インヴィンシブル級航空母艦
| インヴィンシブル級航空母艦 | ||
|---|---|---|
| 艦級概観 | ||
| 艦種 | 航空母艦(軽空母) | |
| 艦名 | ||
| 建造期間 | 1973年 - 1981年 | |
| 就役期間 | 1980年 - 就役中 | |
| 前級 | オーディシャス級航空母艦 | |
| 次級 | クイーン・エリザベス級航空母艦 | |
| 性能諸元 | ||
| 排水量 | 基準:16,000 t | |
| 満載:20,500 t | ||
| 全長 | 210 m | |
| 全幅 | 36 m | |
| 吃水 | 8 m | |
| 機関 | COGAG方式 | |
| オリンパス TM3Bガスタービンエンジン(24,250hps) | 4基 | |
| 推進器 | 2軸 | |
| 最大速力 | 28 ノット | |
| 航続距離 | 7000 海里/18 ノット | |
| 乗員 | 1,110名(航空要員384名) | |
| 兵装 | シーダートSAM連装発射機 ※後に撤去 |
1基 |
| ファランクスCIWS ※後にゴールキーパーに換装 |
3基 | |
| GAM-B01 20mm機銃 | 2基 | |
| レーダー | タイプ922捜索レーダー | 1基 |
| タイプ1006航法レーダー | 2基 | |
| タイプ1022長射程対空レーダー | 1基 | |
| タイプ909火器管制レーダー | 2基 | |
| ソナー | バウソナー | |
| 搭載機 | V/STOL16機 + ヘリコプター6機 最大22機搭載可能 |
|
| シーハリアー、ハリアー GR.7/9、HAS.シーキング、マーリン HC.1 | ||
インヴィンシブル級航空母艦 (Invincible class aircraft carrier) は、イギリス海軍の建造した、世界初の現代的な意味での軽空母。
目次 |
概要[編集]
第二次世界大戦で、ドイツ海軍のUボートに苦しめられたイギリスは、戦後も対潜航空戦力を重視した。第二次世界大戦中に建造・就役した空母の老朽化に伴い、1960年代アメリカ海軍のフォレスタル級・キティホーク級並みの排水量54,000tの正規空母(CVA-01級航空母艦)が計画されたが資金面から頓挫した。次に対潜能力さえ高ければいいと対潜指揮艦(タイガー級指揮巡洋艦の後継)として排水量12,500t程度のヘリ空母が計画されたが、ヘリだけでは防空性能に不安があるとこれも頓挫した。
さらに70年代より空母不要論が議会で持ち上がったため当初は指揮巡洋艦(ヘリコプター搭載巡洋艦)として計画された。しかし、陸上STOVL機ハリアーの開発に成功し小型でも航空機の運用可能な目途が付き、1973年6月、1番艦「インヴィンシブル」が起工された。1978年、ハリアーの艦載機化(シーハリアー)に成功。
1980年6月「インヴィンシブル」竣工。竣工当初は退役したコマンド母艦「ブルワーク」と「アルビオン」の代替も兼ねていた為、ヘリコプター揚陸艦「オーシャン」の就役までは、海兵隊1個大隊と装備をヘリコプターで揚陸する任務も与えられていた。一時期、「インヴィンシブル」をオーストラリアへ売却する予定だったが、1982年のフォークランド紛争では小型空母とシーハリアーの組合せが戦闘で有効であることが判明し、売却は中止された。
フォークランド紛争で本級の有効性を世界に印象づけたが、対空防御能力の不足や搭載機数が少ないことが問題となった。戦後の数度の近代化改装によって、7度のスキージャンプを12度(「イラストリアス」は13度)に変更し、対艦ミサイル防御用にファランクスCIWSを装備、艦首のシーダート艦隊防空ミサイルを撤去し飛行甲板と格納庫を拡大した。シーダートの弾庫があったスペースは、イギリス空軍所属のハリアーの整備スペースに改装されている。のちにCIWSをゴールキーパーに換装した。
航空機はシーハリアー16機、ヘリコプターもシーキング6機を搭載可能。1989年から1991年までの近代化改装で、最終的にはシーハリアー10機、AEW用シーキング3機、ASW用シーキング9機を搭載可能となった。その後にはハリアー GR.7/9、早期警戒型のシーキング ASaC.7、マーリン HC.1等を運用可能になった。
設計[編集]
船体[編集]
建造費と維持費を抑えるため、商船型の設計方法を取り入れた。舷側はダブル・ハルである。
兵装[編集]
防御[編集]
機関[編集]
主機関は当時としては珍しくディーゼル式ではなく、単純構造で信頼性が高く保守を簡略化できることから、オリンパス TM3Bガスタービン4基をCOGAG方式で採用し、機関科員が半減できた。エンジン出力は94,000hp。4つのエンジンで2軸の固定ピッチプロペラを回す。ガスタービンエンジンの採用により逆転時のクラッチなどのギヤ操作が複雑となり減速機が重く大きなものとなった。
