ザ・ビートルズ1
『ザ・ビートルズ1』 | ||||
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ビートルズ の ベスト・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1962年9月11日- 1970年4月11日 | |||
ジャンル |
ロック ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル |
アップル・レコード 東芝EMI(現・ユニバーサル・ミュージック(日本国内) | |||
プロデュース |
ジョージ・マーティン フィル・スペクター(「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」のみ) ジャイルズ・マーティン(2015年版) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
ARIAチャート、オリコン) | ||||
ゴールドディスク | ||||
アーティスト・オブ・ザ・イヤー(洋楽部門) ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー | ||||
ビートルズ アルバム 年表 | ||||
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『ザ・ビートルズ1』(ザ・ビートルズ・ワン、原題:1)は、2000年に発売された、ビートルズのシングルヒット曲をまとめたベスト・アルバムである。2015年11月には音源がジャイルズ・マーティンによって最新ミックスが施され、また初のミュージック・ビデオ集が付いた作品も発売となった(全8形態)。
解説
発売当時(2000年)、解散から丁度30年になるビートルズの楽曲の中から、イギリスで(後にUKオフィシャルチャートに併合される)ミュージック・ウィーク(Music Week)誌とアメリカのビルボード誌の両方、もしくはどちらかの国で1位になった曲を収録したベストアルバム。日本のオリコン総合チャートではシングルでの1位獲得曲はない(1968年に発売された『ヘイ・ジュード』の5位が最高位)。
24 bit デジタルリマスタリングが施され、1987年既発売のビートルズ楽曲のCD音源よりも高域と低域の分離強調及びノイズ低減が図られ、現代的なサウンドを意識した仕上がりとなっている。 全27曲入りの大作であり、収録時間もほぼCDの限界容量(80分)いっぱいの79分超えとなっており、限定発売されたアナログLP盤は2枚組となっている。
2000年の最初の発売時には、発売後最初の第1週目だけで360万枚を売り上げ、2002ギネス・ワールド・レコードでは、最も早く売れたアルバムとして紹介されている。発売からわずか3週間で全世界で計1200万枚以上を売り上げた。2022年現在では、全世界で3200万枚を突破し[1]、ロングセラーとなっている。
2000年度(2000年4月1日〜2001年3月31日)のEMIグループの全世界でのアルバム売上では2160万枚を記録し第1位にランクインされている[2]。
全英アルバムチャートでは、9週連続1位を獲得した[3]。アメリカ合衆国のチャートであるビルボード誌においては、ビートルズとして初のアルバム年間チャート1位(Billboard 200)となり、ニールセン・サウンドスキャン社の集計においては、2000年代のアメリカで最も売れたアルバムとなった。
全世界同時発売であったため、オリコンチャートの集計上不利になる月曜日発売[注 1](通例では、日本国内でCDは水曜日発売が一般的)にも拘らず、初動売上は約23万枚を記録し2位、発売2週目には約47万枚を売り上げ、1977年の『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』以来、約23年ぶりの1位を獲得し、自身3作目(最初のオリコン1位獲得アルバムは1973年に発売された『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』)のオリコンアルバムチャート1位獲得作品となった。日本国内では、輸入盤を含めた売り上げ枚数が320万枚を超えており[1](2022年現在)、ビートルズの日本で発売されたアルバムとしては現在、最大の売上枚数を記録している。
2011年に2009年世界一斉発売のビートルズ全楽曲へのデジタルリマスター盤を音源にして再発売が行われた。 その後、2015年11月6日には、ジャイルズ・マーチンにより大幅なリミックスが行われ、ビートルズとしては初となるミュージック・ビデオ集[注 2]と合体させた形式で再々発売された。楽曲のリミックスはマルチ・テープまで遡って作業されており、ステレオ定位を大幅に変化させている[注 3]。ミュージック・ビデオはCDに収録されている27曲、そして『1+』と名付けられた限定盤のデラックス・エディションには、これ以外の曲も含めた23曲のボーナス・ビデオが収録された形での発売が行われた[4][5]。ジャケットはオリジナルが赤地に黄色い「1」であるのに対して、映像集との合体版ではこれが逆になり、黄色地に赤い「1」、デラックス・エディションは赤地に青い「1+」というデザインになっている。
この2015年版もオリコン・アルバム総合チャートで1位を獲得。同一アルバムで15年ぶりのチャート1位、なおかつ2000年発売のオリジナル盤ではできなかった「初登場1位」を達成した。ビートルズとしてはオリコン通算4作目(3タイトル)の1位で、初登場1位となると、『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』以来38年ぶりの記録となった。
収録曲
- 特筆無い限りレノン=マッカートニーの作詞作曲。
- ラヴ・ミー・ドゥ - Love Me Do (Andy White ver.)[注 4]
- フロム・ミー・トゥ・ユー - From Me to You[注 5]
- シー・ラヴズ・ユー - She Loves You[注 6]
- 抱きしめたい - I Want to Hold Your Hand
- キャント・バイ・ミー・ラヴ - Can't Buy Me Love
- ア・ハード・デイズ・ナイト - A Hard Day's Night
- アイ・フィール・ファイン - I Feel Fine
- エイト・デイズ・ア・ウィーク - Eight Days a Week
- アナログ盤ではこの曲までがA面となる。
- 涙の乗車券(ティケット・トゥ・ライド) - Ticket to Ride
- ヘルプ! - Help!
