卓球

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 卓球
Ishikawa and Fukuhara at Table Tennis Pro Tour Grand Finals 2011 (2).jpg
卓球の女子ダブルスの試合。
統括団体 国際卓球連盟
通称 ピンポン
起源 1880年代
特徴
身体接触
選手数 1人もしくは2人
男女混合
カテゴリ 屋内競技
ボール セルロイド・プラスチック球
オリンピック 1988年-
テンプレートを表示

卓球(たっきゅう、Table tennis)は、球技の一種で、競技者は卓球台を挟んで向かい合い、セルロイドまたはプラスチック製のボール1個を相手コートに向かって打ち合って得点を競う。ピンポン(Ping pong)ともいう。競技は、男子/女子シングルス、男子/女子ダブルス、混合ダブルス、男子/女子団体戦の4つに分けられる。競技人口の多さは世界有数であり、メジャースポーツの一つといえる。

このスポーツは動体視力と反射能力、高い瞬発力や持久力が必要であり、技術面・フィジカル面ともに総合的な実力が要求される。初・中級レベルの卓球は身体能力よりも技術面の比重が上回るが、上級レベルの卓球は他のスポーツ同様に高い身体能力を要求される競技であり、特に体力を必要とする。

卓球の起源[編集]

卓球の起源は1880年代イギリスと言われ、上流階級の遊びがスポーツに発展したものと考えられている。テーブルテニスと言われるように、卓球の元はテニスである。テニスが雨でできなくなったため、屋内でできないかと考えられた。そして卓球が誕生したのである(しかし、そもそもテニスの元となったポームは屋内競技であった)。当初はディナーの後に行われる室内ゲームの一種で「ディン=ドン」("ding-dong")と呼ばれていたが、やがてピンポンと呼ばれるようになり、1900年代に急速に現在の形に近いものへと発展した。

1921年イギリスで卓球協会が誕生し、国際卓球連盟1926年に誕生した。同年、ロンドンで最初の世界選手権が開催された。

ルール[編集]

用具規定[編集]

卓球台の上面は長さ2.74m、幅1.525mの長方形で、地面より76cmの高さに水平に位置する。台の長辺に垂直に張られたネットによって、台は2つのコートに等分される。ネットは台から15.25cmの高さに吊られ、台の両端に取り付けられたサポートによって支えられる。ボールは直径40mm、重さ2.7gのセルロイドまたは同質のプラスチック製で、色は白またはオレンジでなければならない。ラケットユニフォームの規定については用具の節を参照。

試合進行[編集]

1試合は2001年9月1日[1]より、各ゲーム11点先取の7ゲーム制(4ゲーム先取)、5ゲーム制(3ゲーム先取)、または3ゲーム制(2ゲーム先取)で行われる。大会形式としてはトーナメント戦が多い。 10対10になったときは、先に2点差を付けた方が勝ちとなる(デュース)。フルゲームになった際は、どちらかの選手が5ポイントになった時点でチェンジエンド(コートを交代する)が行われる。

試合では最初に練習打(ラリー)をし、次にラケット交換(相手のラケットを確認する)とコイントス(日本ではジャンケン)を行う。コイントスに勝った選手は、「サービス」「レシーブ」「コート」のいずれかを選択することができる。

サービスは2本交代。ただしデュースのときは1本交代になる。サーバーはラケットを持っていない手(フリーハンド)の手のひらからほぼ垂直に 16cm以上投げ上げ(台の下から投げてはいけない)、落ちて来るところをラケットによってエンドライン(台の後方)から打球し、まず自分のコートにバウンドさせ、次にネットの上を越して、相手のコートにバウンドさせなくてはならない。サービスがネットに当って相手のコートに落ちた場合は、「レット」といい、やり直しになる。それ以外の場合は、サービスミスになり、相手の得点になる。また、サーブをするときには、ボールを選手の体やユニフォームで相手選手から隠してはならない。

サービスされるか返球されるかして自分のコートに返球されたボールは直接、またはネットに接触した後に、相手のコートに落ちるように返球しなければならない。これが出来なかった場合、相手の得点になる。ボールを自分のコートで2バウンドさせたり、ボールを自分の体に当てたりラケットに2度続けて当てたりしてはならないが、ラケットを持つ手の手首よりも先(指など)にボールが当たったり、ラバーに当たらずに相手のコートに入った場合は有効である。相手が打ったボールが自分の台にバウンドする前に、台の方向に向かって飛んでいるボールを台上で、直接ラケットや体に当ててはならない。

台上でのボレーは禁止。ボレーをすると相手の得点になる。また,プレー中にフリーハンドが台上に触れると失点になる。

1ゲームが終わったら、チェンジエンド(コートチェンジ)をして次のゲームに入る。次のゲームでは、前のゲームで最初にレシーブをした選手からサービスを始める。

ダブルスの場合、サービスはサーバー側コートの右半面からレシーバー側コートの右半面へと、交差するようにバウンドさせなければならない。ダブルスは、ペアは交互に打ち、サーブ権が相手に移動するとサーブをしていなかった選手がレシーブをすることになる。

1ゲームが開始より10分が経過しても終わらない場合に適用される「促進ルール」が規定されている。

ルール内容は適時見直されて改定が行われており、事例として2001年8月31日まではサービスは5本交代、1ゲーム21点先取の3ゲームまたは2ゲーム先取であった[1]

ダブルス[編集]

基本的にはシングルスと同じルールで行われるが、いくつかの条件が加わる。

  • サービスは、サーバー側コートの右半面にバウンドさせ、ネットの上を越してレシーバー側コートの右半面へと、交差するようにバウンドさせなければならない。バウンドさせる面を間違えた場合は相手のポイントになる。
  • サービス後のラリーでは、ペアは交互に打たなければならない。同じプレイヤーが二度続けて打つと相手のポイントになる。
  • サービス権が相手に移動すると、サービスをしていなかった選手がレシーバーになり、それまでレシーバーだった選手が次のサーバーになる。
  • 1ゲームが終わって次のゲームに入る時は、前のゲームで最初にレシーブをしたペアからサービスを始める。その際、最初にサーバーになるのはペアのどちらの選手でも良い。レシーバーは、前のゲームと異なる組み合わせとなるようにする。

世界卓球選手権全日本卓球選手権などでは、男子2人または女子2人のペアで行われる通常のダブルスに加えて、男子1人、女子1人ずつのペアで行う混合ダブルスが行われている。

団体戦方式[編集]

団体戦は場合により様々な方式が取られている。世界卓球選手権などでは、双方のチームが3人の選手でシングルスにより最大5回対戦し、先に3勝した側が勝ちとなる方式が採用されている。北京オリンピックの団体戦では、3人の選手で4シングルス、1ダブルスを戦う方式が採用された。

日本国内では、日本卓球リーグを始めとして4人の選手による4シングル1ダブルス方式が多い。この場合、同じ選手がシングルスとダブルスの両方に出ることができる。大会によっては6シングル1ダブルス(関東学生連盟)や3シングル2ダブルス(新日本スポーツ連盟)などの方式もある。さらにローカル大会になると2シングル1ダブルスやダブルスだけの団体戦や男女混成の団体戦もあり、多彩な方式で行われている。

歴史[編集]

現在の卓球は19世紀後半にイギリスで生まれ、発展してきた。もともとテニス選手が、雨でテニスが出来ず退屈だったので室内のテーブルの上でテニスの真似事をしたのが始まりといわれている。初めの頃は長い柄のついたバドミントンのようなラケットとコルクの球を使用し、ラケットには革や紙やすりなどを張っていた。

