ミューズ (バンド)

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Muse
左からドミニク・ハワード, マシュー・ベラミー,クリス・ウォルステンホルム(2010年)}
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランドデボン州
ジャンル オルタナティヴ・ロック
ネオ・プログレ
シンフォニック・ロック
プログレッシブ・メタル
活動期間 1994年 -
レーベル ワーナー・ブラザーズ・レコード
Helium 3
Taste Media
Mushroom Records
公式サイト Muse.mu
メンバー
マシュー・ベラミー
クリス・ウォルステンホルム
ドミニク・ハワード
マシュー・ベラミー

ミューズMuse)は、イギリスロックバンド

1994年デヴォン州ティンマス英語版で結成。現在までに6枚のスタジオ・アルバムを発表。グラミー賞のノミネート3回(うち受賞1回)、全世界でのセールスは1500万枚以上を数える[1]

来歴[編集]

結成からデビュー[編集]

1990年代初頭、イングランド南西部の「音楽以外に楽しめるものが何もなかった」という田舎町、ティンマスで結成される。メンバーはマシュー・ベラミークリス・ウォルステンホルムドミニク・ハワードの3人。それまで彼らは同じ学校に通いながら別々に活動していたが、ドミニクのバンドにマシューがギタリストとして加入し、後にクリスが参加した。結成当初は「Gothic Plague」と名乗り、現在とは大きく異なるファンク系のロックをやっていたという[2]。その後、ゴシック/グラム的要素を含んだ音楽性に変更し、1994年に「Rocket Baby Dolls」と改名。地元のバンドコンテストで優勝したことがきっかけでプロを目指すことを決意。同時にティンマスを離れ、バンド名も「ミューズ」に改めた。

以後、数年はロンドンマンチェスターでライヴ活動を行う。1998年、マネジメント企業に誘われて行ったニューヨークロサンゼルスでの小さなギグが契機となり、大手のレーベルと契約。2枚のEPを出した後、1999年ジョン・レッキーのプロデュースでデビュー・アルバム『ショウビズ』を制作。作風の類似性からレッキーが過去に手がけたレディオヘッドと比較される一方で、全英アルバムチャートで29位を記録。NMEアワーズの新人賞を受賞した。

2000年代[編集]

2000年秋から新しいアルバムのレコーディングに着手したミューズは、シンセサイザーを積極的に取り入れる一方、ベースにエフェクトを掛けて音を太くし、多重録音でギターを重ねあわせることで独特の音楽性を確立。2001年に発表された2ndアルバム『オリジン・オブ・シンメトリー』は、好評をもって受け入れられ全英チャート3位を記録。

続く2003年の『アブソルーション』では前作のスタイルを踏襲し、「過剰なまでの轟音ギターのアンサンブルと切なく鋭いヴォーカル」[3]をより推し進めたサウンドを展開。「エピック・ロック(壮大なロック)」と形容された。発売初週の売上は前作の倍を記録し、全英初登場1位[4]イギリスを含むヨーロッパ全土で100万枚を売り上げ、初めてチャートインしたアメリカでもゴールドを獲得、全世界トータル売上は300万枚を超える大ヒットとなった。また、ブリット・アワーズでは最優秀アルバム、最優秀ロック・アクトなど4部門にノミネートされるなど、音楽賞でも話題をさらった。

2004年には欧州最大のフェス、グラストンベリー・フェスティバルの大トリをポール・マッカートニーオアシスとともに務める。マシューが「これまでで最高の瞬間だった」と語るライヴは大成功に終わり、後に映像作品としてリリースされたが[5]、その陰では同日のライヴを観に来たドミニクの父親が心臓発作で亡くなるという悲劇も起きていた[6]。同年には世界ツアーを展開し、夏にはクリスが手首を故障した際も急遽4人目のメンバーを入れて乗り切った[7]。ライヴバンドとしての評価も高まり、2005年にはブリット・アワーズとNMEアワーズで「最優秀ライヴ・バンド」に選ばれた。

2006年には4thアルバム『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』を発表。先行シングルの「スーパー・マッシヴ・ブラックホール」はダンス色を帯び、イラク戦争など初めて政治的なテーマにも触れるなど、メンバー自らが「過去の作品に比べて異色」と語る幅広い内容に仕上がった[8]。初登場全英1位を記録。同年、レディング&リーズ・フェスティヴァルにヘッドライナーとして出演し、メタリカ、レディオヘッド、コールドプレイらを抑えてUKフェスティヴァル・アウォーズ最優秀ヘッドライン・アクトを受賞。また、サマーソニックにも6年ぶりに参加した[9]

2007年には、2年連続でブリット・アワーズの「最優秀ライヴ・バンド」を受賞。6月には改修されたばかりのロンドンウェンブリー・スタジアムにてライヴを行い、チケットは即完売、2日間で約16万人を動員した[10]。このライヴの模様は翌年にライヴ盤『HAARP』としてリリースされた。同年にはヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを周り、マディソンスクエアガーデンで公演を行ったほか、フジロック・フェスティバルにも出演した。

