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「福島県浜通り地震」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
[[福島県]][[浜通り]]の北緯36度56分42秒、東経140度40分18秒、深さ約6kmを震源とする地震。[[マグニチュード|規模]]は[[マグニチュード#気象庁マグニチュード Mj|気象庁マグニチュード]]はMj7.0、[[マグニチュード#モーメントマグニチュード Mw|モーメントマグニチュード]]は、[[アメリカ地質調査所]]ではMw6.6(W-phase)から6.7([[発震機構|CMT]])<ref>{{Cite web |url=http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/usp000hzq8|title=M6.6 - eastern Honshu, Japan|publisher=アメリカ地質調査所|accessdate=2016-02-04}}</ref>、気象庁ではMw6.6(遠地)<ref>{{PDFlink|[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/sourceprocess/event/20110411far.pdf 4月11日 福島県浜通りの地震- 遠地実体波による震源過程解析(暫定)-]}}</ref>、6.7(CMT)<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/mech/cmt/fig/cmt20110411171612.html セントロイド時刻とセントロイド位置およびモーメントマグニチュード](気象庁)</ref>、Mw6.8(近地)<ref>{{PDFlink|[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/sourceprocess/event/20110411near.pdf 4月11日 福島県浜通りの地震- 近地強震波形による震源過程解析(暫定)-]}}</ref>と解析されている。<!--([[マグニチュード#モーメントマグニチュード Mw|モーメントマグニチュード]]7.1<ref group="注">当初Mw6.6としていたが、後にMw7.1に訂正された。</ref><ref>[http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/recenteqsww/Quakes/usc0002n9v.php Magnitude 7.1 - EASTERN HONSHU, JAPAN](USGS)</ref>)-->福島県浜通り・[[中通り]]と[[茨城県]]南部で最大震度6弱を観測した。
福島県浜通りの北緯36度56分42秒、東経140度40分18秒、深さ約6kmを震源とする地震。[[マグニチュード|規模]]は[[マグニチュード#気象庁マグニチュード Mj|気象庁マグニチュード]]はMj7.0、[[マグニチュード#モーメントマグニチュード Mw|モーメントマグニチュード]]は、[[アメリカ地質調査所]]ではMw6.6(W-phase)から6.7([[発震機構|CMT]])<ref>{{Cite web |url=http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/usp000hzq8|title=M6.6 - eastern Honshu, Japan|publisher=アメリカ地質調査所|accessdate=2016-02-04}}</ref>、気象庁ではMw6.6(遠地)<ref>{{PDFlink|[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/sourceprocess/event/20110411far.pdf 4月11日 福島県浜通りの地震- 遠地実体波による震源過程解析(暫定)-]}}</ref>、6.7(CMT)<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/mech/cmt/fig/cmt20110411171612.html セントロイド時刻とセントロイド位置およびモーメントマグニチュード](気象庁)</ref>、Mw6.8(近地)<ref>{{PDFlink|[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/sourceprocess/event/20110411near.pdf 4月11日 福島県浜通りの地震- 近地強震波形による震源過程解析(暫定)-]}}</ref>と解析されている。<!--([[マグニチュード#モーメントマグニチュード Mw|モーメントマグニチュード]]7.1<ref group="注">当初Mw6.6としていたが、後にMw7.1に訂正された。</ref><ref>[http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/recenteqsww/Quakes/usc0002n9v.php Magnitude 7.1 - EASTERN HONSHU, JAPAN](USGS)</ref>)-->福島県浜通り・[[中通り]]と茨城県南部で最大震度6弱を観測した。


この地震の発震機構は東北東 - 西南西方向に張力軸を持つ[[断層#正断層|正断層]]型であり、[[地震#内陸地殻内地震|地殻内で発生した地震]](大陸プレート内地震)であるとされる。[[気象庁]]は[[東北地方太平洋沖地震]]の震源域で発生した[[余震]]であるとしたが、[[プレート]]境界域における[[地震#プレート間地震|海溝型地震]]であった東北地方太平洋沖地震とは、地震発生のメカニズムが異なる。東北地方太平洋沖地震の震源域における西南端部での発生ではあるが、大きな海溝型地震に誘発されて内陸部の[[断層]]がずれることで発生する[[誘発地震]]とみることもできる。
この地震の発震機構は東北東 - 西南西方向に張力軸を持つ[[断層#正断層|正断層]]型であり、[[地震#内陸地殻内地震|地殻内で発生した地震]](大陸プレート内地震)であるとされる。[[気象庁]]は[[東北地方太平洋沖地震]]の震源域で発生した[[余震]]であるとしたが、[[プレート]]境界域における[[地震#プレート間地震|海溝型地震]]であった東北地方太平洋沖地震とは、地震発生のメカニズムが異なる。東北地方太平洋沖地震の震源域における西南端部での発生ではあるが、大きな海溝型地震に誘発されて内陸部の[[断層]]がずれることで発生する[[誘発地震]]とみることもできる。


