エクスプレス予約
URL | https://expy.jp/top.php |
---|---|
言語 | 日本語 |
タイプ | インターネット座席予約 |
ジャンル | 鉄道 |
運営者 | 東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道 |
収益 | 売上 |
営利性 | 営利 |
登録 | 座席予約時は必須 |
現在の状態 | 現在運営中 |
エクスプレス予約(エクスプレスよやく)とは、「JR東海エクスプレス・カード」および「J-WESTカード(エクスプレス)」の会員を対象とする、東海道・山陽新幹線の会員制予約サービスの名称である。モバイルSuicaと一部の「ビューカード」を併用している利用者も対象としている(ビュー・エクスプレス特約)が、その利用条件については#モバイルSuicaでの利用を参照のこと。
また、東海道新幹線・山陽新幹線のWeb会員制予約サービス・乗車サービスである[1][2][3]、スマートEXについてもこの頁で扱う。
概要
このサービスの最大の特徴は、パソコンや携帯電話・スマートフォンから東京 - 博多間の東海道・山陽新幹線各駅間のe特急券の購入や、特急券と乗車券が一体となったEX予約サービスの利用ができることである。e特急券やEX予約サービスは、お盆や年末年始・ゴールデンウィークなどの繁忙期においても、値段が変動しない特別企画乗車券。これらは通常の新幹線特急券よりも安価で、通常では1回のみに限定されている乗車変更が、e特急券を受け取る前かつ予約した列車の発車時刻前、当初の購入から3か月以内であれば何度でも手数料無料で可能である。
このサービスを受けるには、「JR東海エクスプレス・カード」もしくは「J-WESTカード(エクスプレス)」へ入会するか、またはモバイルSuicaを「VIEWカード」(TypeII カードおよび法人カードを除く)で利用・決済する会員が、事前にモバイルSuicaで操作のうえ、「ビュー・エクスプレス特約」へ登録することが必要である(ほかに、モバイルSuicaへ「JR東海エクスプレス・カード」を追加登録する方法もある)。これらはクレジットカードへの入会であり、信用情報審査が必要であるため、審査基準に満たない者や18歳未満の者や高校生は利用できない(「モバイルSuica」の入会に際しても、クレジットカードの登録が必要である)。
2種のカード、およびビュー・エクスプレス特約の年会費は、いずれも1,100円(2019年10月現在・消費税込み)かかり、エクスプレス予約が利用できない「J-WESTカード(ベーシック)」の年会費が実質無料(1年に1回でも利用すれば無料)であることを考えると、エクスプレス予約の年会費と捉えることもできる。
2007年6月末時点の会員数は約94万人で、JR東海ではEX-ICサービスを開始する2008年春から2年間で、約2倍の180万会員獲得を目標としている。平日には全乗客の2割、約6万4,000人がこのサービスを利用している[4]。
2008年10月10日より、JR四国エリアの高松駅でも、岡山駅での乗り継ぎ客への利便を図るため、専用の受取機での受取のみの取り扱いを開始したが、受取後の払い戻し・変更はJR東海・西日本エリア外のため同駅ではできない。
2012年7月21日より、山陽新幹線区間(新大阪 - 博多)の「みずほ」「さくら」「つばめ」でもエクスプレス予約(EX-ICサービスを含む)が利用可能となった。ただし、この当時は九州新幹線区間(博多 - 鹿児島中央)を含む利用、ならびに山陽新幹線区間における前述3列車でのグリーンプログラム(蓄積ポイントによるグリーン車への「アップグレード」)や早割サービス(EX-IC早特など)の利用は、引き続き対象外となっていた[5]。九州エリアに関しては2022年春を目標に延伸予定であることが2019年10月に発表された[6]一方、一部の区間がJR西日本の管轄となっている北陸新幹線についてはJR西日本区間(上越妙高駅 - 金沢駅間)も含めて対象外となっている。また、博多南線、2022年に部分開通予定の長崎新幹線については特に言及されていない。
2012年10月9日より、一部クレジットカード発行会社の会員を対象に、プラスEXが開始されている。割引率や山陽新幹線非対応であることなど、エクスプレス予約と一部異なるサービスになっていたが、2017年9月2日よりエクスプレス予約に統合された。ただし、グリーンプログラムは利用できない。
座席番号リクエストサービス
パソコンや携帯電話・スマートフォンの画面に表示されるシートマップを見ながら座席を選択し、任意の号車・座席位置を指定して指定券を購入できる。ただし、リクエストした列車が満席もしくはそれに近い場合は利用できない。
- 一部列車では号車の選択ができない場合がある。
- 同一列車内の途中駅での座席移動はできない。
たとえば、東京~新大阪間が満席の場合、同一列車内の東京~名古屋間および名古屋~新大阪間なら、それぞれ空席があっても座席移動の予約はできない。
- 新大阪で乗換に必要な時間は、5分以上で設定されている。
つまり、新大阪に到着する時刻と、新大阪から発車する時刻との差が4分以下の乗換は、予約できない設定となっている。
- のぞみ等の16両編成の場合、11号車「11番C・12番A・12番B・13番A・13番B」など、乗車日前日まで予約できない座席がある。
ただし、乗車日当日にはこれらの座席は予約可能となるため、乗車日前日満席であっても当日になれば予約できる場合がある。
- 全席禁煙のN700系で運行される列車では「喫煙ルーム付近の座席を希望」にチェックを入れると、該当する座席のみ表示される。
- ひかりレールスターで運行される列車では「オフィスシート」にチェックを入れると、該当する部分の空席情報が表示される。
- 「サイレンスカー」(2011年3月ダイヤ改正で廃止)設定時は「4号車」・「サイレンスカー」どちらを選択しても同じ座席表示がなされていた。
- 8号車のコンパートメントはエクスプレス予約では利用できない。
- 車椅子対応座席はエクスプレス予約では取り扱っていない[7]。
乗車券の予約
2013年10月18日までは、e特急券と同一区間であれば、片道普通乗車券(無割引)もセットで予約することができた。特定都区市内制度も適用され、東京都区内・福岡市内駅など発着の乗車券となるが、次のような制約があった。
- 実際の乗車駅から乗車券類を受け取る駅(例・本八幡駅から東京駅)までの運賃は別に必要。
- 片道普通乗車券のため、JR線の利用営業キロ数が片道601キロ以上の区間(例・東京 - 西明石以西)を往復利用する際に適用される往復割引制度が適用されない。