前部機関室で右舷推進軸を、後部機関室で左舷側推進軸を駆動することで、機関室を離して配置して被弾・事故による影響を最小限にするよう配慮した。
前部・後部のそれぞれの機関室から排気が別々に出されるために排気管がアイランドの半分近くも占めており、その排気管が艦内で大きな容積を占めている。
航空艤装[編集]
飛行甲板上に長さ168m幅12.2mの発艦用滑走路が設けられ、「インヴィンシブル」の艤装開始後の設計変更で艦首にスキージャンプ勾配が作られ、シーハリアーのSTOL(短距離離陸)での発艦を助けることとなった。
勾配角はもともと「インヴィンシブル」と「イラストリアス」は7度、「アーク・ロイヤル」が12度であったが、「アーク・ロイヤル」以外の角度が小さいのは艦首のシーダート連装発射機と干渉するためで、後に「インヴィンシブル」を12度に、「イラストリアス」を13度に改修した。
艦載機用エレベーターは長さ15m幅9mのものが中央前部と中央後部に合わせて2つある。アメリカ海軍の空母と違い構造が単純でY字型の大きなアームを油圧で動かすことでエレベーターを昇降させており、重量軽減に寄与している。舷側に配置していないため、実質的な格納庫の容積は少なくなっている。小型の船体では舷側にエレベーターを設置すると、荒れた外洋では格納庫まで波をかぶってしまう為に中心部に設置された。全機を格納庫に収容する事は出来ず、一部を飛行甲板に露天繋止している。
後の改装ではシーダート連装発射機を撤去し、空軍所属のハリアーを搭載・整備するスペースを追加している。就役当初はシーハリアー5機と各種ヘリコプター9機が定数となっていたが、ハリアー16機とヘリコプター6機の22機が定数(任務により定数内で変動)になっている。シーハリアーの退役によって空軍のハリアーが唯一の固定翼機となった。
その他[編集]
小型の空母なので艦の動揺軽減のために船底に固定式のフィン・スタビライザーを2組備えることで、艦載機の離着艦の安全をはかり、シーステート7という荒れた海でも33km/hで航走して70%の時間で動揺を5度以内に収める設計となっている。
滞空時間の短い早期警戒型のシーキング ASaC.7がホバリングしたまま給油する事が出来る。
今後[編集]
1番艦の「インヴィンシブル」は2005年7月に退役しモスボール化された。2010年まで有事には現役復帰することになっていたが、運用はされず、2010年11月にオークションに出品された。また同年中に、国防費の大幅縮減を受けて、イギリス軍におけるハリアーの運用が終了した。
3番艦の「アーク・ロイヤル」は、同じく国防費の大幅縮減のため、2011年3月11日に退役した。
インヴィンシブル級の後継としてクイーン・エリザベス級が計画されているが、のこる2番艦の「イラストリアス」はその配備を待たず2014年に退役する予定である。
同型艦[編集]
| 艦番号 | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 退役 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| R05 | インヴィンシブル HMS Invincible |
1973年 7月20日 |
1977年 5月3日 |
1980年 7月11日 |
2005年 8月3日 |
トルコで解体 |
| R06 | イラストリアス HMS Illustrious |
1976年 10月7日 |
1978年 12月14日 |
1982年 6月20日 |
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| R07 | アーク・ロイヤル HMS Ark Royal |
1978年 12月14日 |
1981年 6月2日 |
1985年 11月1日 |
2011年 3月11日 |
オークションに出品され香港船芸学会が280万ポンドで落札。 |
登場作品[編集]
- 漫画・アニメ
- 『HELLSING』
- イーグル(「鷲」の意)という艦名で登場。リップヴァーン率いるミレニアム大隊が占拠し「アドラー(イーグルと同じく「鷲」の意)」と改名
- ゲーム
- 『大戦略シリーズ』
- 日本を占拠したイギリス軍の艦船として登場。プレイヤーも購入して使用できる。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- インヴィンシブル級軽空母
- The Role of an Aircraft Carrier (CVS), www.royalnavy.mod.uk(英語)
- Invincible Class, www.naval-technology.com(英語)
- Invincible Class Aircraft Carriers, www.btinternet.com(英語)
- Global Security
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