日本陸上競技選手権大会
| 日本陸上競技選手権大会 | |
|---|---|
|
2012年大会の模様 | |
| 主催 |
大日本体育協会(1913 - 1923) 全日本陸上競技連盟(1925 - 1940) 日本陸上競技連盟(1946 - ) |
| 主要スポンサー | 山崎製パン(2011 - ) |
| 創立 | 1913年 |
| 開催時期 | 6月 |
| 実施種目 | トラック競技, フィールド競技 |
| 種目数 | 36 |
日本陸上競技選手権大会(にほんりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい、Japanese Athletics Championships)は、陸上競技の日本一を決める大会である。日本陸上競技連盟主催、トラック競技・フィールド競技の男女合計36種目を実施する。毎年6月に開催し、夏季オリンピック・世界選手権などの国際大会開催年は日本代表の選考会を兼ねる。単に日本選手権とも呼ばれる。
沿革
[編集]第1回大会は大日本体育協会が主催し「第一回全国陸上競技大会」の名で1913年11月1日・2日に陸軍戸山学校新運動場(一周270m)を会場として、19種目の競技を行った[1]。100m・400mなどに加えて、立高跳・立幅跳・ベースボール用球投といった種目を実施した[2]。
この後、体育協会が第11回まで大会を主催した。体育協会と関東の私立大学との対立が影響し、1924年は大会が開催されなかった[2]。
1925年に全日本陸上競技連盟が成立し、同連盟が第12回以降の大会を主催した[2]。第12回は女子の競技を開始した大会でもあり[2]、100m・走高跳・砲丸投など7種目を行っている。
1928年の大会では人見絹枝が100m(12秒2)、走幅跳(5m98)の2種目で世界新記録を樹立した[1]。
第二次世界大戦の影響により1941年の第28回大会が中止となり[3]、1942年の大会は行われたものの、1943年から1945年までの間は開催されなかった[3]。戦時中に全日本陸上競技連盟は財団法人日本体育会の一部門となっていたが[4]、戦後に日本陸上競技連盟が組織されて1946年に第1回国民体育大会を兼ねる形で大会を再開した[5]。
戦前は関東と関西で主に行われていたが[6]、1947年に福岡県八幡市で開催されてからは地方で行われることが多くなった[7]。その後、1958年に国立競技場が完成すると長らく同所を中心とする首都圏開催で定着していたが[1]、1996年の第80回以降は全国各地の第1種公認陸上競技場での持ち回りに移行した。
年を追うごとに競技種目を整備し、直近では2006年の第90回大会に女子3000mSCを追加した。2001年の第85回大会以降の開催時期は6、7月となっている。
大会一覧
[編集]実施種目
[編集]本大会ではトラック競技・フィールド競技の男女各17種目計34種目が実施される。次の種目は日時・会場を分離して実施されている[16]。
- 10000m - 2018年までは本大会で開催されたが、2019年以降は別開催。
- 2019年はゴールデングランプリ陸上開催日に行われた[17][18]。
- 2020年は長距離種目(5000m、10000m、3000mSC)の大会を別途開催した[19]。
- 2021年以降は単独開催[20]。
- 混成種目 - 日本陸上競技選手権大会混成競技
- リレー種目 - 日本陸上競技選手権リレー競技大会
- 競歩種目 - 日本陸上競技選手権大会35キロ競歩・日本陸上競技選手権大会男子20キロ 女子20キロ競歩
- マラソン - 2020年以降ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズとして実施されて獲得ポイントで競う形式となる。
- マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が開催された年はMGCが日本陸上競技選手権を兼ねて行う[21]。
- クロスカントリー - 日本陸上競技選手権大会クロスカントリー競走
- 室内種目 - 日本陸上競技選手権大会・室内競技(2025年まで)
大会記録
[編集]| 種目 | 男子 | 女子 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 選手名 | 記録 | 年度 | 場所 | 選手名 | 記録 | 年度 | 場所 | |||
| 100m | サニブラウン・アブデル・ハキーム | 10.02 (-0.3 m/s) |