茨城県北部や福島県浜通り地方では東北地方太平洋沖地震以前はほとんど地震活動はなかったが、[[3月11日]]以降活動が活発化した。この地震活動は大きく南北2つの領域で発生していた。南北2つの領域の間ではこれまで地震がほとんど発生していなかったが、[[4月11日]]の地震はこの間を埋める領域で発生した<ref name="防災科研">[http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/n-ibaraki110319/ 東北地方太平洋沖地震以降の茨城県北部・福島県東部の地震活動 (防災科学技術研究所)]</ref>。
茨城県北部や福島県浜通り地方では東北地方太平洋沖地震以前はほとんど地震活動はなかったが、3月11日以降活動が活発化した。この地震活動は大きく南北2つの領域で発生していた。南北2つの領域の間ではこれまで地震がほとんど発生していなかったが、4月11日の地震はこの間を埋める領域で発生した<ref name="防災科研">[http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/n-ibaraki110319/ 東北地方太平洋沖地震以降の茨城県北部・福島県東部の地震活動 (防災科学技術研究所)]</ref>。


気象庁は地震発生直後、茨城県沿岸に[[津波警報]]を発表し、[[宮城県]]・福島県と[[千葉県]]の九十九里・外房に[[津波注意報]]を出したが、震源域が主に陸域であったため、津波は観測されず<ref>{{Cite web|title=気象庁 {{!}} 津波警報・注意報評価|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunamihyoka/20110411fukushimakenhamadori/index.html|website=www.data.jma.go.jp|accessdate=2019-06-28}}</ref>、同日18時05分に全て解除した。
気象庁は地震発生直後、茨城県沿岸に[[津波警報]]を発表し、宮城県・福島県と千葉県の九十九里・外房に[[津波注意報]]を出したが、震源域が主に陸域であったため、津波は観測されず<ref>{{Cite web|title=気象庁 {{!}} 津波警報・注意報評価|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunamihyoka/20110411fukushimakenhamadori/index.html|website=www.data.jma.go.jp|accessdate=2019-06-28}}</ref>、同日18時05分に全て解除した。


なお、翌日14時07分には福島県中通りを震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、福島県浜通り(いわき市)・茨城県北部(北茨城市)で震度6弱の揺れを観測した。この地震は、11日のマグニチュード7.0の地震(正断層型)とは違い、逆断層型の地震であった。(後述の通り)
なお、翌日14時07分には福島県中通りを震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、福島県浜通り(いわき市)・茨城県北部(北茨城市)で震度6弱の揺れを観測した。この地震は、11日のマグニチュード7.0の地震(正断層型)とは違い、逆断層型の地震であった。(後述の通り)
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=== 震源断層 ===
=== 震源断層 ===
推定[[断層#活断層|活断層]]とされていたが、大きな地震の発生が予想されていなかった{{仮リンク|井戸沢断層|en|Idosawa Fault}}・湯ノ岳断層の活動によるもので、井戸沢断層の西側延長線に沿って明瞭な正断層型の地震断層が出現した。さらに[[産業技術総合研究所]]の調査では井戸沢断層の他に湯ノ岳断層と未知の断層である塩ノ平断層の活動が確認された。これらの断層が数秒の間隔で動いた事による地震としている<ref>{{PDF|[http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/katsudo/aferc_news/no.23.pdf 海溝型巨大地震に誘発された内陸活断層地震の緊急調査]}}産業技術総合研究所</ref>。なお、2011年9月に井戸沢断層付近で行われたトレンチ掘削調査<ref>[http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/fukushimahamadoori/ 2011年4月11日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層について]東大地震研 広報アウトリーチ室</ref>の結果では、ひとつ前の活動時期が12500~17000年前で、869年の貞観地震の際に活動した痕跡は見出せなかった<ref name="堤遠田2011">[https://doi.org/10.5575/geosoc.2012.0057 堤浩之、遠田晋次:2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震の地震断層と活動履歴]地質学雑誌 Vol.118 (2012) No.9 p.559-570</ref>。
推定[[断層#活断層|活断層]]とされていたが、大きな地震の発生が予想されていなかった{{仮リンク|井戸沢断層|en|Idosawa Fault}}・湯ノ岳断層の活動によるもので、井戸沢断層の西側延長線に沿って明瞭な正断層型の地震断層が出現した。さらに[[産業技術総合研究所]]の調査では井戸沢断層の他に湯ノ岳断層と未知の断層である塩ノ平断層の活動が確認された。これらの断層が数秒の間隔で動いた事による地震としている<ref>吾妻崇、{{PDF|[https://unit.aist.go.jp/ievg/katsudo/ievg_news/aferc_news/no.23.pdf 海溝型巨大地震に誘発された内陸活断層地震の緊急調査]}} 産業技術総合研究所 ニュースレター No.23/2011年5月号 2011年6月発行</ref>。なお、2011年9月に井戸沢断層付近で行われたトレンチ掘削調査<ref>[http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/fukushimahamadoori/ 2011年4月11日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層について] 東大地震研 広報アウトリーチ室</ref>の結果では、ひとつ前の活動時期が12500~17000年前で、869年の貞観地震の際に活動した痕跡は見出せなかった<ref name="堤遠田2011">堤浩之, 遠田晋次、「[https://doi.org/10.5575/geosoc.2012.0057 2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震の地震断層と活動履歴]」 『地質学雑誌 2012年 118巻 9 p.559-570, {{doi|10.5575/geosoc.2012.0057}}</ref>。


