快傑ズバット

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快傑ズバット
ジャンル 特撮ドラマ
放送時間 水曜 19:30 - 20:00(30分)
放送期間 1977年2月2日 - 9月28日(32回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 東京12チャンネル
企画 平山亨
監督 田中秀夫奥中惇夫小西通雄、広田茂穂
原作 石森章太郎
脚本 長坂秀佳、滝沢真里、田口成光
プロデューサー 小野耕人、近藤伯雄
出演者 宮内洋
大城信子
中野宣之
斉藤真
岡崎二朗
はやみ竜次
オープニング 水木一郎『地獄のズバット』
エンディング 水木一郎『男はひとり道をゆく』

特記事項:
初回時は2話分の再放送あり
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快傑ズバット』(かいけつズバット)は、東京12チャンネル水曜日19:30-20:00枠にて、1977年(昭和52年)2月2日から9月28日にかけて全32話(初回時には、2話分の再放送も追加)が放送された東映製作の特撮テレビドラマシリーズ、および劇中に登場する変身ヒーローの名称である。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] あらすじ

科学者の飛鳥五郎は、妹の勤める幼稚園へ地域掌握のため現れた暴力団・地獄組と対峙、命を狙われることとなる。しかしそこに妙な風来坊が現れた。その男は飛鳥の子供の頃からの親友であり、何をやっても日本一の私立探偵・早川健。地獄組の用心棒を追い払った早川は、さらに幼稚園バスに爆弾が仕掛けられているのを発見。園児たちを無事に避難させ、飛鳥は独りバスを安全な所まで運ぶが爆発で重傷を負ってしまう。

さらに姿無き敵の魔手は飛鳥の入院先の病院にまで伸び、再び爆発が起きる。混乱の中、飛鳥は軽機関銃の銃撃で蜂の巣にされてしまい、早川の腕の中で息を引き取った。

早川は飛鳥の残した設計図を頼りに、開発途中の宇宙探検用強化服「ズバットスーツ」、そして飛行能力を備えたスーパーカー「ズバッカー」を自力で完成させ、地獄組組長・地獄竜を倒す。しかし地獄竜は、飛鳥を殺したのは自分ではないと言う。では一体誰が? 友を殺した真犯人を突き止めるため、早川の復讐の旅が始まった。

[編集] 本作の流れ

  • 放浪する早川の行く手を悪の組織ダッカーの各地域のボスと、その手先である用心棒が阻む。用心棒は何らかの特技(早撃ち、居合釣り吹き矢料理など)を持っており、自分がその分野で一番であると自負している。早川は「○○の達人、××[1]。だがその腕前は日本じゃ二番目だ[2]。」と言って用心棒を挑発する。「ならば日本一は誰だ!?」との用心棒の問いに、早川はキザな舌打ち・深く被った帽子の鍔を押し上げる仕種とともに“オレさ”と自身を指差す。それに怒った用心棒は技を披露するが、早川はそれ以上の技を見せつける。それを見た用心棒は早川に敬意、もしくは畏怖を表して一旦退散する場合が多い[3]
  • 最後は用心棒およびボスと、変身したズバットとの戦いになる。勝利したズバットはボスを組み伏せ、「2月2日、飛鳥五郎という男を殺したのは貴様か!?」と問い詰める。シリーズ後半になると、これに対してボス自ら「違う、その頃俺は○○にいて、××をしていたんだ・・・」などとアリバイを語って釈明する描写が付与された。ボスが飛鳥五郎殺害犯でないことがわかると、ズバットはボスにズバットアタック(一種の飛び蹴り)をくらわせ、気絶させる。
  • 基本的に自ら悪人を殺してしまうことはほとんどなく(死んだとしても用心棒のみ[4]。)、立ち寄り先のボスが飛鳥の仇でないことが分かると戦闘能力を奪って失神させた後に「この者○○(今回の悪事の内容)犯人!」などと記したカードをボスの傍らに置いて立ち去り、しばらくして警察(東条)が駆けつけることが多い。犯人が荒縄で縛られて警察に突き出されるというパターンもあった。
  • 通常のヒーローものと違い、早川は敵組織ダッカーの存在を全くつかんでおらず、飛鳥の仇を捜し求めて旅を続け、その先々で偶然出会うならず者が偶然ダッカーの手先であるという、当時のヒーロー特撮作品のパターンとは異なる設定である。ダッカー配下の組織は、毎回同じコスチュームの戦闘員が登場するものの、早川がダッカーの存在を認識するのは最終回間近だった。

