軍用機事故の一覧

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軍用機事故の一覧(ぐんようきじこのいちらん)では、軍用機平時の訓練や航空ショーなどで起した事故の概要を紹介する。

各事故について、1) 事故日 (現地時間)、2) 所属と使途、3) 機種と製造元、4) 犠牲者数、5) 事故発生地、6) 事故の状況、7) 原因、を簡略にまとめた。ただし特筆に値する事故や事件、また軍用機事故に関連した特に興味深い事実などがある場合はこれを詳述した。

なお、

それぞれ参照されたい。

1930年代

日時 所属 機種 死者 状況
1935年4月7日 日本海軍
水上機母艦神威
演習機1機
(機種不明)
1名死亡 福岡県福岡市中島町上空を飛行中の演習機1機が機体の故障により自転車工場に墜落。搭乗者の河合芳郎三等航空兵曹が翌日死亡。
1937年6月17日 日本海軍
横須賀海軍航空隊
練習機2機
(機種不明)
8名死亡 横浜本牧沖東京湾上空を飛行中の練習機2機が接触して2機とも東京湾へ墜落。乗員全員死亡。

1940年代

1950年代

1960年代

  • 1962年3月17日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: ノースアメリカンF-86F戦闘機2機
    • 死者: 死者無し。
    • 状況: 築城基地から入間基地に向かっていた4機編隊が富士山山頂上空で猛烈な晴天乱気流に遭遇。急減速した衝撃のため、2機の燃料パイプが破損、エンジンの再始動が不可能になった。そのため、2機の操縦士は機体の放棄を決定。被害が出ないところまで誘導したうえで操縦士が脱出することにした。1機は小田原郊外の石垣山の山林に墜落した。もう1機は海まで誘導したうえで脱出したが、その後機体が運悪く大きく旋回して陸地に戻り、国鉄東海道本線国府津駅近くの住宅地に墜落。民家など5棟を破壊し線路に残骸が散らばったが人的被害は出なかった。これ以後、富士山上空の山岳波の存在が注目されることになった。
  • 1962年9月3日
    • 所属: 海上自衛隊
    • 機種: ロッキードP-2V
    • 死者: 搭乗員12名死亡 地元住民1名死亡
    • 状況: 手術に必要な血液を空中投下するため災害派遣された鹿屋基地所属のP2V対潜哨戒機が、空中投下のため低空飛行中に奄美市名瀬の蘭館山に衝突、乗員12名と地元住民1名の13名が死亡した災害派遣史上最悪の事故。現在までの災害派遣での殉職者のうち、およそ1/4がこの事故による。
  • 1963年3月2日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: ノースアメリカンF-86F
    • 死者: 死者1名。
    • 状況: 新田原基地所属のF-86F戦闘機4機が宮崎県の勲八山上空を編隊飛行中にそのうちの1機の主翼が突然根元から折れ、そのまま山中に墜落して大破。パイロット1名が死亡[1]
  • 1963年4月10日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: ロッキードF-104戦闘機
    • 死者: 死者1名。
    • 状況: 千歳基地所属のF-104F戦闘機1機が千歳基地を離陸直後に滑走路の南端約300mの畑に墜落。パイロットは即死した[2]
  • 1964年1月13日
  • 1964年5月11日
  • 1964年5月19日
  • 1964年8月21日午前10時頃
