プラスEX

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プラスEX(プラスいーえっくす)とは、東海旅客鉄道が提供していた一部のクレジットカード会社の会員を対象とした、 東海道新幹線の会員制予約サービスの名称である。

概要[編集]

このサービスの最大の特徴は、パソコン携帯電話から東京 - 新大阪間の東海道新幹線各駅間の割引きっぷを購入することができることである。割引きっぷは、年末年始ゴールデンウィークなどの繁忙期においても通常の新幹線特急券よりも安価で、通常では1回のみに限定されている乗車変更が、入場前(またはIC乗車票の受取前)で、予約した列車の発車時刻前で、当初の購入から3ヶ月以内であれば何度でも手数料無料で可能である。複数人で利用する場合は2名以上で予約できる「プラスきっぷ」(価格はICサービス(プラス)と同額・こども用の設定もあり)を購入することで可能である。なお同社が提供するエクスプレス予約と異なり、ICカードによる乗車あるいは乗車券と特急券が一体となった商品での利用となるため、特急券単体での予約は不可である。 このサービスを受けるには、三井住友カード[1]、九州カード[1]、スルガカード[1]、三重銀カード[1]、関西クレジット・サービス[1]、中部しんきんカード[1]ジェーシービー[2]小田急電鉄小田急ポイントカード)、三菱UFJニコス[3]トヨタファイナンス[4]アメリカンエキスプレス[1]イオンフィナンシャルサービスセディナ[5]三井住友トラストクラブ[6]東急カード[7]が発行するクレジットカードへ入会することが必要である。予めクレジットカードへの入会を済ませておく必要があり、与信審査が必要であるため、審査基準に満たない者や18歳未満の者は利用できない。

プラスEXの年会費は、500円(税抜)かかり、クレジットカード本体の年会費と別建てで請求される。

2017年9月2日より、プラスEXはエクスプレス予約に統合された[8]。これによりエクスプレス予約とほぼ同等のサービスを受けることができるようになる[9]

座席番号リクエストサービス[編集]

パソコンや携帯電話の画面に表示されるシートマップを見ながら座席を選択し、任意の号車・座席位置を指定して指定券を購入できる。 ただし、リクエストした列車が満席もしくはそれに近い場合は利用できない。

  • 一部列車では号車の選択ができない場合がある。
  • 全席禁煙のN700系で運行される列車では「喫煙ルーム付近の座席を希望」にチェックを入れると、該当する座席のみ表示される。

エクスプレス予約との相違点[編集]

エクスプレス予約と取り扱いが一部異なり、以下の制限がある。

  • 特急券単体での発券不可
  • IC乗車もしくはそれに準ずる制度のきっぷのみの取り扱いの為特定都区市内制度適用不可
  • 山陽新幹線の利用不可
  • グリーンプログラムは適用外

乗継割引[編集]

一般の特急券のような新幹線⇔在来線特急列車相互間の乗り継ぎ割引制度はない。

在来線の電話・インターネット予約[編集]

JR東海では、JR東海エクスプレス・カード会員専用電話センター経由でJR全線の乗車券・特急券をカード決済で購入し、窓口やエクスプレス券売機で受け取るサービスを行っていたが、2006年(平成18年)8月末で廃止した。現在は、自社独自の在来線列車の予約サービスは実施しておらず、サイバーステーションによる予約サービスのみの取り扱いとなっている。[10]

割引額に関する考察[編集]

東京 - 新大阪間の「のぞみ」を利用する場合は、無割引だと14,450円だがプラスEXは13,940円となる。なお、エクスプレス予約で同区間を利用すると、片道普通乗車券とe特急券の組み合わせで13,570円、EX-ICは13,370円となる。 エクスプレス予約の場合は、特急券単体での発行やカード名義人以外の利用、複数人での利用にも対応しており、利用形態によってはエクスプレス予約へ入会した方が有利となる。

  • エクスプレス予約に入会した方が有利なケース
    • JR在来線区間の利用距離が長くなる場合
    • 往復割引乗車券・学生割引乗車券・身体・知的障害者割引乗車券と併用するケース
    • 複数人での利用
    • 山陽新幹線区間にまたがる利用
    • IC早特(プラス)を利用しない場合
    • IC早特(プラス)の利用が中心だが、IC早特の適用対象外の「のぞみ」を利用するケースが年2回以上見込まれる場合
    • グリーンプログラムなど、エクスプレス予約のみ適用されるサービスの利用も考慮したい場合
  • プラスEXに入会した方が有利なケース
    • クレジットカードの保有枚数を抑制したい場合
    • IC早特(プラス)を高頻度に利用し(きっぷでの利用や、早朝以外の「のぞみ」を利用するケースが年1回以内)、且つ「JR在来線区間の利用がない場合や距離が短い場合」「東海道新幹線のみ利用すること」

