気象庁震度階級

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気象庁震度階級(きしょうちょうしんどかいきゅう)とは、日本で使用されている独自の震度階級地震の揺れの大きさを階級制で表す指標である。気象庁震度階(きしょうちょうしんどかい)ともいう。主に気象庁が中心となって定めたもので、日本では一般には単に震度(しんど)と通称される。2011年現在、4,300地点で観測が行われている[1]

目次

[編集] 概要

過去に基準や段階が変更されたこともあるが、現在は震度0から7まで(5と6にはそれぞれ強弱がある)の10段階設定されている。地震の規模を示すマグニチュードとは異なる。日本独自のものであり、他国では使用されていない。ただし、中華民国(台湾)では、1996年9月30日以前に日本で用いられていたものを模した震度階級が、2000年以降用いられている[2]。また、大韓民国(韓国)では、過去に日本のものを模した震度階級が使用されていたが、2001年からメルカリ震度階級に変更された[3]

[編集] 歴史

[編集] 震度階級の創設と改訂

1884年関谷清景が定めた『地震報告心得』が日本最初の震度階級である。当時は「微震」・「弱震」・「強震」・「烈震」の4段階だった。1898年に微震の前に「微震(感ナシ)」、微震と弱震の間に「弱震(弱キ方)」、弱震と強震の間に「強震(弱キ方)」が追加される。1908年、震度0から6まで7段階の震度階級が明文化される。1936年、「微震(感ナシ)」を「無感」、「弱震(弱キ方)」を「軽震」、「強震(弱キ方)」を「中震」に改称する。

1949年1月の地震観測法改正により震度7が設けられ、震度0から7の8段階とされた。これは、家屋倒壊率90%を超えた地区があった1948年6月28日福井地震の被害を、震度6では適切に表現できないのではという声が上がったからだとされている。しかし、震度7を観測したと認められるのは、気象庁の機動観測班が後日行なう、実地調査に基づく判定に限られていた(被害状況を観察して「7の適用が相当」と認められた場合のみ)。その震度7の基準の一つとして“家屋倒壊率30%以上”という数値があるが、その根拠や「7」が制定された詳しい経緯は現在も不明[4]。そして、それぞれの震度には、「無感」・「微震」・「軽震」・「弱震」・「中震」・「強震」・「烈震」・「激震」という名称が用いられた(軽微・強中弱・激烈の表現から採られたという)。

1996年10月1日の震度階級改定により、震度5と6にそれぞれ「弱」と「強」が設けられ、10段階となった。これは1994年12月28日に発生した三陸はるか沖地震1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)がきっかけであり、この地震で震度5や6だった地域では被害の程度がさまざまで幅が広く、被害の過小評価や過大評価による弊害が発生した。これを受けて、防災効率の向上や復興支援の充実が求められたため、より細かな被害の判定を行うこととなった[4]。これに伴い、「微震」・「軽震」などの名称は廃止された。また、阪神・淡路大震災で気象庁による判定となった震度7を、地震計により観測、震度6.5以上が観測された場合に7とした。これと同時に、1978年に制定されていた計測震度の算出式も変更され、震度7の基準は以前の3倍ほど厳しくなった(おおむね400ガル以上から1,500ガル以上へと変わった)。ただし、変更前の震度7の判断基準は計測震度ではなく被害状況であったため、変更は実際の震度に影響を与えていない[5][6]

その後、岩手・宮城内陸地震岩手県沿岸北部地震などで、実際の被害の様子とその震度で起こるとされていた被害との乖離が目立ち、2008年夏には震度階級の解説表を見直す検討に入ったことが報道された[7]2009年3月31日には、改定した「気象庁震度階級関連解説表」の運用が開始された。主な変更点は、耐震工事の普及に合わせて建物の耐震度に応じた被害を記したほか、高層建築物・地形・インフラへの被害をそれぞれ別記したことなどが挙げられる。震度の算出式自体は変更されていない。

