アスペリティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アスペリティ: asperity)は、地震学者の Thorne Lay金森博雄1980年に提唱[1]した概念である。

解説[編集]

もともとの英語では物体表面の粗さを表現する言葉であるが、地震学において統一的で明瞭な定義がされた用語ではなく、複数の概念を持つ用語として使用されているため、文献によって使われ方が異なり混乱を招いている[2]

概念の例[編集]

例えば、弘瀬冬樹らは3通りのニュアンスの用語として使用している[3]

  1. 断層面中の突起
  2. 破壊強度の大きな領域
  3. 地震時の単位面積あたりのモーメント解放量が大きな領域[2]

また、山中佳子、菊地正幸らは、断層面で通常は強く固着しているが、地震時に大きくずれ動く領域[4]との概念で使用している。

混乱の解決に向けて[編集]

南海トラフの巨大地震モデル検討会[5]では、『強い強震動を発生させる領域』と『断層すべりの大きな領域』[6]とする定義を用いていたが、誤解を避けるため下記の様に替わる用語定義をおこなった。

  1. 強震動生成域
    震度分布を評価するための断層モデルに使用する用語で、断層面のなかで特に強い地震波(強震動)を発生させる領域を言う。断層面のその他の領域は、従来と同様、強震動生成域の背景領域と言う。
  2. 大すべり域超大すべり域
    大すべり域は、津波を評価するための断層モデルに使用する用語で、断層面のなかで大きく滑る領域を言う。その中でも特に大きく滑る領域を、超大すべり域と言う。断層面のその他の領域は、津波背景領域と言う。

プレート間地震におけるアスペリティ仮説[編集]

プレート境界面では、プレート同士が普段から安定して滑らかにすべる「安定すべり領域」と圧力によって密着固定されすべりにくい「固着域」があり、アスペリティはこの場合において後者の固着域を指している。この固着域において歪みが蓄積されていき、プレートの耐力の限界に達し一気にすべることでプレート間地震が発生する[7]

脚注[編集]

[ヘルプ]

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]