセラスの心をへし折った上で致命傷を与え、ベルナドットを殺害する。だがベルナドットの血を吸って覚醒したセラスによって、「壁で頭を磨り潰され」絶命した。少佐の待機命令に逆らい兵の大半を失った罰として見捨てられた形だが、彼女の独断専行もそれに対する少佐の処断も、少佐から「戦の華」と称される。
リップヴァーン・ウィンクル中尉
声 - 坂本真綾(OVA版)
長髪に眼鏡の女吸血鬼。旧式マスケット銃を武器に魔弾の能力を持つ「魔弾の射手」。ヴェアヴォルフの1人。
武器のマスケット銃でホーミング能力を持った銃弾を撃つことができ、さらにこれは対象に命中した後も運動能力を失わず1発で複数の獲物を仕留めることができる。この能力により、ウェーバー歌劇になぞらえた「魔弾の射手」の称号を少佐から与えられる(直接は知らないはずだが、「魔弾」のあだ名自体はヘルシング機関でも用いられている)。本人も気に入っている様子で『魔弾の射手』の「狩人の合唱」を歌っている場面が多くある。
作中では降下猟兵部隊を率いて英国海軍のインヴィンシブル改級VSTOL空母「イーグル」(架空)を乗っ取り、甲板に赤いペンキで巨大なハーケンクロイツを描いて第三帝国海軍大西洋艦隊旗艦「アドラー」(ドイツ語で「鷲」を意味し、イーグルと同義)と改名、第二次ゼーレヴェ作戦直前の陽動作戦を行う(陽動役であることを彼女が認識していたかどうかは不明)。
その能力を生かし、「アドラー」撃沈のため空対艦ミサイルによる対艦攻撃を実行したトーネード攻撃機3機をミサイル含めすべて撃墜するが、高速戦略偵察機であるSR-71 ブラックバードを改造した高高度実験機、EXP-14LIEを駆るアーカードに突入され、兵士たちを皆殺しにされた上、自身のマスケット銃を心臓に突き立てられた上で彼に食い尽くされて死亡する。アーカードに一方的に屠られたが、アーカードをロンドンから引き離すという目的は達成しており、少佐より「任務を果たした」としてミレニアム全軍から敬礼を捧げられる。その後、アーカードの「拘束制御術式 零号」解放時に、トバルカインと共に亡者の1人として復活し、最後の大隊と十字軍を攻撃している。
外伝『THE DAWN』では当時のアーカードと対峙しているが、手足が生えて怪物化した棺桶にチョップを食らった上に蹴飛ばされてKOされるなど、全くのギャグキャラ扱いとなっている(当時の階級はSS下級突撃隊指揮官=親衛隊少尉)。
OVA版で戦闘機を撃墜した後に歌っている曲は『魔弾の射手』の第1幕第2場「おお、この太陽が昇り行くのが」、アーカードに喰われた際に流れている曲は『魔弾の射手』の第2幕第4場「なんですって? 恐ろしい!」。
トバルカイン・アルハンブラ
声 - 大塚芳忠(OVA版)
ペルシャ的な風貌で「伊達男」の異名をとる吸血鬼。中尉。無限枚数のトランプ(カード)を武器とする。シュレディンガーの言葉によるとヴェアヴォルフではない。
「伊達男」の異名通りのいでたちで紳士的な言動を取るが、しばしば「Gooood」や「なぁぁぁぁめぇぇぇぇるぅぅぅぅぅなぁぁぁぁ!!」など、間延びしたような話し方をする。武器のカードで傷付けられた傷はアーカードでも容易には修復できない。
ミレニアムの情報を集めるためにブラジルに来たアーカードたちを迎え撃ち、当初はアーカードと互角に戦うも結果は惨敗。アーカードに血から情報を引き出された挙句、体内に仕掛けられた無線式発火装置によって燃え尽きて死亡。
アーカードの「拘束制御術式 零号」解放時にリップヴァーンと共に亡者の1人として復活し、最後の大隊と十字軍を攻撃している。
ヴァレンタイン兄弟
声 - 兄:子安武人 / 弟:中井和哉(TV版)、高木渉(OVA版)
兄、ルークと弟、ヤンの吸血鬼兄弟。ルークは准尉。武装したグールの群れを率いて円卓会議中のヘルシング機関を強襲する。
ルークは白を基調としたスーツを着たジェントルマンで、ヤンは黒を基調としたストリートギャング風の青年。ヤンは瞬発力以外に目立った能力は見られなかったが、ルークは近距離で銃撃をかわす反射神経と常人の目では捉えられないスピードを持ち、アーカードからA級と評される。また、ルークは左腕に小型拳銃(OVAの第9巻では右腕にサバイバルナイフも)を仕込む用心深さも見せている。
ヤンは武装グール部隊を率いてヘルシング機関の構成員のほとんどを殺害するも、セラスとウォルターにグール部隊を壊滅させられる。さらに円卓会議の部屋に入り込もうとしたところ、ウォルターの鋼線で右腕を切断され、円卓会議のメンバーたちからは容赦の無い銃撃を受け、追い詰められる。少佐によって口封じのために遠隔で発火装置を起動されて、体が炎上する中で「ミレニアム」という言葉を遺して灰と化した。
ルークは単身アーカードにカービン銃2丁で挑み[注 4]、彼にある程度の実力を認められて拘束制御術式の一部を解放させるにまでおよぶ。「吸血鬼の持つ能力全てを備え、それ以上」と豪語していたものの、修復能力などは特に持たない人工吸血鬼であり、特殊能力も持っていなかったために瞬く間に追い込まれてアーカードを失望させることになり、最後は黒犬獣に喰い殺された。
後にウォルターとの戦いで黒犬獣が両断された際に、中から現れる。状況を理解できないまま、ウォルターに糸で操り人形にされながらアーカードを攻撃する。しかし、アーカードに血を吸われて同化され、ウォルターを出し抜くための囮として命を消費され今度こそ死ぬ。
テレビアニメ版では設定が異なり、ロンドン暗黒街の顔役で吸血鬼化のビジネスを行っていたが、テレビ番組のスクープを通じて存在を知ったヘルシング機関を排除しようとした。その最期はほぼ原作に準じているが、ヤンは完全な焼身自殺である。
作者のお気に入りらしく、巻末などのおまけ漫画「ルークとヤンの人情紙○○」(○○の部分は毎回適当な単語に置き換わる。また最初は「人情」ではなく「人生」だった)では主役を張っており、自作品・他作品のパロディから特別意味の無い適当な内容などで掛け合い漫才のようなことをやっている。最終巻のおまけでは「一番の事件は、こいつらの存在そのもの」とされている。
作者の次回作である『ドリフターズ』でも単行本の帯[注 5]や休載時のお詫びマンガなどで何度も登場する。『ドリフターズ』のTVアニメでも第九幕の次回予告(西版)にヤンとルークが登場した。
彼女(THE SHI)
外伝『THE DAWN』に登場。1944年のワルシャワにおいて、全身を隙間なく包帯で巻かれた上、ベルトや鎖などで、がんじがらめに拘束され吸血鬼の人工製造機関の研究所に隔離されている。少佐らは彼女を「ヒロイン」と称し、彼女を模倣することで吸血鬼を作ろうとした。
正体は『吸血鬼ドラキュラ』の登場人物、ミナ・ハーカー。アーカード(=ドラキュラ伯爵)の血を唯一吸った存在であり、たとえ彼女が人間に戻ったとしても[注 6]アーカードが生きている限り、その痕跡は彼女の奥底に残っていた。そこで少佐は彼女の墓を暴いて、遺体を研究材料にし、彼女を模倣、即ちアーカードを模倣することで吸血鬼研究を発展させていた。
本編では、最後に白骨化した死体として博士の研究室に保管されていたことが明かされ、ミレニアムの壊滅と共に墜落炎上する飛行船の中で彼女の死体も燃え尽きた。