[編集] 登場人物

[編集] 主な登場人物

早川健 / 快傑ズバット
黒いウェスタンルックに身を包み、白いギターを背負ったさすらいの私立探偵。正義感が強く、困っている人は見過ごせない、人情に厚い男。武芸百般だけでなくあらゆるスポーツや雑技に通じており、ダッカーの用心棒との技比べでも負けたことがない、「何でも日本一」の男。2月2日(第1話の放送日)に殺された親友・飛鳥五郎の仇を探して日本中を旅している。飛鳥が生前に遺した設計図から強化服ズバットスーツと特殊自動車ズバッカーを作り上げ、快傑ズバットを名乗って悪をくじき、弱き人たちを助ける。
非常にキザな男であり、姿を現すときはズバットスーツを納めた白いギターを抱え、飛鳥五郎作の「二人の地平線」を手袋をはめたまま弾き語りで登場する。黒いテンガロンハットに黒いレザーのジャケットパンツ[5]と、日活の無国籍映画『ギターを持った渡り鳥』をイメージさせるものであった。
飛鳥みどり
飛鳥五郎の妹。18歳。ふたば幼稚園の保母をしていたが、兄が殺された後は早川の後を追う。早川に好意を持っている。
寺田オサム
早川を慕う少年。早川の助手になろうと、みどりとともに後を追う。
東条進吾
警視庁八課の課長を務める優秀な刑事。26歳。早川とは大学時代からの友人。ズバットの正体を知る唯一の人物であるが、刑事としてはズバットの暴力行為を黙認する訳にはいかず、友情と職務の板ばさみの状態となっている。悪を憎む心は人一倍強いが、それゆえ、何も知らずに利用されているだけの少女にまで怒りを向けることもあった。白鷺れい子という婚約者がいる。
飛鳥五郎
早川の親友。自称「山登りが好きな貧乏学者」。優れた科学者でズバットスーツやズバッカーも彼が宇宙探検用に設計した物である。ダッカーの真の支配者・総統Dの正体を知ったために命を狙われることになる。ダッカーの襲撃で瀕死の重傷を負って入院していたところに再びダッカーの刺客が現れ飛鳥を射殺、早川に見取られて最期を迎えた。法名は「法雲道五成居士」。
早川の回想シーンには、彼が凶弾に倒れる姿がたびたび登場する。

[編集] ダッカー

日本中の暴力団ギャング団を影から支配する悪の大組織。警察もその実体を掴んでおらず、早川も物語終盤になるまでその存在を知らずにいた。ダッカーの構成組織のボスはほぼ全員がDのマークを身につけており、銃刀類や車両などの備品はもちろん、戦闘員が着用する帽子やネクタイ、果ては計器類や弾丸にまでDの文字が刻まれている。配下の戦闘員もほぼ同じ服装で統一されている。当初は首領Lが組織のリーダーと思われていたが…。

首領L
ダッカ―の首領。普段は屋敷から配下たちに命令を下している。武器はブーメラン。飛鳥の仇ではないかと疑われたが、真の首領である総統Dの手駒に過ぎなかった。ダッカーの最高幹部である天海山三兄弟によって口封じのために殺害される。
総統D
「人前に現す時はその人間の死ぬ時だ」と言われている、ダッカ―の真の首領。黄金の覆面で素顔を隠しており、首領Lをスケープゴートにしてやり過ごそうと画策した。最終決戦ではシルベール製のスーツを着込み、ズバットスーツをボロボロにする機関銃を手に、ズバットと激闘を繰り広げる。その正体は…。

