LAST EXILE

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LAST EXILE
ジャンル サイエンス・フィクション

スチームパンク

アニメ
原作 GONZO
監督 千明孝一
シリーズ構成 千明孝一、GONZO
脚本 千明孝一、神山修一
山下友弘、冨岡淳広
鈴木貴昭
キャラクターデザイン 村田蓮爾(原案)、堀内修
ムラオミノル、田中雄一
音楽 Dolce Triade
アニメーション制作 GONZO DIGIMATION
製作 ビクターエンタテインメントGDH
放送局 テレビ東京ほか
放送期間 2003年4月7日 - 9月29日
話数 全26話
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト アニメ
ポータル アニメ

LAST EXILE』(ラストエグザイル)は、GONZO制作の日本テレビアニメ作品。

概要[編集]

GONZOの10周年記念作品。2003年4月7日から9月29日までテレビ東京ほかで放送された。全26話。2007年11月21日にDVD-BOXが発売された。

2011年10月に、続編『ラストエグザイル-銀翼のファム-』がCBCほかにて放送された。

斎藤千和はヒロイン・ラヴィ役を演じたことで、声優業をこなすことについて初めて深く考えさせられ、世界観が変わっていったという、斎藤にとってターニングポイントというべき作品となった。また、タチアナ役の喜多村英梨と、ホリー役の花澤香菜の両名は本作が声優デビュー作である。

またクラウス、ラヴィ、アル達のその後を描いたコミック『ラストエグザイル-砂時計の旅人-』が2011年9月より『ニュータイプエース』(角川書店)にて連載された。作画はムラオミノルで全2巻。

あらすじ[編集]

黄昏の時を迎えた世界プレステール・・・。

環境の激変により、滅亡の危機に直面しながらも「アナトレー」と「デュシス」の2大国は不毛な戦争を行い続けていた。「貴族」が「平民」を、超技術を持つ「ギルド」が「国家」を支配し、両者の戦争はギルドの意のままに管理されていた。「平民」は一杯の清浄な「」にさえ事欠く苦しい生活を強いられていた。

アナトレー領ノルキアに暮らすパイロットのクラウス・ヴァルカとナビゲーター兼メカニックのラヴィ・ヘッド。幼馴染みの2人は自分たちの父親が残した「ヴァンシップ」と呼ばれる小型飛行艇を駆使して「空の運び屋」を営む傍ら、「ヴァンシップレース」での優勝を夢見て、日々機体の改造と運び屋の仕事に励んでいた・・・。

【第三次ミナギス会戦】

「ノルキア杯」が間近に迫る中、パーツ購入の金策に困る2人は「星3つ」の危険な仕事を引き受ける。それは最前線で戦うアナトレー軍指揮官マドセインに家族からの書簡を届けるというものだった。2人は愛機と共に空戦真っ只中の戦場に舞い降りる。マドセインの旗艦「クラウ・ソラス」では「銃兵」のモラン・シェトランドが多くの戦友を失いながらも過酷な戦闘を今日も生き延びていた。圧倒的な優勢から不可解なギルドの裁定により一転して壊滅の窮地に陥ったマドセイン艦隊。騎士道精神を重んじるマドセインは全滅覚悟の特攻を試みようとしていた。クラウ・ソラスに強行着艦したクラウスたちは書簡の受け取りも許されず、艦を叩き出されそうになる。だが、父の教えで仕事をやり遂げることを信条とするクラウスはマドセインに渡せなかった彼の娘ホリーからの手紙を読み上げる。2人を取り押さえるためやってきた兵士たちに助太刀したモランが銃を向ける。父の無事な帰還を祈るホリーからの手紙は乗組員たちの心を打つ。そしてラヴィが言い放った「騎士道なんてくそっくらえ」の言葉にマドセインは思い直す。「必ず生きて帰ると伝えてくれ」と言い放ち、マドセインは絶望的な退却戦を戦う決意を固める。ラヴィはモランに礼として水筒を差しだし、クラウスはアナトレー軍の退却を支援するためヴァンシップでの攪乱を試みる。だが、デュシスの圧倒的な軍勢に阻まれ絶体絶命の窮地に陥る。それを突如として現れた「真っ赤なヴァンシップ」が救う。「シルヴァーナの射線上にいる。退避しろ」。女パイロットの言葉に続いて、黒い空中戦艦が現れる。それは悪名高きアナトレー軍の空中戦艦シルヴァーナだった。シルヴァーナの猛攻でデュシス艦隊は次々に撃沈され、その隙にマドセイン艦隊は退却し、2人も戦場を後にする。再びマドセイン邸を訪れたクラウスとラヴィはホリーに父からの言葉を娘に伝えることが出来た。だが、その日予定されていたノルキア杯の予選タイムアタックに参加出来ず、翌日のレースは最後尾スタートとなってしまう・・・。

【ノルキア杯と星7つの依頼】

ノルキア杯が始まった。最後尾スタートとなったクラウスたちだが、ライバルたちを次々に蹴落としてトップ争いを繰り広げる。ところが、コース上に侵入した一隻のヴァンシップにレースが妨害されてしまう。クラウスはそのパイロットが負傷し出血しているのを見て、レースを放り出して救助に向かう。パイロットのラルフ・ウェンズディは運び屋の仕事の最中にギルドの「星形のヴァンシップ」に襲撃され瀕死の重傷を負っており、同じ運び屋のクラウスに仕事の引き継ぎを申し入れる。それは「星7つ」という途方もなく危険な仕事で、後部座席で命を落としたナビゲーターの胸に抱かれた幼い少女アルヴィス(アル)を遺跡跡で待ち受けるシルヴァーナに届けろというものだった。ラルフを追ってきた星形が旋回する中、「エンジンはかけるな」と助言されたクラウスはアルと依頼状、ラルフの船の「フィギュアヘッド」をその手に現場から離れ、ラルフはヴァンシップの自爆に星形を巻き込んで命を落とす。自宅に戻った2人はアルをどうするかで揉める。ラヴィは人が死ぬ危険な仕事で、薄気味悪いシルヴァーナとこれ以上関わりたくないと主張し、クラウスは身寄りのなくなったアルへの同情と仕事を引き継いだ以上やり遂げるとして譲らなかった。だが、深夜になって謎の戦艦に自宅を急襲され、クラウスたちはアルを連れて逃げる他なかった。鉱山の水路伝いに遺跡跡を目指す3人だが、星形に待ち伏せされる。アルを奪われたクラウスは地上形態をとる星形に生身で果敢に挑みかかるが返り討ちにされる。そのとき、2人の前に船員を連れたシルヴァーナ艦長アレックス・ロウが現れる。アレックスは星形を一撃で仕留め、代金を放り捨てるとアルをもののように運ばせ、無言で去って行った。悔しさを堪えきれないクラウスは星形から燃料を抜き取り、アルにオモチャの山羊を届ける名目でシルヴァーナを追う。一方、発艦したシルヴァーナではエースパイロットのタチアナ・ヴィスラアナトレー皇帝への報告のため赤いヴァンシップで発進していた。対空砲を浴びせられながらもクラウスは強行着艦に成功するが、たちまちヤクザな船員たちに囲まれてしまい叩きのめされる。アルは副長のソフィアに大切に保護されていた。だが、「世界一安全な場所」である筈のシルヴァーナはギルドの艦隊と多数の星形に襲撃される。クラウスはタチアナの不在により航空戦力で劣るシルヴァーナを守るため戦闘機で出撃する。慣れない空戦に戸惑うクラウスとクラウスの無茶な操縦で「レッド・アウト」してしまうラヴィ。クラウスの才気溢れる操縦技術に興味を抱く、ギルドマエストロの弟ディーオはお目付役のルシオラと共にクラウスのヴァンシップにぴったりとまとわりつく。そのとき、報告を終えたタチアナが戻ってきた。「時間切れ」となって撤退するギルドの部隊だが、シルヴァーナは満身創痍となっていた。

【カジノ船と決闘】

シルヴァーナは補給と修理のためアレックスのかつての上官で、今はカジノを兼ねた浮きドッグを管理するウォーカーの船に入港する。そこは「第三次ミナギス会戦」から生還したアナトレーの兵士たちで溢れかえっていた。クラウスは負傷と疲労で寝込んでしまうが、ラヴィは興味本位でドッグに行く。バーで水を注文するラヴィの前に現れたのはモランだった。彼はクラウ・ソラスを降り、ゴライアスに配置換えを願い出るつもりでいた。鼻持ちならないゴライアス乗組員の貴族たちとシルヴァーナの乗組員たちは反目し合う。そこへゴライアス艦長のノウルズ子爵が現れる。モランはノウルズに取り入ろうとして近付くが、彼がマドセインの艦に居たことを知ったノウルズは「臆病者の印」と罵り、モラウの大事な「帰還章」を踏みにじる。ノウルズら貴族たちにおもねるカジノの店員たちは結果を不正に操作していた。そうした汚いやり口と理不尽な扱いにキレたモランは「ゴライアスこそミナギス会戦で味方を見捨てて逃げた臆病者だ」と言い放ち、これに乗っかったラヴィとシルヴァーナの乗組員達はゴライアスの乗組員とケンカを始める。そこへ、会談を終えたウォーカーとアレックスがやってくる。ウォーカーに一喝されて騒ぎは収まるが、侮辱されたことに腹を立てたノウルズはアレックスに「決闘」を申し入れる。艦艇同士の決闘をすることになったゴライアスとシルヴァーナ。ノウルズは相手が悪名高き「皆殺しのシルヴァーナ」と知って勝ち目がないと慌てるが、卑劣にもウォーカーの合図より先に猛攻を仕掛け沈めてようと試みる。だが、合図と共に発射したシルヴァーナの新型装備「多連装徹甲噴進弾」を浴びたゴライアスは呆気なく沈んでしまう。クラウスはラヴィの反対を押し切りシルヴァーナに残ることにし、モランは騒ぎのどさくさでシルヴァーナに乗り込むことになる。

