REFLECTION (Mr.Childrenのアルバム)
『REFLECTION』 | ||||
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Mr.Children の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 2013年 - 2015年 | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | トイズファクトリー | |||
プロデュース |
Mr.Children 小林武史 | |||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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Mr.Children 年表 | ||||
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『REFLECTION』収録のシングル | ||||
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『REFLECTION』(リフレクション)は、日本のロックバンド・Mr.Childrenの18枚目のオリジナルアルバムである。2015年6月4日にトイズファクトリーより発売された。
目次
概要[編集]
前作『[(an imitation) blood orange]』からおよそ2年7か月ぶりのアルバム。全23曲収録(『{Naked}』)はMr.Childrenのオリジナルアルバムとしては史上最多である。
2013年1月からレコーディングを開始し、2014年9月から開催したファンクラブ会員限定ライブ『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年祭ファンクラブツアー』において、未発表曲を数多く披露した[7]。2015年2月にはこのライブの模様を映画『Mr.Children REFLECTION』として3週間限定公開[8]。映画についてMr.Childrenは「まったく聴いたことがない音楽なんだけど、凄く心が動く、感動するライブができないか? リリースがあって、ツアーがあってという、いつも通りのやり方ではない新しい伝え方があるんじゃないか? そんな疑問を解消できるアイデアとして行ったのが、未発表曲メインでのファンクラブ限定ツアーでした。ライブで初めて楽曲を聴いてくれた方と同じような新鮮な気持ちで、僕らの新しい音に触れてもらえたら嬉しいです」とコメントしている[8]。
アルバムは、「すべてのMr.Childrenを聴いて欲しい」というバンドの意思により、『{Naked}』『{Drip}』の2形態で発売となる[9][10]。『{Naked}』は『{Drip}』初回盤(CD+ドキュメンタリーDVD)に加えて、80P写真集(撮り下し)+全23曲収録のUSBアルバム『REFLECTION {Naked}』(ハイレゾ〈24bit 96kHz / WAV〉+MP3〈320kbps〉[11])+オリジナル・ライナーノーツ48P×DEMO音源試聴QRコードをBOX仕様で収録。『{Drip}』通常盤はCDのみ収録と、初回盤と共通で未収録曲9曲を1曲250円で購入(ダウンロード)できるサイトにアクセスするためのスペシャルIDを封入している[12]。
2018年5月10日には全作品配信に伴い、iTunesなどの音楽配信サイトでは『{Naked}』『{Drip}』の両方が配信された。
プロデュース[編集]
本作は、バンドのデビュー以来初となるメンバー単独によるセルフプロデュース作品が多数収録されている。これまでプロデューサーとして全曲に参加していた小林武史との共同プロデュースによる楽曲は、全23曲中6曲({Drip}は14曲中5曲)に留まっている。他方小林は、セルフプロデュース楽曲についてもキーボーディストとしてさらに2曲参加している。また「忘れ得ぬ人」は、森俊之がアレンジを担当したことにより、インストゥルメンタル曲である「ニシエヒガシエ」のRemixバージョンを除くと、Mr.Children及び小林以外の人物が編曲に携わった初の楽曲となった。プロデューサーの小林武史がアレンジも行ってきた前作まで「プロデュース」と「アレンジ」はほぼ同義で用いられていたが、本作で差別化されることとなった。
前述のとおり本作は『{Naked}』『{Drip}』の2形態での発売となり、両者ともに曲順が大きく異なっているが、「FIGHT CLUB」から「蜘蛛の糸」までと、「REM」から「幻聴」までは、どちらも収録順が一致している。また、{Naked}では最初の曲が「fantasy」、最後の曲が「未完」となっているが、これは発売前(2015年3月14日 - 6月4日)に行われたアリーナツアー『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』におけるセットリストでも同じであった。
前作『[(an imitation) blood orange]』は東日本大震災を意識して制作したとのことだが、本作では震災から時間が経過し、アルバムの制作過程で最初に制作された「WALTZ」を初め、次々とマニアックな曲が浮かんだという[13]。