その後ラケットは短くなり、1900年代頃に欧州ゴム製のラバー(現在の1枚ラバーに相当するラバー)が開発され主流となったが[2]、それほど強い打球が打てなかったことやネットの高さが高かったこともあり[3]、守りに徹した方が有利であった期間が長く続き、1936年に行われた第10回世界卓球選手権では1点取るのに2時間以上もかかった試合の記録が残っている[3]。 1937年、日本初の国際試合が行われ、ハンガリーの元世界チャンピオンと対戦し、その際日本選手は初めてラバーに接した[2]。当時、日本選手のラケットには何も貼っていない状態(別称:木ベラ)でありながらも、好成績を収めた[2]。その頃、男子アメリカチームによって、当時規定外であった指を使い、様々な回転を生み出すサービス「フィンガースピンサービス」が開発され、1937年に行われた第11回世界卓球選手権にて、初めて強い回転をかけたプレーが持ち込まれた[3]。これを駆使したアメリカチームは好成績を収めたが、その反面強い回転に慣れていない対戦相手はレシーブミスを連発し、ラリーが続かない展開となった[3]。ラリーが長すぎる、一方では短すぎる、と両極端な展開で観客が退屈と感じる試合が続出したことから国際卓球連盟はルールの改正を行い、ネットの高さを引き下げ、試合時間の制限、指を使いボールに様々な回転を与えるサービス(フィンガースピンサービス)の禁止を決定[3]。その影響で再び守備型が有利な状況となり、1940年代から1950年代初頭までは欧州の選手によるカット主戦型が全盛であった[2][3][4]

この状況が変化する転機は、第二次世界大戦後、1950年代に日本が新しい用具を続々と開発し、実戦に使用され結果を出したことである[2][3][4]。先ずは従来のラバーを裏返しにして貼る「裏ラバー」が使われるようになった。これは従来のラバー(現在の1枚ラバー、裏ラバーに対して表ラバーとみなされる)と比較してボールとの接触面積が広いため摩擦が大きく、強い回転をかけやすくなり、それを大きく活かした攻撃を行うことが可能となった。さらに、太平洋戦争時に航空機燃料タンク防弾用など、軍事用に用いられていた独立気泡スポンジが卓球の用具として使われるようになる。これは反発力が強く、従来のラバーと比べて打力が飛躍的に向上した[2][3][4]。それをラケットの打球面に貼り付けた「スポンジラバー」[4]、裏ラバーとスポンジを貼りあわせた「裏ソフトラバー」や、一枚ラバー(表ラバー)とスポンジを貼りあわせた「表ソフトラバー」が開発された。また、表ソフトのツブを発展させた「ツブ高ラバー」も開発された。それらの特徴を大きく活かしたスマッシュ攻撃を武器に、1952年の第19回世界卓球選手権で日本は大会初参加ながら、女子団体・男子シングルス・男子ダブルス・女子ダブルスの4種目で優勝と黄金時代の口火を切り、1950年代の世界選手権において日本選手が各種目にて優勝者を多数輩出した[2][3][4]

しかし1959年に国際卓球連盟は用具の制限に乗り出した。スポンジのみの使用は禁止され、スポンジラバーは消滅した。その他のラバーについても厚みが4mmまでに制限された。

2000年から、ボールの直径は38mmから40mmになった。これによってボールの空気抵抗が増し、従来よりもラリーが続くようになった。しかしその一方で回転がかけにくくなり、またラバーが回転の影響を受けにくくなったために、カット型や前陣速攻型のような戦型は苦戦している。2001年には、従来の21点制から11点制に変更され、サービスも5本ずつの交代から2本ずつの交代に変更された。また、2002年にはサービス時にボールを隠す行為(ハンドハイド、ボディーハイド)が完全に禁止された。

2008年9月から有機溶剤性接着剤の使用が禁止され、その1ヶ月後に補助剤を用いた後加工が禁止されたことで、従来から使われてきた高弾性・高摩擦性ラバーの使用者は減少し、粘着テンションラバーも含めたテンション系ラバーが主流となった。

用具[編集]

ラケット[編集]

卓球に使用するラケットは、主に木材から作られた板とゴム製のラバーとから構成される。ラケット、ラバー共に様々な種類、特徴を持った製品が存在している。板の部分のみをラケットまたはブレードと呼ぶことも多い。日本国内の公式試合に使用するラケットは、見える場所にメーカー名、日本卓球協会の公認の表示 (JTTAA) が義務付けられている。

ラケットの特性については、反発力は球を打ったときのスピードを、剛性は打ったときの感覚を、それぞれ表している。一般的に剛性が高い=硬いラケットは反発力が高く、弾離れが速くなり、スピードのある打球を可能にする[5]。逆に、剛性が低い=柔らかいラケットは、打球の衝撃を吸収しやすく反発力が抑えられるため、コントロールがしやすい。表記はまちまちだが。各メーカーはラケットの特性を順序づけて表記している。また、ブレード厚が厚いと球離れが速くなりやすく、ブレードが薄いと弾みにくくなるが、回転がかけやすくなる。打球音はラケットの性能よりも、使用される材質によって左右される部分が大きい。

ラケット、ラバー共に様々な種類、特徴を持った製品が存在し、選手はそれらの中から自分に合う用具を選択することができる。ラケットには、レジャー向けに低価格で販売されているラバー付きラケット、競技レベルで用いられる市販製品ラケット、自分の好みでカスタマイズできる特注ラケットがある。

種類[編集]

卓球が他のラケット球技と異なるのは、握り方の異なるシェークハンドペンホルダーと大きく分けて2種類のタイプが存在することである。伝統的には、ヨーロッパ出身の選手はほとんどがシェークハンドを使用し、一方アジアではペンホルダーが主流であったが、1980年代頃からはアジア各国においてもシェークを使用する選手の割合が増加し、ペンホルダーと同等かそれ以上になってきている。ペンホルダーのほうが軽いため女子選手やフットワークに自信のある選手が選択するケースが多かったが、現在ではフォアハンドとバックハンドの両面で攻防することが必要とされるため、シェークハンドを選択する選手が多くなっている。しかし、中国式ペンホルダーを使った両ハンド攻撃を得意とする選手が世界ランク上位に名を連ねたりすることもあり、一概にどちらが技術的に優位であるかを結論付けることはできない。

シェークハンド
シェークハンドラケット
手で握手する様に握るタイプのラケット。両面にラバーを貼って使用する。
現在、多くの選手がシェークハンドであり、握り方の主流であるといえる。理由として、フォア・バックの切り替えがやりやすく、ペンホルダーよりもバックハンド攻撃がしやすいためである。反面、ミドルに来たボールに対して比較的処理しにくいと言う欠点もある。シェークハンドのグリップにも種類があり、ブレードから曲線になって広がっているグリップをフレア、真直ぐになっているものをストレート、直線で広がっているものをコニック、樽形の様なグリップのアナトミックなど様々な形状がある。ブレードからグリップエンドにかけてグリップが徐々に厚くなっているストレートインクライングリップという形状も開発されている。
ペンホルダー
日本式ペンホルダーラケット
ペンを持つように握るタイプのラケット(通称)。日本式ペンホルダーと中国式ペンホルダーに大別できる。親指と人差し指で支えなければならないため、通常、片面のみにラバーを貼り、その面だけで打球する。打球の幅を広げることを目的として両面にラバーを貼るケースもある。試合中やラリー中に反転して打球したり(反転式)、弱点とされるバックハンドの技術を補うため裏面打法をする選手が多くなってきている。ラバーの色としては、シェークハンド同様、表面と裏面とで異なる色のラバーを貼らなければならない。また片面のみにラバーを貼る場合は、表面と異なる色のシートを張るか塗りつぶさなければならない。日本式ペンでは、購入する時には既に塗りつぶされているものが多い。シェークハンドに比べ、手首を利かせた台上での操作性に優れ、ミドルに来たボールを比較的打ち易いと言う特徴がある。また、ラケット角度等を微調整しやすいが、その半面で、少しでも感覚がはずれるとミスにつながりやすいといった難しい面がある。
日本式ペンホルダー
グリップ部に主にコルクが使用されている。主に片面のみにラバーを貼る。ブレードの形状から角型、楕円型、丸型などに分けられる。日本、韓国などに使用選手が多い。いわゆる反転式のラケットはこの日本式ペンホルダーのうち、反転しても持ちやすいように設計しているものを指すことが多い。日本式では、独特の打球感と弾みから檜単板が人気だが、日本国内にて質の良い檜が減少し、高品質の檜単板が少なくなってきている。それに伴い、檜単板ペンホルダーは価格の高騰化も進んでいる。
中国式ペンホルダー
シェークハンドの柄を短くしたような形状をしている。ラバーを両面に貼る選手が多い。最近では王皓馬琳などの中国選手が裏面打法を取り入れたペン両ハンドドライブ型を完成させ、世界トップレベルで実績を残している。中国式では、ブレードの形状・厚さがシェークハンドと同じものが多い。
反転式ペンホルダー
両面にラバーを貼れるようになっているタイプ。グリップ部にコルクを使っているものの日本式とは違い両面にコルクをつけている。主に異質ラバーを張って変化させる選手が使っている。1980年代前半まではルールで両面同色が禁止されておらず、裏ソフトとアンチ裏ソフトを組み合わせて貼る使い方も存在していた。
ハンドソウ
拳銃を握るように持つタイプのラケット[6]。その握り方から「ピストルタイプ」「ピストル型」と呼称されることもある。曲がるドライブが打ちやすいといわれるが、使用している選手は非常に稀である。グリップの特性上、サービスに変化をつけるのが難しい。フォア面あるいはバック面を異質にする選手はさらに少ない。