2008年は一転してライヴ活動を控え、Teenage Cancer TrustやVフェスティヴァルへの散発的な出演を行う一方、イタリアコモ湖付近のスタジオにて新作の制作に着手[11]。同時期のインタビューでは、オーケストラを取り入れた長尺のスペース・ロックに取り組んでいることが明かされた。

2009年9月、5thアルバム『ザ・レジスタンス』を発表。初のセルフ・プロデュースとなった同作は、クイーン等の70年代ロックを思わせる曲、シンセポップ風のアレンジ、中近東風の旋律、オーケストラを主体にした組曲など、様々な要素を取り込んだ意欲作となった。同月には故郷ティンマスで凱旋公演を行い2日間で3万人を動員し、10月にはイギリス『Q』マガジンの選ぶ「ベスト・ライブ・アクト・イン・ザ・ワールド・トゥデイ(現在活躍する世界最高のライブ・バンド)」に選ばれた[12]

2010年代[編集]

2010年には、『ザ・レジスタンス』の発売に伴い、日本武道館公演を含む、来日アリーナ・ツアーを行った。また、アメリカコーチェラ・フェスティバルドイツのROCK AM RING/ROCK IM PARK、40周年を迎えたイギリスのグラストンベリー・フェスティバル、スコットランドT in the Park、日本のフジ・ロック・フェスティバルなど世界各地の大規模なフェスティバルにてヘッドライナーとして出演。さらに、約3年ぶりのウェンブリー・スタジアム2日間公演に加え、スイスイタリアフランススペインでのスタジアム公演も行った。

2012年には新曲の『サヴァイヴァル』がロンドン五輪公式ソングに選ばれ、メンバーも聖火リレーに参加[13]。同年10月には6作目となるアルバム『ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則』がリリースされた。タイトルにもある熱力学第二法則に触発された同作は[14]、4作連続となる全英1位を記録した[15]。同年10月には日本のお笑い芸人鉄拳YouTube上で公開していたパラパラマンガ「振り子」を「エクソジェネシス(脱出創世記):交響曲第3部(あがない)」(5thアルバム『ザ・レジスタンス』収録)のオフィシャル・ビデオに採用した[16]。また2013年4月に公開された『THE 2ND LAW』収録曲の「Panic Station」のミュージックビデオは全編日本(渋谷センター街、のんべえ横丁、新宿歌舞伎町など)で撮影され、メンバー自身がアイディア・撮影・プロデュース・編集まですべて監修したものとなっている[17]

メンバー[編集]

サポートメンバー[編集]

  • モーガン・ニコルズ (Morgan Nicholls) - キーボード、シンセサイザー、パーカッション、コーラス (2004年、2006年-)
    • 2004年には負傷したクリスの代わりにベーシストを務めている。
  • ルケコ (Rukeco) - ヴァイオリン、チェロ、DJ、音響総括 (2013年-)


ディスコグラフィ[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

タイトル オリジナルタイトル 発売年
ショウビズ Showbiz 1999
オリジン・オブ・シンメトリー Origin of Symmetry 2001
アブソルーション Absolution 2003
ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ Black Holes and Revelations 2006
ザ・レジスタンス The Resistance 2009
ザ・セカンド・ロウ〜熱力学第二法則 The 2nd Law 2012

ライヴ・アルバム[編集]

タイトル オリジナルタイトル 発売年
ハープ HAARP 2008
ライヴ・アット・ローマ・オリンピック・スタジアム Live At Rome Olympic Stadium 2013

コンピレーション・アルバム[編集]

タイトル オリジナルタイトル 発売年
ハラバルー・サウンドトラック Hullabaloo Soundtrack 2002

EP[編集]

タイトル オリジナルタイトル 発売年 備考
ミューズEP Muse EP 1998
マッスル・ミュージアムEP Muscle Museum EP 1999
ランダム 1-8 Random 1-8 2000 日本限定
エクソジェネシス・シンフォニー EP Exogenesis Symphony EP 2010 アメリカ限定、Vinyl'12

シングル[編集]

タイトル オリジナルタイトル 発売年 備考
ウノ Uno 1999
ケイヴ Cave
マッスル・ミュージアム Muscle Museum
サンバーン Sunburn 2000
アンインテンディッド Unintended
プラグ・イン・ベイビー Plug In Baby 2001
ニュー・ボーン New Born
ブリス Bliss
ハイパーミュージック/フィーリング・グッド Hypermusic/Feeling Good
デッド・スター/イン・ユア・ワールド Dead Star/In Your World 2002
ストックホルム・シンドローム Stockholm Syndrome 2003
タイム・イズ・ランニング・アウト Time Is Running Out
ヒステリア Hysteria
シング・フォー・アブソルーション Sing For Absolution 2004
アポカリプス・プリーズ Apocalypse Please
バタフライズ・アンド・ハリケーンズ Butterflies And Hurricanes
スーパーマッシヴ・ブラック・ホール Supermassive Black Hole 2006
スターライト Starlight 映画『ツーリスト』主題歌
ナイツ・オブ・サイドニア Knights Of Cydonia
インヴィンシブル Invincible 2007
マップ・オブ・ザ・プロブレマティック Map Of The Problematique
アップライジング Uprising 2009 映画『ナイト&デイ』予告編挿入歌 (日本語版のみ)
アンディスクローズド・ディザイアーズ Undisclosed Desires
レジスタンス Resistance 2010
ニュートロン・スター・コリジョン (ラヴ・イズ・フォーエバー) Neutron Star Collision (Love is Forever) エクリプス/トワイライト・サーガ』挿入歌
サヴァイヴァル Survival 2012 2012年ロンドンオリンピック公式ソング
マッドネス Madness
フォロー・ミー Follow Me
スプレマシー Supremacy 2013
パニック・ステーション Panic Station