[編集] ゲスト登場人物

石森選手
第10話に登場。プロ野球チーム「Big hunds」の人気選手である。黒やもりに命を狙われるも、すんでのところでズバットに助けられた。
なお、彼を演じたのは本作の原作者、石森章太郎である。
皆川理沙
第31話に登場。飛鳥五郎の恋人。飛鳥の死後、彼の研究を引き継ぎズバットスーツの十倍も強力な特殊合成繊維・シルベールを完成させた。ズバットにシルベール製のスーツを託そうとするが、シルベールを狙うダッカーに襲われる(早川は理沙の存在を知らなかった)。
神竜伸介
第31話に登場。ダッカ―との最終決戦に登場した国際秘密警察の捜査官。東条とは中学時代からの親友。抜群の記憶力を持っており、変装の名人でもある。
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[編集] 快傑ズバット

早川健がズバットスーツを着用した姿。登場時の決めゼリフは「ズバッと参上、ズバッと解決!人呼んでさすらいのヒーロー!快傑ズバット!」。早川が脱出不能なピンチに陥り、死んだと思われた次の瞬間、ズバッカーの爆音とともにズバットが颯爽と登場するシーンは本作のハイライトである。ジャンプ力は400メートル、走力はマッハ7。武器は、ズバットのトレードマークを模したZ型の赤い柄を持った鞭[6]で、厚さ20センチの鉄板を切り裂く威力に加え、振り回すだけで敵集団の放つマシンガンの弾丸を全て叩き落とせる。鞭の柄は敵に突き刺すことも可能。得意技はズバットアタックと、鞭で敵を投げ飛ばす天地返し。

ズバットスーツ
飛鳥五郎が設計した宇宙探検用強化スーツが基となっており、普段は早川のギター(飛鳥の形見)の中に収納されている(映像では蓋となる部分の開閉ギミックが2種類確認できる)。
飛鳥のような科学者ではない早川が、資料を基に見様見真似で独自に製作したせいか、活動時間には5分間という制限がある。残り1分を切るとヘルメットの両耳部分にあるタイマーが警告ブザーを鳴らす。時間切れでスーツは着用者ごと爆発してしまう。ヘルメットのマスクを開くなどタイムリミットまでに作動を止めれば爆発はしないが、これは同時にパワーアシスト機能が止まることでもあり、直立しているのがやっとの猛烈な重さになり、全く動きが取れなくなる。早川はこのデメリットを解消すべく密かに研究を続けていたが、最後まで未完成であった。また、31話では「5分過ぎると鉛のように重くなる」という設定に変更されていた。
設定ではズバットスーツは怪力を生みガード能力もかなり高いとされている。劇中でも、10トンの重量に耐える特殊鋼の鎖を引きちぎる怪力を見せたり、実験で鉄棒でズバットスーツを殴ると鉄棒のほうが折れた。第3話では、敵の拳銃を手で丸めてしまうシーンもあった。
ズバッカー
原子力エンジンが搭載された最高時速350kmのスーパーカー。飛鳥の月面探査車の設計図を元に早川が完成させた。飛行も可能。ベース車両はダットサン・フェアレディといわれている。

[編集] キャスト

[編集] レギュラー・準レギュラー

第3話以降、予告篇では「仮面ライダーごっこ事件」の二の舞にならないよう「ズバットの真似は危ないから絶対しないでね。」と呼びかけていた。

[編集] ゲスト

役者の左の括弧内は登場話数。

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[編集] スタント、スーツアクター

  • 快傑ズバット:中村祐、宮内洋
  • ダッカー団員:湧川吉雄、奥村比呂志、山本太一郎、折田八州男、森島英治、山田茂、矢車武、知久博、佐藤好将、橋本春彦、内田正之(内田政之)