単板と合板[編集]

ラケットは主に木材を原料としており、一枚の板からなると単板と、複数枚の板を貼り合わせて作られる合板とに区別できる。単板ラケットはおもに一枚の檜板から作られるのに対し、合板ラケットでは異なる特性の板材を組み合わせることによって作られる。

単板
単板はその名の通り一枚の檜板から作られ、吸い付くような独特の打球感が得られる。木目を縦横に組み合わせて耐久性を上げられる合板に比べて割れやすい欠点がある。従って板厚を大きくする必要があり、ラバーを両面に貼るシェークハンドでは重くなってしまうためあまり作られない。また特性が板材の質に影響されるため、同じ種類のラケットであっても品質のばらつきが大きいが、高品質の檜を使った単板ラケットは独特の打球感に加えて反発力と剛性のバランスが良いため、特に角型ペンホルダーのドライブ主戦型選手に人気がある。そのため、高品質の檜単板を求めるプレイヤーの中には、特注ラケットを購入するケースも見られる。
合板
異なる特性の板材を組み合わせることによって反発力と剛性のバランスをとる。これにより、単板ラケットに比べて多彩な特性のラケットが作られ、品質のばらつきも小さい。シェークハンドに最も多く用いられ、基本的に3枚合板、5枚合板、7枚合板に大別される。また、特殊素材との併用が可能なのも特徴である。しかし、ラケットは反発力や剛性の他、打球感などの要素も含まれるため、木材合板の打球感にこだわる選手の中には、特殊素材を用いない合板ラケットを使用するケースもある。合板の構成は5枚合板を例にした場合、中芯材を2枚の添材で挟み、さらに2枚の上板で挟んだ構成になっている。打球感や弾みに関しては、使用する木材や特殊素材の組み合わせにもよるため、様々なタイプの物がある。3枚合板から、多いものだと11枚合板というラケットも存在している。
中芯材はラケットの大元となる木材であり、使われている木材や厚さなどによって弾みの度合いが異なる。一方、添材と上板は反発力と剛性のバランスをとるために用いられる。和材や洋材など多種多様の木材が用いられるが、柔らかすぎるものは上板には用いられない。
木材については、材質によって使用用途が異なるが、主にアユース、バルサ材、、シナ材、アバシ、アネグレ、マツ、リンバ、コト、ウォルナットなどが用いられている。
セルロイドボール時代では、弾みに優れて安価で量産できることから桐が中芯材によく用いられてきたが、桐は箪笥などに使用されてきた木材なので、一度湿気を吸収してしまうとラケットに狂いが生じやすく、質量が軽い材質ゆえにブレードの薄型化が困難であること、桐材とセルロイドボールとのフィーリングの相性が悪かったことなどから、軽量かつ薄型化とコストダウンが可能で、桐よりも強い打球を可能にするアユースが中芯材では最も主流の材質である。ところが、プラスチック製ボールが登場したことで状況は一変。ボールの材質が変わったことで打球感も変わったのである。桐は材質特有の球を掴む感覚と扱いやすさに加えて、板厚が多少厚くてもプラスチックボールでは球威が出せるため、湿気の問題点を除けば殆ど欠点の少ない材質となり、卓球用のブレードではプラスチックボール専用と言っても過言ではないだろう。また、アユースを用いたラケットの場合は、既に市場に出回っているラケットの数が膨大で、合板構成や使用材質などを考慮する必要があり、プラスチックボールでは、使いやすいラケットとそうではないラケットの二極化が進む可能性がある。
3枚合板
中芯材と2枚の上板で構成されている。打球感は柔らかいため、初心者やカット主戦型に用いられている。また、中芯材の厚さを確保できるので、高い弾みを有するラケットを作ることもできる。しかし、合板の枚数が少ないため、合板の中では強度で劣る。この欠点を解消するために特殊素材を入れることで、強度を確保している。
5枚合板
中芯材と2枚の添材、さらに2枚の上板で構成されている。反発力と剛性のバランスがよく、ブレードの薄型化が可能である。個々の商品によって特徴が異なり、商品数も多いため、戦型を問わず初心者から上級者まで広く扱われている。
7枚合板
中芯材と4枚の添材、さらに2枚の上板で構成されている。反発力と剛性が強いため、球離れが速い。個々の商品によって特徴が異なるが、7枚の合板構成のためブレードが厚くなりやすい。それ故に、従来から上級者向けのラケットとされてきたが、プラスチックボールの登場で、セルロイドボール時代の頃以上に上級者専用の傾向が強くなっている。

特殊素材[編集]

カーボン(炭素繊維)を使ったラケットのイメージ

ラケットは素材の85%以上は天然木と決められていて、15%以内なら木以外の材料を使用することが認められており、炭素繊維アリレートベクトランファイバー)、ケブラーガラス繊維チタンザイロンなどの特殊素材を使用したラケットも使われている。上記の素材の他、カーボン・ファイバーとアリレートを合わせたアリレートカーボンや、ZLカーボンと称されるザイロンとカーボン・ファイバーを合わせたもの、ケブラーとカーボンが使われた、ケブラーカーボンなども特殊素材として使用されている。

40mmボールの導入、スピードグルーの禁止、補助剤を用いた後加工禁止などのルール改正により、低下した打球スピードを補うため、特殊素材入りラケットがトップ選手を中心に用いられるようになった。しかし、特殊素材を用いることにより、合板本来の打球感とは異なる打球感になるという短所も抱えている。

木材の加熱処理[編集]

両ハンドスタイルが確立された現代卓球では、ラバーの重量化に伴いラケットも軽いものが求められ、ノングルー以降は、ラバーだけでなくラケットの反発力が求められてきた。また、木製であるためラケットは湿気に弱い。さらに、メーカー側も卓球ラケットには適していなかった桐材を、有効利用とコストダウンを兼ねて模索していた。このような問題を解決するため、木材を手軽に乾燥させる製造方法が確立された。

これは、木材の沸点よりも低い温度で加熱処理することで木材に含有されている水分を取り除き、軽量化と吸湿性の低減をするものである。この方法で製造されたラケットは、均一的な弾みに加えて、5枚合板でありながら特殊素材を用いなくても従来より高い剛性と反発力を得ることが可能となった。2010年頃より登場した新しいタイプのラケットがこれにあたる。

しかしながら、この方法は木材に物理的な加工を施すために、木材本来の球を掴む感覚を失うこと、桐材などの軽量材では球威が落ちるといった欠点を持つが、後者についてはプラスチックボールであれば球威を補うことは可能である。

ラバー[編集]

卓球のラバーとは、ゴム製のシートとスポンジを貼り合わせたもの(但し一枚ラバーはシートのみ)。この部分でボールを打球する。シートの片面は平らで、もう一方の面には粒、あるいはイボと呼ばれる円柱状の突起が密に並んでいる。日本国内外の公式試合に使用するラバーは、見える場所にメーカー名、国際卓球連盟の公認(ITTFA)、日本卓球協会の公認の表示(JTTAA)が義務付けられている。2006年4月以降の国内での大会より、国際卓球連盟の公認ラバーであれば、JTTAAがないラバーでも使用が認められるようになった。2008年以降発売されている国際卓球連盟の公認ラバーは、ITTFAマーク、メーカー番号及び登録番号が縁で囲まれた形で表示されるようになった。