これらを避けるために新幹線停車駅までJR在来線を利用する場合や、往復割引制度の対象になる区間での往復利用の場合、エクスプレス予約では特急券のみを予約・購入するように勧めていた[8]。
なお、2013年10月18日をもってe特急券+乗車券のセット販売は終了した。現在はe特急券のみを予約した場合、乗車券は駅の窓口や指定席券売機で別途に購入する必要がある[9]。
乗継割引
一般の特急券のような新幹線⇔在来線特急列車相互間の乗り継ぎ割引制度はない[10]。JR西日本では、在来線特急と乗り継ぐ場合は割引の特急券を組み合わせて購入するか、通常の乗車券類を駅や、(新)e5489サービス(ネット予約)で購入する方が安くなる場合がある旨を、「JRおでかけネット」で案内しているほか、J-WESTカードの入会申込書にもその旨の記述がある。
在来線の電話・インターネット予約
JR東海では、JR東海エクスプレス・カード会員専用電話センター経由でJR全線の乗車券・特急券をカード決済で購入し、窓口やエクスプレス券売機で受け取るサービスを行っていたが、2006年(平成18年)8月末で廃止した。現在は、自社独自の在来線列車の予約サービスは実施しておらず、サイバーステーションによる予約サービスのみの取り扱いとなっているが[注 1] 、2019年4月1日からはJR東海管内を発着する特急列車や東海道新幹線と在来線の乗継割引が適用される特急券・乗車券、無割引で東海道新幹線完結、および山陽・九州新幹線まで乗継利用する特急券・乗車券について、JR西日本のe5489の取り扱いを行うことになった[12]。
JR西日本の場合、(新)e5489サービス(ネット予約)で、JR西日本・四国・九州管内の大部分の在来線特急列車(JR東海・東日本管内の一部特急列車も)の予約が可能である。
割引額
サービス開始当初は東京 - 新大阪間の「のぞみ」を利用する場合で通常運賃・料金より500円安く利用できる設定であったが、当時の「のぞみ」の特急料金の割り増し額が970円と大きく、運転本数も少なかったため割引サービスという面ではあまり効果が期待できるものではなかった(東京 - 名古屋は380円引であった)。
その後、2003年(平成15年)10月の品川駅開業と「のぞみ」大増発、特急料金の値下げにあわせて通常の「新幹線回数券」よりも割引率が大きく設定された。それでも、自由席利用の場合と比べて大幅に安くなることはなく(同額か若干安い[注 2]程度)、自由席料金で座席指定が受けられる程度の内容であるため、自由席利用者にとっては金額的なメリットはあまりない。しかし、のぞみ指定席利用の場合の金額差は、東京 - 新大阪間の繁忙期で1,100円と、1回の乗車で後述のカード年会費と同額の割引額となり、また早割制度の条件と合致すればその差はさらに大きくなることから、指定席利用の場合、金額的なメリットは大きくなる。
なお、本サービスの利用にはカードの年会費(1,100円・2019年10月現在)がかかることも考慮する必要がある。
新幹線の割引以外の特典
新幹線の特急料金の割引や、各カード(JR東海エクスプレス・カード、J-WESTカード<エクスプレス>)の会員特典のほかに、エクスプレス予約の会員向けに以下のような会員特典が用意されている。特典を受ける際には、発売箇所にて「ご利用票」を提示する必要がある。
- Tokyo Subway Ticket(東京メトロ・都営地下鉄)- 東京メトロ・都営地下鉄全線が24~72時間乗り放題となり、かつ通常の「東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券」より安価に発売されている。本来は東京への旅行商品のオプションとして発売されているものだが、熱海駅以西から品川駅・東京駅までのエクスプレス予約の利用者にも発売されるようになった。なお、都営地下鉄は乗車できるものの発売はしておらず、東京メトロの定期券発売所(東京駅・日本橋駅・新宿駅・池袋駅)、中央区観光情報センター(京橋エドグラン地下1階)、佐川急便 SHINJUKU SERVICE CENTER(バスタ新宿3F・東京観光情報センター内)のみで取り扱っている。東京メトロの窓口で購入すると、ご利用票に東京メトロの「ハートM」マークが押印される。
- EX☆お台場レインボー特典 - お台場エリアの17施設で料金の割引やオリジナルグッズなどの特典が用意されている。新横浜駅以西から東京駅・品川駅までのエクスプレス予約の利用者が対象となる。
- EX☆スカイツリーチケット(東京スカイツリー)- 東京スカイツリーの天望デッキに優先的に入場することができる。熱海駅以西から品川駅・東京駅までのエクスプレス予約の利用者に対して発売される。
- EXみなとぶらりチケット(横浜市交通局)- 一般に発売されている「みなとぶらりチケットワイド」と同じく、横浜市営地下鉄ブルーライン(新横浜駅・横浜駅~伊勢佐木長者町駅)と横浜ベイエリアの市バス・観光スポット周遊バス「あかいくつ」が乗り放題となり、かつ通常の「みなとぶらりチケット」と同じ価格(500円)で購入することができる。新横浜駅までのエクスプレス予約利用者を対象に発売されており、新横浜駅でのみ発売されている。
- リニア・鉄道館(JR東海) - 名古屋駅までエクスプレス予約を利用すると、入館料金が大人は200円、小中高生・幼児は100円割引される。
- 福岡市内+太宰府ライナーバス「旅人」1日フリー乗車券(西日本鉄道) - 博多までのエクスプレス予約利用(広島以遠)で、福岡市内の西鉄バスと太宰府ライナーバス「旅人」が1日乗り放題になるフリー乗車券が1,000円(通常1,500円)で購入可能。割引価格での購入には、「EXご利用票」もしくは「ご利用票兼領収書」を博多バスターミナル3階乗車券窓口で提示する[13]。2019年11月1日から2020年3月31日までの期間限定。
EX-ICサービス
EX-ICサービス(エクスプレスICサービス、イーエックス・アイシー サービス)は東海道新幹線のチケットレス化を目指し、2008年3月29日から導入された新しいサービスである。e特急券ではなく専用のICカードなどを使用して、スピーディな乗車や乗り継ぎを実現する。
同日のサービス開始時点では個人会員が対象[14]で、法人会員向けや山陽新幹線を含む東海道・山陽新幹線全線でのサービスは2009年8月29日に開始された[15]。
概要(EX-ICサービス)
「JR東海エクスプレス・カード」・「J-WESTカード(エクスプレス)」の会員に別途貸与される「EX-ICカード」、またはEX-ICサービスの情報を登録した「モバイルSuica」を搭載した携帯電話と会員のエクスプレス予約の情報を紐付けし、自動改札機にICカードなどをタッチしたときに会員の予約購入した乗車券・特急券の情報を確認してチケットレスで通過できる。
