新幹線700系電車

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新幹線700系電車
JRC 700 series C37.jpg
走行中の700系電車
基本情報
運用者 東海旅客鉄道
西日本旅客鉄道
製造所 日本車輌製造
日立製作所笠戸事業所
川崎重工業車両カンパニー
近畿車輛(E・B編成)
製造年 先行試作車: 1997年
量産車: 1999年 - 2006年
製造数 1,328両
運用開始 1999年3月13日
運用終了 2019年12月1日(C編成・定期運用)
2020年3月13日(B編成・定期運用)
引退 2020年3月1日(C編成)[1]
投入先 東海道新幹線
山陽新幹線
博多南線
主要諸元
編成 16両(12M4T[** 1] / C・B編成)
8両(6M2T / E編成)
軌間 1,435 mm
電気方式 交流25,000 V・60 Hz
最高運転速度 270 km/h:東海道新幹線
285 km/h:山陽新幹線[** 1]
120 km/h:博多南線
設計最高速度 300 km/h(ATC頭打ち速度)[** 2]
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) 2.7 km/h/s[** 3]
編成定員 C・B編成 - 1,323名(うちグリーン車200名)
E編成 - 571名(普通車のみ)
編成重量 708 t(16両編成)
編成長 404.7 m(16両編成)[** 1]
全長 27,350 mm(先頭車)[** 1]
25,000 mm(中間車)[** 1]
全幅 3,380 mm[** 1]
車体高 3,650 mm[** 1]
車体 アルミニウム合金
台車 TDT204、TTR7002:コイルばね併用円筒積層ゴム式ボルスタレス台車(C編成)
WDT205A、WTR7002:軸梁式ボルスタレス台車(E・B編成)
主電動機 かご形三相誘導電動機
TMT6,TMT7(C1編成)
TMT6A,TMT7A(C2 - C60編成)
WMT205(E・B編成)
主電動機出力 275 kW/基
駆動方式 WN駆動方式
TD平行カルダン駆動方式(C19編成以降のグリーン車のみ)
歯車比 2.93(C1編成)[** 1]
2.96(C編成)[** 1]
2.79(E・B編成)
編成出力 C・B編成- 13,200 kW
E編成 - 6,600 kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御[** 1]
制動装置 回生併用電気指令式ブレーキ(応荷重装置付き)[** 1]渦電流ブレーキ[** 1]
保安装置 ATC-1型ATC-NS
備考
  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『高速鉄道物語 -その技術を追う-』日本機械学会、成山堂書店、1999年、p.45。ISBN 4-425-92321-9
  2. ^ 『鉄道ファン』2001年11月号、交友社、p.74
  3. ^ 初速285 km/h時、ATC
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第40回(2000年
ローレル賞受賞車両
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700系は、東海旅客鉄道および西日本旅客鉄道に在籍する、東海道山陽新幹線新幹線電車である。1999年に営業運転を開始した第四世代の営業用車両。最初の0系とそれの後継である100系の置き替え用として製造された。本列車と500系の後継であるN700系や、九州新幹線800系の技術的土台となった系列でもある。

概説[編集]

適度の製造、保守コストで東海道・山陽新幹線全体の高速化を図るべく、JR東海とJR西日本が共同で開発した車両である。最高速度は285 km/hで、500系の300 km/hには及ばないが、車内の居住性や乗り心地の改善を図っている。また充当編成変更時にも対応できるよう300系と座席数を共通化させている。

1編成16両の価格は約40億円である[2]。なお、JR東海会長葛西敬之「国鉄改革の真実」によると、編成価格は300系と同様の約40億円である。1997年秋に先行試作車16両編成1本が落成し、各種試験がなされた。1999年からは量産車の落成が始まり、0系や100系の置き換えが推進された。日本車輌製造日立製作所笠戸事業所川崎重工業車両カンパニー近畿車輛に発注され、最終的に91編成、1328両が製作された。

開発発表当初の仮称は「N300」であったが正式名称には採用されず、慣例に従って700系と命名された。N300とは、300系の改良型という意味である。登場当初にはJR東海所有車のみであるが「New Generation Train」という愛称があり、そのテレホンカードが車内で販売された。

登場以来、300系に代わって「のぞみ」や「ひかり」(ひかりレールスター)といった速達列車に充当されてきたが、後継のN700A系の増備、既存N700系のA化改造により、東海道新幹線の「ひかり」、両新幹線の「こだま」での運用が主体となった。2013年からは本格的な廃車が開始され、2017年1月10日東海車は最後の全般検査を終了した。

2019年12月11日、JR東海は2020年3月8日に運転される最終臨時列車「ありがとう東海道新幹線700系『のぞみ315号』」をもって、C編成ならびに東海道新幹線における本系列の営業運転を終了することを明らかにした。これに先駆けてJR東海が保有する700系C53・C54編成に、同年2月12日からヘッドマークおよびサイドステッカーによる車体装飾が行われたが[3][4]、「ありがとう東海道新幹線700系『のぞみ315号』」は新型コロナウイルスの感染拡大を避けるため運休となり[5]、下りは同年2月28日東京発新大阪行のぞみ399号と2月29日団体専用列車、上りは2月28日新大阪発東京行のぞみ406号と3月1日団体専用列車をもって、東海道新幹線における営業運転を終了した[1]

東海道新幹線からの撤退後も、700系を基にした923形「ドクターイエロー」や、JR西日本所属のE編成とB編成[注 1]の運用は継続されている[6][7][8]が、B編成も2020年3月13日をもって定期運用がなくなっており、現在定期運用に充当されているのは7000番台E編成(『レールスター』車両)のみとなっている。

構造[編集]

JR東海が発注したC編成とJR西日本が発注したE編成およびB編成では、走行機器を中心に相違点が存在する。それについては各節で詳述する。

車両外観[編集]

