その他

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その他(そのた、そのほか)は、特定の事柄以外のものを一つにまとめて指す語。

多くのヨーロッパの言語やその影響を受けた言語では、ラテン語et ceteraエト・ケーテラエト・セトラ)の略字である etc. が使われることが多い。

統計での「その他」[編集]

統計では、定量的なデータの集計で一定以上の割合を満たさなかった事項を、一つにまとめて「その他」とする。

統計の内容によって差はあるものの、割合の上位を占める事項の他に、全体のうち1%前後やそれ以下などの少数派が多く見られる。これらを全て集計結果に反映すると可読性を損なうおそれがあるほか、統計の目的にそぐわないため、「その他」として統合する。そのため、「その他」に含まれている個々の事項には共通点や類似点が全くないものもある。

「その他」として集計する事項の選択には特に基準はないため、集計者の個人的意図が含まれている可能性がある。このため、学術・報道などにおいてその他が含まれた統計データを例証とした論考がなされている場合、「その他」の中にどういった事項が含まれているか、元のデータおよび調査手法・調査対象に遡って注意を払う必要も出てくる。

マスコミでの「その他」[編集]

報道機関が行う世論調査では、無回答とその他をまとめてひとつの項目にすることが多い。 テレビの視聴率調査では、衛星放送の視聴率をまとめて「その他」とする慣習が長く行われていた。2010年頃、衛星放送のスポーツ中継の占拠率が2桁に達し、地上波放送局が危機感を抱くに至り、2010年5月テレビ朝日定例記者会見より「その他」とするには数が大きすぎるようになったため、現在では、個々の番組によって、衛星放送の番組でも一般の番組と同じように番組ごとの視聴率を集計したりしている。

法令における「その他」[編集]

法令用語においては、「その他」と「その他」の両者は意味が異なる。

「A、B その他 C」では、A と B は C に含まれず、A と B と C は並列な関係である。例えば「妊娠、出産、育児その他厚生労働省令で定める理由」(雇用保険法20条1項)という表現では、妊娠・出産・育児は、「厚生労働省令で定める理由」には含まれない。これは、統計における「その他」の用法に近い。

一方「A、B その他 C」では、A と B は C に含まれ、C の代表例として A、B を挙げていることになる。例えば「賃金、労働時間その他の労働条件」(労働基準法15条)という表現では、賃金・労働時間は「労働条件」の例示であって、単に「労働条件」としても意味は変わらないが、その意味を分かりやすくする役割を果たしている。

ただし、「の」の過度な重複を避けるために「その他」を「その他の」の意味で用いる場合がある。一例として「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」(憲法21条1項)という表現が挙げられる。

参考文献[編集]

津野修ほか『法令用語辞典』第8次改訂版、学陽書房、2001年 ISBN 4313113088