イギリス王室

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
イギリス王室
Badge of the House of Windsor.svg

エリザベス2世
エディンバラ公爵フィリップ王配


イギリス王室(イギリスおうしつ、British Royal Family)は、イギリス国王とその家族・親族(王族)で構成される集団を言う。

目次

王族 [編集]

王族の範囲に関する明確な法的定義は存在しないが、少なくとも His/Her Majesty(HM, 陛下)や His/Her Royal Highness(HRH, 殿下)の敬称を持つ人物は、一般的に王族であると考えられている。そこで有力な指針のひとつとされているのが、1917年11月にジョージ5世により発表された、王子・王女の身分と陛下・殿下の敬称の運用方針を定めた勅許状である。これによると、王子・王女の身分と陛下・殿下の敬称は、国王、国王の子供、国王の息子の子、プリンス・オブ・ウェールズの長男の長男に与えられるものとされている。

また、これらの敬称を持つ男性王族と結婚した女性は、夫の爵位称号に対応する夫人としての称号を与えられ、陛下や殿下の敬称を冠して呼ばれる。一方、女性王族と結婚した男性は、特別に爵位・称号を賜らない限り、称号や王族特有の敬称を名乗ることができない。エリザベス2世の夫であるフィリップは、結婚時にエディンバラ公爵位と殿下の敬称をエリザベス2世の父ジョージ6世から賜り、エリザベス2世から「prince」の称号を授けられたため、His Royal Highness The Prince Philip, The Duke of Edinburgh(エディンバラ公爵フィリップ王子殿下)と呼ばれる。しかし、アン王女の夫であるティモシー・ローレンスは、結婚時に特別の爵位や敬称を賜っていないため、結婚後も軍人としての肩書きであるVice-Admiral(海軍中将)で呼ばれている。

これらの敬称の使い分けは次のようになる。

  • His Majesty - 男王
  • Her Majesty - 女王、男王の妻
  • His Royal Highness - 王子(国王の息子、国王の息子の息子、ウェールズ公の長男の長男)
  • Her Royal Highness - 王女(国王の娘、国王の息子の娘)、王子の妃

なお、イギリス王室には日本の皇族と同様、ファミリーネーム(日本人の名字ならびにに該当)が存在しない。現在のイギリス王室はウィンザー家と称しているが、これは家名であって、日本の皇族が用いる宮号や称号に近い。一般的なイギリス人のファミリーネームとは異質のものである。

狭義の王族のリスト [編集]

英国で2011年現在、陛下または殿下の敬称を名乗っている、もしくは名乗る権利がある人々は、次の通りである。女王のみが Her Majesty を冠して呼ばれ、その他はウェセックス伯爵令嬢ルイーズを除き His/Her Royal Highness の敬称を冠して呼ばれている。エディンバラ公爵は、1917年の勅許状が定めるプリンスではないが、特別に出された勅許状により1947年に殿下の敬称を、1957年にプリンスの身分を賜った。

ウェセックス伯爵夫妻の長女ルイーズは、1917年の勅許状によると、王女の身分と殿下の敬称を名乗る権利を持っているが、The Lady Louise Windsor(ルイーズ・ウィンザー令嬢)という一般的な伯爵の娘としての呼称で呼ばれている。これは、ウェセックス伯爵夫妻の結婚時に、夫妻の希望を汲む形で、女王が「ウェセックス伯爵夫妻の子供は、王子・王女の身分と殿下の敬称を名乗らない」と宣言したからである。

なお、ウェセックス伯爵夫妻には2007年12月17日に長男ジェームズ・ウィンザーが誕生し、Viscount Severn(セヴァーン子爵)を襲爵した。上記の宣言に従えば、ジェームズも王子・殿下と呼ばれることはない。

  • 女王夫妻
  • 女王の息子とその家族
    • チャールズ (ウェールズ公) - 女王とエディンバラ公爵フィリップの長男
    • カミラコーンウォール公爵夫人) - ウェールズ公チャールズの妻
      • ウィリアム(ケンブリッジ公爵) - ウェールズ公チャールズとダイアナ(ウェールズ公妃ダイアナ)の長男
      • キャサリン(ケンブリッジ公爵夫人)  - ケンブリッジ公爵ウィリアムの妻
      • ヘンリー (ヘンリー・オブ・ウェールズ王子) - ウェールズ公チャールズとダイアナ(ウェールズ公妃ダイアナ)の次男
    • アンドルーヨーク公爵) - 女王とエディンバラ公爵フィリップの次男
      • ベアトリス (ベアトリス・オブ・ヨーク王女) - ヨーク公爵アンドルーとヨーク公爵夫人セーラの長女
      • ユージェニー (ユージェニー・オブ・ヨーク王女) - ヨーク公爵アンドルーとヨーク公爵夫人セーラの次女
    • エドワードウェセックス伯爵) - 女王とエディンバラ公爵フィリップの三男
    • ソフィー (ウェセックス伯爵夫人) - ウェセックス伯爵エドワードの妻
      • ルイーズ (レディ・ルイーズ・ウィンザー) - ウェセックス伯爵エドワードとウェセックス伯爵夫人ソフィーの長女
      • ジェームズ (セヴァーン子爵) - ウェセックス伯爵エドワードとウェセックス伯爵夫人ソフィーの長男
  • 女王の娘
  • 女王の従兄弟とその妻

王子・王女と結婚したが、その後離婚した人々は、以下の通り。

なお、チャールズ(ウェールズ大公)の最初の妻で1996年に離婚したダイアナは、離婚後もイギリス王室の一員であると見なされ、王族としての責務を果たした。王室は、彼女が「ウェールズ大公妃」(プリンセス・オヴ・ウェールズ)を名乗り続けること、そしてケンジントン宮殿に住み続けること(Grace and Favour)に同意した。これは一般に女性が離婚後も前夫の名字を名乗り続ける慣行による。

広義の王族のリスト [編集]

次の人物は、1917年の勅許状によると王子・王女の身分が与えられず、殿下の敬称を名乗る権利がなく、実際に名乗っていないが、王族として扱われることがある。

イギリス王室の財産 [編集]

米フォーブス誌によると、バッキンガム宮殿や王冠などの国有財産を除く、エリザベス女王の個人資産は、5億ドルと推計されている。また、イギリスの国有財産であるバッキンガム宮殿の資産価値は50億ドル、王室が所有する不動産の価値は100億ドルと推計されている。[1]

イギリス王室はDuchy of LancasterDuchy of Cornwallの二つの王族公領を所有している。

Duchy of Lancasterは462km²の広さがあり、2011年においてその価値は3億8319万ポンドと推計されている。また、2011年においてDuchy of Lancasterの利益は1338万ポンドであった。[2]

Duchy of Cornwallは540.9km²の広さがあり、2010年においてその価値は6億7700万ポンドと推計されている。また、2010年においてDuchy of Cornwallの利益は1720万ポンドであった。[3]

1997年、労働党政権のコスト削減により王室専用船ブリタニア号を退役させ、エリザベス 女王が公衆の面前で涙を見せる。

NHKBSプレミアムで放送された「女王陛下のおサイフ~華麗なるロイヤルファミリー・ビジネス」によると、2012年まで国会承認で王室費(内訳=スタッフの制服の一部支出、スタッフの給与、宮殿等維持費)が支払われているが、2013年からは王室費が支払われないので、伝統文化継承にかかる費用捻出の為にも財テクをして準備している。尚、以前から王室メンバーの個人収入は代々受け継がれた領地・個人資産の運用から得ている。

その他 [編集]

関連項目 [編集]

脚注 [編集]

外部リンク [編集]