【ホライゾンケーブの8耐レースと闇オークション】

シルヴァーナは自由都市ホライゾンケーブに向かう。クラウスはソフィアからレースに出て欲しいと頼まれる。「戦闘機乗り」となりレースを諦めていたクラウスは名高い「ホライゾンケーブの8時間耐久レース」に出られると知って大喜び。クラウスの知らないところで「ある決意」を固めたラヴィはクラウスと共に出場することになり、シルヴァーナのメカニックたちとチームを組む。クラウスとラヴィの笑顔にアルは安心し、けなげにチームを応援する。一方、アレックスの興味は耐久レースの陰で行われる闇オークションにあった。だが、そこには「ある事件」に心を痛める侯爵が居た。アレックスの指示でクラウスとは別のチームでレースに出場することになったタチアナに極秘任務が与えられる。モランはラヴィの気を惹こうとして「俺はメカニックの技術もある」などと余計な一言を言ったがために、シルヴァーナのメカニックにされてしまうが、同じチームとなったタチアナに一目惚れ。レースは抽選で選ばれた機体を時間内に修理・整備し、スタートから8時間後の午前0時に先頭を飛んでいたチームが優勝するというものだった。アルに抽選を任せるクラウスたちだがあいにくにも酷いボロ船を引き当ててしまう。クラウスを特技である「インメルマン」(ターン)の通称で呼んで執着するディーオはルシオラをナビにギルドのメカニック達とレースに参加する。ディーオの挑発にタチアナは激高し、任務を忘れたかのように冷静さを欠き、ナビのアリスティア(アリス)はタチアナに振り回される。スタートこそひどく出遅れたクラウスだが順調に順位を上げていく。デューオはクラウスにまとわりつくためレースを台無しにしていく。最後のピットインでクラウスたちはラヴィの計算で燃料を半分にし、デューオはまだまだクラウスと遊ぶために燃料を満タンにする。そんな中、タチアナ機には秘密の装備が取り付けられる。その頃、一人オークションに参加したアレックスは「EXILE」に関する品に法外なベットをかける。これに競り掛けたのは密かに参加していたギルドのマエストロデルフィーネだった。ゴライアスと共に散った息子の仇を討つためオークションに参加したヘンリー・ノウルズ侯爵はアレックスのベットを妨害し、暗殺のため拉致する。だが、レースの終了時刻である午前0時を狙ってタチアナ機が停電を引き起こす。アレックスは闇の中でノウルズ侯爵を返り討ちに遭わせる。アレックスの狙いはEXILEに関する物品の落札ではなくその出品者から重要な情報を聞き出すことだった。すべてを終えたアレックスが戻ったシルヴァーナは密かに出航する。クラウスはディーオと最後まで競り合うが燃料の重さで差が付き優勝する。だが、停電に見舞われてピットに戻るともぬけの殻だった。レースを終えたクラウスにラヴィはナビをやめ、メカニックに専念することを宣言する。そこへディーオが現れ、彼の道案内でシルヴァーナに向かうことになる。

【アルヴィスの秘密と皇帝への反逆】

道案内の後、ディーオとルシオラは「捕虜」としてシルヴァーナに居着いてしまう。ディーオの興味はEXILEにもアルにもなく、クラウス一人に向けられていた。アレックスの尋問も相手にしようとせず、逆にアレックスがEXILEの秘密を狙っていると知って情報を与える。一方、アルに会ったデューオは彼女になにか囁きかける。すると、アルの様子がおかしくなり、それと同時にシルヴァーナの機関が暴走する。だが、機関長レシウスの適切な処置とクラウスがアルに呼びかけたことで事なきを得る。この出来事でクラウスはアルの抱える秘密の一端を知ってしまう。その頃、タチアナとアリスの関係はギクシャクしていた。士官学校の同期生としてコンビを組んできた二人だが、タチアナはあまりに身勝手な態度から艦内では「姫」と陰口されていた。アナトレー皇帝はアレックスに不信感を抱き、アルを手元に置こうとしていた。これを知った宰相のマリウスは密書を出す。皇帝の勅命により、ヴィンセント大佐と彼の座乗艦で新造艦ウルバヌスがシルヴァーナに差し向けられる。アレックスの士官学校時代の友人だったヴィンセントは会見を求めてきた。アレックスはその護衛としてクラウスを指名する。このことにタチアナは激高するが、更に彼女を動揺させたのはアリスがクラウスのナビに志願したことだった。クラウスと共に任務に就いたアリスは星の位置が変わり、位置計算が出来なくなっていると話す。その頃、タチアナは一人煩悶していた。一方、ヴィンセントとの会見でアレックスは皇帝への反逆を宣言する。「つらいぞ」と友人を労るヴィンセントにアレックスは無言で背を向ける。ヴィンセントは相手がアレックスとシルヴァーナである以上、沈める覚悟で当たらねば負けると決意していた。アレックスもまたウルバヌス級を強敵と認識し、特殊な地形を持つ「龍の牙」に誘い込む作戦を練る。敵艦捕捉のためヴァンシップ隊が先行することになり、タチアナはナビにクラウスを指名する。ディーオは興を削がれて傍観を決め込み、出撃するクラウスにラヴィとアルが弁当を差し入れる。アレックスの計らいでレシウスと対面したディーオは、ギルドの反逆者である彼が船に居ることに興味を抱く、逆にレシウスは異常気象への対応についてディーオに尋ねるが彼はなにも知らされていなかった。アレックスとヴィンセントの、シルヴァーナとウルバヌスの死闘が始まった。アレックスの誤算はヴィンセントが投入したウルバヌス級が三隻だったことだ。作戦通り「龍の牙」に誘い込もうとするがヴィンセントにそれを読まれ、地形の爆破により進路を塞がれる。また無音航行可能なウルバヌスの捕捉に手を焼き、僚艦の接近を許す。逆にヴィンセントの作戦を逆手に取るためアレックスは僚艦を盾にして砲撃を防ぐ。タチアナはウルバヌスに接近して戦いを挑むがエンジンに被弾。二隻のウルバヌスに両弦から接近攻撃されたシルヴァーナは推力を失いウルバヌス級二隻を道連れに墜ちていく。クラウスとタチアナはそれを目撃。タチアナは母艦とアリスを失うショックに気を失い、クラウスはタチアナの目を覚まさせるためわざと機関を暴走させる。二人を乗せたヴァンシップは砂漠に墜落する。シルヴァーナの艦内ではアルを庇ったラヴィが頭を打って倒れていた。

【遭難と二人の過去】

砂漠に墜落したヴァンシップでクラウスは帰還とシルヴァーナの無事を信じて必死にエンジンの修理を行うが、タチアナは無駄なことだと心を閉ざしてしまう。修理作業は難航し、座席で一夜を過ごすことになるが、夜半に我を失ったタチアナがアテもなく砂漠に歩き出すのをクラウスは必死で押し留める。翌朝、クラウスが懸命に生きようとする姿にタチアナは少しずつ心を開く。クラウスはかつてタチアナがアレックスの命令でグランストリームに挑んだことを聞かされ驚く、逆にタチアナはクラウスの父がハミルカル・バルカで、ラヴィの父がその相棒であるジョルジュ・ヘッドであると知り驚く。二人はヴァンシップ乗りにとって伝説の人物だった。クラウスは自分とラヴィの夢が父たちの果たせなかったグランストリーム越えを成し遂げることだと語る。その頃、ラヴィはベッドで寝かされ、夢にうなされていた。変わり者の貴族だったハミルカルがヴァンシップに魅せられ、妻子を連れてノルキアに引っ越してきた。家が隣同士だったハミルカルとジョルジュは意気投合して親友となり、やがてコンビを組む。ラヴィとクラウスが出会ったのもその頃だった。ラヴィの出産時に亡くなった母にかわり、ラヴィはクラウスの母に育てられる。父達の名が知れ渡るようになると、それを慕う青年が恋人を連れてやってくるようになる。ラヴィがアルに渡した山羊のオモチャは彼に貰ったものだった。クラウスとラヴィは父親から操縦や空の魅力を教わる。やがて、父達は腕を見込まれ、アナトレーがデュシスに向け、和平を呼びかける皇帝の親書をグランストリームを越えてデュシスに届けるという星10個の依頼を受ける。父達は家族に帰還を約束して飛び立つが、戻ってくることはなかった。しばらく経って一緒に挑んだ青年が二人が亡くなったことを伝えに来る。彼もまた負傷し、ナビだった恋人を失っていた。それから半年後にクラウスの母が心労で亡くなると、身寄りのない二人に残されたのは二軒の家とヴァンシップだけとなった。幼いクラウスとラヴィは見様見真似で練習と整備を行う。それからしばらく経ち、初飛行に成功するが民家の屋根に衝突してしまう。それでもヴァンシップを手放すまいとする二人は、自宅を差し押さえられて住む場所さえもなくなる。その後も練習を重ねた二人は、父達の後を継いで一人前の「運び屋」になってゆく・・・。クラウスとタチアナはどうにか浮く程度にまで機体を修理し、緊急シェルターに向かう。だが、そこに居たのはデュシス兵だった。捕らえられた二人は銃殺されるかと思いきや、相手はドゥーニャという年若い銃兵だった。デュシスの生き残り兵達の前にデュシスの民が一縷の希望を持って打ち上げた「移民船」が次々に落下してゆく。そうしてデュシスは国土を完全に失ったのだった・・・。クラウスはドゥーニャから故郷のノルキアがデュシスに占領されたと聞かされる。