震度階級と名称の変遷
1884 - 1898 1898 - 1908 1908 - 1936 1936 - 1949 1949 - 1996 1996 - 現在
微震(感ナシ) 震度0 / 微震(感ナシ) 震度0 / 無感 震度0 / 無感 震度0
微震 微震 震度1 / 微震 震度1 / 微震 震度1 / 微震 震度1
弱震 弱震(弱キ方) 震度2 / 弱震(弱キ方) 震度2 / 軽震 震度2 / 軽震 震度2
弱震 震度3 / 弱震 震度3 / 弱震 震度3 / 弱震 震度3
強震 強震(弱キ方) 震度4 / 強震(弱キ方) 震度4 / 中震 震度4 / 中震 震度4
強震 震度5 / 強震 震度5 / 強震 震度5 / 強震 震度5弱
震度5強
烈震 烈震 震度6 / 烈震 震度6 / 烈震 震度6 / 烈震 震度6弱
震度6強
震度7 / 激震 震度7

なお、ある地震においてその地点が震度0であったことを「無感」といい、最大震度0の地震を「無感地震」という。これに対し、震度1以上であったことを「有感」といい、最大震度が1以上の地震を「有感地震」という。

[編集] 震度の測定

震度階級と算出震度
の関係表
震度 算出震度
0 0.0 - 0.4
1 0.5 - 1.4
2 1.5 - 2.4
3 2.5 - 3.4
4 3.5 - 4.4
5弱 4.5 - 4.9
5強 5.0 - 5.4
6弱 5.5 - 5.9
6強 6.0 - 6.4
7 6.5以上
* 出典

[編集] 体感から機械計測へ

日本における震度は、全国に配置された計測震度計(seismic intensity meter)という自動計測機器により測定され、発表されている。気象庁震度階級は、その震度での一般的な現象や被害状況を表したものである。

かつては気象台の職員の体感や建物などの被害状況を階級表に当てはめて震度を決定していたが、兵庫県南部地震などの経験から震度が6や7となると判定が難しく遅れがちになる(気象庁地震課機動観測班の実地調査が必要だった)ことが問題となり、1996年4月からは、計測震度計により観測し発表されるようになった[4]。この5年前の1991年には気象庁が世界初の震度計を開発し試験的に使用していたが、このときから本格的に導入され観測点も増え始めた。

気象庁の「震度情報」に利用されている計測震度計の設置台数は、2009年末現在で約4,200台、2011年8月時点で4,313台となっており、当初の百数十から大きく増加している。これは言うまでも無く、日本の震度観測網が世界でも類を見ないほど密になっていることを示している。うち、気象庁が管理しているものが約600台、防災科学技術研究所が管理しているものが約800台、地方公共団体(都道府県市町村・その他の行政機関)が設置したものが約2,900台となっている[8][1]

おおむね平成の大合併前の市区町村ごとに1つの地震計を設置し、島嶼部や過疎地ではさらに多めに設置することを目標に整備され、ほぼ網羅されている。

このほかにも、地方公共団体などが設置している震度計で気象庁の情報に利用されていないものや、公的機関・公共交通機関などがダム河川鉄道などの安全確保を目的に独自に設置しているものも多数ある。

[編集] 震度計の設置環境

震度の信頼性を高めるため、震度計の設置環境には一定のルールがある。設置環境が悪い震度計のデータは気象庁の震度情報に利用されないことになっている。

まず、震度計を設置するのは強固な震度計台の上とされている。震度計は、盛り土や崖などでは揺れが増幅される可能性があることから、地形が平坦で周囲に段差が無く地盤が安定した屋外に設置し、台の下3分の2以上が地面に埋没するようにしなければならない。

また、周囲の構造物などにも規定がある。倒れて震度計に影響を与えかねない木や柵などからは十分離れていることが求められる。屋内の場合はなるべく1階の柱に近いところに設置することとし、地下1階 - 2階までは許されている。免震や制震の工事が施された建物には設置しない。

震度計は、震度計台または屋内の場合は床にしっかりと固定するようにしなければならない。震度計の機種ごとに定められた設置方法を守り、可能ならアンカーボルトなどで固定することが推奨されている。

気象庁は、震度情報へ利用する震度計の選別のため、設置環境をA - Eの5段階で評価している。A - Cは利用可、Dは原則として利用しないが精査した上で利用するもの、Eは利用不可である。