独特なカーブを描く700系の先頭形状(写真左)
(2007年9月11日 東京駅)

車体についてはアルミニウム合金製で、防音材を挟み込んだダブルスキン構造を採用しており、車内騒音に配慮しつつ軽量かつ低コストな構造となっている。普通車の側窓寸法は天地590 mm×幅700 mm、窓框高さは300系と同じ710 mmである。車体断面は幕板部分が窓上から屋根に向かって緩やかに絞られるようになり、これが客扉窓の高さに関係してくる。

先頭形状は、500系と同等のトンネル微気圧波対策効果を短いノーズで実現するために、エアロストリーム型という独特の形状を成している(後述)。

先頭車両の連結器カバーは、C18・E15編成までは2段階に分離するようになっており、連結器を使用するときはリング状に開くが、C19編成以降とE16編成、B編成(全編成)では継ぎ目の間隔が短くなった。そのため取り付け部の造作も若干異なる。

行先表示器はC編成が幕式[注 2]に対し、E・B編成は3色発光ダイオード (LED) を用いた電光式を採用している。編成・車両番号表記の書体はスミ丸ゴシックである、運転席窓ワイパーが停止位置がC1編成なめ)と、B/E垂直)で異なるなど、細部で違いがみられる。

また、先頭車の乗務員室と客室の扉上部にある雨樋が乗務員室用と客室用で分かれていた。しかし増備の途中から雨樋は一体化したものとなり、現在ではすべてのC編成とB4 - B15・E16編成が一体タイプとなっている。B1 - B3・E1 - E15編成は現在まで雨樋は分離している。

初期車は客扉の窓が平面ガラスで位置が若干低く、2001年製のC29編成から曲面ガラスを使用した。なお、JR西日本所有のBおよびE編成は一貫して低い。

500系まで乗務員室の外の握り棒は金属の手すりを埋め込んで設置したが、本系列から停車中にはフタが開き握れて、発車後5 km/h以上になるとフタが閉じ走行中の空力抵抗を低減する仕組みになっている。乗務員室内には、その旨を示すステッカーが貼られているのが乗務員室を覗くと見える。ただしE編成には従来同様金属の手すりが設置されている。

1号車である723形の車体上部には、四角い箱状の空間波アンテナが搭載されているが、2004年度以降の増備編成は東海道・山陽新幹線全線のLCX化が完了したため、アンテナは搭載されていない。

0系以降、東海道・山陽新幹線において運転台上にあった屋根上の静電アンテナは、本系列で初めて先頭車両の連結面側に移った。これは、以降の800系やN700系も同様である。

標識灯は、運転席の下に、ヘッドライト2灯とテールライト1灯が両側に配置されている。

先頭形状[編集]

700系電車の先頭車

新幹線の高速運行と快適性を両立させるための問題の一つとして、トンネル突入時に発生する、トンネル微気圧波による衝撃音の軽減がある。これを解消する方法の一つとしては「ノーズ部分の伸長」という手法があり、JR西日本が独自開発した500系では300km/hでの営業運転を実現させるため15mものロングノーズを採用したが、このために先頭車の乗車定員が減少するという欠点があった。また、300系以来問題となっていた、トンネル内などで左右に振られた気流の乱れによって車体が振られるという点も未解決であった。

そこで、700系の先頭形状の開発に当たっては、航空機の設計手法の一つである「エリアルール」を応用し、従来の先頭形状であった楔形の下に車体幅いっぱいに水平の張り出しを設け、これを飛行機の翼に見立てると共に運転席部分の幅を狭めて飛行機の垂直尾翼に見立てた空力設計を採用することで、ノーズの長さを9.2mにとどめながらトンネル微気圧波を軽減させると共に、トンネル内での車体の動揺を抑えることを実現した[9]。この形状を、新幹線デザインチームの一員として開発に携わった公共デザイナーの福田哲夫らは「エアロストリーム形」と呼称した。

この形状は動物のカモノハシに似ていると称され(「カモノハシ」はファンからの通称でもある)、トップ・ギアジェームズ・メイも言及しているが、偶然の一致であるという(500系とカワセミの類似については、開発責任者が言及している)。

しかし、この形状は、最高速を285km/hに抑えることを前提にノーズが短くなるよう開発されたため、それ以上の速度で走行した場合は想定を上回ることになる。後継車両のN700系では、遺伝的アルゴリズムを採用し、500系と同等の300km/hを想定しつつもノーズ延長を1.5mとごくわずかに抑えた「エアロ・ダブルウィング」形状を採用している。

塗装[編集]

300系までと同じく、車体全体を白で塗装し、側面に青帯を配する。この青帯は、300系では(上)細/(下)太だが、本系列では(上)太/(下)細に変更され、N700系でも踏襲された。

C・B編成には700系のロゴマークが貼り付けられている。さらにB編成では運転席脇に青字で「JR700」の文字が表記されている。

なお、2020年3月8日の700系引退に向け、同年2月12日よりJR 東海の保有する700系には「ありがとう東海道新幹線700系LAST RUN 2020.3.8」のヘッドマークおよびサイドステッカーによる特別装飾が施され、先頭車および最後尾のラインは700系を模した物に変えられる。


走行機器[編集]

電源・制御装置[編集]

(山陽新幹線 博多-小倉間、2003年9月27日)

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(東海道新幹線 京都-新大阪間、2011年7月18日)

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700系に搭載されている渦電流ブレーキ
700系7000番台の台車WDT205A

500系の4両1ユニットを継承しつつ1ユニットあたりの電動車両数を減らすことにより、車両製作費や車両整備費の低減と軸重の分散を実現している。4両1ユニットを2組もしくは4組組み合わせて編成を組成する。M車に主変圧器を、M1車に主変換装置1台、M2車に主変換装置2台、T車に補機類を搭載する。