【クラウスの帰還とソフィアのキス】

ディーオとアリスの急造コンビは遭難したクラウスたちを探して緊急シェルターを目指し飛ぶ。クラウスたちは無事だったが、彼らの報告は衝撃的だった。またそれ以上の騒ぎを引き起こしたのは帰還後に別人のようになってしまったタチアナと彼女が身につけていたクラウスの作業着だった。それを目にしたラヴィは二人の仲が急接近したことを察して嫉妬に取り乱す。タチアナはクラウスの「優しさ」に自分を見失い、メカニックたちは好き勝手な「噂話」に花を咲かせていた。優しいだけで女心がまるでわからないクラウスは、ラヴィの態度やタチアナの心境が理解出来ていなかった。一方、ディーオは一枚の写真をクラウスに見せる。それはクラウスとラヴィの家族写真だった。ディーオはそれが艦長室に置かれていた事実を伝える。激高したクラウスがアレックスに詰め寄ると、アレックスはクラウスたちが父達の機体だと信じて大切にしてきたヴァンシップが自分のもので、アレックスこそがハミルカルたちの最期を伝えに来た青年であると話す。そしてアレックスがグランストリームで見たのは自分たちが死んでいく様を嘲笑うデルフィーネの顔だった。それ以来、アレックスはデルフィーネへの復讐を誓って生きてきたのだった。一方、皇帝への反逆を決意したアレックスにソフィアは一縷の望みを胸に、髪を下ろした姿で近付く。その姿はアレックスのかつての恋人でマリウスの娘ユーリスに酷似していた。だが、そんなソフィアの姿に一瞥もくれずアレックスは「好きにしろ」と言い放つ。夜、クラウスはデッキに居たソフィアに出会う。ソフィアはクラウスと話した後、突然キスする。翌日、皇帝の紋章を掲げた一隻の船がやってくる。そこに乗り込むのは正装したソフィアだった。ソフィアの正体はアナトレー皇帝の娘である「皇女」でユーリスとは従兄弟の関係だった。ソフィアはある決意を胸に皇都に戻る。一方、勅命になかったシルヴァーナの撃沈と虎の子のウルバヌス級二隻を沈めたことに皇帝は激怒し、ヴィンセントをマドセインのもとに左遷する。

【老耄する皇帝と皇都炎上】

ソフィアの去ったシルヴァーナではアレックスが酒に溺れていた。クラウスはなぜ止めなかったのだと問い詰める。タチアナはソフィアから後任の副長になるよう命じられて戸惑っていた。そんな彼女にモランが告白する。モランは「銃兵の矜持」に目覚めていた。モランの告白と彼の示した矜持にタチアナはヴァンシップ乗りであろうと決める。デュシスの国土が失われたことは皇帝の耳にも入っていた。だが、「亡国の艦隊」となったデュシスの残存部隊に居留地を与えてはというマリウスの進言はただちに却下され、謹慎を命じられる。また、父と対面したソフィアは両国の和平を提案するが、既にヴィテリウスの進言でデュシスにとどめを刺すことと、ギルドとの戦いを決めていた皇帝はソフィアを塔に幽閉する。囚われのソフィアのもとにマリウスがやって来る。彼は最早事態がどうにもならない段階に入ったものとして行動に移そうとしていた。その頃、ヴィンセントの去ったウルバヌスには新任の艦長が着任していた。彼の前にデュシスの残存艦隊が現れる。最早、手負いの獅子となったデュシス艦隊はウルバヌス艦隊の弱体化を衝いて突破し、皇都に向かう。襲来したデュシス艦隊の攻撃により皇都は炎上。父から刺客を差し向けられたソフィアは窮地に陥るが、突如現れたヴィンセントに救われる。助け出されたソフィアが目にしたのは炎に包まれる都だった。マリウスは皇帝と差し違えて息絶える。マドセインと計らって決起を決めたヴィンセントは部下達と示し合わせてウルバヌスを奪還し、ソフィアを迎え入れる。切り札の「スコロペンドラ砲」でデュシス艦隊を迎撃しようとしていたヴィテリウスはソフィアの名で示された砲撃中止に応じようとせず、ウルバヌスの魚雷で砲と運命を共にする。その頃、マドセインの呼びかけでホライゾンケーブにヴァンシップ乗りたちが続々と集結していた。シルヴァーナは艦の修理のためウォーカーの浮きドックに入る。

【それぞれの決意と新皇帝即位】

ソフィアはデュシス艦隊司令のネストル・メッシーナに会見を申し入れ、その席でかつて届けられる筈だった皇帝の親書の写しを示す。その上で和平を結び、同盟することを提案し、メッシーナはこれを了承する。ソフィアは自らが皇帝に即位し、両国同盟の盟主となる旨を宣言する。モランは「銃兵」として戦うためシルヴァーナを降りる。クラウスとラヴィも退鑑を促されるが、ホライゾン・ケーブで再会した故郷の船乗りたちからマドセインに呼びかけを決断させたのが、自分たちだったと聞かされる。クラウスは「運び屋」たちを戦争に巻き込んだ責任を重く受け止め、シルヴァーナに残り戦うことを誓う。集結したヴァンシップを眺めていたクラウスとアルは一人の船乗りに出会う。彼はラルフの兄ミハイルだった。ラルフの死を告げ、彼から預かったフィギュア・ヘッドを差し出すクラウスにミハイルはそれは持っていてくれと頼む。ソフィアの戴冠式が慎ましく行われるが、その頭上にデルフィーネの座乗鑑が出現し花びらの雨を降らせる。アレックスは即座に攻撃を命じるが、砲術長はソフィアを巻き込むと命令を拒否する。姉の出現にディーオは動揺していた。なにも知らないアルヴィスが集めた花びらを見て激高したディーオはそれを投げ捨てる。ギルドメンバーが集結する「誓約の儀式」が近付いていた。シルヴァーナ副長に戻ったソフィアはこれに奇襲攻撃をかけ、一挙にギルドを殲滅する作戦を立てる。だが、誕生月が近付くことに怯えるディーオはクラウスと共にEXILEまでの道案内をすることを拒否する。シルヴァーナとウルバヌスは無音航行でグランストリームの中に身を隠すEXILE探索に全力を挙げていた。ウルバヌスの放つ音響魚雷と主席聴音員ウィナの耳を頼りにした作戦。そんな中、ディーオのためアルは自らケーキを焼いて、クラウスたちとディーオの誕生日を祝うパーティを催す。無邪気に喜ぶディーオにルシオラの顔にも笑みが浮かぶ。誕生日を祝われたことに気を良くしたディーオはクラウスのナビとして出撃することを了承する。