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: C-46輸送機
    • 死者: 死者なし、重軽傷者2名。
    • 状況: 岡山県岡山空港にて離着陸訓練を行っていた航空自衛隊のC-46輸送機が、その日3回目の同着陸への着陸を試みた際に主脚タイヤがパンク。これによりバランスを崩してそのまま滑走路から逸れ滑走路脇の草むらに突っ込んだ。機体停止後に右エンジンから火を噴き1時間半に渡って燃え続け機体は全焼。乗員4名はすぐさま避難したがうち2名が全治2ヶ月の火傷を負うなどした[5]
  • 1964年11月30日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: C-46
    • 死者: 死者なし
    • 状況: 午前10時06分頃、航空自衛隊美保基地所属のC-46輸送機が羽田空港のC滑走路へ着陸時に進入高度が低すぎたために滑走路手前のコンクリート防波堤に左車輪を接触。この衝撃で左車輪はもぎ取られてしまい輸送機はそのまま滑走路に胴体着陸して炎上。乗員12名は全員無事に避難したが機体はそのまま全焼した。この事故によりC滑走路は終日閉鎖された。
  • 1964年12月8日
    • 所属: アメリカ空軍
    • 機種: コンベア B-58A ハスラー
    • 死者: 1人死亡
    • 状況: インディアナ州バンカーヒル(後のグリソム)基地の凍結した誘導路上で走路を逸れ降着装置を損壊し炎上。積まれていた5発の核弾頭も燃えたものの汚染は比較的小規模にとどまった。
  • 1966年1月17日
    • 所属: アメリカ空軍
    • 機種: ボーイングB-52戦略爆撃機KC-135空中給油機
    • 死者: 4人が死亡(大規模な放射能汚染のため健康被害多数か)。
    • 状況:空中給油中に爆撃機が接触したため空中給油機が墜落、爆撃機は降下する際に水爆3発をスペインのパロマレス近くの地上に落下させ、1発を地中海に落下させてしまった。地上に落下した水爆2発の爆縮用通常火薬が爆発し放射能物質を撒き散らした。
    • 詳細: 「パロマレス米軍機墜落事故」を参照。
  • 1966年6月8日
    • 所属: アメリカ空軍
    • 機種: ロッキードF-104ノースアメリカンXB-70試作戦略爆撃機
    • 死者: 2人が死亡。
    • 状況: エドワーズ空軍基地近辺でゼネラルエレクトリック製エンジン搭載の軍用機を集めて同社の宣伝用フィルムを撮影する編隊飛行が行われていたが、撮影終了後にF-104戦闘機がXB-70試作戦略爆撃機の垂直尾翼に激突。F-104は空中爆発し、XB-70も操縦不能に陥り墜落。戦闘機と爆撃機のパイロット2名が死亡した。唯一XB-70の機長だけが脱出カプセルで生還した。
  • 1968年1月21日
    • 所属: アメリカ空軍
    • 機種: ボーイングB-52戦略爆撃機
    • 死者: 1人が死亡(大規模な放射能汚染のため健康被害多数か)。
    • 状況:水素爆弾4発を搭載しチューレ空軍基地上空でアラート任務に就いていたB-52機内で火災が発生、機体はチューレ基地西方の氷上に墜落し搭載されていた水爆の爆縮用通常火薬が爆発、大規模な放射能汚染が生じた。2009年1月時点で1発の爆弾が完全に回収されていない。
    • 詳細: 「チューレ空軍基地米軍機墜落事故」を参照。
  • 1968年5月25日
  • 1969年2月8日