主変換装置は、IGBT素子を利用したPWMコンバータ1基+VVVFインバータ1基で構成されており[10]、富士電機が原設計を担当した[11]。IGBT素子はスイッチング周波数がGTO素子よりも高いため[注 3]、発車・停車時にGTOサイリスタ装備の300・500系で顕著だった、かご形三相誘導電動機からの磁励音が低減された。また、2.5 kV、1.8 kA級の大容量IGBT素子を採用することで小型軽量化を達成した[11]。制御方式も300系の2レベル制御から3レベル制御にすることにより、電圧・電流波形が交流の正弦波により近い形となり、ひずみ成分波の抑制を図っている[12]。主変換装置内部には冷却用として、インバータユニット側に主電動送風)、コンバータユニット側に補助電動送風)が搭載されている[12]。E・B編成に搭載されるWPC200は制御方式は同一であるものの、車両基地の設備的相違の観点から車側点検・取り外し方式を採用している[13][14]

主変圧器は4,160 kVAの容量を備える[15]。強制風冷式外鉄形であるが、軽量化の観点からアルミコイルとした[14][11]。主回路用の二次巻線は3分割され[16]、それぞれに主変換装置のコンバータ部が接続される[17]。補助電源用の三次巻線は500 kVAの定格容量を備え、単相交流430 V・60 Hzを出力する[11]。量産先行車C1編成にはTTM3、C編成量産車にはTTM3A、E・B編成にはWTM206が搭載されるが性能は同一である。

補助電源装置は主変圧器の三次巻線を電源とし、直流100 V・36 kW、交流100 V・5 kVAの容量を有するIGBT素子を使用した静止形インバータである[18]。このほかに、補助トランスによる交流100 V・10 kVAを有する[18]。E・B編成では客室内コンセント使用による電源負荷増大を考慮し、C編成と同等の性能を持つWSC209に加えて安定化電源を3基(E編成)もしくは6基(B編成)搭載し、蓄電池も6台から7台に増強した[13][19]

空気圧縮機には、静粛性で評価の高いスクロール式を採用する。

主電動機は、かご形三相誘導電動機を電動車1両あたり4基搭載する。300系で実績のあるフレームレス構造、アルミブラケット構造を採用して軽量化を図り、電蝕防止の観点から絶縁軸受を採用した[11]。連続定格出力は275 kWである[11]

ブレーキについては、300系、500系にひきつづき、電動車には電力回生ブレーキを、付随車には渦電流式ディスクブレーキを採用している。渦電流式ディスクブレーキは、車両重量バランスの改善と電動車の割合が上がったことから300系から半減されて1軸1機とされている。また、緊急制動時の滑走対策として500系に装備されていたセラミック噴射装置を1号車第1軸と16号車(8両編成の場合は8号車)第4軸に採用して制動距離の短縮を図っている[20]

台車[編集]

台車は、C編成にはTDT204、TTR7002を装備する。300系のものをベースとした、コイルばねと円筒積層ゴムを併用したウイングばね式軸箱支持装置のアンチヨーダンパ付きのボルスタレス台車であり、軸箱の上部と台車枠の間に軸ダンパーが装備されている[13][21]

E・B編成は、500系用の台車をベースにした軸梁式軸箱支持装置のアンチヨーダンパ付きのボルスタレス台車であり、軸箱の側端部と台車枠の間に軸ダンパーが装備されたWDT205A、WTR7002を装備している。円筒コロ軸によるグリス潤滑軸受けが特徴である[13]。WDT205Aは、主電動機の相違以外は500系のものと互換性がある[22]。WTR7002はWDT205Aをベースにモーターを廃し、渦電流式ディスクブレーキ用コイルを搭載した[22]

歯数比がそれぞれ異なるため、制御装置の特性を変更して加速特性をそろえている。

C19編成以降のグリーン車では駆動装置をWN駆動方式からTD平行カルダン駆動方式に変更した[23]。新幹線車両においてTD平行カルダン駆動方式は本系列が初の採用例となった。従来は高速運転時の耐久性の点からWN駆動方式が採用されてきたが、300系や700系C1編成を用いた試験走行の結果、TDカルダンに用いられるたわみ板の耐久性が向上したことから、保守が容易で騒音の少ない本方式に変更された。

集電装置[編集]

パンタグラフとディフレクター

集電装置は新たに開発されたシングルアームパンタグラフ編をM1車の内5・13号車に搭載している。パンタグラフは主枠の中にイコライザーアームを通した物となっており、さらにスライダーのホーン部分に小さな穴を開けることで、パンタグラフ自体から発生する騒音を軽減する構造になっている。

前後に設けたスロープ状の碍子カバーと、車体側面に設けた遮音板によって風切り音と空力抵抗の低減を図っている。遮音板はC編成が灰色、B編成およびJR西日本に転属したC編成は白である。

各ユニット間は特高圧引き通し線によって電気的に接続され、16両編成であるC・B編成は、4 - 5,8 - 9,12 - 13号車間はケーブルヘッドによる、それ以外の箇所は直ジョイントによる接続がなされている。8両編成であるE編成は、E12編成までは全車両間が直ジョイントによる接続であった。しかしE13 - E16編成は、新造時から4 - 5号車間がケーブルヘッドによる接続に改められたため既存編成にもケーブルヘッド化工事が実施された。

300系からの進化[編集]

車体間ダンパ
N700系に使用されている全周幌と台車カバーのテスト

車両の空車重量は16両編成で634 tであり、300系の637 tと比べ3 tの減少に留まる。これは機器の小型化や電気配線の効率化で達成した20 tあまりを、乗り心地や騒音の遮蔽、低減といった快適性と環境性能に振り分けた結果である。

また300系の導入後、利用客から相次いだ乗り心地に関する苦情を反映し、セミアクティブサスペンションや特性を改善した空気ばね車体間ダンパなど、随所に乗り心地改善のための工夫が施されている。なお車体間ダンパは、500系では取り付け部の根元が隠れていたが、本系列は取り付け部までを露出させ、保守作業を容易にしており、これは後継のN700系にも受け継がれている。