その他の登場人物

牧師
声 - 田中正彦(TV版) / 中田和宏(OVA版)
吸血鬼の男。チューダス村に牧師としてやってきて10人の村民を殺害し、正体を警察に追及されると彼らに襲いかかって次々とグールにする。最後に生き残ったセラスをグールにすべく、処女を奪った後に吸血しようとした(テレビアニメ版では彼女を見初めて同族にしようとした)が、アーカードにセラスごと撃ち抜かれて倒される。
ハガー(モーガン)
声 - 高木渉(TV版) / 檜山修之(OVA版)
ミレニアムの実験で吸血鬼になった青年。キリスト教徒の一家を襲い、殺した者の血で逆十字を壁に書くなど挑戦的な行動を取っていたが、処理に来たアーカードには全く刃が立たず惨殺された。なお、原作では名前は出ておらず、テレビアニメ版のクレジットでは「モーガン」と表記されていた。
ジェシカ
声 - 渡辺明乃(TV版) / たかはし智秋(OVA版)
ハガーの恋人と思わしき吸血鬼の女性。ハガーと共に殺戮行為を行っていたが、ハガーの死亡を察知し逃亡。しかし、セラスに心臓を狙撃され死亡した。
山守義雄
声 - 後藤哲夫(OVA版)
本編に一切登場しないが、単行本あとがきでのキャラクター紹介に毎回登場。東映配給の劇場版『仁義なき戦い』の登場人物である天政会初代会長。
常に殴殴り描きのペンタッチで描かれる上、登場する度に名前と肩書きの紹介が省略され説明文の内容が「身長50m以上、体重2兆トン」「ゲッターエンペラーが主食」などとエスカレートしていく。単行本第9巻の紹介文では「このまんがの主人公」とまで言われた。

快楽天版の登場人物

ユーリ・ケイト
ヘルシング機関の三級隊員。吸血鬼の兄弟に拉致され、強姦された挙句血を吸われるがアーカードに助けられ、吸血鬼になる。
作中の境遇は連載版のセラスとほぼ共通している。
吸血鬼の兄弟
弟の方は「ヘルマン」という名前。ヘルシング機関の人間を皆殺しにし、ユーリを拉致して強姦する。兄の方はアーカードの胸に指を突き刺すほどのパワーとスピードを持つが、どちらもアーカードにほとんど敵わず惨殺される。
外見は連載版のバレンタイン兄弟とほぼ同一。OVA第9巻ブックレット掲載の漫画でも言及されている。

『CROSS FIRE』の登場人物

アフラム
声 - 堀川仁(ドラマCD版)
反ユダヤ主義イスラム過激派「アブラ・アクヴァラ」のリーダー格。パレスチナ難民への慈善事業を行おうとするヴァチカン慰問団を襲撃し、身代金を手にした後で慰問団を皆殺しにしようとする。慰問団の護衛任務に就いていたハインケルと由美江に殺害された。
イリューシン
声 - 五十嵐麗(ドラマCD版)
ドイツ新左翼ゲリラの女性。ナイフ使い。6人の仲間と共にベルリン市内で教会を襲撃し、神父シスターを大量に殺害した挙句多額のヴァチカンへの上納金を奪う。その後、大量の武器を武器商人から購入しようとするが、第13課が武器商人にそれ以上の額を払っていたため、ハインケルと由美江に情報をあっさり売られ仲間ごと殺害される。
エイブラハム・バンロッホ
声 - 千葉進歩(ドラマCD版)
ウェールズの新興宗教「唯一のメシア心理の道教会」の大教主。私兵集団に命令してローマ法皇暗殺するためにヴァチカン市国内にて毒ガステロを起こす。「私は救世主」と嘯くが、由美江に「お前みたいなのが救世主なら、私は宇宙大統領(ドラマCDでは『宇宙NO.1大統領将軍社長閣下様』)だ」と反論され、とどめを刺された。