== 震度 ==
== 震度 ==
震度4以上の揺れを観測した地域は以下の通り<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/Event.php?ID=179770 震度データベース検索 地震別検索結果]気象庁</ref>。
震度4以上の揺れを観測した地域は以下の通り<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/Event.php?ID=179770 震度データベース検索 地震別検索結果] 気象庁</ref>。


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北は[[北海道]][[野付郡]][[別海町]]、西は[[鳥取県]][[境港市]]で震度1を観測するなど、北海道から中国地方にかけて震度1以上の揺れを観測した。また、防災科学技術研究所が設置した強震観測網によれば北茨城市で震度6弱相当(計測震度5.8)の揺れを観測した<ref>{{Cite web|title=強震観測網|url=http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/quake/|editor=[[防災科学技術研究所]]|accessdate=2014-03-16}}</ref>ほか、
北は北海道[[野付郡]][[別海町]]、西は鳥取県[[境港市]]で震度1を観測するなど、北海道から中国地方にかけて震度1以上の揺れを観測した。また、防災科学技術研究所が設置した強震観測網によれば北茨城市で震度6弱相当(計測震度5.8)の揺れを観測した<ref>{{Cite web|title=強震観測網|url=http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/quake/|editor=[[防災科学技術研究所]]|accessdate=2014-03-16}}</ref>ほか、気象庁の推計(推計震度分布)でいわき市の一部で震度6強もしくは震度7相当の揺れがあったとみられている<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/suikei/201104111716_251/201104111716_251_206.html 2011年04月11日17時16分 福島県浜通り M7.1]</ref>。
気象庁の推計(推計震度分布)でいわき市の一部で震度6強もしくは震度7相当の揺れがあったとみられている<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/suikei/201104111716_251/201104111716_251_206.html 2011年04月11日17時16分 福島県浜通り M7.1]</ref>。


なお、この地震で震度6弱の揺れを観測した、茨城県鉾田市の[[当間]]にある震度計は、後の調査で、地盤が不安定な場所に設置されていることが判明したため、震度計の使用が中止されることになった。現在でも、鉾田市の当間には、震度計は設置されていない。
なお、この地震で震度6弱の揺れを観測した、茨城県鉾田市の[[当間]]にある震度計は、後の調査で、地盤が不安定な場所に設置されていることが判明したため、震度計の使用が中止されることになった<ref>[http://www.news24.jp/articles/2011/04/22/07181425.html 観測に不適切…6地点の震度発表を中止に] 日テレNEWS24 記事:2011年4月22日</ref>。現在でも、鉾田市の当間には、震度計は設置されていない。