300系で問題となった空調装置の効きの悪さは、基本能力の向上だけではなく、ダブルスキン構造による断熱効果の向上と、吹出し口を天井近くから荷物棚下に移設することによるダクト長の短縮などによって大幅に改善されている。

また、車両の状態を逐次監視および記録するため32ビットコンピュータを利用したデータモニタ装置を搭載している。得られた走行中の各種データは運転台のモニタディスプレイに表示されるほか、メンテナンス時の参考データとして活用され整備作業の効率化に貢献している。

以上の効率化や改良により、16両での車両価格は約36億4000万円と500系の約50億円[要出典]からコストダウンが図られたが、N700系では約50億円と500系とほとんど同じ程度まで跳ね上がっている。一方、走行時のエネルギー消費も270 km/h走行時の利用客一人当たりの消費エネルギーが14.7 kWh、300系:16.0 kWh、0系:17.5 kWhと高効率となっている。

なお、N700系に採用されている全周幌や台車カバーが700系に搭載されて試運転を行った。

C1編成(C0編成)[編集]

700系C0編成(C1編成の量産化改造前)。乗務員室扉の形状が異なっている。
700系C1編成
(2010年1月16日 米原駅)
量産車とは洗面台の形状が異なる(2014年12月7日 リニア・鉄道館)

先行試作車のC0編成(9000番台)は1997年秋に完成し、10月3日に浜松工場で報道陣に公開され、10月27日から約1年半にわたって走行実験が行われた[24]。8両編成での走行試験(1・5・6・7・10・11・12・16号車連結)や[25]、東海道新幹線で300 km/h、山陽新幹線で310 km/hの速度向上試験も行われた後、量産化改造を受けてC1編成として1999年秋から営業運転に充当された。

2013年1月16日に廃車となった[26]。1号車の723-9001は同年夏に行われた新幹線なるほど発見デーでの公開後、2013年末にリニア・鉄道館に移設された。

300系先行試作編成であるJ1編成ほどではないが、量産編成との差異があげられる。

  • 先頭車両ノーズ部分はそれ以外の編成のものより70 cm短い8.5 mであり[27]、連結器カバー付近に取っ手が付いている。
  • 先頭車両の雨樋の位置がより上方に取り付けられている。
  • 公衆電話が15号車東京寄りではなく、16号車博多寄りに存在する[28][27]
  • 洗面所の洗面台の形状が量産車では楕円形に対し、台形になっている。

それらに加え、量産化改造を実施する前の外観は以下のようなものだった。

  • 運転席のワイパーの停止位置は300系と同様、横位置で停止。
  • 高速試験車"300X"で試験が行われた「ワイングラス型パンタグラフカバー」から脚部を省いた形態の改良型カバーとシングルアーム式パンタグラフの組み合わせを採用していた[29]が、パンタグラフカバー自体が騒音の発生源となっていることが試験走行の過程で突き止められ、後に量産車と同様のシングルアームパンタグラフと碍子カバー、車体側面側に設置した遮音板の組み合わせに変更された。
  • 乗務員室扉の形状が、300系に似た長方形。
  • 乗務員扉脇の手すりは、金属の棒を埋め込み。
  • 車体の剛性確保のため、11号車の726形700番台のドア配置が量産車とは異なる[27]

インテリア[編集]

C編成車内(後期車)
営業していた頃の自動販売機

16両編成の場合、8 - 10号車がグリーン車、他は普通車で構成されている。

座席配置は300系と共通である。また300系以降、車体軽量化の一環で座席クッションからスプリングを廃し、重ねたポリウレタンを用いている。

内装はC編成とB編成で異なり、号車表示の位置も違う。C編成の普通車は明るい色調で座席モケットが水色であるのに対し、B編成では濃い紺色である。このため乗車した際の印象が異なる。また、座席の形状も異なる。全体的な車内の構造は300系と比較して、普通車が直接照明となり天井の構造が簡略化されたことやC編成では壁面および仕切扉のデザインも簡素化されていることなど、コストダウンの影響が現れている(B編成の場合はE編成との部材共通化などによりその影響は小さい)。しかし最大天井高さは2,200 mmとなり、視覚面でも居住性が向上している。グリーン車はC・B編成ともに300系の間接照明から、暖色系の蛍光灯を使用した半間接照明となっている。蛍光灯カバーのデザインはC・B編成で異なっている。

2001年度以降に落成したC25編成以降とすべてのB編成では、各車両両端の座席にコンセント[注 4]と縦に長いテーブルを設けたほか、ユニバーサルデザインの一環として座席肩部の手掛け(普通車はC編成はゴム製のグリップを取り付け。B編成[注 5]は滑り止めシートを縫い付け)やドアチャイムが設置されている。グリーン席ではC編成では座席背面のテーブルがあるのに対し、B編成は肘掛収納のテーブルが二段折り畳み式となっている他、読書灯スイッチの位置も異なる。グリーン車の各座席にはオーディオサービス用のコントロールパネルが設置されていたが、2013年春のオーディオサービス終了に伴い撤去され板がはめ込まれた。

なお車体の軽量化と強度確保のため、窓の寸法は先述の通り300系・500系に比べて小型化されている。

デッキと独立した電話室が2・4・6・8・10・12・14号車博多寄りと15号車東京寄りのそれぞれのデッキに備えられるが、携帯電話の普及に伴い最終的に2・6・12・15号車まで削減された。

8両編成のE編成は、「ひかりレールスター#車両・設備」の項目を参照。

運転席の座席には、長時間の着席に伴う疲労の軽減と腰痛を予防するため、500系でも採用されたレカロ製のセミバケットタイプ事務椅子「RECARO 24H CHAIR」を採用[30]。シートモケットは客室用に合わせている。