「モバイルSuica」のチケットレスサービス(モバイルSuica特急券)と異なり、利用者が自分で「モバイルSuica搭載携帯電話機」にきっぷの情報をダウンロードするのではなく、自動改札機通過時に会員の予約情報との照合を行って通過を判定する。以前はEX-ICカードなどへきっぷの情報が記録されていたが、2017年9月2日のEX予約サービスへの移行以降は記録されなくなった。
自動改札機にEX-ICカードなどをタッチすると、利用する列車や座席番号などが記載された「EXご利用票」が出力される[16]ほか、改札内などにある座席情報表示機でもカードをタッチすると座席などの情報が表示され、乗車直前の確認の役目を果たす。万が一「EXご利用票」を取り忘れて乗車した場合は、車内で車掌が所持している車掌携帯端末機にかざすと、号車および座席番号がわかる。
JR東海エクスプレス・カード会員に限り、TOICAと一体化した「TOICA機能つきEX-ICカード」を申し込むことができる。
在来線のICカードと同じように17桁の番号が振られているが、番号はEX-ICサービス単体のカードは「EX(Expressの略)」で、TOICA機能つきのカードは通常のTOICAと同じく「JC(JR Centralの略)」で始まる。
IC乗継サービス
EX-ICカードは公共交通機関ICカード乗車券であるSuicaやICOCA・TOICA・SUGOCA・Kitaca・PASMO・manaca・PiTaPa・nimoca・はやかけんのいずれか1枚と組み合わせて使用することも可能である。新幹線の自動改札機に2枚同時にタッチすると、在来線部分の運賃(SF)精算と新幹線部分の有効判定を同時に行う。2013年3月23日より交通系ICカードの全国相互利用が開始されたため、上記10種類すべてのICカードでの在来線乗継が下記エリアに関係なく可能になった。
EX-ICカード(TOICA機能付き)を所持している場合は、1枚のカードのみで乗り継ぎ可能となる。同様にモバイルSuicaの場合は、エクスプレス予約の会員登録(ビューカード(TYPE IIカード・法人カードを除く)による「ビュー・エクスプレス特約」の利用登録、またはJR東海エクスプレス・カードの追加利用登録)をすれば、在来線と東海道・山陽新幹線の乗り継ぎが1台の携帯電話で可能になる。
また、在来線との併設駅で、新幹線のコンコースに直接入場できる改札がない駅(熱海駅・姫路駅・福山駅など)では、下記のエリア内では在来線用ICカードで入場し、新幹線の乗り換え改札機に在来線用ICカードとEX-ICカードを重ねて読み取らせて入場する。在来線用ICカードを所持していない場合は、有人改札でEX-ICカードを利用する旨を伝えて入場し、新幹線の改札機にEX-ICカードのみを当てて入場する。
2017年7月現在、iPhone 7以降のiPhoneおよびseries 2以降のApple Watch搭載のApple Pay Suica機能との併用(同時タッチ)は不可能である[17]。ただし、2017年10月23日よりApple PayのSuicaがエクスプレス予約のEX予約専用ICカードとして使用可能となるため、これにより通常のモバイルSuicaと同様の乗り継ぎ処理が可能となる[18]。
IC乗継サービスが可能な駅
- Suicaエリア(東京 - 熱海の各駅)※熱海駅では湯河原・東京方面および伊東線・伊豆急行線方面の在来線利用時のみIC乗継可能。
- TOICAエリア(三島 - 名古屋間の各新幹線兼在来線停車駅)
- ICOCAエリア(米原 - 広島間の各新幹線兼在来線停車駅)※米原駅では彦根方面および坂田方面行の在来線利用時のみIC乗継可能。
- SUGOCAエリア(博多・小倉の両駅)
JR在来線でのICカード乗車は上記エリアを相互にまたぐ利用は一切できない[注 3]。このため、熱海 - 函南間や米原 - 関ヶ原間などを含む区間の在来線を利用する場合、IC乗継サービスを含めICカード乗車は一切できないので注意が必要である。
なお山陽新幹線の各駅においては、ICOCAなどの在来線専用のICカードを持参していない場合や、ICOCAエリア外まで乗り越す人のために、西明石・姫路・岡山・新倉敷・福山・三原・広島・徳山・新山口の9駅の新幹線改札内には自動券売機が設置されており、在来線のきっぷを現金で購入することができる。
運賃など
新幹線区間では運賃(乗車券)と特急券をセットにした専用の価格(EX予約サービス運賃)が適用され、新幹線駅相互間のみの利用(東京→新大阪など)であれば、従来のきっぷ(e特急券+乗車券)と比べて高くなることはなく、同額か安く利用できる。
しかし、新幹線と在来線を乗り継いで利用する場合、在来線の運賃は別払い(EX予約サービスでは都区市内を含めた在来線は利用できない)となる。そのため、EX予約サービス運賃が従来のきっぷ(e特急券+乗車券)よりも安い区間であっても、前後の在来線利用状況によっては、従来のきっぷより総額が高くなる場合がある。
600キロを超える長距離利用の場合も、IC早特を利用した方が安くなる場合やEX予約サービスを利用せず往復割引乗車券+e特急券を利用した方が安くなる場合などさまざまであり、エクスプレス予約では従来のきっぷとEX予約サービスを選択して利用することを推奨するとともに、利用者が価格を簡単に比較できるように計算専用のWebサイトを用意している[19]。なお2017年9月2日より、往復割引の商品を発売している[20]。
モバイルSuicaでの利用
2008年3月29日からのEX-ICサービス開始にともない、モバイルSuicaを経由して申し込むことでJR東日本の「ビューカード」でエクスプレス予約が利用できるようになった(TypeIIおよび法人カードを除く)。また、2017年10月23日からはiPhone 7以降のiPhoneまたはseries 2以降のApple Watchに搭載されたApple PayのSuicaでもエクスプレス予約が利用可能になる[18][21]。
ただし、利用に際しては「ビューカードをモバイルSuicaの決済クレジットカードとして登録している」こと、そして「ビューカードをエクスプレス予約の決済クレジットカードとして利用する」ことが条件で、「ビュー・エクスプレス特約」への同意が必要になる(「ビュー・エクスプレス特約」の手続きに際し、ビューカードからエクスプレス予約会員の年会費として1,100円が決済される)。
大人の休日倶楽部カード、ルミネカード、ビックカメラSuicaカード、JALカードSuicaなどTypeIIでない提携カードでも利用することが可能である。
