ノルディック複合
ノルディック複合(Nordic combined)は冬季スキー競技スポーツの一つで、クロスカントリースキーとスキージャンプという2つのノルディックスキー競技を組み合わせて競う競技である。ノルディックスキー・コンバインドとも言う。
クロスカントリーでは持久力、ジャンプでは瞬発力が必要で、総合的な運動能力が求められる。ヨーロッパではこの種目の王者を「King of Ski」(キング・オブ・スキー)と呼ぶ。冬季オリンピックの競技種目である。スキーの複合競技には、アルペン複合(回転と滑降の2種目を行う)もある。
目次
日本[編集]
日本は1988年のカルガリーオリンピック以降に本格的に強化を図り、1992年のアルベールビルオリンピックの団体戦で荻原健司、河野孝典、三ヶ田礼一のメンバーで金メダルを獲得する。荻原はいち早くV字ジャンプを習得し、前半のジャンプでトップに立ち後半の距離で逃げ切ると言う必勝パターンを確立すると、ワールドカップで個人総合3連覇を達成する。1994年のリレハンメルオリンピックでは河野がビーク(ノルウェー)とのゴール前スプリント勝負を制し、銀メダルとなる。団体戦では荻原、河野に、前回大会直前でメンバーから外れた阿部雅司を加え、2位以下に圧倒的な差をつけ2連覇する。
その後、FIS(国際スキー連盟)はルールの改正を提案、前半のジャンプの本数を3本から2本に減らし、ジャンプのポイントの比重を下げ後半クロスカントリーの比重を上げるなど、距離重視のルール改正が複数回行われる。そして、日本は長野からバンクーバーまでのオリンピックでメダルを逃す。この間は個人では、ジャンプが得意な高橋大斗が2004年3月のワールドカップラハティ大会で優勝し、距離が強い小林範仁が2006年のW杯で4位となる。また団体では、2009年2月のノルディックスキー世界選手権(
チェコ リベレツ)で、小林範仁、湊祐介、加藤大平、渡部暁斗のメンバーで優勝する。
2011/12シーズンには渡部暁斗が急成長を遂げ、初優勝を含む4勝を挙げ、シーズン総合順位でも2位に入る活躍を見せた。
2014年のソチオリンピックでは渡部暁斗が個人ノーマルヒルで銀メダルとなり、リレハンメルオリンピック以来、20年ぶりとなる日本人選手のメダル獲得となった。
その後、渡部暁斗の弟・善斗、永井秀昭、渡部剛裕らが台頭。ワールドカップで上位争いを繰り返したほか、2017年のノルディックスキー世界選手権(フィンランド ラハティ)では渡部暁斗が個人ラージヒルで銀メダル、渡部兄弟で臨んだ団体スプリントで銅メダルを獲得した。
2018年の平昌オリンピックでは渡部暁斗が個人ノーマルヒルで2大会連続の銀メダルを獲得した。続く個人ラージヒルでは前半ジャンプでトップに立つ好成績を収めたが、後半の距離は3人集団で追い上げたドイツ勢に逆転を許し、坂道で自身のスキー板が接触した影響もあって5位に終わった。
ルール[編集]
グンダーセン方式では、前半にジャンプを行い、そのポイント差をタイムに換算し、後半のクロスカントリーではジャンプの成績が良かった順から時間差で開始する。マススタート方式はクロスカントリーを行った後ジャンプを行う。世界選手権は現在、個人ノーマルヒル・グンダーセン、個人ラージヒル・グンダーセン、団体(4人制)、団体スプリント(2人制)の4種目が行われている。ワールドカップでは、個人ラージヒル・グンダーセンを中心に行われている。オリンピックでは、団体スプリント以外の3種目が行われる。
グンダーセン方式[編集]
- スキージャンプ
- 個人ラージヒルはラージヒルで、個人ノーマルヒルはノーマルヒルで、それぞれ1本飛ぶ。
- 団体は1チーム4人、団体スプリントは1チーム2人がラージヒルで1本ずつジャンプを飛び、得点合計がチームの成績になる。トリノオリンピック以降は団体もジャンプはラージヒルとなり、2009年の世界選手権からジャンプの本数が1本となる。ジャンプを開催できなかった場合は、公式練習の際の予備ジャンプの記録を用いる[1]。
- クロスカントリースキー
