鉄道建設・運輸施設整備支援機構

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独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
Yokohama Island Tower.jpg
機構本社が入居する横浜アイランドタワー
(横浜市中区)
正式名称 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
英語名称 Japan Railway Construction, Transport and Technology Agency
略称 鉄道・運輸機構、JRTT
組織形態 独立行政法人
本社所在地 日本の旗 日本
〒231-8315
神奈川県横浜市中区本町六丁目50番地1
北緯35度27分0.576秒
東経139度38分6.522秒
法人番号 4020005004767
資本金 1,158億2,954万3,747円(2015年3月31日現在)
負債 8兆5,881億6,833万2,776円(2015年3月31日現在)
人数 職員1,604名(2015年8月26日現在)
理事長 北村隆志
目的 交通ネットワークの整備
活動内容 鉄道施設の建設、貸付け等、船舶の建造、共有等、地域公共交通への出資等
設立年月日 2003年10月1日
前身 日本鉄道建設公団運輸施設整備事業団
所管 国土交通省
プロジェクト 整備新幹線事業、都市鉄道利便増進事業
ウェブサイト http://www.jrtt.go.jp/
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独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(てつどうけんせつ・うんゆしせつせいびしえんきこう、英称:Japan Railway Construction, Transport and Technology Agency、略称:JRTT鉄道・運輸機構)は、国土交通省所管の中期目標管理法人たる独立行政法人である。日本鉄道建設公団運輸施設整備事業団の業務を承継し2003年10月1日設立。本社・横浜市。

概要[編集]

機構の目的[編集]

鉄道建設等に関する業務及び鉄道事業者海上運送事業者等による運輸施設の整備を促進するための助成その他の支援に関する業務を総合的かつ効率的に行うことにより、輸送に対する国民の需要の高度化、多様化等に的確に対応した大量輸送機関を基幹とする輸送体系の確立並びにこれによる地域の振興並びに大都市の機能の維持及び増進を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法第3条)。

経緯[編集]

2003年10月1日に統合され、鉄道建設・運輸施設整備支援機構となった。広域公共交通に関する事業を行ってきた2つの特殊法人を統合した機関である。統合後に追加された業務は、地域公共交通への出資業務など。

運輸施設整備事業団
政府の特殊法人改革の一環として、まず1966年12月に発足した船舶整備公団(設立時は、国内旅客船公団)と1991年10月に発足した鉄道整備基金(旧新幹線鉄道保有機構)が1997年10月に統合されて運輸施設整備事業団となり、造船業基盤整備事業協会2001年3月に統合された。
日本鉄道建設公団
1964年3月に発足した日本鉄道建設公団に、1987年4月に発足した日本国有鉄道清算事業団(旧日本国有鉄道の継承法人)が1998年10月に統合された。

横浜本社のほか、東京大阪に鉄道建設本部の支社、北海道青森九州などに新線建設のための事務所(建設局、工事局、工事事務所)、整備新幹線工事区間に現地拠点(鉄道建設所等)が点在する。神戸に船舶共有建造関係の神戸連絡所が置かれている。また、大阪国鉄清算事業関係の支社が置かれている。

事業[編集]

機構の主な事業は、以下の5つに大別される。

  1. 鉄道建設:整備新幹線や都市鉄道を中心とする鉄道の建設、大改良、維持管理、貸付及び譲渡
  2. 鉄道助成:譲渡新幹線の譲渡代金の管理、各鉄道事業者が実施する鉄道整備事業への助成
  3. 船舶建造共有:船舶の整備推進のための船舶建造共有(建造、機構持分の貸付及び譲渡)、電気推進船「スーパーエコシップ」などの船舶の技術支援
  4. 地域公共交通出資:地域公共交通の再編、整備への支援
  5. 国鉄清算:旧国鉄から承継した用地等資産の売却、年金費用等の支払などの旧国鉄関係業務