【荒ぶるEXILEとデルフィーネの嘲笑】

クラウスとディーオはグランストリームを飛ぶ、コンビ復活となったタチアナ、アリスと共にEXILEに近付いた二人は触手を伸ばして生き物のように暴れるEXILEの抵抗に遭う。どうにかEXILEにアンカーを撃ち込むことに成功したクラウスとディーオだが、シルヴァーナに戻った彼らを出迎える者はなく、さながら幽霊船のようになっていた。ブリッジに向かった二人はデルフィーネとその部下、そしてルシオラによりシルヴァーナが制圧されたことを知る。デルフィーネは嫌がるディーオとアル、そしてクラウスをギルド船に移送しようとし、格納庫に潜伏して反撃の機会を伺っていたアレックスをも捕らえて連れ去る。ソフィアは一足違いでウルバヌスに乗り換えていたため無事だった。心配するラヴィをよそにクラウスたちはギルド船に連行される。クラウスはディーオ、アレックスと引き離され、アルと共にデルフィーネの案内でギルド船を見せつけられる。頽廃と飽食。飢える民をよそにデルフィーネは贅沢の限りを尽くしていた。優しげに振る舞いつつも時折恫喝を交えるデルフィーネの言葉と態度に不安を隠せないクラウスとアル。そんな二人の前にディーオが現れる。だが、それは最早別人だった。「成人」したディーオは身も心もデルフィーネの意のままとなる変わり果てた姿になっていた。デルフィーネからギルドマエストロの称号を受け継ぐ「誓約の儀式」が始まり、ディーオは共に成人した他の少年たちを次々に殺戮していく。デルフィーネはかつてこの世界に人類を導いた巨大移民船EXILEをその手にしようと目論んでいた。アレックスがEXILEの生体キーであるアルを保護し、アクセスに必要なパスワード「ミュステリオン」をギルド四大家の末裔たちから集めていた事実を知るデルフィーネはアレックスに自白剤を使用して口を割らせ、アルを利用してEXILEへのアクセスを行う。だが、そうした事態を予期していたアレックスは四つ目のミュステリオンを自分が知ることなく封書としていた。ディーオへの友情と忠誠を示す機会を待っていたルシオラは隙をみてデルフィーネに反逆し、クラウスにアルとディーオを連れて逃げるよう促す。また、アルにシルヴァーナと連絡をとるための通信機となるネックレスを渡す。実の兄を含むデルフィーネの部下たちを鮮やかに葬ったルシオラだが、デルフィーネから渡された指輪の力で光となって消滅する。折しも、マドセイン率いる艦隊からヴァンシップ部隊が出撃しようとしていた・・・。

【激戦とアレックスの最期】

ギルド船から辛うじて脱出したクラウスたちはノルキア近くの野戦病院で保護されていた。そこではマドセインの娘ホリーが看護婦として働いていた。クラウスはアルを連れて荒れ果てた自宅に戻り、ルシオラから渡されたネックレスを使いシルヴァーナにいるラヴィたちと連絡をとる。クラウスはソフィアから「竜の牙」に向かうよう指示される。その頃、シルヴァーナと同盟軍はギルド艦隊と激しい戦闘を行っていた。両者に対し、見境なく暴れ回るEXILEが襲いかかる。デルフィーネはそうしたEXILEの姿に満足し、もはやアルは必要ないと判断する。竜の牙に到着したクラウスたちを待っていたのはアリスと新しい機体だった。第二中継地点でタチアナの機体に乗り換えたクラウスにギルドの星形ヴァンシップが襲いかかる。彼らはアルの存在を認知しながらなお攻撃を仕掛けてきた。クラウスは一機を撃墜し、どうにかウォーカーの浮きドックに辿り着く。そこで待っていたのはラヴィと自分のヴァンシップだった。グランストリームを越えた先のデュシスにEXILEは留まっていた。これと対峙するシルヴァーナに最後のミュステリオンを届けるという重大な使命を背負うことになったクラウスはラヴィ、アルと共にグランストリームに挑む。だが、そこで待ち伏せていたのは野戦病院を抜け出し、ヴァンシップに乗って現れたディーオだった。無慈悲に襲いかかるディーオ、だがクラウスとの空戦の最中にホライゾンケーブでのレースの記憶が蘇る。クラウスを振り切って前に出たディーオは思わずルシオラの名を口にして後部座席を振り返る。だがそこには誰の姿もなかった・・・。ウルバヌスら同盟軍艦隊はソフィアが指揮をとるシルヴァーナのため血路を切り拓く。自らの勝利と新天地への到達を確信したデルフィーネは嘲るようにアレックスに近付きその胸に薔薇を添えていた。だが意識を取り戻したアレックスはどうにか自由になった左腕一本でデルフィーネの首を絞めあげる。デルフィーネ艦に接近したシルヴァーナは猛攻をかける。その直前、ウィナはデルフィーネ艦にいるアレックスの声を聞いた。倒れるデルフィーネ、そして沈み行くデルフィーネ艦。「空へ・・・」その言葉を最期にアレックスは爆炎の中に散る。クラウスとラヴィはグランストリームを抜ける。そこは雪原の大地デュシスだった。満身創痍のシルヴァーナ、座礁したウルバヌス、そして荒ぶるEXILE。アルの接近に反応し、攻撃を止めるEXILE。クラウスとアルはミュステリオンを唱える。するとEXILEは目映い光と共に真の力を解放した・・・。

【終幕】

ギルドは壊滅し戦いは終わった。星を渡る船という真の力を解放したEXILEはクラウスたちを豊穣の大地へと誘う。クラウスとラヴィはEXILEの中に父達のヴァンシップを発見する。届けられなかった和平の書簡、朽ち果てた機体・・・。父が最後まで使命を全うしようとしたことを悟ったラヴィは泣き崩れる。ハミルカルとジョルジュの墓前で、アナトレーを代表するラヴィの手からデュシスを代表するドゥーニャの手に和平の書簡は渡された。生き残った人々は恵み豊かな新たな大地で生命を育んでいく。一面の麦畑を見下ろしヴァンシップで飛ぶクラウスとラヴィ、それを見上げるモランとドゥーニャの息子。クラウスは父やアレックスの願った平和で自由な空を手に入れることが出来たのだった・・・。

登場人物[編集]

アナトレー[編集]

グランドストリームが隔てたプレステールの世界の片側に存在する帝国。皇帝の下に貴族が権力を振るう君主制国家。高地に住居をかまえる事が権力の象徴であり、皇帝の居城はアナトレーで一番高い山の頂上にある。水は貴重品で平民は貴族の排水をろ過、浄水し利用している。そのうえ気象制御装置の異常によって熱帯化が進んでおり、水の価値が一層高騰する事態となっている。

シルヴァーナの乗員[編集]

クラウス・ヴァルカ
- 浅野まゆみ
本作品の主人公。15歳。低血圧で朝に弱くラヴィからは“ねぼすけ”とよく言われている。普段はのんびり屋だがヴァンシップでの仕事などはしっかりとこなし、やるときはやる性格。虫が苦手。ノルキアのヴァンシップ組合に所属しており、大人顔負けの飛行記録を持つ。インメルマンターンとシザーズを得意としており、ディーオからは“インメルマン”と呼ばれる。
父親達の果たせなかった、グランドストリームを越えることを夢見ながら日々の仕事をこなしていたが、アルヴィスをシルヴァーナまで届ける任務を引き継いだ事により世界の大きな流れに巻き込まれていく。
初めはヴァンシップを戦いの道具として扱うことに抵抗を感じていたが、ギルドとの戦闘を経てアルヴィスとラヴィを守りたいという気持ちから自らシルヴァーナに残る決意をする。
ラヴィ・ヘッド
声 - 斎藤千和
クラウスのナビで幼馴染。15歳。常に元気な女の子でのんびり屋のクラウスを引っ張っている。クラウスとラヴィの父親がパイロットとナビという関係だったため、クラウスとラヴィも自然にそういう関係になった。
クラウス同様、グランドストリームを越えることを夢見ている。クラウスがシルヴァーナにて戦闘に出るようになってからはナビを辞退し、メカニックを担当するようになるが、クラウスがアルを連れてグランドストリームを越える任務をうけた際には再びクラウスのナビに復帰した。
アレックス・ロウ
声 - 森川智之
無敵艦シルヴァーナの艦長。階級は大佐。戦術・戦略のみならず武勇においても卓越したアナトレーきっての英才。昔、デュシスとアナトレーの和平の書簡を届けるために、クラウスとラヴィの父親達と共にグランドストリームを越えようとするが失敗。その際、婚約者のユーリスを失い、以後自分を責め続けてきた模様。
グランドストリームでの事故は当時幼少であったデルフィーネの妨害が原因であり、以来デルフィーネへの復讐だけが生きる目的となっていた。最終回で復讐を成し遂げ、一言ユーリスの名を呟いたのち、デルフィーネの座乗艦もろともに消えた。
クラウスとラヴィが父親達のヴァンシップだと思っていたものは実は彼のヴァンシップであり、幼少の頃の二人とも面識があった。
タチアナ・ヴィスラ
声 - 喜多村英梨
シルヴァーナに属するヴァンシップ隊隊長。17歳。階級は中尉。機体の色は赤。没落した貴族の出で給金を実家に送っている。ソフィアとは士官学校時代からの知り合いでプライベートでは対等な口をきく。士官学校中退後ソフィアの紹介でシルヴァーナに乗ることになる。
とても固い性格でプライドも高く融通も利かない。クラウスと戦闘に出た際に精神的に脆い部分が露呈し、それ以来クラウスに好意を寄せるようになる。
アリスティア・アグリュー
声 - 桑谷夏子
タチアナのナビ。17歳。階級は少尉。タチアナとは士官学校時代からの友人で、彼女の中退と同時に自らも退学し共にシルヴァーナに乗ることになる。
大人しい見た目とは裏腹に芯は強く、タチアナに対して厳しく接することもある。男性への免疫はなく、クラウスのことを少し意識している。
外伝『ラストエグザイル-砂時計の旅人-』では、クラウスを想うタチアナを応援している。
モラン・シェトランド
声 - 三木眞一郎
アナトレーのマドセイン艦隊の銃兵。戦場ではとにかく生き残り生還賞を20個集め出世することが夢だった。
第三次ミナギス会戦で任務で旗艦クラウ・ソラスに訪れたクラウス達と出会い彼らの任務を助ける。マドセイン艦隊を離れた後、ウォーカーの浮きドックでラヴィと再会しシルヴァーナの整備士になる。整備士として不自由の無い生き方をしていたが、ギルド掃討作戦の訓練を目の当たりにし再び銃兵として生きていくことを決意する。
ラヴィやタチアナに惚れては玉砕する恋多き男だったが、最後はドゥーニャにOKを貰った。
ギルド兵との戦闘では弾を受けてしまったが、命をとりとめドゥーニャとの間に子どもも生まれている。
ゴドウィン
声 - 石塚運昇
シルヴァーナの整備長。階級は兵曹長。強面の巨漢だが情に厚く涙脆い。腕っ節も強く、巨大な対装甲自動砲(対物ライフルより大きい)を使って戦闘にも参加する。初対面のルシオラに挑むが簡単に倒されてしまった。
ゲイル
声 - 梁田清之
シルヴァーナの副整備長。階級は上等兵曹。他の整備隊員と違って、整備服の上半分を脱いだ格好をしている。同性愛者であるらしく、気に入った男をチェックしている。
コスタビ
声 - 巻島直樹
シルヴァーナの整備士の一人。階級は上等兵。眼鏡をかけていて丁寧な言葉遣いをするが、発言は嫌みったらしく皮肉げで、慇懃無礼そのもの。性格も割と荒々しく、しばしば手が出る。
イーサン
声 - 関智一
シルヴァーナの整備士の一人。階級は二等兵。 手品(大道芸?)が得意。芸の一つである火吹きで戦ったこともある。整備士の中では下っ端で、モランが来てからは後輩が出来た事をとても喜んでいた。
アーサー・キャンベル
声 - 宗矢樹頼
シルヴァーナの航海長。職務に忠実だが、18話でアレックスがデルフィーネへの復讐心から逆上し、地上に皇帝に即位したソフィアが居るにも関わらず、デルフィーネの座乗艦に砲撃命令を下したのを制止した気骨ある人物。
ディック・グリンダル
声 - 徳山靖彦
シルヴァーナの艦橋見張員。
ウィナ・ライトニング
声 - 永田亮子
シルヴァーナの主席聴音員。21歳。非常に聴力に優れ、音響を立体的に把握することができる。最終話でアレックスの最後の言葉をソフィアに問われた時、彼女の気持ちを慮り「ソフィア」と嘘を答えた。

