JRタワー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
JRタワー
JR Sapporo Sta04n3200.jpg
施設外観(2009年10月)
情報
用途 駅関連施設、店舗ホテルオフィスシネマコンプレックス展望室駐車場施設地域冷暖房施設[1]
施工 東工区:鹿島建設熊谷組、札建工業JV[2]
センター工区:清水建設[3]大成建設伊藤組土建大林組、フルーア・ダニエル・ジャパンJV[2]
大丸工区:竹中工務店、大林組、熊谷組、伊藤組土建、鹿島建設、清水建設、戸田建設、札建工業JV[2]
事業主体 札幌駅総合開発、朝日生命保険北海道旅客鉄道大丸[1]
構造形式 鉄筋コンクリート造鉄骨鉄筋コンクリート造鉄骨造[1]
敷地面積 約65,500 m² [1]
延床面積 約276,000 m² [1]
※駅関連施設3,000 m²、商業施設58,000 m²、ホテル21,000 m²、シネマコンプレックス10,000 m²、オフィス31,000 m²、展望室1,000 m²、百貨店68,000 m²、駐車場45,000 m²、地域冷暖房施設5,000 m²、その他34,000 m²
階数 地下4階 - 地上38階[1]
高さ 173 m[1]
駐車台数 約1,100台[1]
着工 2000年[1]
竣工 2003年[1]
開館開所 2003年3月6日
所在地 060-0005
札幌市中央区北5条西2丁目・3丁目・4丁目
座標 北緯43度04分06秒 東経141度21分04秒 / 北緯43.06833度 東経141.35111度 / 43.06833; 141.35111座標: 北緯43度04分06秒 東経141度21分04秒 / 北緯43.06833度 東経141.35111度 / 43.06833; 141.35111
テンプレートを表示

JRタワーJR TOWER)は、札幌市中央区にある複合施設(駅ビル複合商業施設超高層建築物[注 1]。この項目では、運営企業の「札幌駅総合開発」(さっぽろえきそうごうかいはつ)についても記載している。

概要[編集]

札幌駅の高架化に伴う旧地上駅跡地の再開発事業により建設し[4]、2003年に開業した。JRグループによる駅ビルとしては1997年平成9年)開業の京都駅ビル、1999年(平成11年)開業のJRセントラルタワーズに次ぐ大規模再開発となった。「アピア」、「パセオ」、「エスタ」や「札幌ステラプレイス」の総称を「JRタワースクエア」としており、「大丸札幌店」を合わせて北海道内最大となるショッピングエリアを形成している。

札幌駅1階の東西にあるコンコースと一体化した形で地上1階と地下1階に大きな通路を設けており、これを境に施設は大きく3つのブロックに分かれている[5]。外観には3代目駅舎のデザインを採り入れて札幌の街と駅の歴史や記憶の継承を意図している[6]。2つのコンコースに挟まれた中央棟(センターブロック)を9層(軒高51 m)に抑えて4代目駅舎の水平線のイメージを残しているほか[6][7]、超高層棟(軒高163 m)を東側奥にセットバックして建築することで駅前広場と調和したヒューマン・スケールに配慮している[6]。正面(ファサード)中央部には北海道出身の彫刻家デザイナーである五十嵐威暢による「星の大時計」を配置しており、大時計の外壁下部に貼られたソーラーパネルを動力源にしている[8]

他方、当ビルの開業により、北海道旅客鉄道(JR北海道)内部では華やかなビル開発にスポットが当たるようになり、赤字の鉄道事業が軽視されがちな風土を生み出すことにつながったとの指摘もある[9]

札幌駅総合開発[編集]

札幌駅総合開発株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
060-0005
札幌市中央区北5条西2丁目5 JRタワーオフィスプラザさっぽろ
設立 1997年10月8日(札幌駅南口開発株式会社)
2005年10月1日(商号変更)
法人番号 2430001024515
代表者 平川敏彦(代表取締役社長)
資本金 80億円
主要株主 北海道旅客鉄道
テンプレートを表示

札幌駅総合開発(さっぽろえきそうごうかいはつ)は、JRタワーの運営管理などを行う企業(JR北海道グループ)。前身は1997年平成9年)設立の「札幌駅南口開発」であり、2005年(平成17年)にアピアを運営する札幌駅地下街開発、エスタを運営する札幌ターミナルビル、パセオを運営する札幌ステーション開発と合併して「札幌駅総合開発」と商号変更した[5][10]2006年(平成18年)からは札幌駅総合開発とオリエントコーポレーション(オリコ)による提携カード「JRタワースクエアカード」を発行するなど[11]、一体化した販売促進や運営管理を行っている。2016年(平成28年)に筆頭株主である北海道旅客鉄道は、保有株式の一部をJR北海道グループ外の第三者に売却した[12][13]