1970年代

  • 1971年7月16日
    • 所属: 海上自衛隊
    • 機種: ロッキードP2V-7
    • 死者: 乗員11人全員が死亡。
    • 状況: 早朝濃霧の中、航法訓練中の機が下総航空基地に着陸しようとした対潜哨戒機が滑走路から400m離れた民家近くの松の木に接触し右翼の予備燃料タンクが落下した。そのため、着陸を中止しパイロットが「操縦がやや困難なのでバランスをとるために左予備タンクを海上に落としたい」と連絡、海上に向かったが犬吠崎南西20km沖合いに墜落した。回収されたボイスレコーダーの解析から、機体制御を喪失して墜落したとされた。
  • 1973年6月23日
  • 1975年4月4日
  • 1978年1月10日
  • 1978年5月17日
  • 1978年9月8日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: ロッキードT-33
    • 死者: パイロット2名
    • 状況: 入間基地を離陸直後、機首にある機銃格納庫扉が突如開放。緊急着陸のため入間基地に引き返す途中でエンジン停止し、狭山市上奥宮に墜落。民家1軒が全焼、アパート1棟が半焼した。2人の航空自衛官は脱出できず殉職した。住民の被害はなかった。

1980年代

  • 1980年7月27日
    • 所属: ソ連海軍航空隊
    • 機種: ツポレフTu-16R
    • 死者: 7人が死亡
    • 状況:日本海を偵察飛行中、佐渡北方110kmの地点に墜落。近くを航行していた海上自衛隊輸送艦「ねむろ」(LST-4103)が乗員3人の遺体を収容。
  • 1982年11月14日
  • 1983年4月19日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: 川崎重工業C-1輸送機2機
    • 死者: 14人が死亡
    • 状況: 飛行中の輸送機2機が濃霧による視界不良の為、三重県鳥羽市沖の菅島に続けて墜落。
    • 詳細: 「菅島事故」を参照。
  • 1983年4月26日
    • 所属: 海上自衛隊
    • 機種: 新明和工業PS-1
    • 死者: 11人が死亡
    • 状況:岩国基地所属の対潜哨戒機が訓練飛行中、左旋回飛行したところ失速して岩国基地内に墜落。
  • 1983年5月1日
  • 1984年2月27日
    • 所属: 海上自衛隊
    • 機種: 新明和工業 PS-1
    • 死者: 12人が死亡
    • 状況:岩国基地所属の対潜哨戒機が訓練飛行中、旋回飛行中に高度が下がりすぎて伊予灘に墜落。
  • 1984年4月20日
  • 1985年2月14日
    • 所属: ソ連海軍航空隊
    • 機種: ツポレフ Tu-95RU
    • 死者: 9人が死亡
    • 状況:南シナ海を飛行中に墜落。
  • 1988年8月28日
    • 所属: イタリア空軍フレッチェ トリコローリ
    • 機種: アエルマッキMB-339
    • 死者: パイロット3人と地上の72人が死亡、345人が負傷。
    • 状況:ドイツラムシュタイン空軍基地で開催されていた航空ショーで曲技飛行隊の3機が空中衝突を起こし墜落。そのうち1機が観衆の中に墜落したため、地上の観客とパイロット合わせて75名の死者を出す大惨事になった。この惨事以降はドイツ国内のアメリカ空軍基地の航空ショーは開催されなくなった。
  • 1989年7月4日
    • 所属: ソ連空軍
    • 機種: ミグMiG-23
    • 死者: 地上の1人が死亡
    • 状況: ポーランドの基地を離陸した戦闘機が東ドイツ(当時)上空でエンジントラブルを起こしたため、高度を維持できなくなりパイロットは危険を感じ射出座席で脱出した。ところが、戦闘機は無人のまま自動操縦で高度130m~150mで飛行したため、当時「鉄のカーテン」と呼ばれた東西ドイツ国境を侵犯した。同機に対してただちに在独米軍機がスクランブル発進したが、撃墜許可を得ていなかったため、そのまま西ドイツ(当時)領内を通過した。フランス領内に入った場合にはフランス空軍が撃墜する準備をしていたが、その前に燃料枯渇のためベルギー北西部のコルトリクに墜落。その際に農民1人が巻き込まれ死亡した。