用語

吸血鬼
文字通り人の生き血をすする存在。作中における吸血鬼の設定はほぼオリジナルに忠実で、不老不死の肉体と普通の銃弾では死なない生命力、常人を遙かに凌駕する怪力を持つが、日光を浴びることができず、銀の弾丸や祝福された武器に弱く、流水に触れることもその上を越えることもできない。男の吸血鬼は「ドラキュラ」、女の吸血鬼は「ドラキュリーナ」と呼ばれる。
作中では、処女童貞が吸血鬼に血を吸われた場合に吸血鬼になると定義されている(テレビアニメ版では吸血鬼の自由意志で血を吸った相手を同胞にすることができるという設定)。ただし、アーカードはいわゆる「真祖」なので例外。ちなみに、少佐には「真祖」になる機会があったが、人間であり続けるために拒絶した。ミレニアムは人為的に吸血鬼を作り出すことに成功し、この場合には処女・童貞でなくとも吸血鬼になれる上、肉体を最盛期の状態に若返らせることすらできるらしい(原作では具体的な方法は明示されていない。テレビアニメ版では吸血鬼化させるチップが登場する。作中に登場したミレニアムの元ドイツ国防軍の下士官によれば、「ヨボヨボのジイさんだった」とのことなので、その技術が確立されたのは最近であり、それまでは皆、70歳から80歳以上の老人であったことが示唆されている)。ただし、人為的な吸血鬼の場合には、たとえ血を吸った相手が処女・童貞であってもグールになってしまう。
アーカードやヴェアヴォルフなどにとって日光や流水は致命的な弱点にはならず、そのような上位種はそれぞれに異なる超常の能力を持つことがある。
本来の吸血鬼は、吸血された相手の存在を己の中に取り込むことが可能。セラスのように取り込んだ相手と脳内で会話したり、アーカードのように実体化させて使役できる者まで様々で、自分自身の命に加えて、取り込んだ人間の数だけ命を持つことになる。ただし劇中においては、アーカードとセラス以外に、そのような能力を持つ吸血鬼は登場していない。
食屍鬼(グール)
作中では吸血鬼に血を吸われた者が非処女・非童貞であった場合(テレビアニメ版では餌として血を吸われた場合)、人の肉を好んで喰らうグールとなり、グールに襲われた者もまたグールとなる。いわゆるゾンビ。アンデッド、リヴィングデッドなどとも呼ばれる。
生身の人間に対して強いとはいえ動きが鈍く、知能が低いために吸血鬼ほどに危険な存在たり得ない。またグールはその親たる吸血鬼の支配下に置かれ、自由意志を持たない。そして、その吸血鬼が倒された場合には自動消滅してしまう(ミレニアムの人為的な吸血鬼の場合はこの限りではない)。また知能は皆無だが、銃器といった武器を操ることはできる。
1944年9月の段階で少佐らによる人工吸血鬼製造の研究は、このグールを人為的に製造するところまで進んでおり、これを組織的に投入することで戦線を混乱させようとした。また吸血鬼製造に成功した段階でもグールを兵装させてグール部隊を作り、ヘルシング機関を強襲させて多大な被害を与えている。
ヴェアヴォルフ
人狼を意味する「ワーウルフ」のドイツ語読み。バルカン半島周辺に伝わる伝説の狼男で、しばしばヴァンパイアと同一視される。本作においては、アーカードと同様一般の吸血鬼を超えた特殊能力を持つミレニアムの幹部を指す。リップヴァーンなどは、他の吸血鬼のように全てが尖った歯をしているが、極端に日光を苦手としている描写はない。
元々ヴェアヴォルフとは、大尉1人にのみ使われる名称であったことが『THE DAWN』にて語られている。さらに、大尉に関しては部隊名や称号ではなく、正真正銘、本物の人狼である。傷はたちまちの内に治癒し、半人半獣に姿を変えることもできる。超スピードに超人的な反射神経、怪力を誇り、並の吸血鬼では相手にもならぬ程の戦闘力を持つ。宗教的なシンボルを恐れることもなく、清められた武器も特別な効果を発揮はしないなど、吸血鬼以上に倒し辛い存在だが、銀が体内に入ると即死するという唯一の弱点がある。吸血鬼以上に稀有な存在らしく、アーカードもほとんど目撃したことがないようである。
史実でも、ナチスはゲリラ戦を目的とした「ヴェアヴォルフ」という部隊を編成している。詳しくはヴェアヴォルフを参照。
拘束制御術式『クロムウェル』
アーカードに施されている能力抑制・制御のための封印。第3号・第2号・第1号・零号の4段階に分けられる。
封印を解放するとアーカードは複数の眼や腕を持ち蝙蝠や狼に姿を変える黒くドロドロとした不定形の姿となり、圧倒的な戦闘能力を発揮する。また、航空機や空母といった無機物と同化することができる。さらに零号を解くと自身が今までに血を吸った存在の全てを使い魔として召喚することが可能になり、その力は多大な軍事力を誇っていた十字軍とミレニアムを瞬く間に纏めて壊滅させる程。作中では「死の河」とも呼ばれる。ただし実行すると、アーカード自身(本体)に内包される命は1つとなり、最初のアンデルセンとの対決で見せた彼特有の不死性(首を切っても心臓を潰しても死なない)が失われるため、諸刃の剣とも言える。
封印と言っても、その解放の判断は基本的にアーカード自身に委ねられているが、零号のみは契約者であるインテグラの承認を必要とする。
黒犬獣(バスカヴィル)
アーカードの使役する使い魔の1体。
ブラックドッグ自体は、英国の民間伝承に登場する怪異である。『バスカヴィル家の犬』のモデルでもあり、地獄番犬やあるいは使者のような存在だといわれる(en:Black dog)。
バレンタイン兄弟のヘルシング機関襲撃の際にルークを喰らう。その後、アーカードとウォルターの戦いにて召喚された際にウォルターに両断されて支配率が変化しルークが復活した。
.454カスール カスタムオートマチック
アーカード専用装備の白い拳銃。銃自体に愛称は付けられていない。
全長33.5cm、重量4kg。装弾数7発。ランチェスター大聖堂の銀十字を鋳溶かして作った.454カスール改造弾の爆裂徹鋼弾頭を使用。銃本体はモルゲンクルノデウム鉄鋼で作られており、硬くて頑丈。ジャッカルが登場する以前から使っており、ジャッカル登場後は二挺拳銃として併用する。場面によってはジャッカルより目立っている。
グール程度なら一発で破壊する(人間も当然一撃)という凄まじい威力を誇るが、回復能力を持ったアンデルセンに対しては威力不足だったと見え、後にジャッカルが作られることになる。
ジャッカル
アーカード専用装備の黒い拳銃。正式名称は「対化物戦闘用13mm拳銃 ジャッカル」。
全長39cm、重量16kg。装弾数6発。純銀製マケドニウム加工弾殻に法儀式済み水銀弾頭、装薬にマーベルス化学薬筒NNA9を用いた専用の13mm炸裂徹鋼弾を使用する。曰く「人類には扱えない代物」。銃身に「Jesus Christ is in Heaven now」と刻まれている。
ウォルターが対アンデルセン用にオーダーメイドした物で、ウォルターが製作時に爆弾を仕掛けていたらしく、アーカードとウォルターの戦闘中に博士の遠隔操作によって爆破される。
ハルコンネンと同じくジャッカルの精(声:玄田哲章)が宿っており、『ジャッカルの日』でジャッカルを演じたエドワード・フォックスの姿をしている。これとは別に頭髪が薄くサングラスを掛け、タンクトップにパンツ、裸足、そして語尾に「ウィリス」を付けて喋る『ダイ・ハード』か『フィフス・エレメント』に出演した際のブルース・ウィリスの姿の偽者(声:玄田哲章)がいる。これは彼がジャッカルを演じた『ジャッカル』(『ジャッカルの日』のリメイク)のパロディ。他にもフレデリック・フォーサイス作品のネタがジャッカルの精と一緒に登場した。
20mm改造対戦車ライフル
セラスが初期に使っていた武器。一見すると木製銃床を備えた普通のストックだが、口径20mmの対戦車ライフル弾を使用する。マガジンは箱型のものが標準だが、トバルカイン戦ではドラムマガジンを使用した。ハルコンネンIIの登場後、侵入した吸血鬼の口に銃口を突っ込んで以降は使われていない。
ハルコンネン
セラス専用武器。正式名称は「30mm対化物用「砲」ハルコンネン」。
弾は劣化ウラン弾及び爆裂徹鋼焼夷弾を用いる。主力戦車を除く全ての地上・航空兵器を撃破できる。全長は2m以上。人間には扱えない。
ハルコンネンの精(声:石塚運昇)が宿っており、本編ではセラスの夢の中に登場する他、テレビアニメ版の予告編ではセラスと掛け合いを見せていた。元ネタは、SF映画『デューン/砂の惑星』のウラジミール・ハルコンネン男爵を演じたケネス・マクミランである。
ハルコンネンII
セラス専用武器。正式名称は「局点防衛用長々距離砲撃戦装備ハルコンネンII」。
30mmセミオートカノン(Semi-auto cannon 9)2門に砲弾補給用の巨大なコンテナボックスを繋ぎ合わせた物。射程距離4km、総重量345kgでありながら人が持ち運び座ったまま使用するように出来ており、コンテナは背負えるようになっている。弾倉部分であるコンテナを取り外し、ベルト給弾式にして運用することも可能。砲身には「VLadimir HALLCONNEN」(ウラディミール・ハルコンネン)と刻まれている。
巨大な焼夷擲弾「広域立体制圧用爆裂焼夷擲弾弾筒ウラディミール」が発射可能であり、作中では一斉射でゾーリンの座乗するミレニアムの飛行船「グラーフ・ツェッペリンII」を撃墜した。
外観は、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するデンドロビウム(アームドベース・オーキス)をモチーフにしたもの。平野自身も「調子に乗りすぎた」と発言している。通称「裏コンネン」。
EXP-14LIE
アーカードがミレニアムに強奪された空母「イーグル」に突入する際に使用した高々度実験機。機体全長は約30m、速度マッハ3.2で成層圏上層を飛行する。原型機は米空軍の戦略偵察機SR-71で、退役した機体のうち2機を英空軍技術局が購入したもの。外見は原型機と同様だが内部はコックピットの単座化を始めとする大幅な改造がなされており、高度および速度記録達成に特化した仕様となっている。
垂直尾翼には漫画調にデフォルメされたコウモリと「HELLSING」「We are Mission from God」の文字をあしらったエンブレムが描かれている。
なお、名称にある「LIE」は「嘘」の意で、この機体が架空機であることを示している[13]。OVA版ではEXP-14LIEの名前は出ず、「SR-71」と呼ばれているのみ。また、原作では機首が通常型のSR-71Aのものとして描かれているカットと風防が二つあるSR-71Bのものとして描かれているカットがあるが、OVA版では前者に統一されている。
デウス・ウクス・マキーネ
ミレニアムが第二次ゼーレヴェ作戦時に使用した空中戦艦。巨大な硬式飛行船で、気嚢は特殊軽金装甲製。船体下部側面にはV1改の発射口や降下兵団用のカタパルトが備えられており、そのほかに位置は不明だがV2改の発射装備も有している。また、艦内の格納庫には戦時中にSSが欧州各地で略奪した財宝とともに、8.8 cm FlaK(アハトアハト)、UボートIX型V号戦車パンターMe262、円盤機などの各種ドイツ製兵器も格納されている。
ミレニアムの空中艦隊の旗艦であり、一回り小型の空中巡洋艦を複数隻率いている。作中に名称が登場した空中巡洋艦には、「グラーフ・ツェッペリンII」および「グラーフ・ツェッペリンIII」、「ビュルガーブロイケラー」、「アルトゥール・ザイス=インクヴァルト」(空中巡洋艦3番艦)、「アルフレート・ローゼンベルク」がある。
なお、原作では船体に「Hindenburg II」と書かれているが、OVA版では艦名である「Deus ex machina」に変更されている。
第九次空中機動十字軍
英国を強襲する際、フランスドーバー海峡の対岸)のアミアンにてヴァチカンが召集。「クールランテ剣の友修道騎士会(340名)」「カラトラバ・ラ・ヌエバ騎士団(118名)」「聖ステファノ騎士団英語版」「マルタ騎士団(2457名)」によって構成されており、指揮はマクスウェルが行う。空中機動ということもあり、移動はCH-47OH-6UH-1といったヘリコプターを中心に使用する。全身を白で統一し、フルフェイスタイプの尖った鎧を頭部に装着している。ハルバードを象った対物ライフルを主武装とする。