事業内容

  1. 店舗、事務所、倉庫等の不動産の賃貸業及び展望室、駐車場等の経営
  2. 建物、駐車場等の警備、清掃、保守、修繕等の管理業
  3. 衣料品、食料品、飲料、酒類、たばこ、事務用品、日用品雑貨、民芸品等の販売
  4. 音楽、演劇、映画、スポーツ等各種催し物の入場券、商品券、旅行券、宝くじ、切手、印紙類等の販売
  5. 委託公衆電話の受託業、コインロッカー及び自動販売機による営業
  6. 広告業及び広告施設の賃貸業
  7. 損害保険代理業及び宅配便の取次業
  8. 地下街の通路及び広場の管理
  9. バスターミナル事業
  10. 運動施設及び遊戯施設並びにカルチャーセンター等の経営
  11. 前各号に付帯し、または関連する一切の事業

沿革[編集]

  • 1989年平成元年):札幌ステーション開発による札幌駅高架下商業施設「パセオ」開業[7]
  • 1993年(平成05年):「札幌駅南口土地区画整理事業」都市計画決定[7]
  • 1997年(平成09年):大丸北海道旅客鉄道が建物提案方式による契約締結[7][14]。札幌駅南口開発設立[7]
  • 1999年(平成11年):札幌駅地下街開発による地下街「アピア」開業[7]
  • 2000年(平成12年):仮称・札幌駅南口総合再開発ビル着工[7]。地下からの温泉湧出に成功し、「札幌駅温泉」と命名[7][15]。ビルの名称が「JRタワー」に決定[7]
  • 2001年(平成13年):札幌駅南口開発とシネマフロンティア共同事業体(松竹東宝東映で構成)が建物賃貸借契約締結[7][16]三國清三(オテル・ドゥ・ミクニ)とレストランデリカテッセンの企画・運営に関する業務提携契約締結[7]。ロゴマーク発表[7]
  • 2002年(平成14年):大時計除幕[7]
  • 2003年(平成15年):JRタワー開業[7]
  • 2005年(平成17年):札幌駅南口開発、札幌駅地下街開発、札幌ターミナルビル、札幌ステーション開発が合併し、「札幌駅総合開発」と商号変更[5]
  • 2013年(平成25年):札幌市と札幌駅総合開発が「まちづくりパートナー協定」締結[17]

施設[編集]

東棟(高層棟)[編集]

JRタワー
施設外観(2012年12月)
施設外観(2012年12月)
施設情報
所在地 札幌市中央区北5条西2丁目
状態 完成
開業 2003年
用途 オフィスホテル展望台(38階)
地上高
屋上 ヘリポート[1]
高さ 173 m
各種諸元
階数 地下3階、地上38階[18]
構造形式 鉄骨造制振構造[18]
エレベーター数 乗用:6基[18]
人荷用:1基[18]
駐車台数 124台[18]
関連企業
設計 日本設計[19]
施工 鹿島建設[20]熊谷組、札建工業JV[18]
管理運営 朝日生命保険、札幌駅総合開発[18]

東棟地下1階から6階までは複合商業施設ステラプレイス イースト」になっている。高層棟は高さが173 mあり、完成時は東北・北海道地方で最も高い建築物であった(2010年竣工の「仙台トラストタワー」が高さ180 mと上回った)。7階から20階までは貸室「JRタワーオフィスプラザさっぽろ」であり、7階・8階にクリニックフロア「ファーマライズ医療モール札幌」がある。1階と22階から36階までは「JRタワーホテル日航札幌」、最上階(38階)は「JRタワー展望室 タワー・スリーエイト」になっている。ホテルと展望室はトリップアドバイザーによる「エクセレンス認証」を受賞しているほか[21][22]、展望室は「日本夜景遺産」施設型夜景遺産に認定されている[23]。地下3階には地域冷暖房施設(地域熱供給)「札幌駅南口エネルギーセンター」があり、天然ガス再生可能エネルギー深夜電力を活用したコジェネレーションにより電気、蒸気、融雪温水、冷水を供給している[24]。「札幌駅南口地区地域熱供給システム」として『第8回新エネ大賞』資源エネルギー庁長官賞[25]、「札幌JRタワーのコージェネレーション」として『第17回電気設備学会賞』技術部門施設賞を受賞している[26]