プロモーション[編集]
本作は、前述のライブツアー『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』の最終日に発売となっている[14]。それに伴い、同ツアーにおける演奏曲は発売前の楽曲が中心となった。
発売直前の5月に、同ツアーの千秋楽となる6月4日のさいたまスーパーアリーナ公演がスカパー!で生中継されるのを記念して、全国主要都市の駅(新宿駅、大阪駅など)で『REFLECTION』収録楽曲の一部が流れるイヤホンジャックを設置して視聴会を行った。
タイトルの由来[編集]
本作を『REFLECTION』と命名したのは田原健一である。ファンクラブ限定ツアーの際に写真家の齋藤陽道が撮影した写真の中で[15]、意図せずステージと客席の間に緑色の光で構成されたモヤが映り込んでいた。それを見た田原がミュージシャンである自分たちが音楽として発している“想い”と、受け手であるファンの人たちの“想い”が重なり合って起きた現象だと感じ、“想い”と“想い”の「反射」を表して『REFLECTION』と名づけた[16]。
チャート成績[編集]
発売初週に約35.5万枚を売り上げ、2015年6月15日付オリコンチャートで初登場1位を獲得[17]。同時にアルバムの総売上がB'z、松任谷由実に次いで史上3組目となる3000万枚を突破した[17]。Billboard JAPANの総合アルバムチャート “Hot Albums Sales”およびアルバムセールスチャート“Top Albums Sales”では、発売週(6月15日付)[18]と3週目(6月29日付)[19]で1位を獲得している。
『Versus』以来22年ぶりに初動50万枚を割ったが、2015年のオリコン年間アルバムランキングでは6位となり、オリジナルアルバムでは2002年リリースの『IT'S A WONDERFUL WORLD』から8作連続の年間TOP10入りとなり、息の長い人気を証明する結果となった[5]。
収録曲[編集]
- 全曲作詞・作曲:桜井和寿、プロデュース:Mr.Children(特記以外)
{Drip}(通常盤・初回限定盤)[編集]
- 未完(4:50)
- 発売後に行われたスタジアムツアーのタイトルにも使われた楽曲[20][21]で、同ツアーではCDと同様1曲目に演奏された。
- また、テレビ出演やCMなど、本作のPRによく用いられた。タイトルには、Mr.Childrenはまだまだ未完成で、これからも成長していきたいという願いが込められている。
- 後に配信限定ベストアルバム「Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25」に収録された。
- FIGHT CLUB(4:57)
- 斜陽(3:48)
- プロデュース:Mr.Children & 小林武史
- Melody(5:04)
- プロデュース:Mr.Children & 小林武史
- 35thシングル「足音 〜Be Strong」のカップリング曲。
- カップリング曲の収録は、15thアルバム『SUPERMARKET FANTASY』に収録された「羊、吠える」以来となる。
- 蜘蛛の糸(4:18)
- プロデュース:Mr.Children & 小林武史
- Starting Over(4:59)
- 東宝配給映画『バケモノの子』主題歌。
- Mr.Childrenでは通算3回目のアニメタイアップで、アニメ映画主題歌は「fanfare」以来5年5か月ぶりとなる。
- 最初の仮タイトルは「ノブナガ」で[16]、テレビドラマ『信長協奏曲』の主題歌のオファーを受けて制作を開始したものの、次に付けられた仮タイトル「Be Strong」になった段階で意見がまとまらず、一度制作中止となった曲である[16]。結果的に主題歌となった「足音 〜Be Strong」の完成後に、歌詞などを大きく変更して作り直した[16]。タイトルのStarting Over(「やり直す」の意)は、これに由来している。
- アルバム発売後に行われた『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』ではこの曲が最後に演奏された。
- 後に配信限定ベストアルバム「Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25」に収録された。
- 忘れ得ぬ人(5:20)
- 編曲:森俊之
- ピアノから始まるバラード曲で、バンド演奏は2番から。セルフプロデュース曲だが、アレンジは森が単独でクレジットされている。
- Reflection(2:03)
- アルバムタイトル曲[23]。
- Mr.Childrenでは「叫び 祈り」以来となるインストゥルメンタルで、映画「Mr.Children REFLECTION」のテーマ曲として桜井が自らピアノを演奏して作曲した。アルバム中盤にインストが差し込まれるケースは「Rain」、「Making Songs」、「臨時ニュース」に次いで約19年ぶりとなる4曲目。桜井の演奏したピアノが収録されるのは初。
- fantasy(4:21)