単行本

平野耕太著、少年画報社刊。

作者は大のビデオゲーム好きで、各話の副題はそれぞれ有名ビデオゲームの作品名に由来している。その幅は広く、アーケードタイトルからPCゲーム、コンシューマタイトル、海外移植ソフトなど。かなり古い国産・外国産PCゲームのマイナータイトルなども含まれる。

作者自身が1年に1冊出すのを目標にしていたが、実際には単行本の刊行は多少遅れることが多かった。第6巻および第8巻の巻末おまけ漫画でも、作者の単行本の刊行ペースについてヴァレンタイン兄弟がネタにしていた。

第2巻以降のカバー裏では、作中のシリアスな展開を覆すシュールなギャグイラストが掲載されている。アーカードを始めとする登場人物が弄られていたが、その中でも少佐は、部下のドクなどと共にコミケに参加するなど、典型的なオタクキャラとしての地位を確立していた。最終巻では、登場人物が揃って強烈なコスプレを披露している。

巻数 初版発行日 ISBN 話数 ブランク
1 1998年9月30日発売 4-7859-1870-5 第1話 VAMPIRE HUNTER

第2話 MASTER OF MONSTER 第3話 MURDER CLUB 第4話 SWORD DANCER(1) 第5話 SWORD DANCER(2) 第6話 SWORD DANCER(3) 特別収録 CROSS FIRE

連載開始から1年4ヶ月
2 1999年12月31日発売 4-7859-1958-2 第1話 DEAD ZONE(1)