JRタワーホテル日航札幌[編集]

JRタワーホテル日航札幌
JR tower hotel nikko sapporo
ホテル概要
ホテルチェーン オークラ ニッコー ホテルズ
運営 JR北海道ホテルズ
階数 地上1階、地上22階 - 地上36階
開業 2003年5月31日[27]
最寄駅 JR logo (hokkaido).svg 札幌駅
ST Logo.svg さっぽろ駅
最寄IC Sasson Expwy Route Sign.svg 札幌北IC
所在地 〒060-0005
札幌市中央区北5条西2丁目5
公式サイト JRタワーホテル日航札幌 公式サイト
テンプレートを表示

客室

  • モデレートフロア(23階〜30階)
    • シングルルーム (18〜20 m²)
    • モデレートダブル (24 m²)
    • スーペリアダブル (30 m²)
    • コーナーダブル (40 m²)
    • モデレートツイン (30 m²)
    • コーナーツイン (40 m²)
    • ファミリートリプル (30 m²)
  • エグゼクティブフロア(31階〜34階)
    • エグゼクティブダブル (24 m²)
    • エグゼクティブツイン (30 m²)
    • コーナーデラックスツイン (40 m²)
    • スイートルーム (63 m²)

レストラン&バー

  • レストラン&バー「SKY J」
  • スカイレストラン「丹頂」
  • カフェ「セリーナ」
  • フレンチレストラン「ミクニ サッポロ」(札幌ステラプレイス9階)

ウエディング

  • ホワイエ人前式
  • そらの結婚式
  • 披露宴会場内人前式

宴会・会議

  • スカイバンケットルーム「たいよう」 (304 m²)
  • スカイバンケットルーム「つき」 (75 m²)
  • スカイバンケットルーム「ほし」 (60 m²)

スパ

  • スカイリゾートスパ「プラウブラン」
    • スパ(札幌駅温泉)
    • リラクセーション・ボディクリーン
    • エステティックサロン「ソシエ」
    • ヘアサロン「プラチナ アヴェダ」
    • カフェ

その他

  • ホテルショップ「ラ ポシェ」
  • 宴会受付「ル サロン」

中央棟(センター)[編集]

ステラプレイス センター

札幌シネマフロンティア

大丸札幌店[編集]

JRタワーを構成している施設[編集]

アピア

  • 前身は1952年昭和27年)開設の「札幌ステーションデパート」[10]。その後、1972年(昭和47年)に「札幌駅名店街」[29]1978年(昭和53年)には札幌ターミナルビル開業により「エスタ二番街」を開設し、拡張していった[10]

エスタ

パセオ

受賞[編集]

  • 『LIGHTING SELECTION 2003 景観照明感謝賞』建物・棟梁などの演出照明部門 審査員特別賞(2003年)[19]
  • 『第37回SDA賞』優秀賞 A-3類「JRタワー 高架上屋駐車場排気塔屋根デザイン」(2003年)[32]
  • 『平成15年度鉄道建築協会賞』建築作品部門 国土交通省鉄道局長賞「札幌駅(JRタワー)」(2003年)[33]
  • 『平成15年度優良消防防災システム』消防長官表彰(2003年)[34]
  • 『International Illumination Design Award』Award of Merit(2004年)[19]
  • 『IES Illumination Awards』Award of Merit(2005年)[19]

アクセス・駐車場[編集]

駐車場

  • JRタワーイースト駐車場・JRタワーセンター駐車場(RV可)
  • パセオパーキング
  • エスタパーキング
  • 大丸地下駐車場
  • ジェイ・アール5・5パーキング(RV可)
  • 札幌駅北口地下駐車場(RV可)
  • レールパーク札幌駐車場(RV可)