ビューカードにおけるポイントの還元率は、一般の加盟店と同率になり、ビックカメラSuicaカードは「JRE POINT」と「ビックポイント」、JALカードSuicaは「JALマイレージバンク」、その他のビューカードは「JRE POINT」の付与対象になる。
「ビュー・エクスプレス特約」の手続き完了後、JR東海より「エクスプレス予約会員証」が送付され、「エクスプレス予約会員証」の到着後、モバイルSuicaアプリメニューより利用登録を行うことでエクスプレス予約のすべてのサービスが利用できるようになる[注 4]。エクスプレス予約会員証には会員番号の記載はなく、会員番号はモバイルSuicaより利用登録した際の表示される画面で確認しておく必要がある。忘れた場合、携帯電話のエクスプレス予約のログイン画面から問い合わせることで会員番号が表示される。
基本的にはEX-ICサービスでの利用が前提ではあるが、予約の際に画面上で所定の操作を行うことでe特急券などきっぷでの購入も可能である。
なお、モバイルSuica経由のEX-ICサービスについては、上記のほかに「JR東海エクスプレスカード」またはプラスEXサービスに登録したクレジットカードをモバイルSuicaに登録して利用する方法もある。こちらであれば、TypeIIカードやVIEWマークのない一般のクレジットカードを登録している場合でもモバイルSuica経由でのEX-ICサービスの利用が可能となる。ただしJR西日本の「J-WESTカード(エクスプレス)」はモバイルSuicaをEX-ICカードとして利用することはできない。
また、東京駅において東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸の各新幹線と東海道・山陽新幹線を相互に乗り継ぐ場合、新幹線と在来線を乗り継ぐ改札口以外にも、それぞれの新幹線を相互に直接乗り継ぐ改札口が設置されているが、この改札口ではSuicaなどのIC乗車券やモバイルSuica、EX-ICカードは利用できない。その場合、いったん在来線側へ出場後、改めて新幹線改札機から入場することになる。
早割制度
下記の早割制度は、九州新幹線関連の列車(「みずほ」「さくら」「つばめ」:山陽新幹線区間(新大阪 - 博多)のみの利用を含む)は対象外となっている。また現在発売中の商品は都区内・市内などの在来線ゾーンには乗車できない(たとえば新宿 - 東京 - 小倉 - 折尾の場合は、新宿 - 東京と小倉 - 折尾の部分の普通運賃が別途必要となる)ほか、乗り遅れた場合は後続列車の普通車自由席を利用できないため、改めて特急料金などを支払わなければならない点に留意する必要がある。また2017年9月2日以降は、年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどの多客期には利用制限がある(エクスプレス予約は年間15日程度、スマートEXは年間30日の設定除外日が設けられている)。
EX早特
旧・EX-IC早特タイプA。乗車日の3日前までに予約し、かつ特急券と乗車券をセットで購入することを条件に、前述のe特急券よりもさらに安く乗車できる。2009年8月29日5時30分から発売開始。2017年8月までは利用者本人のみの対象だったが、同年9月2日乗車分からは2人以上での利用も可能になった(下記の商品も同様)。加入者本人はEX-ICカードで、加入者本人以外の1人利用および2人目以降は指定席券売機などで切符を受け取ってから利用する。利用できるのは以下の列車。2017年9月2日からは発売区間が東京からの場合は岡山駅以遠のみの設定となったほか、利用列車がのぞみに限定されている。土・日・祝は割引率がさらに拡大されている。
- 設定区間
- 東京・品川・新横浜 - 岡山・福山・広島・徳山・新山口・小倉・博多
- 名古屋・京都・新大阪・新神戸 - 小倉・博多
- 「のぞみ」- 終日全列車
EX早特21
旧・EX-IC早特タイプ21。乗車する21日前までに予約することで利用できる。乗車する駅を朝6:00~6:59または11:00~15:59までに発車するのぞみに限り利用が可能。2017年9月2日からは新尾道・三原・東広島・新岩国各駅を発着といった、のぞみの通過する駅にも設定されているが、その場合は途中の任意の駅でのぞみに乗り継ぐ必要がある[22]。
- 設定区間
- 東京・品川・新横浜 - 名古屋・京都・新大阪・新神戸・岡山・福山~新山口間の各駅
- 名古屋 - 小倉・博多
EXグリーン早特
乗車する3日前まで申し込みが可能。2017年9月1日まで設定されていたIC早得(タイプB)と同じ設定区間となっている。
EXファミリー早特
2013年冬季より発売が開始された、期間限定で設定されるきっぷ商品。後述の「EXお出かけ早特」の事実上の後継商品である。設定当初は「EX いっしょにお出かけ早特」という名称であった。
土・日・祝に複数名で乗車する場合に利用条件を満たせば、「IC早特」と同額以下の料金で利用できる。
「EXお出かけ早特」とは以下の点で利用条件が異なる。
- 必ず複数名で利用しなければならない(減員により1名利用となる場合、ほかの商品への変更となる)。
- 特定都区市内駅の利用はできない。
- 払戻手数料は受取前後にかかわらず320円(発車時刻前に限る)。
- 設定区間が大幅に絞られた。
このため、きっぷ商品ではあるが、商品の利用条件がIC早特に酷似している。
「EX いっしょにお出かけ早特」の設定当初は東海道新幹線内完結区間の設定は廃止されたが、のちに東京・品川~名古屋・新大阪間の設定が復活するとともに、名称も「EXファミリー早特」に変更された。なお、設定当初は「のぞみ」のほか、「ひかり」「こだま」も利用できたが、2017年9月2日以降は土休日のみ利用できる「のぞみ」用の「EXのぞみファミリー早特」と繁忙期を除く全日利用できる「こだま」用の「EXこだまファミリー早特」の2種類が発売されている。
EXこだまグリーン早特
東海道新幹線内のこだま号限定グリーン車限定の商品。隣接区間など一部区間を除く短・中距離利用は通常のe特急料金に少額を上乗せした額で、また長距離利用は大幅に割引した料金で利用することができる。利用・購入条件は通常のEX-IC早特に準ずる。
- 東海道新幹線開業50周年記念として期間限定で発売される「こだま☆楽旅IC早特」として発売開始、2017年9月2日以降は現在の名称になるとともに複数名でも利用可能になった。
- 設定区間:隣接する駅を除く東海道新幹線全区間、ただし東京 - 新横浜間、三島 - 静岡間、静岡 - 浜松間、豊橋 - 名古屋間は設定がない。
- 最大運賃は東京 - 新大阪間の利用の場合で11,410円、長距離でグリーン車利用の約60%の運賃設定となっている。
終了した早特
- EX-IC早特(タイプB)