ウルバヌスの乗員[編集]

ヴィンセント・アルツァイ
声 - 郷田ほづみ
戦艦ウルバヌスの艦長。アナトレー近衛軍大佐。アレックス、ソフィアとは士官学校時代からの友人。性格はとても快活で飄々としているが、軍人としては優秀でこと戦略に関してはアレックスにも引けを取らない。
コーヒーが好きで戦闘中もコーヒーを欠かさないほか、お気に入りのブレンドコーヒーを「ウルバヌス名物軍艦コーヒー」と称して客人に振舞う。
ソフィアのことを密かに想っているが、彼女がアレックスを慕っていることも知っている。ソフィアが皇帝になってからは特に彼女のために任務を遂行する。
ルーモルト・ドルフストランド
声 - 土屋利秀
ウルバヌスの参謀長。丸眼鏡と短いどじょうひげが特徴。柔軟性には欠けるが堅実な方法で戦果を挙げ、ヴィンセントの意図を先読みし迅速に行動する。ただし、他人の心情を考慮することは苦手のようで、時折ヴィンセントの心情を逆なでするような行動をとってしまう。
新任艦長
声 - 山口健
16話でヴィンセント更迭後に赴任した艦長。貴族出身者らしく口髭をたくわえおネェ言葉で話す退廃的な風貌の人物。ソフィアが乗艦する艦を無警告で砲撃しようとする等、短慮で粗暴。デュシス軍が帝都を強襲した時も何一つ指揮官らしい指示は出せず、遂には逃走する等、無能ぶりを晒す。

皇族・貴族・軍人[編集]

皇帝
声 - 北村弘一
アナトレー帝国皇帝でソフィアの父。かつては聡明な君主だったが、長年続くデュシスとの戦争によってその美点は削ぎ落とされ、猜疑心のみが残った。ヴィテリウスの主張を容れギルドとの全面戦争を決意するも、デュシス残存艦隊による帝都奇襲の際、反逆した宰相マリウスと刺し違え息絶えた。
ソフィア・フォレスター
声 - 山崎和佳奈
シルヴァーナの副長にしてアナトレー皇帝の娘。19歳。階級は中佐。顔立ちがユーリスに似ている。ある目的のためにシルヴァーナに潜入するが、艦長に一目惚れしそのまま副長に。
皇帝の死にともない新たなアナトレー皇帝としてデュシスと和平を結び、ギルド掃討作戦の指揮をとる。
デーヴィッド・マドセイン
声 - 秋元羊介
ノルキア駐留艦隊(通称、マドセイン艦隊)の司令長官。階級は中将で侯爵の爵位を持つ。騎士道精神を重んじており軍事の重要性をよく知る武人だが、宮廷貴族たちからはしばしば田舎者と見られている。
第三次ミナギス会戦では敗北が濃厚になった戦況でも決して敵に背を見せず最後まで戦うと主張したが、クラウスの説得により退却する。
これにより周囲の貴族からしばし批判を受けノルキア方面防衛の任を解かれたが、ヴィテリウスの死後アナトレー艦隊の総司令となる。
ヴィテリウス・グラミス
声 - 小山武宏
アナトレー軍総司令。階級は大将。貴族主義でアナトレー好戦派のトップ。
皇帝にギルド、デュシス双方の打倒を提唱し、皇帝に和平案を持ち出す宰相マリウスを疎んでいる。皇帝がギルドに反逆を示した途端にソフィア、マリウスを皇帝から遠ざけた。
スコロペンドラ砲により帝都に迫るデュシス残存艦隊全滅を目論むが、ソフィアが乗艦するウルバヌスに砲撃を阻止され死亡。
ヘンリー・ノウルズ
声 - 石波義人
アナトレー西方を領する侯爵。ヴィテリウスと組み帝国の私物化を目論んでいる。息子ノウルズ子爵の仇を討つため、ホライゾンケイプでアレックスの暗殺を試みるも失敗した。
ノウルズ
声 - 土屋利秀
戦艦ゴライアスの艦長で階級は大佐、爵位は子爵。ノウルズ侯爵の晩年に生まれた子供で、取り巻きに囲まれた中で甘やかされて育ち、わがままで尊大な人間になった。「皆殺しのシルヴァーナ」の艦長とは知らずにアレックスに一騎打ちを挑み敗北、ゴライアスと共に沈んだ。

ヴァンシップ乗り[編集]

ハミルカル・ヴァルカ
声 - 金尾哲夫
クラウスの父で元伯爵。ノルキアで最も優秀なヴァンシップ乗りだった。デュシスへの和平の書簡を届けるためにグランドストリームへ向かうが失敗、そのまま死亡した。
ジョルジュ・ヘッド
声 - 伊藤和晃
ラヴィの父でハミルカルのナビを務めた。ハミルカルと共にグランドストリームへ向かうが失敗、そのまま死亡した。
ユスティーナ・ヴァルカ
声 - 相沢恵子
クラウスの母。早くに亡くなったラヴィの母親代わりとしてクラウスと一緒に育てたが、夫の死後その心労で死去。
ユーリス
宰相マリウスの一人娘。ソフィアの姉のような存在だった。アレックスのナビとしてグランドストリームへ向かうが失敗、そのまま死亡した。
サニー・ボーイ
声 - 相沢正輝
ノルキアのヴァンシップ乗り。普段から鼻毛が伸びており、ラヴィに「鼻毛野郎」と呼ばれている。
ファット・チキン
声 - 巴菁子
ノルキアのヴァンシップ乗り。オカマっぽい口調が特徴、ラヴィに「ブタ鳥」と呼ばれている。18話でスキンヘッドだと分かる。
ハリケーン・ホーク
声 - 石井康嗣
ノルキアのヴァンシップ乗り。ノルキアではトップクラスの実力を誇る。
ラルフ・ウェンズディ
声 - 北出真也
アルヴィスをシルヴァーナに運んでいたヴァンシップ乗りで口にくわえたシナモンバーがトレンドマーク。ギルドの攻撃を受け死亡。死の間際にクラウスにアルヴィスを託した。ミハイルという兄がいる。

その他[編集]