プラスEXカード[編集]

EX-ICご利用票
座席情報表示機

プラスEXカードは東海道新幹線のチケットレス化を目指し、2008年3月29日から導入されたEX-ICサービスとほぼ同一内容のサービスである。特急券ではなく専用のICカードなどを使用して、スピーディな乗車や乗り継ぎを実現する。

概要[編集]

『プラスEX』の会員に別途貸与される「プラスEXカード」と会員のプラスEXの情報をひも付けし、自動改札機にICカードなどをタッチした時に会員の予約購入した乗車券・特急券の情報を確認してチケットレスで通過できる。

「モバイルSuica」のチケットレスサービス(モバイルSuica特急券)と異なり、利用者が自分で「モバイルSuica搭載携帯電話機」にきっぷの情報をダウンロードするのではなく、自動改札機通過時に会員の予約情報との照合を行って通過を判定し、EX-ICカードなどへきっぷの情報が格納される。

自動改札機にEX-ICカードなどをタッチすると、利用する列車や座席番号などが記載された「ICご利用票」が出力されるほか、改札内などにある座席情報表示機でもカードをタッチすると座席などの情報が表示され、乗車直前の確認の役目を果たす。万が一「ICご利用票」を取り忘れて乗車した場合は、車内で車掌が所持している車掌携帯端末機にかざすと、号車及び座席番号がわかる。

IC乗継サービス[編集]

プラスEXカードは公共交通機関ICカード乗車券であるSuicaICOCATOICASUGOCAKitacaPASMOmanacaPiTaPanimocaはやかけんのいずれか1枚と組み合わせて使用することも可能である。新幹線の自動改札機に2枚同時にタッチすると、在来線部分の運賃(SF)精算と新幹線部分の有効判定を同時に行う。2013年3月23日より交通系ICカードの全国相互利用が開始されたため、上記10種類全てのICカードでの在来線乗継が下記エリアに関係なく可能になった。

運賃など[編集]

運賃(乗車券)と特急券をセットにした専用の価格(プラスEX新幹線チケットレス運賃)が適用され、新幹線駅相互間のみの利用(東京→新大阪等)であれば、通年・全列車が「ひかり」「こだま」の閑散期料金で利用できる。新幹線が指定席利用で、在来線と乗り継がない場合であれば概ね従来のきっぷ(特急券+乗車券)と比べて安く利用できる。

しかし、在来線区間は別払い(在来線用IC乗車カードのストアードフェア残額から引き去りかきっぷを購入)となるため、新幹線と在来線を乗り継いで利用する場合は、総額が従来のきっぷと異なる。在来線の利用距離や区間によっては従来のきっぷより高くなる場合がある。

例として、西荻窪駅 - 天王寺駅間を東京 - 新大阪間普通車指定席使用(通常期)で、特急券・乗車券とプラスEXで比較した場合

  • 特急券・乗車券 14,450円
    • (内訳)特急券5,700円、乗車券(東京都区内-大阪市内)8,750円
  • プラスEX 14,550円(交通系ICカード利用時は14,548円)
    • (内訳)西荻窪-東京間普通運賃390円(交通系ICカードの場合は388円)、東京-新大阪間プラスEX新幹線チケットレス運賃13,940円、新大阪-天王寺間普通運賃220円

結果として、プラスEXの方が100円(交通系ICカード払いの場合は98円)高額になる。

このため、プラスEXでは従来のきっぷとプラスEXを選択して利用することを推奨するとともに、利用者が価格を簡単に比較できるように計算専用のWebサイトを用意している[12]

モバイルSuicaでの利用[編集]

EX-ICと異なり、モバイルSuicaにプラスEXの情報を登録することはできない。また、乗換改札にてモバイルSuicaとプラスEXカードを重ねてのタッチもできない。この場合、券売機などでIC乗車票の発行が必要となる。

早割制度[編集]

IC早特(プラス)[編集]

乗車日の3日前までに予約し、かつ特急券と乗車券をセットで購入することを条件に、前述のe特急券よりもさらに安く乗車できる。利用できるのは以下の列車。

  • タイプA
    • 東京・品川・新横浜 - 名古屋・京都・新大阪
      • のぞみ」- 乗車駅を午前6時台に出発する列車
      • ひかり」- 終日全列車