- EX-IC早特(タイプC)
- ※前述の「こだま☆楽旅IC早特」発売にともない、平成26年6月13日をもって発売を終了した。
こだま楽旅IC早特
東海道新幹線内のこだま号限定グリーン車限定の商品。隣接区間など一部区間を除く短・中距離利用は通常のe特急料金に少額を上乗せした額で、また長距離利用は大幅に割引した料金で利用することができる。利用・購入条件は通常のEX-IC早特に準ずる。
- 東海道新幹線開業50周年記念として期間限定で発売される商品
- 利用期間:2014年6月17日から2015年3月31日乗車分まで
- 設定区間:隣接する駅を除く東海道新幹線全区間、ただし東京 - 新横浜間、三島 - 静岡間、静岡 - 浜松間、豊橋 - 名古屋間は設定がない。
- 最大運賃は東京 - 新大阪間の利用の場合で9,500円、グリーン車利用のおよそ半額、普通車と比べても大幅な割引額で利用することができる。
エクスプレス早特
乗車日の3日前までに予約し、かつ特急券と乗車券をセットで購入することを条件に、前述のe特急券よりもさらに安く乗車できた。利用できたのは以下の列車。
- 東海道新幹線
- 山陽新幹線
- 新大阪駅・新神戸駅 - 小倉駅・博多駅を直通する全列車
値段はJR東海やJR西日本の企画商品(「ひかり早特きっぷ」)などと同等かそれ以下に低く、グリーン車では通常の普通車指定席価格に数百円から1,000円程度の上乗せで乗車できる価格設定のものが主となっている。
また早朝6時台の東海道新幹線「のぞみ」におけるエクスプレス早特では、通常の切符の普通車指定席料金よりもさらに安い値段でグリーン車が利用できる場合がある(東京 - 新大阪間などでは通常期で50円、繁忙期では250円安くなる)。また年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどの多客期でも利用できるほか、予約の変更が何度でも(「山陽新幹線2枚きっぷ」も同様)可能であるなどの特典も付与されている。
EX-IC早特のサービス開始にともない、2009年8月28日発売分(最大で2009年9月28日乗車分まで)をもって終了した[23]。従来はカード会員以外の者(家族・友人などが会員と同行する場合)でもきっぷに引き換えることにより「エクスプレス早特」による割引制度を受けることができたが、サービス終了以後はカード会員しか割引を受けられなくなった。「早特」の適用範囲拡大にしたものの、1名のみ適用となったほか、特定都区市内制度が廃止された。
スーパーエクスプレス早特
早朝時間帯の「のぞみ」利用促進のため、2007年7月6日から同年10月31日乗車分までの期間限定で発売された。乗車日の5日前までに予約し、かつ特急券と乗車券をセットで購入することを条件に、通常の「エクスプレス早特」よりもさらに安く利用できるものであった。利用できる列車が「エクスプレス早特」よりさらに限られる反面、割引率が高く設定されていた。
なお、新大阪・新神戸発のみで東京側からの設定はない。利用可能列車のうち、新大阪6:25発「のぞみ104号」は2007年7月1日のダイヤ改正で増発されたものである。
- 設定区間
- 新神戸・新大阪→新横浜・品川・東京
- 利用可能列車(列車名は設定当時)
- のぞみ200号(運休日あり)
- のぞみ102号
- のぞみ104号(休日運休)
- のぞみ80号(新神戸から利用できるのはこの列車のみ)
- 価格
- 新大阪→東京・品川 10,500円など
EXお出かけ早特
期間限定で設定されるきっぷ商品。おもに春季と、秋季から年末年始にかけての行楽期を中心に発売されている。利用条件は後述の旧「エクスプレス早特」と同じで、土・日・祝乗車分に限り、条件を満たす切符を購入すれば通常のe特急券より安くなる(例:東京 - 新大阪間普通車指定席片道13,200円→13,100円)。設定当初(平成21年10月31日 - 平成22年1月11日)の普通車指定席用は通常のe特急券よりも300円安く設定されていた(東京 - 新大阪間普通車指定席片道12,900円)が、平成24年現在では当初よりも全区間200円高く設定されている。このため新大阪・新神戸 - 小倉・博多間は旧「エクスプレス早特」と前回は同額であったが今回はそれより高くなった(さらに、この区間はグリーン車用も前回より200円高く設定)。ただし、行楽期のグリーン車の利用促進も兼ねた商品という位置づけで販売されているため、グリーン車用は割引率が大きく(例:東京 - 新大阪間グリーン席片道14,500円、通常の切符と比較して4,190円の割引)、販売予定席数を超えていない限り、EX-IC早特料金(グリーン車用)に数百円程度の上乗せで「のぞみ」を含むすべての列車のグリーン車が利用できる設定となっている。
前述の通り、帰省や観光旅行などでの利用促進を目的として発売される商品であるため、ビジネスユースが中心となる平日利用分は適用外とされているものの、静岡・浜松 - 京阪神区間が新たに設定されたことと、東海道新幹線区間においても全日「のぞみ」が利用できるため、割引額が少なくなる代わりに利用区間や列車の選択肢の幅が大きく広がったところが従来のエクスプレス早特とは異なる点である。また前述の「EX-IC早特」と異なりきっぷ商品であるため、会員以外の利用も可能である。ただし、前述のEX-IC早特同様、乗り遅れた場合は特急券・グリーン券がすべて無効となり、後続列車の普通車自由席に乗車することはできない点に留意する必要がある。
2013年秋季以降、前述の「EXいっしょにお出かけ早特」に変更の上廃止された。
グリーンプログラム
2006年度から、エクスプレス予約により乗車するとポイントが加算され、一定のポイントがたまるとグリーン料金0円でグリーン車が利用できる「グリーンプログラム」という新しいサービスを設けた。航空機のマイレージサービスのように特典旅行(いわゆる無料航空券)サービスやアップグレードサービスなどを自由に選択できるものではなく、アップグレードサービスのみであり、普通車指定席分の料金を別途支払う必要がある。乗車以外のショッピングや支払などにともなうカードポイントをアップグレードサービス用ポイントに移行できない点も航空会社のマイレージプログラムと異なる。なお、一部の法人用カードは本プログラムの対象外である。
たとえば、東京 - 新大阪間を6往復利用すると普通車指定席の料金で「のぞみ」のグリーン車に1回乗車できるもので、獲得ポイントは乗車距離により異なり、「ひかり」や「こだま」の場合はより少ないポイントでグリーン車に乗車できる。具体的には東京 - 新大阪間に列車種別に関わらず乗車すると90ポイントが与えられる。蓄積ポイントが1,000ポイントに達すると「のぞみ」のグリーン車、800ポイントで「ひかり」のグリーン車、600ポイントで「こだま」のグリーン車に普通車指定席料金で乗ることができる。ただし、座席数が限られているため、このサービスで利用できる座席がすでに満席である場合は利用できない。