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌・挿入歌

  • オープニングテーマ:「地獄のズバット」
    • 作詞:石森章太郎 作曲:京建輔 歌:水木一郎
    琵琶[7]の音色でイントロが始まるという、特撮主題歌の中でも特に異彩を放つ曲。
    アニメ特撮ソングの特番などでこの曲が紹介される際は、宮内洋が早川健の衣装でゲストで登場し熱唱することがある。
  • エンディングテーマ:「男はひとり道をゆく」
    • 作詞:八手三郎 作曲:京建輔 歌:水木一郎
    力強いオープニングとはうって変わって、青春ソング風のおだやかなテンポのエンディング曲。基本は本編とジョイントされ歌の終了で「つづく」のテロップが出る(最終回のみ「おわり」)。
  • 挿入歌:「二人の地平線」
    • 作詞:八手三郎 作曲:京建輔 歌:宮内洋
    劇中では飛鳥が作った歌という設定。第1話から毎回のように早川が歌ったりギターで演奏したりしている。第10話では早川が飛び入りでバンドとセッションするシーンもあることから、劇中では世間に広く知られている歌のようである。

[編集] 放送リスト

放送日 話数 サブタイトル ダッカーの下部組織 組織のボス 用心棒
1977年2月2日 1 さすらいは爆破のあとで 地獄組 地獄竜(演:佐藤好将、声:依田英助 ランカーク(演:上野山功一 拳銃
2月9日 2 炎の中の渡り鳥 ブラックハート団 ブラックスター(演:湯浅洋行、声:北山年夫 風 流之介(演:天本英世 居合
2月16日 3 悲しき純金の天使 金バッジ連合 金仮面(演:橋本春彦、声:島田彰 殺し屋ジョー(演:森裕介) 投げナイフ
2月23日 4 涙の敵中突破 鬼勘一家 鬼の勘三(演:高杉玄) ワルツ・リー(演:大杉雄太郎 拳法
3月2日 5 花売り少女と白い粉 紅バラ連合 紅蜘蛛(演:中庸介 必殺ハスラー(演:日高晤郎 ビリヤード
3月9日 6 海にほえるマシンガン 海賊党 海賊キッド(演:岩城力也 レッドボワ(演:滝波錦司 トマホーク
3月16日 7 悪い風だぜ港町 マイナス団 不死身の道斎(演:関山耕司 グレートコング(演:ミスター珍 怪力
3月23日 8 悲しみのプロパン爆破 まむし平和会 ミッキー蛇山(演:堺左千夫 地獄市(演:三夏伸 仕込み杖
3月30日 9 涙の河を振り返れ TTT団 鉄の爪(演:原田君事) 釣師十兵衛(演:三島新太郎) 爆弾釣り
4月6日 10 野球の敵を場外に飛ばせ 黒やもり組 黒やもり(演:小沢章治) ペット吹きのトミー(演:藤井智憲) トランペット吹き矢
4月13日 11 死ぬな友よ! 危機一秒前 タイガー団 ゴッドタイガー(演:夏木章) 黒のゴルファー佐丹(演:守屋俊志) ゴルフ
4月20日 12 死刑執行10秒前 暗闇組 暗闇組組長(演:中田博久 ブーメランジャック(演:石川敏) ブーメラン
4月27日 13 少年殺し屋のバラード さそり組 毒さそり(演:松本敏男) 虚無僧三郎太(演:中井啓輔 尺八ボウガン
5月4日 14 白羽の矢 涙の別れ 赤耳一家 赤耳(演:藤山浩二) カーペンター甚十郎(演:加地健太郎 大工
5月11日 15 哀しき母の子守り歌 狼党 ウルフガイ(演:金井進二 駒太夫(演:佐藤久美子) 独楽
5月18日 16 殺しのぬれぎぬ 哀しみの健 ナチス連合会 ナチスジャガー(演:倉石功 バーテン左京次(演:菊地太) バーテン技(ダイス振り、フォーク投げ)
5月25日 17 嘆きの妹 ふたりの健
6月1日 18 危うし! シャボン玉の恋 黒ひげ党 黒ひげ(演:松川勉 死神サミー(演:辰馬伸) アメフト
6月8日 19 悲恋 破られたラブレター デビル団 セントデビル(演:阿藤海、声:渡部猛 レッドフォード(演:横山繁) 鎖鎌
6月15日 20 女ドラゴン 涙の誓い 青十字軍 十文字清兵衛(演:三谷昇 レッドドラゴン(演:川村真樹 中国拳法・八卦掌
6月22日 21 さらば瞼の母 夜桜組 夜叉丸(演:平野稔 コック伊魔平(演:丸岡奨詞 皿投げ
6月29日 22 少年ボクサー 涙の父 Z団 ミスターZ(演:若尾義昭 カネアス・ドレイ(演:戸塚孝) ボクシング
7月6日 23 大神家一族の三姉妹と天一坊 紅狐党 紅フォックス(演:小林勝彦 ダンディハリー(演:南城竜也 手品
7月13日 24 涙の健 見知らぬ街の恋人 天山会 ドン天山(演:富田仲次郎 ウリ・ケラー(演:宇田郁馬) 筮竹投げ
7月20日 25 荒神山 涙の別れ 血起党 鬼大尉(演:北町嘉朗 ダルタニアン(演:小沢章治) 二刀流フェンシング
8月3日 26 許せ! 我が子よ ブラック連合 ムッシュ神(演:小笠原弘 ドクウッディ(演:鮎川浩 注射メス
8月10日 27 意外! 飛鳥殺しの犯人?! おろち党 ボス蛇丸(演:高杉玄) 風の右近(演:山本昌平
雷の左近(演:種村まり子)
弓術
フィルムの鞭
8月24日 28 そして、誰も居なくなる 邪悪党 悪天坊(演:滝波錦司) ブラックローズ(演:桐嶋好夫) 手裏剣
8月31日 29 父母なき子 涙の復讐 赤永会 闇の黒兵衛(演:堀田真三 テニスの陣太郎(演:畠山麦 テニス
9月14日 30 悲しき生と死の間に グレン団 キングボー(演:大泉滉 ガラバー(演:田所千津子)
9月21日 31 対決! 真犯人首領L? 首領L 竜天丸(演:仙波和之)
竜海丸(演:佐藤好将)
竜山丸(演:守屋俊志)
仕込みマシンガン
9月28日 32 さらば斗いの日々、そして 総統D
  • 8月17日に第3話、9月7日に第4話が再放送されている。
  • 2008年3月に『とことん! 石ノ森章太郎』第3夜において最終話である32話が放送された。