第2話 DEAD ZONE(2) 第3話 DEAD ZONE(3) 第4話 DEAD ZONE(4) 第5話 BALANCE OF POWER(1) 第6話 BALANCE OF POWER(2) 特別収録 CROSS FIRE(2)

1年3ヶ月
3 2000年12月31日発売 4-7859-2047-5 第1話 BALANCE OF POWER(3)

第2話 ELEVATOR ACTION(1) 第3話 ELEVATOR ACTION(2) 第4話 ELEVATOR ACTION(3) 第5話 ELEVATOR ACTION(4) 第6話 ELEVATOR ACTION(5) 特別収録 CROSS FIRE(3)

1年
4 2001年9月30日発売 4-7859-2125-0 第1話 ELEVATOR ACTION(6)

第2話 AGE OF EMPIRE(1) 第3話 AGE OF EMPIRE(2) 第4話 AGE OF EMPIRE(3) 第5話 CALL TO POWER 第6話 ULTIMA ON LINE 第7話 D(1) 第8話 D(2) 第9話 D(3)

9ヶ月
5 2003年2月27日発売 4-7859-2286-9 [注 7]第1話 FLASH POINT

第2話 D(4) 第3話 D(5) 第4話 D(6) 第5話 D(7) 第6話 D(8) 第7話 D(9) 第8話 XANADO 第9話 FINAL FANTASY(1) 第10話 FINAL FANTASY(2)

1年5ヶ月
6 2003年11月14日発売 4-7859-2373-3 第1話 FINAL FANTASY(3)

第2話 FINAL FANTASY(4) 第3話 FINAL FANTASY(5) 第4話 THE SCREAMER 第5話 AUBIRD FORCE 第6話 GUN BULLET 第7話 BALLOON FIGHT 第8話 SOLDIER OF FORTUNE(1) 第9話 SOLDIER OF FORTUNE(2) 第10話 SOLDIER OF FORTUNE(3)

8ヶ月半
7 2004年12月27日発売 4-7859-2499-3 第1話 SOLDIER OF FORTUNE(4)

第2話 SOLDIER OF FORTUNE(5) 第3話 SOLDIER OF FORTUNE(6) 第4話 LAST MISSION 第5話 GET AWAY 第6話 YAKSA 第7話 THE MAN I LOVE 第8話 OGRE BATTLE 第9話 ANGELOUS 第10話 WIZARDRY(1)

1年1ヶ月
8 2006年7月26日発売 4-7859-2666-X 第1話 WIZARDRY(2)

第2話 WIZARDRY(3) 第3話 WIZARDRY(4) 第4話 WIZARDRY(5) 第5話 HUNDRED SWORDS(1) 第6話 HUNDRED SWORDS(2) 第7話 HUNDRED SWORDS(3) 第8話 MIGHT AND MAGIC(1) 第9話 MIGHT AND MAGIC(2) 第10話 PSYOBLADE 第11話 CASTLE VANIA(1)

1年7ヶ月
9 2007年11月9日発売 978-4-7859-2885-8 第1話 CASTLE VANIA(2)

第2話 HEART OF DREAM 第3話 RELICS 第4話 HEART OF IRON 第5話 Finesthour(1) 第6話 Finesthour(2) 第7話 Finesthour(3) 第8話 LUNATIC DAWN 第9話 OPERATION WOLF 第10話 WARCRAFT(1) 第11話 WARCRAFT(2)

1年3ヶ月
10 2009年3月27日発売 978-4-7859-3131-5 第1話 WOLF FANG(1)

第2話 WOLF FANG(2) 第3話 BLACK ONYX(1) 第4話 BLACK ONYX(2) 第5話 BLACK ONYX(3) 第6話 BLACK ONYX(4) 第7話 SORCERIAN(1) 第8話 SORCERIAN(2) 第9話 OBLIVION 第10話 ROMANCIA

1年4ヶ月
  • HELLSING official guide book ~ヘルシング完全ガイド~:2012年3月30日発売、ISBN 978-4-7859-3815-4
    • 「ヘルシング機関」「イスカリオテ」「ミレニアム」と章立てしてキャラ紹介・シーン集・セリフ集を収録。
    • OVAスタッフの座談会、女性ファンによる座談会、『ぱふ』誌の2回の作者インタビューに加え、書き下ろしインタビューを収録。

※括弧入り数字は正確には丸付き数字。

テレビアニメ

2001年10月18日よりフジテレビ、11月より東海テレビで放送され関西地区は関西テレビ独立UHF局サンテレビで放送。制作はゴンゾ及びディジメーション(制作当時は同一資本下の別会社で企画部門がゴンゾ、制作部門がディジメーションだった。後に両社合併しゴンゾへ社名変更)で全13話。

原作に対してかなりの改変が見られ、特に後半はほとんどオリジナルのストーリーに差し替えられている。設定においても、日本国外に輸出・配給されることへの配慮から、ナチスなどの描写が排除されたため、例えば少佐率いる組織(ミレニアム)が出ることなく終わる。また、吸血鬼の設定においては、本作の脚本家・小中千昭が以前に脚本を担当したアニメ版『デビルマンレディー』からの流用が見られる。作者の平野は自身のサイトの日記などでアニメとスタッフに対して不満の意を表明(角川書店版『進め!!聖学電脳研究部』では「ゴンゾ版ヘルシングのDVDをまんだらけに売った」という記述がある)、また第10巻巻末のバレンタイン兄弟のオマケ漫画でも、それ自体がネタとは言え、アニメ化を非常に軽い扱いに置いている。

以下、主な相違点を挙げる。

  • ヘルシング機関が公の機関として認知されており、警察と対立関係にある。また円卓会議やその他機関とも確執が目立つ。
  • インテグラがヘルシング機関とヴァチカンとの共闘を蹴る。これにより以後アンデルセンらヴァチカン関係者は登場しなくなった。平野は「野沢那智の無駄遣い」と不満を述べた。
  • ナチス関連の描写は一切ないためミレニアムに関わる人物などが登場しない。これに伴いウォルターの所属は最後までヘルシング機関のままである。代わりに、ピーター・ファーガソン(声:石塚運昇)やギャリス(声:志村知幸)といったヘルシング機関の戦闘要員、吸血鬼の少女ヘレナ(声:平松晶子)、謎の怪人インコグニート(声:山崎たくみ)など、アニメオリジナルキャラクターが登場する。
  • ギャグシーンが本編中に存在しない。次回予告はほぼギャグシーンである。
  • 最初は戸惑っていたものの、セラスが輸血用の血液を飲む。
  • 拘束制御術式に第5号が存在。また、1号が原作の零号のような扱いに変わり、インテグラの承認を必要とする。
  • 円卓会議の一部が英国を裏切り、ヘルシング機関を罠に嵌める。
  • 敵は倒すがインテグラは逮捕され、黒幕の正体も不明なままで終わる(字幕で「必死の調査にも拘らず秘密組織の謎は解けなかった」と解説される)。