値段はEX-IC早特と同額になっている。割引額は2,110円が基本となる(東京・品川 - 京都・新大阪間および新横浜 - 新大阪間、通常期ののぞみ普通車指定席との差額)が、これより短い区間を利用する場合はこれより割引額が小さくなる。また、一部の主な区間においてグリーン料金の割引料率が他の区間より大きくなっているのも特徴であり、例えば東京・品川・横浜 - 京都・新大阪間を利用の場合、グリーン料金が約57%割引(4,780円→2,060円)される。これに前述の特急料金の割引も加わるため、東京 - 新大阪間の場合14,400円と、通常期・繁忙期においては通常の「のぞみ」普通車指定席料金よりも50 - 250円安い料金で利用できる。ただし都区内・市内等の在来線ゾーンには乗車できない(例えば新宿 - 東京 – 新大阪 – 天王寺の場合は新宿 - 東京と新大阪 – 天王寺の部分の普通運賃が別途必要となる)ほか、乗り遅れた場合は後続列車の普通車自由席を利用できないため、改めて特急料金などを支払わなければならない点に留意する必要がある。

  • こだま楽旅☆IC早特

東海道新幹線内のこだま号限定グリーン車限定の商品。隣接区間など一部区間を除く短・中距離利用は通常のエクスプレス予約のe特急料金に少額を上乗せした額で、また長距離利用は大幅に割引した料金で利用することが出来る。利用・購入条件は通常のIC早特(プラス)に準ずる。

  • 東海道新幹線開業50周年記念として期間限定で発売される商品
    • 利用期間:2014年6月17日から2015年3月31日乗車分まで
    • 設定区間:隣接する駅を除く東海道新幹線全区間、ただし東京 - 新横浜間、三島 - 静岡間、静岡 - 浜松間、豊橋 - 名古屋間は設定がない。
    • 最大運賃は東京 - 新大阪間の利用の場合で9,500円、グリーン車利用のおよそ半額、普通車と比べても大幅な割引額で利用することが出来る
  • 通年販売される商品
    • 利用期間:2015年4月1日以降の乗車日で通年販売
    • 設定区間:上記と同じ。
    • 最大運賃は東京 - 新大阪間の利用の場合で11,200円、長距離でグリーン車利用の約60%の運賃設定となっている。

年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどの多客期でも利用できるほか、予約の変更が何度でも可能、などの特典はIC早特(プラス)と同条件である。

年表[編集]

  • 2012年(平成24年)10月9日 - 手持ちのクレジットカードでEX-ICサービスが利用可能になる、プラスEXサービスを開始。
  • 2014年(平成26年)11月1日 - 2名以上で利用できる「プラスきっぷ」が発売開始。複数人でもプラスEXの利用が可能となる。
  • 2017年(平成29年)9月2日 - この日をもってエクスプレス予約に統合[8]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g ビジネスカード、コーポレートカード、JRカード、KANKU-CLUBカードなど一部提携カード除く
  2. ^ JCBグループのカード発行会社を含み、JRカード、JCBビジネスカード除く
  3. ^ フランチャイジー各社、提携(FC契約)金融機関、三菱東京UFJ銀行発行を含み、法人・事業者経由で発行されたカード、JRカード除く
  4. ^ 法人・事業者経由で発行されたカード除く
  5. ^ セディナカードやセディナOMCカードのみ。セディナCFカード(セディナクオークカードも含む)やJCBのFC扱いで発行される法人向けカード、ローンカードは除く
  6. ^ ダイナースクラブも含む。
  7. ^ TOP&ClubQ JMBカード会員限定
  8. ^ a b 「エクスプレス予約」のサービス充実について~平成29年9月2日(土)より、「エクスプレス予約」はさらに便利に!~(2017年6月28日) - JR東海ニュースリリース 2017年7月6日閲覧 (PDF)
  9. ^ ただし、グリーンプログラムが適用されないなどの差はある。
  10. ^ サイバーステーションの利用の際は月額料金が別途掛かるだけでなく他のISP経由からでは接続できない為に年に数回程度では元が取れないケースが多い。またプッシュホン予約(既に廃止)だと別途「JR時刻表」や「JTB時刻表」に記載されている各列車固有の予約番号を覚えておかなければならないという手間も掛かる。また乗車日の1ヶ月前に窓口購入の際にトワイライトエクスプレス(既に廃止)等の人気列車の場合だと午前中の半日休暇もしくは丸1日休暇を取らなければならず、会社員だと手に入れる事自体が難しいとされている。
  11. ^ 新幹線と在来線の乗り継ぎ駅ではあるが、ホームが離れていることから乗り継ぎ改札がなく、改札を出ての乗り継ぎとなる。
  12. ^ プラスEX運賃ナビ 2012年10月11日 閲覧.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]