[編集] 本作の背景

本作の企画を語るうえで小林旭主演の日活映画「渡り鳥シリーズ」の東映版リメイク説は知られている[8]が、メインライターを務めた長坂秀佳の談によれば、そのような企画を持ちかけたのは後にスーパー戦隊シリーズを手掛ける鈴木武幸プロデューサーであったという。また、長坂自身は「渡り鳥シリーズ」をほとんど観たことがなく、「大体の雰囲気で書いた」と語っている[9]

当時、鈴木プロデューサーは、NET火曜日19:00 - 19:30枠の『超神ビビューン』を担当中であり、本作が放送された東京12チャンネル水曜日19:30 - 20:00枠は、小野耕人プロデューサーが『忍者キャプター』を担当中であった。企画時には小野ではなく鈴木の名が挙げられ、実際の放送時には小野が担当する一方で、鈴木が全く無関係というのも矛盾している。

しかも、『超神ビビューン』と『忍者キャプター』の広告代理店東映エージエンシーであることが共通しており、『忍者キャプター』の提供スポンサーポピーであったが、本作の提供スポンサーは『超神ビビューン』のタカトクトイスである。本作でも監督を務めた奥中惇夫の著書によれば、『忍者キャプター』の打ち切りが何の前触れもなく撮影現場へと通告されて、手元にあった他作品の脚本を、急いで最終回用に修正使用せざるを得なかったほどの状況も証言されていた。

