大回転

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大回転(だいかいてん)は、スキー競技またはスノーボード競技のアルペン種目の1つ。ジャイアント・スラローム: giant slalom)、GSリーゼンスラローム: Riesenslalom)とも称する。

平均斜度15度〜20度の中斜面・急斜面を、おおむね25mから30m間隔で設置された旗門を交互に通過しながら滑り、2本の合計タイムを争う。方向転換数(ターン数)はスタートからゴールまでの標高差で決まり、標高差の11%から15%の範囲の数となる。

コースには両側の旗門を結んで滑降スーパー大回転と同様に方向を示すカラーペイントが雪上に施されることがある。選手はこの左右のラインの間を滑り降ることになる。

スキー[編集]

アルペンスキー大回転

アルペンスキーでは、回転に近い小刻みのターン技術と、スーパー大回転の持つスピード感を併せ持ったダイナミックな種目で、人気が高い。アルペンスキーの基本の種目とされることがある。他の種目同様に、カービングスキーの登場によって競技技術に革新的変化が起こった。スーパー大回転・滑降が高速系種目と呼ばれるのに対して回転・大回転は技術系種目と呼ばれる。

用具[編集]

[1]上述したようにカービングスキーの登場による技術的革新により滑走速度の高速化の傾向にあり、選手の負傷数の増加が問題となっていた。そこで、意図的に過度に滑走速度が上昇しないよう、スキーの長さ(以下、全長)、回転半径(ラディウス〈R〉、スキーのサイドカーブのきつさ)等に規制(FIS競技規則)が設定され、度々改定が行われている。

当初は、FIS公認レースおよびSAJの公認レースでの全長は男子185cm以上(カテゴリーによっては180㎝以上)、女子180cm以上(カテゴリーによっては175㎝以上)、回転半径はR≧21mとなっていた。

2008シーズンでは一部、2009シーズンからは全ての公認大会で、回転半径は男子R≧27m、女子R≧23mが適用されていた。

2013シーズンからは一部、2014シーズンからは全ての公認大会で全長は男子195cm以上(カテゴリーによっては190㎝以上)、女子188cm以上(カテゴリーによっては183㎝以上)、回転半径は男子R≧35m、女子R≧30mが適用されていた。

2019シーズンからは、コンチネンタルカップ(COC)において全長は男子195cm以上・女子188cm以上、その他カテゴリーにおいて全長は男子188㎝以上・女子183㎝以上、回転半径は全てのカテゴリーで男子R≧35m、女子R≧30mが適用されている。

ユースカテゴリーにおいてK2(U16、高校1年早生まれ・中学2年 - 1 年)では男子・女子ともに全長は188㎝以下、回転半径はR≧17m、K1(U14、小学5年 - 6年)では男子・女子ともに全長は130㎝以上(FISカテゴリーの場合、SAJカテゴリーでは188㎝以下を推奨)、回転半径はR≧14m(FISカテゴリーの場合、SAJカテゴリーではR≧17mを推奨)となっている。

このほかにもスキー板の最大高さ(プレートとビンディングを含めた合計数値)やスキーブーツの最大高さ(インソール含む)が設定されている。

ヘルメットは装着義務があり、FISによる安全規格基準が定められ、現在は「FISステッカーRH2013」適用品のみ認められている。

なお、FISやSAJ以外の主催競技会についてはこの限りではない事もあるが、安全面等から規則がFISやSAJのものに準じるケースはある。

スノーボード[編集]

アルペンスノーボードでは1998年(平成10年)長野オリンピックより大回転が公式競技となり、2002年ソルトレイクシティオリンピックよりそれに代わる形でパラレル大回転が、冬季オリンピック公式競技となっている(スノーボードは左足が前になるレギュラースタンスと、右足が前になるグーフィースタンスとがあるため、アルペンスキーとは違いパラレル大回転では左右対称の旗門設定になっている)。

この種目は大回転競技が一つのコースを全選手が1人ずつ滑るのに対し、並行して設定されたコースを2人が並んで同時に滑走する。まずは1人で1本滑ったタイムで予選を行い、上位16位までが決勝トーナメントへ進出。決勝トーナメントでは2名が同時に滑走し、早い者が勝ち抜けていく。タイムが重要であることは変わらないが、競技の展開上勝者と敗者、速いか遅いかが一目瞭然で、観戦の娯楽性がより強い競技になっている。

脚注[編集]

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  1. ^ 以下、最新の用具に関する規則についてはSAJウェブサイト中の【アルペン】2019/20シーズン スキー用具に係る国内運用ルールについて (PDF) より参照した。