- BMW「2シリーズ アクティブ ツアラー/グラン ツアラー」CMソング。
- 仮タイトルは「王道」。
- {Naked}およびライブツアー『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』のオープニング曲だが、元々ライブの1曲目に演奏する事を想定して作られたという。
- REM(4:30)
- プロデュース:Mr.Children & 小林武史
- 5作目の配信限定シングル。
- Mr.Childrenでは最も発表からCD化までの期間が長い(約2年)楽曲となっている。
- WALTZ(6:47)
- 仮タイトルは「ワルツ」。
- 本作では演奏時間が最長の楽曲で、アルバム制作において最初にできたという曲[13]。
- 進化論(5:42)
- 幻聴(5:34)
- プロデュース:Mr.Children & 小林武史
- 当アルバムの候補曲が全て出揃ったと思われたその翌日にできた楽曲で、冒頭の「やっと一息つけるねって思ったのも束の間」という歌詞はこれに由来する。
- 足音 〜Be Strong(4:59)
- 35thシングル。
{Naked}(完全限定生産)[編集]
- ※がついているものは、{Drip}未収録曲。
- fantasy
- FIGHT CLUB
- 斜陽
- Melody
- 蜘蛛の糸
- I Can Make It(4:22) ※
- 仮タイトルは「Don't make it」。
- サビの部分でベースとユニゾンするギターが録音されているが、これを中川敬輔が田原に提案する様子が付属のDVDに収録されている。
- 発売前のファンクラブツアーを踏まえて再度レコーディングを行ったという。その際、当初オルガンソロだった部分を田原のギターソロに変更した。
- CDには収録されなかったが、ファンクラブツアーで披露したのち、『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』のどちらでも演奏された。
- ROLLINʼ ROLLING 〜一見は百聞に如かず(4:14) ※
- 放たれる(5:34) ※
- プロデュース:Mr.Children & 小林武史
- 6作目の配信限定シングル。
- シングルとして先行販売されていたが、「足音〜Be Strong」のB面曲としてCD化されており、本作ではUSBのみの収録となった。
- 街の風景(6:38) ※
- 運命(4:56) ※
- 足音 〜Be Strong
- 忘れ得ぬ人
- You make me happy(3:51) ※
- 仮タイトルは「モダン Jazz POP」。
- Jewelry(4:41) ※
- REM
- WALTZ
- 進化論
- 幻聴
- Reflection
- 遠くへと(3:21) ※
- 仮タイトルは「はじまり」。
- I wanna be there(5:23) ※
- ギターソロは桜井が演奏している。Mr.Childrenでは数少ない、歌詞の一人称が「俺」になっている楽曲の一つ。
- ライブ初披露となった『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』では、観客にスマートフォンのライトを点灯させるという演出もあった。
- Starting Over
- 未完
DVD({Naked}及び{Drip}初回盤付属)[編集]
約60分のレコーディング・ドキュメンタリー。終盤には映画「Mr.Children REFLECTION」内での「未完」の映像が収録されている。また、SONGSスペシャル「Mr.Children “静かな闘い” 365日密着ドキュメント」(2015年6月15日、NHK)にて、このDVDの一部の内容が放送された。
参加ミュージシャン[編集]
- fantasy
- FIGHT CLUB
- 小林武史:Keyboards
- 斜陽
- 小林武史:Keyboards
- 四家卯大:Cello
- 沖祥子:Violin
- 四家卯大ストリングス:Strings
- Melody
- 蜘蛛の糸
- 小林武史:Keyboards
- I Can Make It
- Sunny:Keyboards
- ROLLIN' ROLLING 〜一見は百聞に如かず
- Sunny:Keyboards
- 武嶋聡:Sax
- タブゾンビ:Trumpet
- 川崎太一朗:Trumpet
- 滝本尚史:Trombone
- 放たれる
- 小林武史:Keyboards
- 四家卯大:Cello
- 沖祥子:Violin
- 四家卯大ストリングス:Strings
- 運命
- Sunny:Keyboards
- 足音 〜Be Strong
- Sunny:Keyboards
- 四家卯大:Cello
- 沖祥子:Violin
- 四家卯大ストリングス:Strings
- 忘れ得ぬ人
- You make me happy
- 田中奈緒子:Piano
- 山本拓夫:Sax
- 西村浩二:Trumpet
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 村田陽一:Trombone
- Jewelry
- 田中奈緒子:Piano
- 山本拓夫:Sax
- 西村浩二:Trumpet