ラバーの色は明るい赤と黒のみが認められている。ラバーを貼った面の反対側の面には異なる色のラバーを貼るか、異なる色に着色しなければならない。これは、異なる性質の同色ラバーをそれぞれの面に貼った場合に、相手選手が見分けられなくなるためである。厚さについては、ラバーシートの厚さは2mmまで、ラバーシートとスポンジの合計の厚さは4mmまで、と定められている。また、粒の形状に関しては規定が詳細に定められている。

ラバーの特性は、シートとスポンジの特性の組み合わせによって決まる。従って、同じシートに異なる特性のスポンジを組み合わせた製品ラインナップや、同じスポンジに異なるシートを組み合わせたラインナップが用意されることがある。一般に、硬いシート・スポンジは相手の下回転をカット打ちしやすく、強い打球を可能にするが、コントロールが難しくなり、柔らかいシート・スポンジは、コントロールがしやすく、回転の影響を食い込みで相殺しやすいが、強打時のエネルギーロスが激しく、弾み以上に球が上に浮いてしまいやすい。また、スポンジは厚ければ厚いほど球が食い込みやすく、食い込んだ時の反射角が狭まりやすいので方向は付けやすくなるが、反発したときの弾性が高くなり、弾みの制御が難しくなる。薄いスポンジは、方向のコントロールは厚いものに劣るが、スマッシュや回転を掛けるのがやりやすくなる。これにラケットの特性も影響するため、自分に合う組み合わせを見つけるためには試行錯誤が必要となる。

ラバーは耐久性があまり高くない。放っておいても乾燥や酸化でゴムが劣化するうえ、球を食い込ませたり回転を掛けるために擦ったりするので、ラバーの摩擦力や弾力が落ちてくる。寿命による交換の目安は、一般の選手で1ヶ月、練習量が少ない選手でも2 - 3ヶ月である[7]。また、打球するうちにラバーに埃などのゴミが付着し、摩擦力が落ちてくる。これをふき取るための専用のラバークリーナーがある。

スピードグルー禁止や補助剤を用いた後加工が禁止になったことで、ラバーの選択にも変化が起きた。特に競技段階になると、従来から使用されてきた高弾性・高摩擦性ラバーではなく、テンション系ラバーの使用が激増している。現在は、粘着テンション系ラバーやテンション系表ソフトラバーも含めたテンション系ラバーを主流とし、異質攻撃が可能な粒高系ラバーなども使用されている。また、中国のメーカーからは製造段階でラバーのスポンジ面に補助剤グルーを塗布するという「已打底」というラバーが発売されており、ノングルーラバーを「未打底」として区別している。「未打底」については後述の公認接着剤の規定違反に触れず、「已打底」についても国際卓球連盟に認可されたラバーは日本国内の大会で使用が可能である。

裏ソフトラバー[編集]

シートの平らな面を外向きにしてスポンジと貼り合わせたラバー。ボールとの接触面積が大きくなるため、ボールに回転をかけやすい。現在最もよく使われている。

高弾性・高摩擦系
反発力が高いためスピードが出やすく、シートの摩擦力が高いため回転をかけやすい。弾道が曲線を描くので安定性が良く、伸びのあるドライブを打つのに適している。かつては最もシェアの高いラバーであったが、グルー禁止によりテンション系へ移行した人が増加したため使用者は減少している。40年以上もの歴史を持つロングセラーラバーが多い。近年に登場したラバーは、生産技術の改良で従来のものより高い弾性と摩擦力を実現している。日本のメーカーの得意分野。
テンション系
高弾性高摩擦系ラバーより高い弾性を持ったラバー。シートを構成するゴムに負荷(テンション)がかかった状態を作り出しており、高い弾性と摩擦力を実現する。柔らかいものが多いが弾性に優れるため、距離のコントロールが難しい。ハイテンション型、エネルギー内蔵型などメーカーによって様々な呼び名がある。まだ登場してからの歴史は浅いが、攻撃型のトップ選手の間では使用者が多く、グルー禁止以降は主流となっているラバーである。2008年以降は、気泡が大きいテンションスポンジと天然ゴム比率が高いシートを組み合わせた回転系テンションラバーが登場している。近年はラバーの高性能化に伴い価格も高騰化している。ドイツ、日本のメーカーの得意分野。
粘着系
シート表面に粘着性があり、ボールに強い回転をかけるのに適したラバー。スポンジが硬く、シートが柔らかく、シートの粒が低いものが多い。粘着の強いものでは、ボールを付けても落ちないものもある。ボールがラバーに触れる時間が長くなるため、ボールに回転をかけやすい反面、相手の回転の影響を受けやすい。カット主戦型や中国系の選手がよく使用している。スポンジが硬いものが多いため、同じ厚さの他種のラバーと比べると重量が重めのことが多い。粘着系ラバーとテンション系ラバーを併せたような、従来の粘着系ラバーよりも高弾性であることを売りにした粘着系テンションラバーや、前述の気泡が大きいテンションスポンジを採用した粘着系テンションラバーも登場している。中国のメーカーの得意分野。
コントロール系
柔らかいスポンジとシートを用い、ボールコントロールがしやすいように設計されたラバー。扱いやすく、安価で長寿命な事が多いため、初心者などを含め技術を身につける際に使用されることもある。一方で反発力と摩擦力が低いため、競技段階では威力不足の感があり使用している人は少ない。

表ソフトラバー[編集]

シートの粒の面を外向きにしてスポンジと貼り合わせたラバー。ボールとの接触面積が小さいため球離れが早くなり、裏ソフトより相手の打ったボールの回転の影響を受けにくいとされるが、回転が掛けにくく、回転系の小技がやりにくい。基本的に前陣速攻型の選手が用いる場合が多い。粒が縦に並んでいる縦目のものと、横に並んでいる横目のものがあり、また、粒形状や特性により回転系・スピード系・変化系に分類されるので、これらを組み合わせると6種類のパターンになる。従来のラバーよりも高弾性であることを売りにしたテンション系表ソフトラバーも登場している。

近年では、シェークハンドラケットの両面に裏ソフトラバーを貼ったシェークドライブ主戦型が全盛となっている影響もあり、ラバーの開発はされているものの、裏ソフトラバーよりも種類が圧倒的に少ないのが現状である。

後述のラージボールでは、ルールによりこの形状のラバーのみ使用が認められている。

回転系表ソフト
粒の形状が台形で、大きめ。表ソフトの中でも回転がかかりやすいが、スピード系のように球離れが速くなく、また、ナックルなどの変化球も出しにくい。主に、スマッシュを主戦としながら、ドライブを織り交ぜるタイプの選手が多く使用している。
スピード系表ソフト
粒の形状が台形+円柱型で、粒は回転系より小さいものがほとんど。表ソフトの中ではもっとも球離れが速く、ナックル系の球も出しやすいが、回転系のように強い回転をかけるのは困難。主に、ドライブはつなぎで使い、スマッシュを主戦とするタイプの選手が多く使用している。
変化形表ソフト
粒は円柱型。粒がやや高めで、ナックルなどの変化が出やすい設計になっている。

粒高ラバー[編集]

スポンジのついている粒高ラバーと、ついていない粒高一枚ラバーの総称。イボ高とも呼ばれるが、イボという語感を避け、粒高ラバーと称されることが多い。表ソフトラバーよりも粒がさらに高く、細いのが特徴。粒高ラバーでは横に並んでいる横目の粒配列のものが多く、粒が柔らかいほど変化をつけやすい。表ソフト以上に自分で回転を与えるのは難しいが、相手の回転の影響も受けにくい。相手の回転を利用したり、そのまま残して返球することが可能という特性もある。打ったときに粒がボールを弾くため、普通に打球するとあまり回転がかからないか、打たれた打球の回転が弱く残る場合が多い。ただし実際は自分の打法と相手の打球の質にも左右されるため、扱う側も予測しなかった回転や変化がでることもある。主にカット型や前陣攻守型の選手が変化を付けるために用いるが、反転型のラケットに貼って使用する場合もある。従来のラバーよりも高弾性であることを売りにしたテンション系粒高ラバーも登場している。