座席
試作編成であるC0(C1)編成のみ、TR39形,TR75形,TR62形となっている。

JR東海0番台・初期車

JR東海0番台・後期車

JR西日本3000番台車

形式および車種[編集]

本系列に属する各形式名とその車種は以下の通り。

奇数形式と偶数形式2両ずつ、計4両電動車 3両と付随車 /ユニットを構成する。M1車に集電装置を搭載している関係から、C・B編成とE編成ではユニット内の車両連結順が異なる。

700系 編成表[31]
← 博多
東京 →

量産先行試作編成であるC0編成は9000番台を、量産型C編成は0番台[注 6]を、B編成は3000番台を、E編成は7000番台を名乗る。

717形(717-54)
717形
グリーン席を備える中間電動車。C・B編成10号車として使用。車掌室を備え、主変換装置・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員68名。
718形'
グリーン席を備える中間付随車。C・B編成8号車として使用。乗務員室を備え、空気圧縮機・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員68名。
719形(719-54)
719形
グリーン席を備える中間付随車。C・B編成9号車として使用。荷物保管室・業務用室・便所・洗面所を備え、空気圧縮機・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員64名。
723形
普通席を備える制御付随車。C・B・E編成1号車として使用。博多向き運転台・便所・洗面所を備え、空気圧縮機・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員65名。
724形(724-54)
724形
普通席を備える制御付随車。
0,3000番台
C・B編成16号車として使用。東京向き運転台を備え、空気圧縮機・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員75名。
9000番台
C1編成16号車として使用。東京向き運転台・公衆電話を備え、空気圧縮機・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員75名。
7700番台
E編成8号車として使用。東京向き運転台・コンパートメント・公衆電話を備え、空気圧縮機・セミアクティブサスペンションなどを搭載する。定員52名。
725形
普通席を備える中間電動車。
0,3000,9000番台
C・B編成4号車として使用。主変換装置を搭載する。定員100名。
300,3300,9300番台
C・B編成5号車として使用。便所・洗面所を備え、集電装置・主変換装置・空気圧縮機・セミアクティブサスペンションを搭載する。定員90名。
725形500番台(725-554)
500,3500,9500番台
C・B編成13号車として使用。便所・洗面所を備え、主変換装置を搭載する。定員90名。
725形600番台(725-654)
600,3600,7600,9600番台
C・B編成12号車、E編成2号車として使用。集電装置・主変換装置・空気圧縮機・セミアクティブサスペンションを搭載する。定員100名。
7700番台
E編成7号車として使用。便所・洗面所・車内販売準備室・車椅子対応設備を備え、集電装置・主変換装置を搭載する。定員は50名。
726形
普通席を備える中間電動車。
0,3000,9000番台
C・B編成6号車として使用。主変圧器を搭載する。定員100名。
7000番台p
E編成6号車として使用。車掌室を備え、主変圧器を搭載する。定員72名。
726形200番台(726-254)
200,3200,9200番台
C・B編成14号車として使用。主変圧器・空気圧縮機を搭載する。定員100名。
500,3500,7500,9500番台
C・B・E編成3号車として使用。便所・洗面所・車内販売準備室を備え、主変圧器・空気圧縮機を搭載する。定員85名(C・B編成)80名(E編成)。
726形700番台(726-754)
700,3700,9700番台h
C・B編成11号車として使用。便所・洗面所・車内販売準備室・車椅子対応設備を備え、主変圧器・空気圧縮機を搭載する。定員63名。
727形
普通席を備える中間電動車。
0,3000,7000,9000番台2
C・B編成2号車、E編成4号車として使用。荷物室を備え、主変換装置を搭載する。定員100名(C・B編成)80名(E編成)。
7100番台w
E編成5号車として使用。便所・洗面所を備え、主変換装置を搭載する。定員72名。
400,3400,9400番台k
C・B編成7号車として使用。便所・洗面所・車内販売準備室を備え、主変換装置を搭載する。定員75名。
727形500番台(727-554)
500,3500番台
C・B編成15号車として使用。便所・洗面所・公衆電話を備え、主変換装置・空気圧縮機を搭載する。定員80名。
9500番台
C1編成15号車として使用。便所・洗面所を備え、主変換装置・空気圧縮機を搭載する。定員80名。

編成表[編集]