== 関連性が高いとされる地震 ==
== 関連性が高いとされる地震 ==
[[3月11日]]の[[東北地方太平洋沖地震]]以降、福島県の浜通り(特にいわき市やその周辺)から茨城県の北部にかけて、大きな地震が多発し、4月11日以降も活発な地震活動が続いた。東北地方太平洋沖地震の本震の発生から6年近くが経過した2016年12月にも、茨城県高萩市で震度6弱の揺れを観測する強い地震が発生している。これらはいずれも震源の深さが比較的浅く、ほとんどが[[正断層]]型の地震である<ref name="堤遠田2011"/>。ただし、この地震の翌日である、4月12日14時7分に起きたM6.4の地震は、[[逆断層]]型の地震であった<ref name="防災科研"/>。関連性が高いとされる揺れの大きかった地震は下記のとおり<ref>[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11apr_fukushima/p01.htm 地震調査研究推進本部 4月11日 福島県浜通りの地震]</ref><ref>[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11aug/p13.htm 地震調査研究推進本部 福島県浜通りから茨城県北部の地震活動]</ref>。
3月11日の[[東北地方太平洋沖地震]]以降、福島県の浜通り(特にいわき市やその周辺)から茨城県の北部にかけて、大きな地震が多発し、4月11日以降も活発な地震活動が続いた。東北地方太平洋沖地震の本震の発生から6年近くが経過した2016年12月にも、茨城県高萩市で震度6弱の揺れを観測する強い地震が発生している。これらはいずれも震源の深さが比較的浅く、ほとんどが正断層型の地震である<ref name="堤遠田2011"/>。ただし、この地震の翌日である、4月12日14時7分に起きたM6.4の地震は、逆断層型の地震であった<ref name="防災科研"/>。関連性が高いとされる揺れの大きかった地震は下記のとおり<ref>[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11apr_fukushima/p01.htm 地震調査研究推進本部 4月11日 福島県浜通りの地震]</ref><ref>[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11aug/p13.htm 地震調査研究推進本部 福島県浜通りから茨城県北部の地震活動]</ref>。


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== 被害 ==
== 被害 ==
震動による顕著な家屋被害は無く地表地震断層の直上の建物では最大変位80cmの変位による変形や傾斜などが発生した<ref>[https://doi.org/10.5610/jaee.12.4_104 2011 年福島県浜通り地震の地表地震断層の近傍における建物被害調査] 日本地震工学会論文集 Vol.12 (2012) No.4 特集号「2011年東日本大震災」その1 p.4_104-4_126</ref>ほか、土砂崩れが発生するなどして、高校生などを含む4人が死亡し、負傷者を10人出した。また、翌日14時07分に発生した地震においても、負傷者を1人出した。
震動による顕著な家屋被害は無く地表地震断層の直上の建物では最大変位80cmの変位による変形や傾斜などが発生した<ref>久田嘉章, 久保智弘, 松澤佳 ほか、[https://doi.org/10.5610/jaee.12.4_104 2011 年福島県浜通り地震の地表地震断層の近傍における建物被害調査] 日本地震工学会論文集 特集号「2011年東日本大震災」その1、 012年 12巻 4号 p.4_104-4_126, {{doi|10.5610/jaee.12.4_104}}</ref>ほか、土砂崩れが発生するなどして、高校生などを含む4人が死亡し、負傷者を10人出した。また、翌日14時07分に発生した地震においても、負傷者を1人出した。


=== 土砂崩れ ===
=== 土砂崩れ ===
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=== 火災 ===
=== 火災 ===
福島県[[いわき市]]で、2件の火災が発生した<ref>{{PDFlink|[http://www.fdma.go.jp/bn/data/福島県浜通りを震源とする地震(第11報).pdf 福島県浜通りを震源とする地震(第11報)]}}消防庁</ref>。
福島県[[いわき市]]で、2件の火災が発生した<ref>{{PDFlink|[http://www.fdma.go.jp/bn/data/福島県浜通りを震源とする地震(第11報).pdf 福島県浜通りを震源とする地震(第11報)]}} 消防庁</ref>。


== 影響 ==
== 影響 ==
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[[ニュース系列|全国ネット]]のテレビ局では、本地震発生当時は夕方の[[報道番組|ニュース番組]]を放送していたため、すぐに[[緊急地震速報]]や地震速報、津波警報の報道に切り替わった。このうち[[NHK総合テレビジョン|NHK総合テレビ]]([[首都圏 (日本)|首都圏]]向け)では、[[NHK水戸放送局|水戸局]](当時)の[[向井一弘]][[日本のアナウンサー|アナウンサー]]が茨城県[[北茨城市]]の避難所である体育館から中継している最中に強い揺れが発生。向井が周囲へ注意を呼び掛けている最中に緊急地震速報が発表された。また、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]でも『[[FNNスーパーニュース]]』の震災1か月の関連で[[安藤優子]]キャスターが福島県内から中継をしている最中に地震が発生し、同様に揺れの様子が放送された。
[[ニュース系列|全国ネット]]のテレビ局では、本地震発生当時は夕方の[[報道番組|ニュース番組]]を放送していたため、すぐに[[緊急地震速報]]や地震速報、津波警報の報道に切り替わった。このうち[[NHK総合テレビジョン|NHK総合テレビ]]([[首都圏 (日本)|首都圏]]向け)では、[[NHK水戸放送局|水戸局]](当時)の[[向井一弘]][[日本のアナウンサー|アナウンサー]]が茨城県[[北茨城市]]の避難所である体育館から中継している最中に強い揺れが発生。向井が周囲へ注意を呼び掛けている最中に緊急地震速報が発表された。また、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]でも『[[FNNスーパーニュース]]』の震災1か月の関連で[[安藤優子]]キャスターが福島県内から中継をしている最中に地震が発生し、同様に揺れの様子が放送された。