以上の経過から、当初の本作はNETの火曜日19:00 - 19:30枠の『超神ビビューン』の次回作として企画されていたものの、東京12チャンネルの水曜日19:30-20:00枠における『忍者キャプター』で、提供スポンサーを務めていたポピーの撤退が1977年1月初めに決定。同枠を担当していた東映エージエンシーからの要請で、提供スポンサーのタカトクとともに撮影直前の本作が移動してきた…というのが、放送に到るまでの裏事情かと推察される。突然のリリーフ役を命じられて提供スポンサーとともに、新番組扱いで東京12チャンネルの水曜日19:30-20:00枠へと移動してきた本作であるが、高視聴率に反してタカトクの商品売上は低迷。1977年10月の番組改編期にはタカトク社の要望にも応える形で、東映テレビ事業部が企画・タツノコプロが制作の『とびだせ!マシーン飛竜』へと、同枠の放送は交代したのである。

1977年9月28日を最後に終了した本作ではあるが、高視聴率であったにもかかわらず想定外の終了を惜しんだ小野プロデューサーは、のちに1時間枠で本作の再開を図っていたとされる。

補足

当時東京12チャンネルが製作に関与していたアニメ・特撮作品の中でも高視聴率をマークしたのがこの『ズバット』であり、3月9日に放送した第6話では15.5%に達した。企画当初は1年間の放送予定だったが、玩具の売れ行きが悪いこと[10]などを理由にスポンサーが降りてしまったため、32話で打ち切りになった。実際、製作側が予想していた年齢層より上の年代に番組の人気は高かったらしく、それが玩具の販売不振に繋がったともいえる。なお、当時の東京12チャンネルは系列局がなく(中京、近畿では独立UHF放送局がその代わりをしていた)、リアルタイムで観られなかった地域も存在した(北海道地区も含まれる)。第1話から最終回まで全国ネット放送されていない、東映特撮ヒーロー史上唯一の作品である。

しかし脚本のほとんどを執筆した長坂秀佳の独特の味、そして主人公・早川健を演じる宮内洋の独特の台詞回しと「ヒーロー役者」の面目躍如たる演技などで、数々の特撮ヒーロー番組の中でもその名を轟かせている。また、このズバットにおける宮内の演技は主人公・早川健にあまりにはまっており、この役を演じたことでテンションが上がっていたため、番組終了直後に『ジャッカー電撃隊』にテコ入れとして行動隊長・ビッグワン役で出演した際には気力が非常に充実しており、主役の四人を食うどころか、完全に戦隊を乗っ取り手下同然にしてしまうという現象を生んだ。 メインライターの長坂は全32話中30話を執筆しているが、2話分(第7話と第12話)を他の脚本家に任せたのは「1年続くと思っていたので、一人では全部書けないと思ったから」とのこと。しかし、作風の違いが目立ったため、残りは自分で書くことになった。結局32話で終了したため「そうなると最初から分かっていれば全部自分で書いた」とも語っている。

放映前に『テレビマガジン』誌上で大鉄人17とともにタイトル公募されていた。

[編集] 東京12チャンネル(現・テレビ東京)以外のネット局

[編集] 映像ソフト化

  • ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)は傑作選の全4巻が東映ビデオよりリリースされている。
  • 2004年9月21日にDVD-BOXが東映ビデオより発売された。
  • 2008年1月21日から3月21日にかけて単品のDVDが発売された。全3巻の各2枚組で各巻11話(Vol.3のみ12話)収録。
  • 2008年7月21日発売の『石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX』に第1話が収録されている。

[編集] 再放送

  • 1999年5月から9月まで、東映チャンネルの「石ノ森章太郎劇場」枠で再放送が行われた。2000年1月から2月まで、「アンコールアワー」枠で再び放送された。
  • 2002年8月から2003年4月まで、ファミリー劇場で再放送が行われた。2003年6月にはアンコール放送が行われた。2002年秋の番組宣伝、キャンペーンクイズ出題には宮内洋が登場し、2003年2月の広報番組「ファミリー探検隊」にも宮内がゲスト出演した。

[編集] 漫画

聖悠紀の作画で『テレビマガジン』1977年4月増刊号に掲載。本編第2話を基にしているが、随所にギャグが挿入される、用心棒がズバットの正体に気付くなどのアレンジが施されている。