1990年代

  • 1991年7月1日
    • 所属:航空自衛隊
    • 機種:川崎重工業T-4
    • 死者:2名死亡
    • 詳細:三沢基地所属のT-4が、訓練前の天候偵察中に墜落。後日、機体をサルベージした事でピトー管の製作不良を発見。
  • 1991年7月4日
    • 所属:航空自衛隊
    • 機種:三菱重工業T-2
    • 死者:2名
    • 詳細:松島基地所属の戦技研究班ブルーインパルスが金華山沖でアクロ訓練中、2番機と4番機が墜落。海霧が低く広がっていたことから、海霧によって水平感覚が低下してしまう空間識失調が原因ではないかと考えられ、その後の事故対策として1番機に編隊長資格のある乗員を後席に同乗させるようになった。
  • 1994年6月2日
  • 1994年6月24日
    • 所属: アメリカ空軍
    • 機種: ボーイング B-52 ストラトフォートレス
    • 死者: 4人が死亡
    • 状況: ワシントン州フェアチャイルド空軍基地英語版でデモ飛行中のB-52(シリアルナンバー:61-0026)が、突如失速し90度傾いた上で左翼から地上に激突し爆発炎上した。事故原因はB-52を操縦していた機長が急旋回の為に無茶な飛行を強いたためであった。この機長は以前から無茶な飛行をしていた要注意人物であったが空軍では技量を買っていたため一切不問にしてきたことが世論から非難された。また事故機に搭乗していた士官の1人が墜落前にパラシュートで脱出したが、彼も爆発に巻き込まれ殉職した。
    • 詳細: 「1994年のフェアチャイルド空軍基地でのB-52機の墜落事故」を参照。
    • 事故の瞬間の映像:[1]
  • 1995年2月21日
    • 所属: 海上自衛隊
    • 機種: 新明和工業 US-1A
    • 死者: 乗組員12人中11人が死亡
    • 状況: 豊後水道上空を飛行中の9080号機が墜落。
  • 1995年11月22日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: マクドネル・ダグラスF-15J
    • 死者: なし
    • 状況: 航空自衛隊小松基地所属のF-15戦闘機が、訓練中にミサイルを誤射して僚機を撃墜、パイロットは脱出して無事であった。訓練中とはいえ、F-15が航空機によって撃墜された世界初の事例となった。
    • 詳細: 「F-15僚機撃墜事故」を参照。
  • 1996年4月3日
  • 1998年2月3日
    • 所属: アメリカ海兵隊
    • 機種: グラマン EA-6B プラウラー
    • 死者: 地上の20人が死亡
    • 状況: イタリア国内で訓練飛行中のアメリカ海兵隊のEA-6Bが山岳地帯を超低空飛行をしていたところ、カバレーゼ近郊にあるスキー場ロープウェイのケーブルを切断。運行中のロープウェイのゴンドラ1台が100m下に落下し、乗っていた乗客20人全員が即死した。事故原因は地上150mの飛行禁止の軍規に違反して地上80m上空を飛行していた海兵隊機の過失であった。そのうえ乗員の撮影していた映像を上官が破棄して証拠隠滅を図っていたことも判明した。海兵隊はイタリア当局の身柄引き渡し請求を拒否し、自軍の軍法会議で処分し無罪とされた。
    • 詳細: 「チェルミス・ロープウェイ切断事件」を参照。
  • 1999年11月22日
    • 所属: 航空自衛隊
    • 機種: ロッキードT-33
    • 死者: パイロット2名
    • 状況: 入間基地に所属するT-33Aが事故に遭遇。機体が狭山市内の入間川河川敷に墜落する際、送電線を切断したために埼玉県南部及び東京都西部を中心とする約80万世帯が停電、並びに信号機及び鉄道が停止した。エンジントラブルを起こした機体の住宅地への墜落を避けるため、2名の乗員は脱出せず操縦を続行、民家に被害が及ばないことが確実になった段階で、射出座席を作動させたが間に合わず、乗員2名は殉職した。
    • 詳細: 「T-33 (航空機)#航空自衛隊における運用」を参照。

2000年代

2010年代

脚注

  1. ^ 朝日新聞・昭和38年3月2日夕刊記事
  2. ^ 朝日新聞・昭和38年4月10日夕刊記事
  3. ^ 朝日新聞・昭和39年5月12日朝刊記事及び夕刊記事
  4. ^ 朝日新聞・昭和39年5月19日夕刊記事
  5. ^ 朝日新聞・昭和39年8月21日夕刊記事
  6. ^ Death of Ilan Ramon's son, Asaf Ramon
  7. ^ “中国空軍のSu-27戦闘機、山東省で墜落”. 中国網日本語版(チャイナネット). (2013年4月1日). http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2013-04/01/content_28415106.htm 
  8. ^ カリフォルニアで海兵隊のUH-1Yが墜落、乗員2名死亡FlyTeamニュース 2015年1月26日
  9. ^ 海自ヘリ墜落 隊員3人の死亡確認 NHK NEWS WEB 2015年2月13日
  10. ^ 不時着の陸自ヘリを海底から引き揚げ 和歌山沖 朝日新聞 2015年2月21日
  11. ^ 陸自ヘリ、田んぼに不時着 機体に不具合か 仙台 産経ニュース 2015年4月6日
  12. ^ 機首から海中に水没、海自飛行艇引き揚げへ 高知県沖 産経WEST 2015年4月29日
  13. ^ 海自US2が離水失敗=4人軽傷、乗員救助-高知沖 時事ドットコム 2015年4月28日
  14. ^ 海上自衛隊からの確認内容 山口県 2015年4月30日
  15. ^ 航空ショーで戦闘機が墜落、死者7人以上 英南部 CNN 2015年8月23日