しかし、震度計の設置環境が悪いまま震度情報が利用され、後にその精度が疑問視され訂正された例がある。2008年7月24日岩手県沿岸北部地震では、岩手県洋野町大野でこの地震の最大震度となる震度6強(後に6弱へ変更)が観測されたが、周辺市町村より際立って大きかったことから調査が行われ、同年10月29日には、大野の震度計は震度観測に不適切な環境として震度データから除外し、最大震度を、6強から6弱に訂正すると気象庁が発表した[9]。大野の震度計はもともと利用可と評価された震度計であったため、このような設置環境の悪化事例がほかの地震計で発生している可能性も指摘されている。

[編集] 震度の算出式

気象庁などが用いている震度計では、加速度計によって揺れを観測している。揺れはまず加速度のデジタル波形として上下動・南北動・東西動の3成分が観測され、以下に挙げるようなプロセスを経て震度が算出される。

  • デジタル波形をフーリエ変換によって関数に変換する。
  • 震度を求めるのに適した波形が出るようにするため、変換した関数にフィルター処理を施す。
    • 関数において波形の周波数に当たる値をf、x = \frac{f}{10}として以下の式に通す。この処理によって、周波数0.5 - 10Hz(周期2 - 0.1秒)の範囲内で、加速度と速度の中間的な波形による揺れに修正される。
    • 加速度波形と速度波形の中間的な性質の波形になるよう、\sqrt{\frac{1}{f}} とする。
    • ハイカット(高域除去)フィルタで、\frac{1}{\sqrt{1+0.694x^2+0.241x^4+0.0557x^6+0.009664x^8+0.00134x^{10}+0.000155x^{12}}}とする。
    • ローカット(低域除去)フィルタで、\sqrt{1-\exp \left( -\left(\frac{f}{0.5}\right)^3 \right)}とする。
  • フィルター処理した関数を逆フーリエ変換によってデジタル波形に戻す。
  • 上下動・南北動・東西動の3成分の波形を合成し、1つの波形をつくる。
  • できた波形に以下の処理を施す。
    • 波形の絶対値が「ある値」以上になる時間の合計がぴったり0.3秒になるような「ある値」aを求める。これは、震度の算出基準となる揺れの大きさaを、0.3秒間断続した揺れに統一することで、実際の揺れによる被害と算出される震度を近づける狙いがある。
    • 計測震度 I = 2log 10a + 0.94となる。
    • 算出された計測震度 Iを0から7までの震度区分に当てはめる(下参照)。

計測震度計が算出する計測震度Iは、まず小数点第2位までのデータが算出され、それをもとに10段階区分を算出し、震度計からデータの処理システムへと送信される。10段階区分は、小数点第1位を四捨五入し、震度5と6ではさらに細かく分ける。

[編集] 計測震度と加速度

震度と加速度との間には単純な対応関係がない。地震動の振幅周期、継続時間なども震度を左右するためである。平たく言えば、加速度が同じでも、地震によってその加速度(=瞬間的な揺れ)が発生した継続時間が異なったり、周期が異なったりすると、体感の揺れや建物の被害が大きく変わり、震度の値も変わってくる。

ただ、参考ではあるが、地震の波形を、一定の振幅で一定の周波数で数秒間継続すると仮定すれば、震度と加速度の対応関係を考えることができる。この仮定に従えば、周期とgal、震度の関係は下記の様になる。

  • 周期1秒の場合:約0.6gal以上で震度1、約60gal以上で震度5弱、約320gal以上で震度6弱、600gal以上で震度7
  • 周期10秒の場合:約2gal以上で震度1、約200gal以上で震度5弱、約1100gal以上で震度6弱、約2000gal以上で震度7
  • 周期が0.1秒の場合:約2.6gal以上で震度1、約250gal以上で震度5弱、約1400gal以上で震度6弱、約2600gal以上で震度7

気象庁の震度と加速度のグラフから分かるように、周期約1.5秒のところが、各震度の必要加速度が最も小さく、敏感に反映されるようになっている。これは、被害と計測震度がちょうどよい具合に対応するように調整された結果である。近年は震度とその想定される被害の乖離が指摘されるようになった。しかし、2009年3月31日の改正以来、そのような指摘はまだない[要出典]

[編集] 震度の発表

現在、地震が発生した際に気象庁は、順次以下のように震度などの情報を発表するよう規定している[10]