2019 | 福岡 | ポーリン・デービス | 11.29 (0.0 m/s) |
1991 | 東京 | ||
| 200m | 末續慎吾 | 20.03 (+0.6 m/s) |
2003 | 横浜 | ポーリン・デービス | 22.73 (+0.7 m/s) |
1991 | 東京 | ||
| 400m | 高野進 | 44.78 | 1991 | 東京 | 丹野麻美 | 51.93 | 2005 | 東京 | ||
| 800m | 落合晃 | 1:45.82 | 2024 | 新潟 | 久保凛 | 1:59.52 | 2025 | 東京 | ||
| 1500m | 飯澤千翔 | 3:36.81 | 2025 | 東京 | 田中希実 | 4:01.44 | 2024 | 新潟 | ||
| 5000m | 伊藤達彦 | 13:13.56 | 2024 | 新潟 | 田中希実 | 14:59.02 | 2025 | 東京 | ||
| 10000m | 塩尻和也 | 27:09.80 | 2023 | 東京 | 新谷仁美 | 30:20.44 | 2020 | 大阪 | ||
| 100mハードル | — | 福部真子 | 12.75 (+0.8 m/s) (±0.0 m/s) |
2024 2025 |
新潟 東京 |
|||||
| 110mハードル | 泉谷駿介 | 13.04 (-0.9 m/s) |
2023 | 大阪 | — | |||||
| 400mハードル | 豊田兼 | 47.99 | 2024 | 新潟 | ニコレッタ・カルタス | 55.78 | 1991 | 東京 | ||
| 3000mSC | 三浦龍司 | 8:14.47 | 2022 | 大阪 | 山中柚乃 | 9:41.84 | 2021 | 大阪 | ||
| 走高跳 | 醍醐直幸 | 2m33 | 2006 | 神戸 | 佐藤恵 | 1m94 | 1988 | 東京 | ||
| 棒高跳 | イゴール・ポタポビッチ 澤野大地 |
5m80 | 1990 2004 |
千葉 鳥取 |
諸田実咲 | 4m41 | 2024 | 新潟 | ||
| 走幅跳 | 橋岡優輝 | 8m36 | 2021 | 大阪 | ラリサ・ベレズナヤ | 7m03 | 1990 | 千葉 | ||
| 三段跳 | 山下訓史 | 17m15 | 1986 | 東京 | 森本麻里子 | 14m16 | 2023 | 大阪 | ||
| 砲丸投 | セルゲイ・ニコラエフ | 19m02 | 1990 | 千葉 | 甄文華 | 19m40 | 1991 | 東京 | ||
| 円盤投 | アデワーレ・オルコジュ | 64m20 | 1991 | 東京 | 閔春鳳 | 59m94 | 1991 | 東京 | ||
| ハンマー投 | 室伏広治 | 83m29 | 2003 | 横浜 | 村上来花 | 68m18 | 2026 | 名古屋 | ||
| やり投 | 﨑山雄太 | 87m16 | 2025 | 東京 | 北口榛花 | 63m68 | 2019 | 福岡 | ||
| 十種競技 | 右代啓祐 | 8308 | 2014 | 長野 | — | |||||
| 七種競技 | — | リリアナ・ナスターゼ | 6594 | 1992 | 東京 | |||||
| 4×100m | 法政大学 | 38.79 | 2015 | 横浜 | 東邦銀行 | 44.37 | 2012 | 横浜 | ||
| (西垣佳哉、大瀬戸一馬、矢野琢斗、長田拓也) | (佐藤真有、千葉麻美、青木沙弥佳、渡辺真弓) | |||||||||
| 4×400m | 筑波大学 | 3:03.96 | 2023 | 東京 | [22] | 福島大学 | 3:34.70 | 2007 | 横浜 | |
| (菅野航平・林申雅・吉川崚・今泉堅貴) | (渡辺なつみ、丹野麻美、青木沙弥佳、金田一菜可) | |||||||||
| マラソン | 藤田敦史 | 2:06:51 | 2000 | 福岡 | 一山麻緒 | 2:20:29 | 2020 | 名古屋 | [23] | |
| 20km競歩 | 山西利和 | 1:16:10 | 2025 | 神戸 | 藤井菜々子 | 1:26:33 | 2025 | 神戸 | ||
| 35km競歩 | 川野将虎 | 2:21:47 | 2024 | 高畠 | 岡田久美子 | 2:44:11 | 2023 | 輪島 | ||