- REM
- 小林武史:Keyboards
- 進化論
- Sunny:Keyboards
- 幻聴
- 小林武史:Keyboards
- 遠くへと
- Sunny:Keyboards
- I wanna be there
- Sunny:Keyboards
- Starting Over
- 四家卯大:Cello
- 沖祥子:Violin
- 四家卯大ストリングス:Strings
- 未完
- 四家卯大:Cello
- 沖祥子:Violin
- 四家卯大ストリングス:Strings
脚注・参考文献[編集]
- 脚注
- ^ 【オリコン】REFLECTIONオリコンスタイル・2015年7月3日閲覧
- ^ REFLECTION / Mr.Children | CHART insight | Billboard JAPAN2015年7月6日閲覧
- ^ 【オリコン】2015年6月度月間ランキング2015年7月3日閲覧
- ^ 【オリコン】2015年度上半期アルバムランキング2015年6月16日閲覧。
- ^ a b 2015年 年間音楽ランキングを発表! アルバムランキング1位〜25位 オリコン 2015年12月23日閲覧
- ^ 一般社団法人 日本レコード協会|各種統計
- ^ “Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年祭ファンクラブツアー”. 2015年3月12日閲覧。
- ^ a b “Mr.Childrenの未発表曲を体感 ファンクラブ限定ライブが映画化”. BARKS (2014年12月11日). 2015年3月12日閲覧。
- ^ “Mr.Children、新作『REFLECTION』2形態で発表「すべてのMr.Childrenを聴いて欲しい」”. RO69. ロッキング・オン (2015年3月12日). 2015年3月12日閲覧。
- ^ “Mr.Children、音楽の可能性を追求した全23曲構成のUSBアルバム”. ナタリー (2015年3月12日). 2015年3月12日閲覧。
- ^ アルバムの詳細が発表された当初、MP3版は192kbpsでの収録が予定されていた。
- ^ なお、ダウンロードはmoraを利用するため、ダウンロードにはmoraのアカウントが必要となる。決済方法もmoraに準ずる。
- ^ a b “MUSICA(ムジカ) >>Blog Archive Mr.Children、本誌独占・『REFLECTION』メンバー全員インタヴュー!! 新たな選択と共にゼロから立ち向かった 挑戦の軌跡、心情、そのすべて”. MUSICA (2015年6月14日). 2015年9月19日閲覧。
- ^ “ミスチル、「新しい伝え方」に挑戦 “前代未聞”ツアー最終日に新作”. ORICON STYLE (2015年2月6日). 2015年3月12日閲覧。
- ^ “写真家 齋藤陽道”. 2015年3月12日閲覧。
- ^ a b c d e 『REFLECTION』ライナーノーツより。
- ^ a b “【オリコン】ミスチル、アルバム総売上3000万枚突破 史上3組目の快挙”. オリコン (2015年6月9日). 2015年6月10日閲覧。
- ^ “新チャート“Hot Albums” 第2回はMr.Children『REFLECTION』が人気の高さを見せつけ1位”. Billboard Japan (2015年6月10日). 2015年7月6日閲覧。
- ^ “ミスチル『REFLECTION』が1位に返り咲き! [Alexandrosは惜しくも2位に]”. Billboard Japan (2015年6月24日). 2015年7月6日閲覧。
- ^ “『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』開催決定!”. Mr.Children. 2015年6月19日閲覧。
- ^ ツアータイトルに曲名が使われた事例は、1994年の『Mr.Children '94 tour innocent world』、2009年の『Mr.Children Tour 2009 〜終末のコンフィデンスソングス〜』などがある(アルバムタイトルと同名曲は除く)。
- ^ “2014 FNS歌謡祭”. フジテレビジョン. 2015年3月12日閲覧。
- ^ アルバム名とは表記こそ異なるが、Mr.Childrenでは『IT'S A WONDERFUL WORLD』以来無かった、5曲目のアルバム同名曲である。
- ^ “ミスチル、新曲「進化論」が『NEWS ZERO』テーマ曲に起用”. オリコン (2015年3月13日). 2015年3月13日閲覧。
- ^ 「Reflection」のみで、歌詞カードにはクレジットされていない。
- 参考文献
外部リンク[編集]
- Mr.Children | REFLECTION | TOY'S FACTORY
- 『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』 ライブビューイング特設サイト
- Mr.Children - 公式YouTubeチャンネル
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