  1. 「震度速報」 - 地震発生から約1分半後、震度3以上の地域名(各都府県を数地区、北海道を三十余地区に区切った地域)などを発表
  2. 「震源・震度に関する情報」 - (震度3以上の場合など条件を満たした場合)震度3以上の地域名とその震度が観測された市町村名・震度が判明していないが震度5弱以上と推定される市町村名を発表
  3. 「各地の震度に関する情報」 - (震度1以上)震度1以上の震度観測点・震度が判明していないが震度5弱以上と推定される観測点を発表
  4. 「その他の情報」 - (地震が多発した場合など、状況に応じて)震度1以上の地震の発生回数などを発表
  5. 「推計震度分布図」 - (震度5弱以上)震度4以上の震度ごとの詳細な分布図を発表

なお、初期の地震波を複数の地点で観測し、最大震度が5弱以上と推定されるときには、緊急地震速報により推定震度4以上の地域を発表する。こちらは強い地震の揺れに警戒を呼び掛ける警報であり、観測された震度ではない。

[編集] テレビ・ラジオにおける報道体制

NHKでの地震速報では大抵、震度3の時は「地震」、震度4の時は「やや強い地震」、震度5弱以上の時は「強い地震」と地震の強度をコメントすることが多いが、民放では震度6強・震度7の時は「非常に強い地震」と表現することもある(震度3以上の時は、字幕スーパーで全国に伝えるが、NHKでは各放送区域内において震度2以下の地震が発生した場合、その地域限定で地震情報を伝える)[要出典]

各局とも震度分布図には気象庁の地震情報のうち震度速報などで用いられる日本全国を188の地域に分けたものを用いており、気象庁から各地の詳しい震度に関する情報が発表されたときに用いられる市町村別表示のものも合わせて使用されている。

[編集] NHK

震度表示は地図上にすべて記号で表示。震度7は赤地に白文字と黄色枠(7(黄色枠有り))、震度6はピンク地に赤文字(6)、震度5は赤地に白文字(5)、震度4はオレンジ地に黒文字(4)、震度3は黄地に黒文字(3)、震度2は緑地に黒文字(2)、震度1は青地に黒文字(1)の記号で表示。地震発生日時とマグニチュードも併せて表示する。また、最大震度と観測市町村名も表示される。

[編集] NNN

震度表示は記号で表示。震度7は紫(7)震度6は赤(6)、震度5はオレンジ(5)、震度4は黄(4)、震度3は緑(3)、震度2は青(2)、震度1はグレーがかった白(1)で表示。地震発生時刻とマグニチュードも併せて表示する。2009年5月までは地図上に色で塗り分け数字で表示されており、震度7は紫(7)、震度6は赤(6)、震度5はピンク(5)、震度4はオレンジ(4)、震度3は黄(3)、震度2は緑(2)、震度1は青(1)だった。

[編集] ANN

震度表示は地図上に色で塗り分け数字(白)で表示。震度7はピンク、震度6は赤、震度5は黄、震度4は青、震度3は緑で表示。震度2以下は表示されない。地震発生時刻も併せて表示する。以前の震度表示はすべて記号で表示され、各市町村別に地図上に数字(白)が書かれた丸で表示されていた。震度7はピンクの丸、震度6は赤の丸、震度5は黄の丸、震度4は青の丸、震度3は緑の丸で表示されていた。

[編集] JNN

震度表示は地図上に色で塗り分け数字(黒:2010年4月から。2010年3月までは白)で表示。最大震度によって色分けが異なるため、以下の表のとおりとなる。地震発生時刻も併せて表示する。

  7    6強   6弱   5強   5弱    4     3     2     1  
最大震度7
最大震度6強
最大震度6弱
最大震度5強
最大震度5弱
最大震度4以下

[要出典]

[編集] TXN

震度表示は地図上にすべて記号で、各市町村別に地図上に数字(白)が書かれた丸で表示。震度1は青の丸、震度2は水色の丸、震度3は緑の丸、震度4は黄の丸、震度5はオレンジの丸、震度6は赤の丸、震度7は紫の丸で表示される。