蓄積ポイントによるグリーン車への「アップグレード」は、必要ポイント数を持っていれば乗車区間の長短に関わらないため、より長距離移動の場合に利用した方が“お得感”がある。ただしポイントの有効期間は最長でも1年6か月(ポイントの有効期間は当初、ポイント取得翌年2月末日の23時までとなっていたが、2007年の取得分から翌年6月末日の23時までに延長された)であるのと、利用距離に応じたポイントが加算される仕組みとなっており、実質的には関東 - 関西間の移動の場合、年間6往復以上利用する会員のための特典である。
会員規約で「e特急券を発券したエクスプレス予約会員以外の使用を禁止していない(受取は会員本人)」ため、ポイント取得への早道として会員自身以外の家族・知人・同行者などのe特急券を購入・提供し、任意の移動区間に対して決められたポイント数×人数分のポイントを使用したカードの所持者が取得する方法がある[注 5]。また、小児料金のe特急券(大人の半額)を購入した場合も大人と同じポイントが得られるため、たとえば親1人が小学生の子ども2人連れでe特急券を購入すると、大人2人分相当の出費で3倍(3人分)のポイントを得ることができる。
なお2008年3月1日の乗車分から、利用区間ごとのグリーンプログラムの加算ポイントが減点された(例:東京-新大阪での獲得ポイントは現在90ポイントだが、変更前は100ポイントだった)。
九州新幹線関連の3列車(山陽新幹線区間(新大阪 - 博多)のみの利用に限る)については、2012年7月21日のエクスプレス予約取扱開始から、ポイント加算のみグリーンプログラムの対象になっている(当該3列車のグリーン車への、蓄積ポイントによる「アップグレード」は不可)[5]。
そのほか、2017年9月2日よりエクスプレス予約に統合されたプラスEXの会員についてもグリーンプログラムは対象外になっている。
ロゴデザインの変更
カードの入会申込書や駅構内のポスターなどの各種広告媒体では、「東海道・山陽新幹線の会員制ネット予約。 エクスプレスE予約」(座席マークの中にE)というロゴが長年使われてきたが、EX-ICサービスの導入に合わせて「EXPRESS予約(「EX」を大きく強調して上に配置)」という新しいロゴを導入し、公式サイト・広告媒体や駅構内などの案内表示が順次新ロゴに変更された。
他の新幹線路線相互の取り扱い
九州新幹線(鹿児島ルート)と山陽新幹線とを直通する「みずほ」「さくら」「つばめ」は、山陽新幹線区間(新大阪 - 博多)においてもエクスプレス予約・EX-ICサービスの対象外であったが、2012年7月21日午前5時30分より、山陽新幹線区間でのエクスプレス予約の取り扱いを開始した。ただし、九州新幹線区間(博多 - 鹿児島中央)を含む利用、ならびに山陽新幹線区間における「みずほ」「さくら」でのグリーンプログラム(蓄積ポイントによるグリーン車への「アップグレード」)や早割サービス(EX-IC早特など)の利用は、引き続き対象外となっている[5]。
また、博多南線および博多南駅を含む、上述以外の新幹線路線(北海道、東北、上越、北陸[注 6]など)においては継続して取り扱い対象外である。
九州新幹線での取り扱い
東海道・山陽新幹線区間をエクスプレス予約により博多駅まで利用し、九州新幹線、博多南線区間に乗り継ぐ場合には、e特急券のみ利用の場合は九州新幹線または博多南線の特急券・全区間通しの乗車券をあらかじめ購入し、EX予約サービス利用の場合は、博多駅までを窓口または券売機でEX予約サービス乗車券・特急券(以下EX予約サービスきっぷ)に引き換え、博多駅以遠の特急券・乗車券をあらかじめ購入して併用する形となる。
EX-ICカードで入場した場合は、いったん博多駅の新幹線改札を出てEX-ICの出場処理を行い、再度九州新幹線などのきっぷ等で入場する必要がある。逆方向の場合、九州新幹線区間をきっぷ等により博多駅まで利用し、東海道・山陽新幹線区間をエクスプレス予約・EX-ICサービスにより東海道・山陽新幹線区間に乗り継ぐ場合には、下記の通り九州新幹線各駅に受け取り設備がないため、いったん博多駅の新幹線改札をきっぷ等により出て、再度EX-ICで改札入場処理を行うか、e特急券やEX予約サービスきっぷなどを購入・発券して再入場する必要がある。
これを行わずに、東海道・山陽新幹線(の予約した列車・座席)に乗車した場合、規定の通常運賃・座席料金を別途支払う必要があるため注意が必要である[24]。なお博多南駅は、JR九州への営業委託時代はエクスプレス予約の受取ができなかったが、JR西日本直営化後は窓口営業時間内であれば、みどりの窓口でe特急券などマルス発券でのきっぷの受取が可能となった。ただし、EX-ICサービスでの入出場には対応していないため、博多駅でいったん改札を出場するか、博多南駅の窓口であらかじめEX予約サービスきっぷなどに引き換えのうえで、博多南線の特急券・乗車券と併用する形になる。
また、九州新幹線の各駅では、エクスプレス予約のきっぷの受取等や、EX-ICサービスによる利用および入出場は一切できない[注 7][25]。
EX予約サービスきっぷに引き換えずにEX-ICカードで新幹線に乗車し、九州新幹線の各駅(新鳥栖駅以南)や博多南駅で下車する場合、九州新幹線および博多南線区間は規定の通常運賃・座席料金の適用となったうえで各駅での精算証明扱いとなる[注 8]。またこの場合、東海道・山陽新幹線の各駅(東京駅~博多駅)にて精算証明を持参し出場処理を行うまで、EX-ICカードなどは利用できない[26]。
なお、JR西日本のe5489とJR九州列車予約サービスは一部の商品を除いて両社で相互受け取りが可能となっているほか、無割引であればJR東海各駅でもe5489で購入した東海道・山陽・九州新幹線を通しで乗り継ぐ特急券・乗車券を受け取ることができる。
2022年春ごろに九州新幹線にエクスプレス予約/スマートEXのきっぷの受取等や、EX-ICサービスによる利用も可能になり、東京~鹿児島中央の予約も可能になる。なお、2020年3月現在、九州新幹線でのサービス開始時におけるJQ CARDのエクスプレス予約対応版や同カードと紐付けのEX-ICカードの発行については発表されていない。
その他の新幹線路線での取り扱い
東海道・山陽新幹線区間をエクスプレス予約・EX-ICサービスにより利用し、東京駅でほかの新幹線路線(北海道、東北、上越、北陸など)と乗り継ぐ場合には、前項と同様にいったん改札外に出て再入場するほか、「IC乗車票」を発券して、JR東海・JR東日本間の新幹線連絡改札口を通過することもできる[27][注 9]。