[[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]では、地震発生数分後から6時19分まで緊急のニュース番組<ref group="注">NHK総合テレビで放送されているニュース映像を、NHK教育テレビでもそのまま放送した。</ref>を放送し、6時20分からは、東北地方太平洋沖地震の影響で放送開始が延期され、本地震発生日の[[4月11日]]に放送開始が予定されていた新番組『[[大!天才てれびくん]]』が通常通り放送された。
[[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]では、地震発生数分後から6時19分まで緊急のニュース番組<ref group="注">NHK総合テレビで放送されているニュース映像を、NHK教育テレビでもそのまま放送した。</ref>を放送し、6時20分からは、東北地方太平洋沖地震の影響で放送開始が延期され、本地震発生日の4月11日に放送開始が予定されていた新番組『[[大!天才てれびくん]]』が通常通り放送された。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2019年7月2日 (火) 02:43時点における版

福島県浜通り地震
福島県浜通り地震の位置(日本内)
福島県浜通り地震
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2011年4月11日
発生時刻 17時16分(JST
震央 日本の旗 日本 福島県 浜通り
北緯36度56分42秒 東経140度40分18秒 / 北緯36.94500度 東経140.67167度 / 36.94500; 140.67167
震源の深さ 6 km
規模    マグニチュード(M)7.0
最大震度    震度6弱:福島県いわき市古殿町中島村茨城県鉾田市
津波 なし
地震の種類 東北地方太平洋沖地震余震
大陸プレート内地震(正断層型)
被害
死傷者数 死者4人、負傷者10人注1
注1: 総務省消防庁発表による。
出典:特に注記がない場合は気象庁による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
テンプレートを表示

福島県浜通り地震(ふくしまけんはまどおりじしん)は、2011年平成23年)4月11日17時16分、福島県浜通り震源として発生した地震。地震の規模はマグニチュード7.0で、福島県と茨城県で最大震度6弱を観測した。

概要

福島県浜通りの北緯36度56分42秒、東経140度40分18秒、深さ約6kmを震源とする地震。規模気象庁マグニチュードはMj7.0、モーメントマグニチュードは、アメリカ地質調査所ではMw6.6(W-phase)から6.7(CMT)[1]、気象庁ではMw6.6(遠地)[2]、6.7(CMT)[3]、Mw6.8(近地)[4]と解析されている。福島県浜通り・中通りと茨城県南部で最大震度6弱を観測した。

この地震の発震機構は東北東 - 西南西方向に張力軸を持つ正断層型であり、地殻内で発生した地震(大陸プレート内地震)であるとされる。気象庁東北地方太平洋沖地震の震源域で発生した余震であるとしたが、プレート境界域における海溝型地震であった東北地方太平洋沖地震とは、地震発生のメカニズムが異なる。東北地方太平洋沖地震の震源域における西南端部での発生ではあるが、大きな海溝型地震に誘発されて内陸部の断層がずれることで発生する誘発地震とみることもできる。

茨城県北部や福島県浜通り地方では東北地方太平洋沖地震以前はほとんど地震活動はなかったが、3月11日以降活動が活発化した。この地震活動は大きく南北2つの領域で発生していた。南北2つの領域の間ではこれまで地震がほとんど発生していなかったが、4月11日の地震はこの間を埋める領域で発生した[5]

気象庁は地震発生直後、茨城県沿岸に津波警報を発表し、宮城県・福島県と千葉県の九十九里・外房に津波注意報を出したが、震源域が主に陸域であったため、津波は観測されず[6]、同日18時05分に全て解除した。

なお、翌日14時07分には福島県中通りを震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、福島県浜通り(いわき市)・茨城県北部(北茨城市)で震度6弱の揺れを観測した。この地震は、11日のマグニチュード7.0の地震(正断層型)とは違い、逆断層型の地震であった。(後述の通り)