一枚ラバー[編集]

表ソフトラバーからスポンジを除いたもの。第二次世界大戦以前はこのラバーしかなかった。あまり弾まず回転をかけにくいラバーだが、安定した打球を打てるという利点はある。現在このラバーを用いる選手は非常に少ない。かつては、この形態を裏返したラバー(裏ソフトラバーからスポンジを除いたものに相当)も存在したが、現在ルールによって禁止されている。

アンチラバー[編集]

見た目は普通の裏ソフトだが、摩擦が極端に少なく回転がかかりにくい。同色の裏ソフトと組み合わせ、ラバーの外観の相似と性質の差を利用し、反転させて相手に打球の変化を分かりづらくさせるスタイルで主に使用されていた。1983年のルール改正により両面同色ラバー使用が禁止されてからは使用者が激減した。コントロール性を高めるため、やわらかいスポンジが使われている。

ボール[編集]

ボールはセルロイドまたは同質のプラスチック製のメンコと呼ばれる円形素材から作られる。一般的な卓球(硬式卓球)では直径40mm・重さ2.7g、ラージボール卓球では直径44mm・重さ2.2 - 2.4gである。色は白と橙色とがある。硬式卓球ではどちらを使用しても良いが、ラージボールでは橙色のみである。周囲環境(照明、床、背景)、ユニフォームの色、卓球台の色によって見づらい場合はどちらかの色を選ぶことができる大会もある。完全な球形を精度よく大量に作ることは技術上難しいため、同じ製造工程で作られた球に対し、どの程度球形に近いかでグレード付けされている。最も高いものは3スターと呼ばれ、最低ランクの無印まで4段階に分けられる。グレード分けは、ボールを坂路に転がしたときのずれの大きさで決まる。完全な球ならば坂路をまっすぐ下り、ゆがみが大きいほどずれが大きくなる。通常、大会では3スター(スリースター)が使われる。

ラケットとボール。左から40mm, 44mm, 54mmである。

従来、硬式卓球の試合では直径38mmのボールが使われていたが、ルール変更によって直径40mmになった。直径が変わったことによる変化は、空気抵抗が大きくなった影響で飛びにくくなったこと、ナックルの変化が小さくなったこと、それによってラリーが続きやすいこと、回転がかけにくくなったことなどが挙げられる。

2014年からは、直径40mmのシームレス有りと無しのプラスチックボールが登場した。材質が変わったことで打球感が変わったこと、シボがつけられなくなったことで回転が従来以上にかけにくくなったこと、材質変更によって軽量材ラケットでも球の威力が出しやすくなったこと、飛びやすくなったことなどが挙げられる。それに加えて、シームレスボールでは、弾みのばらつきが減少したことで、打球が安定しやすいという特徴がある。

サイドテープ[編集]

ラケットが卓球台にあたったときにラケットが破損しないためにつける。ラケットのみを覆うように貼る人や、使用しているラバーのスポンジ部分まで覆うように貼る人もいる。一般的に幅は6mm・8mm・10mm・12mmがある。金属製のサイドテープもあり、ラケットの重量、重心を調節することが出来る。

接着剤[編集]

ラバーとラケットを接着するために使用する。現在使用が認められているのは、水溶性接着剤、接着シート、固形接着剤である。かつてはゴムを有機溶剤で溶いた接着剤が広く使用されていたが、有機溶剤が人体に有害であるという理由から、有機溶剤を含む接着剤の使用は、日本国内の小学生の大会で2007年4月1日より使用が禁止されたのを皮切りに、2007年9月1日以降は日本国内の大会で禁止された。国際大会では2008年9月1日より禁止となった。

現在、日本国内においては日本卓球協会公認の接着剤の使用が認められている。しかし、2009年現在においても、国際卓球連盟に公認された接着剤はない。これは、塗った接着剤とラバーにわずかに含まれている残留溶剤が反応するおそれがあるためであり、たとえ使用が認められている接着剤を用いたとしても、試合後のラケット検査で残留溶剤が検出された場合は失格となる。よって、これを未然に防ぐために、ラバーのパッケージを開けてから72時間放置した後、公認の接着剤を使用してラケットに貼ることが推奨されている。

スピードグルー[編集]

ラバーとラケットを接着するための有機溶剤性接着剤の一つ。一般の接着剤よりも有機溶剤を多く含んでおり、ラバーに塗るとスポンジの中で揮発して、スポンジが膨張する。この状態でラバーをラケットに貼ると、スポンジの膨張分だけシート面が横に引っ張られるため、常にゴムに負荷がかかった状態となる。反発力と摩擦力が高くなり、金属音と呼ばれる高い打球音になる。スポンジが柔らかくなるため、シートが少し硬くなっても全体としては柔らかくなる。ただし、常にゴムに負荷がかかっているため、一般の接着剤を使用した時よりもラバーの劣化が速い。

グルー効果を最初に発見したのは、ハンガリーのティボー・クランパと言われている。日本では、1980年前半に元日本チャンピオンだった渡辺武弘がベルギー製のグルーを持ち帰って使用したのが最初であった。その後、スピードグルーが開発されて以降は世界的にグルーは普及し、主に攻撃型の選手に広く普及していった。

それを問題視したのが当時国際卓球連盟の会長を務めていた荻村伊智朗であった。荻村は、卓球の普及という観点でのボールスピードの減速、スポーツ精神という観点での用具のドーピングは好ましくないこと、スピードグルーにトルエンが含まれているものが多く人体に有害で、シンナー遊びと同様の卓球以外の不適切な用途に使用されて社会問題化した歴史があったことなどから、スピードグルーの禁止を提案したが、荻村の死去により一旦は白紙の状態となった。

しかし、スピードグルーは卓球用途での使用時においてもアナフィラキシーショックによる事故があり、これら健康上の問題が議論されたことや、揮発性が高く輸送の面においても危険性を伴っていたため、スピードグルー禁止に至っている。スピードグルーの禁止は当初2007年9月1日に施行される予定であったが、最終的には2008年9月1日に施行されることとなった。

補助剤[編集]

前述の通り、有機溶剤を含む接着剤の使用が禁止されたことで、毒性のない水溶性接着剤(主成分は水、天然ゴム、アクリル)が普及したが、スピードグルー禁止を見越して、ブースターとも呼ばれる接着力の無い補助剤や水溶性グルーが卓球用品メーカーから発表されるようになった。スピードグルーと比べて、有機溶剤が含まれていない、揮発性が低いので効果が持続しやすい、といったメリットがあった。スピードグルー同様、補助剤を使用した状態の方が、未使用の状態よりも弾みに優れる。

しかし、国際卓球連盟は、補助剤を塗る行為が(貼る前の)ラバーを加工・改造する行為であり、用具のドーピングにあたるとして、国際卓球連盟はルール改正を行い2008年10月1日以降「後加工の禁止」というルールを付け加えた。これは、事実上補助剤の使用禁止となるものであった。これを受けて、日本卓球協会(JTTA)は国際卓球連盟のルール改定通知に基づき、2008年10月1日以降に開催される全ての大会において、ブースター等の接着補助剤やスピード補助剤についても使用禁止すると発表した[8][9]。これを受けて、対象の接着補助剤やスピード補助剤の販売を行っている卓球用品メーカーは、2008年9月末をもって販売中止することを発表した。

このように、スピードグルー禁止から僅か1ヶ月で補助剤も禁止されたため、グルーや補助剤を発売してきたメーカーは、多くの在庫を抱えるようになり経営を圧迫する要因にもなった。その直後のヨーロッパ卓球選手権では、ラケット検査が新ルールに対応できなかったことから、従来通り補助剤を使用する選手もいる状況になっていた。

卓球台[編集]

卓球台は経年による反り返りを防ぐために3層構造になっており、真ん中の層には細長い板がフローリング床のように横の継ぎ目をずらして配置されている。

卓球台は元々色をしていたが、日本卓球連盟が卓球のイメージチェンジを図り、現在の色の卓球台を製作。1992年バルセロナオリンピックにこの青色の卓球台が使われたことから世界中に広まり現在に至る。