沿革
- 2001年(平成13年)9月3日 - JR東海エクスプレス・カードにおいて、東京駅 - 新大阪駅の各駅間発着でのサービスを開始。
- 2005年(平成17年)12月10日 - サービスを山陽新幹線・新神戸駅まで拡大。このときは新神戸駅にJR東海仕様の受取専用機が設置された。
- 2006年(平成18年)7月22日 - 山陽新幹線全区間にサービスが拡大。同時に、J-WESTカード(「エクスプレス」限定)でも東海道新幹線全区間での同等のサービス利用が可能となる。同時に新神戸駅の受取専用機もJR西日本仕様に改修(外装デザインや用紙の地紋、発行会社番号の変更、JR西日本5489サービスに対応)された。
- 2008年(平成20年)3月29日 - EX-ICサービス(仮称の段階ではエクスプレス予約ICサービス)を東海道新幹線で開始(個人会員のみ)。
- 2009年(平成21年)8月29日 - EX-ICサービスを山陽新幹線にも導入(この時点では、小倉・博多両駅では直接改札口でのみ利用可能)、また法人会員向けにも拡大。
- 2009年(平成21年)12月5日 - この日の予約分からEX-IC早特での最大3列車までの乗継サービスを開始、設定区間を拡大。TOICA機能付きEX-ICカードの発行受け付け開始[28]。
- 2011年(平成23年)3月12日 - 小倉・博多両駅において、JR九州の在来線連絡改札口でも、EX-ICサービスが利用可能になった。
- 2012年(平成24年)7月21日 - 山陽新幹線区間(新大阪 - 博多)での「みずほ」「さくら」「つばめ」でも、エクスプレス予約(EX-ICサービスを含む)が利用可能になった(九州新幹線区間(博多 - 鹿児島中央)を含む利用、および山陽新幹線区間での前述3列車におけるグリーンプログラム(蓄積ポイントによるグリーン車への「アップグレード」)や早割サービス(EX-IC早特など)の利用は、引き続き対象外となっている)[5]。
- 2012年(平成24年)10月9日 - 手持ちのクレジットカードでEX-ICサービスが利用可能になる、プラスEXサービスを開始(ただし、東海道新幹線(東京-新大阪)のみが対象)。
- 2017年(平成29年)
スマートEX
スマートEXは、東海旅客鉄道および西日本旅客鉄道が運営するWeb会員制予約サービス・乗車サービスで、2017年9月30日からサービスを開始した[1][2][3]。
スマートEXの取り扱い商品は「スマートEXサービス」「スマートEXサービス(往復割引)」の2種があるが、いずれも「スマートEXウェブサイト」から予約手続きを行う[1][3]。
EX-ICサービスでは会員登録にあたり、決済用のクレジットカードとして「JR東海エクスプレス・カード」「J-WESTカード(エクスプレス)」といったJR東海・JR西日本のハウスカード等指定のクレジットカードを用意する必要があったが、スマートEXサービスではVisa・MasterCard・JCB・Amex・Dinersのいずれかの国際ブランドを持つクレジットカードを所持していれば会員登録が可能となっている。デビットカードも国際ブランドのカードなら決済用として一部使用可能なカードがある。例えば三菱UFJVISAデビットや住信SBIネット銀行が発行するミライノデビットは登録可能だが、大手の銀行が発行するデビットカードでも三井住友銀行のSMBCデビットは登録不可であるのでデビットカードを使う時は注意を要する。乗車用の専用ICカードは発行されないが、本サービスに対しSuica、ICOCAやPASMOなどの交通系ICカード全国相互利用サービス対応乗車カードを登録することで、会員1人での利用についてはEX-IC同様にそれらのカードにて改札が可能になる[注 10]。また、利用人数に関わらずEXサービス対応の指定券発券機に決済に使用したクレジットカードを挿入してきっぷを発券できる。また、これらの仕様のためEX予約、プラスEXに登録されているクレジットカードは利用できない。
EX-ICサービスのような年会費が発生しない代わりに、乗車券・特急券の販売価格は基本的に「駅窓口での販売額相当」となっており、指定席は駅窓口販売額の200円引き、自由席は無割引となっている。例として、東京駅 - 新大阪駅間で「のぞみ」を利用した場合、
- EX-IC 普通車指定席 13,620円、グリーン車 18,480円(通年同額)
- スマートEX 普通車指定席 14,520円、グリーン車 19,390円(指定席は、繁忙期200円増し、閑散期200円引き、グリーン車は通年同額)
と、販売価格に差が生じる。また本サービスの利用は、一部の交通系ICカードで設定されているポイントプログラムの対象外である。
新幹線相互駅間以外の乗り継ぎによる運賃の取り扱いはEX-ICサービスに準じ、特定都区市内制度は適用されない。また、エクスプレス予約用早得商品も一部設定除外日[29](ゴールデンウィーク・お盆・年末年始の一定期間)を除いてスマートEXにも設定されるが、設定除外日の範囲がエクスプレス予約より多い。
新在乗継もそのまま利用可能であるが、在来線部分での注意事項については#IC乗継サービスが可能な駅を参照。
モバイルSuicaの利用
本サービスはJR東日本のモバイルSuicaの利用登録に対応しているが、次の制限事項がある[30]。
- モバイルSuicaとEX-ICカードを組み合わせての利用ができない。
- モバイルSuicaを利用する場合には、それだけを単独利用のうえで在来線と新幹線を利用する必要がある。
- 交通系ICカードとモバイルSuicaを組み合わせての利用ができない。
- 在来線を交通系ICカードで入場した場合にはこれとモバイルSuica(新幹線部分)は併用できず、EX-ICカードと組み合わせる必要がある。
沿革(スマートEX)
- 2017年9月30日 - スマートEXのサービス群を開始[3]。
脚注
注釈
- ^ サイバーステーションはISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のサービスであり、無割引である上に月額料金が別途かかるだけでなく、他のISP経由からでは接続できない。他に、2013年1月31日まではプッシュホン予約も取り扱っていたが廃止されている[11]。
- ^ 東京 - 新大阪間をe特急券で利用する場合、自由席特急券との差額は50円。
- ^ なお、Suica・ICOCA・SUGOCAの各エリアに関しては、例:Suicaの首都圏エリア内の駅 - 仙台エリア内の駅のように、同一ブランドでも地域エリアをまたいでの利用もできない