附帯的な業務として、海外への技術協力支援や地方公共団体などからの受託業務を行っている。

発足時、東日本旅客鉄道を除くJR各社の株主となっていたが、2004年3月に西日本旅客鉄道の株式が全て売却され、2006年4月には東海旅客鉄道2016年10月には九州旅客鉄道の全株式の売却が完了した。この売却後においては、北海道旅客鉄道四国旅客鉄道及び日本貨物鉄道の株主である。

鉄道事業法第59条の規定により、本機構が鉄道事業者に鉄道施設を貸し付ける行為には同法が適用されない(第三種鉄道事業者ではない)。本機構から鉄道施設を借り受けて運行する鉄道事業者は第一種鉄道事業者となる。

本機構が海運事業者に船舶を共有させ、使用させる行為には、海上運送法内航海運業法の適用を受けない(事業者とはならない)。本機構との共有船を使用して運航する場合には、海運事業者は船舶管理人となる。

組織[編集]

鉄道建設・運輸施設整備支援機構の位置(日本内)
九州
九州
富山
富山
青森
青森
北海道
北海道
大阪支社
大阪支社
東京支社
東京支社
関東甲信
関東甲信
西日本
西日本
本社
本社
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
Red pog.svg 本社・支社 Orange pog.svg 国鉄清算事業 Blue pog.svg 鉄道建設本部 建設局 Yellow pog.svg 鉄道建設本部 工事事務所Black pog.svg 鉄道建設本部 工事局
本社
鉄道建設本部
国鉄清算事業
  • 西日本支社:大阪市淀川区西中島五丁目4番20号 中央ビル6階
    • 梅田駅・吹田(信)用地業務を所管

役員[編集]

  • 理事長(1)
  • 副理事長(1)
  • 理事(8)(うち理事長代理(1))
  • 監事(3)

沿革[編集]

2002年12月18日に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法(平成14年法律第180号、以下「法律」と表記)が公布され、機構の設立が決定した。

2003年10月1日、法律が施行されて独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発足した。これに伴い、日本鉄道建設公団および運輸施設整備事業団がそれぞれ解散した。

前身の日本鉄道建設公団が進めていた鉄道建設工事は機構が引き継ぎ、横浜高速鉄道みなとみらい線九州新幹線新八代 - 鹿児島中央)などを完成させた。2005年には北海道新幹線、2006年には北陸新幹線富山 - 金沢間)の建設工事が始まるなど機構発足後の新規の建設にも着手している。

2004年3月12日にはJR西日本の、2006年4月10日にはJR東海の全株式の売却がそれぞれ完了し、両社は完全民営会社となった[1]

機構の前身である運輸施設整備事業団が関わって建造が進められてきた高速船であるテクノスーパーライナーの1号船「SUPER LINER OGASAWARA」は、2004年11月13日岡山県玉野市三井造船玉野事業所で進水した。小笠原航路に就航予定とされていたが、燃料費の高騰で国や東京都が支援を断念し、運行予定であった小笠原海運は船の引き受けを拒否した。その後、東日本大震災の支援船として一時利用される機会もあったが、保有してリースするために設立されたテクノ・シーウェイズは破産処理が行われ[2]、船自体も解体処分されることになった[3]

2006年1月27日、機構が研究を進めてきた電気推進船「スーパーエコシップ」 (SES) の第1船として、JR西日本の宮島連絡船(現在はJR西日本宮島フェリーによる運航)に投入される「みやじま丸」が竣工した。SESは、エンジンで発電機を回してその電力でモーターを回して推進する船で、窒素酸化物 (NOx)や二酸化炭素の排出を減らすと共に燃費を改善することができる。さらに従来型の船では巨大なエンジンを船の後部のほぼ決まった位置に搭載しなければならず設計上の制約が大きかったものが、自由なレイアウトを採用できるようになり船室スペースの増加や積載効率の改善にも寄与するといった特徴がある。「みやじま丸」を皮切りに貨物船などにも続々と採用されている。

2008年4月1日には、2012年度までの第2中期計画が始まった。整備新幹線の残りの区間の建設推進と共に、相模鉄道のJR東日本・東京急行電鉄(東急)への乗り入れを行う神奈川東部方面線京成成田空港線などの建設が計画に挙げられていた。