マドセイン夫人
声 - 雪野五月
マドセイン中将の妻。夫を影ながら支える芯のある女性。自宅を野戦病院として開放した際は自ら看護婦として患者の手当てをした。
ホリー・マドセイン
声 - 花澤香菜
マドセイン中将の娘。9歳。オリーブの花が好きな優しい女の子。父を誇りに思っているが、同時に戦場に赴く父の身を案じている。
デュシスとの和平締結後、ギルドによってノルキアに多大な被害が出た際は自宅を野戦病院にした母と共に看護婦として働く。アルヴィスは働く彼女と出会い、自分も強く生きることを決意する。
ウォーカー
声 - 山口健
浮きドックのオーナー。元はアナトレーの軍人で士官学校時代のアレックスとヴィンセントの教官をしていた。現在は浮きドックを経営しながらシルヴァーナの補給や修理に力を貸している。
ジャンカルロ
声 - 牛山茂
自由都市ホライゾンケイプを治めるジャンカルロ財団のオーナー。裏ではノウルズ侯爵と繋がって金銭のやり取りをしている。金に汚くデルフィーネには「下品なジャンカルロ」と言われており、その逆鱗に触れて肉体を塩にされてしまう。

ギルド[編集]

プレステールを二つに隔てるグランドストリーム内にある合議制国家。古よりプレステールの管理を任された者達で、アナトレーやデュシスに比べかなり高度なテクノロジーを有する。ギルド人は自らを世界の管理者とし禁欲精神を代々受け継ぎ任に付いていたが、デルフィーネのクーデター以降はマエストロの独裁国家に変貌。デルフィーネの私利私欲のために動き、世界の管理を放棄している。

アルヴィス・E・ハミルトン
声 - 白木杏奈
ギルド四大家系の一つ、ハミルトン家の娘。11歳。愛称は“アル”。ギルドを追われた後はアナトレーにある森で乳母と執事と共にひっそりと暮らしていた。とても人見知りで口数も少なく実年齢より幼く見えるがクラウスやラヴィと出会ってからは明るくなり意外な行動力を見せることもあった。
居場所がギルドに知れてからは皇帝の意向により“世界で一番安全な場所”と称されるシルヴァーナに移されることになるが、アルを乗せたラルフのヴァンシップはギルドに落とされやむなく引き継いだクラウスとラヴィの手によって運ばれた。アレックスをはじめアナトレーの軍人や貴族はアルを“積荷”と呼ぶが、クラウスやラヴィにとっては大切な友達である。
ギルドの四大家系それぞれに伝わるミュステリオンと、生体キーである彼女自身によりエグザイルが起動する。
ディーオ・エラクレア
声 - 野田順子
デルフィーネの弟。ギルド四大家系の一つ、エラクレア家出身のプリンシパル。物事に縛られることを嫌い、目新しいものに興味を抱き、面白いものを好きになる。ミステリアスで少し変わっているが基本的には純粋無垢な少年である。姉を極端に恐れている。
姉の下を離れてシルヴァーナを襲うギルド艦に乗っていた。星型と戦うクラウスの天才的な操縦技術を偶然見て彼を“インメルマン”と呼ぶ。そのクラウスと勝負をするためにホライゾンケイブの八耐レースに参加するが敗北。クラウスにさらに興味を持ったためそのままシルヴァーナに乗船することになる。
シルヴァーナで暮らす中でクラウスたちと楽しそうに接するようになる。シルヴァーナの面々に誕生日を祝ってもらい、涙を流して喜んだ。
デルフィーネに捕まった後は強制洗脳で記憶を奪われ、性格を破壊されてしまった。徐々に自分を取り戻していくものの、記憶の混乱を引きずったままグランドストリームを飛行中、自分のためにルシオラが墜落死したと錯覚し、物語の終盤でヴァンシップ諸共乱流に流され生死不明となるが、からくも生き延び、続編『銀翼のファム』では冒頭から再登場する。
ルシオラ
声 - 半場友恵
ディーオの側近。幼い頃、デルフィーネから下げ渡されたディーオからルシオラという名を与えられる。ディーオから下僕ではなく友人として扱われてきた。感情をあまり表に出さないが、ルシオラにとってディーオが全て。格闘に長けておりゴドウィンを一撃で卒倒させるほど。
ディーオがシルヴァーナに降りてからもずっと付き添い、ディーオが無垢な笑顔を見せるようになった事を密かに喜んでいた。
ディーオが洗脳された事件をきっかけにギルドへの反抗を決意。デルフィーネに捕まったクラウスたちにディーオを託し逃亡させ、自らはデルフィーネの下へディーオを自由にするために説得に向い、デルフィーネから渡された指輪の力によって光となって消滅した。
デルフィーネ・エラクレア
声 - 根谷美智子
両親を含めたギルド四大家系を排除してマエストロ(最高権力者)に上り詰めた独裁者。24歳。幼い頃から人の命や心を踏みにじることに喜びを感じるサディストであると同時に死と破壊をこよなく愛する美的センスの持ち主で、全てが自分の思い通りになると考えている。好きなものは赤い薔薇。終盤、アレックスを座乗艦内で虜にしていたが、傲慢さゆえの油断から意識を取り戻していた彼にあえなく扼殺されてしまう。
マリウス・バシアヌス
声 - 岩田安生
ギルド四大家系の一つ、バシアヌス家の当主。妻はアナトレー人でギルド内でも穏健派だったが、デルフィーネによってギルドを追われアナトレーに亡命した。
亡命後、妻の姉が皇帝との子ソフィアを授かり、ソフィアの母が亡くなってからはユーリスと共に本当の子のように育てた。
ヴァンシップ技術の提供などアナトレーにとって重要な技術をもたらした。
レシウス・ダゴベール
声 - 山路和弘
ギルド四大家系の一つ、ダゴベール家の当主。マリウスと共にアナトレーに亡命した。
亡命の際に乗っていたギルド艦のユニットはそのままシルヴァーナに転用され、以降シルヴァーナ機関室でレシウスが管理運用している。
偶然訪れたディーオやアレックスとチェスを交える。
シルヴァーナの人々と交流する場面はあまり見られないがキャンベルたちの指示もしっかりと聞くあたりそれなりに交流もあるようだ。
シカーダ
声 - 巻島直樹
デルフィーネの側近。遺伝子上のルシオラの兄。本来は激情家だがギルドへの忠誠と強い意思で感情を押さえつけている。
クラウスたちの逃亡を幇助したルシオラに襲い掛かるが敗北する。

デュシス[編集]

プレステールのアナトレーと反対側に位置する共和制国家。気象制御装置の異常によりかなりの寒冷化が進んでおり、移民目的でアナトレー侵攻を決定する。侵攻に手間取る間にも寒冷化は進み続け、ついには大型ロケットによる大量移民を強行する。

ドゥーニャ・シェーア
声 - 須藤祐実
デュシスの新米兵士。17歳。弟妹が多いため、食料を優先的に回してもらえる軍人に志願した。
ユニット制圧作戦の訓練中モランと知り合い恋仲になる。作戦時にはモランにより突き飛ばされ突入はしていない。
ネストル・メッシーナ
声 - 有本欽隆
デュシス軍派遣艦隊司令官。アナトレー侵攻への総力戦に際して任命されたが、アナトレーとの徹底抗戦を主張せず共存を提案していた。大量移民の失敗から最後の総力戦をアナトレーに挑むことを決意したが、ソフィアの仲介により共存の道を選んだ。

劇中の戦役、事件[編集]