0番台(C編成)
編成番号 落成日 廃車 備考 次車区分
C1 1997年9月28日 2013年1月 量産先行試作車
C2 1999年2月3日 2013年3月 1次車
C3 1999年2月5日 2013年2月
C4 1999年3月2日 2011年7月
C5 1999年3月5日 2013年3月
C6 1999年4月2日 2013年5月 2次車
C7 1999年5月19日 2013年10月
C8 1999年6月27日 2014年1月
C9 1999年7月23日 2014年2月
C10 1999年8月25日 2014年3月
C11 1999年9月8日 2017年2月 JR東海→
JR西日本所属
C12 2000年4月5日 2016年8月 3次車
C13 2000年5月17日 2015年10月
C14 2000年6月7日 2017年1月
C15 2000年6月27日 2016年10月
C16 2000年7月18日 2016年1月
C17 2000年9月6日 2016年4月
C18 2000年9月21日 2016年6月
C19 2000年11月28日 2013年7月 4次車
C20 2000年12月13日 2013年11月
C21 2001年2月1日 2014年7月
C22 2001年2月28日 2014年5月
C23 2001年3月27日 2014年11月
C24 2001年3月14日 2014年9月
C25 2001年5月22日 2014年10月 5次車
C26 2001年4月20日 2014年12月
C27 2001年7月18日 2015年3月
C28 2001年6月19日 2015年2月
C29 2001年8月24日 2015年8月
C30 2001年9月2日 2015年6月
C31 2001年10月10日 2016年1月
C32 2001年11月6日 2016年2月
C33 2001年12月5日 2016年5月 6次車
C34 2002年1月9日 2016年8月
C35 2002年1月23日 2017年2月
C36 2002年2月13日 2016年9月
C37 2002年3月5日 2017年1月
C38 2002年4月25日 2017年3月 7次車
C39 2002年4月5日 2016年10月
C40 2002年5月15日 2017年5月
C41 2002年6月18日 2017年9月
C42 2002年8月2日 2017年8月
C43 2002年10月9日 2017年10月
C44 2002年11月13日 2018年1月 8次車
C45 2002年12月18日 2017年11月
C46 2003年1月15日 2018年9月
C47 2003年2月14日 2017年6月
C48 2003年3月11日 2019年1月
C49 2003年4月5日 2019年7月 9次車
C50 2003年5月15日 2019年10月
C51 2003年5月23日 2019年8月
C52 2003年6月27日 2019年12月
C53 2003年8月2日 2020年3月
C54 2003年9月10日 2020年3月
C55 2004年9月9日 2018年5月 10次車
C56 2004年9月18日 2018年8月
C57 2004年10月16日 2018年7月
C58 2004年10月27日 2018年12月
C59 2004年11月25日 2019年3月
C60 2004年12月26日 2019年2月
3000番台(B編成)
編成番号 落成日 廃車 次車区分
B1 2001年6月19日 2017年11月 1次車
B2 2001年7月18日 2018年12月
B3 2001年8月8日 2019年8月
B4 2002年4月12日 2次車
B5 2002年5月17日 2020年3月
B6 2002年6月14日 2020年6月
B7 2002年7月15日 2017年9月
B8 2003年4月4日 2018年10月 3次車
B9 2003年5月13日 2019年1月
B10 2003年6月20日 2019年5月
B11 2003年8月7日 2019年11月
B12 2003年7月18日 2019年7月
B13 2005年2月23日 2018年3月 4次車
B14 2005年12月19日 2019年12月
B15 2006年1月25日 2019年3月
7000番台(E編成)
編成番号 落成日 備考 次車区分
E1 1999年12月14日 1次車
E2 2000年1月5日
E3 2000年1月27日
E4 2000年2月14日
E5 2000年3月1日
E6 2000年4月16日
E7 2000年2月2日
E8 2000年3月30日
E9 2000年1月20日
E10 2000年3月8日
E11 2000年2月19日
E12 2000年4月9日
E13 2001年3月14日 2次車
E14 2001年4月1日
E15 2001年4月8日
E16 2006年2月

保有状況[編集]

2020年4月1日現在[32]

  • JR東海 - 0両
  • JR西日本 - 160両
    • 3000番台×2本 = 32両ー博多総合車両所配属
    • 7000番台×16本 = 128両ー博多総合車両所配属
  • 全160両

2011年7月4日付でC4編成が博多総合車両所へ回送され廃車となり、700系の廃車第1号となった。

同年10月20日には2011年度中にJR東海のC編成8本をJR西日本に譲渡予定であることが両社から発表され[33]、この発表以前にもC17編成を皮切りにC11・C12編成が移籍していた。なおC11・C12編成はJR西日本への入籍日の翌日付でJR東海での除籍が行われており、1日だけ両社の車籍を有していた[34]。その後2012年3月までにC13 - C16・C18編成も移籍し[35]、移籍編成は車体外部車両番号表記横のJRマークの色や車内チャイム・車内ステッカーが変更されていることで識別できた。移籍後に全般検査を受けた編成はパンタグラフカバーがグレーから白に変更されていた。

その後N700系1000番台の増備に伴い、所定の使用年数である製造後13年に達した車両から順次廃車が開始された。JR東海では2011年度にC4編成、2012年度にC1 - C3・C5編成、2013年度にC6 - C10・C19・C20編成、2014年度にC21 - C28編成、2015年度にC29 - C32編成の計24編成が廃車された。JR西日本でも2015年度下期以降、N700系4000番台 増備に伴い、C13・C16編成を皮切りにC編成移籍組の廃車が始まり、C11編成が2017年2月10日付で廃車されたのを最後に、JR西日本に移籍したC編成は消滅し、この結果20世紀に製造された新幹線車両は東海道新幹線から全て撤退した。

2015年10月22日、JR東海は2019年度末までに全編成をN700系に置き換える計画を発表し、700系を東海道新幹線の運用から引退することを明らかにした[36]。JR西日本では2016年5月発表の中期経営計画[37]においては同年度までのN700系4000番台9編成導入が発表されているのみで、700系16両編成の置き換え計画については示されていなかったが、その後2016年12月21日に2017 - 2019年度にかけてB編成を置き換える目的でのN700系4000番台15編成の導入が発表され[38]、2017年度にはB編成も廃車が始まった[39]

2020年3月をもって東海車(C編成)が姿を消し[40]、それに伴って喫煙車も姿を消した[41]。C編成の廃車に伴って発生した座席(普通車・グリーン車)・テーブル・銘板・方向幕・運転席用セミバケットシートなどは、JR東海が開設した鉄道部品販売サイトにて販売される[42]。また、本系列の廃車で発生した廃材の一部が、N700S系の荷棚などの内装部品にリサイクルされている。

なお2018年3月20日にJR西日本は、同社保有の本形式・N700系・500系を対象に2018年夏からの山陽新幹線車内での無料公衆無線LANサービスの提供と、全車両のトイレを洋式化を実施することを発表した[43]