- ^ 実際は「ビュー・エクスプレス特約」申込完了後、エクスプレス予約側で申込情報が登録され次第、会員証到着前であってもモバイルSuicaで利用登録ができ、エクスプレス予約のサービス利用は可能である。
- ^ 1回の予約操作で最大6名(大人・子供あわせて)までの全員が同区間を移動する場合に予約が可能
- ^ JR西日本が管轄する上越妙高駅 - 金沢駅間も含む。
- ^ 同様に、JR東海、JR西日本以外の他社の窓口(JR北海道、JR東日本、JR四国(EX予約対応受取機を設置している高松駅を除く)、JR九州)でもエクスプレス予約のきっぷの受取等はできない。
- ^ なお、博多南駅の窓口は常時営業ではない。
- ^ なお、九州新幹線とは異なり、同一コンコース(同一改札エリア)には停車しないため、EX-ICの入出場処理は通常の場合であれば、常に行われる。
- ^ なお、新幹線入出場時は乗車カードとしてではなく(本サービス利用者の)IDカードとして機能するため、在来線と乗り換えをする場合を除き、乗降履歴は乗車カードに残らない(書き込みされない)。
出典
- ^ a b c [1]
- ^ a b [2]
- ^ a b c d 「スマートEX」サービス開始~平成29年9月30日(土)、新幹線のネット予約がもっと気軽に!~ - 東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道 2017年8月25日
- ^ 日経ビジネスOnline 新幹線乗客の約2割が使うJR東海「エクスプレス予約」(2007年7月26日) 2009年11月21日 閲覧.
- ^ a b c d 【会員の皆様へ】エクスプレス予約における山陽新幹線区間(新大阪 - 博多)での「みずほ」「さくら」「つばめ」の取扱いについて 2012年9月1日 閲覧.
- ^ "EXサービスの九州新幹線へのサービスエリア延伸について" (PDF) (Press release). 東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道・九州旅客鉄道. 25 October 2019. 2019年10月25日閲覧。
- ^ https://expy.jp/faq/category/detail/?id=32
- ^ エクスプレス予約 FAQ(よくある質問) 乗車券はどのように買うのが便利ですか? 2009年11月21日 閲覧.
- ^ “【会員の皆様へ】エクスプレス予約の一部サービスの終了及びきっぷ受取時の入力内容の変更について”. EXPRESS予約 TOPIX. 2013年10月11日閲覧。
- ^ エクスプレス予約 FAQ(よくある質問) 在来線の特急に乗り継ぐ場合、「乗継割引」は適用されますか? 2009年11月21日 閲覧.
- ^ "プッシュホン電話予約・空席照会サービスの終了について" (Press release). 東海旅客鉄道. 16 November 2012. 2015年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月5日閲覧。
- ^ "在来線特急等のネット予約サービスについて" (PDF) (Press release). 東海旅客鉄道. 19 December 2018. 2018年12月20日閲覧。
- ^ "九州行くなら、新幹線~「エクスプレス予約」「スマートEX」で、福岡・太宰府へ~" (PDF) (Press release). 東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道・西日本鉄道. 29 October 2019. 2019年10月29日閲覧。
- ^ ICサービスで都市間の移動がさらに便利に! - JR東海ニュースリリース 2007年12月21日付(2008年3月31日時点のアーカイブ)
- ^ 新幹線のチケットレスサービス「EX‐IC」がいよいよ東海道・山陽新幹線全線でご利用可能に! - JR東海ニュースリリース 2009年5月28日付 2009年11月21日 閲覧.
- ^ 青春18きっぷや磁気情報のないきっぷ(うらが白いきっぷ)など自動改札機が使えないタイプから乗り継ぐ場合は有人改札でEX-ICカードとともに駅員に渡して発行してもらう。
- ^ 【重要なお知らせ】 iPhone 7、iPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2に関するご案内
- ^ a b 【お知らせ】平成29年10月23日(月)より「Apple PayのSuica」でエクスプレス予約がご利用いただけるようになります。
- ^ EX-IC運賃ナビ 2009年11月21日 閲覧.
- ^ a b 「エクスプレス予約」のサービス充実について~平成29年9月2日(土)より、「エクスプレス予約」はさらに便利に!~(2017年6月28日) - JR東海ニュースリリース 2017年7月6日閲覧 (PDF)
- ^ 東海道・山陽新幹線「エクスプレス予約」がApple PayのSuicaに対応,ケータイ Watch,2017年10月13日
- ^ EX早特21値段表
- ^ 新幹線のチケットレスサービス「EX-ICサービス」がいよいよ東海道・山陽新幹線全線でご利用可能に!(2009年5月28日) - JR西日本ニュースリリース 2009年11月21日閲覧.(2009年6月12日時点のアーカイブ)
- ^ https://expy.jp/topics/detail/?id=8
- ^ https://expy.jp/reservation/geton_ticket/
- ^ https://expy.jp/faq/category/detail/?id=108
- ^ https://expy.jp/faq/category/detail/?id=67
- ^ エクスプレス予約 EX-ICサービスのご利用条件-EX-ICカードとは 2009年11月21日 閲覧.
- ^ 前述のEX-ICサービスと同一日とは限らない(2018年度の場合、EX-ICサービスは5月3日~6日、8月11・12日、12月28日~翌年1月4日の14日間だが、スマートEXは4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日の30日間が設定除外日となる。)
- ^ https://expy.jp/product/card/mobile/attention/
関連項目
外部リンク
- エクスプレス予約
- スマートEX
- スマートEX公式サイト(JR東海・JR西日本)
- スマートEX公式 (@smartEX_JR) - X(旧Twitter)