中毒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

中毒(ちゅうどく)とは、「あたる」の意味であり、生体に対して毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されることである。

中毒の語は薬物依存症など依存症を指す場合があるが、ここでは前述した意味におけるものを述べる。

依存症[編集]

以前は、addictionの語が中毒と訳されたが、現在医学的には中毒は後述する状態を指す。英語でも『junkie』は「麻薬中毒者」だけでなく「病み付きになっている人」という意味で使われる[要出典]。法律上は、「麻薬中毒」は、日本の麻薬及び向精神薬取締法においては、ヘロイン・コカイン・大麻・あへんなどへの依存症と定義される。嗜癖薬物依存症などを参照。

分類[編集]

急性中毒[編集]

中毒は、食中毒や強力な毒物を取り入れることで、急速に生じるもの。

慢性中毒[編集]

長期間にわたって少量ずつ体内に化学物質が貯留することで起こるもの。

また、外部から体内に有害物質が取り入れられて起こる外生中毒と、伝染病や尿毒症などの体内で生成された毒素によって起こる内生中毒(自家中毒)にも分けられる。甲状腺中毒症では、過剰分泌される甲状腺ホルモンが原因である(甲状腺機能亢進症を参照)。

覚せい剤や幻覚剤など、中枢神経系作用する向精神薬の作用によって、行動や心理的変化によるものは、精神障害物質関連障害の物質中毒(: intoxication)として扱われる。薬物中毒参照のこと。また、昏睡といった身体の状態も薬物中毒: poisning)である

中毒の症状[編集]

毒物には摂取後すみやかに効果が現れるものもあるが、長い時間がたってからでなければ効果が現れないものもある。たとえばシアン化ナトリウムサリンなどは、摂取・暴露後にすぐ症状が現れ、量によっては数分以内に死亡する。一方、ドクツルタケの毒素アマニチンや解熱剤アセトアミノフェンなどでは、食後数時間以上たたないと下痢などの諸症状が現れず、それらの初期症状を乗り切ったあともしばらくたたなければ致死的な症状が発現しない。また、パラコートやアマニチンのように、激しい初期症状が治まったあとしばらくして多臓器不全となるような2段階の症状が現れるタイプの毒物もある。

中毒は全身が万遍なく具合が悪くなるものばかりではなく、特定臓器に被害が集中する場合も多い。たとえばメタノールは少量摂取しても目が失明するケースが多く、またパラコートに重篤な損傷を与える。タリウム中毒では脱毛が著しく見られるなど、毒物の種類によって特徴的な所見を示す例も多く、微量分析によらない中毒源の発見を助ける。

中毒量[編集]

どんな物質であっても大量に摂取すれば有害作用を示すようになるが、通常は比較的少量でも身体に害を及ぼすものを毒物または毒素といい、中毒を起こす最低量のことを中毒量と呼ぶ。しかしながら、中毒量は解毒作用の個体差や状態により大差がある。機能や機能が低下している場合(高齢者・喫煙者・大酒家・糖尿病患者などに多い)、毒物の解毒作用が弱くなるため、中毒量は低くなる傾向にある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]