保有状況の推移(各年4月1日時点)
C編成 B編成 E編成 備考
東海 西日本
1998 1       1997年9月28日にC0を新製
1999 5       C2-C5を新製
2000 11     10 C6-C11,E1-E5,E7-E11を新製、1999年9月28日にC0→C1に改番[28]
2001 24     14 C12-C24,E6,E12-E14を新製
2002 37   3 15 C25-C37,E15,B1-B3を新製
2003 48   7 15 C38-C48,B4-B7を新製
2004 54   12 15 C49-C54,B8-B12を新製
2005 60   13 15 C55-C60,B13を新製、C編成増備完了
2006 60   15 16 E16,B14,B15を新製、E,B編成増備完了
2007 60   15 16  
2008 60   15 16  
2009 60   15 16  
2010 60   15 16  
2011 60   15 16  
2012 51 8 15 16 C4編成が廃車,C11-C18編成がJR西日本へ移籍
2013 47 8 15 16 C1編成(9000番台),C2,C3,C5編成(0番台)が廃車
2014 40 8 15 16 C6-C10,C19,20編成が廃車
2015 32 8 15 16 C21-28編成が廃車
2016 28 6 15 16 C13,C16,C29-C32編成が廃車
2017 21 0 15 16 C11,C12,C14,C15,C17,C18,C33-39編成が廃車
2018 14 12 16 B1,B7,B13,C40-C45,C47,C57編成が廃車
2019 6   8 16 B2,B8,B9,B15,C46,C48,C55-60編成が廃車
2020 0   2 16 B3,B5,B10-B12,B14,C49-C54編成が廃車(C編成の廃車完了)

運用[編集]

JR西日本「ひかりレールスター」用の車両
(2010年8月13日 西明石駅

以下では、定期列車について、2020年3月14日現在の情報を中心に記述する。

  • E編成
    • ひかりレールスター
      • 新大阪・岡山 - 博多間:下り1本・上り2本にて運用中
    • こだま
      • 新大阪・姫路・岡山 - 岡山・広島・博多間:下り12本・上り12本にて運用中
      • 博多 → 福山間:上り1本にて運用中
      • 新岩国 → 新大阪間:上り1本にて運用中
      • 福山 → 新大阪間:上り1本にて運用中
      • 広島 → 博多間:下り1本にて運用中
      • 新山口 → 博多間:下り1本にて運用中
      • 新下関 - 博多間:下り1本・上り1本にて運用中

C編成[編集]

「のぞみ」16号として運用される、新幹線700系3000番台電車 B9編成
(2010年3月3日 岡山 - 相生間)
JR西日本へ譲渡されたC14編成の連結部

JR東海保有の0系と100系X編成を置換えるために本系列はC11編成まで増備された。その後2000年から2003年10月1日品川駅開業時までに100系16両編成50本を置換えるためにC54編成まで増備された。実に7本分の予備編成削減により、車両メンテナンスの合理化を図った。2004年には2005年愛・地球博の輸送力増強に備えてC55〜C60編成が増備された。

2003年10月の品川開業ダイヤ改正による「のぞみ」の運転本数大増発により、C編成は主に定期「のぞみ」に充当されていたが、「ひかり」にも使用された。

設計段階から300系と乗車定員の互換性がとられており、300系充当の運用に代走として入ることが容易で車両手配時の利便性が向上しているため、臨時の「のぞみ」が時刻表では300系使用となっていたが700系に変更される場合も多かった。

700系使用列車は市販の時刻表に掲載されているが、団体臨時列車や検査などの都合上700系で運行されることがあった。2012年3月17日改正では定期「のぞみ」運用から離脱し、臨時「のぞみ」や定期「ひかり」「こだま」で運用されていたが、2019年3月16日改正以降は定期「こだま」の2.5往復のみの運行となった。JR東海・JR西日本では2012年3月の300系営業運転終了に関連して、JR西日本に所属する300系F編成を置き換えるために2011年度中に700系C編成9本がJR東海からJR西日本に転属する予定であることが2011年10月20日に発表されている[33]。JR西日本に転属したC編成はB編成と共通運用とされた。

JR東海は、東海道新幹線の車両を2020年(令和2年)春までにN700系で統一すると発表し、C編成は2019年(令和元年)12月1日の「こだま636号」を最後に定期運用を終了した。

その後、2020年(令和2年)3月8日に運転される臨時「のぞみ315号」をもって引退する予定[3]であったが、新型コロナウイルスの流行により運休が決定したため[5]、同年3月1日の団体専用列車が最後の営業運転となった。同年3月11日にC53編成、翌12日にC54編成が浜松工場に廃車回送され、その後、4月から5月にかけて解体されたが、C54編成の中間車2両と東京寄りの先頭車1両は解体されず浜松工場に保管されている。これにより、JR東海の700系は消滅した。

B編成[編集]

2001年に、100系V編成グランドひかりを置き換えるためにJR西日本所属となる1編成が製造された。このB編成は当初「ひかり」での運用だったが、その後「のぞみ」「こだま」でも運用された。

2003年10月の品川開業ダイヤ改正により「のぞみ」の運転本数大増発により、B編成は主に定期「ひかり」に充当されていたが、「のぞみ」にも使用された。

700系使用列車市販の時刻表に掲載されているが、団体臨時列車や検査などの都合上700系で運行されることがあった。2011年3月12日改正では定期「のぞみ」運用から離脱し、臨時「のぞみ」や定期「ひかり」「こだま」で運用されていた。

2020年(令和2年)2月28日のB4編成充当の東京駅 - 新大阪駅間の上りのぞみ374号、下りのぞみ399号をもって東海道新幹線での営業運転を終了[44]し、同年3月13日には山陽新幹線内でも定期運用(ひかり441号・B4編成)が終了した[45]。山陽新幹線では当面の間、波動用車両としてB4編成[要出典]の使用が継続される予定である[6]。尚、C編成が全廃されて以降、16両編成の700系は本編成が唯一の存在である。

E編成[編集]

E9編成の運転台

2000年3月11日改正から、山陽新幹線の「ひかりレールスター」と一部の「こだま」で運用されている。通常「のぞみ」には使用されないが、ダイヤが大幅に乱れた場合、山陽新幹線内に限り、臨時「のぞみ」に使用される場合がある[46]