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈

  1. ^ 札幌駅住所北区であるが、JRタワー(JRタワースクエア)の住所は中央区になる。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 建物概要”. JRタワー. 2017年8月30日閲覧。
  2. ^ a b c 札幌駅南口総合開発ビル(仮称)新築工事はじまる 2003年春開業”. 建設グラフ 2000年4月号. 自治タイムス社. 2017年8月31日閲覧。
  3. ^ JRタワー(センター工区)”. 清水建設. 2017年8月31日閲覧。
  4. ^ 札幌・JRタワー10周年で出発式-年間4千万人利用、第2期開発構想も”. 札幌経済新聞 (2013年3月6日). 2017年9月1日閲覧。 “みんなの経済新聞ネットワーク
  5. ^ a b c 立澤芳男 (2011年8月24日). “都市生活で読む日本の実態シリーズNo.4 (PDF)”. ハイライフ研究所. pp. 14-15. 2017年9月1日閲覧。
  6. ^ a b c 臼井幸彦 2004, p. 1.
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n 開発の経過”. JRタワー. 2017年8月30日閲覧。
  8. ^ 臼井幸彦 2004, p. 2.
  9. ^ 『東洋経済』第105巻12号、2017年、34頁。
  10. ^ a b c 道路(2) (PDF)”. 札幌市の都市交通データ. 札幌市. p. 3. 2017年8月30日閲覧。
  11. ^ “『Kitaca』一体型クレジットカード『JR TOWER SQUARE CARD Kitaca』を発行” (プレスリリース), オリエントコーポレーション, (2009年12月9日), https://www.orico.co.jp/company/news/2009/1209_1.html 2017年9月1日閲覧。 
  12. ^ “札幌駅総合開発(株)の一部株式の売却等について” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2016年6月15日), https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160615-1.pdf 2017年8月30日閲覧。 
  13. ^ JRタワー株、政投銀が取得へ”. リアルエコノミー (2016年7月13日). 2017年8月30日閲覧。
  14. ^ 大丸の札幌進出(2の1)*道内最大の百貨店に*東北以北の核店舗*JR北海道*駅南口を一体開発へ”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (1997年3月5日). 2017年8月31日閲覧。
  15. ^ 出た出た都心の湯*JR札幌駅南口*ボーリング作業終える”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2000年8月29日). 2017年8月31日閲覧。
  16. ^ 年間100万人、18億円収入目標*札幌駅新ビル・シネコン*邦画3社、JR北海道と契約”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2001年1月27日). 2017年8月31日閲覧。
  17. ^ 札幌駅総合開発株式会社との協定”. 札幌市. 2017年8月30日閲覧。
  18. ^ a b c d e f g 建築設備概要”. JRタワー. 2017年8月30日閲覧。
  19. ^ a b c d JRタワー(札幌駅南口開発ビル)”. 日本設計. 2017年8月30日閲覧。
  20. ^ 札幌JRタワー東工区JV工事”. 鹿島建設. 2017年8月30日閲覧。
  21. ^ JRタワーホテル日航札幌”. トリップアドバイザー. 2017年9月21日閲覧。
  22. ^ 札幌JRタワー展望室T38”. トリップアドバイザー. 2017年9月6日閲覧。
  23. ^ JRタワー展望室T38”. 日本夜景遺産. 2017年8月31日閲覧。
  24. ^ 札幌駅南口エネルギーセンター”. 北海道熱供給公社. 2017年8月31日閲覧。
  25. ^ 札幌駅南口地区地域熱供給システム”. 新エネルギー財団. 2017年8月31日閲覧。
  26. ^ 2005年(平成17年)電気設備学会賞受賞者の決定”. 電気設備学会. 2017年8月31日閲覧。
  27. ^ 会社案内 (PDF)”. JR北海道ホテルズ. 2017年8月30日閲覧。
  28. ^ “札幌シネマフロンティア運営会社変更について” (PDF) (プレスリリース), TOHOシネマズ松竹マルチプレックスシアターズティ・ジョイ, (2012年2月24日), http://www.tohocinemas.co.jp/news/pdf/2012/120224a.pdf 2017年8月31日閲覧。 
  29. ^ 札幌駅名店街オープン”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (1972年3月25日). 2017年8月31日閲覧。
  30. ^ 札幌ターミナルビル 華やかに竣工祝う”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (1978年8月29日). 2017年9月1日閲覧。
  31. ^ 札幌そごう閉店*再就職の不安抱え 従業員深々と一礼*セール売上高58億円*食料品売り場は継続へ”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2000年12月26日). 2017年8月31日閲覧。
  32. ^ JRタワー 高架上屋駐車場排気塔屋根デザイン”. 第37回SDA賞. 日本サインデザイン協会. 2017年8月31日閲覧。
  33. ^ 1956-2004年度作品一覧”. 鉄道建築協会. 2017年8月31日閲覧。
  34. ^ 平成15年度消防設備保守関係功労者表彰 優良消防防災システム表彰 (PDF)”. 消防の動き 平成15年11月号 No.392. 消防庁. 2017年8月31日閲覧。

参考資料[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]