第6話「Dead Zone」では地上波放送時、ヤンの過激なセリフがピー音に変えられて放送された。これは元々CSでの放送を前提としてシナリオを書いていたためらしい。DVD版及び後述のOVA版ではピー音は外されている。

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ「ロゴスなきワールド」
歌 - 石井妥師
エンディングテーマ「Shine
歌 - MR. BIG

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
Order:1 The Undead 小中千昭 浦田保則 村田俊治
Order:2 Club-M 鈴木薫 斎藤浩信
Order:3 Sword Dancer 小野学 門智昭
Order:4 Innocent as a Human 開木菜織 竹田豊 河合静男
Order:5 Brotherhood 佐野隆史 花井信也 日向正樹
Order:6 Dead Zone 角銅博之 上坪亮樹 柳瀬雄之
Order:7 Duel ほそのゆうじ 上坪亮樹 鈴木薫 当山金三
Order:8 Kill House 小中千昭 工藤鉱軌 西山明樹彦 斎藤浩信
Order:9 Red Rose Vertigo 佐野隆史 山内東生雄 柳瀬雄之
Order:10 Master of Monster ほそのゆうじ 宮尾佳和
Order:11 Transcend Force 小中千昭 仁賀緑朗 いたがきしん 神戸洋行
Order:12 Total Destruction 飯田馬之介 鈴木薫 田頭しのぶ
Order:13 Hellfire 浦田保則 村田俊治

OVA

幾度かの延期を経て、2006年2月に「原作そのまま」かつ「原作が終わるまでOVAをリリース」かつ「(アンデルセン神父以外の)主要キャストはアニメそのまま」を謳い文句に(ただし、テレビアニメ版で原作に忠実だった部分、例えばヘルシング邸に突入する直前のヤンの台詞や、アーカードとマクスウェルが対峙した際の台詞の一部は変更または削除されている)、「ミレニアム」の章を取り扱うOVA版の製作が決定した。タイトルは"Hellsing Ultimate OVA Series"。アニメ制作は新たにサテライトが担当することとなった。

公式サイトにはアンデルセンの声優が替わったことを知らせるために「見敵必殺 強力若本 Brand new Alexander Anderson」とトップに大々的に記されていた。

なお本作は品質をかなり重視しているため、第1巻はリテイクの上で、第2~4巻と第8巻はそれぞれ当初の予定日より発売が延期された(この時のことをジェネオン主催のイベント「RONDO ROBE 2007」での告知映像で自虐的にネタにしていた程)。

DVD のオーディオコメンタリーで中田が「大きな画面で観てみたい」と発言していたことから、「秋葉原エンタまつり」の企画として2007年10月28日秋葉原UDXにて第1巻から第3巻のマラソン放映が実施された。また、発売前の第4巻Aパートもプレミア放映された。

また「RONDO ROBE 2008」では、第5巻以降の製作がサテライトからマッドハウスへ交替することと、監督がところともかずから変更することが発表された。第8巻以降では「Final season」と題し再度製作会社と監督が変更されている。

なおBlu-rayは第6巻よりDVD版と並行して同時発売されており、第1巻から第5巻はセットのBlu-ray BOXとして、二度の延期の末に2010年10月22日に発売された。第1巻にDVD版から大幅な修正が加えられている。

スタッフ(OVA)

  • 監督 - ところともかず(#1 - #4)、田中洋之(#5 - #7)、松村やすひろ(#8、#10)、鈴木健一(#9 - #10)
  • シリーズ構成 - 黒田洋介
  • キャラクターデザイン/総作画監督 - 中森良治
  • サブキャラクターデザイン - 大塚八愛(#1、#3 - #10)、寺沢伸介(#2)、鷲田敏弥(#3)、Yang Byung Gil(#9)
  • メカニックデザイン - 天神英貴
  • 色彩設計 - 佐野ひとみ(#1)、のぼりはるこ(#2 - #7)、村田恵里子(#8-10)
  • 美術監督 - 緒続学(#1、#2、#5)、中原英統(#3)、Brunet Stanislas(#4)、二嶋隆文(#5 - #7)、吉川洋史(#8-10)
  • プロダクションデザイン - 神宮司訓之
  • 小物設定 - 小川浩、奥田万つ里
  • 撮影監督 - 福士享(#1 - #4)、Oh Seong ha(#5 - #7)、Lee Suk bum(#5)、五関寿・関谷能弘(#6 - #7)、荻原猛夫(#8-10)
  • 編集 - 重村建吾(#1 - #4)、寺内聡(#5 - #7)、廣瀬清志(#8-10)
  • 音響監督 - 鶴岡陽太
  • 音楽 - 松尾早人
  • 音楽プロデューサー - 太田敏明
  • アニメーション制作プロデューサー - 稲村努(#1)、白井勝也(#2、#3)、稲村努・渡嘉敷八起(#4)
  • プロデューサー - 上田耕行筆谷芳行、吉本聡(#5)、二方由紀子(#5 - )、橋本健太郎(#6 - )
  • アニメーション制作 - サテライト(#1 - #4)→マッドハウス(#5 - #7)→グラフィニカ(#8-10)
  • 製作 - WILD GEESE
  • ナレーション - 宝亀克寿

主題歌(OVA)

作詞 - Hermann Löns / 作曲 - Herms Niel / 編曲 - 松尾早人
  • 挿入歌「悪魔巣取金愚」(#5)
作詞・作曲 - 高橋照幸 / 歌 - 特撮
  • 挿入歌「Broken English」(#5)
作詞・作曲 - マリアンヌ・フェイスフル / 歌 - SCHAFT
  • エンディング曲「Magnolia」(#6)
作詞・作曲・歌 - 睡蓮
  • エンディング曲「浸透して」(#7)
作詞・作曲・歌 - 睡蓮
  • エンディング曲「P.S.南無阿弥陀仏」(#8)
  • エンディング曲「戦争するなら弓、槍、剣で戦え!」(#8)
作詞・作曲・歌 - 石井妥師
  • エンディング曲「SCARS」(#9)
作詞・歌 - 黒崎真音 / 作曲・編曲 - R・O・N
  • エンディング曲「Gradus vita」(#10)
作詞 - 濱田真美 / 作曲 - 松尾早人 / 演奏 - ワルシャワフィルハーモニックオーケストラ