九州新幹線全通後、「ひかりレールスター」の運用から離脱し、順次「こだま」に転用することを決定したという報道がされたが[47]、2011年3月12日のダイヤ改正で「ひかりレールスター」の運用減に伴い「こだま」運用が増加し、老朽化した100系5000番台を淘汰した[48]。2012年3月17日改正ではさらに山陽区間「こだま」の運用が増え、100系5000番台(K編成)の運用をすべて置き換えたが、「ひかりレールスター」は上り1本のみとなった。しかし2013年3月16日ダイヤ改正で1往復が増発され、1.5往復となった。

2020年4月現在、ひかりレールスターは上りが博多6:00発のひかり590号岡山行きと、博多6:18発のひかり592号新大阪行きの2本、下りが新大阪20:27発のひかり593号博多行きのみである。なお、2018年には臨時列車として、姫路 - 博多間で下りの577号と上りの576号が運用されていた[49]

なお、2020年10月1日現在、B編成とC編成が定期運用を終了して以来、定期運用を持つ本系列は、8両編成の本編成が唯一の存在。

「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーンとの連動企画[編集]

2003年10月1日の新幹線品川駅開業に合わせて「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーンが開始されるのに伴い、C編成では先頭車の側面ライン中央を切断する形で「AMBITIOUS JAPAN!」のロゴが表記され、300系を含む一部車両の客用ドア横には円形の「AMBITIOUS JAPAN!」ステッカーが貼付された。

このキャンペーンは東海道新幹線の開業40周年、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)開催に合わせて当初の予定より延長されたが、その閉幕に伴って終了となり「AMBITIOUS JAPAN!」ステッカーも2005年9月頃より全般検査などで入場した車両から順次撤去され、同年10月末には全編成の撤去が完了した。ただし、車内放送チャイムはJR東海所有車はTOKIOの楽曲『AMBITIOUS JAPAN!』が、JR西日本所有車は『いい日旅立ち・西へ』のオルゴールアレンジを引き続き使用している。

なお、リニア・鉄道博物館の2019年度冬のイベント、「ありがとう700系新幹線」において、2020年1月8日から3月13日、保存されている723-9001に、「AMBITIOUS JAPAN!」ステッカーの装飾が施される予定となっている。[50]

保存・展示車両[編集]

  • 723-9001(C0→C1編成1号車)
    廃車後いったんJR東海浜松工場に保管された後、リニア・鉄道館に300系量産車(323-20)と入れ替わる形で2014年1月2日から展示を開始した[51]
  • 723-9(C10編成1号車)
    先頭部の左半分がジェイアール名古屋タカシマヤの催事に合わせ、同所にて2014年7月から8月にかけて展示されていた

他にもC54編成の8・14・16号車が浜松工場にて保存されている。

本形式をベースとした車両[編集]

車体リサイクル[編集]

2020年春に引退した700系のアルミニウム車体を、JR東海系列東京ステーション開発が運営する東京駅一番街の土産物店街「東京ギフトパレット」の外装(店舗の軒先)に再利用している[52]

また、2020年7月1日に運行を開始したN700S系の内装部品に700系の車体を再利用している[53]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ ただし波動用
  2. ^ 新製時に幕式タイプの行先表示器を採用した新幹線車両としては最後のものとなる。
  3. ^ 300系では420 Hzであるが、700系では1,500 Hzまで引き上げている。
  4. ^ コンセントのソケット数はC編成が両側左右の妻面に1つずつ(1両で4個)になっているのに対し、B編成では両端席の座席分(1両あたり普通車で10個、グリーン車で8個)用意されているという点でも違いがある。
  5. ^ E編成ではE16編成は新製時から、E1 - E15編成は後年のモケット更新時に縫い付けた。
  6. ^ 300系J編成と同様に、C1編成が量産化改造で編入されたことから編成番号と車両番号にずれが生じている(例として、724-30はC31編成の16号車ということになる)。

出典[編集]

  1. ^ a b “新幹線700系の8日ラストラン取りやめ 感染拡大防止で 1日が最後の運行に”. 毎日新聞. (2020年3月2日). オリジナルの2020年3月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200303063356/https://mainichi.jp/articles/20200302/k00/00m/040/179000c 2020年3月3日閲覧。 
  2. ^ “最新型700系車両を公開”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 24(朝刊). (1997年10月4日) 
  3. ^ a b 「ありがとう東海道新幹線700系」引退イベントについて (PDF) - JR東海
  4. ^ 「ここも補修してあげよう」引退せまる東海道新幹線700系に愛の特別装飾 ラストランへ”. 乗り物ニュース. 2020年3月2日閲覧。
  5. ^ a b “新型コロナウイルス感染症の影響によるイベント等の中止について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東海旅客鉄, (2020年3月2日), オリジナルの2020年3月3日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20200303064552/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040250.pdf 2020年3月3日閲覧。 
  6. ^ a b 愛された「カモノハシ」 東海道新幹線700系、来春引退 JR西は運転継続”. 毎日新聞. 2020年3月2日閲覧。
  7. ^ 新幹線700系ラストラン中止 34秒完売も無情”. 日刊スポーツ. 2020年3月3日閲覧。
  8. ^ 700系まもなく引退、6倍に増える「のぞみ」と歩んだ約20年の歴史”. 鉄道コム. 2020年3月3日閲覧。
  9. ^ 金丸信丈 (2015年9月9日). “揺れを止めた700系新幹線の機能的な"カタチ"――"カモノハシ"生みの親が明かすデザインの秘密”. SBクリエイティブOnline. 2020年8月1日閲覧。
  10. ^ 大容量車両用・産業用IGBT (PDF) 富士時報 第71巻第2号(1998年)、富士電機
  11. ^ a b c d e f 技術成果と展望 交通システム (PDF) 富士時報 第71巻第1号(1998年)、富士電機
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参考文献[編集]

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外部リンク[編集]