車いすラグビー
車いすラグビー(くるまいすラグビー、英: wheelchair rugby)は、四肢に麻痺のある障害者が車いすで競技する障害者スポーツの1つ。ウィルチェアーラグビー、クアドラグビーなどの呼称がある。車いす同士がぶつかり合う激しいボディコンタクトがあるのが特徴で、北米ではマーダーボール(殺人球技)とも呼ばれた[1]。
沿革[編集]
バスケットボール、ラグビー、アイスホッケーなどの要素を採り入れ、1977年、カナダで考案された。初の国際大会は1982年、アメリカとカナダの間で行われた。1996年アトランタパラリンピックで公開競技として披露され、2000年シドニーパラリンピックからパラリンピックの公式競技となった。
ルール[編集]
- バスケットボールのコート (28 x 15 [m]) を利用する。
- 試合は1ピリオド8分、4ピリオドで行う。
- 車いすバスケットボール同様、持ち点制を採用しており、1チーム4名男女混合で競技し、障害のレベルに応じて0.5点(障害が重い) - 3.5点(障害が軽い)の合計8.0点を超えないようにチームを構成しなければならない。(女性が一人でも参加の場合は8.5点編成となりそれ以上にはならない)。
- ラグ車と呼ばれる競技用車いすのものにバンパーやウィングがついたディフェンス用(ローポインター)とオフェンス用(ハイポインター)が用いられる。
- バレーボールの試合球(5号球)サイズの球形のボールを用いる。
- ボールをエンドラインから10秒以内に味方へインバウンド(パス)し、受け取ってから12秒以内でハーフラインを超えるかボールを前方へパスして超えさせ、インバウンドからの総計40秒以内で相手の2本のゴールポスト(パイロン)で区切られた敵陣のゴールライン(エンドライン)を越えなければならない。
- また、ハーフラインを一度越えた場合に再度越えて戻ることは許されない
- パス (本来のラグビーとは違って前方OK)やドリブル(10秒以内にパスもしくは一度下へバウンドを要する)、膝の上にのせるなどして運ぶことで得点する。
- 相手チームの攻撃を妨害する際は、車いすによるタックルが認められている。(車いす競技では唯一認められている行為)
- タックルは、相手競技者のタイヤの主軸より後方からコンタクトし、且つ転倒させた場合には反則となる。
- 上記、いずれかが犯された場合にはターンオーバーとなり、相手へボールの所有権が与えられる。(状況によりサイドライン、コーナーからのインバウンド(パス)となる)
日本の車いすラグビー[編集]
2016年のリオデジャネイロパラリンピックの3位決定戦でカナダと対戦して52-50で勝利し、銅メダルを獲得した[2]。
2018年、車いすラグビー世界選手権決勝でオーストラリア代表を62-61で破り優勝[3]。
2018年度国内登録のチームは11チーム。
2019年4月1日、「ウィルチェアーラグビー」から「車いすラグビー」に日本語の競技名を変更。
2019年10月16 - 20日、車いすラグビーの国際大会「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」(日本障がい者スポーツ協会、日本車いすラグビー連盟主催)が開催された。世界上位8ヵ国(日本、イギリス、フランス、ブラジル、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド)が出場した[4]。優勝はアメリカ、準優勝はオーストラリア、3位は日本だった[5]。
2021年8月29日、東京パラリンピックの3位決定戦でオーストラリアと対戦して60-52で勝利し、銅メダルを獲得した。
「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」 - 2019年10月 東京体育館
脚注[編集]
- ^ “アメフトのポジションの役割を紹介”. 【SPAIA】スパイア (2019年11月24日). 2020年11月15日閲覧。
- ^ “日本、車いすラグビーで銅メダル 4大会連続4度目の出場で悲願のメダル”. 2019年8月20日閲覧。
- ^ “世界車いすラグビー初の「金」…日本、豪破る”. 2019年8月20日閲覧。
- ^ 『ラグビーの風、もういっちょ 車いすワールドチャレンジきょう開幕』、毎日新聞、2019年10月16日
- ^ 「車いすラグビーワールドチャレンジ2019(WWRC TOKYO 2019)」
参考文献[編集]
関連項目[編集]
- マーダーボール - アメリカ映画
- 車いすラグビー日本代表