翌年2012年4月11日には土砂崩れの現場で余震としては唯一の一周忌の合同追悼行事が行われた。

震源断層

推定活断層とされていたが、大きな地震の発生が予想されていなかった井戸沢断層英語版・湯ノ岳断層の活動によるもので、井戸沢断層の西側延長線に沿って明瞭な正断層型の地震断層が出現した。さらに産業技術総合研究所の調査では井戸沢断層の他に湯ノ岳断層と未知の断層である塩ノ平断層の活動が確認された。これらの断層が数秒の間隔で動いた事による地震としている[7]。なお、2011年9月に井戸沢断層付近で行われたトレンチ掘削調査[8]の結果では、ひとつ前の活動時期が12500~17000年前で、869年の貞観地震の際に活動した痕跡は見出せなかった[9]

震度

震度4以上の揺れを観測した地域は以下の通り[10]

震度 都道府県 市区町村
6弱 福島県 いわき市 古殿町 中島村
茨城県 鉾田市[11]
5強 福島県 浅川町 平田村 棚倉町 天栄村 鏡石町 白河市
茨城県 常総市 かすみがうら市 筑西市 小美玉市 北茨城市 高萩市 日立市
栃木県 那須町
5弱 宮城県 蔵王町 岩沼市 涌谷町
山形県 白鷹町 中山町 山辺町 上山市
福島県 会津美里町 柳津町 湯川村 猪苗代町 西会津町 双葉町 楢葉町 本宮市 伊達市 田村市 小野町 玉川村 石川町 鮫川村 矢祭町 矢吹町 泉崎村 西郷村 二本松市 須賀川市 郡山市
茨城県 つくばみらい市 行方市 稲敷市 坂東市 阿見町 つくば市 石岡市 土浦市 城里町 那珂市 常陸大宮市 大子町 茨城町 ひたちなか市 笠間市 水戸市
栃木県 下野市 芳賀町 宇都宮市 大田原市
埼玉県 春日部市
新潟県 阿賀野市
4 岩手県 普代村
宮城県 大衡村 富谷町 大郷町 利府町 松島町 東松島市 塩竈市 石巻市 仙台市泉区 仙台市太白区 仙台市若林区 仙台市宮城野区 仙台市青葉区 山元町 亘理町 丸森町 川崎町 柴田町 村田町 大河原町 七ヶ宿町 角田市 名取市 白石市 大崎市 美里町 登米市 栗原市 色麻町 加美町
秋田県 秋田市
山形県 川西町 高畠町 南陽市 米沢市 大石田町 大江町 朝日町 西川町 河北町 天童市 村山市 寒河江市 大蔵村 庄内町 遊佐町 酒田市 鶴岡市
福島県 南会津町 磐梯町 下郷町 喜多方市 会津若松市 南相馬市 飯舘村 新地町 川内村 相馬市 三春町 塙町 大玉村 川俣町 国見町 桑折町 福島市
茨城県 桜川市 神栖市 利根町 守谷市 境町 五霞町 八千代町 河内町 美浦村 潮来市 鹿嶋市 牛久市 取手市 下妻市 龍ケ崎市 結城市 古河市 東海村 大洗町 常陸太田市
栃木県 那珂川町 那須烏山市 さくら市 高根沢町 岩舟町 野木町 壬生町 市貝町 茂木町 益子町 西方町 上三川町 真岡市 小山市 鹿沼市 佐野市 栃木市 足利市 那須塩原市 塩谷町 矢板市 日光市
群馬県 邑楽町 大泉町 千代田町 明和町 板倉町 玉村町 吉岡町 安中市 渋川市 館林市 太田市 伊勢崎市 桐生市 高崎市 前橋市 沼田市
埼玉県 さいたま市岩槻区 さいたま市浦和区 さいたま市中央区 さいたま市大宮区 松伏町 杉戸町 白岡町 宮代町 吉川市 幸手市 蓮田市 三郷市 八潮市 越谷市 草加市 上里町 久喜市 深谷市 鴻巣市 羽生市 本庄市 加須市 行田市 熊谷市
千葉県 富里市 栄町 白井市 印西市 八街市 四街道市 鎌ケ谷市 我孫子市 流山市 柏市 佐倉市 成田市 野田市 市川市 千葉市若葉区 千葉市花見川区 千葉市中央区 山武市 横芝光町 香取市 芝山町 九十九里町 多古町 神崎町 旭市 東金市
東京都 町田市 江戸川区 葛飾区 足立区 板橋区 荒川区 江東区 墨田区 千代田区
神奈川県 川崎市川崎区 横浜市港北区 横浜市中区 横浜市西区 横浜市神奈川区
新潟県 新潟市西区 新潟市南区 新潟市秋葉区 新潟市中央区 新潟市東区 阿賀町 弥彦村 五泉市 燕市 村上市 新発田市 南魚沼市 刈羽村 田上町 見附市 加茂市 三条市 長岡市