- イエスタデイ - Yesterday
- デイ・トリッパー - Day Tripper[注 7]
- 恋を抱きしめよう - We Can Work It Out
- ペイパーバック・ライター - Paperback Writer
- イエロー・サブマリン - Yellow Submarine
- エリナー・リグビー - Eleanor Rigby
- アナログ盤ではこの曲までがB面となる。
- ペニー・レイン - Penny Lane
- 愛こそはすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ) - All You Need Is Love
- ハロー・グッドバイ - Hello, Goodbye
- レディ・マドンナ - Lady Madonna
- ヘイ・ジュード - Hey Jude
- アナログ盤ではこの曲までがC面となる。
- ゲット・バック - Get Back (single ver.)[注 8]
- ジョンとヨーコのバラード - The Ballad of John and Yoko[注 9]
- サムシング - Something (Harrison)
- カム・トゥゲザー - Come Together
- レット・イット・ビー - Let It Be (single ver.)
- ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード - The Long and Winding Road
ボーナス・ビデオ『1+』
- ツイスト・アンド・シャウト - Twist and Shout (Medley-Russell)
- ベイビー・イッツ・ユー - Baby It's You (David-Bacharach-Williams)
- ワーズ・オブ・ラヴ - Word of Love (Holly)
- プリーズ・プリーズ・ミー - Please Please Me
- アイ・フィール・ファイン - I Feel Fine
- デイ・トリッパー - Day Tripper
- デイ・トリッパー - Day Tripper
- 恋を抱きしめよう - We Can Work It Out
- ペイパーバック・ライター - Paperback Writer
- レイン - Rain
- レイン - Rain
- ストロベリー・フィールズ・フォーエバー -Strawberry Fields Forever
- ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー / トゥモロー・ネバー・ノウズ - Within You Without You/Tomorrow Never Knows (Harrison-Lennon-McCartney)[注 10]
- ア・デイ・イン・ザ・ライフ - A Day in the Life
- ハロー・グッドバイ - Hello, Goodbye
- ハロー・グッドバイ - Hello, Goodbye
- ヘイ・ブルドッグ - Hey Bulldog
- ヘイ・ジュード - Hey Jude
- レボリューション - Revolution
- ゲット・バック - Get Back (Let it Be... Naked ver.)
- ドント・レット・ミー・ダウン - Don't Let Me Down
- フリー・アズ・ア・バード - Free As a Bird (Lennon/Lennon-McCartney-Harrison-Starr)
- リアル・ラヴ - Real Love (Lennon)
脚注
注釈
- ^ ただし、日本では店頭売りは11月10日の金曜日から行われていた。この後、日本でもビートルズの公式音源盤の新発売に際しては、内容の公式盤未発表・既発表の如何を問わず、発売日当日の店頭発売を厳守することになったため、『レット・イット・ビー...ネイキッド』以降は「早売り(フラゲ)」はされなくなる。
- ^ DVDとブルーレイ・ディスクの2規格形態を追加して再々発売された。CD・DVD・ブルーレイ・レコード単品の形態も含めると全部で8形態
- ^ ただし、「ラヴ・ミー・ドゥ」「フロム・ミー・トゥ・ユー」「シー・ラヴズ・ユー」の3曲は従来通りモノラルのままで収録。また、ステレオ定位がほとんど変わっていない曲もある。
- ^ モノラル録音。ドラムをアンディ・ホワイトが担当したテイク。発売当初の日本語ライナー・ノートには誤ってリンゴがドラムを叩くテイクと表記されていたが、2011年発売のリマスター盤でこの誤記は修正された。
- ^ リアル・ステレオ・ヴァージョンも存在するが、今作にはモノラル・ヴァージョンが収録されている。リアル・ステレオ・ヴァージョンは2009年9月9日発売のリマスター盤『パスト・マスターズ』にて初CD化。
- ^ モノラル録音。
- ^ 本作収録のヴァージョンは新たに作られたもので、それまで曲の間奏で一瞬音が途切れる所があったのを修正している。アメリカで制作されたジュークボックス用の7インチシングル盤に収められているヴァージョンに近い。
- ^ 本作収録のシングル・ヴァージョンは日本と米国のシングル盤に収録されたステレオ録音によるシングル・ヴァージョン。英国シングル盤では、モノラル録音のバージョンが収録されており、ビートルズが出した最後のモノラル録音シングルとなっている。
- ^ 本作収録のシングル・ヴァージョンはフェイドアウトしない。初CD化。
- ^ リミックス・アルバム『LOVE』に収録されている楽曲で「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」に「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のドラムをオーバー・ダビングしたもの。
出典
- ^ a b 特集ワイド:ビートルズ、デビュー50周年 不変の青春性、リアルタイムな響き、『毎日新聞』2012年3月19日付東京夕刊。
- ^ EMI Has Something to Prove on Its Own、ロサンゼルス・タイムズ、2001年6月11日。
- ^ ChartArchive - The Beatles - 1
- ^ “「ザ・ビートルズ1」27曲がレストア映像付き最新ミックスでBD化。映像50本の「1+」も”. AV Watch (株式会社インプレス). (2015年9月16日) 2018年11月24日閲覧。
- ^ “ビートルズ初「ベスト&MV集」11・6世界一斉発売 50年を経て4Kで蘇る”. ORICON NEWS (オリコン). (2015年9月15日) 2018年11月24日閲覧。
(2000年11月27日付・2015年11月16日付:通算2週) |
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