各巻リスト

タイトル 発売日 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
HELLSING I 2006年
2月10日
黒田洋介 ところともかず
殿勝秀樹
殿勝秀樹 大塚八愛、奥田佳子
相馬満
HELLSING II 8月25日 倉田英之 殿勝秀樹
ロマのフ比嘉
榎本守 鷲田敏弥、関口雅浩
小美野雅彦、大塚八愛
HELLSING III 2007年
4月4日
黒田洋介 古川順康 小林孝志
鹿島典夫
大塚八愛、鷲田敏弥
湖川友謙、関口雅浩
丸藤広貴、Lee jong hyun
Kim dong joon
HELLSING IV 2008年
2月22日
倉田英之 ところともかず
松村やすひろ
神原敏昭、藤本義孝
岡崎幸男、金澤勝眞
清水一伸、福田貴之
濱崎義浩、楠本巨樹
大塚八愛、丸藤広貴
津幡佳明、鷲田敏弥
山内則康、相馬満
小美野雅彦
HELLSING V 11月21日 阿部恒 田中洋之 有田周平・白石達也(エフェクト)
Kim Dong Jun、Kim, Dae-Hoon
Lee Hyeon Jeong、Jang Hee Kyu
Jang, Kil-Yong
HELLSING VI[注 8] 2009年
7月24日
黒田洋介 田中洋之
大久保唯男
有田周平・白石達也(エフェクト)
Yang Byung Gil、阿部恒
梅原隆弘、Kim Dong-sik
Jang Hee-kyu、Kim Dong-jun
Jang Gil-yong、Lee Hyun-Jeong
HELLSING VII 12月23日 佐藤雄三
伊藤尚往
有田周平・白石達也(エフェクト)
Yang Byung Gil、阿部恒
梅原隆弘、今村大樹
Kim Dong-sik、Jang Kil-Yong
Jang Hee-kyu、Kim Bo-kyeong
Woo Jin-woo
HELLSING VIII 2011年
7月27日
倉田英之 松村やすひろ
加藤道哉
佐々木真哉、矢吹勉
藤本義孝、松村やすひろ
Yang Byung Gil、舛舘俊秀
Kim Ill Bae、栗原学
関崎高明、鎌田祐輔
大嶋博之、中森良治
田村勝之(エフェクト)
HELLSING IX 2012年
2月15日
西澤晋、吉川浩司
松村やすひろ(監修)
友田政晴、大庭秀昭
鈴木吉男、白石達也
関崎高明、橋本航平
永作友克、Kim Pilkang
山本正文、Choi Kyoung Suk
Lee Sang Mi、Lim Chae Duk
大嶋博之、中森良治
田村勝之(エフェクト)
HELLSING X 12月26日 阿部恒、佐々木真哉
松村やすひろ
鈴木健一、松村やすひろ
大嶋博之、佐々木真哉
白石達也、鈴木吉男
友田政晴
Yang Byung Gil、Lim Chea-duk
SEO KYUNG-ROCK、Choe Gueong-seok
舛舘俊秀、中森良治
坂巻貞彦(アクションレイアウト)
  • 2006年1月22日にはテレビ神奈川で第1話のダイジェスト版(30分用に編集したもの)が放送された。

映像特典

第10巻には『ドリフターズ』PVアニメも収録。

『THE DAWN』
  • 絵コンテ・演出 - 大嶋博之
  • 作画監督 - 大嶋博之、Yang Byung Gil、Seo Kyung-Rock(THE DAWN 2・3)
収録巻 巻数
VIII THE DAWN 1
IX THE DAWN 2
X THE DAWN 3

サントラ

テレビアニメ版

Raid

  1. ロゴスなきワールド
  2. 莫迦越えのニルバーナ〜恨み厳禁〜
  3. 楽音遊戯 拈華微笑
  4. 必勝 妙法蓮華曲
  5. 神々への供養〜勝手にやらせてもらいます〜
  6. 官能的誘惑の罠にはまった左足
  7. ドラキュラ聖徒とR&R
  8. P.S.南無阿弥陀仏
  9. カオスの海〜創造主の思惑〜
  10. 原罪〜処女を守りぬけないがために〜
  1. 大聖堂の菩薩〜Featuring 田部井辰雄〜
  2. 仮面神父とチャペルの鐘
  3. 悪魔の仕業か神業か
  4. 死成の無垢
  5. 不誠実な道の上でのサバイバル
  6. 漠源ドラムの嘆き
  7. 生(盛)者への鎮魂曲
  8. 非神経症的捨て曲〜オマエライツタイナンナンダ?
  9. 戦争するなら弓、槍、剣で戦え!
  10. SHINE(ending edit)(MR. BIG

Ruins

  1. 世界最終黎明期
  2. 葉隠れの和声
  3. SKY OF GOD MASTER
  4. 罪作りな憎いヤツ
  5. SOUL救命隊
  6. I.B.C.J.包囲網
  7. 死傷ヶ丘での銃劇戦
  8. 精神警察捜査課の裏事情
  9. 原色ジバクラヴソング
  10. シークレット カルマ セレナーデ
  11. 桔梗薫るイロハ道
  1. 真理響
  2. ねつ造されたBACK GROUND
  3. 原点回顧 RYTHM NATION
  4. 真夜中の暗殺者
  5. ロゴスなきワールド〜マルコムXに捧ぐ〜
  6. 罪減ぼしジプシー
  7. さらばボンコツWORLD
  8. 666より777
  9. 大麻の煙が目にしみる
  10. 嗚呼、青春のエロ魔界
  11. 予期せぬ出来事

OVA版

BLACK DOG

  1. Song of DEMETER
  2. TARGET INSIGHT
  3. 伯爵立つ
  4. 黒犬とムカデの行進
  5. 千の牙、万の瞳
  6. E M I A
  7. 狗の刻
  8. 死臭風と血飛沫
  9. Badrick
  1. 狗の糞
  2. ShotGun Circus
  3. 魔界境界線
  4. 百萬発弾
  5. Cromwell
  6. Die Fledermaus
  7. SHINOBIASHI SASURIASHI
  8. Gradus vita

Warsaw Recording Selection

OVA第4巻の特典ディスク(DVD-Audio)

  1. Gradus vita
  2. 黒犬とムカデの行進
  3. Letzte Bataillon
  4. Stolzer Aristokrat
  5. Feuerkreuz
  1. E M I A
  2. 大隊兵諸君
  3. Apocalypse now!
  4. Der Freischütz Nr.9 Terzett