[編集] FNN

震度表示は地図上にすべて記号で表示。震度7は白地にピンク文字(7)、震度6強はピンク地に白文字(6強)、震度6弱及び5強は赤地に白文字(6弱5強)、震度5弱はオレンジ地に白文字(5弱)、震度4は黄地に白文字(4)、震度3は緑地に白文字(3)、震度2・1は青地に白文字(21)で表示。震度1は地図上には表示されない場合が多い。地震発生時刻も併せて表示する。

[編集] ウェザーニュース

震度表示は地図上にすべて記号または色で塗りわけて表示。震度1は青、震度2は水色、震度3は緑、震度4は黄色、震度5はオレンジ、震度6は桃色、震度7は赤で表示。地震発生時刻も併せて表示する。[要出典]

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[編集] 震度と防災行動

2011年現在、気象庁震度階級の最大震度である震度7を観測したのは、1995年1月17日の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災[11]、2004年10月23日の新潟県中越地震、2011年3月11日東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の3回である[12]。震度7を超える揺れの尺度は定義されておらず、計測震度が7.5以上であっても震度7とされるが、学会などではしばしば震度7の中でも特に被害の激しい地域を区別する必要がある際に便宜的に「超震度7」などと表現されることがある。阪神・淡路大震災では家屋倒壊率50%以上の地域に対して使われた[13]が、倒壊率80%以上に対して使われる例[14]もあるなど必ずしもその定義は定まっていない。

なお、静岡市の公式ホームページでは震度が7までしか存在しない理由について「仮に震度8となるためには重力加速度が6000ガル以上(6G以上) の数値となり、物理的に発生しないだろうと判断されるから」とある[15]

震度7相当の揺れが推計された、または気象庁の震度観測点の以外で震度7相当の揺れを観測した例は以下のとおりである。

また、行政機関は震度の情報を気象庁などから入手し、その情報を地震発生直後にとるべき行動の判断基準としている。おおむね震度4 - 5弱以上で警察庁消防庁が(警察本部 - 警察署、都道府県消防防災部門 - 消防本部のラインで)、震度5弱以上で海上保安庁防衛省がそれぞれ被害の調査を行うこととしている(海上保安本部がヘリコプターを、航空自衛隊が最寄の飛行隊から偵察機をスクランブル発進させ、乗員が目視で調べる)。また、震度4以上で内閣府が地震被害の推計、震度6弱(東京23区内では震度5強)以上で、総理大臣官邸地下の「内閣危機管理センター」に要員が招集される[22]。また各地方公共団体やその他の公的機関でも、多くが震度をもとに地震の際の初動を決めている(具体的な内容は「地域防災計画」で確認出来る)。

2007年10月から開始された気象庁の一般向け緊急地震速報は、推定される最大震度が5弱以上のときに発表するという基準を設けている。また、高度利用者向けでは、観測で100ガル以上、推定マグニチュード3.5以上とともに推定最大震度3以上という基準がある。

一方で、特に市民の間での認識として、震度計の設置箇所の増加がもたらす震度の「重み」の変化を知る必要がある、と指摘されている。計測震度計の設置以前(1995年頃まで)は観測点が日本全国約160か所の気象官署に限られていたが、現在は約25倍の4,200か所に増えた。震度計の密度が高くなったことで、震度計が無い地点でしか揺れを感じないような小さな地震の「観測漏れ」が少なくなり、大きな地震でもこれまで漏れていた大きな震度が観測できるようになった。これにより、以前は震度4だった地震が現在は震度5 - 6とされたり、震度1とされたり観測されなかったような地震でも震度3 - 4とされる場合があると考えられる。そのため現在は、以前よりも震度の「重み」が軽くなり、その分地震の報告数も格段に増え、各地震の震度も大きくなったことになる。このため、安易に「近年地震が増えている」と考えるのは誤り(地震の時間変化を考えるならばマグニチュードを見るほうが定量的である)[23]

[編集] 震度別の周囲の様子と被害

[編集] 1996年9月30日以前

震度 周囲の様子と被害
0(無感) 地震計(震度計)が検知し、人は揺れを感じない。
1(微震) 静止している人や特に注意している人だけに感じられる。
2(軽震) 人に感じられ、障子などがわずかに動く。
3(弱震) 家が揺れ、戸・障子などが音を立てる。
4(中震) 家が激しく揺れ、8分目くらいまで入れた水が容器からあふれ出る。
5(強震) 壁が割れ、煙突が壊れたりする。
6(烈震) 家が倒れる割合が30%以下で、崖崩れ地割れが起こる。
7(激震) 家屋の30%以上が倒れ、山崩れや地割れができる。