2015年8月26日に新たな業務として、地域公共交通への出資・融資業務が追加された。

年表[編集]

その他[編集]

職員団体

建設勘定の職員を中心として、鉄道運輸機構労働組合を構成している。

政治家との問題

一部の報道によると、2004年から2005年の間に同機構に対し、魚住汎英参議院議員(当時)がかかわり合いのある熊本県宇城市の内航海運会社の使用料滞納金1億円を、制度上認められていない減免を行うようにと働きかけ、制度上の理由から減免を拒否されたことに関し、同機構理事長や国土交通省局長らを呼びつけて謝罪させ、北側一雄国土交通省大臣(当時)などに対し責任を問うぞとも電話をした。魚住汎英はこれに対し「内容は記憶していない」としている[5]

海事勘定の繰越欠損金[編集]

海事勘定(共有建造業務と技術支援業務を実施)においては、繰越欠損金が、平成24年度末には、504億円に達している。主な内訳は、貸倒引当金相当額180億円、未収金の処理等に伴い計上した損失324億円 であった。平成27年度末で368億円にまで削減している。

特例業務勘定の利益剰余金[編集]

2010年4月27日、政府の事業仕分けにおいて本機構の事業が取り上げられた。旧国鉄職員の年金支給や国鉄資産の売却などを行う国鉄清算業務において、2008年度決算で1兆3500億円に及ぶ利益剰余金が積み上がっていることについて、国土交通省側は国庫返納に難色を示したものの、国庫返納の判定を受けた。また鉄道技術開発費補助金について、国から本機構を経由して鉄道事業者などに交付する仕組みになっているところを、国が直接実施すべきとの判定を受けた[6]

2011年2月8日、政府は「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定した[7]。この法案が成立した場合、本機構の特例業務勘定の利益剰余金等を活用して鉄道施策を推進するため、JR北海道及びJR四国の経営の安定化、JR北海道、JR四国及びJR九州並びにJR貨物の設備投資への支援、整備新幹線の着実な整備、並行在来線への支援等に関する所要の措置を講じる。

  1. JR北海道及びJR四国の経営安定基金の積み増し(無利子貸付方式)
    機構は、JR北海道及びJR四国の経営の安定を図るため、これらの会社が引き受けるべきものとして特別債券を発行するとともに、その引受けに要する資金に充てるため、これらの会社に対し、無利子貸付けを行うことができる。
  2. JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物の設備投資に対する支援
    機構は、JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物の設備投資に必要な資金に充てるため、無利子貸付け又は助成金の交付を行うことができる。
  3. 整備新幹線の着実な整備
    機構は、平成23事業年度において、北陸新幹線高崎・長野間の建設のための過去の借入れに係る債務の償還・利子の支払に必要な金額を、特例業務勘定から建設勘定に繰り入れることができる。
  4. 並行在来線の支援
    機構は、並行在来線を支援するため、いわゆる貨物調整金の交付に必要な金額を、特例業務勘定から建設勘定に繰り入れることができる。

2011年6月8日、この法律案は参議院本会議で全会一致で可決・成立し、上記の施策が実行に移された[8]

脚注[編集]

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  1. ^ 交通新聞2010年10月1日
  2. ^ 小笠原航路の高速船計画を推進していたテクノ・シーウェイズが破産”. Response. 2014年6月17日閲覧。
  3. ^ 「テクノスーパーライナー」 三井造船、買い手なく解体へ”. SankeiBiz (2012年2月24日). 2012年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月17日閲覧。
  4. ^ 読売新聞2010年12月25日13S版13面
  5. ^ “地元業者延滞金 自民 魚住汎議員、減免迫る 独立法人や国交省に度々” (日本語). 讀賣新聞. (2007年3月20日) 
  6. ^ 鉄道・運輸機構は「剰余金1.4兆円返納を」”. 日経BP社 ケンプラッツ (2010年4月30日). 2010年5月15日閲覧。
  7. ^ 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案について平成23年2月8日 国土交通省報道発表資料
  8. ^ 改正旧国鉄債務処理法が成立日本経済新聞2011年6月8日

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]