ユニフォーム・シューズ[編集]

卓球のユニフォームは、上が付でポロシャツに類似した形状のものやTシャツ状のもの、下はハーフパンツ・スカートが基本である。日本国内の公式試合で使用が認められるのは日本卓球協会の公認品のみで、その表示が義務付けられている。非公認品や打球したボールが見えにくくなるなど試合の妨げとなるデザインがされているものは使用不可である。

事前の確認が必要であるが、個人がデザインしたユニフォームも、前述の要件を満たせば使用可能である。2007年1月に行われた全日本卓球選手権では、四元奈生美選手がワンショルダーとミニスカートという斬新なユニフォームで試合に出場し、注目を集めた。

かつてのユニフォームは単色のポロシャツ形状のものが多かったが、近年はテニスやバドミントンと似た素材・デザインで軽く撥水性が向上したものが多い。ショーツは股下が短いものが多く女性に不評であったが、近年では男性用でも太ももにかかるくらいのものが増えている。また、アンダーシャツやスパッツの着用も認められている。

シューズに関しては公認に関する規定が無いので、体育館シューズとして作られたものなら何を履いてもよい。

打法[編集]

台上技術[編集]

守備的技術が多く、いずれも台上で球を処理する技術である。

ツッツキ
台上での小さなカットはツッツキと呼ばれる。レシーブなどで使われる。ミスするリスクが少ないが、相手の3球目攻撃を受ける確率が高い。しかし、技術次第では横回転を入れたり、長短の変化をつけたりすることでミスを誘うこともできる。
ストップ
主に相手の短い下回転系のボールに対し、相手コートに2バウンド以上するように小さく返す打法。低いストップに対しては物理的にドライブが打てないため、防御技術として有効。しかし浮いてしまうと相手のチャンスボールとなる。上級者のレシーブに多い。ストップをストップで返すことをダブルストップという。また、下がった相手に対してネット際に小さく落とすようなストップを繰り出すことを、ドロップショットと呼ぶ場合もある。
プッシュ
押し出すように打つ打法で、主にペンホルダーのバック側の攻撃に使う。シェークハンドのバックハンドに比べて威力を出しにくいが、やり方によっては同等以上に打ち合うこともできる。
フリック
相手のショートサービスまたは台上の球に対して、台上で前進回転を与えて払うように返球する打法のこと。リスクは高いが、レシーブで直接得点を狙うこともできる。技術が向上すれば台上強打ともいえるスピードのある打球を打つことも可能である。

応用技術[編集]

ドライブ
ボールに強い前進回転(トップスピン)を与える打法。ヨーロッパではドライブのことを「topspin」と呼ぶ。基本打法をある程度身に付けてから習得する技術であり、基本的に「擦る」、「食い込ませる」の2つの方法に大別されている。以下に代表される様々な打法が確立され、弱点とされたミドルの打法においてもそれを克服する打法がトップ選手を中心にして普及している。また、用具やラケット、ラバーの進化や練習環境の変化に伴い、従来はパワーに難のあった女子においても一通りのドライブ打法を習得する選手が増加し、多くの戦型の選手に幅広く用いられるようになった。
ドライブは基本的には落ちる軌道を描くためスマッシュに比べて安定性が高いこと、後述するようにスピードとスピンのかけかたで様々な打球をすることができるため戦術の幅が広がることなどが広く用いられる理由である。
スピードドライブ
スピード重視で水平に近い軌道のドライブをいう。トップ選手になるとスマッシュ並みの速い打球になる。ラバーの性能が高くなったためコントロールするのが比較的容易で使用者が多い。
ループドライブ
スピン重視で山なりに近い軌道のドライブをいう。ループドライブの研究が進むうちにつれ、相手側のネット近くに山なりの弧を描いた弾道でバウンドしたのち、さらに低い弾道で相手コート上でバウンドする、沈む様な軌道のループドライブが試合で使われるようになった。通常のドライブではバウンド後に伸びる軌道を描くのに対し、ループドライブは沈み込む。ただし、ループドライブの軌道が高くネットから遠くに着地すると遅いドライブになるため、反撃を受けることになる。強い回転をかけながらもスピードを殺してネット近くに落とすコントロールが求められる。
カーブドライブ,シュートドライブ
ボールに横回転を与えるドライブをいう。右利きの選手がフォアハンドで打った場合、左回転のドライブをカーブドライブ、右回転のドライブをシュートドライブと言う。カーブドライブは(打球者からみて)利腕と反対側へ、シュートドライブは利腕側へ曲がる。野球の変化球のように、回転軸の向き、回転量、スピードによって多彩な変化をする。回転軸によって曲がる角度が変化し、バウンド時にもボールの飛ぶ方向が変化する。さらに返球時にも横回転の影響を受けて打球が左右方向に変化する。ドライブのスイングの癖で一定の横回転がかかる場合もあるが、上級者の選手は意識して回転を操ることができる。
パワードライブ
スピードドライブにスピンが掛かったドライブをいう。スマッシュ並みのスピードに加えて強烈な回転をかけるため、習得するには相応の練習量、筋力を必要とする。
カウンタードライブ
相手のドライブに対して打つドライブをいう。スピードのあるドライブを返球する場面もあるため、練習量だけでなく打球を判別する能力や返球するタイミングも要求される。上級者の選手がよく用いる。
スマッシュ
ボールを弾くように、フラットに叩き付ける打法。決定打として打つ選手が多い。ドライブより小さいスイングで速いボールを打つことができるが、弾道が直線的になるため、角度がずれると入らない可能性が高い。世界のトップ選手の中には初速が時速280km以上のスマッシュを打つ人もいる。スピードがあるためラケットに当てるのは難しいが、ラケットの角度を合わせて当てれば返球することは可能である。近年はフォームの修正が進んだ結果、ドライブ打法と見分けが付かなくなっている。
バックハンドスマッシュ(ペンホルダー)
ペンホルダー型のバックで、右足を前にしてフリーハンドを引き(右利きの場合)、肘を軸に体重を乗せ相手コートに強打する打法。少ない予備動作でコンパクトに振りぬくためコースを読まれにくい。
カット
ボールに後退回転(バックスピン)を与える打法。上級レベルになると、下回転(バックスピン)のほかにも、斜め下回転、横回転も織り交ぜる選手もいる。一般的には、カット型の選手が使う中・後陣での大きいスイングでの打法を言い、ツッツキと区別される。
ミート打ち
主に表ソフトラバーの選手が使う攻撃方法で、回転がかかったボールをスマッシュのように強くはじいてレシーブする打法。相手の回転に合わせてラケットの角度を微調整する打法を角度打ちと言うこともある。これらを厳密に区別するかどうかは判断の分かれるところである。ラケットをコンパクトに振り切り、ボールを擦らないので、あまり回転がかからず威力自体はそれほどでもないが、早く高い打点で打つため相手の防御が間に合わず決定打になることがある。
カット打ち
ツッツキやカットの下回転を利用して返球する技術である。相手の下回転を利用するため、打点やタイミングが要求される。これを利用しつつドライブ回転を掛けて返球する方法もある。
ブロック
相手のスマッシュやドライブに対して、前 - 中陣でバウンドの上昇期や頂点で当てるように返球する守備技術。裏ソフトでブロックする場合、ラケット角度を的確に調整する必要がある。ブロックは相手の強打を返すことが目的のため、スイングはあまり大きくとらない。相手の球の威力を「殺して返す」、「そのまま返す」、「自分の力を上乗せして返す」など、返球に変化をつける技術もある。技術レベルにもよるが、選手によっては相手強打に対して台上で2バウンドさせるほど威力を殺すブロックをすることが可能である。 サイドスピンブロックなどで回転をかけて変化させてミスを誘ったり、相手が打ってきた球を全てブロックしてつなぎ球を狙い撃ちするという戦術を取る選手もいる。
カウンター
相手の強打を強打で返す技術全般を指す。体勢が整わない相手を打ち抜くことや、相手の球威を利用することが目的であるため、固定的な打ち方はなく、カウンタードライブのような強打からカウンターブロックのような守備的な側面をもった技術も含まれている。相手の強打を狙い打つため難度は高いが得点力も高い、ハイリスク・ハイリターンな戦法である。
ロビング
ボールを高く打ち上げて時間を稼ぎ返球する打法。相手のミスを誘うものだが、相手の強打を受けやすい。しかし、打球が高い分、バウンド時に回転の影響を受けやすいので、強烈な回転をかけて打つことで、相手にとって打ちにくい球として返球することも可能である。
フィッシュ
中、後陣でロビングよりも低い弾道で相手のボールを返す技術。ブロックの打球点より遅く、フィッシュの打球点は頂点を過ぎたものとされている。いわゆる相手の攻撃をしのぐ為のつなぎ球だが、ロビングに比べて打ちにくい。相手の攻撃をフィッシュでしのいで、相手が攻めあぐねたところで一気に反撃をするといった戦法も用いられる。
チキータ
場合によりチキータ・レシーブなどという場合もある。ピーター・コルベル(チェコ)が発案した打法で、バックハンドの横回転系のフリックのことを言う。この打法を応用したドライブ打法もある。基本的にシェークハンドの選手が使用するが、ペンでも裏面打法を使えば可能である。チキータバナナ(バナナのブランド名の一つ)のようなカーブを描くことから、このように呼ばれるようになった。
台上バックハンドドライブ(台上BD)
チキータがさらに攻撃的に進化したもの。チキータはボールの横を捉えるのに対し台上BDはボールの上を捉えるためスピードが出て、一発で抜き去ることも可能である。しかし、ボールの上を捉えるということは相手のサービスの回転(特に下回転)の影響を受けやすいということであり、ある程度のスイングスピードが必要である。中国の張継科が多用し世界選手権で2連覇を飾ったことから、近年世界中のトップ選手のみならずジュニアや小中学生クラスにも広く流行している。