- ジャンプで得た得点を1位の選手を基準としてポイントに比例したタイム差に換算し、ジャンプ1位からスタート、最初にゴールした選手またはチームが優勝となる。距離は個人ラージヒル・個人ノーマルヒルが10km(ワールドカップでは5kmや15kmの場合もある)、団体が1人につき5km、団体スプリントが1人につき7.5km。
以前はジャンプを1人2本飛んでいたこともあり、ジャンプとクロスカントリーを2日に分けて行っていたが、現在は同じ日に行われている。また、かつては通常の個人種目(ジャンプ2本+距離15km)とは別に、個人スプリント(ジャンプ1本+距離7.5km)も行われていたが、現在は個人種目としてジャンプ1本+距離10km(または5km・15km)に統合されている。
マススタート方式[編集]
クロスカントリーを先に行い、全員同時に開始する。クロスカントリーでのタイム差を得点に換算し、2本飛んで得点の最も高い選手またはチームの優勝となる。クロスカントリーで最下位だった選手からスタートする。また、後半ジャンプは飛距離をそのまま得点とし、飛型点はないが転倒するとその分減点される形式となっている。
ペナルティー方式[編集]
ジャンプを先に行い、後半距離は全員一斉にスタートするが、ジャンプの成績に応じ、下位の者ほど既定の周回が加算(ペナルティー)される。先にゴールした順に順位が決まる。2011-12シーズンから一部採用された競技方式。
大会[編集]
女子ジャンプ競技は女子選手の増加によって2009年世界選手権より正式種目になったが、コンバインド種目は女子の公式大会はない。ただし、国際スキー連盟は2015年より女子選手の登録を受け付けており、近い将来に開催される可能性がある。
オリンピック[編集]
- オリンピックノルディック複合競技
- オリンピックノルディック複合競技メダリスト一覧
- 日本選手(団体)の金メダル一覧
世界選手権[編集]
- ノルディックスキー世界選手権
- 世界選手権ノルディック複合競技メダリスト一覧
- 日本選手(団体)の金メダル一覧
- 日本選手(個人)の金メダル一覧
- 1993年ファルン(スウェーデン)/荻原健司
- 1997年トロンハイム(ノルウェー)/荻原健司
ワールドカップ[編集]
- ノルディック複合・ワールドカップ
- 日本選手の個人総合上位成績一覧(10位まで)
| 年度 | 選手 | 順位 |
|---|---|---|
| 1990-1991 | 阿部雅司 | 7位 |
| 1992-1993 | 荻原健司 | 優勝 |
| 河野孝典 | 3位 | |
| 阿部雅司 | 4位 | |
| 1993-1994 | 荻原健司 | 優勝 |
| 河野孝典 | 2位 | |
| 1994-1995 | 荻原健司 | 優勝 |
| 荻原次晴 | 4位 | |
| 河野孝典 | 5位 | |
| 阿部雅司 | 10位 | |
| 1995-1996 | 荻原健司 | 2位 |
| 1996-1997 | 荻原健司 | 6位 |
| 1998-1999 | 荻原健司 | 7位 |
| 1999-2000 | 荻原健司 | 6位 |
| 2001-2002 | 高橋大斗 | 5位 |
| 2003-2004 | 高橋大斗 | 5位 |
| 2004-2005 | 高橋大斗 | 8位 |
| 2011-2012 | 渡部暁斗 | 2位 |
| 2012-2013 | 渡部暁斗 | 3位 |
| 2013-2014 | 渡部暁斗 | 3位 |
| 2014-2015 | 渡部暁斗 | 2位 |
| 2015-2016 | 渡部暁斗 | 2位 |
| 2016-2017 | 渡部暁斗 | 3位 |
| 2017-2018 | 渡部暁斗 | 優勝 |
日本[編集]
脚注[編集]
- ^ “デモングがシーズン初優勝”. AFPBB (2010年1月11日). 2010年2月13日閲覧。
外部リンク[編集]
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