基本的にはアニメ版の描写をもとに記述するが、一部小説版に依る。

気象制御装置の故障
プレステールの気象を制御していた装置に異常が発生。デュシスの異常寒冷化とアナトレーの異常熱帯化が始まった。その後ギルドの実権を握ったデルフィーネはプレステールの運営にあまり興味を示さなかったため修理が行なわれず、気象の異常は進行してゆくこととなった。特にデュシスの寒冷化は甚大でデュシスにアナトレーへの移民を決意させるに至った。
デルフィーネのクーデター
元来、ギルドはハミルトン、ダゴベール、バシアヌス、エラクレアの四家の合議制によって運営されていたが、若くしてエラクレア家の当主となったデルフィーネ・エラクレアはギルド的禁欲精神を持たない異端の徒であった。デルフィーネはギルドを制圧することを考え、自らの親衛隊を動かし、ハミルトン、ダゴベール、バシアヌス家の当主をギルドから追放し、ギルドの全権を握った。その後デルフィーネはプレステールの運営にあまり関心を持たなかったため、世界は混乱を増して行くこととなった。
ミナギス会戦
ミナギスはアナトレーとグランドストリームとを繋ぐ戦略上の要地であり、過去多くの戦闘が繰り返されてきた土地である。
デュシスはアナトレーへの侵攻を図り、グランドストリームを通過しミナギスへの進撃を開始した。これを察知したシルヴァーナが砲撃により応戦し、デュシス艦隊に打撃を与えたが、重大なものではなく、デュシス艦隊はそのまま進撃し続けた。
ミナギスにデュシス艦隊が侵入するに至り、アナトレー本隊も迎撃作戦を発動、マドセイン艦隊がこれにあたった。ギルドはミナギスでのアナトレー、デュシス間の戦闘を許可したが、実はこれにはある密約が存在していた。銃兵による戦闘から砲撃戦へと、ギルドの協定通りに戦闘は推移した。戦局はアナトレー有利であった。しかし、ギルドの許可の元、デュシスの別働隊が奇襲を実行し、アナトレー艦隊に壊滅的な損害を与えた。当初、マドセインは騎士道精神に基づき全滅するまで抗戦し続けるつもりであったが、たまたまマドセインの妻子からの書簡を届けに来ていたクラウスとラヴィの説得を受け、退却を決意、撤退を開始した。これをデュシス艦隊は追撃し、アナトレー艦隊はほとんど追い付かれる寸前であったが、クラウスとラヴィがスモークでデュシス艦隊を攪乱、さらに突如戦場にあらわれたシルヴァーナが艦載機による雷撃と砲撃を行ない、デュシス艦隊を足止めし、アナトレー艦隊はなんとか戦場を離脱した。ここにミナギスは陥落した。
アルヴィス争奪
古来よりグランドストリームを漂う移民船エグザイル、そのギルドをも超えるテクノロジーと戦艦能力にデルフィーネは興味を示す。奇しくもギルドより追放されたハミルトン家のアルヴィスはエグザイルの生体キーの役割を有しており、ギルドはアルヴィス確保に乗り出すこととなる。
このことを察知したアナトレー皇帝はアルヴィスをシルヴァーナに運ぶよう手配。乳母ギータとともにヴァンシップ乗りラルフに運ばれる途中でオドラテクに発見され追撃を受ける。手負いのラルフに偶然出会ったクラウスとラヴィはアルヴィス運搬の任務を引き継ぎ、追撃を受けながらシルヴァーナへアルヴィスを運ぶ。しかしアルヴィスを“積荷”として扱うアレックスに対して不信を抱いたクラウスは、アルヴィスの今後を見届けるためシルヴァーナに乗り込む。
浮きドックでの決戦
ギルド追撃を逃れたシルヴァーナはウォーカーの浮きドックに寄港、しばしの休息をとる。ラヴィは浮きドック内で貴族艦ゴライアスの乗組員の高慢な態度に腹を立てトラブルを起こし、整備員たちも巻き込んでバーは大騒ぎとなる。ウォーカーによって沈静化したものの、腹の虫がおさまらない艦長のヘンリー・ノウルズはアレックスをシルヴァーナの艦長とも知らずに決闘を申し込む。シルヴァーナを見て勝ち目がないことを悟ったノウルズは決闘開始前に艦砲を発射するが全く通用せず、徹甲噴進弾の前に空に沈んでいった。
ミュステリオン争奪
ウルバヌス迎撃戦
ノルキア陥落
帝都攻防戦
ソフィア戴冠式
エグザイル争奪戦
ユニット制圧戦
ギルド城脱出
ギルド制圧戦

登場する艦船・兵器[編集]

シルヴァーナ
デルフィーネのクーデターによる弾圧から逃げたハミルトン、ダゴベール、バシアヌス家の残党の乗艦のユニットを使いアナトレーにて極秘裏に建造された艦。ユニットだけでなく各種の技術もギルドから脱出した人々が保有していたものである。装甲、艦砲を始めとした各種の艤装はギルド協定に違反しており、ギルド戦艦と対等に戦うことが出来る。外観上の特徴としては、船体がアナトレー標準型戦艦に比べかなり小型であること、基調色が黒いことである。ヴァンシップ母艦として機能しうるがアナトレー標準型戦艦に比して搭載可能機数はかなり少ないようである。
また特徴的な艤装として多連装徹甲噴進弾が挙げられる。しかし多連装徹甲噴進弾は設定において混乱が大きかったようで、8話で初登場した際は回転砲のように発射する武装として描かれ、ウルバヌス、ギルドとの戦闘で使用した際は多数の発射口からいっせいに推進力を持った小型の弾頭を発射する武装として描かれた。また小説版では「しりから火を吹く巨大な砲弾」と描写され(アニメでの多連装徹甲噴進弾は通じて小型の砲弾を多数発射する兵器として描かれている)、むしろウルバヌス級の魚雷に近い兵器として捉えられている様子である。なお、ウルバヌスとの戦闘において製作現場では機関全開と多連装徹甲噴進弾の発射が混乱されていたようで、不自然な演出、作画になっている。村濱章司のブログの記事によると、企画、文芸面を担当した鈴木貴昭がかなり細かく複雑な設定を作り、監督も設定を完全には把握しきれない、という状況であったようである。
ウルバヌス級戦艦
アナトレーの次期主力戦艦と目された新鋭戦艦。対ギルド戦を想定してアナトレーの秘密工廠にて建造され、すでに数隻が就役している(同型艦:マルティヌス、ゲオルギウス、セバスティアヌス、ユリアヌス、エウスタキウス)。当初はスコロペンドラ砲と合せてアナトレー皇帝、ヴィステリウスらのギルド制圧戦略の根幹を担う艦とされ、シルヴァーナと交戦したこともあったが、皇帝、ヴィステリウスの死後はソフィアの指揮の下で主力艦として活躍した。その最大の特徴はユニットがギルドのものではなく、アナトレー独自のものであるという点である。これにより一切の航行をギルドの制約なしに行うことが可能になった。このユニットはヴァンシップのクラウディア機関と同じ原理によるもので、クラウディア管の中にクラウディアを高速に循環させることにより浮力を得る。船体そのものはシルヴァーナよりさらに小型であるが、この巨大なクラウディア管が船体後方より突き出ていてかなり異様な艦形になっている。このユニットはギルドユニットを凌駕する性能を持ち、完全無音航行を実現している。
各種の艤装もギルド協定の制限を越えたもので、主砲はギルド戦艦の装甲を一撃で貫通し撃沈させることが可能な威力を有し、ギルド戦艦と互角に戦うことが可能である。なお主砲塔は通常時には装甲下に収納されており、発砲時には装甲の一部を開き、主砲塔を露出させ発砲する。艦首には魚雷発射管を有し魚雷攻撃を行うことができる。この魚雷もかなりの威力を有しスコロペンドラ砲を一撃で破壊した。また、クラッシュラム、巨大チェーンソーなど接近戦向けの武装を搭載していることも特徴的である。
ヴァンシップ母艦としての機能を有しているかは不明であるが、少なくともヘヴィカーゴの離発艦は可能である。
アナトレー標準型戦艦
アナトレーの主力戦艦。ユニットはギルドから貸与されたもので、各種艤装もギルド協定の制約の範囲内(標準型のギルド戦艦の装甲は貫通出来てはならない、など)のものである。ヴァンシップ母艦としての機能を有している。基調色は緑。
レパラシオン級戦艦
デュシスの主力戦艦。ユニットはギルドから貸与されたもので、各種艤装もギルド協定の制約の範囲内であることなどはアナトレー主力戦艦と同じ。主砲が船体下部にあること、グランドストリームの暴風に耐えるため流線系の船体をしていることなどが特徴的。ヴァンシップ母艦としての機能は有しない(そもそもデュシスにはヴァンシップは存在しない)。基調色は白。
ヴァンシップ
アナトレーの小型の複座飛行艇。前座にパイロットが、後座に航法、周辺警戒、弾薬装填などを行うナビが座乗する。主に運び屋として活躍しているが、軍用機としても用いられる。クラウディア管の中にクラウディアを高速で循環させることにより浮力を得て飛行する。このようにギルドに依らない独自のユニットを搭載し、本来であればギルド協定に違反する存在ではあるが、規模が小規模なので黙認されている。しかし、そうしたこともあってヴァンシップ乗りは荒くれ、アウトローとして認識されており、当のヴァンシップ乗りたち自身もそれを誇りに思っている者が多い。よって、ヴァンシップ乗りの一大根拠地であるノルキアは危険な街であると考えている者も多い。
ヴァンシップを用いたレース競技も各地で行われており、草レースから賞金レース、チーム力が求められる耐久レースまで規模は様々である。
軍務においては従来、連絡機程度の役割しか与えられておらず、ヴァンシップへのマイナスイメージも相まって、軍内ではヴァンシップ乗りへの蔑視感情が存在する。
しかしながらアレックスはヴァンシップの戦術的有効性を早くから認識しており、ヴァンシップによる強行偵察、雷撃によってデュシス艦隊に効果的に打撃を与えてきた。こうした事実を元に、ソフィアは対デルフィーネ戦において、ヴァンシップを基軸においた戦術を立て、ギルド艦隊に対し凄まじい打撃を与えた。
ヘヴィカーゴ
大型のヴァンシップ。クラウディア管を上下に2本搭載している。物資、要人の輸送などに用いられる。
ギルド戦艦
ギルドの主力艦。船体は十字架様でかなり巨大である。装甲は非常に堅固であり、グランドストリームの暴風にも完全に耐えることができる。装甲はアナトレー、デュシスの戦艦ではダメージを与えられない。中央正面にガラスの物質で張られた司令室が設置されており、この部分の装甲のみ脆弱で、ヴァンシップに搭載可能な小型のロケット弾で破壊することが可能である。十字架の左右翼の部分に砲塔を多数備えているが、これはどちらかというと防御的な役割を担うもので、威力はそれほど高くない。攻撃の主力は球雷という兵器である。これは極めて強力でウルバヌス級の戦艦であっても直撃すれば一撃で撃沈させることができる。
オドラデク母艦としての機能を有しているかは不明。
ギルド戦艦デルフィーネ専用艦
デルフィーネが座乗する艦。主要諸元はギルド戦艦と同じ。バラを好むデルフィーネに合わせ船体の基調色が赤い。バラの花びらを振りまく機能を有している。
ギルド立会船
アナトレー、デュシス間の戦闘を監督、監視することを主目的とした艦。その他にも、アナトレー、デュシス、ギルド間の対話の場としても機能する。
オドラデク母艦としての機能も有しており、アルヴィス奪取、シルヴァーナ攻撃などの軍事作戦行動の指揮艦として行動したこともある。
オドラデク
ギルドの単座の小型飛行艇。アナトレーなどからはギルド星型と呼称され、オドラデクという名称は小説版にしか登場しない。機動力に優れており、要人誘拐から戦艦攻撃まで幅広い任務に従事する。主要武装はショックカノンとニードルガン。ガンコントロールは自動化されそれなりに高い命中率を持つ。小型でありながら装甲もある程度堅固であるが、いくつか脆弱な場所があり、コツを知っている人間(アレックス、ゴドウィン等)であればライフル、無反動砲等で破壊することも可能。乗員保護システムを搭載し、撃墜、大破された場合でも乗員の安全をある程度は保証する。ギルドテクノロジーを生かし製作されているため、ヴァンシップと比して機動性が高く、ホバリングに近い機動も可能である。一方、耐久力に関しては圧倒的な性能差を有しているわけではなく、ヴァンシップに搭載されている機銃で撃破することができる。
クラウディア・ユニットをコクピット周囲に配置しており、乗員の安全のため全力戦闘可能時間が20分に制限されている。膨大な熱を発する戦闘行動でなければ、その航続距離は2000海里と長大である。
エグザイル
太古の人類が荒廃したもとの世界(地球)からプレステールに移民する際に使用した移民船。離発着のためのエアロックはデュシスの湖の下にあるのだが、第一次移民作戦の後はアナトレーとデュシスの中間部に停泊し、もとの世界の受け入れの準備が整うのをかなりの期間に渡って待機していた。この際嵐を使った防壁を構築していたが、これがグランドストリームである。ギルドはこのことを隠し伝説化させ、過去の人々のテクノロジーを独占したことと併せ、プレステール支配の基盤とした。
アルヴィスはエグザイル再起動のための生体キーであり、彼女が生誕したことは即ちもとの世界への帰還作戦発動のための環境が整ったことを意味している。またアルヴィスをキーとして動作させるためのパスワードをミュステリオンとしてギルド四家に伝承させていた。アルヴィス生誕を捕捉したデルフィーネはプレステールの支配権の根拠であるエグザイルが自分のもとを離れることを警戒し、アルヴィスをおよび全てのミュステリオンを自らのもとに確保することを企図した。これが『LAST EXILE』の物語の全ての発端であると言える。
待機モードのエグザイルは船体を強固な装甲で覆っており、近付くものは全て触手で攻撃する。この触手の威力は甚大でウルバヌス級戦艦やギルド戦艦をも一撃で沈めることができる。
スコロペンドラ砲
アナトレーの帝都に設置された巨大な要塞砲。形状からみて多薬室砲(ムカデ砲)の一種と思われる。運用には多数の兵員を要するが、一撃でディシス戦艦を撃沈する程の威力がある。ただ連射、速射が出来ない上、巨砲ゆえに砲口部分が無防備であり、そこを付け込まれ、ウルバヌスから発射された魚雷によりあっけなく破壊されてしまう。
なおスコロペンドラとはギリシャ語でムカデクジラを意味する未確認海生生物の意。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Cloud Age Symphony」
作詞・作曲・編曲 - 沖野俊太郎 / 唄 - OKINO,SHUNTARO
エンディングテーマ「Over The Sky」
作詞・作曲・編曲 - 黒石ひとみ / 唄 - Hitomi
挿入歌「Prayer for Love」(第10話、第17話)
作詞・作曲・編曲 - 黒石ひとみ / 唄 - Hitomi
挿入歌「skywriting」(第14話)
作詞 - Damian Broomhead / 作曲・編曲 - 沖野俊太郎 / 唄 - OKINO,SHUNTARO
挿入歌「I can see a heart」(第16話)
作詞 - Damian Broomhead / 作曲・編曲 - 沖野俊太郎 / 唄 - OKINO,SHUNTARO
挿入歌「Rays of hope」(第21話)
作詞・作曲・編曲 - 黒石ひとみ / 唄 - Hitomi