サービス(サーブ)[編集]

卓球では、サービスからラリーが始まる。これまでの度重なるルール改正により、従来と比べて「サービスエース」を狙うのが難しくなったが、攻撃の起点になるのはこれまでと変わりはなく、攻撃を組み立てる上で重要である。

サービスにおいて回転(スピン)は非常に重要な要素であり、主に縦回転(上回転、下回転)と横回転(順横回転、逆横回転)、無回転に大別され、さらに斜め回転(順横上回転、順横下回転、逆横上回転、逆横下回転)のバリエーションが存在している。但し、斜め回転はラケットの角度や向き、サービスモーションなどで縦横の比率を変えることが可能であるため、同じ回転であっても縦横の比率や回転量、スピードなどによって変化量も異なる。

サービス(サーブ)の種類[編集]

ショートサービス、ロングサービス
広義でのショートサービスは相手コート上で2バウンドする軌道となるサービスのことを指し、ロングサービスは相手コート上で1バウンドして卓球台の外へでる軌道のサービスのことを指す。
スピードロングサービス
ロングサービスの一種で、スピードをつけて、2バウンド目を相手コートのエンドライン付近にバウンドさせるサービスである。サービスエースを狙いやすく、相手に充分な体勢で打球させない目的でも使用されるが、カウンターを受けるとサーバーが早く体勢を戻せずに失点につながるという欠点もある。
投げ上げサービス(ハイトスサービス)
サーブのトスをする際に、ボールを高く投げ上げて出すサーブ。慣れないと落ちてくる球の軌道が打球ポイントからずれてミスも出るが、回転やスピードが増す。世界には、7 - 8メートルものトスを上げる選手もいる。
フォアサービス
自分の体に対して利き腕側でラケットのフォア面を使って出すサービスのこと。コントロールを付けやすくする、強い回転を掛けるために手首の可動範囲をひろげる、サービスを出した後の戻りを早くする、など目的の選択があり選手によってグリップが異なる。場合によっては似たようなグリップになることもある。シングルスの試合では、基本的に自陣のバック側の位置からサービスを出すことが多い。
YG(ヤングジェネレーション)サービス
フォアサービスの一種で、体の内側から外側にスイングして回転をかける。ルール改正以前は、打球のインパクトを隠すことが可能であったために通常のフォアサービスと共によく用いられた。戦術にもよるが改正以降も用いられている。
バーティカルサービス
横回転サービスの一種だが、順横系、逆横系のサービスが可能である。ボディーハイド・ハンドハイドサービスの禁止に伴い、フォアハンドサービスを発展させたもので、トップ選手を中心に用いられる。インパクト時にラケットを立ててラケットの面を相手に見せるため、どの方向に回転を掛けたのかが相手にわかりづらいという特徴がある。特性上必ず横回転が掛かるため、純粋な下回転サービスと上回転サービスが出来ないという短所もある。バックサービスとして用いることも技術的に可能である。
バックサービス
ラケットのバック面を使って出すサービスのこと。自分の体に対してどのような位置でサービスを出すかは選手によって異なる。早く体勢を戻すことが出来る。
しゃがみ込みサービス
サーブを出す際に、膝を曲げてしゃがみ込みながら出すサーブのこと。強い回転をかけることが可能だが、元の体勢に戻るのが遅くなると、返球に対して反応が遅くなる欠点もある。
王子サーブ
しゃがみ込みサービスの一種で、下へ屈伸しながらラケットを縦に振り下ろしてラケットの裏面で球を切り回転をかけるサーブである。

戦型[編集]

シェーク
ドライブ主戦型
両面に裏ソフトラバーを貼り、フォアとバックの両ハンドからのドライブを主戦武器とする。ヨーロッパをはじめとして世界各国で一般的な戦型であり、現代卓球の主流といえる(こういった背景には、スピードグルーの存在がある)。中国の王励勤や日本の岸川聖也など、多数の選手がこの戦型である。
前陣速攻型
台から離れずに攻める戦型。ラケットのバック側には表ソフトを貼るのが普通。最近では、ドライブ型も好んで台から離れることはないため、それほど差はなくなってきている。素早く相手の球を打ち返せる反面、高い動体視力と反射神経が要求される。一般的に女子に多い。シンガポールのリ・ジャウエイ、日本の藤沼亜衣など。
カット主戦型
基本的には中 - 後陣からのカットによって相手のミスを誘って点を取り、また、チャンスボールが来ればスマッシュやドライブで点を取る戦型である。ラケットを振り下ろし、バックスピンをかける打球が下から浮き上がるような軌道を描く点や、希少な戦型である点から、野球のアンダースローの投手のような存在だといわれることがある。レベルがあがると、直線的で回転の変化がついた攻撃的なカットや、横回転を混ぜたカットを使う選手、さらにレベルが上がると、カット打ちをし続けた結果、攻撃側が肩を痛めたり、攻撃側の選手のラバーが裂けたりするような強烈に切れたカットを使う選手も出てくる。世界のトップレベルでは、それに加えて、守備力と共に攻撃選手並みの攻撃力を兼ね備えた選手が多い。この戦型は卓球におけるほぼ全ての打法を習得しなければいけない。そのうえ、後ろに下がれば下がるほど横に動く距離が多くなるため、瞬発力と体力も必要になってくる。また、現在では非常に攻撃的なカット主戦型もいる。日本ではカットマンという呼び方が定着しているがこれは和製英語で、英語圏では chopper と呼ぶ。韓国朱世赫や日本の松下浩二が有名。
前陣攻守型
台から離れずショートに対しての相手のミスで点を取る戦型。一般的にラケットのバック側に粒高ラバーを貼り、それによる変化ボールやコースの緩急で相手のミスを誘う。たいていフォア側には裏ソフトラバーや表ソフトラバーを貼り、フォアに来たボールはスマッシュする。女子選手に多い。日本の福岡春菜が有名。
オールラウンド型
両面に裏ソフトラバーを張り、ドライブ・ロビングなど多くの技術を駆使して点を取る戦型。戦術の柔軟性や高い身体能力、前陣・中陣・後陣全てで戦うことができる技術力が求められる。スウェーデンのワルドナーや日本の水谷隼が有名。
ペン
ドライブ主戦型
通称ペンドラ。主にフォアハンドドライブによって攻める。回り込みや飛びつきなど、フットワークを活かしたダイナミックなプレーをする選手が多い。構造上シェークハンドドライブ型ほど強いバックハンドドライブを打つのは難しいといわれるが、それを十二分に補えるだけの得点力のある快速プッシュや、バックハンドスマッシュを得意とする選手もいる。しかし、基本的にペンホルダーの弱点はバックである。それ故、回り込んだところに逆コースを突かれて守勢に回ってしまうことも多い。しかし、最近は中国を中心に、裏面打法によって強力なバックハンドドライブ(いわゆる裏面ドライブ)を打つ選手もいる。韓国の柳承敏、中国の王皓馬琳、許昕、日本の吉田海偉が有名。
表ソフト速攻型
表ソフトラバーを用いてできるだけ短い手数で攻撃につなげ、積極的に攻める戦型。主にスマッシュを決定打として用いる。ドライブ主戦型と同じく裏面打法でバックハンドドライブを打つ選手もいる。日本の田崎俊雄、中国の劉国梁(現中国ナショナルチームコーチ)などが有名。
異質ショート型
主に反転式や中国式のペンホルダーラケットを用いて、両面にラバーを貼り、このうち片面には粒高ラバーを貼るタイプを指す。裏ソフト+粒高、表ソフト+粒高の組み合わせが一般的。試合中は台の近くでプレーし、粒高ラバーによる変化で相手のタイミングを崩し、相手に隙が出来たら攻撃するのに加え、ラケットを反転し異なった球質の打球を出して相手のミスを誘うなど、守備的な戦型である。ラバーの基準変更やルールの変遷の中で、粒高ラバーの威力が昔より減少していることもあり、この戦型を採用しているトッププレーヤーは非常に少ない。女子では中国の陳晴や元中国代表でルクセンブルク倪夏蓮が有名。