[編集] その他関連作品

[編集] 特撮

[編集] パロディ

[編集] テレビゲーム

なお、この作品のCMで同じ宮内洋が演じた風見志郎と早川健の夢の競演がなされている。

[編集] カードゲーム

[編集] 参考文献

仮面ライダーがエントツの上に立った日 
2004年初版、著者:奥中惇夫、発行:筑摩書房
快傑ズバット大全 
2002年初版、発行:双葉社
講談社X文庫 メーキング・オブ・東映ヒーロー(1) アクションヒーローの世界 
1987年初版、発行:講談社
テレビマガジン特別編集 テレビマガジンヒーロー大全集 
1987年初版、発行:講談社
ファンタスティック・コレクションNo.49 快傑ズバット 
1985年初版、発行:朝日ソノラマ
アニメージュコミックス 忍者キャプター第2巻 
1981年初版、著者:聖悠紀、発行:徳間書店
テレビマガジン4月号増刊 
1977年初版、発行:講談社 に掲載された快傑ズバットのコミカライズを収録。

[編集] 脚注

  1. ^ 「知ってるさ、有名ですからね」と相手をおだてておいてから言う場合もある。
  2. ^ 外国人の用心棒レッドボワの場合は枠が日本から世界に広がり、バーテン左京次との二度目の技比べでは、彼が「世界一」と豪語したため、その上を行く「宇宙一」と称している。
  3. ^ 第6話のレッドボワとのトマホーク投げで、勝負に負けたレッドボワが悔し紛れにトマホークを早川に投げ付けたシーンがあり、第29話のテニスの陣太郎とのテニス対決では、勝利した早川は、周りにあった木をテニスボールでなぎ倒して、その隙に子供たちとともに逃げた際、陣太郎から「隠れるのも日本一か!」と言われた。
  4. ^ とどめを刺したか、当て身で気絶させたか明確に描写していないパターンが多い。用心棒およびボスのうち、確実に死亡したとみられるケースは以下の通り。
    • 釣師十兵衛、ダルタニアン:鞭で放り投げられ、落下した場所に運悪く自分が使用していた爆薬が置いてあり、爆死。
    • 殺し屋ジョー:ボスである金仮面から投げナイフで殺される。
    • ナチスジャガー:気絶から覚めてズバットを背後から狙撃しようとしたが、足を滑らせて崖から転落死。勇気ある人物という表の顔のまま葬られる。
    • ダンディハリー:大神家の遺児・小雪をかばい、紅フォックスの銃弾を浴びて死亡。
    • 雷の左近:風の右近の日本刀をズバットがよけ、かわりに斬られる。
  5. ^ 番組後半は夏季にかかるため多少の変化があるが、白いベストとズボンにテンガロンハットという基本的にほぼ同一のスタイル。しかし、最終話でのラストシーンの飛鳥の墓の前で「仇を取った」と語りかける時には、今までの白いベストとズボンが、黒いレザーのジャケットとパンツ姿になっていた。DVDの特典映像などで宮内洋が語ったところによれば、この変更は彼の「我儘」によるものだそうである。
  6. ^ 公式設定では、Z剣と書かれている物も存在する。
  7. ^ 田中公平はラジオ番組『青春ラジメニア』では「一竿三味線」であると述べていたが、作曲を手掛けた京自身は『科学戦隊ダイナマン』と同じく琵琶であると語っている。(『快傑ズバット大全』でのインタビューより)。
  8. ^ 宮内洋は自著『ヒーロー真髄』の中で、このことを美空ひばりに指摘されたと語っている。
  9. ^ 『メーキング・オブ・東映ヒーロー(1)』インタビューより。
  10. ^ 長坂秀佳は『快傑ズバット大全』でのインタビューで「玩具が売れるような内容を要求されても聞かなかった」と発言。それに対してインタビュアーが「当時観ていて、自分も玩具が欲しいと思わなかった」と言葉を返し、長坂を苦笑させた。
  11. ^ 脚本ではズバットアタックだったが、映像では異なる技になっていたため、急遽技名を変更したとのこと(『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』パンフレットより)。
東京12チャンネル 水曜日19:30-20:00(1977年2月 - 9月)
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