北は北海道野付郡別海町、西は鳥取県境港市で震度1を観測するなど、北海道から中国地方にかけて震度1以上の揺れを観測した。また、防災科学技術研究所が設置した強震観測網によれば北茨城市で震度6弱相当(計測震度5.8)の揺れを観測した[12]ほか、気象庁の推計(推計震度分布)でいわき市の一部で震度6強もしくは震度7相当の揺れがあったとみられている[13]

なお、この地震で震度6弱の揺れを観測した、茨城県鉾田市の当間にある震度計は、後の調査で、地盤が不安定な場所に設置されていることが判明したため、震度計の使用が中止されることになった[14]。現在でも、鉾田市の当間には、震度計は設置されていない。

関連性が高いとされる地震

3月11日の東北地方太平洋沖地震以降、福島県の浜通り(特にいわき市やその周辺)から茨城県の北部にかけて、大きな地震が多発し、4月11日以降も活発な地震活動が続いた。東北地方太平洋沖地震の本震の発生から6年近くが経過した2016年12月にも、茨城県高萩市で震度6弱の揺れを観測する強い地震が発生している。これらはいずれも震源の深さが比較的浅く、ほとんどが正断層型の地震である[9]。ただし、この地震の翌日である、4月12日14時7分に起きたM6.4の地震は、逆断層型の地震であった[5]。関連性が高いとされる揺れの大きかった地震は下記のとおり[15][16]

発生日時 震央 震源の深さ 地震の規模 最大震度
2011年 03月11日14時54分頃 茨城県北部 09km M5.7 震度5弱
03月19日18時56分頃 茨城県北部 05km M6.1 震度5強
03月23日07時12分頃 福島県浜通り 08km M6.0 震度5強
03月23日07時34分頃 福島県浜通り 07km M5.5 震度5強
03月23日07時36分頃 福島県浜通り 07km M5.8 震度5弱
03月23日18時55分頃 福島県浜通り 09km M4.7 震度5強
04月11日17時16分頃 福島県浜通り 06km M7.0 震度6弱
04月11日17時17分頃 福島県浜通り 08km M5.7 震度5弱
04月11日17時26分頃 福島県中通り 05km M5.4 震度5弱
04月11日20時42分頃 福島県浜通り 約11km M5.9 震度5弱
04月12日14時07分頃 福島県中通り 約15km M6.4 震度6弱
04月13日10時07分頃 福島県浜通り 05km M5.7 震度5弱
05月06日02時04分頃 福島県浜通り 06km M5.2 震度5弱
05月25日05時36分頃 福島県浜通り 07km M5.1 震度5弱
09月21日22時30分頃 茨城県北部 09km M5.2 震度5弱
09月29日19時05分頃 福島県浜通り 09km M5.4 震度5強
11月20日10時23分頃 茨城県北部 09km M5.3 震度5強
2012年 02月19日14時54分頃 茨城県北部 07km M5.2 震度5弱
03月10日02時25分頃 茨城県北部 07km M5.4 震度5弱
08月12日18時56分頃 福島県中通り 04km M3.8 震度4[注 1][17]
2013年 01月31日23時53分頃 茨城県北部 08km M4.7 震度5弱
09月20日02時25分頃 福島県浜通り 約17km M5.9 震度5強
12月31日10時03分頃 茨城県北部 07km M5.4 震度5弱
2016年 12月28日21時38分頃 茨城県北部 約11km M6.3 震度6弱

被害

震動による顕著な家屋被害は無く地表地震断層の直上の建物では最大変位80cmの変位による変形や傾斜などが発生した[18]ほか、土砂崩れが発生するなどして、高校生などを含む4人が死亡し、負傷者を10人出した。また、翌日14時07分に発生した地震においても、負傷者を1人出した。

土砂崩れ

福島県いわき市田人町石住で土砂崩れにより住宅3棟が倒壊し、3人が死亡した。

県道いわき石川線では数か所で土砂崩れが発生し、走行中の車が巻き込まれ、1人が死亡した。

電力

東京電力

福島第一原子力発電所では、1号機から3号機の外部電源が途絶し一時注水が中断されたが、約50分後に再開された[19]

東北電力

福島県内で204,342戸の停電が発生。また、4月12日14時07分に発生した地震により、新たに5,910戸で停電が発生した[20]