卓球用語[編集]

タオリング(towelling)
競技中にタオルで汗をふくこと。以下の場合に、短時間のタオリングが認められる。
各ゲームの開始から6ポイントごと
最終ゲームでチェンジエンド(コートの交代)をしたとき
ラケットの表面が汗でぬれたり、メガネに汗がついたりして審判員の許可があったとき
クロスとストレート
クロスは対角線上の相手コート側を指し、ストレートは自陣のいる場所から真正面の相手コート側を指す。
エッジ(エッジボール)
卓球台の端(エッジ)に触れて落ちたボール[10]
レット
サーブがネットに当たって入った場合にやりなおしをおこなうこと

卓球の盛んな国々[編集]

  • 中国 - 世界最大の卓球大国。とくに女子は圧倒的に中国の選手が強い。男子・女子いずれも選手層が厚く、行き場の無くなった強豪が数多く海外に流出し、結果的に世界中に帰化選手を送り込んでいる。
  • 香港 - 国としては中国の一部だが、卓球の国際試合には地域として参加する。当然ながら中国と似たプレースタイルの選手が多い。代表選手のほとんどが中国の帰化選手。
  • 台湾 - 中国ほどの強さはないが、ランク上位に顔を出すことがある。
  • シンガポール - 代表選手は中国の帰化選手が多く、プレースタイルも中国と類似している。女子は、2008年世界選手権と2008年北京オリンピックの団体でいずれも銀メダルを獲得しており、2010年の世界選手権(団体)では中国を破り金メダルを獲得した。
  • 韓国 - フットワークを生かしたダイナミックなプレーをする選手が多い。ソウル五輪アテネオリンピックでは男子単の金メダルを獲得。
  • 北朝鮮 - 男子は韓国の選手に似ており、女子は粒高や表ソフトを使った異質選手が多い。2002年のアジア競技大会の決勝で中国を破ったり、アテネでキム・ヒャンミ選手が中国系選手を倒し、銀メダルを獲得する等、強い面を見せることもある。
  • 日本 - 1950年代 - 1970年代には、日本は世界のトップクラスであった。過去シングルスの世界チャンピオンを男女計13人輩出している。80年代以降は中国に圧され停滞が続いている。女子が世界選手権団体で3大会連続銅メダルを獲得し、2012年五輪で銀メダルを獲得し、男子は2005年世界ジュニア選手権団体戦で優勝、2008年世界選手権で銅メダルを獲得するなど、復調の兆しもある。
  • ドイツ - 卓球のプロリーグ(ブンデスリーガ)があり、男子では世界中から有力な選手が集まっている。男子は2008年北京オリンピック団体で銀メダルを獲得。
  • スウェーデン - 1980年代後半から1990年代にかけて、スウェーデンは男子の卓球の頂点を占めていた。最近は若手が育ってきていないため、かつての強さはない。
  • その他ヨーロッパの様々な国においても、卓球は盛んである。
  • 北米 - 上述の国々ほど盛んとは言えないが、中国の帰化選手が代表になってレベルの底上げがなされている。
  • 一般的にアジアとヨーロッパで盛んだが、前述したように中国の帰化選手が世界各地に散っているため、中国人の代表選手が多い国もある。

主要な国際大会[編集]

主要な日本国内大会[編集]

主な卓球リーグ[編集]

有名選手[編集]

ラージボール[編集]

ラージボール卓球(平成24年4月1日以前は新卓球と呼ばれていた)は、一般的な卓球(硬式卓球)で使われているボール(直径40mm)よりも大きなボールを使って行われる卓球競技である。硬式卓球との主な違いは

  • 使用するボールが大きく(直径44mm)て軽い
  • ラバーには表ソフトラバーのみ使用可、但し粒高ラバーは不可
  • ネットの高さが2cm高い
  • サービスのトスの高さ(硬式では16cm)の規定がない。

などである。

日本卓球協会が卓球の普及を目的として考案、ルール・用具規格等を1988年に制定した。ボールが大きく空気抵抗の影響が増大するため、ボールの速度、回転量が従来の卓球よりも減り、ラリーが続きやすくなるなどの特徴がある。日本では高齢者でも手軽にできる生涯スポーツとして主に中高年に人気があり、多くの大会が開催されている。

スリッパ卓球[編集]

スリッパ卓球では、ラージボールの大きな黄色いボールが使用される。デュースでも1ゲーム13点までで決着がつく。最大ゲーム3ゲームマッチ。 山口市で行われた温泉卓球では、もと日本生命に在籍していた選手が優勝し新聞紙上に大きく取り上げ話題になった。

軟式(日本式)卓球[編集]

日本にて初めて卓球が伝来したのは、1902年東京高等師範学校坪井玄道イギリスからピンポン用具を持ち帰ったのが最初とされる[2]。そこからしばらくの間は日本独自の用具とルールの発展があり[2]、初の卓球統轄機関として大日本卓球協会が創立された1921年(大正10年)頃は軟式(日本式)卓球にて競技が行われていた。硬式卓球との主な違いは

  • 使用するボールの直径は36.9mm以上38.9mm以下
  • ボールの重さは2g以上2.13g以下
  • ネットの高さが2cm高い17.25cm

などである。

ラージボール卓球の普及や硬式卓球のルール変更に伴い日本独自の軟式(日本式)卓球は2001年(平成13年)度を最期に幕を閉じた。

娯楽・文化としての卓球[編集]

卓球は、他のスポーツと比べ、ゲームをプレイする条件(ルールの理解、スキル、場所・道具・プレイヤーの確保)を満たすことが容易なため、老若男女問わず親しみやすく、実践的スポーツとして広く日本人に愛されている。しかし卓球部員はいわゆるジョックではなくナードとして扱われる(これは偏見であり、タモリ根暗発言が原因でこのような状況が出来てしまったとの意見がある)ことが一般的であるが、北米やヨーロッパではこのような偏見は無い。ただし、欧米でも前述のように中国人をはじめとした黄色人種に人気のあるスポーツであるというイメージはある。

1993年に漫画『行け!稲中卓球部』がベストセラー、ほぼ同時期に福原愛が「天才卓球少女」として脚光を浴び、2002年に映画『ピンポン』(窪塚洋介主演)が上映されて以降、ブームが若者の間にも広まった。服装を問わず、力のない女性や子供でもできること、ケガの心配も少ないことから、気軽に遊ぶことが出来るスポーツの一つである。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]