フィットネス

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ジョギングに励む人たち(ニューヨーク、セントラルパーク)

フィットネス(Fitness)とは、肉体的および健康的観点で「望ましい」と考えられている状態であり、それを目指すための行為・活動。

アメリカスポーツ医学会が発表した『運動処方の指針』によれば、「health related physical fitness」 「physical fitness」は、「体組成」「心肺機能」「筋力・筋持久力」「柔軟性」を指す[1]

アメリカ合衆国保健福祉省傘下の『Council on Physical Fitness and Sports』(「体力・運動能力向上委員会」)は、次のような表を作成し、発表している。

Physiological
(「生理学」)
Health Benefit Related
(「健康上の恩恵に関すること」)
Skill Related
(「運動技能」)
Exercise
エクササイズ運動
  • Metabolism(「代謝」)
  • Morphological(「形態」)
  • Bone Integrity(「骨密度、骨の健全さ」)
  • Other(「その他」)
  • Body Composition(「体組成率」→「骨・筋肉・脂肪・水分の比率」)
  • Cardiovascular Fitness(「循環器が望ましい状態であること」)
  • Flexibility(「身体の柔軟性」)
  • Muscular Endurance(「筋肉の持続性・耐久性」)
  • Muscle Strength(筋力
  • Agility(「敏捷性」)
  • Balance(「平衡感覚」)
  • Motor Coordination(「運動協調能力」)
  • Human Power(「人力」)
  • Speed(「動きの速さ」)
  • Reaction Time(「反射神経、反応の際の時間測定」)
  • Other(「その他」)
  • Team Sport(「班や団に分かれて共同で行うスポーツ」)
  • Individual Sport(「1人で行うスポーツ」)
  • Lifetime(「寿命」)
  • Other(その他)

語源[編集]

英語の「Fitness」は、「fit」から派生した言葉である。基本的なニュアンスは「ヒトやモノに対して、大きさや形がぴったりと合う」である[2]

fitness」は「fit」の名詞形であり、「体力があり、健康である状態」[3]、「誰かが何かを行うのに適している『質』や『適正』」[3]、「健康や体力の維持に関する活動、とくに、『運動』」[3]を意味する。

定期的な運動の効果[編集]

アメリカスポーツ医学会による『運動処方の指針』では、運動を行うことで「心肺機能と体脂肪率が改善できる」としている[4]。また、「運動によるリスクはきわめて低い」という[5]

ジョギング中のジミー・カーター(1978年)
水泳

注意点[編集]

健康診断[編集]

定期的な運動を開始するにあたっては健康診断を実施する必要があり、運動を控えたほうが良い場合もある。整形外科的障害の有無について確認するだけでなく、心血管疾患や肺疾患の徴候・症状の有無、胸の痛み、めまい、失神、年齢的に激しい運動が可能であるかについても注意する。

健康診断について、可能であれば以下の事柄も確認する。

  • 冠動脈疾患の危険因子がないか(高血圧、喫煙の習慣、高コレステロール血症)
  • 心血管疾患、肺疾患あるいは代謝性疾患(糖尿病〈1型、2型を問わず〉、甲状腺疾患、腎臓疾患、肝臓疾患)の徴候、症状の有無

運動量[編集]

過剰な運動は健康を損なう。度が過ぎる運動は、以下のような事態につながる。

  • カゼや気管支炎にかかりやすくなる[6]
  • 運動性貧血をおこしやすい[6]
  • 同じ部位を繰り返し動かすことで、炎症や疲労骨折につながる

有酸素運動は1回につき1時間程度で、週に5回まで[6]筋力トレーニングは同じ部位のトレーニングは間に1日以上空ける。

度が過ぎる運動はミトコンドリア(Mitochondria)の機能障害を惹き起こし、耐糖能(Glucose Tolerance, 上昇した血糖値を下げる、血糖値を正常に保つ能力)も低下させてしまう[7]

水分補給と服装[編集]

水分補給はこまめに行うのがよい。かつては「運動中は水を飲まないほうがよい」とされていたが、考え方が変化した。軽い脱水症状でも運動能力は低下する[8]

運動中は体温が上昇するが、周囲の気温や湿度が高いと熱をうまく放出できず熱中症を起こす。運動前と運動中に水分を補給し、熱を逃がしやすい服装で行う。気温や湿度が高すぎる場合は運動を中止する。

気温が低い場合は、重ね着のし過ぎによる体温上昇と、運動終了後に体温を奪われることに注意する[9]

出典[編集]

  1. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針』原著第6版 日本体力医学会体力科学編集委員会監訳、南江堂、2001年、54頁
  2. ^ fit”. dictionary.cambridge.org. 2021年10月9日閲覧。
  3. ^ a b c fitness”. dictionary.cambridge.org. 2021年10月9日閲覧。
  4. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針』原著第6版 日本体力医学会体力科学編集委員会監訳、南江堂、2001年、134頁
  5. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針』原著第6版 日本体力医学会体力科学編集委員会監訳、南江堂、2001年、6頁-8頁
  6. ^ a b c 小沢治夫・西端泉 『Fitness Handy Notes 30』補訂版 (社)日本エアロビックフィットネス協会、2001年、133頁
  7. ^ Excessive exercise training causes mitochondrial functional impairment and decreases glucose tolerance in healthy volunteersMikael Flockhart, Lina C.Nilsson, Senna Tais, Björn Ekblom, William Apró, Filip J. Larsen
  8. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針』原著第6版 日本体力医学会体力科学編集委員会監訳、南江堂、2001年、312頁
  9. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針』原著第6版 日本体力医学会体力科学編集委員会監訳、南江堂、2001年、315頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]