交通

鉄道

JR東日本では、常磐線東北本線磐越東線磐越西線水郡線で運転を休止した[21]。 それ以外の鉄道もJRを中心に大きく乱れた。

高速道路

常磐自動車道では、土砂崩れが発生したことによりいわき勿来インターチェンジいわき湯本インターチェンジ間が通行止めとなった[21]

また、福島県道14号いわき石川線でも大規模な土砂崩れが発生した。

火災

福島県いわき市で、2件の火災が発生した[22]

影響

通信回線

NTTコミュニケーションズでは、企業向けデータ通信サービスが停電により一部で利用ができなくなった[23]

メディア

全国ネットのテレビ局では、本地震発生当時は夕方のニュース番組を放送していたため、すぐに緊急地震速報や地震速報、津波警報の報道に切り替わった。このうちNHK総合テレビ首都圏向け)では、水戸局(当時)の向井一弘アナウンサーが茨城県北茨城市の避難所である体育館から中継している最中に強い揺れが発生。向井が周囲へ注意を呼び掛けている最中に緊急地震速報が発表された。また、フジテレビでも『FNNスーパーニュース』の震災1か月の関連で安藤優子キャスターが福島県内から中継をしている最中に地震が発生し、同様に揺れの様子が放送された。

NHK教育テレビでは、地震発生数分後から6時19分まで緊急のニュース番組[注 2]を放送し、6時20分からは、東北地方太平洋沖地震の影響で放送開始が延期され、本地震発生日の4月11日に放送開始が予定されていた新番組『大!天才てれびくん』が通常通り放送された。

脚注

注釈

  1. ^ 最大震度「震度5弱」とされていたが、のちに「震度4」に訂正された。
  2. ^ NHK総合テレビで放送されているニュース映像を、NHK教育テレビでもそのまま放送した。

出典

  1. ^ M6.6 - eastern Honshu, Japan”. アメリカ地質調査所. 2016年2月4日閲覧。
  2. ^ 4月11日 福島県浜通りの地震- 遠地実体波による震源過程解析(暫定)- (PDF)
  3. ^ セントロイド時刻とセントロイド位置およびモーメントマグニチュード(気象庁)
  4. ^ 4月11日 福島県浜通りの地震- 近地強震波形による震源過程解析(暫定)- (PDF)
  5. ^ a b 東北地方太平洋沖地震以降の茨城県北部・福島県東部の地震活動 (防災科学技術研究所)
  6. ^ 気象庁 | 津波警報・注意報評価”. www.data.jma.go.jp. 2019年6月28日閲覧。
  7. ^ 吾妻崇、海溝型巨大地震に誘発された内陸活断層地震の緊急調査 (PDF) 産業技術総合研究所 ニュースレター No.23/2011年5月号 2011年6月発行
  8. ^ 2011年4月11日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層について 東大地震研 広報アウトリーチ室
  9. ^ a b 堤浩之, 遠田晋次、「2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震の地震断層と活動履歴」 『地質学雑誌』 2012年 118巻 9号 p.559-570, doi:10.5575/geosoc.2012.0057
  10. ^ 震度データベース検索 地震別検索結果 気象庁
  11. ^ 震度6弱を観測した「鉾田市当間」は4月21日に震度計の使用が停止された。
  12. ^ 防災科学技術研究所: “強震観測網”. 2014年3月16日閲覧。
  13. ^ 2011年04月11日17時16分 福島県浜通り M7.1
  14. ^ 観測に不適切…6地点の震度発表を中止に 日テレNEWS24 記事:2011年4月22日
  15. ^ 地震調査研究推進本部 4月11日 福島県浜通りの地震
  16. ^ 地震調査研究推進本部 福島県浜通りから茨城県北部の地震活動
  17. ^ 震度の訂正について(続報) (PDF) (気象庁地震火山部)
  18. ^ 久田嘉章, 久保智弘, 松澤佳 ほか、2011 年福島県浜通り地震の地表地震断層の近傍における建物被害調査 『日本地震工学会論文集』 特集号「2011年東日本大震災」その1、 012年 12巻 4号 p.4_104-4_126, doi:10.5610/jaee.12.4_104
  19. ^ 経済産業省 福島県浜通りの地震発生による状況について(第二報)
  20. ^ 東北電力 緊急速報(4月12日)
  21. ^ a b 国土交通省 大臣発言(福島県浜通りを震源とする地震の対応状況及び被害状況、応急仮設住宅の建設について)
  22. ^ 福島県浜通りを震源とする地震(第11報) (PDF) 消防庁
  23. ^ NTTコミュニケーションズ 福島県浜通りを震源とする地震による影響について(第2報:16時現在)

外部リンク