各話リスト[編集]

  • サブタイトルはチェスの用語に由来する(チェス用語一覧を参照)。
  • 冒頭に行われるサブタイトルのナレーションは全てゆかなが担当。
話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
第1話 First move 千明孝一 佐山聖子
千明孝一
千葉大輔 しんごーやすし
第2話 Luft Vanship 前田真宏 磨積良亜澄 ムラオミノル
第3話 Transpose 神山修一 関野昌弘 土屋浩幸 田中雄一、戸倉紀元
第4話 Zugzwang 山下友弘 六南匁次 千葉大輔 堀内修
第5話 Positional play 冨岡淳広 米たにヨシトモ 吉田徹 谷口守泰、中本尚子
さのえり、植田二三子
第6話 Arbiter attack 加瀬充子 遠藤広隆 恩田尚之
第7話 Interesting Claus 神山修一 坂田純一 西村大樹 戸倉紀元、藤川太
第8話 Takeback 山下友弘 大久保富彦 渡辺純央 ムラオミノル
第9話 Calculate Alex 冨岡淳広 千明孝一 浦田保則 祝浩司、細越裕治
第10話 Swindle 大橋誉志光 青木新一郎 小林冬至生、神本兼利
第11話 Develop 神山修一 笹島啓一 秋山勝仁 岡崎洋美、清水貴子
第12話 Discovered attack 冨岡淳広
鈴木貴昭
吉田徹 谷口守泰、中本尚子
さのえり、植田二三子
第13話 Isolated pawn 千明孝一 小倉陳利 遠藤広隆 安彦英二
第14話 Etude Lavie 山下友弘 大久保富彦 則座誠 堀内修
第15話 Fairy chess 冨岡淳広 大橋誉志光 磨積良亜澄 戸倉紀元
第16話 Breakthrough 神山修一 越智博之 原修一
第17話 Making material 冨岡淳広 吉田徹 谷口守泰、中本尚子
さのえり、植田二三子
第18話 Promotion Sophia 千明孝一
前田真宏
土屋浩幸 しんごーやすし、久嶋浩徳
小林冬至生
第19話 Sicilian Defence 山下友弘 若林漢二 中井準
第20話 Grand Stream 神山修一 大橋誉志光 浦田保則 ムラオミノル
第21話 Rook Dio 小倉陳利
吉田徹
浦田保則
吉田徹
奥野浩行、角石亜蘭
第22話 Queen Delphine 冨岡淳広 秋山勝仁 秋山勝仁
岩田義彦
岡崎洋美、清水貴子
第23話 Castling Lucciola 千明孝一 磨積良亜澄 久嶋浩徳、奥野浩行
第24話 Sealed move 山下友弘[1] 松尾慎 谷口守泰、中本尚子
さのえり、植田二三子
第25話 Quiet move 冨岡淳広 あおきえい 恩田尚之、堀内博之
第26話 Resign 千明孝一 本谷利明
若林漢二
千明孝一
若林漢二 堀内修

2003年にDVDがリリースされ、2011年に『ラストエグザイル-銀翼のファム-』の放送にあわせてDVD-BOXとBlu-ray-BOXが発売された。

関連書[編集]

ラストエグザイル-エアリエルログ- 
MdNから出版された解説書。設定資料、美術資料などを掲載。製作スタッフが監修している。

コミック版[編集]

ラストエグザイル-砂時計の旅人-
『ニュータイプエース』創刊号(2011年9月号)より、外伝として連載開始。作者は本作の作画監督の一人、ムラオミノル。
  1. 1巻 2011年12月26日発売 ISBN 978-4-04-120059-9
  2. 2巻 2012年7月7日発売 ISBN 978-4-04-120335-4

ノベル版[編集]

ラストエグザイル
『角川スニーカー文庫』にて放送終了する月に発売されたライトノベル。上・下巻の全2巻。作者は脚本家の一人、神山修一。
  1. 上 2003年9月1日発売 ISBN 978-4-04-429601-8
  2. 下 2003年10月1日発売 ISBN 978-4-04-429602-5

アプリ[編集]

携帯アニメコミックサイトにて携帯コミックが配信されている。アニメコミック。2011年、アニ読メ配信
  • LASTEXILE Episode Album
vol.1 - vol.26まで販売される予定のスマートフォン向けに閲覧可能の写真集。作中のシーンを収録している。端末のデスクトップの壁紙に利用可能。
2011年、BIGLOBE配信

脚注[編集]

  1. ^ テレビ放送時のテロップでは千明孝一となっていたが、後の資料では修正されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • LAST EXILE (ビクターエンタテインメント/フライングドッグ内 特設サイト)
テレビ東京 月曜25:30枠
前番組 番組名 次番組
BEATOPIA
※25:25 -25:55
LAST EXILE