ナチスなCD

HELLSING I-V Blu-ray BOXの特典ディスク

  1. 魔弾の射手 Nr.2 Terzett mit Chor
  2. Letzte Bataillon
  3. Feuerkreuz
  4. 華麗なる宣戦布告
  5. 大隊兵諸君
  6. 魔弾の射手 Nr.9 Terzett
  7. MILLENNIUM
  1. 戦争の夜へ
  2. 進軍序曲
  3. 幻覚 mix 強制終了
  4. 英国進軍歌
  5. 赤旗と黒禍
  6. 魔弾の射手 Nr.2 Terzett mit Chor
  7. ボーナス・トラック(北春日部老人会音頭)

なんとなく、イスカリオテ

HELLSING VI-X Blu-ray BOXの特典ディスク

  1. 驕れる神父 ひさしからずや
  2. Ireo Ireo!
  3. 神父襲来
  4. DQNな僧兵
  5. 羊たちの茶会
  6. 死人送りの鐘は鳴る
  7. その時 神は昼寝する
  1. 過ぎ去りし日々はむやみやらしく美しく
  2. No.13
  3. 眠れ赤子のように 消えよ数多の塵のように
  4. レコンキスタのラッパは響く
  5. 審判上等!
  6. 世界は流れて死の河とあい成り果てぬ

パチンコ・パチスロ

  • パチンコ:CRヘルシング(2012年、豊丸産業
  • パチスロ:パチスロ ヘルシング(2014年、北電子

評価

コミック・ブック・リソーシズのARTEMIS TSATSAKIは、スタイリッシュな絵柄やストーリー、女性キャラクターの活躍などを評価し、新たな吸血鬼作品の道を開いたと述べている[14]

特定のキャラクターに対する反響・評価

ファミ通のシシモモフライは第1巻を紹介する記事の中で個性的なキャラクターを評価している[5]。また、シシモモフライは本作の登場人物であるセラスに対するインターネット上の反響として「ちょっとポンコツなとこがかわいい」といった意見を取り上げている[5]

テレビアニメ版およびOVA版におけるキャストの演技についても評価が寄せられている。アーカード役の中田譲治の場合、アニメのニュースサイト・アニメ!アニメ!が2020年に行った彼の出演作の人気投票の中で、アーカードは2位にランクインした。投票者からはアーカードのキャラクターと中田の声が合っているといった意見が寄せられたほか、作中で多様な姿を見せるアーカードに合わせられる中田の技量を評価する声もあった[4]。少佐役の飛田展男については、アニメイトタイムズが行ったアンケートの中で、作戦直前の演説を評価するが寄せられた[11]。また、アニメ!アニメ!が2018年に行った、アニメの演説シーンの人気投票では、少佐の演説が『ノーゲーム・ノーライフ』の空白の演説と同率で1位にランクインし、そこでも飛田の演技を評価する声が寄せられた[15]

脚注

注釈

  1. ^ アーカードとセラスは吸血鬼でありながら吸血鬼狩りを生業としている。
  2. ^ OVA第9巻ブックレット収録の漫画では「ロリカード」と呼称されている。
  3. ^ OVA第9巻のブックレットのおまけ漫画でも、「その時(『COYOTE』)」より若干、オレ優しくなってるからね。エロン時、もー俺もドン引く位の鬼畜だからね」と自ら発言している。
  4. ^ OVA第2巻では、その前に青龍刀でヘルシング機関の構成員を次々と抹殺するシーンが追加されている。
  5. ^ 第1巻は初版分には無く、第2巻発売に合わせた重版分から。
  6. ^ 『吸血鬼ドラキュラ』の中でミナは、ドラキュラ伯爵に襲われ吸血鬼になりかけたが、ドラキュラ伯爵が倒されると共に人間に戻っている。
  7. ^ 発売と同時期に公開された映画『MOON CHILD』がヴァンパイアが題材であった為、出演者のGackt(現・GACKT)から「現在、君が人間であることを感謝せよ/Gackt(Artist)」というコメントが、一時期単行本の帯に寄せられていた。
  8. ^ 初回限定版は「ルークとヤンの人情紙○○」のアニメや『CROSS FIRE』のドラマCDが付属。

出典

  1. ^ 原作コミックス第10巻帯の表記より。
  2. ^ MARS16 on the web
  3. ^ “平野耕太の人気漫画「HELLSING」がハリウッドで実写映画化”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2021年3月8日). https://eiga.com/news/20210308/17/ 2021年3月8日閲覧。 
  4. ^ a b 中田譲治さんお誕生日記念!一番好きなキャラは?20年版 3位「Fate/stay night」言峰綺礼、2位「HELLSING」アーカード、1位は…”. アニメ!アニメ! (2020年4月22日). 2020年10月10日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 吸血鬼の超絶バトルを描く『HELLSING』。巻き込まれた人間・セラスの運命は……【Kindle Unlimitedおすすめ漫画】”. KADOKAWA (2020年10月10日). 2020年10月10日閲覧。
  6. ^ 単行本第1巻, p.59
  7. ^ HELLSING official guide book, p.10
  8. ^ HELLSING official guide book, p.12
  9. ^ 平野耕太 [@hiranokohta] (2011年10月31日). "お願いランキングでMAX見たら、これが聞きたくなった。t.co/lrfNuxUo ジョンロビンソンって格ゲーキャラっぽいよね。漫画で大司教のキャラのモデルにした。". X(旧Twitter)より2021年3月8日閲覧
  10. ^ 『ぱふ』2009年5月号の作者インタビュー
  11. ^ a b 声優・飛田展男さん、アニメキャラクター代表作まとめ”. アニメイトタイムズ (2019年11月6日). 2020年10月10日閲覧。
  12. ^ HELLSING official guide book, p.90
  13. ^ インタビュー記事「平野耕太「HELLSING」」(雑草社ぱふ』2005年4月号掲載)より。
  14. ^ TSATSAKI, ARTEMIS (2020年9月23日). “Hellsing: 10 Reasons Why It's The Best Vampire Manga” (英語). CBR. 2020年10月10日閲覧。
  15. ^ アニメの演説シーンといえば? 「Ζガンダム」「銀魂」を抑えて2作品が同率トップに”. アニメ!アニメ!. 2020年10月10日閲覧。

外部リンク

フジテレビ 水曜26時後半枠
前番組 番組名 次番組
HELLSING
Kanon(アニメ第1作)