映像作品[編集]

タイトル オリジナルタイトル 発売年 形式
ハラバルー 〜ライヴ・アット・ル・ゼニス〜  Hullabaloo -Live At Le Zenith -Paris 2002 DVD
ライヴ・フロム・アブソルーション・ツアー Absolution Tour 2005 DVD
ハープ HAARP 2008 DVD
ライヴ・アット・ローマ・オリンピック・スタジアム Live At Rome Olympic Stadium 2013 DVD・BD

日本公演[編集]

3月1日 渋谷ON AIR WEST
SUMMER SONIC 00』 8月5日 富士急ハイランド・コニファーフォレスト、6日 WTCオープンエアスタジアム
10月10日 名古屋CLUB QUATTRO、11日 心斎橋CLUB QUATTRO、12日 大阪BIG CAT、14日 赤坂BLITZ、15日 渋谷CLUB QUATTRO
7月11日 心斎橋CLUB QUATTRO、13日 名古屋CLUB QUATTRO、15日 Zepp Tokyo
11月28日,29日 Zepp Tokyo、30日 ボトムライン、12月2日 大阪IMPホール
Fuji Rock Festival 02』 7月26日 苗場スキー場
2月7日 東京ベイNKホール、8日 SHIBUYA-AX、9日 CLUB DIAMOND HALL、11日 なんばHatch、12日 心斎橋CLUB QUATTRO、13日 Zepp Fukuoka、14日 広島CLUB QUATTRO
SUMMER SONIC 06』 8月12日 WTCオープンエアスタジアム、13日 千葉マリンスタジアム
3月10日,11日 STUDIO COAST、12日 東京国際フォーラム・ホールA、14日,15日 Zepp Osaka、16日 Zepp Fukuoka、18日 Zepp Sendai、19日 Zepp Nagoya
Fuji Rock Festival 07』 7月27日 苗場スキー場
1月9日 大阪城ホール、11日 愛知県体育館、12日 日本武道館
Fuji Rock Festival 10』 7月30日 苗場スキー場
1月11日,12日 さいたまスーパーアリーナ
SUMMER SONIC 13』 8月10日 舞洲サマーソニック大阪特設会場、 11日 QVCマリンフィールド
8月13日 Zepp DiverCity

脚注[編集]

  1. ^ Video: Muse song Survival unveiled as the official London 2012 Olympic theme tune The Telegraph 2012年7月28日
  2. ^ ミューズ、かつてファンク・バンドをやっていたのは黒歴史だったと語る。新作のジャケット写真も公開 ro69.jp 2012年7月31日
  3. ^ 最新アルバム好調のミューズ、新作引っさげ来日決定 barks 2003-10-30
  4. ^ 英チャート、シングルはブラック・アイド・ピーズが4週連続、アルバムはミューズが初登場1位 barks 2003-09-30
  5. ^ 2006/01/20掲載 cdjournal 2006/01/20掲載
  6. ^ ミューズ、グラストン・フェスと父の死を振り返る barks 2004-09-06
  7. ^ ミューズ、4人でフェスティヴァルに登場 barks 2004-08-23
  8. ^ ミューズ、新作を語る barks 2006-03-16
  9. ^ <SUMMER SONIC 06>ミューズ、“アリーナ・バンド”の貫禄を見せ付けた凱旋公演 barks 2006-09-04
  10. ^ 16万人を絶頂に!ミューズのウェンブリー公演 ro69.jp 2007年6月18日
  11. ^ ミューズ、間もなくニュー・アルバムの制作をスタート barks 2008-08-28
  12. ^ ミューズのライブ特番 放送決定! ro69.jp 2009年12月8日
  13. ^ ミューズ、オリンピック公式ソングに barks 2012-06-28
  14. ^ ミューズ、ニューアルバム『THE 2ND LAW』は熱力学第2法則にインスパイア? barks 2012-06-07
  15. ^ 英アルバム・チャート、ミューズが1位に barks 2012-10-08
  16. ^ 鉄拳のパラパラアニメ「振り子」が、ミューズ公認のビデオクリップに musicman-net 2012年10月30日
  17. ^ MUSEが最新シングル『Panic Station』のMVを公開!バンド初のセルフ・プロデュースのMVは、なんと全編日本で撮影され、あのロボット・レストラン内部での撮影も! 激ロック 2013年4月23日

外部リンク[編集]