| [24][25][26][27][28][29][30][31][32][33][34][35][36][37] | ||||||||||
成績
[編集]出場資格
[編集]年によって変更があるが
- 当該種目の前回大会優勝者
- 直近の世界大会の上位入賞者
- 当該年のGPシリーズポイント上位者
- 直近の地域選手権上位入賞者
- 参加標準記録を指定期間内に突破した競技者
- 申込資格記録を指定期間内に突破した競技者
を参考に選考される。各種目でのエントリー数が出場可能人数(ターゲットナンバー)を超えた場合、上から順番に出場が決定し、申込資格記録は記録の高い競技者が優先される。
2001年の大会までは外国籍の選手も正式参加として順位も認められていたが、2002年の大会からは日本で生まれ育っていない外国籍の選手が出場してもオープン参加の扱いとなり[38]、2024年からは正式な出場資格は日本国籍者に限定された[39]。
日本代表選考について
[編集]当大会は年度により各国際大会の日本代表選手選考競技会を兼ねて実施される。
2013年現在、指定期間内に参加標準記録Aを突破し、当大会で優勝した選手は代表内定となる[40]。
また、2013年第14回世界選手権の代表選考から日本陸連による派遣設定記録が導入され、記録はIAAFが定める世界選手権参加標準記録Aよりも高い数値に設定された。
指定期間内に派遣設定記録をクリアし、当大会で8位入賞以上の成績を残した選手は代表内定となる[41]。これら以外は日本陸連理事会の協議によって代表選手が決定される。
選考基準・派遣人数は年度や各大会により異なる。詳細は各国際大会記事を参照。
放送について
[編集]- NHKが放映権を持ち、各日とも後半をNHK総合テレビジョン及びNHK BS1で中継(2012年度のようにナイターで行われた場合、一部BS1などで放送されたこともある)。NHK総合では少なくとも土日は生中継となる。また、優勝インタビューもNHKアナウンサーが担当。第103回と第105回はNHK BS8Kで8K映像にて放送された[42][43]。
- 1991年大会は、この後東京で開催された世界陸上競技選手権大会のホスト局を務めた日本テレビが、技術面のリハーサルを兼ねてメイン映像の制作を担当した(一部映像と実況・解説はNHKが担当)。このため、エンディングでは「制作著作:NHK 映像協力:日本テレビ」と表示されていた。
- NHKの中継開始前に行われる種目は日本陸連公式YouTubeチャンネルにてライブ配信を行っている。
参考文献
[編集]- 日本陸上競技連盟 編『日本陸上競技史』日本体育社、1956年。
- 大島鎌吉他 『図説陸上競技事典 上巻』 講談社 1971年
- 日本陸上競技連盟七十年史編集委員会 編『日本陸上競技連盟七十年史』日本陸上競技連盟、1995年。
- 『日本陸上競技選手権 100回記念 MEMORIAL BOOK』日本陸上競技連盟、2016年。ISBN 978-4-909043-00-9。
脚注
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 七十年史、348頁
- 1 2 3 4 100回記念、88頁
- 1 2 100回記念、90頁
- ↑ 日本陸上競技史、37頁
- ↑ 日本陸上競技史、41頁
- ↑ 日本陸上競技史、42頁
- ↑ 日本陸上競技史、42-43頁
- ↑ 開催は決まっていたが、7月に文部省の通達により全国規模のスポーツ大会が中止となったため。
- ↑ 100回記念、94頁
- ↑ 世界リレーの影響で織田記念の日程前倒し 日刊スポーツ 2014年9月20日閲覧
- ↑ 2014年1月をもって「東北電力ビッグスワンスタジアム」から名称変更。(命名権の新スポンサーが決定したため)
- ↑ 来年、埼玉で国際女子マラソン デイリースポーツd 2014年12月22日
- ↑ 2015年4月1日にネーミングライツで名称変更。
- ↑ 2018年1月よりネーミングライツで維新百年記念公園陸上競技場より名称変更。
- ↑ 当初は6月25日から28日にかけてヤンマースタジアム長居で開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期され、会場も変更された。
- ↑ 100回記念、110頁
- ↑ “第103回日本陸上競技選手権大会10000m要項” (PDF). 日本陸上競技連盟. 2019年4月21日閲覧。
- ↑ “男女1万m日本選手権は別開催、東京見据え前倒し”. 日刊スポーツ. 2018年12月17日.