[編集] 1996年10月1日以降

震度 屋内 屋外 建物 設備・インフラ 地形
0 地震計(震度計)が検知し、人は揺れを感じない。 変化は無い。 変化は無い。 変化は無い。 変化は無い。
1 地震や揺れに敏感もしくは過敏な限られた一部の人が、地震に気付く。
眩暈錯覚する。
2 多くの人が地震であることに気付き、睡眠中の人の一部は目を覚ます。
天井から吊り下げた電灯の吊り紐が左右数cm程度の振幅巾で揺れる。
3 ほとんどの人が揺れを感じる。
揺れの時間が長く続くと不安や恐怖を感じる人が出る。
重ねた陶磁器等の食器が音を立てる。
風が無い時も電線が少し揺れる。
4 ほとんどの人が恐怖を感じ、身の安全を図ろうとし始める。机などの下に潜る人が現れる。
睡眠中の人のほとんどが目を覚ます。
吊り下げた物は大きく揺れる。
近接した食器同士がずれて音を立てる。
重心の高い置物等が倒れることがある。
電線の揺れがハッキリ確認できる。
木々の揺れが風でないことが分かる。
歩いていて揺れを感じる。座り込むと揺れていることが確認できる。
自動車の運転中に、突風で一瞬ハンドルを取られる感覚に似て、地震の揺れに気付く人がいる。
木造アルミサッシを用いていない古い木造家屋ではガラスが振動して鳴る。
軟弱地盤湿地等を土地改良した地域に建つ建物は他の地域に比べて大きく揺れる。
老朽家屋では柱と壁に隙間が生じる。
RC造:瞬間的にアルミサッシのガラスとガラス留めがずれてビシっと音を立てる。
一部のエレベーター地震感知後、停止する(その後は、大きな揺れがなければ自動で復旧するものが多い)。
5弱 ほとんどの人が恐怖を感じ、身の安全を図ろうとする。
歩行に支障が出始める。
天井から吊るした電灯本体を始め、吊り下げられた物の多くが大きく揺れ、家具は音を立て始める。
重心の高い書籍が本棚から落下する。
歩行中にふらつく。 木造耐震性の低い家屋では筋交い・火打等の倍率が低い部位を中心に応力が集中し、壁には亀裂が入り、柱の継手部分が破壊する。
RC造:耐震性を謳っている家屋では柱やなどの接合部分の軋む音が鳴る。
地中埋設された老朽化が著しい水道本管は、地下の揺れで水道管の接合部が緩み、断水する地域が現れる。
都市ガスで使用されているマイコン内蔵ガスメーターの自動遮断弁が作動する家が出始める。
エレベーターは停止し、保守会社が点検を行わなければ運転再開が不可能となる(以下5強以上の揺れでも同じ)。
軟弱な地盤では亀裂が生じることがある。山地で落石、小さな崩壊が生じることがある。
5強 恐怖を感じ、たいていの人が行動を中断する。
食器棚などの棚の中にあるものが落ちてくる。テレビもテレビ台から落ちることもある。一部の戸が外れたり、開閉できなくなる。
負傷者など人的被害発生の報告が入り出す。
窓ガラスが割れたり、補強していないブロック塀が落ちてくる。道路にも被害が出てくる。 木造:耐震性の低い住宅では壁や柱が破壊するものがある。
RC造:耐震性の低い建物では、壁や柱に大きな亀裂が入るものがある。耐震性の高い建物でも壁に亀裂が入るものがある。
停電する家庭が出てくる。ガス・水道管に被害が出て、利用できなくなる。 軟弱な地盤で、亀裂が生じることがある。山地で落石、小さな崩壊が生じることがある。
6弱 立っていることが困難になる。
固定していない重い家具の多くが動いたり転倒する。 開かなくなるドアが多い。
かなりの建物で、窓ガラスが割れたり、壁のタイルが落下する。 木造:耐震性の低い住宅は倒壊するものがある。耐震性の高い住宅でも壁や柱が破損するものがある。
RC造:耐震性の低い建物では、壁や柱が破壊されるものがある。耐震性の高い建物でも壁、、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。
一部の列車が脱線する。エレベーターは機器や昇降路(シャフト)が損傷し、乗客が長時間閉じ込められることもある。
6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。 多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
老齢の中高木は根元から折れることがある。
木造:耐震性の低い住宅は倒壊するものが多い。耐震性の高い住宅でも壁や柱がかなり破損するものがある。
RC造:耐震性の低い建物は倒壊するものがある。耐震性の高い建物でも、壁や柱が破壊するものがかなりある。
ガス管、水道の配水設備に被害が出、広い範囲でガス・水道が止まることがある。また、一部の地域で停電する。都市ガス会社はこの震度で供給を停止する。 震央付近の地域では地割れが確認でき、断層が地表に現れる事もある。
植林の少ない地域では山崩れが発生する。
7 落下物や揺れに翻弄され、自由意思で行動できない。
ほとんどの家具が揺れにあわせて移動する。
テレビ等、家電品のうち数キログラム程度の物が跳ねて飛ぶことがある。
墓石は重さ数十キログラムの棹石部分が倒れる。
細い中木や高木は根元から折れるものがある。
ほとんどの建物の外壁タイルが剥離、窓ガラスが破損し、地上に落下する。
耐震性の高い住宅・建物でも、傾いたり、大きく破壊されるものがある。 電気ガス水道等の主要ライフラインの供給が停止する。
多くの道路の表装がめくれ、通行が困難になる。
鉄道高速道路等の広域交通機関が破壊される。
都市機能が消滅し、周辺地域と孤立する。
大きな地割れが生じる。
地すべり山崩れが発生する。
地表部の隆起・沈降等で地形が変形する。
  • 以上の表は『気象庁震度階級関連解説表』(当時)[24]に倣い、記述をさらに追加したものである。
  • 2009年3月31日の改訂から、建物・設備・インフラ・地形の被害をより詳細に別記するようになった。