- ↑ “第104回日本陸上競技選手権大会・長距離種目 開催日程について”. 日本陸上競技連盟 (2020年6月23日). 2020年8月22日閲覧。
- ↑ “第105回日本陸上競技選手権大会・10000m”. 日本陸上競技連盟. 2021年9月12日閲覧。
- ↑ “大会要項” (PDF). 日本陸上競技連盟. 2024年11月27日閲覧。
- ↑ 第109回日本陸上競技選手権大会・リレー競技 リザルト 日本陸上競技連盟. 2025年10月8日閲覧
- ↑ 日本陸上競技連盟 (2020-03-13). 【一山、圧巻の2時間20分29秒!東京五輪日本代表選手に内定!】びわ湖毎日マラソン・名古屋ウィメンズマラソン sportnavi. 2025年10月8日閲覧
- ↑ 男子 十種競技 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 女子 七種競技 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 競技結果 男子 4×100m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 競技結果 女子 4×100m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 競技結果 男子 4×400m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 競技結果 女子 4×400m 決勝 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 過去の優勝者・記録 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 大阪国際女子マラソン史 大阪マラソン. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 第104回日本陸上競技選手権大会・20km競歩 日本陸上競技連盟. 2021年7月17日閲覧.
- ↑ 日本選手権女子20km競歩 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧.
- ↑ 第100回日本陸上選手権大会 日本陸上競技連盟. 2016年7月8日閲覧.
- ↑ “The 104th JAAF Athletics Championships -Distance Events-” (PDF). 日本陸上競技連盟. 2021年7月17日閲覧。
- ↑ “リザルト” (PDF). 日本陸上競技連盟. 2021年7月17日閲覧。
- ↑ “第105回日本陸上競技選手権大会50km競歩” (PDF). 日本陸上競技連盟. 2021年7月17日閲覧。
- ↑ 100回記念、110-111頁
- ↑ 「陸上・日本選手権参加資格、日本国籍の選手に 24年から」『日本経済新聞』2023年12月12日。2026年6月13日閲覧。
- ↑ 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン) 日本代表選手選考要項 日本陸上競技連盟. 2012年12月13日閲覧
- ↑ 第14回世界陸上競技選手権大会 (2013/モスクワ) 日本代表選手選考要項 日本陸上競技連盟. 2013年6月10日閲覧
- ↑ “第103回 日本陸上競技選手権大会 テレビ放送予定”. 日本陸上競技連盟. 2019年5月29日閲覧。
- ↑ TV&ライブ配信情報:第105回 日本陸上競技選手権大会 - 日本陸上競技連盟
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日本陸上競技連盟公式サイト - 日本陸上競技連盟
- 第109回 日本陸上競技選手権大会 - 日本陸上競技連盟