[編集] 参考文献

[編集] 脚注・出典

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  1. ^ a b 地震・津波 気象庁、2011年9月11日閲覧(「利用にあたって」節(1)参照)。
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  6. ^ 震度5強で倒壊の恐れあり? ストラクチャー
  7. ^ 高層ビルの揺れ、震度の目安に 気象庁「解説表」見直し 神崎卓征、大久保泰、朝日新聞、2008年9月1日
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  9. ^ 岩手県洋野町大野の震度データについて- 本年7月の岩手県沿岸北部の地震の最大震度を6強から6弱に修正 - 気象庁、2008年10月29日
  10. ^ 地震情報について 気象庁、2011年9月11日閲覧。
  11. ^ 兵庫県南部地震の震度7は震度計で観測されたものではなく、当時の規定に基づき現地調査で判定されたものであるため、厳密には「観測」ではなく「適用」と表現される。
  12. ^ 1例目は前述のように「適用」であり、2例目は地震発生直後に停電による衛星通信端末の停止で震度7を観測した川口町からの情報が入らず、後日記録から確認された。震度速報で震度7が発表されたのは3例目が初である。
  13. ^ 兵庫県南部地震による建造物の被害と地形・地質および地盤条件 (PDF)”. 地質ニュース491号 (1995年7月号). 2011年4月18日閲覧。
  14. ^ 1923年関東地震の被害分布と強震動 その2.千葉県内の詳細震度分布 (PDF)”. 地球惑星科学関連学会2000 年合同大会 (2000年6月26日). 2011年4月18日閲覧。
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  18. ^ 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による強震動の概要(暫定版)”. 独立行政法人防災科学技術研究所 (2011年3月11日). 2011年4月3日閲覧。
  19. ^ 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による強震動の概要(暫定版)
  20. ^ 2011年03月12日03時59分 新潟県中越地方 M6.6
  21. ^ 2011年04月11日17時16分 福島県浜通り M7.1
  22. ^ 気象庁における情報通信 気象庁、総務省 重要通信の高度化のあり方に関する研究会、2007年12月21日
  23. ^ 第1部地震の基礎知識 1章 大きな地震と小さな地震 防災科学技術研究所。
  24. ^ 気象庁震度階級関連解説表”. (公式ウェブサイト). 気象庁. 2011年4月15日閲覧。

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